第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における我が国の経済は、企業収益が改善傾向にあるのに加え、個人消費も緩やかに持ち直し、全体として景気回復基調が継続しました。景気の先行きについては、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくことが期待されています。

当社グループが属するインターネット広告市場は、スマートフォンの急速な普及と利用時間の増加にともない、スマートフォンを起点とするサービス消費やショッピング等が増加し、精度の高いターゲティング及び明確な効果測定が可能であるインターネット広告の需要がいっそう高まるなか、成長を続けております。また、アドテクノロジーの発展により、蓄積されたデータを分析・活用するマーケティング手法が広く浸透してきており、当該市場は、今後も新たな価値を創造しながら発展していくものと見込まれます。

こうした環境の下、当社グループは、「集客」から「接客」、「リテンション(顧客との関係維持)」まで提供する事業に一貫して注力した結果、当連結会計年度(平成29年1月1日~平成29年12月31日)における連結経営成績は次のとおりとなりました。

 

売上高は、主に広告事業のアフィリエイトマーケティングサービスにおいて、金融以外の分野は伸長したものの、金融分野のうち利益率の低い大型案件の広告出稿が減少したことにより、16,889,167千円(前期比3.5%減)となりました。

営業利益は、広告事業において、アフィリエイトマーケティングサービスが金融以外の分野の伸長により全体としては堅調であったこと、及びストアマッチサービスが堅調であったことに加え、CRM事業において、Yahoo!ショッピングのストア向けサービス「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」が好調だったことにより、2,223,051千円(前期比140.9%増)となりました。

経常利益は、営業外収益に持分法による投資利益29,513千円、営業外費用に投資事業組合運用損25,028千円を計上したこと等により、2,257,400千円(前期比125.4%増)となりました。

税金等調整前当期純利益は、特別損失に、サービスの発展・強化を目的として事業戦略の見直しを行ったことに伴い、広告事業のアドネットワークサービス「ADPRESSO(アドプレッソ)」及びCRM事業のマーケティングオートメーションサービス「R∞(アール・エイト)」について減損を認識したことにより減損損失585,150千円を計上したこと、広告事業のアフィリエイトマーケティングサービスに付随するメディアへの提供データ積算に不備があったことによりメディア費用特別負担金100,000千円を計上したこと等により、1,538,602千円(前期比143.7%増)となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等528,396千円を計上したことにより、1,010,206千円(前期比193.1%増)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

当連結会計年度より、業績管理の精度向上及び適切な事業運営を行うため、管理部門等からの各事業への費用の配賦を限定し、各事業において管理可能な費用が明確となるように、報告セグメントの利益又は損失の算定方法の変更を行いました。

なお、前連結会計年度のセグメントの業績は、変更後の算定方法に基づき作成しております。

 

①広告事業

「広告事業」は、ウェブサイト上で商品やサービスを販売しているeコマース事業者等の広告主の広告を、ウェブサイトやアプリの広告掲載メディアに配信する事業で、主に「アフィリエイトマーケティングサービス」「ストアマッチサービス」等を含みます。

当連結会計年度におきましては、主にアフィリエイトマーケティングサービスで、金融以外の分野は伸長したものの、金融分野のうち利益率の低い大型案件の広告出稿が減少したことにより、売上高を押し下げました。一方、セグメント利益は、アフィリエイトマーケティングサービス及びストアマッチサービスが堅調に推移しました。

この結果、セグメント売上高は15,403,888千円(前期比8.7%減)、セグメント利益は2,836,880千円(前期比23.9%増)となりました。

 

②CRM事業

「CRM事業」は、オンラインストアと実店舗での消費者の購買・行動データを一元管理・分析し、一人ひとりのニーズとタイミングに合わせた情報を発信することで、消費者が購入しやすい販路への誘導、再訪を促すサービスを提供する事業で、「マーケティングオートメーションサービス」等を含みます。

当連結会計年度におきましては、Yahoo!ショッピングのストア向けサービス「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」が好調に推移しました。

この結果、セグメント売上高は1,534,654千円(うち内部売上高は49,375千円)(前期比140.7%増)、セグメント利益は676,753千円(前期は342,053千円の損失)となりました。

 

