第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは、「健全な価値観」「社会貢献」「個と組織の成長」を基本理念として掲げ、高付加価値情報を創造・提供し、顧客の発展ひいては社会の発展に貢献することにより「存在する意義のある組織」であり続けることを目指しております。

 当社グループでは「健全な価値観」に基づく組織風土を保持し続けることを最重要経営課題であると認識しており、その浸透に常に努めております。

 今後も健全な成長・発展を継続することにより「存在する意義のある組織」として社会貢献を目指してまいります。

 

(2) 経営戦略等(セグメント別の経営方針及び新型コロナウイルス感染症の状況を受けての現況と今後の見通し)

①経営コンサルティング事業

・経営コンサルティング(持続的成長、事業再生、組織人事、コーポレート・ガバナンス、IT)

 契約済みの案件については、サービス提供のスケジュール変更・内容変更に柔軟に対応しております。

 新規のコンサルティング案件の引合いについては、4月以降金融機関の外交活動が制限されていること、また、金融機関から相談の持ち込みがあっても顧客との面談が実現しないことから、受注が困難な状況にあります。

 今後は、新型コロナウイルスの影響による急速な業績悪化・資金繰り悪化の企業からの相談が増加する可能性が高いことから、事業再生コンサルティングに迅速に対応できる体制を整えております。

 また、財務的に余力がある企業からは、モバイルワークの浸透など働き方の価値観の変化に伴う組織及び業務の改革、事業環境の激変に伴うビジネスモデルの再構築の相談が増加することを見込んでおります。

 

・海外事業コンサルティング

受注済みの案件・新規引合い、いずれも大半が中断・延期となっております。

ただし、ベトナム等、現地の活動自粛が緩和されてきた国については徐々に案件持ち込みが出始めています。日本から現地への移動が制限される中、現地駐在メンバーによる支援役務は顧客にとって有益と考え対応してまいります。

 今後は、日本企業の現地法人の状況が非常に厳しい業種に関して撤退・業務改善の支援、また、サプライチェーン再構築の支援等の引合いは6月以降徐々に増加すると見込んでいます。

 

・M&A等資本に関するコンサルティング

既存案件については、大型案件は保留になり、中型・小型案件は進むものの、買い手の資金調達がままならずクロージングに至らない案件も出てきております。

新規引合い、相談ニーズはあるものの意思決定に至らない企業が大半を占めており、また、対面での面談が行えない顧客が増えており案件推進の阻害要因となっております。

 今後は、再生型M&Aのニーズが増えていくと見込んでおります。事業再生コンサルティングと継ぎ目なく対応できる点が特徴であり、その体制を整えております。一方で、企業の大型投資案件は検討・実施時期が後ろ倒しになり、また、海外渡航制限によりクロスボーダーM&Aはクロージングが困難な状況が当面の間は続くと見込んでいます。

 

②不動産コンサルティング事業

受注済みの案件については、現時点で契約解除となった案件は発生していないものの、不動産開発手続きにおける近隣説明会等の開催が不可能な状態であること等から決済遅延事案が数件発生しております。また、提携会計事務所及び顧客との面談が実施できないことから、新規引合い・受注件数ともに大幅に減少しております。

先行き不透明な情勢下において不動産市場は急激に動きが鈍くなっており、特に収益用不動産の動きが鈍く、当面の間、購入検討を控える動きが顕著になると見込んでいます。一方、立地の良い土地や小規模の土地については、引き続き購入意欲が高いプレイヤーが多数います。2021年3月期上期における取引件数は大幅な減少を見込んでいるものの、下期以降は資金調達を目的とした売却等取引が活発になる可能性もあると見込んでおります。既存顧客や受注済み案件のフォローを徹底して行うことに加えて、提携会計事務所や顧客、プロの投資家に対して、不動産市況の今後の見通し等の情報発信を積極的に行ってまいります。

