(1)業績
当期における我が国経済は、アジア新興国等の景気下振れリスクによる全世界的な景気減速懸念の影響を受けたものの、個人消費が概ね横ばいに推移したほか、企業業績や雇用情勢が改善するなど、引き続き緩やかな回復基調で推移しました。
投資・証券関連事業に大きな影響を与える国内外の株式市場について、国内においては、企業業績や株主還元の拡大期待とともに外国為替市場において円安ドル高基調が強まったことが輸出関連銘柄を中心に追い風となり、当初は好調に推移しました。しかし、2015年8月下旬以降、中国経済の減速懸念による世界同時株安や米国金融政策への不透明感、急激な円高・株安の進行などを背景にリスク回避の動きが強まり軟調に推移したことなどから、日経平均株価は2016年3月末に16,758円と、2015年3月末に比べ12.7%下落して取引を終えました。そのような中でも、国内における株式の新規上場社数(TOKYO PRO Market上場社数を除く。)は前期を8社上回る94社と堅調に推移しました。一方海外においても、米国の金融政策正常化に向けた動きによる影響のほか、中国をはじめとする一部新興国経済の鈍化等により、株式の新規上場社数は減少に転じましたが、米国経済が緩やかに回復を続けているなど、明るい兆しも見え始めております。
また、インターネット金融サービス事業を取り巻く事業環境については、生活防衛のため、金融取引において少しでも有利な条件を求める消費者が増える傾向にあり、インターネット金融サービスを活用するメリットに対する認知も拡大し、対面での金融取引からの移行も進んでまいりました。同事業での競争の激化は予想されるものの、今後も引き続き成長が見込まれる市場と認識しております。
当期の経営成績につきましては、収益が261,744百万円(前期比5.8%増加)、税引前利益は52,227百万円(同17.2%減少)、親会社の所有者に帰属する当期利益は34,115百万円(同25.4%減少)となりました。
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
なお、前期まで「金融サービス事業」に含めていた一部の子会社(モーニングスター株式会社及びSBIエステートファイナンス株式会社他)については、当期より「アセットマネジメント事業」に含めております。このため、前期についても当期のセグメント構成にあわせて組み替えております。
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収益 |
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税引前利益 |
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前期 |
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当期 |
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前期 |
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当期 |
||
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百万円 |
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百万円 |
% |
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百万円 |
|
百万円 |
% |
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金融サービス事業 |
160,093 |
|
159,012 |
(0.7) |
|
66,524 |
|
50,458 |
(24.2) |
|
アセットマネジメント事業 |
71,316 |
|
98,725 |
38.4 |
|
8,917 |
|
17,996 |
101.8 |
|
バイオ関連事業 |
2,183 |
|
4,021 |
84.3 |
|
(7,310) |
|
(6,572) |
- |
|
計 |
233,592 |
|
261,758 |
12.1 |
|
68,131 |
|
61,882 |
(9.2) |
|
その他 |
15,731 |
|
2,259 |
(85.6) |
|
2,779 |
|
(835) |
- |
|
消去又は全社 |
(1,900) |
|
(2,273) |
- |
|
(7,843) |
|
(8,820) |
- |
|
連結 |
247,423 |
|
261,744 |
5.8 |
|
63,067 |
|
52,227 |
(17.2) |
(%表示は対前期増減率)
(金融サービス事業)
証券関連事業、銀行業、保険事業を中核とした多種多様な金融関連事業を行っております。
当期における収益は、159,012百万円(同0.7%減少)、税引前利益は50,458百万円(同24.2%減少)となりました。
(アセットマネジメント事業)
国内外のIT、バイオ、環境・エネルギー及び金融関連のベンチャー企業等への投資に関する事業、現地有力パートナーとの提携等による海外金融サービス事業及び金融商品の情報提供等を行う資産運用サービス事業を行っております。また、投資育成等のために取得したベンチャー企業等を連結範囲に含めており、同企業の行う事業が含まれております。
当期における収益は、98,725百万円(同38.4%増加)、税引前利益は17,996百万円(同101.8%増加)となりました。
(バイオ関連事業)
生体内に存在するアミノ酸の一種である5-アミノレブリン酸(ALA)(※)を活用した医薬品・健康食品・化粧品の開発・販売や、がん及び免疫分野等における抗体医薬・核酸医薬の研究開発に関する事業を行っております。
当期における収益は、4,021百万円(同84.3%増加)、税引前利益は6,572百万円の損失(前期は7,310百万円の損失)となりました。
(※)5-アミノレブリン酸(ALA)とは、体内のミトコンドリアで作られるアミノ酸で、ヘムやシトクロムと呼ばれるエネルギー生産に関与するたんぱく質の原料となる重要な物質ですが、加齢に伴い生産性が低下することが知られています。ALAは、焼酎粕や赤ワイン、高麗人参等の食品にも含まれるほか、植物の葉緑体原料としても知られています。
(2)キャッシュ・フロー
「第2 事業の状況 7.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (5)資本の財源及び資金の流動性についての分析」に記載のとおりであります。
(3)IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目との差異に関する事項
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と、日本基準により作成した連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異の概要は次のとおりであります。なお、差異の概算額につきましては、当企業グループは日本基準に基づく連結財務諸表を作成しておらず、すべての差異を一貫性のある精度で継続的に把握し算定することが困難であるため、記載しておりません。
(a)連結の範囲
日本基準では、ベンチャーキャピタルなどの投資企業が、投資育成や事業再生を図りキャピタルゲイン獲得を目的とする営業取引として他の企業の株式等を有している場合において、他の企業の議決権の過半数を保有するなどの子会社に該当する要件を満たしていても、売却等により当該他の企業の議決権の大部分を所有しないこととなる合理的な計画があることなどの一定の要件を満たすときには、子会社に該当しないものとして取り扱うこととされております。
一方、IFRSでは、企業集団の親会社が投資企業の要件に該当する場合を除き、投資企業が投資育成や事業再生を図りキャピタルゲイン獲得を目的とする営業取引として他の企業の株式等を有している場合であっても、当該他の企業を支配している場合には、子会社に該当するものとして取り扱うため、連結の範囲が拡大されております。
(b)金融商品の評価に係る損益
日本基準では、「その他有価証券」に分類される有価証券で、時価のあるものは、決算日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理)によって評価され、時価のないものは、移動平均法による原価法で評価されており、時価が著しく下落した場合または実質価格が著しく下落した場合を除き、評価にかかる損益は計上されません。ただし、当企業グループにおいては、営業投資有価証券に関する損失に備えるため、投資先会社の実情を勘案の上、その損失見積額を引当計上することにより、実質的に下落サイドのみの時価算定を行い、評価に係る損失を計上しておりました。
一方、IFRSでは、当初認識時にその他の包括利益を通じて公正価値で測定することを指定したものを除いて、純損益を通じて公正価値で測定しており、未上場株式を含む有価証券の評価損益は収益に計上されております。
(c)のれん償却
日本基準では、のれんは一般的に20年を上限とした見積耐用年数にわたり償却され、その償却費は「販売費及び一般管理費」に計上されますが、IFRSでは、のれんは償却されません。
(d)表示の組替
日本基準により作成した連結損益計算書の「売上高」、「営業外収益」、「特別利益」として開示していた収益のうち、持分法による投資利益を除き、IFRSにより作成した連結損益計算書の収益に組替えております。
また、日本基準では「売上原価」、「販売費及び一般管理費」、「営業外費用」、「特別損失」として開示していた費用のうち、持分法による投資損失を除き、IFRSにより作成した連結損益計算書の費用に組替えております。
