第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社(略称NCD)は、「ユニークなソフトウェア技術により、明るい未来に貢献する」ことを基本に、顧客、社員、社会に対して3つの経営理念を掲げております。

①NCDは、顧客第一に徹し、最適なシステムとサービスの提供により、共存共栄をはかる。

②NCDは、社員の個性を尊重し、その資質を発揮させることにより、あたたかな企業文化を確立する。

③NCDは、社会に対し、時代の変化を先取りすることにより、調和のある世界に貢献する。

当社グループは、上記経営理念を共有し、各社の特徴を生かしながら、グループとしてお客様に最適なソリューションを提供してまいります。

今後とも創業からの精神に基づき、顧客企業の信頼はもとより、社員の士気向上によって磐石な経営基盤を築き、情報サービス産業の発展と調和のある社会の実現に向けて、一層の努力をしてまいります。また、株主をはじめ投資家の皆様にとって魅力ある企業グループであり続けるために、企業価値を高めていく経営を推進してまいります。

 

(2)経営戦略等

当社グループは、平成29年3月に創立50周年を迎えたのを機に、新たに平成30年3月期から平成32年3月期に向けての3カ年中期経営計画「Vision2020」を策定いたしました。

『お客さまの「ありがとう」のために、価値あるサービスを』をコンセプトとし、新しいライフスタイルや技術環境の変化に対応し、お客さまの期待を超えるサービスを提供することでお客さまに満足いただける事が、NCDグループの願いです。

その基本方針といたしましては、①収益性の高い企業になる、②NCDブランドを高め、世の中に認知される企業になる、③社員が仕事に誇りとやりがいを持った、活力ある企業になる、ことを掲げて参ります。

具体的な数値目標といたしましては、平成32年3月期のグループ連結、売上高180億円、営業利益10億円、営業利益率5.6%を目指し、株主様への安定的かつ継続的な利益還元を図ってまいります。

また、重点施策といたしまして、グループを上げて、業務プロセス改善による収益性の向上や、働き方改革による企業競争力の向上も図ります。

IT関連事業においては、オリジナル技術・サービスの開発や、 課金型ビジネスの拡大を図ります。

パーキングシステム事業においては、月極め駐輪事業の拡大と電磁ロック式駐輪場 No.1の堅持と管理台数50万台達成を目指します。

 

 

(3)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題

当情報サービス業界におきましては、企業の収益改善を背景にIT投資は増加傾向にあるものの、ITサービスに対する企業のコスト削減姿勢は変わらず、価格面の抑制傾向は続いております。

一方自転車活用に関する国内状況につきましては、昨年5月に自転車活用推進法が施行され、国民の健康志向や環境意識の高まりを背景に、急速に活況を呈してきました。

当社グループのシステム開発事業におきましては、IT環境の変化に柔軟に対応できる生販一体化した体制をより強固なものとし、更なる受注強化を目指してまいります。一方、収益面につきましては、各プロジェクトの採算、実績、リスク等の管理体制が安定的に稼働しており、これらをより盤石なものとすること、及びストックビジネスの拡大、課金型ビジネスの推進により、安定的に高収益を生み出せる体質への強化を図ってまいります。

サポート&サービス事業におきましては、子会社での技術要員確保が軌道に乗り、安定した収益が見込める体質になりました。さらに、お客様企業の要望により発足した、ITインフラ全般を包括してサポートするMSC(マネージドサービスセンター)(注)の業績が順調に伸びており、この度、長崎に第2MSCを立ち上げることになりました。引き続き技術要員の確保と業務ローテーションを実行してゆくとともに、お客様のIT運用・保守に関する要望に応えるべく、現行サービスの育成と新たなサービスの創出を図ってまいります。

パーキングシステム事業におきましては、時間貸し駐輪場システムのEcoStation21(エコステーション21)、コミュニティサイクルのecoport(エコポート)、月極め駐輪場システムのECOPOOL(エコプール)3商品を柱として、競合他社との差別化を図ることにより、更なる拡大を図ってまいります。特に次年度は首都圏自治体の指定管理案件が目白押しであり、既存指定管理案件の継続選定と、新規指定管理案件の獲得に注力し、確実な受注を目指してまいります。また、従来から駐輪場現場業務の収益改善にも取り組んでおり、その一環として本年3月には、駐輪場運営に関する巡回・メンテナンス・集金業務等周辺業務を専門に行う子会社を設立いたしました。一方、本年3月、大崎広小路東急池上線高架下に、自転車を中心とした新しいライフスタイル提案型サイクルショップ「STYLE-B」をオープンいたしました。当店舗の安定した収益確保を目指すとともに、新たなBtoC事業にも果敢に挑戦してまいります。

以上の主要3事業の他に、従来から新たな事業の創出にも積極的に取り組んでおり、将来の第4の事業の柱となるべく育ててまいります。また、当社グループをあげ働き方意識改革にも取り組んでおり、ライフ・ワークバランスの充実、在宅勤務(テレワーク)の実施を重点施策に掲げ、社員が仕事に誇りとやりがいを持った、活力ある企業を目指してまいります。

 

