第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度は、前期から引き続き“Connect”をキーワードに掲げ、クラウドサービス成長のための投資とエコシステムの拡大・強化に努めてまいりました。地域、領域、業界など様々な背景を持ったパートナー同士を、それぞれの特色を活かしてネットワーク化し、当社グループ関連ビジネスの最大化を図ってまいりました。
 また、働き方変革に対する社会的関心は今まで以上に高まり、当社グループのビジョンや事業活動にも多くの共感が集まりました。平成29年8月に当社は創立20周年を迎え、働き方改革を問い直すアニメ「アリキリ」や日本経済新聞に働き方に関する啓蒙広告を発表し、大きな反響をいただきました。働き方改革が一般的となった今、「100人いれば100通りの働き方」をポリシーとして働き方改革に取り組んできた企業として、より一層、チームワークあふれる社会を創る活動に力を入れてまいりました。

 

1.主な製品・サービスの経過及び成果

平成22年からクラウド分野への重点投資を継続しており、適時に製品・サービスを市場に投入してまいりました。その結果、平成23年に提供を開始して以来、「cybozu.com」は有料契約社数は20,000社を超え、契約ユーザーライセンス数も80万人を超え、連結売上高の59%を占めるまでに成長しました。また、パートナーの数も平成28年度末時点から30社以上増加して303社となりました。

 

○業務アプリ構築クラウドサービス「kintone」

「kintone」は、業務改善に役立つクラウドサービスとして大規模な広告展開を行い認知度が向上してまいりました。また、セールスパートナーによる取り扱いが増加するとともにスタンダードコースの販売が好調となったことにより、導入社数は8,000社を超え、売上高も連結ベースで前年同期比56%増加となりました。
 「kintone」は、幅広いニーズに対応可能なサービスですが、パートナーの強みを活かした多種多様な連携サービスを充実させることにより、さらに活用の幅が拡大し、1万人超の大規模利用の情報ポータルとして採用いただいたことや、神奈川県三浦市農業協同組合と連携し、農業のIT化推進の一端を担うなど、多様な分野で活用されるようになりました。
 また、「kintone」の利用が拡大する中、「kintone」ユーザーのアプリ開発スキル向上のため、業務改善に必要な基礎知識・アプリ構築スキルの保有を証明する「kintone認定資格制度」を開設しました。自らのスキルがどの程度なのか、そのレベルを「見える化」することで、さらなるアプリ開発スキルの向上、ひいては業務改善の大きな成果をあげることを目的としています。

 

○中小企業向けグループウェア「サイボウズ Office」

平成9年にリリースされた「サイボウズ Office」シリーズは、今年で20周年を迎え、使いやすさと利用用途の分かりやすさなどが支持され導入社数は56,000社を突破いたしました。その結果、平成29年度は前年に引き続き2年連続過去最高の売上高を記録いたしました。

 

○中堅・大規模組織向けグループウェア「Garoon」

「Garoon」は、エンタープライズ向け製品としての認知が広まり、多くの案件を創出し、平成29年度末時点でパッケージ製品とクラウドサービスを合わせて導入社数4,400社、ユーザー数は200万名を突破いたしました。平成29年4月より全国の地方自治体を相互に接続するLGWAN(総合行政ネットワーク)を経由して利用できる「サイボウズ ガルーン for LGWAN」を提供開始しました。これにより、今後さらに地方自治体で導入の加速を目指します。
 

○無料グループウェア「サイボウズLive」

「サイボウズLive」は、平成22年10月に正式提供を開始し、平成29年8月には、総登録ユーザー数が200万人を突破し、多種多様なチームの情報共有プラットフォームとして一定の支持をいただくクラウドサービスに成長いたしました。しかしながら、システムの老朽化などにより、今後も安定的にサービスを継続するには、抜本的な作り直しなど大きな投資が必要となり、限りあるリソースを有料版クラウドサービスに注力すべきと判断し、平成31年4月15日をもってサービスを終了することを決断いたしました。
 サービス終了に伴い、ご利用中の皆様には多大なご迷惑をおかけすることを深くお詫びするとともに、今後もサイボウズの企業理念である「チームワークあふれる社会を創る」ため、誠心誠意尽力して参ります。
 

