第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当期末現在において当企業グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当企業グループは、Strategic Business Innovator(戦略的事業の革新者)として、創業時から常に時流を捉え、革新的な事業を創造することを目指しています。同時に、企業は社会に帰属しているからこそ存続できるという考えのもと、事業を通じて、社会の維持・発展に貢献することを志しています。

また、当企業グループには、持続的に成長する企業グループであり続けるため、今後も継承すべきと考える企業文化のDNAが4つあります。それは、常にチャレンジし続けるために「起業家精神を持ち続けること」、「スピード重視」の意思決定と行動、過去の成功体験に捉われず「イノベーションを促進すること」、環境の変化を敏感に察知して「自己進化し続けること」です。

そして、全ての役職員が共有する規範として、当企業グループでは5つの経営理念を掲げています。

 

当企業グループの5つの経営理念

正しい倫理的価値観を持つ

「法律に触れないか」、「儲かるか」ではなく、それをすることが社会正義に照らして正しいかどうかを判断基準として事業を行う。

金融イノベーターたれ

従来の金融のあり方に変革を与え、インターネットの持つ爆発的な価格破壊力を利用し、より顧客便益性を高める金融サービスを提供する。

新産業クリエーターを目指す

21世紀の中核的産業の創造及び育成を担うリーディング・カンパニーとなる。

セルフエボリューションの継続

経済環境の変化に柔軟に適応する組織を形成し、「創意工夫」と「自己変革」が組織のDNAとして組み込まれた自己進化していく企業であり続ける。

社会的責任を全うする

当企業グループ各社は、社会の一構成要素としての社会性を認識し、さまざまなステークホルダー(利害関係者)の要請に応えつつ、社会の維持・発展に貢献していく。

 

当企業グループでは、企業価値は顧客価値の創出を土台に、株主価値及び人材価値を加えた3つの価値が相互に連関する好循環を生むことによって増大していくと認識しています。創業以来、掲げてきた価値観である「顧客中心主義」を徹底的に実践することで、お客様のために、投資家のために、より革新的なサービス、ビジネスの創出に努め、顧客価値、株主価値、人材価値の総和たる企業価値の極大化を追求します。

 

(2)経営環境及び対処すべき課題等

当企業グループの組織構築の基本観

当企業グループの組織構築は常に3つの基本観、即ち(1)「顧客中心主義」の徹底、(2)「仕組みの差別化」の構築、(3)「企業生態系」の形成に基づき行われています。「顧客中心主義」の徹底とは、より安い手数料・より良い金利でのサービス、金融商品の一覧比較、魅力ある投資機会、安全性と信頼性の高いサービス、豊富かつ良質な金融コンテンツの提供といった、真に顧客の立場に立ったサービスを徹底的に追求するものです。「仕組みの差別化」の構築とは、インターネット時代における競争概念の劇的な変化に対応すべく、単純な個別商品・サービスの価格や品質で差別化するのではなく、顧客の複合的なニーズに応える独自の「仕組み」を構築し、そのネットワーク全体から価値を提供することを意味します。また、「企業生態系」の形成とは、構成企業相互のポジティブな相乗効果を促進し、それぞれのマーケットとの相互進化のプロセスを生み飛躍的な企業成長を実現させるものでありますが、当企業グループにおいては、グループ企業間及び国内外の他の企業グループとの相互作用を通じてネットワーク価値を創出する「企業生態系」の形成を重視した経営を展開していきます。

これらの基本観の実践を通じ、当企業グループは事業領域や事業規模を加速度的に拡大してきました。例えば、証券・銀行・保険を中心とする金融サービス事業では、競合他社を大きく上回る口座数や預り資産などの顧客基盤のほか、マーケットシェアを獲得しています。現在、当企業グループ全体の顧客基盤は約4,600万件になるまで拡大しているほか、外部の各種顧客満足度調査においても高い評価をいただいています。

 

目標とする経営指標

当企業グループでは、資本効率を考慮しながら、「金融イノベーター」や「新産業クリエーター」として、事業の「選択と集中」で回収した資金を成長分野や革新的な事業展開を可能とする分野へ再投資することで、グループ全体としての持続的な成長を目指しています。このように、経営資源を国内外の注力分野に投下することで、さらなる利益成長につなげ、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)を10%以上の水準で恒常的に維持することを目標に掲げています。

また、当企業グループは、株主への利益還元を充実させることを、株主価値を高めることにつながる重要な経営施策の1つとして捉え株主還元を決定しています。当社は、当期から事業セグメント区分の変更を行っていますが、当面の間は事業セグメント区分変更後の金融サービス事業において定常的に生じる税引前利益の30%程度を目安として総還元額を決定することとしています。