③教育研修・FP関連事業

教育研修事業については、企業の大半が集合研修(企業研修、DC研修)を中止もしくは延期しており、新入社員研修を中止する企業も多数あります。また、FP資格試験の中止を受け、試験対策研修(通信講座、Web講座)の新規引合い、受注件数は減少する見通しであります。加えて、企業における研修費削減の動きも相まって、非常に厳しい状況となっております。

今後、インターネット等を活用した研修が増加することを想定して、Web研修教材コンテンツのさらなる充実を図り、営業展開を推進してまいります。

 相続手続サポート業務(商品名:「相続あんしんサポート」)は、提携金融機関の多くが営業活動を自粛していることから、新規の顧客紹介件数は当面減少する可能性があります。しかし、相続手続きはいずれ必ず必要となる業務であり、また、顧客(個人)が自分で行うのではなく外部に依頼するニーズはより高まると想定し、その体制を整えております。

 

④投資・ファンド事業

 ソーシング機能を持つ金融機関が新規提案業務を停止していることから面談件数は減少しており、また、事業承継対策への取組みが後ろ倒しになっている動きに連動して、新規投資案件発掘は短期だけでなく中期的にも影響を受けることが想定されます。一方、未上場株式の評価額下落が想定されること、また、個人株主にとって未上場会社株式のキャッシュ化ニーズが高まる可能性も想定されることから、引き続き、優良な未上場企業を対象として慎重に案件の発掘・投資を検討してまいります。

 既投資先については、定期的なモニタリングをさらに徹底するとともに、早期回収の可能性を含めてスケジュールの再検討を行ってまいります。

 

(3) 新型コロナウイルス感染症拡大を受けての企業価値維持・向上に向けた対応策

①顧客動向や社会環境の変化に伴う経営戦略の変更等

・一般に向けた新型コロナウイルス対応に関する情報発信

政府・官庁・地方自治体が発信しているコロナ関連制度等の情報を収集・整理し、わかりやすく解説するレジュメを当社ホームページに公開し、適宜更新しております。また、ポイントを理解いただくための動画も作成し公開しております。さらに、海外駐在員による現地の状況・移動制限・企業に対する政府の財政支援策等の動画・レジュメを作成し公開しております。今後、このような一般に向けた情報発信を強化し、当社の強みの認知活動を継続していきます。

 

・金融機関に対する情報提供

金融機関に対して、行員・社員の研修コンテンツとして、「新型コロナウイルス対応情報」・「事業再生」等々のレジュメ・動画を提供しております。緊急事態宣言解除後、活動状況は地域によって異なることが想定されますが、地域の状況に応じた相談対応を行ってまいります。

 

・Web会議システムを用いた金融機関及び顧客等との面談実施

当社はセキュリティーに十分配慮しながらWeb会議システムを活用することにより今般の外出自粛に伴う金融機関・顧客等とのコミュニケーションも円滑にできております。今後も、Web会議はタイムリーな面談による顧客の満足度向上や生産性向上等に資すると考え積極的に活用してまいります。

 

・社内Web研修の実施、ナレッジ集約等の推進

各人の業務量のばらつきも生じていることから、社員の能力向上の集中時期と捉え、Web研修(従来からのコンテンツに加え、今般急遽集中作成したコンテンツを追加)を実施しております。加えて、各コンサルタントが持つナレッジの全社共有を推進し、顧客のあらゆる課題への対応力をあげてまいります。

当社のコンサルティング業務は当初「事業再生」からスタートしており、他にない強みであります。今後、案件の急増が見込まれる「事業再生コンサルティング」に関する研修を特に若手社員や他の事業領域のコンサルタントに行い、全社を挙げて取組む体制を構築していきます。

 

・コストに関する見直し

収益の見通しが不確実な中、各費用について詳細な見直しを行っております。また、通勤交通費・旅費交通費等については、新たな働き方改革推進に伴う合理化、広告宣伝費については、新型コロナウイルス感染症収束後を見据え、今後の効果的な発信方法とあわせて見直し検討しております。