(注)MSC(マネージドサービスセンター)

 お客様のシステム運用部門に代わって、24時間365日、障害監視・復旧、障害原因究明及び是正処置、アプリケーションの維持・メンテナンスまで、ITインフラすべてを包括してサポートする運用保守アウトソーシングサービスです。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況及び株価等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況

当社グループの事業は、経済状況の悪化に伴い企業の情報化投資が抑制されることから、業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 技術の著しい進歩、変化

当社グループの属する業界は、技術の進歩や変化が著しい業界であり、新技術への対応の遅れや相対的技術水準の低下が業績及び財務状況に大きく影響をもたらします。また新技術への対応のための教育投資も投資額によっては影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 競合会社

業務発注における企業の会社選別の目は年々厳しさを増しており、技術力のみならず、国家資格の取得状況、ISOやISMSなどの認定状況などにも左右される場合があります。加えて、当社顧客の大半は上場大企業や自治体であり、入札方式による受注が増加しているため、大手企業との競合も多く、受注獲得はもとより落札価格によっては業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 業績が下期に偏る傾向

当社グループの業績は、顧客決算が3月に集中していることもあり、上期業績に比して、下期業績が高くなる傾向があります。

 

(上期・下期別売上高推移表)

期別

上期

下期

通期

金額(百万円)

金額(百万円)

金額(百万円)

第51期
(平成28年3月期)

6,347

7,495

13,843

第52期
(平成29年3月期)

7,385

8,019

15,405

第53期
(平成30年3月期)

7,926

8,310

16,237

 

 

(5) 固定費の比率大

ソフトウェア業界は人材が全てと言っても過言ではありません。当然にして労働分配率は高く、損益分岐点が高い企業構造にあります。

 

(6) 個人のスキルに依存

ソフトウェア業界は個人のもつソフトウェア技術、顧客業務知識に依存する傾向が強い業界です。従いまして、新しいプロジェクトの立ち上げ時の人材不足や人事異動による現行プロジェクトの不具合発生などにより、プロジェクトの推進に悪影響を及ぼす場合があります。

 

(7) 見積りの難しさ

見積時には詳細にわたってシステム化の範囲及びシステム化すべき内容を詰め契約を結びますが、開発途中で当初想定し得なかった処理の発生や、想像以上に開発工数がかかる場合があります。また、システム化の範囲、内容を十分に詰めないままに開発をスタートする場合もあります。これらリスクの大きさによっては当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 不採算プロジェクトの発生

当社グループのシステム開発事業においては、プロジェクトの各フェーズ単位での見積精度の向上やプロジェクトマネジメントの強化等により、不採算プロジェクトの発生防止を実施しております。しかしながら、当社グループの責任により納期遅れなどが発生した場合は、顧客に対し責任を負う可能性があります。このように、プロジェクトマネジメントがうまく機能しない場合、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) システム納入後の瑕疵担保責任

システム納入時には十分な顧客検証を経て検収にいたるわけですが、実稼働段階において想定し得ないケースによるシステム上の不具合が発生する場合があります。その不具合が当社の責任による場合で、その大きさによっては当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におきましては、IT関連事業、パーキングシステム事業ともに安定した受注獲得が続き、増収とすることができました。一方利益においても、中期経営計画のグループ重点施策として掲げた「業務プロセスの改善による収益性の向上」のための諸施策が効果を現し、安定した収益を生み出せる体質になり、増益となりました。
 以上により、当連結会計年度の売上高は、16,237百万円(前期比5.4%増)、営業利益783百万円(前期比125.7%増)、経常利益807百万円(前期比142.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益526百万円(前期比111.2%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

システム開発事業

営業体制強化策が功を奏し順調に案件獲得が進むとともに、地道なプロジェクト進捗管理活動、品質管理強化活動によりプロジェクト採算性が大幅に向上したことにより、増収増益となりました。この結果、売上高5,738百万円(前期比1.2%増)、営業利益549百万円(前期比41.2%増)となりました。

 

サポート&サービス事業

順調な増員要請に基づく事業拡大が続いたこと、さらに、IT基盤事業拡大や新規領域獲得のための投資に対する回収が進み、安定した収益を生み出せる体質になり、増収増益となりました。この結果、売上高4,524百万円(前期比5.0%増)、営業利益267百万円(前期比109.5%増)となりました。

 

パーキングシステム事業

自治体向けの機器販売における大型案件の獲得や、駐輪場利用料収入が堅調に推移したこと、さらに業務効率化推進策により収益が改善したことにより、増収増益となりました。この結果、売上高5,948百万円(前期比10.3%増)、営業利益925百万円(前期比24.2%増)となりました。

 

 

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年と比較して33百万円減少し、2,700百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前年と比較して9百万円増加し、791百万円の流入となりました。主な流入要因は、税金等調整前当期純利益784百万円及び減価償却費227百万円です。一方、主な流出要因は、法人税等の支払額214百万円及び売上債権の増加額135百万円です。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前年と比較して481百万円減少し、554百万円の流出となりました。主な流出要因は、有形固定資産の取得による支出618百万円です。一方、主な流入要因は、有形固定資産の売却による収入124百万円です。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前年と比較して44百万円減少し、271百万円の流出となりました。主な流出要因は、長期借入金の返済による支出160百万円、リース債務の返済による支出120百万円及び配当金の支払額100百万円です。一方、主な流入要因は、長期借入れによる収入100百万円です。