このほか、当企業グループが創業以来掲げる「顧客中心主義」の考え方に基づき、常に顧客の目線に立った商品ラインナップ拡充や、便益性の高い多様なサービスの提供を図ることで、業界最高水準のサービス提供を目指しています。そのため、当企業グループの金融サービス事業各社では、第三者評価機関が実施する顧客満足度調査において、継続して高評価を得ることを志向しています。

 

中長期的な経営戦略

当企業グループは、1999年の創業以来、日本国内においてインターネットをメインチャネルとし、証券・銀行・保険をコア事業とする金融サービス事業において企業生態系の構築を進め、現在世界的に見ても極めてユニークな総合金融グループとなっています。また、創業時から、国内外において次世代の成長産業への注力投資やアジア地域を中心とした成長著しい国々への投資を積極的に行い、国内外のベンチャー企業等の育成にも取り組んできました。

近年、金融業界だけでなく様々な業界において、AIやブロックチェーン・分散型台帳技術(DLT)を中心にそれらと親和性の高いビッグデータ、IoT、ロボティクス等の先進技術の導入が急速に進んでいます。そうした中、今後も引き続きこれらの先進技術における有望な企業への投資や提携を積極的に進めると共に、当企業グループの各金融サービスでこれらの先進技術を活用した新サービスの開発や新たな金融ビジネスの創造に向けた取り組みを強化し、競争力を高めて他社との差別化を図ることが重要であると考えています。

当企業グループはこれまで、顧客利益を最優先する「顧客中心主義」を徹底し、高い顧客満足度を獲得することで、飛躍的な成長を遂げてきました。その結果、2023年3月末時点で約4,600万件の顧客基盤を有しています。

昨今の世界経済は混沌とし、不確実性はリーマン・ショック時よりも高まりつつあると考えています。そのような状況下においても持続的な成長を遂げるべく、当企業グループは以下三つの「多様化」にきめ細かく取り組みリスク分散を図りつつ、収益源の拡充・開拓を図り、顧客基盤1億件超を当面の目標として掲げています。

 

当企業グループが取り組む三つの「多様化」

顧客の多様化

・ネオ証券化の推進

・三井住友フィナンシャルグループとの協業は次の段階に移行

・マルチポイント経済圏の更なる拡大

・当企業グループの有する多様な経営資源を活用し、事業法人・金融法人顧客の拡大に尽力

・地域金融機関との協業推進

・住信SBIネット銀行の「ネオバンク構想」の推進による金融業内外における顧客基盤の拡大

 

金融商品・サービスの多様化

・証券事業では「貯蓄から資産形成へ」の流れを捉え、商品・サービスの多様化により顧客満足度の向上と新規顧客の獲得を図る

・SBI新生銀行グループは、SBIグループとの連携強化を通じ商品・サービスの多様化を推進

・暗号資産事業では、顧客ニーズを幅広く捉えるべくM&A等も活用し取り扱う暗号資産やステーキング等のサービスを拡充

 

事業分野の多様化

・資産運用事業を中核的事業に位置付け、M&AやJV設立等を通じて2027年度中に運用資産残高20兆円の達成を目指す

・国内外で革新的な技術を取り入れたWeb3などの新たなビジネス領域を開拓

 

顧客の多様化

株式会社SBI証券においては、2024年3月期上半期中にオンラインでの国内株式委託売買手数料等の無料化を図るネオ証券化の実現を目指しており、これによって大幅な個人顧客基盤の拡大が期待されます。

さらに今後は個人顧客基盤のみならず、事業法人・金融法人顧客の獲得にも注力していきます。株式会社SBI証券においては、M&Aアドバイザリー業務の強化、事業法人及び金融法人を対象とした外国為替サービスの開始、総合型私募リート事業への注力等により、法人顧客基盤を一層強固なものとしていきます。銀行事業においても、株式会社SBI新生銀行の法人向けファイナンス機能の提供は、株式会社SBI証券やSBIインベストメント株式会社等のグループ各社の法人顧客基盤の拡充に寄与すると期待されるだけでなく、同行の法人ビジネスの拡大にも繋がると考えています。

また、従来から積極的に取り組んできた地域金融機関との協業においては、資本関係の有無に関わらず、全ての地域金融機関を対象に業務提携の強化を推進していきます。

さらにオープン・アライアンスの考え方のもと、様々な分野で金融業に留まらず異業種企業との提携も推進しており、様々な属性を有する提携パートナー企業の顧客に当企業グループの商品・サービスを提供することにも注力しています。

 