 

○信頼性強化への取り組み

より多くのユーザーに、より長く安心してご利用いただくために、製品・サービス及び当社グループ自体への信頼を高める取り組みに注力いたしました。特に「cybozu.com」の信頼性強化に重点を置いて取り組みを進め、セキュリティ向上に対して継続的な投資を行ってまいりました。平成29年1月より、社内で行うセキュリティ施策に対する支援を専門に行うチームとして、セキュリティ室を新設し、子会社を含め更なるセキュリティ施策を実施しました。

また、今年で4年目を迎えた「脆弱性報奨金制度」では、延べ250名以上のバグハンターの皆様からの報告により、年を追うごとに製品が堅牢な状態に改善され、これらの対策をしていくことでさらなるセキュリティ向上につながりました。「脆弱性報奨金制度」を活用して寄せられる外部の協力者からの情報は、当社グループが持つセキュリティに関する情報と技術的に補完関係にあることが多く、品質の向上に大いに役立ちました。
   

○市場からの評価

こうした取り組みの結果、当社グループのグループウェア(サイボウズ Office、Garoon)は株式会社ノークリサーチ「2017年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」グループウェア部門において、11年連続シェアNo.1を獲得いたしました。

「日経BPガバメントテクノロジー」誌(発行:株式会社日経BP)が平成29年秋号で発表した「自治体ITシステム満足度調査 2017-2018 グループウエア部門」においては、「性能・機能」「信頼性」「運用性」の各項目で高い評価をいただき第1位を獲得しました。また、「日経コンピュータ」誌(発行:株式会社日経BP)が平成29年2月2日号で発表した「パートナー満足度調査 2017グループウエア部門」においては、「製品」「マーケティング」「価格競争力」の各項目で高い評価をいただき、2年連続第1位を獲得いたしました。
 

2. グローバル展開における体制強化

本格的に始動してから4年を迎える米国子会社 Kintone Corporationでは、引き続き現地での人材採用活動を積極的に行い、組織としての体制強化に努めました。平成29年度末時点において従業員が27名に増加し、今後もアメリカでの販売基盤の構築のため、様々な施策にチャレンジしてまいります。
 また、アメリカで展開するクラウドサービス「kintone.com」の運用基盤に他社IaaSを採用することを決定しました。日本とアメリカの運用基盤を切り離すことで、アメリカでの開発スピードが向上し攻めの事業展開が可能となりました。
 中国市場においては、平成29年度末時点における導入実績が840社、34,000ユーザーを突破いたしました。平成29年7月には、自社イベント「Cybozu Days Shanghai 2017」を上海で初開催し、定員500名を上回る皆様にご来場いただきました。
 東南アジア市場においては、平成27年にアジアに特化したパートナープログラム「Cybozu Asia Partnership Program」を制定以降、徐々に「kintone」の販路を広げ、タイ、ベトナム、シンガポール、フィリピン、ミャンマーで各国の現地パートナーと提携しております。その結果、東南アジア全体で200社以上に「kintone」を中心とした製品・サービスの導入が進みました。
 さらに、平成29年9月には、台湾の営業拠点として台湾事務所を開設いたしました。すでに台湾では現地拠点をもつ日系企業30社以上にサイボウズ製品をご利用いただいており、今後は日系企業に加え台湾企業への販売活動も強化してまいります。
 今後も各地域に特化した体制を用意してグローバル展開を加速させてまいります。
 

3. チームワークあふれる社会を創るための取り組み

当社は「チームワークあふれる社会を創る」をミッションとしております。社会の様々なチームのチームワーク向上のため、製品・サービスの普及だけでなく、チームワークに関する当社グループのノウハウを活かした取り組みにも注力するため、平成29年11月に「チームワーク総研」を設立しました。サイボウズ流のチームワークや働き方改革のメソッドを、講演、企業研修、組織コンサルティングサービスとして提供してまいります。
 また、平成29年1月からは当社での仕事を複(副)業とする方を募集する「複業採用」を開始しました。これは、「100人いれば100通りの人事制度」という方針のもと、当社が10年来重ねてきた働き方多様化の取り組みの上に実現したものであり、この取り組みが評価され、人事・人材開発・労務管理などの分野におけるイノベーター表彰制度「HRアワード」(主催:日本の人事部)企業人事部門にて最優秀賞を受賞いたしました。

