第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは、50年以上にわたって信頼性の高いデータを提供し続け、国内において高い知名度と信頼を確立しております。「オリコン」ブランドは、国内において最高のランキングブランドであるとともに、「オリコンのデータ」というフィルターを介すことで“信頼”“安心”という付加価値を創造できるブランドでもあります。

 ランキングは、人気や流行を最も分かりやすくデータ化(可視化)したものです。したがって「オリコン」ブランドは、ユーザーからの支持を訴求する上でも最適なブランドです。さらに、マーケティングを強化していく上で、より一層、コラボレーションを求められるブランドでもあります。

 当社グループのすべての事業セグメントで「オリコン」ブランドを活用し、音楽分野のみならず、様々な産業分野で公平中立な立場からデータをランキング化するなどして商品・サービスの価値を可視化します。また、フェイクニュースの横行など、情報が錯綜している状況下において、当社グループは、事実を情報化して広く社会に提供することを通し、より豊かな生活の実現と、様々な産業の発展に貢献する社会的価値の高い企業を目指すことを基本方針としております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、顧客満足度(CS)調査事業を展開する幅広いサービス産業の分野において、10年以上にわたってデータ集計・分析のノウハウを培ってまいりました。この事業基盤のさらなる強化と活用推進のために、人工知能(AI)関連技術をはじめとする新たなテクノロジーを積極的に用いた取り組みを行ってまいります。また、提供する情報の科学的な信頼性向上やユーザーの利便性を高める改善施策に注力して利用機会の拡大を実現し、基幹事業の持続的な成長を図ってまいります。

 

(3)経営環境

 わが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により個人消費や企業活動が停滞し、景気は厳しい状況で推移しました。新型コロナウイルスの変異型による感染症再拡大と世界経済の減速懸念もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 国内の情報通信分野においては、㈱電通の発表では、2020年のインターネット広告市場は新型コロナウイルスの影響を受けたものの、ネット通販等が堅調だったことを背景に前年比5.9%の増加となっております。また、㈱MM総研の発表では、2020年の携帯電話端末の総出荷台数は前年比2.9%減と2019年を下回り2年連続で過去最低となりましたが、スマートフォンについては前年比1.3%増となっております。

 当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する場合、イベント開催の滞り等による営業活動の遅れや景気減速により、コミュニケーション事業においては広告需要の減少、データサービス事業においては契約内容見直しによる売上減少、モバイル事業においては新譜発売延期によるダウンロードの減少等が想定されます。これに対して当社グループは、「オリコン」ブランドを活用して信頼性の高い情報を広く社会に提供するという基本姿勢は変更しておらず、引き続き事業パートナーと連携し市場環境を注視しながら今後の事業運営に取り組んでまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①顧客満足度(CS)調査事業

 企業側にも消費者側にも属さない公平中立な第三者の立場から商品やサービスの品質および信頼性を可視化し、社会全体における暮らしの満足度を高めることを目的とする顧客満足度(CS)調査事業においては、定量データに基づいたランキングだけでなく、定性的な要素を加えた精度の高い調査設計に努めるとともに、新規ランキングの対象領域を開拓しながら「商標利用契約」の獲得を図ります。また、当社の「顧客満足度(CS)ランキング」サイトを訪れた消費者を顧客企業のサイトへ誘導するたびにクリック課金する「デジタルプロモーション」では、インターネット上の検索エンジンで当社サイトを見つけやすくするSEO(検索エンジンの最適化)の一環として、サイトの設計や常にコンテンツを更新することにより送客の効率化を図ります。これらの取り組みにより、認知度・信頼性・ブランド価値の向上による収益拡大を目指してまいります。

 

自社インターネットメディアの強化

 「ORICON NEWS」等の当社サイトにおいては、人工知能(AI)技術等を応用した当社独自の測定ツールでユーザーのニーズやトレンドをいち早く正確に把握することにより、コンテンツ制作の効率化やサイトのユーザビリティの向上を図ります。また、良質で信頼できる専門性の高い情報を幅広いジャンルで発信する総合トレンドメディアとしての媒体価値の向上と固定ファンの増加により、ページビュー獲得とページ単価向上、広告案件の獲得による収益拡大に取り組んでまいります。

