当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、評価基準の見直し及び親会社の異動に伴い、以下の重要な変更が生じており、変更箇所は下線で示しております。
また、これまで、「発生頻度又は発生可能性」及び「影響度」をそれぞれ「低、中、大」の3段階で評価しておりましたが、「発生頻度又は発生可能性」を「1、2、3、4」の4段階で評価し、「影響度」を「1、3、8、10」の4段階で評価する方法に変更しております。「発生頻度又は発生可能性」については、これまでの「低」を「1」、「中」をその発生頻度又は発生可能性に応じて「2」又は「3」、「大」を「4」に、「影響度」については、これまでの「低」を「1」、「中」を「3」、「大」をその影響度に応じて「8」又は「10」にそれぞれ変更しております。この結果、一部に序列の変更が生じたため、以下の内容は、当該有価証券報告書の事業等のリスクを一括して記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)トップリスク
当社グループは、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える可能性があると認識しているリスクのうち、「発生頻度又は発生可能性」及び「影響度」の観点から、特に重要度が高いリスクを「トップリスク」として選定し、管理しております。
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財務リスク |
発生頻度又は発生可能性 |
影響度 |
関連する機会とリスク (○機会●リスク) |
主要な取り組み |
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特定サービスへの依存 * |
2 |
8 |
●「Yahoo!ショッピング」等の特定サービスへの依存度が高いことによる、同サービスの停止又は業績低迷、当社と競合する機能等の影響 |
・同サービスに依存しない新規事業の検討 |
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ビジネスモデル |
3 |
3 |
○独自のトラッキング技術による競合との差別化 ●クッキーを利用したトラッキングが制限されることによる広告効果の計測困難 |
・トラッキング規制及びブラウザーベンダーやWorld Wide Web Consortium(World Wide Webで使用される各種技術の標準化を推進する為に設立された団体)等の動向調査 ・独自トラッキングの技術開発、回避策の検討 |
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その他の関係会社であるLINEヤフー株式会社 |
1 |
8 |
〇その他の関係会社であるLINEヤフー株式会社内でのシナジー効果による業績の向上 ●その他の関係会社であるLINEヤフー株式会社内において当社グループが行う事業に競合関係が生じた場合やその他の関係会社であるLINEヤフー株式会社の経営方針変更による提携関係解消に伴う業績への影響 ●主要株主以外の株主の利益毀損 |
・その他の関係会社であるLINEヤフー株式会社内での定期的な情報共有 ・社外取締役より構成される特別委員会で関連当事者間取引の相当性を審議・検討 |
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グループガバナンス |
1 |
8 |
○当社グループ会社とのシナジー効果による連結業績の向上 ●当社グループ会社のガバナンス不足によるグループ経営の品質の低下や、連結業績への影響 |
・週次の事業報告、月次のステアリングコミッティ、四半期ごとのモニタリング実施によるガバナンスの強化 |
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事業継続/危機対応 |
1 |
8 |
●大規模災害発生時等の物的資源(サーバ等)、情報システムの東京集中による事業継続の困難 |
・複数クラウドサービス利用によるデータセンターの分散化・多重化の実施 ・他地域への展開の検討 ・障害発生時の復旧手段の明確化 |
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自然災害 |
1 |
8 |
●非常災害時におけるサービスの提供停止による業績への影響 ●災害後の事業復旧作業の遅れによる業績への影響 |
・リモートワーク下を意識したBCPの策定 ・BCPの定期的訓練 |
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個人情報管理 |
1 |
8 |
●当社グループ又は委託先の関係者の故意・過失、悪意を持った第三者の攻撃又は不測の事態によるサービス利用者の個人情報の漏洩 |
・ISMS認証に基づくセキュリティレベルの維持・管理のための運用遵守 ・セキュリティチェックプロセス実施の徹底 ・従業員に対する教育の継続 |
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データガバナンス |
1 |
8 |
〇データガバナンスにおける信頼の向上 ●データガバナンスの不徹底を原因とする、データの取得方法やデータ管理上のトラブルによる信用の毀損、顧客離れの発生 |
・データガバナンスの運用ルールの整備、規約の検討 ・データガバナンスに関する従業員教育の実施 |
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サイバーセキュリティ |
1 |
8 |
●業務上の人為的ミス又は故意による不法行為、災害等によるシステム障害、マルウェア感染や標的型攻撃等のサイバー攻撃、システムや製品等の脆弱性等による、情報漏洩、データの破壊や改竄、サービス停止の発生 |
・システム管理体制の構築、継続運用 ・定期的バックアップの実施 ・脆弱性情報のチェックと対策実施 ・社外からのサイバー攻撃による不正アクセスの監視・防御 |
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システム障害 |
1 |
8 |
●システムの不具合、仕様、運用の誤りに起因する集計ミスによる売上の毀損又は過大請求の発生 |
・開発レビュー、テストの徹底 ・精度の高いデータへの変更 ・定期的なモニタリング |
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投資戦略 |