 

 

このような状況下において、当連結会計年度の連結業績につきましては、自社クラウド基盤「cybozu.com」上で提供するクラウドサービスの売上が引き続き積み上がり、連結売上高は9,502百万円(前期比18.2%増)となりました。このうち、クラウド関連事業の売上高は5,649百万円(前期比39.5%増)※となっております。利益項目につきましては、前連結会計年度に比べ従業員数の増加による人件費の増加や外注費の増加等により、営業利益が802百万円、経常利益は821百万円となりました。また、法人税等計上後の親会社株主に帰属する当期純利益は414百万円となりました。

当社グループの報告セグメントは「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

※クラウド関連事業の売上高につきましては、日本と海外で集計方法が異なることなどから、会計上の売上高とは一致しておりません。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より497百万円減少し、1,850百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金収支は、726百万円の収入となりました。これは売上債権の増加によ る影響があったものの、税金等調整前当期純利益及び減価償却費の計上によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金収支は、823百万円の支出となりました。これは固定資産の取得に よる支出があったこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金収支は、404百万円の支出となりました。これは剰余金の配当を実施したことによるものです。  

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループ(当社および連結子会社)の報告セグメントは「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

ソフトウェア事業

74

122.9

 

(注) 1.金額は、製造原価とソフトウェアのうち自社開発分(資産計上分)の合計により算出しております。

2.金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当社グループ(当社及び連結子会社)は受注開発を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。

 

(3) 販売実績

当社グループ(当社および連結子会社)の報告セグメントは「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、ソフトウェア事業に含めて記載しております。

 

当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

ソフトウェア事業

9,502

118.2

 

(注) 1.金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

株式会社大塚商会

986

12.3

1,222

12.9

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

自社クラウド基盤「cybozu.com」上で提供するクラウド―サービスの売上が堅調に増加し、平成30年には連結売上高が100億円に到達する見込みです。将来の収益力を一層高めるため、引き続き、クラウドサービス成長のための投資とエコシステムの拡大・強化に努めてまいります。
 

○新規顧客の獲得と継続サービスの推進

 「cybozu.com」の安定運用を継続して信頼度をさらに高めるとともに、未導入層・地方向けプロモーション強化に努め、新規顧客の開拓を進めてまいります。また、大企業への導入拡大に向けて基本機能や連携サービスを強化し、大企業の個別ニーズにも対応できるよう、製品やサービスの適合性をさらに高めてまいります。
 クラウドサービスにおいては、サービス内容を充実させることにより、継続利用者の拡大を図ります。また、パッケージ製品についても定期的な改善を継続することで顧客満足度を高め、競合製品への乗り換えを防止してまいります。

 

○グローバル展開

アメリカ市場では「kintone」の販売拡大に向け、他社IaaSを利用した「kintone.com」の運用基盤の開発や、人材採用と育成による体制強化へ積極的に取り組んでまいります。また、アメリカ市場だけでなく、中国や東南アジア、オーストラリア、台湾に構築した販売網のもと、グローバル展開を加速してまいります。

 

○チームワークあふれる社会づくり

働き方改革に対する社会的関心は引き続き高く、当社グループのビジョンや事業活動にも多くの共感が集まっております。日本の更なるチームワーク向上に貢献するため、平成29年に設立したチームワーク総研では、自社で培ってきたチームワークのノウハウを多様なテーマでセミナーや研修メニューとして提供開始してまいります。
 

○組織・体制の強化

我々自身も、チームワークあふれ、より長期的に生産性が向上するチームとなることを目指します。そのために、積極的な人材採用と育成、個性を重んじ多様性を受容できる風土や制度の発展とともに、東京オフィスの一極集中から地方拠点を順次強化し、働く場所の選択肢を広げるべくシステムやオフィス等のハード面を含めた環境整備をより一層強化し、時間と場所にこだわらない「100人いれば100通りの働き方」やチームワークの更なる発展を目指してまいります。
 