 

エンタテインメント動画コンテンツの拡充

 「オリコン」ブランドのもと、長年にわたり築き上げてきた信頼性を強みとして、当社グループが取り扱う動画コンテンツに対価が支払われる機会が増え、今後もビジネスチャンスが広がっていくものと考えております。動画の配信先であるYouTubeやTwitter等の主要プラットフォームにおける登録者数、フォロワー数、視聴回数を拡大し、幅広いユーザーに訴求できる動画コンテンツの調達や当社独自の魅力ある動画コンテンツを発信して広告収益の拡大に取り組んでまいります。

 

④コンサルティング事業

 インターネットの普及により企業はPR情報の発信を容易にできるようになり、近年その数は膨大なものとなりましたが、受信するメディア側にとって本当に価値のある情報に辿り着きにくい現状を当社では社会課題として捉えております。当社は送り手本位から受け手本位に考え方を変えた新しいPRやWEBマーケティングに係るコンサルティングを事業化しました。当社が長年培ってきたメディア知見を活かした独自性のあるソリューションを提供して収益拡大に取り組んでまいります。

 

定量目標

 2022年3月期につきましては、新型コロナウイルス感染症の世界的な再拡大による経済活動の停滞や外出自粛による個人消費の動向等、その影響は未知数であり、より一層不透明な経営環境が続くことが予想されます。さらに当社グループが属する情報・通信分野は、社会環境、経済環境、技術進展の影響が大きいと考えております。

 以上のような状況の下、当社グループは既存の事業ポートフォリオの見直しを含む選択と集中を進め、アフターコロナを見据えた事業強化を図ってまいります。

 通期の連結業績につきましては、売上高4,460百万円(当連結会計年度比10.7%増)、営業利益1,230百万円(当連結会計年度比16.2%増)、経常利益1,210百万円(当連結会計年度比15.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益860百万円(当連結会計年度比横ばい)を見込んでおります。

 

指標

2021年3月期

(実績)

2022年3月期

(予想)

当連結会計年度比

売上高

4,030百万円

4,460百万円

10.7%増

営業利益

1,058百万円

1,230百万円

16.2%増

経常利益

1,043百万円

1,210百万円

15.9%増

親会社株主に帰属する

当期純利益

860百万円

860百万円

0.0%

 

 上記の業績予想は、有価証券報告書の提出日現在において入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は、今後様々な要因によって予想数値と異なる結果となる可能性があります。

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、より一層の利益拡大と企業価値の向上を図るべく、会社経営の基本指標として、連結ベースの営業利益、営業利益率及び前年比増加率、親会社株主に帰属する当期純利益等を重要な経営指標としております。また、事業の収益性を計る上で、自己資本利益率(ROE)、営業活動によるキャッシュ・フローを重視しております。財務面における健全性を示す指標としては、自己資本比率を重視しております。

 

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、可能な限り発生の回避に努めるとともに、発生した場合の的確な対応に努めてまいります。

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

①当社グループの事業を取り巻く環境の変化について

1)インターネット広告の市場動向について

 国内のインターネット広告市場は、㈱電通の発表によると2020年において前年比5.9%の増加と引き続き堅調な伸びを示して成長し、広告市場全体に占める構成比が増加しております。

 今後もインターネット広告の需要は拡大していくものと想定しておりますが、将来的にインターネットの利用者数や利用時間が伸びず、インターネット広告市場全体の成長が鈍化するような場合、新たなインターネット広告商品が創出されるなど市場構造に変化が起きる場合、もしくはインターネット上での情報漏洩や犯罪の深刻化などインターネットに対する信頼感が著しく損なわれるような状況になった場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

2)インターネット向けコンテンツのユーザー嗜好の変化について

 インターネット向けサービスにおいては、技術や市場の変化が大きく、ユーザー嗜好の移り変わりも激しいことから、ユーザーにとって魅力的なコンテンツを適時に提供できない場合、もしくは価格競争力を維持できない場合においては、利用者数の減少によって当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループでは、ユーザーニーズを的確に把握・分析しながら、インターネット向け(PC向け、携帯電話向け、スマートフォン向け等)にコンテンツを提供し、利用者数の増加による収益の向上を図ってまいります。