 

②企業活動の継続手法等

・在宅勤務・モバイルワーク等

76%の社員が在宅勤務またはモバイルワーク(原則として出社せず、必要な時に自宅から客先・金融機関等に出向く勤務形態)を行っております(2020年5月現在)。

 

・時短勤務

在宅勤務が行えない社員については、通勤に伴う業務の負荷軽減・時差出勤への協力の観点から、緊急事態宣言期間において就業時間を10時30分~16時30分と短縮しております。

 

・コミュニケーション

在宅勤務者・出勤者問わず、社員間のコミュニケーションは、業務の質向上・生産性向上、そして、在宅勤務者のメンタル面からも最重要と考え、業務に関するWeb会議の他に、チームごとの毎日のWeb雑談タイムや、Web朝礼等行っております。また、在宅勤務者に対してアンケートを適宜行い環境等の改善に努めております。

 

・新型コロナウイルス感染症収束後を見据えた働き方改革推進

今般、緊急対応として大多数の社員に導入した在宅勤務・モバイルワークについては臨時措置ではなく、新しい働き方と捉え「本社・地方支店等におけるオフィスの機能見直し」・「サテライトオフィスの設置」・「在宅勤務・モバイルワークに必要なツールの充実」等のハード面の整備を進めるとともに、当社風土・文化の維持・向上が重要と考え、新たなコミュニケーションの仕組みを導入します。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 社員一人一人の成長が組織の成長につながりますので、「個の成長」を最重要課題と認識し経営してまいりました。この方針は今後も継続してまいります。

 また、中長期的には利益の極大化を図り当社グループとしての企業価値を高めることが重要と認識しておりますので、今後も資本運用効率を計る尺度としての「自己資本利益率(ROE)」20%を目標としております。

 なお、ROE20%は将来に関する経営目標ではありますが、将来の事象や動向に関する現時点での仮定に基づくものであり、当該仮定が必ずしも正確であるという保証はありません。様々な要因により実際の業績が本書の記載と著しく異なる可能性があります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループのセグメント別の対処すべき事業上及び財務上の課題は次のとおりであります。なお、新型コロナウイルス感染症に関する課題、対応状況につきましては、「(2) 経営戦略等(セグメント別の経営方針及び新型コロナウイルス感染症の状況を受けての現況と今後の見通し)」「(3) 新型コロナウイルス感染症拡大を受けての企業価値維持・向上に向けた対応策」に記載しております。

①経営コンサルティング事業

 経営コンサルティング事業における戦略は、企業のあらゆる経営課題を解決するプロフェッショナル集団としての認知を勝ち取り、「総合コンサルティング会社」の地位を確立することであります。重点戦略は次のとおりであります。

・M&A等資本に関するコンサルティングにおいて、中長期的な視点でクライアントの資本の部の課題に着目し、問題解決の提案を実行

・「働き方改革」「事業承継」「M&A」を切り口に総合的なコンサルティング役務を全社で展開

・海外戦略に対する提言を切り口に、上場・大規模企業との関係を強化し日本企業への戦略提案を継続的に実施

・地域の医療業界再編・適正化を主導・先導し、地域のインフラ・生活機能及び産業(経済面)としてのヘルスケア領域の支援コンサルティングを実行

・事業再生ニーズの高まりを受け専門性の高い再生役務を提供する体制の強化

・ITサービスとSI(System Integrator)をベースとしつつ、安定的収益財源(ストック)としてITソリューションを提供

・経営コンサルティング機能強化

新規テーマの開発(業種別、事業改善、FAS、GRC、BtoBマーケティング、組織心理行動分析、CRE戦略等)

 

②不動産コンサルティング事業

 不動産コンサルティング事業における戦略は、営業拠点及び顧客からビジネスパートナーとしての認知を獲得し、不動産に関する総合的な提案ができる「不動産コンサルティング会社」を目指すことであります。重点戦略は次のとおりであります。