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は5,002,511千円となり、前連結会計年度末と比べて1,402,248千円増加いたしました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は2,205,267千円(前年同期は1,003,432千円の獲得)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が1,538,602千円であり、プラス要因として、減価償却費が297,524千円、のれん償却額が142,840千円、減損損失が585,150千円、未払金の増加額が207,239千円、仕入債務の増加額が126,532千円であったものの、マイナス要因として、売上債権の増加額486,661千円、未収入金の増加額が244,574千円、法人税等の支払額226,890千円であったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は535,624千円(前年同期は1,087,985千円の使用)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が24,414千円、無形固定資産の取得による支出が358,913千円、投資有価証券の取得による支出が169,311千円であったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は267,880千円(前年同期は510,095千円の使用)となりました。これは、主に配当金の支払額が160,879千円、自己株式の取得による支出が149,967千円であったことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループは、広告事業などのインターネット広告配信サービスを行っており、提供するサービスの性格上生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略いたします。

 

(2) 受注状況

生産実績と同様の理由により、記載を省略いたします。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

前年同期比(%)

広告事業(千円)

15,403,888

91.3

CRM事業(千円)

1,485,278

232.9

合計(千円)

16,889,167

96.5

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年1月1日

至 平成29年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社サイバーエージェント

2,515,228

14.4

2,372,728

14.1

ヤフー株式会社

1,962,530

11.6

株式会社アイレップ

1,749,013

10.0

2.前連結会計年度のヤフー株式会社については、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

3.当連結会計年度の株式会社アイレップについては、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループが事業を展開するインターネット広告市場は、拡大を続けるeコマース市場を背景に、目を見張る速さで進化を続けています。オンラインとオフラインのシームレス化が進む中、新しい事業モデルが次々と生まれ、市場のグローバル化も加速しています。このような市場において、将来にわたり成長し続け、顧客に高品質で効果的なサービスを提供し続けるため、常にイノベーションに挑戦し、サービスの多様化に注力してまいります。

 

スローガン:   ともに拓く

ミッション:   情報技術で新たな価値を創造する

ビジョン:    日本を代表するパフォーマンスマーケティングカンパニーになる

コア・バリュー: 追求する・挑戦する・スピード・エンジョイ

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、限られた経営資源を選択と集中によって成長領域に重点投入し、事業基盤の強化を図りながら、中長期的な成長を目指してまいります。

今後の中長期的な経営戦略では、「日本を代表するパフォーマンスマーケティングカンパニーになる」のビジョン実現に向け、コマース事業者等へ新規・既存顧客の集客及び販売促進に留まらず顧客関係の構築・維持による顧客価値の最大化まで総合的に支援できるマーケティングサービスへと展開してまいります。

 

(3) 目標とする経営指標

当社グループは、経営効率を重視し、売上高及び営業利益増加率、営業利益率及び株主資本利益率の向上に努めてまいります。

また、マーケティングソリューションの指標については、顧客である広告主と広告媒体からなる広告配信ネットワークの拡大及び成果件数(コンバージョン数)、顧客単価の増加が売上高や収益の重要な構成要素であるため、これら要素の増加を重視しております。

 

(4) 会社の対処すべき課題

総合的なマーケティングソリューションの提供

アフィリエイトマーケティングサービスを主軸とした集客事業に、CRM事業で培ったコンバージョンレート強化のノウハウを融合し、消費者の購買までの行動履歴、ロイヤル化までの購買履歴などのビッグデータを適切に活用して消費者の行動予測を実現し、より精度の高い総合的なマーケティングソリューションを提供してまいります。

 

② アフィリエイトマーケティングサービスの更なる成長

アフィリエイトマーケティングサービスの基本構造は、広告主の商材と最適なメディアをマッチングすることにより高い広告効果を生み出すことにあります。そのため、メディアのコンテンツ領域の収益力最大化を支援することによりメディアネットワークを強化し、広告主に対してデータに基づき最適マッチングを提案するコンサルティングを強化することで、マーケティング効率の最適化とマーケティング効果の最大化を目指してまいります。

 

③ 将来の収益の柱となる新たな事業の創出

将来にわたって持続的成長を実現するため、ターゲットとする事業領域、市場、顧客及び技術を明確にし、イノベーションに挑戦することで、新規事業開発に取り組んでまいります。

