第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

当社グループは「チームワークあふれる社会を創る」という企業理念のもと、情報共有の基盤となるソフトウェアを提供することを主な事業領域としております。また、あわせて組織やチームの制度や風土を生み出すためのメソッドをセミナーや研修等として提供しております。

 

(2)経営環境および対処すべき課題

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

自社クラウド基盤「cybozu.com」上で提供するクラウドサービスの売上が堅調に増加している中、将来の収益力を一層高めるため、引き続き、クラウドサービス成長のための投資やグローバル体制強化に努めてまいります。 

なお、当社グループでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、社内外への感染防止と全従業員の安全確保を最優先とすべく、引き続き在宅勤務を中心に業務を行っております。従来からテレワークをはじめ柔軟な働き方に対応した業務環境の整備等を推進していたということもあり、営業活動及び採用活動や、自社製品の開発計画やクラウドサービス基盤の運用・保守体制等についても大きな変更はなく、現時点において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による事業活動、業績及び会計上の見積り等への重大な影響はないと考えております。

 

○新規顧客の獲得およびカスタマーサクセスへの注力

「cybozu.com」の安定運用を継続して信頼度をさらに高めるとともに、未導入層・地方向けプロモーション強化に努め、新規顧客の開拓を進めてまいります。また、サイボウズ製品の拡販や構築に携わるオフィシャルパートナーへの支援内容を拡充すべく、2021年1月よりオフィシャルパートナープログラムを「Cybozu Partner Network、通称CyPN(サイパン)」としてリニューアルしました。クラウド時代にあったパートナーへの情報発信や支援内容を強化することで、お客様へのサイボウズ製品の提案・構築をさらに拡充させてまいります。

 

 ○グローバル展開

重点的に注力してきた米国市場や中国に加えて、東南アジア、オーストラリア、台湾など世界各地にエコシステムを広げるため、グローバルに横展開できるモデルを作りながら、現地パートナーの開拓や拠点開拓を進めてまいります。また、各地での認知度向上のためのプロモーションを強化してまいります。

 

○組織・体制の強化

グローバル規模で事業拡大していくにあたり、国外拠点における事業ノウハウを既存の各本部に効率よく吸収し、社内の連携を一層推進していくため、2020年1月より「組織戦略室」「事業戦略室」を新設いたしました。

また我々自身も、チームワークあふれ、より長期的に生産性が向上するチームとなることを目指しております。そのために、引き続き積極的な人材採用と育成、多様性を尊重する風土や制度を発展させてまいります。

また、組織としての新しい挑戦として次期取締役の社内募集を開始しました。当社では、徹底的に情報をオープンにし、一人ひとりが自立心を持って質問責任を果たし、意思決定者がオープンな場で説明責任を果たします。それにより、株主に選任された取締役のみによるガバナンスを超える組織が実現できると考えております。そこで、年齢や役職等を問わず自薦・他薦含む社内募集で次期取締役候補を選出し、会社法にそって組織運営をしながらも、「誰もが取締役の役割を担う」という新しいマネジメントの実現に挑戦してまいります。

 

○クラウドサービス事業者として信頼される内部統制体制の整備

 クラウドサービス事業を推進するにあたり、情報セキュリティを含む内部統制体制への信頼性確保の重要性が高まっております。

そのような中で、当社グループは、海外拠点を含め、「公明正大」の考え方のもと、統制の仕組み化(ルール化、見える化、効率化)をより一層強化し、引き続き株主、ユーザー、パートナー、その他ステークホルダーの皆様からの信頼を確保すべく、内部統制体制の整備に注力してまいります。 

 

2 【事業等のリスク】

以下、当社グループの事業等において、リスクの要因となる主な事項及び投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に対する投資判断は本項以外の記載内容もあわせて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 なお、以下の事項においては将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。

 

1.    事業環境に関するリスク

① 市場環境の変化について

[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大 ]