 

3)音楽業界の市場動向について

 音楽業界におきましては、一般社団法人日本レコード協会調べによると、2020年の音楽ソフト(オーディオレコード・音楽ビデオ)の生産実績は前年比15%減の1,944億円となりました。音楽配信については、ダウンロードの売上実績は前年比で2割減少し、ストリーミングが前年比27%増となり音楽配信全体に占める比率は75%となっております。当社グループにおいては、携帯端末における楽曲販売、音楽のマーケティングデータ販売などが、音楽業界を対象にしていることから、今後、音楽業界の市場動向がさらに大きく変化する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4)携帯電話端末の市場動向について

 ㈱MM総研の調査では、2020年のスマートフォン出荷台数は前年比1.3%増となり、携帯電話端末総出荷台数に占める比率は9割超となっております。当社グループでは、スマートフォンユーザー向けを主軸としつつも、フィーチャーフォンユーザーを対象としたサービスも少なからず展開しております。フィーチャーフォンユーザーが想定以上の速さでスマートフォンへ移行した場合、さらには、電気通信事業者のフィーチャーフォン向けサービス終了によりユーザー自体が減少し、サービスの収益力が想定以上に低下した場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

②その他、事業運営全般について

1)システムトラブルについて

 当社グループの事業は、PC、携帯電話、スマートフォン等とコンピューターシステムとを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や事故等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの営業の一部が停止する可能性があります。また、当社グループもしくはインターネットプロバイダー、データセンター、通信キャリア等のシステムが、ハードウエアまたはソフトウエアの欠陥、アクセス数の一時的な過負荷、電力供給の停止等によって、システムが停止もしくは不全の状態に陥る可能性があります。さらには、外部からの不正な手段によるシステム内への侵入等の犯罪や従業員の誤認等によって、当社グループの提供するコンテンツが書き換えられたり、重要なデータが消去または不正に入手されたりする恐れもあります。これらの障害が発生した場合には、当社グループに直接的な損害が生じるほか、顧客からの当社グループのシステム自体への信頼性の低下を招きかねず、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響が及ぶ可能性があります。当社グループのWEB関連の事業、モバイル事業及びデータサービス事業に欠かせないサーバー機器については、耐震性に優れ、信頼性の高いデータセンターを活用しており、重要なデータは複数のエリアに分散してバックアップを用意し定期的に更新しております。また、サイバー攻撃等に対しては、当社のコンピューターシステムにセキュリティソフトやウイルス対策ソフトを導入するなど、被害を最小限に抑える対策を講じており、情報セキュリティへの体制強化を図っております。

 

2)自然災害等について

 当社グループの事業展開において、予期せぬ天災や疫病等による社会的混乱が発生した場合には、人的、物的損害や事業活動の停止等により、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループでは、新型コロナウイルス感染症拡大に対しては、テレワーク等の勤務体制の変更、社員の行動基準の策定、感染者発生時の対応マニュアルの策定等、事業リスクの最小化に向けた施策を推進しております。

 

3)コンテンツ獲得について

 当社グループの取り扱うWEBサイト、携帯電話向け、並びにスマートフォン向けのコンテンツには、権利保有者の許諾を得た上で、有料もしくは無料で提供しているものがあります。これらのコンテンツ提供に係わる許諾を得られない場合、もしくはコンテンツ使用料等が高騰する場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

4)技術の進展について

 当社グループの想定を超える新サービスの導入など技術革新が起きた場合には、対応のための費用の増加、もしくは迅速に対応できないことによる競争力の低下が生じ、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループが事業を展開しているインターネットや携帯電話をはじめとするICT関連の分野は、技術革新が目覚しく、当社グループにおいては新技術への対応を適宜行っております。

 

