第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは、「健全な価値観」「社会貢献」「個と組織の成長」を基本理念として掲げ、高付加価値情報を創造・提供し、顧客の発展ひいては社会の発展に貢献することにより「存在する意義のある組織」であり続けることを目指しております。

 当社グループでは「健全な価値観」に基づく組織風土を保持し続けることを最重要経営課題であると認識しており、その浸透に常に努めております。

 今後も健全な成長・発展を継続することにより「存在する意義のある組織」として社会貢献を目指してまいります。

 

(2) 経営戦略等(セグメント別の経営方針及び今後の見通し)

①経営コンサルティング事業

<経営コンサルティング事業(持続的成長、DX、組織戦略、コーポレートガバナンス)>

 顧客及び主要な紹介元である金融機関は、ともにコロナ禍におけるビジネスの進め方がさらに進展しており、受注環境はコロナ禍前と同様の状況に回復しております。

 成長戦略を実現するためのM&A戦略立案及び実行、カーボンニュートラルなどサスティナビリティ経営に関連したニーズが増加しています。また、働き方の変化や労働市場の変化に伴い、組織戦略コンサル及びDXコンサルの相談が増えております。変化する顧客ニーズへの対応を強化するべく役務の開発、また当該分野の社内におけるナレッジ共有のシステム開発と実装及び、人材採用・育成による人員増強を図ってまいります。特に、事業会社出身で経営経験を有する人材を採用して経営戦略コンサルの対応力を強化します。

 

<事業再生コンサルティング事業>

 コロナ禍に伴う制度融資等により企業の資金繰りは落ち着いておりましたが、第6波の影響等により、業況は一進一退で推移しています。加えて、一定の資金支援の後、追加の資金獲得も難しくなっていることから、過剰債務に伴う課題が深刻になりつつあります。

 企業の本業(PL)改善、及び財務安定化へのニーズの高まりに伴い、金融機関からの紹介件数は、堅調に推移しております。また、企業の資金繰り状況によっては、スポンサー型のM&A(事業再生型M&A)へのニーズも今後高まってくるものと想定しております。

 本業(PL)改善や事業再生型M&Aへの支援ニーズに応えるべく人員増強し体制を整えるとともに、顧客経営者に常に寄り添い、当社の強みである総合力を発揮したサービスを提供してまいります。

 

<M&Aアドバイザリー事業>

 M&Aをとりまく環境におけるコロナ禍の影響は一巡し、引き合い件数・契約件数ともにコロナ禍前と同程度の水準まで回復しております。また、ウクライナ情勢や中国でのゼロコロナ政策によるサプライチェーンへの打撃は、日本国内における中堅中小企業にも少なからず影響を及ぼすことが想定され、足元の引き合い件数も影響の大きい業種を中心に増えております。2023年3月期初時点の引き合い・受注件数は、2022年3月期初比約40%増と増加傾向にあり、今後は事業再生型M&Aや大手企業におけるノンコア事業売却ニーズもさらに増加していくものと見込まれます。

 M&Aアドバイザリーサービスの差別化・競争力向上のため、M&Aを単なる会社の売買と捉えることなく、経営コンサルティング役務の1つとして、会社の成長・生き残り、地域経済の活性化、業界の再編等、様々な形でM&Aアドバイザリー(コンサルティング)を提供しております。相談から実行に至るまで長期間を要するものの、当社の従来からの強みであるコンサルティング機能を発揮し、様々な選択肢を提供することで、経営者・企業に寄り添うM&Aアドバイザリーサービスを丁寧に実行してまいります。

 また、買い手企業向けの新しいサービスとして2022年3月期より開始した『Y-search(※)』の認知拡大を通し、さらに戦略的かつ能動的なM&Aサービスを提供してまいります。

 体制面においては、経営コンサルティングチーム・事業承継チームと連携し、経営コンサルティングや事業承継支援をきっかけとしたM&Aに取り組んでまいりました。事業・業界に知見の深い他部門のコンサルタントとの協働を通して、専門性を高めることを進めてきた結果、M&A役務に留まらずそこから派生する様々な相談が増えております。