金融商品・サービスの多様化

日本政府が掲げる「貯蓄から資産形成へ」の流れを追い風と捉え、顧客ニーズに適う商品・サービスの多様化を図ります。

株式会社SBI証券においては、外国株式のサービス拡充や全自動AI投資「SBIラップ」の投入、不動産小口化信託受益権等の不動産関連商品のラインナップ拡充等に加え、NISAやiDeCoの制度拡充を捉え、同制度を利用する顧客の獲得に注力します。

また、SBI新生銀行グループにおいては、株式会社SBI証券、SBIマネープラザ株式会社と金融商品仲介業・銀行代理業における連携や、アルヒ株式会社との住宅ローン事業における連携の強化を図ります。

さらに暗号資産事業においては、当企業グループで取り扱う銘柄や商品ラインナップの拡充、ステーキングサービス等の運用サービスの拡充・強化により、他社からの顧客の取り込みを図ります。加えて、将来的な収益力強化に向けてM&Aによる事業拡大を図っており、2023年3月に暗号資産取引所「BITPOINT」を運営する株式会社ビットポイントジャパンを完全子会社にしました。

 

事業分野の多様化

今後不安定な経済環境が想定される中で、個人・法人ともに資産運用が重要な役割を果たすことが想定されます。そこで、当社は資産運用事業を中核的事業に位置付け、M&AやJV設立等も活用し顧客の資産運用ニーズに適う運用商品を提供することで、2028年3月末までに当企業グループにおける運用資産残高20兆円の達成を目指します(2023年3月末の運用資産残高は7.9兆円)。

さらには、国内外で革新的な技術を取り入れたWeb3などの新たなビジネス領域を開拓していきます。具体的には、ブロックチェーン・分散型台帳技術(DLT)等を技術基盤にしたプラットフォームの構築や、デジタルアセットに関連する様々なサービスの市場創出に貢献することにより、新たな顧客層へのアプローチを図ります。

 

株式会社SBI新生銀行は2021年12月に当社の連結子会社となって以降、様々な施策を通じて、当企業グループとのシナジーを追求し顧客や収益基盤の強化等を進めてきました。

しかしながら、株式会社SBI新生銀行の上場を維持したままでは、短期的には少数株主にとってその意義が容易に汲み取りにくい先行投資や一時的なコスト増となる取組みの実施が困難であったり、当企業グループとの取引を実施する場合には少数株主の利益を配慮した意思決定プロセスが必要なため、迅速な判断が難しい等、中長期的な成長の観点から必要な施策を迅速かつ柔軟に実施することは難しく、両グループのさらなる企業価値向上のためには、株式会社SBI新生銀行を非公開化することで、両グループの連携をさらに強化し、グループ全体の経営資源配分の最適化を図り、グループ横断で各社のリソース・アセットを戦略的に組み合わせて活用していくことが必要と判断しました。

そこで当社グループは、2023年5月15日から同年6月23日まで、当社の100%子会社であるSBI地銀ホールディングス株式会社を公開買付者として、株式会社SBI新生銀行株式の公開買付けを実施し、その決済開始日である同年6月30日時点の当社グループにおける株式会社SBI新生銀行株式の所有割合は53.74%(※)となりました。この公開買付けを通じた対象者株式の取得及びその後のスクイーズアウト手続きを通じて、株式会社SBI新生銀行は、SBI地銀ホールディングス株式会社、預金保険機構及び整理回収機構のみが株主となる形で上場廃止となる見通しです。

※所有割合の計算においては、株式会社SBI新生銀行の2023年3月31日現在の発行済株式総数から、同日現在の自己株式数を控除した株式数に係る議決権数を分母として計算しております。

なお、当社は株式会社SBI新生銀行における公的資金の返済を最重要な経営課題の一つとして認識しており、約3,494億円の公的資金返済への道筋を早期につけることが社会的な責務であると考えています。株式会社SBI新生銀行の非公開化を通じて、株式会社SBI新生銀行の収益性改善に関する施策をさらに推し進めることは、公的資金返済にも資するものと考えています。

また本公開買付けに際し、当社は預金保険機構、整理回収機構及び株式会社SBI新生銀行との間で「公的資金の取扱いに関する契約書」を締結し、2025年6月末までに公的資金返済に関する具体的仕組みについて4者間で合意しています。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当企業グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において当企業グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ

当企業グループは創業以来、「企業は社会の一構成要素であり、社会に帰属しているからこそ存続できる」という変わらぬ考えのもと、社会の維持・発展に貢献することを目指しています。

常に時流を捉え、世のため人のためとなるような革新的な事業を創造することこそが、社会的責任の遂行と持続的な成長の要であると考えています。

また、人に徳があるように企業にも「社徳」があり、企業としての社会的責任を果たすことで「社徳」が高まり、企業を取り巻く幅広いステークホルダーから信頼される「強くて尊敬される企業」となると考えています。