5)個人情報の取扱について

 万一、個人情報が外部に漏出した場合、当社グループへの損害賠償請求や信用低下等によって、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響が及ぶ可能性があります。当社グループでは、業務遂行において取得した顧客情報等の個人情報を保有しており、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉えております。一般財団法人日本情報経済社会推進協会より「プライバシーマーク」の認定・付与を受けるとともに、社内の個人情報保護体制を構築し、厳重な管理体制のもとで情報を管理しております。外部からの不正アクセスに対しては、システム環境整備やパスワードによるアクセス権限の管理及びアクセスログ管理等のセキュリティ対策を講じております。また、入退館管理や監視カメラ等により物理的なアクセスを管理するほか、全社員を対象とした社内教育を徹底して、個人情報保護に積極的に取り組んでおります。

 

6)主要な経営陣への依存と人材の確保について

 当社グループの事業展開上、代表取締役である小池恒をはじめとする主要な経営陣が中心的な役割を担っております。これらの経営陣において、何らかの事由によって業務執行ができない事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 当社グループでは、事業の拡大に伴って、人材の確保と育成を推進しております。今後、社内での人材育成、または社外からの人材の獲得が計画通りに進捗しなかった場合、もしくは適正な人材が社外に流失した場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

7)保有する投資有価証券の評価について

 当社グループは、保有する投資有価証券の評価基準及び評価方法として、投資有価証券のうち時価のあるものについては期末の時価を適用し、株式市場の変動などにより評価損を計上する可能性があります。また、時価のないものについては、期末時点での発行会社の財務状況や今後の見通しから減損すべきだと判断した場合には、評価損を計上する可能性があります。このような状況になった場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

8)新規事業について

 当社グループは、他事業の買収または資本提携などを行う可能性があります。これらが、市場環境の変化や不測の事態により、当初計画していた事業展開や投資回収を行えない状況になった場合、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。当社グループでは、今後も事業基盤の拡大と収益力の向上を図るため、充分な検証を行った上で、新サービスもしくは新規事業に取り組んでまいります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により個人消費や企業活動が停滞し、景気は厳しい状況で推移しました。新型コロナウイルスの変異型による感染症再拡大と世界経済の減速懸念もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。

 国内の情報通信分野においては、㈱電通の発表では、2020年のインターネット広告市場は新型コロナウイルスの影響を受けたものの、ネット通販等が堅調だったことを背景に前年比5.9%の増加となっております。また、㈱MM総研の発表では、2020年の携帯電話端末の総出荷台数は前年比2.9%減と2019年を下回り2年連続で過去最低となりましたが、スマートフォンについては前年比1.3%増となっております。

 このような状況の下、当連結会計年度において当社グループの売上高は、コミュニケーション事業とデータサービス事業は前年同期比で増収となりました。モバイル事業は前年同期比で減収となり、雑誌事業は事業撤退に伴い前年同期比で減収となりました。この結果、売上高は前連結会計年度比142,210千円減(3.4%減)の4,030,044千円となりました。

 費用面では、前連結会計年度と比べて、売上原価はコストの見直しや雑誌事業の事業撤退等により212,313千円減(13.1%減)、販売費及び一般管理費は人件費の増加等により102,799千円増(7.0%増)となりました。

 以上の結果、営業利益は前連結会計年度比32,696千円減(3.0%減)の1,058,495千円となりました。

 前連結会計年度に当社が出資していた投資事業組合が保有する株式を売却し、投資事業組合運用益84,673千円を営業外収益に計上した一方、当連結会計年度は保有株式の一部を売却し、投資有価証券売却益255,590千円を会計基準に準拠し特別利益として計上した結果、経常利益は前連結会計年度比117,452千円減(10.1%減)の1,043,809千円、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比94,757千円増(12.4%増)の860,089千円となりました。

 当第4四半期会計期間(2021年1月~3月)における前年同期との比較では、売上高が0.8%増、営業利益が4.2%増となりました。

 当連結会計年度末の総資産は4,398,746千円となり、前連結会計年度末と比べ541,082千円増加しました。

流動資産は3,502,997千円となり、前連結会計年度末と比べ559,074千円増加しました。これは主に、現金及び預金の増加によるものであります。固定資産は895,749千円となり、前連結会計年度末と比べ17,557千円減少しました。これは主に、工具、器具及び備品の減少によるものであります。