 2023年3月期はこれに加えて、地方拠点と本社のM&Aチームとの一体運営を一層強化し、地方拠点におけるM&A役務の認知拡大・品質向上を図ってまいります。コンサルティング型M&A事業を当社の中核ビジネスに成長させるべく、引き続き中長期的な視点に立った事業運営に注力してまいります。

(※)買収希望企業(買い手)が、持ち込まれる「売り案件」の中から買収先を探すのではなく、経営戦略に基づいて買収先を絞り込み発掘することで、より効率的なM&Aを実現する、当社の提供する役務の名称

 

<事業承継コンサルティング事業>

 事業承継に関する相談及び受注件数は、コロナ禍前の状況まで回復し、堅調に推移しております。個別の顧客対応においては、対面・WEBの面談を併用することで、コロナ禍前と変わらない、あるいはより効率的で密度の高いコミュニケーションを行い、引き続き提案機会を増やしてまいります。

 事業承継はオーナー企業を中心とする企業経営者の根幹的な課題であり、事業承継の課題解決を通じて、持続的成長、M&A、事業・資産ポートフォリオとしての国内外における不動産活用、その他海外における事業展開などあらゆる経営課題の相談に繋がると認識しております。そのためには、本社及び各地方拠点に配置している事業承継に携わるコンサルタントが、高品質の事業承継支援役務を提供することと、事業承継以外の幅広い役務の知見を持つことが必須であり、全社横断的な人材採用・育成をすすめております。高品質の事業承継支援役務をきっかけとした顧客(経営者等)との密接な関係をもとに、経営やオーナー経営者の資産に関するあらゆる相談に対応し貢献することで、収益基盤を強化してまいります。

 

海外事業コンサルティングの状況

 上記の各事業分野における海外事業コンサルティングの状況について説明いたします。

 東南アジアや米国で入国時における隔離制限が緩和され渡航が可能になったことで、M&Aの検討・動きが活性化しております。各国拠点においてM&A業務が再始動し、ファイナンシャルアドバイザリー、トランザクションサービスの引き合い及び受注件数が順調に増えています。ただし、ウクライナ問題やそれに伴うインフレ加速、中国のゼロコロナ政策による営業活動・受注活動への影響は避けられず、中国においては既に引き合いが停滞している状況です。

 今後も引き続き日系企業の海外展開を図る際の成長戦略策定からM&A・トランザクションサービスに至るまで、一気通貫した役務を提供してまいります。クライアントの日本拠点(親会社等)と海外拠点のいずれからも支援できるよう、当社の各海外拠点のコンサルタントの連携と、均質サービスの提供を強化します。

 また、2022年3月期から開始した米国賃貸住宅投資に係る不動産アセットマネジメントサービスでは、事業規模の拡大を見据え人員体制を拡充しました。

 一方、懸念として、円安の進行がクロスボーダーM&Aや米国不動産投資に与えるマイナスの影響を注視してまいります。

 営業面においては、継続的に実施しているWEBセミナーやホームページでの情報発信に加え、当社の紹介元である金融機関に対して当社の海外業務を認識いただくべく営業活動をさらに注力してまいります。

 

②不動産コンサルティング事業

 実需向け不動産及び投資用不動産は、ともに活発な取引が行われています。一方で、先行き不透明な情勢に将来の不安を感じる顧客も多く、提携会計事務所から売却相談や不動産の総合的な相談が増加傾向にあります。短期間で受注に至るものがある一方で、案件相談から受注までに長期間要するものもあり、状況を見極めながら機動的に対応してまいります。場所柄流通しにくい小型案件等については受注の可否を含め慎重に対応し、効率的な運営を図ります。

 各コンサルティング部門との密な連携により、顧客の不動産に関する課題解決に注力してまいります。

 