当社グループが製品、サービスの開発において利用しているインターネット、クラウドサービス関連技術は技術革新の進歩も速く、それに応じて業界標準及び利用者のニーズが急速に変化しています。このような変化に対応するため、新製品、サービスも相次いで登場しています。これらの新たな業界標準となる技術等への対応が遅れた場合、当社グループの提供する製品、サービス及びクラウドサービス環境等が陳腐化し、競合他社に対する競争力の低下を招く可能性があり、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

② 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について

[発生可能性:大 発生する可能性のある時期:直近1~3年 影響度:低~中 ]

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、エンドユーザの事業状況により一部解約の状況が発生する一方で、テレワーク推進に伴い当社グループ製品・サービスが注目されている状況でもあります。また、当社グループは、従来からテレワークをはじめ柔軟な働き方に対応した業務環境の整備等を推進していたということもあり、営業活動及び採用活動や、自社製品の開発計画やクラウドサービス基盤の運用・保守体制等についても大きな変更はなく、現時点において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による事業活動等への重大な影響はないと考えております。

 

2.    事業の拡大・海外展開に関するリスク

① 事業拡大および投資について

[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中~大 ]

(a) 人材の採用・育成

今後の業容の拡大を図る中で、各事業において、専門性を有する人材の採用・育成は不可欠であると認識しております。現時点では人材の採用・育成に重大な支障が生じることは無いものと認識しておりますが、今後各事業において人材獲得競争が激化し、優秀な人材の採用が困難となる場合や在職している人材の社外流出が大きく生じた場合、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(b) 関係会社等への投資に関わるリスク

当社グループが投資を行っている関係会社等について、経営環境の変化等を要因として回収可能性が低下する可能性があり、また、投資の流動性の低さ等を要因として当社グループが望む時期や方法で事業再編が行えない可能性があります。そのため、投資の全部または一部が損失となる、あるいは、追加資金拠出が必要となる等、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 海外事業展開について

[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中 ]

当社グループはグローバルな事業展開を進めておりますが、海外市場への事業進出には、各国政府の予期しない法律または規制の変更、社会・政治及び経済情勢の変化又は治安の悪化、為替制限や為替変動、輸送・電力・通信等のインフラ障害、各種税制の不利な変更、移転価格税制による課税、保護貿易諸規制の発動、異なる商習慣による取引先の信用リスク、労働環境の変化及び人材の採用と確保の困難度、疾病の発生等、海外事業展開に共通で不可避のリスクがあります。この他、投下資本の回収が当初の事業計画どおり進まない可能性や、撤退等の可能性があります。

 

 

3.    サービスに関するリスク

① システム障害について

[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:大 ]

当社グループはインターネットへの接続環境を有するユーザーを対象に製品・サービス開発を行っており、営業活動・クラウドサービスその他のサービス提供においてもインターネットに依存しています。このため、自然災害、戦争、テロ、事故、その他通信インフラの破壊や故障、コンピュータウイルスやハッカーの犯罪行為等により、当社グループのシステムあるいはインターネット全般のシステムが正常に稼動しない状態、いわゆるシステム障害が発生した場合に、当社グループのクラウド事業に極めて重大な影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループ製品・サービスの提供等においてインターネット環境に依存する部分は大きく、システム障害が発生した場合に、代替的な営業・サービス提供のルートを完全に確保することは困難な場合もあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 知的財産の保護および侵害

[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:低~中 ]

当社グループは、商標及び特許出願等、営業活動等に必要な範囲において可能な限り知的財産権等の防衛を図る所存でありますが、当社グループ、とりわけビジネスソフトウェア製品のコンセプト、ユーザーインターフェース及び操作性については、第三者による模倣を防止する手段は限定されていると考えられます。これらの行為が発生すると、当社の営業活動等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、いずれの製品、サービスも単一の特許又は関連する技術に依存しているとは考えておりませんが、このような知的財産が広範囲にわたって保護できないこと、あるいは広範囲にわたり当社グループの知的財産権が侵害されることによって、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが海外展開を進めるにあたり、中国その他のアジア地域を中心として横行している違法コピーや模倣品の流通といった知的財産権侵害や、諸外国での当社ブランド等に関する他社の商標登録が発生した場合、当社グループの販売活動、業績及び財務活動に多大な影響を及ぼす可能性があります。