・富裕層の資産運用(活用)の各ステージで継続的パートナーとなれる不動産コンサルティングサービス展開と認知獲得

・経営コンサルティング部門及び提携会計事務所への情報発信と提案型営業の強化により潜在的ニーズを喚起、付加価値提供を主導

・資産管理部門の機能強化を図り富裕層クライアントを拡充

・投資事業への本格取組みによる収益事業化を目指す

 

③教育研修・FP関連事業

 教育研修・FP関連事業における戦略は、人材育成のソリューションを提案できる「人材育成コンサルティング会社」を目指すことであります。また、これまで蓄積してきたノウハウとネットワークを活かし、新規事業を実現することであります。重点戦略は次のとおりであります。

・金融機関のみならず、金融機関以外の事業会社の社員教育等、新たな顧客層の開拓

顧客ニーズにあった商品への見直し・商品開発、人材育成に関する教育プログラムの提案

・経営コンサルティング事業との協業

相続手続に関するサポート業務(商品名「相続あんしんサポート」)の早期の事業的規模への拡大

 

④投資・ファンド事業

 キャピタルソリューション弐号投資事業有限責任組合は、投資回収活動に注力いたします。

 キャピタルソリューション参号投資事業有限責任組合は、事業承継コンサルティングの一環としての機能を果たすべく、金融機関と連携し慎重に投資実行を進めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) コンサルティング事業における人材の確保及び育成

  当社グループのコンサルティング事業においては、その性質上、事業拡大に応じてコンサルタントの増員を図る必要があります。当社グループでは経営コンサルティング事業を中心に、各分野での豊富な経験を持つ優秀な人材を積極的に採用し、かつ幅広い視野をもつコンサルタント育成のために新卒採用も行い、社内教育プログラムを充実させることにより人材の確保及び育成を行っております。また、業務効率化、生産性向上のために、データ処理・情報分析等を行う人材の採用も積極的に行っております。

 今後も優秀な人材を積極的に採用・育成していく方針でありますが、当社グループの求める人材の確保が図れない場合は、コンサルティング事業拡大の制約となる可能性があります。

 

(2) 投資・ファンド事業について

 当社グループでは、ファンド事業としてキャピタルソリューション弐号投資事業有限責任組合及び同参号投資事業有限責任組合を運営管理しており、未上場会社をターゲットとした株式投資を行っております。また、投資事業会社においても株式等投資を行っております。

 そのため投資先企業の業績状況、株式評価、株式売却状況によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 ただし、キャピタルソリューション弐号投資事業有限責任組合及び同参号投資事業有限責任組合は、優良な中堅・中小企業の事業承継をサポートするミドルリスク・ミドルリターンを追求するファンドであり、大手金融機関等の協力のもと、投資リスクを最小限に抑えながら慎重に投資案件を発掘しております。

 

(3) 教育研修・FP関連事業の商品構成

 従来より、教育研修・FP関連事業の売上高のうちFP資格取得講座及びFP実務研修を中心としたFP教育関連売上高が約7割程度を占めております。現状、相続サポート業務(商品名「相続あんしんサポート」)を強化しており、FP教育関連売上高割合は減少傾向にありますが、教育研修・FP関連事業においてはFP教育関連売上高への依存度が高いため、今後のFP資格取得・研修マーケット全体の動向、競合他社の動向により、業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 顧客情報の管理について

 当社グループは事業の性格上、顧客の機密情報や個人情報を取り扱う場合があります。そのため、グループリスク管理・コンプライアンス委員会の主導により、当社グループにおいてプライバシーポリシー、セキュリティポリシーを制定するとともに役職員に対する研修会等の実施により、情報管理には細心の注意を払い、社内管理の徹底を図っておりますが、万一、何らかの事情でこれらの情報が外部に漏洩した場合には、社会的信用の低下等により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 法令・規制について