③教育研修・FP関連事業

 集合研修・WEB研修ともに各企業の研修ニーズは多様化してきております。より効果的な研修を提供するために、研修方法やカリキュラムをカスタマイズすることにより、受注率を上げる営業活動を推進してまいります。また、研修効果の見える化を目的としたシステムによる学習サポート機能を拡充し、商品の差別化を図ってまいります。

 相続手続サポート業務(「相続あんしんサポート」)については、足元の紹介・受注件数はコロナ禍前の状況に戻りつつあります。既存の紹介元である金融機関に加えて、相続発生前の潜在顧客の囲い込みが見込める高齢者向け介護施設等との連携等、新規の受注チャネルの開拓にも注力し、売上拡大を図ってまいります。

 さらなる利用者の利便性向上を目指し、外部の高齢者向けサービス提供会社とのネットワークを構築することにより、相続発生手続き支援業務以外のサービスの拡充にも努めてまいります。

 

 

 

④投資・ファンド事業

 今後も、各企業における事業構造見直しの動きに連動した資本構成の再構築ニーズ、株式の資金化ニーズが増加するものと予想しております。このようなニーズの高まりを受け、当社は昨年7月に新設したキャピタルソリューション四号投資事業有限責任組合に続き、昨年11月に山田コンサルティング壱号投資事業有限責任組合を新設いたしました。引き続き、優良な未上場企業に対する新規投資案件の発掘に注力し、投資を検討してまいります。

 また、既投資先についても、定期的なモニタリング活動を継続してまいります。

 

(3) 持続的成長に向けた人材育成と働き方改革

 当社が持続的成長を果たしていくためには、優秀な人材の獲得と定着が不可欠です。そのために以下の改革に継続的に取り組んでまいります。

・「個と組織の持続的成長」の実現のため、人生のライフステージに応じて、「家庭」・「仕事」・「自身の成長」のバランスをとって働き続けられる環境を整備すること

・当社社員が当社の文化や価値観に共鳴・共感し、常に高いレベルの業務・新たな業務にチャレンジし、長期的に探究・追求できるフィールドを構築すること

 当社では、従来からの総合コンサルタント職の採用に加えて、女性を中心とした優秀な専門コンサルタント(データ分析やリサーチ業務に特化した専門職)の採用・育成を強化しております。また、事業会社出身の経営経験を有するシニア層の採用及び活躍の場の提供も積極的に推進しております。このような多様なメンバーが、安心して長期的に働き続けられる環境を整備し、定着率の向上を図ってまいります。2023年3月期において重点的に取り組む施策は以下のとおりです。

 

<バージョンアッププログラム(管理職向け取組み)>

 2022年3月期より管理職を対象として、『バージョンアッププログラム』を開始いたしました。各人が上司と相談の上、個別にテーマを設定し、業務時間のうち5%(年間100時間)を自己の能力開発のための時間に充てる取組みです。「自身の専門性を深化する取組み」・「自身の専門性とは異なる分野の知見を広げる取組み」等を常に継続することで、各社員が高いレベルの業務・新たな業務にチャレンジする環境を整え、顧客のあらゆる経営課題への対応、新たな事業・サービスの展開を図ってまいります。

 2022年3月期は、デジタルリテラシーなど基礎能力の向上、サスティナビリティ経営など新しい領域の役務につながった事例を社内表彰いたしました。今後もより質の高いプログラムに各人が取り組めるよう引き続き推進してまいります。

 

<生産性向上と労働時間の削減>

 生産性の向上及び労働時間の削減について、3年計画で改善に取り組んでまいります。

 チームで生産性向上について議論し、全員参加型による改善活動を実施します。社員一人一人が常に考え行動し続けるために、改善活動を当社の文化・風土として根付かせてまいります。

 加えて、生産性向上に資するための仕組みとして、昨年実施したオフィス改革(フリーアドレス制、WEB会議ブース・ミーティングエリア増設等)をはじめ、ナレッジ共有などITツールの積極活用など環境面の整備も引き続き行います。