当企業グループは、証券・銀行・保険を中心に金融商品や関連するサービスの提供等を行う「金融サービス事業」、国内外のIT、バイオ、環境・エネルギー及び金融関連のベンチャー企業等への投資に関する事業や、現地有力パートナーとの提携等による海外金融サービス事業及び金融商品の情報提供等を行う資産運用サービス事業を行う「アセットマネジメント事業」、医薬品・健康食品・化粧品の開発・販売や、がん及び免疫分野等における抗体医薬・核酸医薬の研究開発に関する事業を行う「バイオ関連事業」を中心に事業展開を行っており、生産及び受注を行っていないため、生産及び受注の状況を記載しておりません。また、販売の状況については、「1.業績等の概要」に各セグメントの収益として記載しております。
当企業グループは、インターネットを通じた金融サービスを中核に据えた総合金融グループとしての事業構築を、日本国内において既にほぼ完成させ、アジア地域を中心とした成長著しい国々においては、投資事業の運用体制構築が概ね完了いたしました。
FinTech、IoT、AI、ビッグデータ等の分野での新技術開発が加速化しているなか、今後はこれらの新技術における有望な企業への投資や提携を積極的に進めるとともに、当企業グループの各金融サービスでこれらの新技術を活用した新サービスの開発や業務効率化に向けた取り組みを強化し、競争力を高めて他社との差別化を図ってまいります。
また、海外における投資事業を一層強固なものへと発展させていくとともに、出資先の海外金融機関に対して、日本国内で培ったインターネット金融サービスの先進的ノウハウを提供することで、アジア地域を中心にグローバルに貢献できる総合金融グループを目指してまいります。
金融サービス事業に関しましては、日本の株式市場が不安定な状況下でもさらなる成長を実現するために、株式会社SBI証券において、引き続き投資信託や海外関連商品の拡充、FX取引の強化など収益源の多様化を進めるとともに、新規公開(IPO)引受や公募・売出(PO)引受業務などのホールセールビジネスの強化を進めてまいります。また、2008年11月に開業しFX取引における流動性だけでなく利便性や競争力の高いマーケットインフラを株式会社SBI証券や住信SBIネット銀行株式会社のほか2012年5月に開業したSBI FXトレード株式会社に提供しているSBIリクイディティ・マーケット株式会社は、取引環境の整備・流動性の向上に引き続き取り組むとともに、今後は海外の個人投資家へのサービス提供も視野に入れ、より低コストでかつ安心安全なFX取引環境の構築に注力してまいります。さらに、事業の持続的成長を志向し、株式市況のみに立脚しない収益構造の構築を目指して2007年から2008年にかけて開業し、新たな事業の柱として成長を続ける住信SBIネット銀行株式会社、SBI損害保険株式会社に加え、2015年2月に株式を取得し子会社化したSBI生命保険株式会社が2016年2月に新規の保険引受を再開したことで国内のインターネット金融生態系は完成いたしました。今後もグループ内企業とのシナジー効果を徹底的に追求し、より一層の成長を実現させることで株式市況のみに立脚しない収益構造への転換を図ることが重要な課題と考えております。
また、個人向けの金融商品の中には、インターネットのみでは取り扱いが難しいものや対面での専門家による説明ニーズの高いものも存在いたします。そのため、「資産運用」「保険」「住宅ローン」分野を中心に顧客のあらゆるニーズにワンストップで対応する対面販売事業を運営するSBIマネープラザ株式会社が主体となって、当企業グループにおける対面型チャネルの拡大にも注力し、より一層グループ内企業とのシナジーの構築を推進してまいります。
アセットマネジメント事業においては、アジア地域を中心とした潜在成長力の高い新興諸国での投資拡大および運用体制の整備を重要課題と認識しており、各国の経済状況を鑑みながら現地有力パートナーとの共同運営ファンド設立を推進するとともに、海外拠点網の拡大と整備を引き続き推進してまいります。
プライベート・エクィティ投資においては、IT、バイオ、環境・エネルギー、金融の四分野を主たる投資先と位置付けて、成長分野へと集中投資することにより、引き続き産業育成への貢献と高い運用成績の享受を目指してまいります。また、金融分野においては、当企業グループのノウハウを提供することで企業価値向上の見込まれる海外金融機関への直接投資も推進してまいります。このような事業展開において、当企業グループは今後もグループ内外のリソースを積極的に活用し、早期に投資先の企業価値等を高めることでファンドのパフォーマンスを向上させ、当事業の一層の拡大を図ってまいります。
2013年3月期より新たに主力事業分野に加えたバイオ関連事業においては、SBIファーマ株式会社が5-アミノレブリン酸(ALA)を用いた健康食品や化粧品を商品化し、国内ではSBIアラプロモ株式会社を通じて販売しております。また、ALAについては国内外の大学や研究機関等において様々な研究が進んでおり、SBIファーマ株式会社も医薬品としての研究開発を積極的に進めております。2013年9月には国内において悪性神経膠腫の術中診断薬の販売を開始したほか、2015年12月には初のALA含有機能性表示食品「アラプラス 糖ダウン」の発売を開始するなど、今後も幅広い分野での利用が予想されるALAを通じて、消費者にとってより健康で豊かな生活に貢献できるよう研究開発を進めてまいります。また、SBIバイオテック株式会社は、各国の有力研究機関と連携し最先端のバイオテクノロジーを駆使して、新たな医療・医薬品の創造に尽力してまいります。
当企業グループは2012年4月に、金融サービス事業、アセットマネジメント事業、バイオ関連事業を主要3事業とするグループ組織体制に移行し、その他の分野は黒字・赤字に関係なく原則として売却、株式公開、グループ内併合などを進める組織再編を加速化しております。特に金融サービス事業においては、証券、銀行、保険の3事業をコア事業と定め、これらの事業とのシナジーの有無やその強弱を重要な判断材料として、今後も事業の選択と集中を一層推進してまいります。
当企業グループを通じた課題として、急速に拡大した事業を支える優秀な人材の確保と社員の能力開発を通じて人的リソースの継続的な向上を図ることがますます重要となっております。そのため、当企業グループの経営理念に共感する優秀な人材の採用活動のさらなる強化とともに、独自の企業文化を育み継承する人的資源の確保として新卒採用を継続して実施しております。2006年4月からの取り組みの結果、新卒採用者は急速に拡大する当企業グループの未来を担う幹部候補生として、既に各々重要なポジションで活躍をしております。今後もより優秀かつグローバルな人材の確保と、社員のキャリア開発を促進し、当企業グループの永続的成長と発展を図ってまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項を以下に記載しております。なお、必ずしもかかるリスクに該当しないと思われる事項についても、積極的な情報開示の観点から記載しております。当企業グループは、これらの潜在的なリスクを認識した上で、その回避並びに顕在化した場合の適切な対応に努めてまいります。
なお、本項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書の提出日(2016年6月29日)現在において判断したものであります。
<一般事業のリスクについて>
1)当企業グループは複数の事業領域に事業展開している多数の企業で構成されているため、単一の領域で事業を展開している企業には見られないような課題に直面します
当企業グループは金融サービス事業、アセットマネジメント事業、バイオ関連事業等、多岐にわたる業種の企業で構成されております。また、当企業グループには複数の上場会社が存在しております。このような多様性により、当企業グループは単一の領域で事業を展開している企業には見られないような課題に直面しております。具体的には以下の3点があげられます。
・様々な分野の業界動向、市場動向及び法的規制等が存在します。したがって当企業グループは様々な事業環境における変化をモニタリングし、それによって影響を受ける事業のニーズに合う適切な戦略を持って対応できるよう、リソースを配分する必要があります。
・当企業グループの構成企業は多数あることから、事業目的達成のためには説明責任に重点を置き、財政面での規律を課し、経営者に価値創造のためのインセンティブを与えるといった効果的な経営システムが必要です。さらに多様な業種の企業買収を続けている当企業グループの事業運営はより複雑なものとなっており、こうした経営システムを実行することはより困難になる可能性があります。
・多業種にまたがる複数の構成企業がそれぞれの株主の利益になると判断し共同で事業を行うことがあります。こうした事業において、期待されるようなシナジー効果が発揮されない可能性があります。
2)当企業グループの構成企業における議決権の所有割合又は出資比率が希薄化される可能性があります
構成企業は株式公開を行う可能性があり、その場合、当該会社に対する当企業グループの議決権の所有割合は希薄化されます。さらに、構成企業は成長戦略の実現その他の経営上の目的のために資本の増強を必要とする場合があり、この資金需要を満たすため、構成企業は新株の発行やその他の持分証券の募集を行う可能性があります。当企業グループはこのような構成企業の新株等の募集に応じないという選択をする、又は応じることができない可能性があります。当該会社に対する現在の出資比率を維持するだけの追加株式の買付けを行わない場合、当企業グループの当該会社に対する出資比率は低下することになります。
構成企業に対する出資比率の低下により、当該企業から当企業グループへの利益の配分が減少することになった場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、出資比率が大きく低下した場合、当企業グループの当該企業の株主総会における議決権の所有割合が低下し、当該企業に対する支配力及び影響力が低下する可能性があります。
3)インターネット商品及びサービス市場において期待されるとおりの市場成長が実現しない可能性があります
国内のインターネット金融商品及びサービス市場は発展を続けております。当企業グループの事業の成功はオンライン証券サービス、インターネット・バンキング、インターネットを使った個人向け保険商品並びに保険サービス等インターネット商品及びサービスの利用が継続的に増加するかどうかに大きく影響されます。この成長が実現されない場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。国内の個人顧客がインターネット商品及びサービスを敬遠する場合、セキュリティあるいは個人情報に関する懸念、サービスの質の一貫性の欠如、金融商品の取引をインターネット上で行うことに伴う困難さ等がその要因として考えられます。