こうした方針や考え方は、当企業グループの経営理念に適うものでもあり、常に社会に必要とされる企業グループであり続けるため、役職員は事業活動の推進においてこの企業哲学を反映させています。

当企業グループは、社会的正義に照らして正しいことを実践するとともに、“Strategic Business Innovator(戦略的事業の革新者)”として、現状維持で良いのか常に自らに問いかけることで、今後も様々な事業活動を通じて社会課題の解決に貢献し、持続可能な社会の実現と継続的な社会価値の向上を目指していきます。

 

①ガバナンス

当社は、業務執行取締役で構成され代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」を当社取締役会の下に設置しています。同委員会は、SBIグループの経営戦略の一環として、サステナビリティに関する戦略的な取り組みを議論し決定するだけでなく、取り組み状況の確認・審議を行い、その内容を必要に応じて取締役会に報告しています。また、同委員会での審議を経て決定されたサステナビリティ施策を、同委員会の事務局を担う「サステナビリティ推進室」を通じて、グループ各社に連携し当企業グループ全体に展開・推進しています。

当社はこのように、社会課題解決に向けた取り組みを適切に管理する体制を整え、施策の更なる実効性を確保しています。

 

<SBIホールディングス サステナビリティ推進体制図>

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②戦略

当社では、実業(本業)の事業活動を通じて社会に貢献することを第一の目標とするのは当然として、より直接的にも社会に貢献するような戦略を構築し実践することで企業の社会性は持続的に高まると考えています。

本業では、革新的技術に対する徹底的な信奉により、テクノロジーの力で世の中の様々な不条理な部分を、特に金融面で変え、新たな付加価値を創出していくことが当企業グループの大きな事業ミッションです。また、これまでベンチャー企業が成長資金を得られにくい状況下で、当企業グループのベンチャーキャピタルがリスクキャピタルを供給して、ベンチャー企業を育てていくことでも社会貢献をしています。

もう一方で、児童福祉も同じく深刻な問題で、それを微力ながら改善することができれば、それは当企業グループの進めている大きな事業ミッションとも一致するのではないかと考え、公益財団法人SBI子ども希望財団を通じた児童福祉の向上に取り組み続けています。

このように、当企業グループではこれまでも様々な事業活動を通じて社会課題の解決に貢献してきましたが、昨今、社会課題の解決による持続可能な社会の実現と、持続的な企業価値向上の両立を図ることの重要性がより一層増していることを踏まえ、2021年11月の「サステナビリティ委員会」ならびに「サステナビリティ推進室」の設置以降、当企業グループのサステナビリティの推進をより一層強化しています。そして、「課題解決に向けてどのような貢献が可能か」「課題解決に向けた取り組みが中長期的なグループ戦略とアラインするか」等の観点から優先的に取り組むべき課題を特定し、「SBIグループのマテリアリティ(持続的な企業価値向上のための重要課題)」として策定しています。

 

 

SBIグループのマテリアリティ

具体的な取り組み例

新たな社会潮流や顧客ニーズを捉えた付加価値の創出

・一人ひとりのライフスタイルに沿った資産形成機会の提供

・顧客便益性を一層高める金融サービスの提供

・デジタルアセットを基盤とする企業生態系の構築

新産業の育成と技術革新への貢献

・21世紀の中核的産業の創造および育成

・革新的な金融サービスの提供

・業界横断的な技術の拡散

ステークホルダーと協働した社会課題の解決と経済の活性化

・地方創生に寄与する事業の推進

・パートナー企業とのアライアンスの拡大と深化

・価値共創によるイノベーションの促進

豊かで健康的なサステナブル社会の実現

・サステナブルファイナンスの提供

・グリーン・イノベーションやESGを意識したインパクト投資や、ライフサイエンス、ヘルスケア関連の有望なベンチャー企業への投資

・超高齢社会への対応として、5-アミノレブリン酸(5-ALA)事業等を通じた健康支援

・医療情報のデジタル化やビッグデータの活用による医療の高度化に貢献

将来を担う世代への支援

・公益財団法人SBI子ども希望財団を通じた児童福祉の充実及び向上への寄与

・学校法人SBI大学院大学を通じて次世代を担う人物の育成

多様な価値観を尊重し受け入れる組織風土の醸成

・ダイバーシティ&インクルージョンの推進

・従業員の能力開発を通じた人材価値の継続的な向上

・個性や人との違いを尊重できる柔軟な働き方の整備

持続的成長を実現する企業体制の強化・充実

・透明性、独立性が確保された意思決定プロセスの構築

・事業機会とリスクを想定した経営戦略の立案やリスクマネジメントの実行

・内部統制システムの整備と適正な運用

 