○クラウドサービス事業者として信頼される内部統制体制の整備

クラウドサービス事業を推進するにあたり、情報セキュリティを含む内部統制体制への信頼性確保の重要性が高まっております。
 そのような中で、当社グループは、海外拠点を含め、公明正大の考え方のもと、統制の仕組み化(ルール化、見える化、効率化)をより一層強化し、引き続き株主、ユーザー、パートナー、その他ステークホルダーの皆様からの信頼を確保すべく、内部統制体制の整備に注力してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

  文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

以下、当社グループの事業等において、リスクの要因となる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に対する投資判断は本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 

なお、以下の事項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

① 市場環境の変化

当社グループが製品、サービスの開発において利用しているインターネット、クラウドサービス関連技術は技術革新の進歩も速く、それに応じて業界標準及び利用者のニーズが急速に変化しています。このような変化に対応するため、新製品、サービスも相次いで登場しています。これらの新たな業界標準となる技術等への対応が遅れた場合、当社グループの提供する製品、サービス及びクラウドサービス環境等が陳腐化し、競合他社に対する競争力の低下を招く可能性があり、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 事業拡大および投資に伴うリスク

(a) 人材の採用・育成

今後の業容の拡大を図る中で、各事業において、専門性を有する人材の採用・育成は不可欠であると認識しております。現時点では人材の採用・育成に重大な支障が生じることは無いものと認識しておりますが、今後各事業において人材獲得競争が激化し、優秀な人材の採用が困難となる場合や在職している人材の社外流出が大きく生じた場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(b) 関係会社等への投資に関わるリスク

当社グループが投資を行っている関係会社等について、経営環境の変化等を要因として回収可能性が低下する可能性があり、また、投資の流動性の低さ等を要因として当社グループが望む時期や方法で事業再編が行えない可能性があります。そのため、投資の全部または一部が損失となる、あるいは、追加資金拠出が必要となる等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ システム障害について

当社グループはインターネットへの接続環境を有するユーザーを対象に製品・サービス開発を行っており、営業活動・クラウドサービスその他のサービス提供においてもインターネットに依存しています。このため、自然災害、戦争、テロ、事故、その他通信インフラの破壊や故障、コンピュータウイルスやハッカーの犯罪行為等により、当社グループのシステムあるいはインターネット全般のシステムが正常に稼動しない状態、いわゆるシステム障害が発生した場合に、当社グループのクラウド事業に極めて重大な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ製品・サービスの提供等においてインターネット環境に依存する部分は大きく、システム障害が発生した場合に、代替的な営業・サービス提供のルートを完全に確保することは困難な場合もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 情報セキュリティについて

当社グループの営業秘密、顧客情報等の管理につきましては、十分留意していく所存でありますが、当該情報の漏洩等が発生した場合には、当社グループの信用が損なわれることとなり、その後の事業展開、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、個人情報保護法への対応強化及び消費者保護のための情報提供義務への対応強化等によるコスト増により当社グループの事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。

特に、クラウドサービスにつきましては、データの安全性確保のための当社セキュリティレベル向上とその情報開示の他、クラウドサービス業務の委託先に対する必要かつ適切な監督や委託先の内部統制の有効性評価等に伴うコスト増により、当社グループの事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 知的財産の保護および侵害

当社グループは、商標及び特許出願等、営業活動等に必要な範囲において可能な限り知的財産権等の防衛を図る所存でありますが、当社グループ、とりわけビジネスソフトウェア製品のコンセプト、ユーザーインターフェース及び操作性については、第三者による模倣を防止する手段は限定されていると考えられます。これらの行為が発生すると、当社の営業活動等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、いずれの製品、サービスも単一の特許又は関連する技術に依存しているとは考えておりませんが、このような知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは広範囲にわたり当社グループの知的財産権が侵害されることによって、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが海外展開を進めるにあたり、中国その他のアジア地域を中心として横行している違法コピーや模倣品の流通といった知的財産権侵害や、諸外国での当社ブランド等に関する他社の商標登録が発生した場合、当社グループの販売活動、業績及び財務活動に多大な影響を及ぼす可能性があります。