4)当企業グループにおける合弁契約の締結、提携の相手先企業に対する法的規制若しくは財務の安定性における変化、又は双方の経営文化若しくは経営戦略における変化
当企業グループは国内外の複数の企業と合弁事業を運営又は提携を行っております。これらの事業の成功は相手先企業の財務及び法的安定性に左右されることがあります。合弁事業を共同で運営する相手先企業に当企業グループが投資を行った後に、相手先企業のいずれかの財政状態が何らかの理由で悪化した場合又は相手先企業の事業に関わる法制度の変更が原因で事業の安定性が損なわれた場合、当企業グループは合弁事業若しくは提携を想定どおりに遂行できない、追加資本投資を行う必要に迫られる、又は事業の停止を余儀なくされる可能性があります。同様に、当企業グループと相手先企業との間の経営文化や事業戦略上の重大な相違が明らかになり、合弁又は提携契約の締結を決定した時点における前提に大幅な変更が生じる可能性があります。合弁事業や提携事業が期待した業績を達成できなかった場合、又は提携に関して予め想定しなかった事象が生じた場合、これらの合弁事業又は提携事業の継続が困難となる可能性があります。合弁事業又は提携事業が順調に進まなかった場合には、当企業グループの評判の低下や、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
5)風評リスク
当企業グループの事業分野は安心、安定と顧客の信頼が最も重要とされる業界であることから、当企業グループは投資家からの低評価や風評リスクの影響を受けやすい状況にあります。当企業グループ又は当企業グループのファンド、商品、サービス、役職員、合弁事業のパートナー及び提携企業に関連して、その正誤にかかわらず不利な報道がなされた場合、又は本項に記載されたリスク要因のいずれかが顕在化した場合、顧客及び顧客からの受託のいずれか一方又は両方の減少につながる可能性があります。当企業グループの事業運営は役職員、合弁事業のパートナー企業及び提携企業に依存しております。役職員、合弁事業のパートナー企業及び提携企業によるいかなる行為、不正、不作為、不履行、及び違反も相互に関連し合うことで、当企業グループに関する不利な報道につながる可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当企業グループの業容拡大や知名度向上に伴い、当企業グループの商号等を騙った詐欺又は詐欺的行為が発生しており、当企業グループに非がないにも関わらず、風評被害を受ける可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
6)事業再編と業容拡大に係るリスク
当企業グループは「Strategic Business Innovator = 戦略的事業の革新者」として、常に自己進化(「セルフエボリューション」)を続けていくことを基本方針の一つとしております。
今後もグループ内の事業再編に加えて、当企業グループが展開するコアビジネスとのシナジー効果が期待できる事業のM&A(企業の合併及び買収)を含む積極的な業容拡大を進めてまいりますが、これらの事業再編や業容拡大等がもたらす影響について、当企業グループが予め想定しなかった結果が生じる可能性も否定できず、結果として当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当企業グループは適切な投資機会、提携企業、又は買収先企業を見つけることができない可能性があるほか、これらについて適切に見つけることができた場合でも、商取引上許容し得る条件を満たさない、又は取引を完了することができない可能性があります。企業買収に関しては、内部運営、流通網、取扱商品、又は人材等の面で買収先企業及び事業を現存の事業に統合することが困難である可能性があり、こうした企業買収によって期待される成果が得られない可能性があります。買収先企業の利益率が低く、効率性向上のためには大幅な組織の再編を必要とする可能性や、買収先企業のキーパーソンが提携に協力しない可能性があります。買収先企業の経営陣の関心の分散、コストの増加、予期せぬ事象や状況、賠償責任、買収先企業の事業の失敗、投資価値の下落、及びのれんを含む無形資産の減損といった数多くのリスクを有し、それらの一部又は全部が当企業グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。企業買収や投資を行う際に、当企業グループが関連する監督官庁と日本国又は当該国政府のいずれか一方又は双方から予め承認を得る必要がある場合、必要な時期に承認を得られない、又は全く得られない可能性があります。また、海外企業の買収によって当企業グループには為替リスク、買収先企業の事業に適用される現地規制に係るリスク、及びカントリーリスクが生じます。これらリスクが具現化した場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、これら事業再編や業容拡大は、その性質上、多額の資金を必要とすることがあり、資本市場における株式交換を含むエクイティファイナンスのほか、金融機関からの借入や社債の発行等により資金調達する場合があります。なお、これら多額の資金を負債で調達した場合は、当企業グループの信用格付の引き下げ等により、資金調達コストが増大する可能性があります。これらの結果、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
7)新規事業への参入に係るリスク
当企業グループは「新産業クリエイターを目指す」という経営理念のもと、21世紀の中核的産業の創造及び育成を積極的に展開しております。かかる新規事業が当初予定していた事業計画を達成できず、初期投資に見合うだけの十分な収益を将来において計上できない場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、これら新規事業において新たな法令の対象となる、又は監督官庁の指導下に置かれる可能性があります。これら適用される法令、指導等に関して何らかの理由によりこれらに抵触し、行政処分又は法的措置等を受けた場合、当企業グループの事業の遂行に支障をきたし、結果として当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
8)金融コングロマリットであることに係るリスク
当企業グループは金融庁組織規則に規定される金融コングロマリットに該当しております。そのため、リスク管理態勢やコンプライアンス態勢の更なる強化を図り、グループの財務の健全性及び業務の適切性を確保しております。しかしながら、何らかの理由により監督官庁から行政処分を受けた場合には、当企業グループの事業の遂行に支障をきたす可能性や、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
9)投資有価証券に係るリスク
当企業グループは、関連会社への投資を含む多額の投資有価証券を保有しております。そのため、株式市場及び債券市場の状況によって、かかる投資有価証券の評価損計上等による損失が生じた場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
10)訴訟リスク
当企業グループには各事業分野において、事業運営に関する訴訟リスクが継続的に存在します。訴訟本来の性質を考慮すると係争中又は将来の訴訟の結果は予測不可能であり、係争中又は将来の訴訟のいずれかひとつでも不利な結果に終わった場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
11)リスク管理及び内部統制に係るリスク
当企業グループはリスク管理及び内部統制のシステム及び実施手順を整備しております。これらのシステムには経営幹部や職員による常時の監視や維持、又は継続的な改善を必要とする領域があります。かかるシステムの維持を効果的かつ適切に行おうとする努力が十分でない場合、当企業グループは制裁や処罰の対象となる可能性があり、結果として当企業グループの経営成績及び財政状態や評判に影響を与える可能性があります。
当企業グループの内部統制システムはいかに緻密に整備されていたとしても、その本来の性質により判断の誤りや過失による限界を有しております。したがって、当企業グループのリスク管理及び内部統制のためのシステムは、当企業グループの努力にかかわらず、効果的かつ適切である保証はありません。また、内部統制に係る問題への対処に失敗した場合、当企業グループ及び従業員が捜査、懲戒処分、さらには起訴の対象となる可能性、当企業グループのリスク管理システムに混乱をきたす可能性、又は当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
12)資金の流動性に係るリスク
当企業グループは、事業資金を資本市場におけるエクイティファイナンスのほか、金融機関からの借入や社債の発行等により調達しております。世界経済の危機による金融市場の悪化と、それに伴う金融機関の貸出圧縮を含む世界信用市場の悪化により、有利な条件で資金調達を行うことが難しい、あるいは全くできない状況に直面する可能性があります。また、当企業グループの信用格付が引下げられた場合、外部からの資金調達が困難になり、当企業グループは、資金調達が制約されるとともに、調達コストが増大する可能性があり、この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
13)デリバティブに係るリスク
当企業グループは、投資ポートフォリオの価格変動リスクを軽減し、金利及び為替リスクに対処するためデリバティブ商品を活用しております。しかし、こうしたデリバティブを通じたリスク管理が機能しない可能性があります。また、当企業グループとのデリバティブ契約の条件を契約相手が履行できない可能性があります。その他、当企業グループの信用格付が低下した場合、デリバティブ取引を行う能力に影響を与える可能性があります。