 制度面・環境面の整備とともに、最大限に能力を発揮できるような働き方や職場環境づくり等を通じて、さらなる成長と持続的な発展に努めてまいります。

 

(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 社員一人一人の成長が組織の成長につながりますので、「個の成長」を最重要課題と認識し経営してまいりました。この方針は今後も継続してまいります。

 また、中長期的には利益の極大化を図り当社グループとしての企業価値を高めることが重要と認識しておりますので、今後も資本運用効率を計る尺度としての「自己資本利益率(ROE)」20%を目標としております。

 なお、ROE20%は将来に関する経営目標ではありますが、将来の事象や動向に関する現時点での仮定に基づくものであり、当該仮定が必ずしも正確であるという保証はありません。様々な要因により実際の業績が本書の記載と著しく異なる可能性があります。

 

(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループのセグメント別の対処すべき事業上及び財務上の課題は次のとおりであります。

 

①経営コンサルティング事業

 経営コンサルティング事業における戦略は、顧客生涯価値(LifeTime Value)を最大化することが事業モデルにおける強みであり、顧客のあらゆる経営課題に対応するため、総合的なコンサルティング事業のクロスセル等を行うことで顧客ロイヤリティの向上を図り、今後も新たな事業、サービスの展開を図ってまいります。重点戦略は次のとおりであります。

・個の自律的な成長と個の成果が生み出す組織の成長とを調和させることで当社の持続的成長を実現する仕組みである「持続的成長システム」の運用

・「個と組織の持続的成長」を実現するための人材戦略の実行(採用、育成・定着、評価・活躍)

・従来から行っていた「部拠点単位」での管理に加えて「事業単位」で全社的な戦略を立案・実行する「事業推進体制(マトリックス組織運営)」の実行

 

②不動産コンサルティング事業

 不動産コンサルティング事業における戦略は、営業拠点及び顧客からビジネスパートナーとしての認知を獲得し、不動産に関する総合的な提案ができる「不動産総合コンサルティング事業」を目指すことであります。重点戦略は次のとおりであります。

・富裕層のライフサイクルの各ステージにおいて資産運用(活用)の継続的パートナーとなれるサービス展開と認知獲得

・経営コンサルティング部門の顧客及び提携会計事務所に対する情報発信による提案型営業の強化

・資産管理部門の機能強化を通じて富裕層クライアントへのアプローチ拡充

 

③教育研修・FP関連事業

 教育研修・FP関連事業における戦略は、人材育成のソリューションを提案できる「人材育成コンサルティング事業」を目指すことであります。また、これまで蓄積してきたノウハウとネットワークを活かし、新規事業を実現することであります。重点戦略は次のとおりであります。

・顧客ニーズにあった商品への見直し・商品開発、人材育成に関する教育プログラムの提案

・経営コンサルティング事業との協業、中小企業向け人材育成ニーズに応える教育研修プログラムの開発・推進

・相続手続に関するサポート業務(「相続あんしんサポート」)の早期の事業的規模への拡大

 

④投資・ファンド事業

 投資・ファンド事業における戦略は、当社グループが手掛けるコンサルティング案件から発生する投資機会に積極的に関与し、コンサルティング案件にとどまらない新たな収益機会を創造していくことであります。重点施策は次のとおりであります。

・顧客ニーズに応じて、事業承継支援を目的とする非上場株式への投資に加えて、不動産投資事業や富裕層・機関投資家向けの様々な資産サポート事業への積極的取り組み

・投資規模の大型化に対応すべくガバナンス体制を強化

・総合的な管理運営体制の構築

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) コンサルティング事業における人材の確保及び育成

  当社グループのコンサルティング事業においては、その性質上、事業拡大に応じてコンサルタントの増員を図る必要があります。当社グループでは経営コンサルティング事業を中心に、各分野での豊富な経験を持つ優秀な人材を積極的に採用し、かつ幅広い視野をもつコンサルタント育成のために新卒採用も行い、社内教育プログラムを充実させることにより人材の確保及び育成を行っております。また、業務効率化、生産性向上のために、データ処理・情報分析等を行う人材の採用も積極的に行っております。