③リスク管理

当企業グループは、サステナビリティへの対応の不備等を、経営に多大な影響を及ぼす経営戦略上の重要なリスクであると認識し、サステナビリティに係るリスクと機会の特定を行っています。

当社においては、リスク管理の定常的な枠組みとして企業活動を阻害する可能性のあるリスクを把握し、適切に評価・管理するため、リスク管理に関する責任者としてリスク管理担当役員を定めるとともに、リスク管理部門としてグループリスク管理統括部を設置し、統合的なリスク管理を実施しています。グループリスク管理統括部では、サステナビリティに起因するリスクを認識し、

・信用リスク(投融資先の財務状況の悪化等により、投融資資産の価値が減少又は消失し損失を被るリスク)

・市場リスク(金利・株価・為替・不動産価値等の変動により損失を被るリスク)

・オペレーショナルリスク(内部プロセス・人・システムが不適切であること、もしくは機能しないこと、又は外生的事象が生起することから生じる損失に係るリスクならびにレピュテーションリスク)

・流動性リスク(当企業グループの財務内容悪化等により必要な資金が確保できない場合や、通常より著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク)

等が齎す影響を総合リスク管理の枠組みに統合し、サステナビリティ推進室との連携、リスクの特定と対応の深化を実施しています。また、サステナビリティに係る新規リスクが想定される、もしくは顕在化した場合には、当該リスクの発生部門又は発生会社において対応・管理方法を構築し、リスク管理統括部門が適宜モニタリングを行い、サステナビリティ推進室と連携します。

 

<総合リスク管理体制図>

0102010_002.png

 

 

④指標と目標

「SBIグループのマテリアリティ」における一部の取り組みについては目標を設定しています。上記ガバナンスにおいて各進捗状況をモニタリングし、達成された目標については随時アップデートを行います。

 

 

SBIグループのマテリアリティ

目標

新たな社会潮流や顧客ニーズを捉えた付加価値の創出

・お客様サービスにおいて顧客満足度評価など第三者による評価で高水準を維持する

・SBI証券でのネオ証券化は、2024年3月期上半期中の具現化を目指す

新産業の育成と技術革新への貢献

・最先端のサービス・テクノロジーへ投資を行う1,000億円規模の新ファンドを2023年度に設立する

・セキュリティ・トークン(ST)等の次世代金融商品の普及に向けて、ST流通市場を2023年内に創出

ステークホルダーと協働した社会課題の解決と経済の活性化

・日本全国の事業承継支援のため、2025年までに累計で1,000億円規模のファンド設立を目指す

・地域金融機関のシステムコストの削減及び平準化に向けて次世代バンキングシステムを開発し、2030年度までに地域金融機関10行での導入を目指す

豊かで健康的なサステナブル社会の実現

・2030年度末までに累計5兆円のサステナブルファイナンスを組成する

・当企業グループは国家目標である2050年カーボンニュートラル実現に向けて、当企業グループの温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1、2)を2050年度までにネットゼロとすることを目標とし、中間目標として2030年度までに2018年度比で33%削減する

多様な価値観を尊重し受け入れる組織風土の醸成

・SBIホールディングスの女性管理職比率は2025年まで継続して20%以上を維持する

・当企業グループの外国籍社員比率は2025年までに40%以上を目指す

持続的成長を実現する企業体制の強化・充実

・グループ全体でのコンプライアンス体制構築のための会議や役職員向けのコンプライアンス研修を定期的に実施する

・年に1回以上、取締役会の実効性に関する分析・評価を実施し、結果を公表する

 

また、公益財団法人SBI子ども希望財団における活動としては、被虐待児童が生活する児童養護施設の小規模化への助成事業、児童福祉施設等への寄付や児童養護施設の職員を対象とした研修、施設退所後の子どもたちの自立支援のほか、オレンジリボン運動の推進など児童虐待防止啓発活動も積極的に行っています。本財団による寄付実施金額は、2006年3月期から2023年3月期までの累計で約11億6,600万円です。施設職員への研修は18回を終了し、卒業生は約1,800名となっています。また、SBI子ども希望財団は児童虐待防止の社会的啓発運動である「オレンジリボン・キャンペーン」を後援しており、毎年11月の虐待防止強化月間には当企業グループの役職員一同、オレンジリボンの着用や社内外への啓発活動に取り組んでいます。2023年3月期の当企業グループ社員によるグッズ購入等を通じたオレンジリボン運動への寄附は約150万円となりました。

 

<SBI子ども希望財団による寄付実績(2006年3月期~2023年3月期)>

施設(児童養護施設や乳児院等)への寄付(累計)

985百万円

寄付を実施した施設数(延べ)

686施設

自立支援のための寄付(累計)

169百万円

福祉団体等活動助成事業(累計)