また、当企業グループは、その一部で行うデリバティブ商品を含む取引活動によって損失を被り、結果として当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
14)当社の収益は、その一部を子会社及び関連会社からの配当金に依存しております
当社は、債務返済を含む支払義務履行のための資金の一部を、子会社やその他の提携先企業、投資先企業等からの配当金、及び分配等に依存しております。契約上の制限を含む規則等の法的規制により、当企業グループと子会社及び関連会社との間の資金の移動が制限される可能性があります。かかる子会社及び関連会社のなかには、取締役会の権限により当該会社から当企業グループへの資金の移動を禁ずる、又は減ずることが可能であり、特定の状況下ではそうした資金の移動全ての禁止が可能となるような法令の対象となっているものがあります。これらの法令によって当企業グループが支払義務を果たすための資金調達が困難になる可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
15)キーパーソンへの依存
当企業グループの経営は、当社代表取締役執行役員社長である北尾吉孝とその他のキーパーソンのリーダーシップに依存しており、現在の経営陣が継続して当企業グループの事業を運営できない場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。キーパーソンの喪失に対処するために経営陣が採用する是正措置が直ちには、あるいは効果を現さない可能性があります。
16)従業員に係るリスク
当企業グループは、高度な技能を持ち、当企業グループの経営陣の下で働く要件を満たしていると当企業グループが判断した人材を採用しておりますが、今後継続的に高度な技能を持ち、必要とされる能力と技術を有する人材の採用ができない場合には、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
17)商標権等の様々な知的財産権に係るリスク
当企業グループが行う事業には、商標権、特許権、著作権等の様々な知的財産権、特に「SBI」の商標が関係しております。当企業グループが所有し事業において利用するこれらの知的財産権の保護が不十分な場合や、第三者が有する知的財産権の適切な利用許諾を得られない場合には、技術開発やサービスの提供が困難となる可能性があります。また、当企業グループが第三者の知的財産権を侵害したとする訴訟の対象となる可能性があります。特に特許権関連の知的財産権については関連コストが増加する可能性があり、その場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
18)法令及び会計基準の施行又は改正に係るリスク
法令の施行又は改正が顧客、借り手、構成企業、資金源に影響を及ぼすとともに当企業グループの事業の運営方法、国内外で提供している商品及びサービスにも影響を与える可能性があります。かかる法令の施行又は改正は予測不可能な場合があり、結果として、当企業グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当企業グループの資金又は事業の一部に関連する規制機関による承認や登録免除の撤回又は修正がなされた場合、かかる資金がいずれの管轄下にあるものでも、当企業グループの特定事業の停止、又は事業運営方法の変更を余儀なくされる可能性があります。同様に、一人又は複数の個人の免許又は承認が取り消された場合、それまで当該個人が果たしてきた役割の遂行が困難になることが考えられます。規制対象活動を権限のないものが実施することで、当該事業活動を実施する過程で法的強制力のない契約を交わす可能性等、当企業グループの事業運営に様々な影響を与えることがあります。
会計基準の施行又は改正がなされた場合、当企業グループの事業が基本的に変わらない場合であっても、当企業グループが経営成績及び財政状態を記録する方法に重要な影響を与える可能性があり、結果として当企業グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
19)繰延税金資産に関するリスク
財務諸表と税務上の資産負債との間に生じる一時的な差異にかかる税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産を計上しております。
このため税制改正等により法定実効税率が変動した場合には繰延税金資産計上額が減少又は増加し、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
評価性引当額は、将来税務上減算される一時差異及び繰越欠損金などについて計上した繰延税金資産のうち、実現が不確実であると考えられる部分に対して設定しております。繰越欠損金については、回収可能な金額を限度として繰延税金資産を計上することが認められており、当企業グループにおける繰延税金資産も回収可能性を前提に計上しております。
将来の税金の回収予想額は、当企業グループ各社の将来の課税所得の見込み額に基づき算出されます。評価性引当額差引後の繰延税金資産の実現については、十分な可能性があると考えておりますが、将来の課税所得の見込み額の変化により、評価性引当額が変動する場合があります。この場合、繰延税金資産計上額が減少又は増加し、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
20)保険による補償範囲に係るリスク
事業リスクの管理のため、当企業グループは保険をかける場合があります。しかし、こうした保険契約に基づいて全ての損失について、全額が必要な時期に補償されるという保証はありません。加えて、地震、台風、洪水、戦争、及び動乱等による損失等、保険をかけることが一般的に不可能な種類の損失もあります。構成企業のうちいずれか1社でも保険で補償されない、又は補償範囲を超える損失を被った場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
21)過去の業績に基づく将来の予測について
過去の財務情報は、必ずしも将来の当企業グループの経営成績及び財政状態を表すものではありません。事業分野の一部で成長が滞る可能性がある一方、新規事業への参入が成功しない可能性もあります。かかる新規事業が当初期待した速さ又は規模で成長できない可能性、当企業グループの業容拡大戦略が期待した成果を上げられない可能性、及び将来の新規事業や資産を既存の事業運営と統合できない可能性があります。その場合、当企業グループの事業、経営成績及び財政状態に支障あるいは影響を与える可能性があります。
22)日本又は当企業グループが事業を行う他の市場において、地震等の自然災害、テロによる攻撃又は他の災害により重大な損失を被る可能性があります
当企業グループの資産の相当部分は日本国内にあり、当社純資産の相当部分は日本国内における事業から生じております。当企業グループの海外事業には、同様のあるいは他の災害リスクがあります。日本国内あるいは海外において、当企業グループの事業ネットワークに影響する大きな災害、暴動、テロによる攻撃あるいは他の災害は、当社の資産に直接的な物理的被害を与えないとしても、当社の事業を混乱させる可能性があります。これら災害の影響を受けた地域や国における重大な経済の悪化を引き起こした結果、当企業グループの事業、経営成績及び財政状態に支障あるいは影響を与える可能性があります。
23)海外における投資、事業展開、資金調達、及び法規制等に伴うリスク
当企業グループは、海外における投資や事業展開を積極的に進めております。これら投資や事業展開においては、為替リスクだけではなく、現地における法規制を含む諸制度、取引慣行、経済事情、企業文化、消費者動向等が日本国内におけるものと異なることにより、日本国内における投資や事業展開では発生することのない費用の増加や損失計上を伴うリスクがあります。海外における投資や事業展開にあたってはこれに伴うリスクを十分に調査や検証した上で対策を実行しておりますが、投資時点や事業展開開始時点で想定されなかった事象が起こる可能性があり、この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、当社の株主構成は外国人株主の比率が高く、当社の意図とは関係なく結果的に海外における資金調達を行なっているということとなる可能性もあり、その結果、外国の法規制、特に投資家保護のための法規制の影響を受け、その対応のための費用増加や事業における制約等を受ける可能性があります。また、今後は為替リスク回避等を目的として、海外における金融機関からの借入や社債の発行等による資金調達が増加する可能性もあります。これら海外における資金調達を行う場合には、これに伴うリスクを十分に調査や検証した上で実行しておりますが、資金調達時点で想定されなかった事象が起こる可能性もあります。これらの結果、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
さらに、英国Bribery Act 2010や米国The Foreign Corrupt Practices Act等のように、当企業グループの海外拠点等所在地における法規制等で、その適用が日本国内を含む他の国における当企業グループ拠点にも及ぶものがあります。これら法規制等については事前に十分な調査や検証を行いこれら法規制に抵触しないように対応しておりますが、判例等が乏しいため、現時点では想定できない事象により、これら法規制に抵触する可能性もあります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
24)政府の公式情報源及びその他のデータから入手する情報について、事実及び統計の正確性を保証することはできません
日本、日本経済、金融セクター(金融サービス業を含む)、及び当社業務が属する他のセクターに関する事実及び統計は、公式な政府及び他の業界の情報源から入手しており、通常は信頼できるものと考えられます。しかしながら、当社はそれらの情報の質と信頼性を保証することはできません。当社はこれらの情報源から入手した事実及び統計の正確性と網羅性についての事実表明は行いません。さらに、これらの情報源が他の事例と同じ基準又は同程度の正確性や網羅性を伴った事実や数値を明言あるいは集成しているという保証はありません。全ての事例において、これらの事実や統計を過度に信頼すべきではありません。