 負債合計は759,067千円となり、前連結会計年度末と比べ93,587千円減少しました。これは主に、支払債務や有利子負債等の減少によるものであります。

 純資産合計は3,639,678千円となり、前連結会計年度末と比べ634,669千円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益860,089千円を計上し、配当金234,632千円の支払等によるものであります。

 以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は82.7%となり、前連結会計年度末と比べ4.8ポイントの上昇となりました。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

 

1.コミュニケーション事業

 ニュースコンテンツの提供並びにWEBサイトの制作・運営・広告販売等を行うコミュニケーション事業では、「顧客満足度(CS)調査事業」と「ニュース配信・PV事業」を展開しております。

 顧客満足度(CS)調査事業の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ9.1%増加し、当第4四半期会計期間(2021年1月~3月)における前年同期との比較では12.3%増加しました。商標利用契約は新型コロナウイルスの影響を一部で受けながらも増加し、デジタルプロモーション(送客)のビジネスが大きく伸長したことにより全体の収益を拡大しました。

 ニュース配信・PV事業の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ0.3%増加し、当第4四半期会計期間(2021年1月~3月)における前年同期との比較では5.3%増加しました。企業からのタイアップ広告の出稿等が減少した一方、自社メディア「ORICON NEWS」は注目度が高まる記事・動画等のコンテンツ作りやWEBサイトのユーザビリティの向上等を進めた結果、当社グループの事業基盤の一つであるページビューは2021年1~3月の直近3か月実績で前年同期と比べ約23%増加し広告収入を伸ばしました。また、公式YouTubeチャンネル「ORICON NEWS」では2021年3月にチャンネル登録者数が127万人を超え、再生数も順調に増加しており、エンタテインメント分野を代表する有力なチャンネルとしての地位を確立しております。

 新事業モデル創出の一環として、2020年10月に「オリコンNEXTコミュニケーションズ株式会社」(旧商号「オリコン・コミュニケーションズ株式会社」)を設立し、PR(Public Relations)やWEBマーケティングに係るソリューションを提供するコンサルティング事業を推進しております。

 以上の結果、コミュニケーション事業全体の当連結会計年度の売上高は、コンサルティング事業を含め、前連結会計年度比131,581千円増(5.0%増)の2,777,088千円、セグメント利益は前連結会計年度比79,193千円増(5.2%増)の1,606,224千円となりました。

 

2.データサービス事業

 音楽ソフト・映像ソフト・書籍のマーケティングデータを提供するオンラインサービス「ORICON BiZ online」を中心に、当社グループが保有するエンタテインメント関連データを活用したビジネスを展開しております。当連結会計年度の売上高は前連結会計年度比12,444千円増(1.9%増)の666,031千円、セグメント利益は前連結会計年度比31,472千円増(14.6%増)の247,701千円となりました。

 

3.モバイル事業

 フィーチャーフォン向け事業の当連結会計年度の売上高は、市場全体の縮小により前連結会計年度と比べ17.0%減少しました。スマートフォン向け事業の当連結会計年度の売上高は、競争激化により前連結会計年度と比べ6.8%減少しました。

 以上の結果、モバイル事業全体の当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比76,754千円減(11.6%減)の586,924千円、セグメント利益は前連結会計年度比59,745千円減(18.4%減)の264,853千円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、2,784,188千円となり、前連結会計年度末と比べ624,067千円増加しました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は767,639千円となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益1,297,432千円、減価償却費123,884千円、投資有価証券売却益△255,590千円を計上し、法人税等433,851千円の支払があったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、得られた資金は123,877千円となりました。これは主として、投資有価証券の売却による収入、有形固定資産の取得による支出、無形固定資産の取得による支出によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は267,449千円となりました。これは主として、配当金の支払額等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績及び受注実績

 当社グループは、WEBサイトの制作・運営、携帯端末へのコンテンツ提供及びソフトECのデータベース提供を主体とする会社であり、生産設備を保有していないため、生産実績は記載しておりません。

 また、当社グループは受注生産も行っていないため、受注実績の記載はしておりません。

 

b.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

コミュニケーション事業(千円)

2,777,088

105.0

データサービス事業(千円)

666,031

101.9

モバイル事業(千円)