 「宅地建物取引業者」は「不動産コンサルティング事業」を行う上で必要不可欠な免許になります。また、「教育研修・FP関連事業」におきましても、一部ではありますが講師派遣のために「一般労働者派遣事業」は必要な許認可になります。

 両事業においてそれぞれ事業上重要な許認可であり、許認可を取り消されるような事態になった場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 業績の変動について

 当社の事業はコンサルティングが中心であり、多くのクライアントと取引を行っております。近年、コンサルティング案件の大型化や複雑化により利害関係者が多く関与する傾向にあり、役務提供完了が長期化する傾向にあります。案件進捗管理の徹底により案件対応能力の強化を行っておりますが、何らかの事情により大型成功報酬等の計上時期が、四半期または事業年度を超えて遅延した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 新型コロナウイルス感染症の影響

 経営コンサルティング事業は、受注済みの案件についてはサービス提供のスケジュール変更・内容変更に柔軟に対応しておりますが、新規案件の受注については2020年4月以降金融機関の外交活動が制限されていること等から、営業活動が大きく制限されている状況が継続しております。特に海外事業コンサルティングは、受注済みの案件・新規引合い、いずれも大半が中断・延期となっております。

 不動産コンサルティング事業は、受注済みの案件については現時点で契約解除となった案件は発生していないものの、決済遅延事案が数件発生しており、また、提携会計事務所及び顧客との面談ができないことから、新規引合い・新規受注ともに大幅に減少しております。

 教育研修事業は、企業の大半が集合研修(企業研修、DC研修)を中止もしくは延期しており、新入社員研修を中止する企業も多数あります。また、FP資格試験の中止を受け、試験対策研修(通信講座、Web講座)の新規引合い、受注件数は減少する見通しであります。加えて、企業における研修費削減の動きも相まって、非常に厳しい状況となっております。

 投資・ファンド事業は、ソーシング機能を持つ金融機関が新規提案業務を停止していることから面談件数は減少しており、また、事業承継対策への取組みが後ろ倒しになっている動きに連動して、新規投資案件発掘は中期的に影響を受けることが想定されます。

 今後、新型コロナウイルス感染症拡大が長期化すれば、各事業において上記の悪影響が継続するものと見込まれるため、当社グループの業績に与える悪影響も継続する可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,810,620千円増加し15,010,887千円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,411,829千円増加し3,010,301千円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて398,791千円増加し12,000,585千円となりました。

 

b.経営成績

 当社グループの当連結会計年度(自2019年4月1日 至2020年3月31日)の業績は、売上高13,576,016千円(前期比1.3%増)、営業利益2,208,946千円(同4.3%減)、経常利益2,193,128千円(同6.8%減)となりました。人件費の増加等により販売費及び一般管理費が788,110千円増加したことから、営業利益及び経常利益は減益となりました。

 税金等調整前当期純利益は1,967,708千円(同16.4%減)となりました。これは当連結会計年度において、連結子会社であるSPIRE Research and Consulting Pte Ltd.株式取得時に計上したのれんについて残存価額を全額減損損失として231,018千円計上したこと等により、特別損失を285,749千円計上したためであります。

 親会社株主に帰属する当期純利益は1,233,040千円(同22.8%減)となりました。

 

 当連結会計年度におけるセグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。

 

(経営コンサルティング事業)

 当連結会計年度における経営コンサルティング事業の業績は、売上高11,979,737千円(前期比6.7%増)、営業利益1,939,907千円(同6.3%増)となりました。

 

(不動産コンサルティング事業)

 当連結会計年度における不動産コンサルティング事業の業績は、売上高929,164千円(前期比14.4%増)、営業利益230,558千円(同19.8%増)となりました。

 

(教育研修・FP関連事業)

 当連結会計年度における教育研修・FP関連事業の業績は、売上高735,369千円(前期比2.1%減)、営業利益31,668千円(同23.9%減)となりました。

 