25)反社会的勢力との取引に関するリスク
当企業グループは、反社会的勢力との関係が疑われる者との取引を排除すべく、新規の取引に先立ち、反社会的勢力との関係に関する情報の有無の確認や反社会的勢力ではないことの表明及び確約書の締結をするなど、反社会的勢力とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っています。しかしながら、当企業グループの厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力との取引を排除できない可能性があります。このような問題が認められた場合、その内容によっては、監督官庁等より業務の制限または停止や課徴金納付命令等の処分・命令を受ける可能性があり、当企業グループの社会的な評判が低下する可能性もあります。
<金融サービス事業に係るリスク>
・証券関連事業に係るリスク
1)証券関連事業に影響を与える事業環境の変化による影響
株式の委託売買手数料は証券関連事業における主な収益源の一つであり、株式市場の取引高及び売買高等の動向に強い影響を受けます。株式市場の取引高及び売買高は企業収益、為替動向、金利、国際情勢、世界主要市場の変動、又は投資家の心理等の様々な要因の影響を受け、株価が下がると一般的には取引高が縮小する傾向があります。今後、株式市場が活況を続ける保証はなく、株価の下落とともに取引高が減少した場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、日本政府、特定の外国政府及び各金融商品取引所等は金融及び証券市場に係る制度改革を推し進めており、これら制度改革等の内容によっては当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
2)信用リスク
国内株式の信用取引は証券関連事業における主な収益源の一つですが、同取引においては顧客への信用供与を行っており、顧客が信用取引で損失を被る、あるいは代用有価証券の担保価値が下落する等した場合に、顧客が預託する担保価値が十分でなくなる可能性があります。また、信用取引にかかる資金調達は主に証券金融会社からの借入により行っておりますが、証券市況の変化に伴い、これら借入のために証券金融会社に差入れた有価証券等の担保価値も変動するため、担保価値が下落した場合、追加の担保の差入れを求められることがあり、そのために必要な資金は独自に確保する必要があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当企業グループは、顧客から借入れた株式を他のブローカー・ディーラーに貸付ける場合があります。株式の時価が急激に変化し、株式の貸付先が決済不履行した場合、当企業グループは、損失を被る場合があります。株式市場における変動は、貸株取引を行っている当事者が決済不履行となるリスクをもたらす場合があります。また、当企業グループが貸株業務における顧客基盤を拡充することができず、株式の貸付先である他の証券会社と良好な関係を維持できない場合、当企業グループの評判、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、店頭外国為替証拠金取引は、定められた額の証拠金を担保として預託して行う取引であります。そのため、顧客は証拠金の額に比して多額の利益を得ることもありますが、逆に預託した証拠金以上の多額の損失を被ることがあります。外国為替市況の変動に伴い、預託されている証拠金を超える損失が発生した場合において、その総額又は発生件数によっては、無担保未収入金の増加により貸倒損失が発生する、あるいは貸倒引当金の追加計上が必要になる等、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
3)為替変動及びカウンターパーティリスク
当企業グループは、顧客に対する当企業グループのポジションの為替変動等をヘッジするために行う店頭外国為替証拠金取引において、カウンターパーティリスクに直面する場合があります。当該カウンターパーティがシステム障害や業務又は財務状況の悪化等の不測の事態に陥った場合には、顧客に対するポジションのリスクヘッジが実行できないおそれがあり、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
4)引受リスク
当企業グループは収益源の多様化を図るため、株式等の引受業務及び募集業務にも注力しておりますが、引受けた有価証券を販売することができない場合には引受リスクが発生します。有価証券の価格動向によっては、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、特に新規公開株式の引受業務において、当企業グループが主幹事証券として引受業務を行う企業が、新規上場する過程又はその後に評価が低下するような事態が発生した場合には、当企業グループの評価が影響を受け、引受業務の推進に支障をきたす等、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
5)私設取引システム(PTS)運営事業に係るリスク
当企業グループが提供する私設取引システム(「ジャパンネクストPTS」)は、複数の証券会社がシステム接続する本格的な取引所外電子取引市場です。しかしながら、システム障害、決済不能若しくは遅延、又は取引参加証券会社の破綻等の不測の事態により市場運営が困難になった場合には、投資家や取引参加証券会社等の当該私設取引システムに対する信頼性と安全性に対する信頼が損なわれ、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
6)証券関連事業における競合について
株式等の委託売買業務を行う証券会社間の競争は激化しております。自由化の進展に伴う他業種からの新規参入、外資系企業の国内新規参入に加えて、大手証券会社のオンライン証券業務の強化等、より厳しい競争が予想されます。また、店頭外国為替証拠金取引事業においても、当事業を行う金融商品取引業者間の競争が激化しております。また、これら競争の激化に伴い、新たに顧客を獲得するために必要な1口座当たりの限界費用が増加することも考えられます。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
また、私設取引システム運営事業においては、当企業グループの私設取引システムを利用している投資家の利便性向上を図っております。しかし、他社の運営する私設取引システムと比較して優位性が失われた場合には取引が低迷し、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
7)証券関連事業における法的規制について
① 金融商品取引業登録等
当企業グループの一部の構成企業は金融商品取引業を営むため、金融商品取引法に基づく金融商品取引業の登録等を受けており、金融商品取引法、及び同法施行令等の関連法令の適用を受けております。また、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、及び札幌証券取引所の総合取引参加者等であるほか、金融商品取引法に基づき設置された業界団体である日本証券業協会及び(社)金融先物取引業協会の定める諸規則にも服しております。当企業グループ及びその役職員がこれら法令等に違反し、登録等の取消し、又は改善に必要な措置等を命じる行政処分が発せられた場合等には、当企業グループの事業の遂行に支障をきたし、あるいは経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
② 自己資本規制比率
第一種金融商品取引業者には、金融商品取引法及び金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき、自己資本規制比率の制度が設けられております。自己資本規制比率とは、固定化されていない自己資本の額の、保有する有価証券の価格変動その他の理由により発生し得るリスク相当額の合計に対する比率をいいます。当該金融商品取引業者は自己資本規制比率が120%を下回ることのないようにしなければならず、金融庁長官は当該金融商品取引業者に対しその自己資本規制比率が120%を下回るときは、業務方法の変更等を命ずること、また100%を下回るときは3ヶ月以内の期間、業務の停止を命ずることができ、さらに業務停止命令後3ヶ月を経過しても100%を下回り、かつ回復の見込みがないと認められるときは当該金融商品取引業者の登録を取り消すことができるとされております。また、当該金融商品取引業者は四半期ごとにこの自己資本規制比率を記載した書面を作成し、3ヶ月間全ての営業所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならず、これに違反した場合には罰則が科されます。
③ 顧客資産の分別管理及び投資者保護基金
金融商品取引業者は、顧客資産が適切かつ円滑に返還されるよう顧客から預託を受けた有価証券及び金銭につき、自己の固有財産と分別して管理することが義務付けられております。ただし、信用取引により買付けた株券等及び信用取引によって株券等を売付けた場合の代金については、このような分別管理の対象とはなっておりません。また、有価証券関連業を行う金融商品取引業者は投資者保護のために、金融商品取引法に基づき内閣総理大臣が認可した投資者保護基金に加入することが義務付けられており、当企業グループは日本投資者保護基金に加入しております。投資者保護基金の原資は基金の会員である金融商品取引業者から徴収される負担金であり、日本投資者保護基金は、基金の会員金融商品取引業者が破綻した場合には投資家が破綻金融商品取引業者に預託した証券その他顧客の一定の債権について上限を顧客一人当たり10百万円として保護することとなっております。そのため、基金の積立額を超える支払いが必要な会員金融商品取引業者の破綻があった場合、当企業グループを含む他の会員金融商品取引業者は臨時拠出の負担を基金から求められる可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