 今後も優秀な人材を積極的に採用・育成していく方針でありますが、当社グループの求める人材の確保が図れない場合は、コンサルティング事業拡大の制約となる可能性があります。

 

(2) 投資・ファンド事業について

 当社グループでは、ファンド事業としてキャピタルソリューションファンド等の投資事業有限責任組合を運営管理しており、未上場会社をターゲットとした株式投資を行っております。また、投資事業会社においても株式等投資を行っております。

 そのため投資先企業の業績状況、株式評価、株式売却状況によっては当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 ただし、当社グループが運営管理する投資事業有限責任組合は、優良な中堅・中小企業の事業承継をサポートするミドルリスク・ミドルリターンを追求するファンドであり、大手金融機関等の協力のもと、投資リスクを最小限に抑えながら慎重に投資案件を発掘しております。

 

(3) 教育研修・FP関連事業の商品構成

 従来より、教育研修・FP関連事業の売上高のうちFP資格取得講座及びFP実務研修を中心としたFP教育関連売上高が約7割程度を占めております。現状、相続サポート業務を強化しており、FP教育関連売上高割合は減少傾向にありますが、教育研修・FP関連事業においてはFP教育関連売上高への依存度が高いため、今後のFP資格取得・研修マーケット全体の動向、競合他社の動向により、業績に影響を与える可能性があります。

 

(4) 顧客情報の管理について

 当社グループは事業の性格上、顧客の機密情報や個人情報を取り扱う場合があります。そのため、グループリスク管理・コンプライアンス委員会の主導により、当社グループにおいてプライバシーポリシー、セキュリティポリシーを制定するとともに役職員に対する研修会等の実施により、情報管理には細心の注意を払い、社内管理の徹底を図っておりますが、万一、何らかの事情でこれらの情報が外部に漏洩した場合には、社会的信用の低下等により当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 法令・規制について

 「宅地建物取引業者」は「不動産コンサルティング事業」を行う上で必要不可欠な免許になります。また、「教育研修・FP関連事業」におきましても、一部ではありますが講師派遣のために「一般労働者派遣事業」は必要な許認可になります。

 両事業においてそれぞれ事業上重要な許認可であり、許認可を取り消されるような事態になった場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 業績の変動について

 当社の事業はコンサルティングが中心であり、多くのクライアントと取引を行っております。近年、コンサルティング案件の大型化や複雑化により利害関係者が多く関与し役務提供完了が長期化する傾向にあり、また、その結果、報酬額が契約当初の予定から変動する案件も増加傾向にあります。案件進捗管理の徹底により案件対応能力の強化を行っておりますが、何らかの事情により大型成功報酬等の計上時期が、四半期又は事業年度を超えて遅延した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(7) 新型コロナウイルス感染症の影響

 経営コンサルティング事業は、2021年3月期期初は緊急事態宣言の発出等により、当社の主要な顧客紹介元である金融機関の外交活動が制限されたこと等から、営業活動が大きく制限されました。特に海外事業コンサルティングは、受注済みの案件・新規引合い、いずれも大半が中断・延期となりました。

 一般顧客向けのセミナーを積極的に開催する等、案件受注活動の多様化を積極的に図っておりますが、今後も新型コロナウイルス感染症の状況又はその他の事情により、当社の主要な顧客紹介元である金融機関の外交活動が制限されることとなった場合は、当社の営業活動が制限され、当社グループの業績に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。

 教育研修事業は、2021年3月期期初は緊急事態宣言の発出等により、企業の大半が集合研修(企業研修、DC研修)を中止もしくは延期し、新入社員研修を中止する企業も多数ありました。また、FP資格試験が中止となった時期もあり、試験対策研修(通信講座、WEB講座)の新規引合い、受注件数は減少いたしました。