(投資・ファンド事業)

 当連結会計年度における投資・ファンド事業の業績は、売上高42,503千円(前期比93.6%減)、営業利益6,812千円(同97.2%減)となりました。

 

 各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高110,758千円(経営コンサルティング事業108,522千円、不動産コンサルティング事業2,108千円、教育研修・FP関連事業127千円)が含まれております

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが1,162,969千円の資金減、投資活動によるキャッシュ・フローが313,245千円の資金減、財務活動によるキャッシュ・フローが365,945千円の資金減となったことから、全体では1,873,672千円の資金減(前期は389,924千円の資金増)となりました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は6,055,915千円になりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の減少は、1,162,969千円(前期は1,738,918千円の資金増)となりました。

 税金等調整前当期純利益が1,967,708千円あったこと、その他の負債の増加額437,032千円、保険金の受取による収入250,000千円等の資金増加要因があった一方で、営業投資有価証券の増加額3,545,229千円(主として当社子会社及び当社子会社が運営管理するキャピタルソリューション参号投資事業有限責任組合での投資実行)、法人税等の支払額341,647千円、売上債権の増加額186,565千円等の資金減少要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、313,245千円(前期は454,590千円の資金減)となりました。

 これは、有形固定資産の取得による支出115,736千円、無形固定資産の取得による支出86,711千円、投資有価証券の取得による支出103,635千円(主として業務提携先株式の取得)等の資金減少要因があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、365,945千円(前期は888,361千円の資金減)となりました。

 これは、短期借入金の増加額500,000千円等の資金増加要因があったものの、配当金の支払額873,883千円等の資金減少要因があったことによるものであります。

 

(2) 仕入、販売及び営業投資活動の実績

①仕入実績

 経営コンサルティング事業、不動産コンサルティング事業及び教育研修・FP関連事業の仕入(外注等)実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(千円)

前連結会計年度比

(%)

経営コンサルティング事業

1,161,116

89.0

不動産コンサルティング事業

394,925

153.8

教育研修・FP関連事業

277,975

94.9

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当連結会計年度の各セグメントの仕入(外注等)実績には、セグメント間の内部仕入実績(経営コンサルティング事業500千円、不動産コンサルティング事業108,649千円)が含まれております。

 

②販売実績

 経営コンサルティング事業、不動産コンサルティング事業及び教育研修・FP関連事業の販売(役務提供)実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

金額(千円)

前連結会計年度比

(%)

経営コンサルティング事業

11,979,737

106.7

不動産コンサルティング事業

929,164

114.4

教育研修・FP関連事業

735,369

97.8

(注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.当連結会計年度の各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高(経営コンサルティング事業108,533千円、不動産コンサルティング事業2,108千円、教育研修・FP関連事業127千円)が含まれております。

 

③営業投資活動の実績

 当社グループの投資・ファンド事業では、投資事業有限責任組合等による営業投資活動を行っております。

 当連結会計年度における営業投資活動の実績は次のとおりであります。

 

総投資実行額

 

前連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

当連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

 

社数

金額(千円)

社数

金額(千円)

キャピタルソリューション弐号投資事業有限責任組合

キャピタルソリューション参号投資事業有限責任組合

3

3,142,152

キャピタルソリューション㈱

1

432,000

合計

4

3,574,152

 

総投資残高

 

前連結会計年度末

2019年3月31日

当連結会計年度末

2020年3月31日

 

社数

金額(千円)

社数

金額(千円)

キャピタルソリューション弐号投資事業有限責任組合

4

376,014

4

347,090

キャピタルソリューション参号投資事業有限責任組合

3

3,142,152

キャピタルソリューション㈱

1

432,000

その他投資

1

138

1

138

合計

5

376,152

9

3,921,382

 

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,810,620千円増加15,010,887千円となりました。

(流動資産)