586,924

88.4

報告セグメント計(千円)

4,030,044

96.6

その他(千円)

合計(千円)

4,030,044

96.6

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.総販売実績に対する割合が100分の10未満の相手先に対する販売高及び割合は、記載を省略しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績等は、以下のとおりであります。

経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度末における売上高は、前連結会計年度比142,210千円減(3.4%減)の4,030,044千円となりました。これは主に、雑誌事業の事業撤退によるものであります。各報告セグメントの外部顧客に対する売上高の連結売上高に占める割合は、コミュニケーション事業が68.9%、データサービス事業が16.5%、モバイル事業が14.6%となりました。

(売上総利益)

 当連結会計年度末における売上総利益は、コストの見直しや雑誌事業の事業撤退等により売上原価が減少し、前連結会計年度比70,102千円増(2.7%増)の2,621,996千円となり、売上総利益率は前連結会計年度比3.9ポイント増の65.1%となりました。

(営業利益)

 当連結会計年度末における販売費及び一般管理費は、人件費の増加等により、前連結会計年度比102,799千円増(7.0%増)となりました。当社グループが最重要指標としている当連結会計年度末における営業利益は、減収に伴い前連結会計年度比32,696千円減(3.0%減)の1,058,495千円となりました。営業利益率は前連結会計年度比0.1ポイント増の26.3%となり、上場以来最高となりました。

(経常利益)

 当連結会計年度末における営業外収益は、投資事業組合運用益等の計上がないため、前連結会計年度比82,193千円減の5,748千円となりました。営業外費用は、前連結会計年度比2,563千円増の20,434千円となりました。

 以上の結果、経常利益は、前連結会計年度比117,452千円減(10.1%減)の1,043,809千円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度末における特別利益は、投資有価証券売却益等の計上により257,792千円となりました。

 特別損失は、前連結会計年度比1,659千円増の3,670千円となりました。

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比94,757千円増(12.4%増)の860,089千円となり、7期連続の増益となりました。

 

財政状態の分析

 当社グループの当連結会計年度末における財政状態は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、連結ベースの営業利益及び営業利益率、親会社株主に帰属する当期純利益、営業活動によるキャッシュ・フローが前年度を上回ること、一定の自己資本比率と自己資本利益率(ROE)を確保することを経営指標として位置づけております。

 当連結会計年度における営業利益は前年度を下回りましたが、営業利益率及び親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも前年度を上回りました。営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度比61,163千円減の767,639千円の収入となりました。当連結会計年度における自己資本比率は82.7%、ROEは25.9%となっており、一定の水準を超えているものと判断しております。

 

 セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

1.コミュニケーション事業

 当社グループの主力ビジネスとして成長を続けており、顧客満足度調査事業は商標利用契約及びデジタルプロモーション(送客)が好調に推移し、ニュース配信・PV事業は閲覧数の増加および動画広告市場の成長も追い風となり増収増益となりました。

 

2.データサービス事業

 新しい情報提供先の開拓やデジタルランキング等のサービスメニューの拡充により収益を積み上げたほか、コストダウンを進めたことにより増収増益となりました。

 

3.モバイル事業

 フィーチャーフォン向けサービスは市場規模が縮小傾向にある中で、最大限の利益確保に努めました。スマートフォン向けサービスは特典を設ける等、当社独自の手法でコンテンツを展開しております。

 

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 キャッシュ・フローの状況の分析

 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は事業投資や設備投資等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等を留意しつつ、安定的・継続的な配当を実施してまいります。

 運転資金及び投資資金並びに株主還元等については、主として営業活動から得られるキャッシュ・フローを源泉とする内部資金又は金融機関からの借入を基本としております。また、当社グループは、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、グループ会社から資金を預かり、効率良く運用しております。

 当社グループは、健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フロー創出能力により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達や、個別投資案件への資金調達は可能であると考えております。なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,784,188千円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、「第5 経理の状況」に記載した会計方針を基にしております

 

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

 当連結会計年度における当社グループの研究開発活動につきましては、当社において、主にAI技術をWEBメディアに応用する研究開発を行いました。なお、当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は7,545千円であります。