さらに、当社のプログラム製品の一部には、当社以外の第三者がその著作権等を有するオープンソースソフトウェア(以下、「OSS」という。)を組み込んでおります。当社は、製品・サービスにOSSを組み込む場合、各OSSライセンスに則って組み込んでおりますが、当該ライセンス内容が大幅に変更された場合及びかかるOSSが第三者の権利を侵害するものであることが発見された場合等は、当該プログラム製品の交換・修正・かかる第三者との対応等により、提供・販売・流通等に影響を及ぼす可能性があります。

 

4.    コンプライアンスに関するリスク

① 法的規制等について

[発生可能性:中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中 ]

現在日本国内や海外においては、クラウドサービスに関するセキュリティ、個人情報保護、知的財産保護のあり方等について、法制度の整備がなされています。これらの法制度の中には、当社グループが提供するインターネットを利用する製品及びサービスにも適用される可能性のある法律等が制定されているものの、その解釈についてはまだ確立されているとはいえません。

また、ソフトウェアの知的財産保護や、インターネット上の知的財産権保護の他、ソフトウェアの使用許諾またはクラウドサービス提供における約款の取扱いに関して、引き続き議論がされるとともに、法改正も進んでいるところです。これらの法制度の整備をきっかけに、事業者の責任範囲の拡大や事業規制がなされることによって、事業が制約される可能性があります。

 

② 情報セキュリティについて

[発生可能性:低~中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中~大 ]

当社グループの営業秘密、顧客情報等の管理につきましては、十分留意していく所存でありますが、当該情報の漏洩等が発生した場合には、当社グループの信用が損なわれることとなり、その後の事業展開、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、個人情報保護法への対応強化及び消費者保護のための情報提供義務への対応強化等によるコスト増により当社グループの事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。

特に、クラウドサービスにつきましては、データの安全性確保のための当社セキュリティレベル向上とその情報開示の他、クラウドサービス業務の委託先に対する必要かつ適切な監督や委託先の内部統制の有効性評価等に伴うコスト増により、当社グループの事業の収益性に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 訴訟ないし法的権利行使の可能性について

[発生可能性:低~中 発生する可能性のある時期:特定時期なし 影響度:中 ]

当社グループの製品、技術又はサービスに対する知的財産権を含む各種権利等の侵害を理由とする販売差し止めや損害賠償の訴訟が提起される可能性があり、当社グループの販売活動や業績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、システム障害や情報漏洩等が発生した場合、当社グループの製品及びサービスの利用者に一定の損害を与えることがあり、特に、クラウドサービスに関しては、サービス停止、クラウド上の情報漏洩、インシデントの原因追究(契約上の責任追及)とその影響範囲内での損害賠償請求訴訟等が提起される可能性があります。

当社グループが海外展開を進めていく中で、特に米国等においては訴訟が提起される可能性が比較的高く、また、訴訟コストや損害賠償額等が高額となる国において訴訟が提起された場合には、当社グループの財政状態及び業務に多大な影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

 

前連結会計年度
 (自 2019年1月1日 

2019年12月31日)

当連結会計年度
 (自 2020年1月1日

 至 2020年12月31日)

対前年同期比
(増減額)

対前年同期比
(増減率)

連結売上高

13,417百万円

15,674百万円

2,256百万円

16.8%

営業利益

1,732百万円

2,270百万円

538百万円

31.1%

経常利益

1,804百万円

2,272百万円

467百万円

25.9%

親会社株主に帰属する当期純利益

1,012百万円

1,435百万円

423百万円

41.8%

 

 