 今後も新型コロナウイルス感染症の状況又はその他の事情により、顧客企業の社員研修活動が制限されることになった場合やFP資格試験が中止となった場合には、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,526,673千円増加し18,419,364千円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて425,302千円増加し4,584,941千円となりました。

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,101,370千円増加し13,834,422千円となりました。

 

b.経営成績

 当社グループの当連結会計年度(自2021年4月1日 至2022年3月31日)の経営成績は、売上高14,645,401千円(前期比4.3%減)、売上原価2,201,251千円(同36.2%減)となりました。

 売上高及び売上原価が前期比減少しているのは、投資・ファンド事業において前連結会計年度は投資先株式売却等による売上高2,619,909千円、売上原価1,916,379千円であったのに対して、当連結会計年度は投資先株式売却等による売上高637,378千円、売上原価472,147千円であったことによるものであります。

 売上総利益は、経営コンサルティング事業の業績が順調であったことから12,444,149千円(同4.9%増)となり、営業利益は2,501,604千円(同11.0%増)、経常利益2,570,864千円(同10.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,716,063千円(同23.0%増)となりました。

 

 当連結会計年度におけるセグメント別の経営成績の概況は、次のとおりであります。

 

(経営コンサルティング事業)

 当連結会計年度における経営コンサルティング事業の経営成績は、売上高12,479,688千円(前期比10.1%増)、売上総利益11,218,196千円(同10.2%増)、営業利益2,121,035千円(同59.3%増)となりました。

 

(不動産コンサルティング事業)

 当連結会計年度における不動産コンサルティング事業の経営成績は、売上高1,079,657千円(前期比25.7%増)、売上総利益654,046千円(同8.6%増)、営業利益212,651千円(同8.3%減)となりました。

 

(教育研修・FP関連事業)

 当連結会計年度における教育研修・FP関連事業の経営成績は、売上高605,929千円(前期比8.4%増)、売上総利益408,915千円(同6.0%増)、営業利益20,413千円(前期は営業損失10,060千円)となりました。

 

(投資・ファンド事業)

 当連結会計年度における投資・ファンド事業の経営成績は、売上高637,378千円(前期比75.6%減)、売上総利益165,231千円(同76.5%減)、営業利益147,503千円(同78.8%減)となりました。

 

(注)各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高157,252千円(経営コンサルティング事業153,977千円、不動産コンサルティング事業3,275千円)が含まれております。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動によるキャッシュ・フローが217,104千円の資金増、投資活動によるキャッシュ・フローが86,299千円の資金減、財務活動によるキャッシュ・フローが765,212千円の資金減となったことから、全体では532,208千円の資金減(前期は4,139,119千円の資金増)となりました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は9,662,826千円になりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、217,104千円(前期は3,315,360千円の資金増)となりました。

 営業投資有価証券の増加額1,770,279千円(主として当社子会社が運営管理するキャピタルソリューションファンドでの投資実行)、法人税等の支払額381,618千円、その他の資産の増加額145,083千円等の資金減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益が2,570,864千円あったこと等の資金増加要因があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、86,299千円(前期は23,926千円の資金増)となりました。

 これは、敷金及び保証金の回収による収入52,365千円等の資金増加要因があったものの、有形固定資産の取得による支出110,786千円、投資有価証券の取得による支出28,327千円等の資金減少要因があったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、765,212千円(前期は767,377千円の資金増)となりました。

 これは、配当金の支払額760,268千円等の資金減少要因があったことによるものであります。

 

(2) 仕入、販売及び営業投資活動の実績

①仕入実績

 経営コンサルティング事業、不動産コンサルティング事業及び教育研修・FP関連事業の仕入(外注等)実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

前連結会計年度比

(%)

経営コンサルティング事業

1,261,492

109.1

不動産コンサルティング事業

425,611

166.0

教育研修・FP関連事業

195,138

111.9

(注)当連結会計年度の各セグメントの仕入(外注等)実績には、セグメント間の内部仕入実績(経営コンサルティング事業1,000千円、不動産コンサルティング事業145,188千円、教育研修・FP関連事業8,824千円)が含まれております。