 

 

③ 生産、受注及び販売の状況

a. 生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

システム開発事業

4,790,309

△1.1

サポート&サービス事業

3,977,914

△0.2

パーキングシステム事業

4,662,392

6.5

その他

61,627

48.4

合計

13,492,244

1.8

 

(注) 1.セグメント間取引は相殺消去しております。

2.金額は、製造原価で表示しております。

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高

受注残高

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

システム開発事業

6,076,427

9.5

4,661,608

7.8

サポート&サービス事業

4,421,392

1.4

3,623,766

△2.8

パーキングシステム事業

5,921,710

12.3

1,925,376

△1.4

その他

26,403

50.7

20,916

8.1

合計

16,445,933

8.2

10,231,666

2.1

 

(注) 1.セグメント間取引は相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.継続的なシステムの保守運用サービスにつきましては、翌連結会計年度の売上見込み額を受注残高に計上しております。

 

c. 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(千円)

前年同期比(%)

システム開発事業

5,738,744

1.2

サポート&サービス事業

4,524,665

5.0

パーキングシステム事業

5,948,820

10.3

その他

24,839

△20.3

合計

16,237,069

5.4

 

(注) 1.セグメント間取引は相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

メットライフ生命保険株式会社

2,141,025

13.9

2,103,367

13.0

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、見積もりを必要とする事象については見積りに与える要因を適切に仮定した上で評価しております。

ア.棚卸資産は、収益性の低下による簿価引き下げの方法によって評価しております。

イ.無形固定資産として計上されている社内利用のソフトウェア資産は、将来の収益獲得又は費用削減が確実なものであると判断しております。

ウ.工事進行基準を適用した工事契約については、工事収益総額、工事原価総額及び決算日における工事進捗度を合理的に見積もっており、工事の進捗部分については成果の確実性が認められるものと判断しております。

エ.固定資産を特定の取得、建設、開発又は通常の使用によって生じ、当該有形固定資産の除去に関して法令又は契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるものは、資産除去債務に関する会計基準に従って、決算日現在入手可能なすべての証拠を勘案して計上しております。負債計上に当たって利用した将来キャッシュ・フローの見積金額、支出発生までの見込期間及び適用した割引率等の前提条件については合理的で説明可能な仮定及び予測に基づくものであります。

オ.繰延税金資産に関しては、将来の回収可能性を十分に検討し回収可能な額を計上しております。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度は、新たに3ヶ年中期経営計画がスタートし、経営成績は好調に推移しました。売上高こそ16,237百万円(計画比1.5%増)ですが、営業利益は783百万円(同30.6%増)、経常利益は807百万円(同34.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益も526百万円(同42.3%増)と、当初計画を大きく上回る業績となりました。

なお、近年入札方式による受注が増加しており、既存の顧客でも数年単位の周期で再入札が行われることが多くなっており、その結果は、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因となる可能性があります。

当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローは前年と比較し9百万円増加しましたが、投資活動によるキャッシュ・フローは、若手社員の福利厚生をより充実させるため独身社宅を購入したことによる379百万円の流出等により、前年と比較し481百万円減少しました。

また、財務活動によるキャッシュ・フローについては、大きな設備投資等は無く、運転資金は前年並みに推移し、現金及び現金同等物の増減額は前年と比較し516百万円減少しました。

なお、現在、多額の資本的支出等の計画は見込まれておりません。

 

セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。

 

システム開発事業

プロジェクトの品質・進捗管理を継続して徹底してきたことで不採算案件が減少し、大幅に採算性が向上しました。

 

サポート&サービス事業

新規領域の獲得を積極的に進めてきた戦略が実を結んできました。

また、新たな顧客に対応するためのセキュリティー対策設備等の増設や、お客様の要望に応えるべくITインフラ全般を包括してサポートするMSC(マネージドサービスセンター)を長崎にも営業所を増床して立ち上げたため、建物及び構築物10百万円、工具、器具及び備品10百万円が増加しております。

 

パーキングシステム事業

大型案件の獲得だけでなく今後のストックとなる駐輪場利用料収入の増加や管理受託業務の拡大により安定的な結果を残すことができました。

また、新規の直営駐輪場開設に伴いリース資産173百万円、工具、器具及び備品21百万円が増加しております。

さらに、新たなBtoC事業への挑戦の一環として、自転車を中心とした新しいライフスタイル提案型サイクルショップ「STYLE-B」をオープンさせました。これにより、建物及び構築物61百万円、工具、器具及び備品18百万円が増加しております。

 

4 【経営上の重要な契約等】

特記すべき事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

(システム開発事業)

Newサービスの創出を推進するための「IRT推進部」では『高速データ処理デバイス』の更なる性能向上に努めてまいりました。

当連結会計年度における研究開発費の金額は15百万円であります。