当連結会計年度の連結業績につきましては、自社クラウド基盤「cybozu.com」上で提供するクラウドサービスの売上が引き続き積み上がり、連結売上高は15,674百万円(前期比16.8%増)となりました。このうち、クラウド関連事業の売上高は11,945百万円(前期比24.9%増)となっております。利益項目につきましては、前連結会計年度に比べ従業員数増加等による人件費の増加や広告宣伝費の増加、地代家賃の増加等があったものの、営業利益は2,270百万円(前期比31.1%増)、経常利益は2,272百万円(前期比25.9%増)となりました。また、法人税等計上後の親会社株主に帰属する当期純利益は1,435百万円(前期比41.8%増)となりました。

当社グループでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、エンドユーザの事業状況により一部解約の状況が発生する一方で、テレワーク推進に伴い当社グループ製品・サービスが注目されている状況でもあり、現時点において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による連結売上高への影響は軽微であると考えております。また、当社グループは、社内外への感染防止と全従業員の安全確保を最優先とすべく、引き続き在宅勤務を中心に業務を行っております。従来からテレワークをはじめ柔軟な働き方に対応した業務環境の整備等を推進していたということもあり、営業活動及び採用活動や、自社製品の開発計画やクラウドサービス基盤の運用・保守体制等についても大きな変更はなく、現時点において新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による事業活動、業績及び会計上の見積り等への重大な影響はないと考えております。

なお、当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは「ソフトウェアの開発、販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、セグメントごとの記載を省略しております。

 

 

①主な製品・サービスの経過及び成果

 前期から引き続きクラウドサービス成長のための投資やエコシステムの拡大・強化に努めてまいりました。当期は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、当社の取り組みに関する特設サイト(https://page.cybozu.co.jp/-/covid19-cybozu/)を開設し、既存ユーザー様への情報提供や新型コロナウイルス対策を行う団体へのシステム支援等に注力しました。また、クラウドサービス「kintone」の初となるテレビコマーシャルを放映する等、製品や企業の認知度向上のための広告宣伝に積極的に投資してきました。

 2011年に提供を開始したクラウドサービス「cyobozu.com」は、ご利用いただいている契約社数が42,000社を超え、契約ユーザーライセンス数も170万人を突破し、連結売上高の76.2%を占めるまでに成長しました。

 

○業務アプリ構築クラウドサービス「kintone」

主力製品である「kintone」は、前期に引き続き積極的な広告宣伝活動を行い、業務改善に役立つクラウドサービスとして認知度を向上してまいりました。導入社数は18,000社を超え順調に推移しております。売上高については連結ベースで前期比37.5%増加となりました。

「kintone」の利用が拡大する中、当期は自治体に導入していただく事例が増加しました。大阪府では2020年4月より「kintone」を用いて「新型コロナウイルス対応状況管理システム」を構築し、患者が増加する局面においても効率的な業務を実現しました。また、大阪府と連携し、同システムのテンプレートを同様の問題に直面する全国の自治体に無償で提供することにより、感染症対策として社会全体に貢献する取り組みを行いました。

さらに2020年7月には大阪府と「kintone」を活用した全庁的な業務改善、児童虐待防止情報連携システムの構築等を目的とした事業連携協定を締結し、大阪府のスマートシティ推進に向けた取り組み支援を開始しました。そのほか、神奈川県、岐阜県高山市、兵庫県加古川市、厚生労働省などでも「kintone」を導入いただき、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応のための業務システムや自治体の業務改善ツールとして活用されるなど、様々な場面での活用が広がっております。

 

○その他グループウェア製品

中小企業向けグループウェア「サイボウズ Office」は5年連続で最高売上高を更新し、2020年度末時点で69,000社を超えるお客様に安心の国産グループウェアとしてご活用いただいております。約3年ぶりに新機能追加を再開し、スケジュールや掲示板等に新たな機能を追加し業務をより円滑に進めていただけるようになりました。