 

②販売実績

 経営コンサルティング事業、不動産コンサルティング事業及び教育研修・FP関連事業の販売(役務提供)実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

金額(千円)

前連結会計年度比

(%)

経営コンサルティング事業

12,479,688

110.1

不動産コンサルティング事業

1,079,657

125.7

教育研修・FP関連事業

605,929

108.4

(注)当連結会計年度の各セグメントの売上高には、セグメント間の内部売上高(経営コンサルティング事業153,977千円、不動産コンサルティング事業3,275千円)が含まれております。

 

③営業投資活動の実績

 当社グループの投資・ファンド事業では、投資事業有限責任組合等による営業投資活動を行っております。

 当連結会計年度における営業投資活動の実績は次のとおりであります。

 

総投資実行額

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

社数

金額(千円)

社数

金額(千円)

2

189,871

3

2,242,426

(注)社数には既存投資先に対する追加投資も含んでおります。

 

総投資残高

前連結会計年度末

2021年3月31日

当連結会計年度末

2022年3月31日

社数

金額(千円)

社数

金額(千円)

5

2,194,889

6

3,965,168

 

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①財政状態

(資産合計)

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,526,673千円増加し18,419,364千円となりました。

(流動資産)

 当連結会計年度末の流動資産残高は、前連結会計年度末に比べて2,080,036千円増加し16,320,434千円となりました。主な増減項目は次のとおりであります。

・現金及び預金527,284千円減少(当連結会計年度末残高9,864,630千円)

・売掛金(前連結会計年度は「受取手形及び売掛金」)160,479千円増加(当連結会計年度末残高1,325,334千円)

・営業投資有価証券1,770,279千円増加(当連結会計年度末残高3,965,168千円)

営業投資有価証券は投資・ファンド事業における株式投資残高であり、当連結会計年度における営業投資有価証券の増加は、主としてファンドでの投資実行であります。

・有価証券626,504千円増加(当連結会計年度末残高626,504千円)

投資有価証券計上していた米国債について償還日が1年内となったことから、流動資産の有価証券に振り替えたためであります。

(固定資産)

 当連結会計年度末の固定資産残高は、前連結会計年度末に比べて553,363千円減少し2,098,930千円となりました。主な減少要因は次のとおりであります。

・投資有価証券578,443千円減少(当連結会計年度末残高109,517千円)

主として、投資有価証券計上していた米国債について償還日が1年内となったことから、流動資産の有価証券に振り替えたためであります。

 

(負債合計)

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べて425,302千円増加し4,584,941千円となりました。

(流動負債)

 当連結会計年度末の流動負債残高は、前連結会計年度末に比べて420,736千円増加し4,500,360千円となりました。主な増加項目は次のとおりであります。

・未払法人税等330,351千円増加(当連結会計年度末残高834,331千円)

(固定負債)

 当連結会計年度末の固定負債残高は、前連結会計年度末に比べて4,566千円増加し84,580千円となりました。

 

(純資産)

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,101,370千円増加し13,834,422千円となりました。

(株主資本)

 当連結会計年度末の株主資本残高は、前連結会計年度末に比べて985,047千円増加し13,531,266千円となりました。主な増加項目は次のとおりであります。

・利益剰余金955,794千円増加(当連結会計年度末残高10,900,246千円)

(非支配株主持分)

 当連結会計年度末における非支配株主持分残高は、前連結会計年度末に比べて44,300千円増加し168,672千円となりました。

 

②経営成績

 当社グループの当連結会計年度(自2021年4月1日 至2022年3月31日)の経営成績は、売上高14,645,401千円(前期比4.3%減)、売上原価2,201,251千円(同36.2%減)となりました。

 売上高及び売上原価が前期比減少しているのは、投資・ファンド事業において前連結会計年度は投資先株式売却等による売上高2,619,909千円、売上原価1,916,379千円であったのに対して、当連結会計年度は投資先株式売却等による売上高637,378千円、売上原価472,147千円であったことによるものであります。