 

 

④ 優秀な人材の育成と確保

従業員のスキルを高める教育制度の充実、多様化するキャリアパスの設計・提供、適正な評価と処遇を通じて、当社グループの成長に伴い生じる様々な課題に対処できる優秀な人材を育成し確保いたします。

 

⑤ 適切なリスク管理と安全で安定したサービスの提供

自然災害、システム障害、感染症の流行等の事業中断事由による操業度・物理的施設面への影響を最小化するようリスクの認識・管理を適切に実施することによって、安定したサービスを提供するよう対策を講じます。不正アクセス行為による被害防止に対しては、細心の注意を払いセキュリティ対策の一層の強化に取り組んでまいります。

また、セキュリティ強化の一環として、ISMS認証取得企業として個人情報保護体制の適切な整備・運用を確保することで、サービスを安全に利用していただけるよう尽力いたします。

 

⑥ 事業環境の変化に対応した経営体制

激しく変化する事業環境のなかで成長を続けるため、機動的な経営体制及び組織体制を柔軟に構築してまいります。

また、コンプライアンス体制、内部統制システムを全社的観点で評価することにより、企業経営の効率性向上、健全性確保、透明性向上を図ってまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

以下については、当社グループ(当社及び連結子会社)の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断上重要であると考えられる事項については、情報開示の観点から記載しております

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の事項を慎重に検討した上で行なわれる必要があると考えられます。また、以下の記載事項は、当社株式への投資に関するすべてのリスクを網羅するものではないという点にご留意下さい

なお、記載事項のうち将来に関する事項については、別段の記載がない限り、本書提出日現在において入手し得る情報に基づいて当社グループが判断したものであります

 

1.事業環境について

(1) eコマース市場について

当社グループの事業は、顧客である広告主の効果的なeコマース及びオンラインマーケティングを実現させるサービスであるため、eコマース市場の拡大と普及に対して相関関係を有しております。eコマース市場規模は、今後も拡大基調にあると予想されますが、企業によるインターネットの商業利用が期待通りに普及しない場合、あるいは利用者が増加せず流通取扱高が期待通りに拡大しない場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります

 

(2) インターネット広告市場の推移について

当社グループの事業は、インターネット上での成果報酬型広告の配信などのオンラインマーケティング手法を提供するため、インターネット広告市場の拡大と普及に対して相関関係を有しております。インターネット広告市場は伸張しているものの、広告市場全般は景況に対して敏感に影響を受けることもあり、急激な景況の変化により、今後総広告費の推移が鈍化し、インターネット広告にもその影響が及んだ場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります

 

(3) 消費者の消費動向について

当社グループの事業は、主にBtoCのeコマースを支援するサービスであるため、消費者の消費動向に対して相関関係を有しております。

国内景気が長期的に停滞することで国内eコマース市場及びインターネット広告市場の成長が阻害された場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります

 

(4) 法的規制について

当社グループの事業を大きく左右するような法的規制は、現時点において特に存在していないものと認識しておりますが、今後、インターネットの利用者及び事業者を規制対象とする法令、行政指導、その他の規制等が制定され、商用及び宣伝手段としてのインターネットの受け入れが制約を受けた場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります

また、当社ネットワーク上で、広告の配信及び注文のトラッキングや、不正行為を防ぐために使用している技術(クッキーの使用等)などが規制、制限された場合、代替手段の開発に多額の投資が必要になり、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります

 

2.事業特性について

(1) 競合について

当社グループが事業を展開するインターネット広告市場は、今後も新技術の開発や新たな企業の参入など、あらゆる側面での競争の激化が予測されます。当社グループは、新機能の開発や業務提携などにより、競争力の維持向上に努めてまいりますが、競合他社との差別化による優位性が十分に確立できない場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります

 

(2) ビジネスモデルの変化について

当社グループが事業を展開するインターネット広告市場は、関連する技術及びビジネスモデルの変化が速く、スマートデバイス等を利用したビジネスモデルが近年拡大しております。インターネット事業者として、一定水準のサービスの提供を維持するためには、技術革新及びビジネスモデルの変化に積極的かつ柔軟に対応していく努力が必要でありますが、変化に追随できず、既存サービス強化及び新サービス導入のために必要な新しい技術及びビジネスモデルを適時かつ効果的に採用もしくは応用できない場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります

 

(3) システムについて

当社グループの事業には、安定したシステム稼動の維持が不可欠であることから、サービス需要を予測した継続的な設備投資及びシステム構成の見直しも含めた経常的な保守管理を行っております。しかし、システム応答時間の遅延、設備故障、人為災害、事故等の様々な要因によって、当社グループの基幹システムに障害が生じ、一時的にサービスを提供することができなくなった場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります

 

(4) 外部環境及び技術への依存について

当社グループは、サービスの運営やサポートにおいて、第三者製システム及び外部インフラストラクチャーを利用しております。また、当社グループのシステムが動作するには、サービスの利用者が使用する第三者製システムが正常に動作していることが前提となります。これらの環境に支障が生じた場合、当社グループの事業に重要な影響を及ぼす可能性があります

 

(5) 有害サイト(悪質商法サイト、悪質勧誘サイト等の反社会性のあるウェブサイト)について

当社グループでは、各サービスを利用しようとする新規の参加者に対して、コンプライアンスを前提とした当社グループ規約の遵守を参加の条件としており、コンテンツについても反社会性の有無、法令違反行為の有無、成果保証表現の有無等を中心に内容の審査を行っています。当社グループ規約の違反を発見した場合には是正を促し、改善が見られない場合は、強制退会とする措置を講じております。しかし、すべてのコンテンツに対する監視の完全性を保証することは現実的に困難であり、違法商品の喧伝、誇大宣伝、悪質な勧誘といった違法行為を十分に取り除くことができず、サービスの提供に不可欠なネットワークの健全性を担保できなくなった場合、当社グループの信用及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 情報セキュリティについて

当社グループは、サービスを提供するにあたり取引に関連した膨大な量の情報資産を有しているため、情報資産を適切に管理するため情報セキュリティ基本方針を定め、情報セキュリティ責任者は情報セキュリティを定期的に評価し適正化を図り、業務を継続的かつ効率的に遂行することに努めております。しかし、業務上の人為的ミスや故意による不法行為、災害などによるシステム障害、マルウェア感染や標的型攻撃などのサイバー攻撃、システムや製品等の脆弱性などによる、情報漏洩、データの破壊や改ざん、サービス停止などの被害等が発生した場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、損害賠償やセキュリティシステム改修に多額の費用が発生する可能性があります。その結果、競争力が低下し、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 個人情報の管理について

当社グループは、サービスを提供するにあたりサービス利用者の個人情報を取得しております。当社グループはそのような情報の取扱いに関して、プライバシー・ポリシーを制定し遵守することにより、個人情報の保護に万全を期しております。また、個人情報に関して社外に業務委託する場合は、個人情報委託先選定基準を定め、一定水準以上の情報セキュリティ対策を実施できる業務委託先に限定し、委託しています。しかし、当社グループや委託先の関係者の故意・過失、悪意を持った第三者の攻撃又は不測の事態により個人情報の漏洩その他不適切な処理が行われた場合、当社グループの信頼性や企業イメージが低下したり、損害賠償やセキュリティシステム改修に多額の費用が発生する可能性があります。その結果、競争力が低下し、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 知的財産権について

当社グループは、当社の提供するサービスの基礎をなす技術やビジネスモデルについて、特許権を取得するとともに、国内外において各種の商標を登録しております。しかし、現時点で取得に至っていない権利について、今後これらの権利を取得できるという確実性はありません。一方で、当社グループの事業分野において、国内外の各種事業者等が特許その他の知的財産権を取得した場合、その内容次第では、当社グループに対する訴訟やクレーム等が発生し、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループでは、第三者に対する知的財産権を侵害することがないように常に注意を払い事業活動を行っておりますが、当社グループの事業分野における知的財産権の現状を完全に把握することは困難であり、万一当社グループが第三者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償又は使用差止めなどの請求を受ける可能性があります。
これらの事態が発生した場合、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 自然災害、感染症流行、事故、有事等の発生について