④ 金融商品販売法及び消費者契約法
金融商品の販売等に関する法律は、金融商品の販売等に際して顧客の保護を図るため、金融商品販売業者等の説明義務及びかかる説明義務を怠ったことにより顧客に生じた損害の賠償責任並びに金融商品販売業者等が行う金融商品の販売等に係る勧誘の適正を確保するための措置について定めております。
また、消費者契約法は、消費者契約における消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差に着目し、一定の場合に消費者が契約の効力を否定することができる旨を規定しております。当企業グループでは、かかる法律への違反がないよう、内部管理体制を整備しております。これらの違反が発生した場合には損害賠償責任が生ずるとともに、顧客からの信頼が失墜する等、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
⑤ 外国為替証拠金取引の証拠金倍率規制について
外国為替証拠金取引については、2010年8月1日より段階的に証拠金倍率を引き下げることが金融庁より公表され、2011年8月1日にさらに証拠金倍率が引き下げられました。今後さらに証拠金倍率が引き下げられる場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
8)証券関連事業に影響を与えるシステムリスク
当企業グループはインターネットを主たる販売チャネルとしているため、オンライン取引システムの安定性を経営の最重要課題と認識しており、そのサービスレベルの維持向上に日々取り組んでおります。しかしながら、オンライン取引システムに関しては、ハードウェア及びソフトウェアの不具合、人為的ミス、通信回線の障害、コンピュータウィルス、並びにサイバーテロのほか、自然災害等によってもシステム障害が発生する可能性があります。当企業グループでは、かかるシステム障害リスクに備え、365日24時間体制の監視機能、基幹システムの二重化、及び複数拠点におけるバックアップサイト構築等の対応を実施しておりますが、これらの対策にもかかわらず何らかの理由によりシステム障害が発生し、かかる障害への対応が遅れた場合、または適切な対応ができなかった場合には、障害によって生じた損害について賠償を請求され、当企業グループのシステム及びサポート体制に対する信頼が低下し、結果として相当数の顧客を失う等の影響を受ける可能性があります。また、口座数及び約定件数の増加を見越して適時適切にシステムの開発及び増強を行ってまいりますが、口座数及び約定件数がその開発及び増強に見合って増加しない場合、システムの開発及び増強に応じて減価償却費及びリース料等のシステム関連費用が増加するため、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
9)証券関連事業における顧客情報のセキュリティについて
不正な証券取引注文、重要な顧客データの漏洩又は破壊が起こった場合は、賠償責任を負う場合があり、それが当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、個人情報の保護に関する法律への違反が発生した場合又は顧客データの漏洩若しくは破壊が発生した場合には、顧客からの信頼が失墜する等負の結果が生じ、それによって当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
・その他の金融サービス事業に係るリスク
1)その他の金融サービス事業における技術革新への対応について
当企業グループの事業は主にインターネットを利用してサービスを提供しているため、インターネットとその関連技術に精通し続けることが当企業グループの成長には不可欠であります。また、IT関連業界は技術革新が継続しており、新技術の登場により業界の技術標準又は顧客の利用環境が変化します。これら新技術への対応が遅れた場合、当企業グループの提供するサービスが陳腐化又は不適応化し、業界内での競争力低下を招く可能性があります。もし今後技術環境における変化への対応が遅れた場合は、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、重要な技術変革に対応するために新たな社内体制の構築及びシステム開発等の費用負担が発生する場合があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
2)その他の金融サービス事業における競合について
インターネットを使った金融、保険、及びローン等の金融商品の比較並びに検索市場の運営については、初期の設備投資が比較的少額で済むこと及び人件費が比較的少額であること等から市場参入企業が増加しており、本事業の競争が激化しております。今後これらの分野において競合他社が増加することにより当企業グループのウェブサイト利用者は減少し、収益を押し下げた場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
3)銀行業に係るリスク
銀行業においては、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、コンプライアンスリスク、事務リスク、システムリスク、情報セキュリティリスク、外部委託にかかるリスク、イベントリスク、風評リスク、自己資本比率悪化リスク、事業戦略リスク、及び規制変更リスク等の広範なリスクへの対応が必要となります。態勢整備が不十分であった場合、当企業グループの事業の遂行に支障をきたす可能性があります。
当該事業は、債券、証券化・流動化商品、デリバティブ取引などの金融商品等への投資を行っております。また、預金・貸出金等の長短金利ギャップに伴う金利リスクを抱えております。そのため、リスク限度の設定、損失額についての損失限度の設定や、個別商品への投資上限の設定等を行い、厳格なリスク管理体制を整備しております。しかしながら、金融市場動向や景気動向等により、予想を超えて金利等の各種経済条件が大幅に変動した場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
4)保険業に係るリスク
保険業においては、保険引受リスク、市場関連リスク、信用リスク、流動性リスク、事務リスク、システムリスク、情報漏洩リスク、法務リスク、及び災害リスク等の広範なリスクへの対応が必要となります。そのためリスク管理態勢の改善を続けておりますが、態勢整備が不十分であった場合、当企業グループの事業の遂行に支障をきたす可能性があります。また、当該事業が当初予定していた事業計画を達成できず、初期投資に見合うだけの十分な収益を将来において計上できない場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
生命保険業においては、社会・経済情勢の変化等により保険料設定時の想定を超えて死亡率・羅患率等が上昇した場合、追加費用等が発生し、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、SBI生命保険株式会社における新規契約の募集の実績に応じて、追加で責任準備金等を計上する必要が生じた場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、損害保険業においては、自動車保険の保有契約件数が順調に伸びているものの、会計上、保険料売上の計上と同時に未経過分の保険料を責任準備金として費用計上する必要があるため、契約件数が伸びているうちは費用が先行する傾向にあります。今後も医療保険や他社火災保険の取り扱い、及び事業費の圧縮等の収益性の向上に努めてまいりますが、費用を先行して計上すること等により、ソルベンシー・マージン比率の維持のための追加出資等が必要となり、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
5)その他の金融サービス事業に影響を与える法的規制ついて
当該事業を行うためには、貸金業法、銀行法、保険業法、及び同各法の関係法令、並びに保険業法等における許認可又は届出が必要です。何らかの理由によりこれら必要とされる認可又は登録のいずれかが取消処分を受けた場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
6)その他の金融サービス事業に影響を与えるシステムリスク
当該事業はコンピュータシステムに依存する部分が多いため、地震や水害等の大規模広域災害、火災等の地域災害、コンピュータウィルス、電力供給の停止、通信障害、通信事業者に起因するサービスの中断、又は予測不可能なシステム障害により顧客へのサービスが遅延、中断又は停止する場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
7)その他の金融サービス事業における顧客情報のセキュリティについて
個人情報の保護に関する法律への違反や個人情報の漏洩事件等が発生した場合、顧客からの信用を失う可能性があり、法的な、あるいはその他のコストが発生する可能性があります。これらのコストはいずれも、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
8)金融サービスのシステム開発・運用・保守等の事業に係るリスク
当該事業では、主に受託開発並びに運用及び保守業務等を行っておりますが、IT関連業界は技術革新が継続しており、新技術の登場により業界の技術標準又は顧客の利用環境が変化します。これら新技術への対応が遅れ、当企業グループの提供するサービスが陳腐化又は不適応化し、業界内での競争力低下を招く等により、これらの事業が当初予定していた事業計画を達成できず、初期投資に見合うだけの十分な収益を将来において計上できない場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
<アセットマネジメント事業に係るリスク>
1)アセットマネジメント事業における事業環境の変化等による影響