 売上総利益は、経営コンサルティング事業の業績が順調であったことから12,444,149千円(同4.9%増)となり、営業利益は2,501,604千円(同11.0%増)、経常利益2,570,864千円(同10.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,716,063千円(同23.0%増)となりました。

 

 当連結会計年度における各セグメント別の経営成績の概況は、次のとおりであります。

 

(経営コンサルティング事業)

 当連結会計年度における経営コンサルティング事業の経営成績は、売上高12,479,688千円(前期比10.1%増)、売上総利益11,218,196千円(同10.2%増)、営業利益2,121,035千円(同59.3%増)となりました。

 持続的成長コンサルティングにおいては多様なコンサルティングニーズが顕在化しており、新規の引き合い・受注が順調に推移いたしました。M&Aコンサルティングは受注済案件について順調に進捗・クロージングいたしました。また、事業承継コンサルティングは、コンサルティングニーズが引き続き高く、相談及び受注件数は堅調に推移いたしました。

 

(不動産コンサルティング事業)

 当連結会計年度における不動産コンサルティング事業の経営成績は、売上高1,079,657千円(前期比25.7%増)、売上総利益654,046千円(同8.6%増)、営業利益212,651千円(同8.3%減)となりました。

 大型不動産売買仲介案件を受注できたこと、及び提携会計事務所へのアプローチ強化により案件相談が増加傾向となってきたことから前期比増収となりましたが、人員増加等による販売費及び一般管理費が前期比増加したことから、営業利益は減益となりました。

 

(教育研修・FP関連事業)

 当連結会計年度における教育研修・FP関連事業の経営成績は、売上高605,929千円(前期比8.4%増)、売上総利益408,915千円(同6.0%増)、営業利益20,413千円(前期は営業損失10,060千円)となりました。

 集合研修・WEB研修ともに各企業の研修ニーズの多様化に対応することにより業績は営業利益を確保することができましたが、コロナ禍の影響から企業の集合研修実施に慎重な行動が続いていることもあって当初計画数値を達成することができませんでした。

 

(投資・ファンド事業)

 当連結会計年度における投資・ファンド事業の経営成績は、売上高637,378千円(前期比75.6%減)、売上総利益165,231千円(同76.5%減)、営業利益147,503千円(同78.8%減)となりました。

 前期比減収減益となったものの、ファンド投資先からの受取配当金収入、投資株式売却によるキャピタルゲインがあったことから、営業利益は147,503千円となりました。

・2022年3月末投資残高3,965,168千円(6件)

 

③経営上の目標の達成状況

 当社グループは、中長期的には利益の極大化を図り当社グループとしての企業価値を高めることが重要と認識しておりますので、資本運用効率を計る尺度としての「自己資本利益率(ROE)」20%を目標としております。

 当連結会計年度におけるROEは13.0%(前連結会計年度比1.6ポイント改善)となりましたので、収益性・効率性を高め、目標達成に努めてまいります。

 なお、ROE20%は将来に関する経営目標ではありますが、将来の事象や動向に関する現時点での仮定に基づくものであり、当該仮定が必ずしも正確であるという保証はありません。様々な要因により実際の業績が本書の記載と著しく異なる可能性があります。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当社グループの運転資金及び設備資金につきましては、自己資金及び取引銀行からの短期借入金を充当する予定であります。当社は運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行2行と総額20億円のコミットメントライン契約を締結しており、2022年3月末時点で20億円の借入を実行しております。

 当社グループの運転資金及び設備資金以外の今後の資金需要としては、投資・ファンド事業でのファンド組成等に伴う自己投資を予定しております。

 キャピタルソリューション四号投資事業有限責任組合、山田コンサルティング壱号投資事業有限責任組合の当社グループの自己投資につきましては、引き続き自己資金で行っていく予定であります。

 

(4) 重要な会計方針、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」「注記事項」の「重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。