当社グループの人的・物的資源は東京に集中しており、地震・火災等の自然災害、それに伴う有形資産の損壊、停電、回線故障等の影響を受けやすいといえます。当社グループでは、役員及び全従業員の生命・安全の確保はもとより、被災に耐えうる物理的環境の整備に努めるとともに、感染症の流行に対しては健康被害の防止と重要業務の継続を念頭に全社的な対応を行うように努めております。しかし、想定外の被災によって、被災中の業務継続、被災からの復旧が上手くいかず、当社グループの業務継続、業績等に重要な影響を及ぼす可能性があります。

また、自然災害以外の事象を契機とする事故・事件やテロ・国際紛争等が発生した場合、有事の影響により業務中断や業務不能の事態を招くことで、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 組織体制・人材について

当社グループは、今後の業容拡大及び顧客ニーズの多様化に対応するべく、適切な人員配置並びに組織構成、及び内部管理体制の一層の充実を図る予定であります。また、当社グループのさらなる成長のために、会社運営を円滑に遂行していく上で優秀な人材を適切な時期に確保する必要があります。

しかし、優秀な人材の拡充や育成が予定通り進まなかった場合、又は既存の主要な人材が社外に流出した場合は、当社グループの経営活動に支障が生じ、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
 

(11) 内部統制について

当社グループは、業務上の人為的なミスによる業務運営への悪影響や内部関係者の不正行為等を防止するため、内部管理体制の強化に努めております。また、内部監査室は、内部管理体制及び業務の遂行状況を評価し、業務の改善に向けた具体的な助言や勧告を行なっております。しかし、不測の事態により業務運営上の問題が発生した場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3.特定事業への依存度が高いことについて

当社グループは、今後も成長しつづけるため、新規事業への取組みを強化し、収益拡大を図っていく所存であります。しかし、現状では広告事業の中でもアフィリエイトマーケティングサービスへの依存度が高くなっており、eコマース市場における事業環境の変化や法的規制の強化、又はシステム障害やその他インターネットを取り巻く環境の急激な変化によって、アフィリエイトマーケティングサービスの成長に何らかの問題が生じた場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

4.取引先との関係について

(1) ヤフー株式会社との資本・業務提携について

ヤフー株式会社は、平成29年12月末日現在、当社の議決権の52.14%を保有しており、同社は当社の親会社であります。同社との資本・業務提携の目的は、主として取引関係強化による事業拡大であり、双方の利益を拡大させることを今後の同社との事業の方針としております。

当社は、同社のショッピング事業をはじめとする各事業と当社の各種サービスの提携により、事業シナジーの効果を実現させております。しかし、これに相応して当社が提供するサービスは同社が展開する事業に依存する面もあることから、今後、ヤフーグループ内において当社グループが行う事業に競合関係が生じた場合、同社の当社に対する経営方針に変更があった場合、その他様々な要因により提携関係を維持できなくなった場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

なお、参考としてヤフー株式会社との関係を以下のとおり記載しております。

 

① ヤフー株式会社との取引について

ヤフー株式会社は、広告事業の中のアフィリエイトマーケティングサービスにおける広告主であり、同社の運営するYahoo!ショッピングは、ストアマッチサービスにおける主要な広告掲載メディアであります。また、当社はYahoo!ショッピングのストア様向けに顧客関係の構築・維持を目的として、CRMツールであるSTORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)を提供しています。

 

② 人的関係について

提出日現在、当社取締役7名のうち2名は、その豊富な経験を活かし当社取締役会の意思決定の適正性を確保するため、ヤフー株式会社より招聘しております。提出日現在、その者の氏名並びに当社及びヤフー株式会社における役職は以下のとおりであります

当社における役職

氏名

ヤフー株式会社における役職

取締役

小澤 隆生

執行役員 コマースグループ ショッピングカンパニー長

取締役

長谷川 拓

平成29年12月末日現在、出向として従業員5名の受け入れ及び従業員6名の派遣を行っております。

 

(2) 主要な広告主及び広告掲載メディアについて

当社グループは、特定の業界、広告主に依存することがないよう、新規取引の拡充に努めております。しかし、良好で安定的な関係を維持している既存の広告主に対して、当社グループに蓄積した経験や実績を生かしたコンサルティングサービスを提供することにより、さらなる成果の向上に努めておりますことから、金融分野等の一部の広告主について売上高の比率が高まることがあります。これらの主要な広告主の事業戦略、経営状態もしくは当社グループに対する取引方針に変化が生じた場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