2 |
3 |
〇M&A及び新規事業による事業領域の拡大 ●市場環境や競争環境の変化による、M&A及び新規事業への投融資の回収遅延からなる連結業績や成長及び事業展開等への影響 |
・M&A及び新規事業投資における当社グループの既存事業とのシナジー効果、事業計画、財務内容及び契約関係等の慎重な調査・検討 |
*「特定サービスへの依存」の財務リスクが顕在化しておりますが、その影響を最小化すべく、対象サービスとの継続的な各種調整や新規事業の推進等の対応をとっております。
(2)発生頻度又は発生可能性及び影響度
「発生頻度又は発生可能性」及び「影響度」それぞれのレベル選択の目安は以下のとおりであります。
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発生頻度又は発生可能性 |
影響度 |
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レベル |
目安 |
レベル |
目安 |
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1 |
(低い) 5年に1回程度発生、又は今後5年以内に発生する可能性が高い |
1 |
(軽微) “事業に多少の影響が出る/事業に直接的な影響が生じない”ようなリスク
・収益への影響 売上高等の主要な経営指標の1%程度の軽微な損失、又は直接的に生じない ・信用への影響 顧客からの問い合わせ等による極めて限定的な影響、又はほとんど生じない等 |
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2 |
(偶発的) 1年~2年に1回程度発生、又は今後1年~2年以内に発生する可能性が高い |
3 |
(限定的) “事業に一定の影響が出る”ようなリスク
・収益への影響 売上高等の主要な経営指標の5%~10%程度の損失 ・信用への影響 不祥事や事故が一部メディアで報道されて一定程度毀損される、SNSのユーザー投稿等に基づく炎上による限定的な影響、秘密・極秘には至らない情報の漏洩や消失、主要でないサービスの停止等 |
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3 |
(高い) 6ヶ月に1回程度発生、又は今後6ヶ月以内に発生する可能性が高い |
8 |
(重大) “長期的に経営に大きな影響が出る/主要な事業の継続が危ぶまれる”ようなリスク
・収益への影響 売上高等の主要な経営指標の20%程度の損失 ・信用への影響 不祥事や事故が主要メディアで報道される等して毀損される、秘密・極秘情報の漏洩や消失、主要なサービスの停止等 |
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4 |
(頻発) 1ヶ月~2ヶ月に1回程度発生、又は今後1ヶ月~2ヶ月以内に発生する可能性が高い |
10 |
(深刻) “経営の存続が危ぶまれる”ようなリスク
・収益への影響 売上高等の主要な経営指標の60%程度以上の巨額な損失 ・信用への影響 不祥事や事故が多くの主要メディアで報道される等して著しく毀損される、秘密・極秘情報の大規模な漏洩や消失、主要なサービスの回復が困難なレベルでの停止等 |
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国の経済は、企業収益及び雇用・所得環境が改善する下、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が期待されました。また、インバウンド需要は好調で、中長期的にも拡大が続く見込みとなりました。一方で、依然として個人消費の持ち直しには足踏みがみられる状況となりました。
こうした環境の下、当社グループは、ミッション「正しい情報を効率的につなぐ」に基づき、多くの情報から正しい情報を導き出し、その情報を必要とされる方へ効率的に届けることに注力した結果、連結経営成績は次のとおりとなりました。
当中間連結会計期間の売上高は、14,957百万円(前年同期比1.2%増)となりました。
成果報酬型広告「アフィリエイト」については、金融分野の一部の広告主に広告出稿意欲の緩やかな回復がみられ、前年同期比で増収となりました。また、オンラインモールのストア向けクリック課金型広告「StoreMatch(ストアマッチ)」についても、メーカー向け広告機能「StoreMatch Pro(ストアマッチプロ)」の利用の増加等により、前年同期比がプラスで推移いたしました。
販売費及び一般管理費は、中期経営計画に伴う戦略投資の実施及び自己株式の公開買付け関連費用の計上により、2,844百万円(前年同期比21.0%増)となりました。
営業利益は、主に販売費及び一般管理費の増加により、2,198百万円(前年同期比19.1%減)となりました。
経常利益は、営業外収益に投資事業組合運用益15百万円を計上したものの、2,222百万円(前年同期比18.4%減)となりました。
親会社株主に帰属する中間純利益は、法人税等702百万円を計上したこと等により、1,512百万円(前年同期比18.3%減)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、当中間連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
①マーケティングソリューションズ事業
マーケティングソリューションズ事業は、コマース事業者のECサイトへの「集客」を軸とするソリューションを提供する事業であります。主要なサービスは、成果報酬型広告「アフィリエイト」であります。
当中間連結会計期間におきましては、「アフィリエイト」について、金融分野の一部の広告主に広告出稿意欲の緩やかな回復がみられ、売上高を押し上げましたが、戦略投資の実施等により、セグメント利益は前年同期比で減少いたしました。この結果、セグメント売上高は6,313百万円(前年同期比2.1%増)、セグメント利益は924百万円(前年同期比8.5%減)となりました。
②ECソリューションズ事業
ECソリューションズ事業は、コマース事業者のECサイト上での「販売促進」を軸とするソリューションを提供する事業であります。主要なサービスは、オンラインモールのストア向けクリック課金型広告「StoreMatch(ストアマッチ)」及びCRMツール「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」であります。そのほか、ECサイト運営支援「B-Space(ビースペース)」を含んでおります。