12百万円

 

(2)気候変動への対応(TCFD提言への取り組み)

 

①ガバナンス

気候変動に関するガバナンスは、サステナビリティの推進体制に組み込まれています。詳細については「(1)サステナビリティ①ガバナンス」を参照ください。

 

②戦略

当企業グループは、気候変動を社会が直面する重要な課題の一つとして捉え、地球の平均気温が4℃、1.5℃上昇することを想定した2つのシナリオを用いて、気候変動に係るリスクと機会の特定を行っています。当企業グループの主要事業である証券事業および投資事業(プライベート・エクイティ)においては気候変動により被る損失は軽微であると認識していますが、当企業グループでは脱炭素社会の実現に向け、グループの各事業会社における多様なソリューション提供を通じて、環境・社会に関する課題解決に取り組んでいます。また、温暖化の国際枠組み「パリ協定」で掲げられた目標に沿って、産業革命前より世界全体の気温上昇を1.5℃以内に抑えることに貢献することが重要であると認識し、当企業グループにおける温室効果ガス(GHG)排出量の可視化にも取り組んでいます。

 

リスク:

区分

種類

想定されるリスク

時間軸
(※)

影響度

証券事業

投資事業
(プライベート・エクイティ)

4℃

1.5℃

移行
リスク

法制

法規制

炭素税をはじめとするカーボンプライシングの導入、再生可能エネルギーの使用や省エネに係る政策によるコストの増加

短期~
長期

技術

市場

投資先企業の有する技術の陳腐化や、投資先企業が環境配慮型事業に移行できないことによるバリューダウン

短期~
長期

評判

環境配慮型ビジネスへの転換を行わない場合の当社のレピュテーションリスクの増加

短期~
長期

物理的
リスク

急性

異常気象(台風、洪水、高潮等)による店舗およびオフィスへの物理的な損害およびシステム障害への対応コストの発生

中期~
長期

慢性

データセンターやオフィスの空調コストの増加

中期~
長期

※時間軸における短期は0~3年、中期は4~10年、長期は11~20年を想定

 

 

機会:

区分

種類

想定される機会

時間軸
(※)

影響度

証券事業

投資事業
(プライベート・エクイティ)

4℃

1.5℃

機会

脱炭素
社会の発展

・脱炭素に貢献する事業を展開する企業の価値向上に伴う、当該企業が発行する株式等の金融商品取扱量の増加

・当該事業分野でのM&Aニーズの増加による関連事業の提供機会の増加

・ESG投資選好の高まりに関連する事業機会の拡大

・脱炭素に貢献する事業を展開する投資先企業の価値向上に伴う収益機会の増加

・ベンチャーキャピタル(VC)ファンドへの投資ニーズの増加を通じたファンド出資者の獲得機会の増加

短期~
長期

気象パターンの変化

・防災及び減災に貢献する事業を展開する企業の価値向上に伴う、当該企業が発行する株式等の金融商品取扱量の増加

・当該事業分野でのM&Aニーズの増加による関連事業の提供機会の増加

・防災及び減災に貢献する事業を展開する投資先企業の価値向上に伴う収益機会の増加

・VCファンドへの投資ニーズの増加を通じたファンド出資者の獲得機会の増加

短期~
長期

※時間軸における短期は0~3年、中期は4~10年、長期は11~20年を想定

 

2030年度における財務インパクト予測(2020年度比):

気候変動がSBIグループの証券事業および投資事業を通じて齎す、当社グループの操業に係る連結業績への財務的影響額は以下の通り軽微なものと認識しています。

 

4℃シナリオ:66百万円

1.5℃(2℃) シナリオ:169百万円

(参考)SBIホールディングス 2023年3月期 税引前利益 100,753百万円

 

※ 証券事業および投資事業(プライベート・エクイティ)における、炭素税・排出権取引導入によるコスト増、電力価格のコスト増、ZEB対応コスト増、気温上昇による冷房コスト増、年平均の洪水被害額、年平均の高潮被害額、年平均の営業停止損害額による財務インパクト予測の総額を記載。

 

当企業グループでは脱炭素社会の実現に向け、以下のようなグループの各事業会社における多様なソリューション提供を通じて、環境・社会に関する課題解決に努めていきます。

 

・グリーンボンドをはじめとしたSDGs債の発行支援(SBI証券)

・サステナブルファイナンス/インパクトファイナンス(SBI新生銀行)

・優れたESG関連ファンドを表彰(ウエルスアドバイザー)

・ESG関連ファンドの組成・運営(SBIアセットマネジメント)

・SDGsを踏まえた投資先の選定(SBIインベストメント)

・営農型太陽光発電の開発事業(SBIエナジー)

 