また、集客力があり広告の有効性が高い広告掲載メディアとの関係は引き続き維持していく所存ですが、これらの主要な広告掲載メディアの事業戦略、経営状態もしくは当社グループに対する取引方針に変化が生じた場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
 

5.今後の事業展開について

(1) 投融資・新規事業展開にともなうリスクについて

当社グループは、事業の拡大のために、国内海外を問わず、子会社設立、合弁事業の展開、買収等を行っていく可能性がありますが、これらの投融資は、現在の事業規模と比較して多額となる可能性があります。また、新規事業を開始する場合には、予期せぬ要因等により、計画通りに事業が展開できない可能性もあります。これらの要因が生じた場合には、当社グループの事業及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、投融資先の事業の状況が当社グループに与える影響や、新規事業が当社グループに与える影響を確実に予測することは困難であり、予期せぬ要因が発生した場合、投融資の回収ができず、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 海外の事業展開におけるリスクについて

当社グループのビジネスモデルは、国内のみならず海外においてもサービス展開が可能であります。今後、海外での事業展開において、予期し得ない法規制の変更や不利な影響を及ぼす政治的または経済的要因の発生、テロ・紛争・自然災害等による社会的混乱が生じた場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 資金調達に関するリスクについて

当社グループが事業の拡大を図るためには、新たな技術の開発や設備投資のための資金需要に対応していく必要があります。これらの資金需要に対し、資本市場からの調達を含めた調達方法の多様化によってリスク分散を図っていく方針でありますが、環境の変化などによって十分な資金調達を行えない場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

6.その他

(1) 配当政策について

当社では、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要な課題の一つとして位置付けております。配当政策につきましては、将来の成長に向けた投資のための内部留保を確保しつつ、業績に応じた配当を実施することを基本方針とし、目標を連結配当性向30%以上としております。しかし、事業環境の急激な変化などにより、目標とする配当性向を達成できなくなる可能性があります。

 

(2) ストック・オプションの行使による株式の希薄化について

当社は、取締役及び従業員等の長期的な企業価値向上に対する士気を高める目的などのため、ストック・オプションを付与しております。平成29年12月末日現在におけるストック・オプションの目的となる株式の数は144,800株であり、発行済株式総数34,471,000株に対する割合は0.42%となっております。将来新たに付与される可能性のあるストック・オプションの行使により新株が発行され発行済株式総数が増加した場合、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があり、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

①資産の部

当連結会計年度末の資産合計は11,679,837千円となり、前連結会計年度末と比べて1,695,215千円増加いたしました。

流動資産は8,789,380千円となり、前連結会計年度末と比べて2,081,923千円増加いたしました。これは、主に現金及び預金が1,402,248千円、受取手形及び売掛金が486,661千円、未収入金が244,574千円増加したことによるものです。

固定資産は2,890,456千円となり、前連結会計年度末と比べて386,707千円減少いたしました。これは、主に投資有価証券が228,364千円増加したものの、ソフトウエアが243,349千円、のれんが310,548千円減少したことによるものです。

 

②負債の部

当連結会計年度末の負債合計は4,711,637千円となり、前連結会計年度末と比べて890,400千円増加いたしました。

流動負債は4,568,168千円となり、前連結会計年度末と比べて931,897千円増加いたしました。これは、主に買掛金が126,532千円、未払金が201,540千円、未払法人税等が476,546千円増加したことによるものです。

固定負債は143,468千円となり、前連結会計年度末と比べて41,497千円減少いたしました。これは、主に繰延税金負債が33,200千円減少したことによるものです。

 

③純資産の部

当連結会計年度末の純資産合計は6,968,199千円となり、前連結会計年度末と比べて804,815千円増加いたしました。これは、主に利益剰余金が剰余金の配当により161,460千円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により1,010,206千円増加し、その他有価証券評価差額金が70,338千円増加したことによるものです。

 

(3) 経営成績の分析

当連結会計年度における経営成績の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しております。

 

(4) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における資金の増減要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載しております。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載しております。