当中間連結会計期間におきましては、「StoreMatch(ストアマッチ)」については、メーカー向け広告機能「StoreMatch Pro(ストアマッチプロ)」の利用の増加等により、前年同期比で増収となりましたが、「STORE's R∞(ストアーズ・アールエイト)」については、一部ストアの利用減少の影響を受けたことにより、前年同期比で微減となりました。この結果、セグメント売上高は8,015百万円(前年同期比0.3%増)、セグメント利益は2,249百万円(前年同期比5.8%減)となりました。
③トラベルテック事業
トラベルテック事業は、連結子会社であるダイナテック株式会社を中心に、主に宿泊施設向けのソリューションを提供する事業であります。主要なサービスは、宿泊予約システム「Direct In(ダイレクトイン)」及び宿泊管理システム「Dynalution(ダイナリューション)」であります。
当中間連結会計期間におきましては、宿泊施設の投資意欲の回復もあり、前年同期比で増収となりましたが、新たな事業領域への投資や宿泊管理システム移行による投資先行により、セグメント損失となりました。この結果、セグメント売上高は631百万円(前年同期比3.1%増)、セグメント損失は64百万円(前年同期はセグメント損失4百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当中間連結会計期間末の資産合計は18,574百万円となり、前連結会計年度末と比べて9,776百万円減少いたしました。
流動資産は16,670百万円となり、前連結会計年度末と比べて9,995百万円減少いたしました。これは、主に現金及び預金が9,768百万円減少したことによるものです。
固定資産は1,904百万円となり、前連結会計年度末と比べて218百万円増加いたしました。これは、主にソフトウエアが100百万円、投資有価証券が103百万円増加したことによるものです。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債合計は6,475百万円となり、前連結会計年度末と比べて588百万円増加いたしました。
流動負債は6,415百万円となり、前連結会計年度末と比べて612百万円増加いたしました。これは、主に未払法人税等が518百万円増加したことによるものです。
固定負債は60百万円となり、前連結会計年度末と比べて24百万円減少いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産合計は12,098百万円となり、前連結会計年度末と比べて10,364百万円減少いたしました。これは、利益剰余金が剰余金の配当により905百万円減少し、親会社株主に帰属する中間純利益の計上により1,512百万円増加したものの、自己株式が10,996百万円増加したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は11,765百万円となり、前連結会計年度末と比べて9,768百万円減少いたしました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は2,557百万円(前年同期は2,140百万円の獲得)となりました。これは、主に税金等調整前中間純利益が2,215百万円であり、プラス要因として、減価償却費が181百万円、売上債権の減少額が237百万円であったものの、マイナス要因として、法人税等の支払額が221百万円であったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は420百万円(前年同期は180百万円の使用)となりました。これは、主に無形固定資産の取得による支出が154百万円、投資有価証券の取得による支出が102百万円、事業譲受による支出が130百万円であったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は11,906百万円(前年同期は936百万円の使用)となりました。これは、主に自己株式の取得による支出が11,000百万円であったことによるものです。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(6)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(7)研究開発活動
該当事項はありません。
(8)従業員数
①連結会社の状況
当中間連結会計期間末の当社グループの従業員数は、新卒採用を行ったことに伴い、マーケティングソリューションズ事業で17名増加したこと等により、前連結会計年度末の371名から41名増加し、412名となりました。
なお、従業員数は就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含みます。)であります。
②提出会社の状況
当中間会計期間末の当社の従業員数は、新卒採用を行ったことに伴い、マーケティングソリューションズ事業で17名増加したこと等により、前事業年度末の279名から32名増加し、311名となりました。
なお、従業員数は就業人員(当社から当社外への出向者を除き、当社外から当社への出向者を含みます。)であります。
(9)生産、受注及び販売の実績
該当事項はありません。
(10)主要な設備
当中間連結会計期間において、主要な設備の著しい変動及び前連結会計年度末における計画の著しい変更はありません。
当社は、2024年3月11日開催の取締役会において、会社法第459条第1項の規定による当社定款の定めに基づき、自己株式の取得及びその具体的な取得方法として、自己株式の公開買付け(以下「本公開買付け」という。)を行うことを決議し、同日付でZホールディングス中間株式会社(以下「ZHD中間」という。)と公開買付応募契約を締結いたしました。
なお、2024年3月12日より本公開買付けを実施し、2024年4月9日付で終了いたしました。
また、本公開買付けの決済は、2024年5月2日付で完了いたしました。
公開買付応募契約
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契約会社名 |
相手方の名称 |
契約締結日 |
契約内容 |
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バリューコマース株式会社(当社) |
ZHD中間 |
2024年3月11日 |
当社が本公開買付けを開始した場合、ZHD中間が所有する当社普通株式の一部である10,689,990株を本公開買付けに応募することを定めた契約 |