当企業グループ及び当企業グループが運営する投資事業組合等が行う投資事業については、保有株式の売却によるキャピタルゲインや投資事業組合等管理収入が主な収益源でありますが、これらは政治、経済又は産業等の状況や、新規公開市場を含む株式市場全般の動向に大きく影響を受けます。当該事業においてはこれら当企業グループがコントロールできない外部要因によって業績が変動し、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
2)当企業グループが運営する投資事業組合等における外部投資家に係るリスク
ファンドの運用成績が不調の場合、既存又は新規の外部投資家からの新規資金調達が困難になる場合があります。また、既存の外部投資家が、流動性の低下、財務の健全性の低下、又は財務上困難な状況となる場合、当企業グループが既存の投資家からの出資約束金額を利用できなくなる場合があります。当企業グループのアセットマネジメント事業における新規ファンドの募集が困難となる場合は、当初予定していたとおりにファンドを運用できなくなる可能性があり、その結果、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
3)投資リスク
当企業グループ及び当企業グループが運営する投資事業組合等からの投資先企業には、ベンチャー企業や事業再生中の企業が多く含まれます。これらの企業は、その将来見通しにおいて不確定要因を多く含み、今後発生し得る様々な要因により、これら投資先企業の業績が変動する可能性があります。かかる要因には、急激な技術革新の進行や業界標準の変動等による競争環境の変化、優秀な経営者や社員の維持及び確保、並びに財務基盤の脆弱性の他に、投資先企業からの未開示の重要情報等に関するものを含みますが、これらに限定されるわけではありません。
また、当企業グループが投資しているいくつかの事業は、本質的に投機的及びリスクのある業種において行われているものです。このような不確実性を伴う投資リスクは結果として損失となり、その結果、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
4)為替リスク
当企業グループ及び当企業グループが運営する投資事業組合等が、外貨建ての投資を行う場合には為替変動リスクを伴います。投資資金回収の時期や金額が不確定であるため、為替レートの変動が当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
5)海外投資リスク
当企業グループ及び当企業グループが運営する投資事業組合等が、海外での投資活動を行う場合には、現地において経済情勢の変化、政治的要因の変化、法制度の変更、又はテロ等による社会的混乱等が発生する可能性があります。こうしたカントリーリスクを極小化させたり、完全に回避することは困難であり、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
特に当企業グループのファンドは、中国及びその他のアジア諸国を含む新興市場の企業に対して投資を行っております。数多くの新興市場の国々は経済的にも政治的にも発展途上であり、確固たる基盤を持った証券市場を有していない場合があります。新興市場における企業への投資には高いリスクを伴う可能性があり、また投機的となる場合があります。
将来において、当企業グループのファンドが新興市場において期待されたとおりの運用成績を達成できなかった場合、当企業グループの事業、成長見通し、ファンドの募集、管理報酬等の収入、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。
6)アセットマネジメント事業における競合について
ベンチャー投資や企業再生型の投資事業は新規参入を含め競合が激しく、国内外の金融機関や事業会社等による多数のファンドが設定される状況下、当企業グループの競争力が将来にわたって維持できる保証はありません。また、画期的な新規サービスを展開する競合他社の出現や競合先同士の合併、連携その他の結果、当企業グループが企図する十分な規模のファンドの募集を実施できない、あるいは投資実行において十分な収益を獲得できる有望な投資先企業の発掘ができない可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
7)アセットマネジメント事業に影響を与える法的規制について
当企業グループが運営する投資事業組合等は、その運営において金融商品取引法、貸金業法、会社法、民法、投資事業有限責任組合契約に関する法律、及びその他国内外の法令の対象となっており、これらを遵守する必要があります。また、当企業グループ内には、投資信託委託会社として金融商品取引法に基づき投資運用業及び投資助言・代理業の登録を行っている会社があります。今後これら金融商品取引法及びその関連法令等に関し改正が行われた場合又は何らかの理由によりこれらの登録の取消処分を受けた場合には、当該事業の業務遂行に支障をきたすとともに当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
8)海外における銀行業に係るリスク
海外における銀行業においても、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、コンプライアンスリスク、事務リスク、システムリスク、情報セキュリティリスク、外部委託にかかるリスク、イベントリスク、風評リスク、自己資本比率悪化リスク、事業戦略リスク、及び規制変更リスク等の広範なリスクへの対応が必要となります。態勢整備が不十分であった場合、当企業グループの事業の遂行に支障をきたす可能性があります。また、当該事業が予定していた事業計画を達成できず、投資に見合うだけの十分な収益を将来において計上できない場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、現地において自己資本比率規制等が適用されており、当該比率が悪化した場合、現地当局から様々な規制及び命令を受けることになります。その場合、業務が制限されること等により、顧客に対して十分なサービスを提供することが困難となり、その結果、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、このような事態を避けるため、当企業グループからの追加出資等が必要となる可能性があり、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
<バイオ関連事業に係るリスク>
1)バイオ関連事業全般に係るリスク
当該事業において主に一般用医薬品の研究開発に注力しておりますが、当企業グループの研究開発努力が商業的に成功する製品の開発又は画期的な製造技術の開発につながる、あるいはこれらの研究プロジェクトが当初予定していたとおりの業績をもたらすという保証はありません。当企業グループのバイオテクノロジー製品は多くの場合、販売目的で市場に投入する前に臨床試験を実施する必要があります。この過程には費用及び時間がかかり、その結果は不確実なものです。研究開発及び臨床試験に莫大な時間と費用を費やしたにもかかわらず、開発途中の製品に対して商業販売の認可が下りなかった場合、又はバイオテクノロジー製品に関する製造物責任に関する賠償請求の対象になった場合は、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
2)投資リスク
当該事業において、提携先等への出資を行なっております。そのため、出資先が経営破綻した場合、または出資先株式の評価額が大きく下落した場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
3)為替リスク
当該事業において、医薬品、サプリメントや化粧品の輸出入を行う場合には為替変動リスクを伴います。その場合、為替変動は購入価格や販売価格の設定に影響し、その結果、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
4)バイオ関連事業における競合について
医薬品業界は、国際的な巨大企業を含む国内外の数多くの製薬企業や研究開発機関等により、激しい競争が繰り広げられており、その技術革新は急速に進歩している状態にあります。これらの競合相手の中には、技術力、マーケティング力、財政状態等が当企業グループと比較して優位にある企業が多数あり、当該事業開発品と競合する医薬品について、有効性の高い製品を効率よく生産・販売する可能性があります。したがって、これら競合相手との開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動における競争の結果次第で、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
5)バイオ関連事業における法的規制について
医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法等及び薬事行政指導、その他関係法令等により様々な規制を受けており、当該事業は薬事法をはじめとする現行の法的規制及び医療保険制度、それらに基づく医薬品の価格設定動向等を前提として事業計画を策定しています。しかしながら、当該事業において開発を進めている製品が現実に製品として上市されるまでの間、これらの規制や制度・価格設定動向等が変動しない保証はありません。もしこれらに大きな変動が発生した場合には、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
6)バイオ関連事業における顧客情報のセキュリティについて
個人情報の保護に関する法律への違反や個人情報の漏洩事件等が発生した場合、顧客からの信用を失う可能性があり、法的な、あるいはその他のコストが発生する可能性があります。これらのコストはいずれも、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
<その他の事業に係るリスク>
1)投資用収益物件の開発と販売を行う事業における事業環境の変化等による影響