中堅・大規模組織向けグループウェア「Garoon」は、エンタープライズ向け製品としての認知が広まり、2020年度末時点でパッケージ製品とクラウドサービスを合わせて導入社数5,800社を突破いたしました。クラウドサービスの売上高が50%を超え、中堅・大規模組織でもクラウドサービスが主力になりつつあることが伺えます。クラウドサービスの需要が増えつつある一方で、パッケージ版の利用ユーザー数も堅調に推移しているため、2020年11月にはパッケージ版最新バージョン「Garoon 5.5」をリリースし、特に大規模組織で新規導入時に発生する設定の負担を軽減するための機能を強化しました。

 

○信頼性強化への取り組み

多くのユーザーの皆様により長く安心してご利用いただくため、製品・サービス及び当社グループ自体への信頼を高める取り組みに注力しております。特にクラウドサービス「cybozu.com」の信頼性強化に重点を置いて取り組みを進め、セキュリティ向上に対して継続的な投資を行っております。

2020年1月にはクラウドサービスに関する情報セキュリティ管理の国際規格である「ISO/IEC 27017:2015」に基づいたISMSクラウドセキュリティ認証を取得いたしました。また、2014年より開始している「脆弱性報奨金制度」では、バグハンターの皆様からの報告件数が年間131件となり、年を追うごとに製品が堅牢な状態に改善され、これらの活動を継続することでさらなるセキュリティ向上に繋げております。「脆弱性報奨金制度」を活用して寄せられる外部の協力者からの情報は、当社グループが持つセキュリティに関する情報と技術的に補完関係にあることが多く、品質の向上に大いに役立っております。

今後も安全なクラウドサービスをお客様に提供するため、より一層情報セキュリティの管理体制を強化してまいります。

 

 

○市場からの評価

『日経コンピュータ』誌(発行:株式会社日経BP)が2020年9月3日号で発表した「顧客満足度2020-2021 クラウド基盤サービス(IaaS/PaaS)部門」において第1位を獲得し、当部門において2年連続1位獲得となりました。さらに同誌が2021年2月18日号にて発表した「パートナー満足度調査2021 クラウド情報系サービス部門」においても、第1位を獲得しております。

 

②グローバル展開における体制強化

グローバル市場での2020年度末時点における導入社数は、米国市場では520社(前期比44.4%増)、中華圏市場では1,110社(前期比7.8%増)、その他アジア市場では750社(前期比27.1%増)となり堅調に推移しております。また、グローバル事業の体制強化として、2020年1月に「事業戦略室」を新設しました。国外拠点における事業ノウハウを社内で効率よく展開し連携しながらグローバル展開の推進を目指します。さらに、2020年10月にはタイでの「kintone」販売市場を本格的に開拓するため、タイ駐在員事務所を開設しました。今回の駐在員事務所開設により、現地パートナー支援を通じて、日系企業に加えタイの現地企業への販売を強化し、現地での需要に応えるための調査活動を実施し、2023年までに500社への導入を目指す予定です。引き続き、グローバル展開を加速してまいります。

 

③チームワークあふれる社会を創るための取り組み(メソッド事業)

社会の様々なチームのチームワーク向上のため、製品・サービスの普及だけでなく、チームワークに関する当社グループのノウハウを活かした取り組みとして2017年に設立した「チームワーク総研」では、2020年度末時点で講演152件、研修47件を実施しました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴う講演等の実施延期・中止などもありましたが、テレワーク需要が高まる中で「テレワーク下におけるチームワークノウハウ」をテーマにした講演・研修の依頼も多くありました。また、自社の取り組みを紹介する書籍を2冊出版しました。今後もサイボウズ流のチームワークや働き方改革のメソッドを、講演、企業研修、組織コンサルティングサービスとして提供してまいります。

 

④生産、受注及び販売実績。

 a.生産実績

当社グループ(当社および連結子会社)の報告セグメントは「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

ソフトウェア事業

79

160.8

 