さらに、当社のプログラム製品の一部には、当社以外の第三者がその著作権等を有するオープンソースソフトウェア(以下、「OSS」とします。)を組み込んでおります。当社は、製品・サービスにOSSを組み込む場合、各OSSライセンスに則って組み込んでおりますが、当該ライセンス内容が大幅に変更された場合及びかかるOSSが第三者の権利を侵害するものであることが発見された場合等は、当該プログラム製品の交換・修正・かかる第三者との対応等により、提供・販売・流通等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 法的規制等について

現在日本国内や海外においては、クラウドサービスに関するセキュリティ、個人情報保護、知的財産保護のあり方等について、法制度の整備がなされています。これらの法制度の中には、当社グループが提供するインターネットを利用する製品及びサービスにも適用される可能性のある法律等が制定されているものの、その解釈についてはまだ確立されているとはいえません。

また、ソフトウェアの知的財産保護や、インターネット上の知的財産権保護の他、ソフトウェアの使用許諾またはクラウドサービス提供における約款の取扱いに関して、引き続き議論がされるとともに、法改正も進んでいるところです。これらの法制度の整備をきっかけに、事業者の責任範囲の拡大や事業規制がなされることによって、事業が制約される可能性があります。

 

⑦ 訴訟ないし法的権利行使の可能性について

当社グループの製品、技術又はサービスに対する知的財産権を含む各種権利等の侵害を理由とする販売差し止めや損害賠償の訴訟が提起される可能性があり、当社グループの販売活動や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、システム障害や情報漏洩等が発生した場合、当社グループの製品及びサービスの利用者に一定の損害を与えることがあり、特に、クラウドサービスに関しては、サービス停止、クラウド上の情報漏洩、インシデントの原因追究(契約上の責任追及)とその影響範囲内での損害賠償請求訴訟等が提起される可能性があります。

当社グループが海外展開を進めていく中で、特に米国等においては訴訟が提起される可能性が比較的高く、また、訴訟コストや損害賠償額等が高額となる国において訴訟が提起された場合には、当社グループの財政状態及び業務に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 海外事業展開について

当社グループはグローバルな事業展開を進めておりますが、海外市場への事業進出には、各国政府の予期しない法律または規制の変更、社会・政治及び経済情勢の変化又は治安の悪化、為替制限や為替変動、輸送・電力・通信等のインフラ障害、各種税制の不利な変更、移転価格税制による課税、保護貿易諸規制の発動、異なる商習慣による取引先の信用リスク、労働環境の変化及び人材の採用と確保の困難度、疾病の発生等、海外事業展開に共通で不可避のリスクがあります。この他、投下資本の回収が当初の事業計画どおり進まない可能性や、撤退等の可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

インターネット・イントラネット関連技術は技術革新の進歩が速く、また、それに応じて業界標準および利用者ニーズが急速に変化するため、新技術・新製品も相次いで登場しております。そこで、当社グループの研究開発活動は、顧客満足度の向上に資するため、これらの新技術等への対応を、開発グループを中心に随時進行しております。

当連結会計年度における研究開発費の総額は、284百万円となっております。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社は、この連結財務諸表作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。なお、詳細につきましては、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりです。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ203百万円増加し、6,556百万円となりました。当連結会計年度において、売上の増加により売掛金が352百万円増加し、また事務所の移転等により設備投資を行った結果、工具器具備品等の固定資産が314百万円増加したものの、広告費等の支払いにより現金及び預金が497百万円減少いたしました。

負債合計につきましては、ユーザー数が増加したこと等によって前受金が289百万円増加したこと等から、前連結会計年度末に比べ173百万円増加し、3,353百万円となりました。

また、純資産合計につきましては、為替換算調整勘定が前連結会計年度末に比べ16百万円増加し、3,202百万円となりました。

また、当連結会計年度の自己資本比率は、48.9%となりました。

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 売上高

自社クラウド基盤「cybozu.com」上で提供するクラウドサービスの売上が引き続き積み上がり、連結売上高は9,502百万円(前期比18.2%増)となりました。

② 営業利益及び経常利益

従業員数の増加等による人件費の増加や外注費の増加等により、営業利益が802百万円、経常利益は821百万円となりました。

③ 親会社株主に帰属する当期純利益

法人税等計上後の親会社株主に帰属する当期純利益は414百万円となりました。 

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性の分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。