不動産物件の保有において、地価動向や賃貸借市場等の不動産市況全体の変動が、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、不動産業界に特有の権利関係、地盤地質、構造、若しくは環境等に関する欠陥又は瑕疵が取得後に発覚した場合、当該不動産の価値やキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。さらに、火災、暴動、テロ、地震、噴火、及び津波等の不測の自然災害が発生した場合、当該不動産の価値やキャッシュ・フローに影響を与える可能性があります。
2)投資用収益物件の開発と販売を行う事業における規制について
投資用収益物件の開発と販売を行う事業においては、その売買若しくは賃貸の代理又は媒介等を行うための宅地建物取引業法に基づく免許を取得しているほか、総合不動産投資顧問業の登録を行っております。また、各種不動産事業の遂行においては、国土利用計画法、建築基準法、都市計画法、不動産特定共同事業法、借地借家法、建設業法、建築士法、労働安全衛生法、及び金融商品取引法等の法的規制等を受けることとなります。また、決済方法に関して、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律、銀行法、及び資金決済に関する法律の法的規制等を受けることとなります。
これら法的規制に関連し、業務改善命令あるいは免許取消処分等を受けた場合には、当該事業の業務の遂行に支障をきたすとともに、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当期において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。
当企業グループの当期における研究開発費は4,613百万円であり、バイオ関連事業における研究開発費であります。
バイオ関連事業においては、生体内に存在するアミノ酸の一種である5-アミノレブリン酸(ALA)を活用した医薬品、化粧品及び健康食品を開発する事業や、がん及び免疫分野において自社で創薬シーズを発掘するとともに、有望かつ革新性のある医薬プロジェクトをグローバルに導入し、開発する事業を展開しております。
また、当期の研究開発活動につきましては、「第2 事業の状況 7.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)当期の経営成績の分析」に記載のとおりであります。
(1)連結財務諸表の作成における見積もり及び判断の利用
当企業グループの連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しております。IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、他の情報源から直ちに明らかにならない資産及び負債の帳簿価額について、見積もり、判断及び仮定の設定を行う必要があります。見積もり及びそれに関する仮定は、関係が深いと思われる過去の経験及びその他の要素に基づいております。実績はこれらの見積もりと異なる場合があります。
当企業グループの会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」に記載のとおりであります。また、当該会計方針のうち、将来に関する仮定及び報告期間末における見積もりの不確実性の要因となる事項で、特に重要性があるものについては、「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2 作成の基礎 (4) 見積もり及び判断の利用」に記載しております。これらは、当期及び来期以降に資産や負債の帳簿価額に対して重大な調整をもたらすリスクを含んでおります。
(2)当期の経営成績の分析
当期における当企業グループを取りまく事業環境は、国内において、企業業績や株主還元の拡大期待とともに外国為替市場における円安ドル高基調が強まったことが輸出関連銘柄を中心に追い風となり、当初は好調に推移しました。しかし、2015年8月下旬以降、中国経済の減速懸念による世界同時株安や米国金融政策への不透明感、急激な円高・株安の進行などを背景にリスク回避の動きが強まり軟調に推移しました。海外においても、米国の金融政策正常化に向けた動きによる影響のほか、中国をはじめとする一部新興国経済の先行き等について不確実性がみられたことを受け、主要各国の株式市況は低調に推移しました。このような環境下において、当期の経営成績は、収益が261,744百万円(前期比5.8%増加)、税引前利益が52,227百万円(同17.2%減少)、親会社の所有者に帰属する当期利益が34,115百万円(同25.4%減少)となりました。
(金融サービス事業)
金融サービス事業の収益は、前期比0.7%減少の159,012百万円、税引前利益は前期比24.2%減少の50,458百万円となりました。
株式会社SBI証券においては、当期末における総合口座数が前期末に比べ約31万8千口座増加の約356万4千口座となるなど、引き続き堅調に顧客基盤を拡大しております。二市場(東京、名古屋)合計の個人株式委託売買代金が前期比1.7%減少する中、同社における同売買代金は前期比6.7%増加したほか、信用取引建玉残高や投資信託残高が順調に拡大したことにより、金融収益や投資信託の信託報酬額が大きく増加し、当期の税引前利益(IFRS)は、前期比8.7%増加の37,850百万円となりました。
SBI損害保険株式会社においては、引き続き自動車保険の保有契約件数が大きく増加していることや徹底的なコスト削減から、税引前利益(IFRS)は、90百万円(前期は618百万円の損失)と大幅に改善いたしました。
持分法適用会社である住信SBIネット銀行株式会社においては、2016年3月末の口座数は258万5千口座と順調に拡大したほか、預金総残高が3兆4,469億円となった一方で、一部保有債券の売却損を計上するなどしたため、同社の持分法による投資利益は、前期比34.8%減少の3,385百万円となりました。
(アセットマネジメント事業)
アセットマネジメント事業の収益は、前期比38.4%増加の98,725百万円、税引前利益は前期比101.8%増加の17,996百万円となりました。当期において、世界的に新規上場社数は減少に転じたものの、国内の新規上場企業数(TOKYO PRO Market上場企業数を除く。)は前期を8社上回る94社と堅調に推移し、当事業に係るIPO、M&Aの実績は、国内5社、海外11社の計16社となりました。また、保有する上場銘柄を中心に公正価値評価の変動による評価益を計上したほか、2013年3月に連結子会社化し事業再生が終了した韓国の株式会社SBI貯蓄銀行において、正常債権の着実な増加や延滞率の逓減等により業績が堅調に推移していることも、当事業の業績に大きく寄与いたしました。
(バイオ関連事業)
バイオ関連事業の収益は、前期比84.3%増加の4,021百万円、税引前利益は6,572百万円の損失(前期は7,310百万円の損失)となりました。当期においては、SBIバイオテック株式会社の子会社である米国Quark Pharmaceuticals, Inc.が保有する創薬パイプラインにおいてオプション契約更新によるアップフロントフィー20百万米国ドルを第2四半期に受領したほか、SBIアラプロモ株式会社においては、2015年12月に5-アミノレブリン酸(ALA)を含有した初の機能性表示食品「アラプラス 糖ダウン」を発売したことを機に、ALA関連品の取扱い店舗数が急増するとともに売上高が急拡大しております。
なお、SBIファーマ株式会社において、国内では、膀胱がんの術中診断薬やがん化学療法による貧血治療薬、ミトコンドリア病治療薬などの治験が進められているほか、海外では、バーレーンにおいて政府と緊密な連携を取りながらALAを利用した食品および医薬品の臨床研究が進められております。加えて、2016年1月にはドイツのPhotonamic GmbH & Co. KGを子会社化し、ALA関連事業のグローバル展開に向けた研究開発・販売体制の整備を進めております。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 4.事業等のリスク」に記載しております。
(4)戦略的事業展開について
戦略的事業展開については、「第2 事業の状況 3.対処すべき課題」に記載しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当期末の総資産は3,126,784百万円となり、前期末の3,400,763百万円から273,979百万円の減少となりました。また、資本は前期末に比べ11,552百万円減少し、419,063百万円となりました。
なお、当期末の現金及び現金同等物残高は248,050百万円となり、前期末の290,826百万円から42,776百万円の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、32,478百万円の収入(前期は36,197百万円の支出)となりました。これは主に、「営業債権及びその他の債権の増減」が58,514百万円の支出及び「法人所得税の支払額」が19,336百万円となった一方で、「税引前利益」が52,227百万円及び「顧客預金の増減」が59,883百万円の収入となったこと等の要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、11,179百万円の収入(前期は52,305百万円の収入)となりました。これは主に、「投資有価証券の取得による支出」が57,693百万円となった一方で、「投資有価証券の売却及び償還による収入」が70,533百万円となったこと等の要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、76,230百万円の支出(前期は15,524百万円の支出)となりました。これは主に、「長期借入による収入」が59,690百万円及び「社債の発行による収入」が56,103百万円となった一方で、「短期借入金の純増減額」が108,085百万円の支出、「長期借入金の返済による支出」が30,146百万円、「社債の償還による支出」が24,088百万円及び「自己株式の取得による支出」が15,030百万円となったこと等の要因によるものであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2016年6月29日)現在において当社が判断したものであります。