 当連結会計年度末の流動資産残高は、前連結会計年度末に比べて1,864,345千円の増加し、12,144,675千円となりました。主な変動項目は次のとおりであります。

・現金及び預金1,930,064千円減少(当連結会計年度末残高6,251,994千円)

・受取手形及び売掛金186,565千円増加(当連結会計年度末残高1,509,582千円)

・営業投資有価証券3,545,229千円増加(当連結会計年度末残高3,921,382千円

キャピタルソリューション参号投資事業有限責任組合及びキャピタルソリューション㈱による株式取得による増加であります。

(固定資産)

 当連結会計年度末の固定資産残高は、前連結会計年度末に比べて53,724千円減少し、2,866,212千円となりました。

 

(負債合計)

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,411,829千円増加3,010,301千円となりました。

(流動負債)

 当連結会計年度末の流動負債残高は、前連結会計年度末に比べて1,377,992千円増加し2,926,351千円となりました。主な増加項目は次のとおりであります。

・短期借入金500,000千円増加(当連結会計年度末残高500,000千円)

運転資金の効率的な調達を行うため、2020年3月期に取引銀行2行と総額20億円のコミットメントライン契約を締結し、2020年3月末に500,000千円の借入を実行いたしました。

・未払法人税等469,387千円増加(当連結会計年度末残高732,320千円)

・その他(流動負債)431,765千円増加(当連結会計年度末残高1,304,704千円)

(固定負債)

 当連結会計年度末の固定負債残高は、前連結会計年度末に比べて33,836千円増加し83,949千円となりました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて398,791千円増加12,000,585千円となりました。

(株主資本)

 当連結会計年度末の株主資本残高は、前連結会計年度末に比べて361,358千円増加し11,870,321千円となりました。主な増加項目は次のとおりであります。

・利益剰余金360,620千円増加(当連結会計年度末残高9,272,156千円)

(非支配株主持分)

 当連結会計年度末における非支配株主持分残高は、前連結会計年度末に比べて18,209千円増加し115,005千円となりました。

 

②経営成績

 当社グループの当連結会計年度(自2019年4月1日 至2020年3月31日)の業績は、売上高13,576,016千円(前期比1.3%増)、営業利益2,208,946千円(同4.3%減)、経常利益2,193,128千円(同6.8%減)となりました。人件費の増加等により販売費及び一般管理費が788,110千円増加したことから、営業利益及び経常利益は減益となりました。

 税金等調整前当期純利益は1,967,708千円(同16.4%減)となりました。これは当連結会計年度において、連結子会社であるSPIRE Research and Consulting Pte Ltd.株式取得時に計上したのれんについて残存価額を全額減損損失として231,018千円計上したこと等により、特別損失を285,749千円計上したためであります。

 親会社株主に帰属する当期純利益は1,233,040千円(同22.8%減)となりました。

 

 当連結会計年度における各セグメント別の業績の概況は、次のとおりであります。

 

(経営コンサルティング事業)

 当連結会計年度における経営コンサルティング事業の業績は、売上高11,979,737千円(前期比6.7%増)、営業利益1,939,907千円(同6.3%増)となりました。

 経営コンサルティング(持続的成長、事業再生、組織人事、コーポレート・ガバナンス、IT)の引合い・受注状況が順調であったことから、業績は前期比増収増益となりました。

 ただし、第4四半期で予定していた大型のM&Aアドバイザリー案件を売上実現できなかったこと等から、通期業績予想数値は未達となりました。

 なお、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大による業績に与える影響はありませんでしたが、2020年4月より新規受注のための営業活動が大きく制限されている状況であります。

 2020年6月以降は営業活動が少しずつ行えるようになってきており、今後は、新型コロナウイルスの影響による急速な業績悪化・資金繰り悪化の企業からの相談が増加する可能性が高いことから、事業再生コンサルティングに迅速に対応できる体制を整えております。

 

(不動産コンサルティング事業)