気候変動の進展に伴う物理的リスクへの対応としては、SBIホールディングスおよびグループ各社において、BCPプラン等を策定しています。

また投資先企業においても、脱炭素化に向けた取り組みは、当該企業の成長に資する可能性が示唆されることから、今後、当企業グループの投資事業(プライベート・エクイティ)においては、投資先企業に対しESG対応を促すことを含めたフルハンズオンでのエンゲージメントを行うことを検討していきます。

 

③リスク管理

気候変動に関する主なリスクは、総合リスク管理体制に組み込んで管理しています。詳細については「(1)サステナビリティ③リスク管理」を参照ください。

また今後は、グループ横断的にシナリオ分析を深化させるとともに、気候変動リスクの定量化と、気候変動が齎す当企業グループ全体への影響について、統合的に評価・管理する体制の構築を進めていきます。

 

④指標と目標

当企業グループは、気候変動が経営に及ぼすリスクと機会等の影響を測定・管理するための指標として温室効果ガス(GHG)排出量を選定しています。

国家目標である2050年カーボンニュートラル実現に向けて、SBIグループのGHG排出量を2050年度までにネットゼロ(Scope1、Scope2)とすることを目標とし、中間目標として2030年度までに2018年度比で33%削減することを掲げています。また、当企業グループのScope3排出量の規模を把握するべく各カテゴリーの算定に着手しています。

 

GHG排出量の推移                                 (単位:t-CO2)

 

2018年度

2019年度

2020年度

2021年度

2022年度

Scope1

108

107

85

1,299

1,482

Scope2

3,621

4,140

4,463

18,191

12,030

合計

3,729

4,246

4,548

19,490

13,512

Scope3

-

-

-

-

1,286

※集計範囲:SBIホールディングスおよび主なグループ会社の国内拠点を対象に、GHGプロトコルで定義されるScope1(化石燃料等の使用に伴う直接排出)、Scope2(購入した電気・熱の使用に伴う間接排出)、Scope3(事業者の活動に関連する他者の排出)の各排出量を記載。2021年度からはSBI新生銀行グループを含む。

※Scope3は出張(カテゴリー6)、通勤(カテゴリー7)が対象

 

従来型の火力発電等に依拠した電力調達は、GHG排出量が大きいだけではなく、国家政策や資源価格の影響を受けてコストが変動するリスクがあります。SBIグループでは、電力調達コスト安定化の観点からも、再生可能エネルギーによる電力へ切り替えていくことが望ましいと考えています。SBIホールディングスが入居する泉ガーデンタワーでは、省エネの推進や非化石証書※1等を用いた再生可能エネルギー由来の電力への契約切り替えを推奨しており、2022年4月からSBIグループが入居するオフィスの大部分において、グリーン電力※2への切り替えを行いました。引き続きGHG排出量削減に一層資する取り組みを検討していきます。

 

※1 グリーン電力に伴って発生する“CO2を排出しない価値(環境価値)”を経済産業省公認で証書化したもの。

※2 主に太陽光、風力、水力等の「再生可能エネルギー」から作られる電力。

 

(3)人的資本

当企業グループは人こそが創造性の源泉であり、競争力の源泉となる差別化をもたらす主因であると考えています。そして、人的資源こそが最も価値ある戦略的資源と捉えており、当社では人事担当執行役員がダイバーシティ&インクルージョンを含めた人材価値向上の戦略策定と実行を担っています。既存の概念にとらわれず、イノベーションを実現する「総合企業グループ」として、開かれた雇用機会の提供、充実した人材育成体制の整備、公正で意欲に応える評価・処遇制度の実現などを通じて、独自の企業文化を育み継承する人材を育成し、健全な労働意欲の醸成を促進しています。

 

①ガバナンス

当企業グループの人材価値向上に関しては取締役会において方針の議論を行い、具体的な課題や各種施策(重要な組織の新設・改編、主要ポジションの任免や重要な人事施策の新設・改廃等)に関する検討、進捗状況の共有を行っています。グループ各社の人材ニーズ等については当社人事部門がグループ横断的に情報を収集し、必要な役職員の派遣や配属を行い組織力の強化を図っています。次世代の経営陣幹部の育成等に係る取締役会の機能や審議プロセスについては、取締役会の下に独立した諮問機関として設置され、委員の過半数を独立社外取締役で構成する経営諮問委員会が適切に関与しています。また、評価制度・教育体系・報酬制度等はグローバル共通の仕組みを導入し、グループ全体で推進しています。

グループ各社の人事責任者による会議も定期的に開催し、SBIグループ全体の人材開発の方針等について共有・議論しています。

 