 (注) 1.金額は、製造原価とソフトウェアのうち自社開発分(資産計上分)の合計により算出しております。

      2.金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 b. 受注状況

当社グループ(当社及び連結子会社)は受注開発を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。

 

 c. 販売実績

当社グループ(当社および連結子会社)の報告セグメントは「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、ソフトウェア事業に含めて記載しております。

 

当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

ソフトウェア事業

15,674

116.8

 

 (注) 1.金額には、消費税等は含まれておりません。

    2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

株式会社大塚商会

1,597

11.9

1,804

11.5

 

 

(2) 財政状態

 

前連結会計年度
 (自 2019年1月1日 

2019年12月31日)

当連結会計年度
 (自 2020年1月1日

 至 2020年12月31日)

対前年同期比
(増減額)

資産合計

8,874百万円

12,235百万円

3,360百万円

負債合計

4,882百万円

5,829百万円

946百万円

純資産合計

3,991百万円

6,405百万円

2,414百万円

 

 

資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ3,360百万円増加し、12,235百万円となりました。主な増減理由としましては、当連結会計年度において当社が株式を保有するトヨクモ株式会社が東京証券取引所へ上場したことに伴い、当社が保有する株式を一部売却し、残りの保有株式については時価評価へ変更しました。それにより、現金及び預金や投資有価証券が増加したこと等によるものです。

負債合計につきましては、ユーザー数が増加したこと等によって前受金が131百万円増加したことや、課税所得の増加により未払法人税等が360百万円増加したこと等から前連結会計年度末に比べ946百万円増加し、5,829百万円となりました。

また、純資産合計につきましては、当連結会計年度に1,435百万円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことや、投資有価証券評価によりその他有価証券評価差額金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ2,414百万円増加6,405百万円となりました。また、当連結会計年度の自己資本比率は52.4%となりました。

なお、当社グループ(当社および連結子会社)の報告セグメントは「ソフトウェアの開発・販売」のみであり、その他の事業セグメントは開示の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末より1,757百万円増加し、3,956百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

前連結会計年度
 (自 2019年1月1日 

2019年12月31日)

当連結会計年度
 (自 2020年1月1日

 至 2020年12月31日)

対前年同期比
(増減額)

営業活動による

キャッシュ・フロー

2,355百万円

2,537百万円

181百万円

投資活動による
キャッシュ・フロー

△1,314百万円

△290百万円

1,023百万円

財務活動による

キャッシュ・フロー

△412百万円

△459百万円

△46百万円

 

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金収支は、2,537百万円の収入となりました。これは売上債権の増加等による影響や法人税等の支払いがあったものの、税金等調整前当期純利益や減価償却費の計上等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金収支は、290百万円の支出となりました。これは投資有価証券の売却による収入があったものの、固定資産の取得による支出があったこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金収支は、459百万円の支出となりました。これは剰余金の配当を実施したことによるものです。

(資本の財源及び資金の流動性)

当社グループの運転資金及び設備投資等資金は、主として営業活動キャッシュ・フローである自己資金により充当し、必要に応じて金融機関からの借入を実施することを基本方針としております。今後の資金需要のうち、主なものは、運転資金の他、国内外でのクラウドサービス認知度を向上させるための広告宣伝および「cybozu.com」サービス用サーバー増設等の設備投資であります。これらの資金についても、基本方針に基づき、主に自己資金により充当する予定でありますが、必要に応じて金融機関からの借入を実施する等、負債と資本のバランスに配慮しつつ、必要な資金を調達してまいります。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)の報告セグメントは、「ソフトウェアの開発、販売」のみであり、その他の事業セグメントは、開示の重要性が乏しいため、セグメントごとの記載を省略しております。

インターネット・イントラネット関連技術は技術革新の進歩が速く、また、それに応じて業界標準および利用者ニーズが急速に変化するため、新技術・新製品も相次いで登場しております。そこで、当社グループの研究開発活動は、顧客満足度の向上に資するため、これらの新技術等への対応を、開発グループを中心に随時進行しております。

当連結会計年度における研究開発費の総額は、341百万円となっております。