 当連結会計年度における不動産コンサルティング事業の業績は、売上高929,164千円(前期比14.4%増)、営業利益230,558千円(同19.8%増)となりました。

 即戦力採用が進んでおり、複雑・大型案件の案件受注及び加工能力の強化を図り大型案件を売上実現できたことから、業績は前期比増収増益となりました

 なお、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大による業績に与える影響はありませんでしたが、2020年4月より新規受注のための営業活動が大きく制限されている状況が継続しております。

 2021年3月期の上期における取引件数は大幅な減少を見込んでいるものの、下期以降は資金調達を目的とした売却等取引が活発になる可能性もあると見込んでおります。

 

(教育研修・FP関連事業)

 当連結会計年度における教育研修・FP関連事業の業績は、売上高735,369千円(前期比2.1%減)、営業利益31,668千円(同23.9%減)となりました。

 相続手続サポート業務は受注状況が順調に推移し役務提供も順調に完了したことから、順調な業績を確保することができましたが、FP資格取得講座・FP関連の実務研修の受注が低調だったことから、全体では業績は減収減益となりました。

 新型コロナウィルス感染症拡大により、2020年3月に予定していた顧客企業の集合研修(企業研修、DC研修)の大半が中止、延期となりました。

 2021年3月期も顧客企業の集合研修の中止・延期が継続し、またFP資格試験の中止を受け、試験対策研修の新規引合い、受注研修は減少すると見込んでおります。

 

(投資・ファンド事業)

 当連結会計年度における投資・ファンド事業の業績は、売上高42,503千円(前期比93.6%減)、営業利益6,812千円(前期比97.2%減)となりました。

 前連結会計年度のような大きな売却利益を伴う投資先株式の売却がなかったことから、前期比大幅な減収減益となりましたが、投資先1社の一部株式売却により営業利益を計上することができました。

 また、当連結会計年度での新規投資は、キャピタルソリューション参号投資事業有限責任組合で3,142,152千円(3件)、当社子会社キャピタルソリューション㈱で432,000千円(1件)、合計3,574,152千円を実行いたしました。

※2020年3月末投資残高3,921,382千円

キャピタルソリューション弐号投資事業有限責任組合   347,090千円(4件)

キャピタルソリューション参号投資事業有限責任組合 3,142,152千円(3件)

キャピタルソリューション株式会社          432,000千円(1件)

その他                         138千円(1件)

 なお、当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症拡大による業績に与える影響はありませんでしたが、2020年4月以降、新規投資案件発掘活動が大きく制限されていることから、中期的に影響を受けると想定しております。

 

③経営上の目標の達成状況

 当社グループは、中長期的には利益の極大化を図り当社グループとしての企業価値を高めることが重要と認識しておりますので、資本運用効率を計る尺度としての「自己資本利益率(ROE)」20%を目標としております。

 当連結会計年度におけるROEはのれんを減損損失として231,018千円特別損失計上したこともあって10.5%(前期比3.8ポイント悪化)となりましたので、収益性・効率性を高め、目標達成に努めてまいります。

 なお、ROE20%は将来に関する経営目標ではありますが、将来の事象や動向に関する現時点での仮定に基づくものであり、当該仮定が必ずしも正確であるという保証はありません。様々な要因により実際の業績が本書の記載と著しく異なる可能性があります。

 

資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、自己資金を充当する予定であります。

 当社グループの運転資金及び設備資金以外の今後の資金需要としては、投資・ファンド事業でのファンド組成に伴う自己投資を予定しております。

 キャピタルソリューション参号投資事業有限責任組合の当社グループの自己投資につきましては、引き続き自己資金で行っていく予定であります。

 なお、当社は運転資金の効率的な調達を行うため、2020年3月期に取引銀行2行と総額20億円のコミットメントライン契約を締結いたしました。

 

(4) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。なお、連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。詳細につきましては、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであり、新型コロナウイルス感染症の影響に係る会計上の見積り及び仮定については、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の「追加情報」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。