②戦略

人間性を重視した登用、社会の維持・発展に貢献する人材の育成こそがお客さまに役立つ財・サービスを提供するために必要不可欠であり、サステナブルな経営を推進していく上で重要な構成要素の一つであるとの考えのもと、人材育成、ダイバーシティ&インクルージョンならびに働きやすい職場づくりに係る各種施策を通じて「人材価値」向上に取り組んでいます。

 

<人材育成>

施策1. 開かれた雇用機会の提供

当企業グループでは採用において、プロフェッショナルとしての職歴だけではなく人間性を重要視した基準を設けています。従業員には、仕事ができ人間的にも優れた人物であることを求めますが、人種・国籍・性別や学歴等は一切問いません。2006年度から開始した新卒採用活動においてもこの基準に照らし、多様なバックグラウンドを持つ将来性の高い人材を多数採用してきました。

また、今後は高度な専門性が必要な業務を担当する人材の確保がより一層重要になると考え、中途・新卒に関わらず、優秀な人材を積極的に登用しています。2018年には給与処遇および勤務形態について、既存の枠組みとは異なる対応が可能となる高度専門職制度を設けました。2022年4月からは、新卒初任給および入社3年目までの給与テーブルの大幅な引き上げを行うとともに、役職員全員にグループ連結業績を反映させた報酬制度を導入しています。

 

施策2. 企業理念の浸透

社員の9割超が中途採用であることを踏まえ、当企業グループの理念・企業文化を理解し実践できる人材の育成に取り組んでいます。自身が所属する部署のみを近視眼的に考えるのではなく、グループ全体の相乗効果も視野に入れた取り組みを行えるよう、継続的に研修を実施しています。更に、経営トップが自らの経営論・企業観について執筆した書籍を通じて、従業員の人間学や経営学の教育向上、社内における一体感の醸成、相互の意思疎通を図っています。

 

施策3. 公正で意欲に応える処遇

従業員の処遇は成果のみならず、結果にいたるプロセスをも重視しています。また、公正・公平な評価に努める観点から、上司だけでなく部下や同僚など多方面より評価を行う360度評価を実施しています。このような多面的な評価と半期ごとの目標達成度をもとに、経験、能力、業績への貢献度等に応じた総合的な判断で各従業員の処遇が決定される仕組みとなっており、「功ある者には禄を与え、良識・見識ある者には地位を与える」という方針を貫いています。

 

施策4.「有為な人材」を育成するための取り組み

当企業グループは、日本の未来を担う「有為な人材」を一人でも多く輩出していきたいと考えています。私たちが育成を目指す「有為な人材」とは、一部門・一企業の利益に貢献するだけではなく、広く経済・社会に貢献しようとする高い志を有し、ビジネスにおける高い専門性を備え、国際的視野を持ち、確たる倫理的価値観と実行力を伴う胆識を備えた人物のことを言います。

そうした観点から、2008年にSBIグループの全面支援によりSBI大学院大学が開校しました。SBI大学院大学では、高い意欲と志を有する受講生を社外から広く集め、知識を詰め込む「知育」ではなく、人間力を磨くことを主眼とした「徳育」を重視し、人間学を学ぶ機会を提供しています。また、教育プログラムに最先端の経営学の知見を取り入れ、実践的な学問=「実学」を学ぶ機会も提供しています。一方的に知識を吸収するだけではなく、様々な背景と個性を有する人々―教える者と学ぶ者、あるいは学ぶ者同士―との相互対話と切磋琢磨とによって、「有為な人材」の育成を図ります。

当企業グループにおける人材育成にあたっては、各種専門知識に関するOJTに加え、このSBI大学院大学を活用した研修を行っています。上級管理職を目指す社員に向けては「SBIグループ上級管理職研修」の修了を昇格要件と定めるほか、より広範にマネジメントを学びたい社員に向けてはSBI大学院大学への企業派遣制度を設けています。2023年3月末現在、この制度を通じて157名がMBAを取得しています。また新入社員に対しては、早期から当企業グループの経営幹部としての知見や経営観を習得させるべく、当社独自の課題研修を行っています。2週間に一度、新入社員に小論文の提出を課し、社長を含めた経営陣が評価しています。

その他、従業員の自己啓発の促進のために、2016年10月に導入した資格取得支援制度の対象となる資格の見直しを行い、従来制度で対象としていた33資格から新たに19資格を追加し、受験料補助の対象を52の資格にまで拡大しています(2023年3月1日施行)。

 

<SBIグループの人材育成プロセス>

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<ダイバーシティ&インクルージョン>

イノベーションを生み出す企業であり続けるため、役職員の多様性を尊重すると共に、あらゆる人材が活躍できる職場環境づくりに注力しています。

 

施策5. 多様な人材の活用

当企業グループでは、持続的成長を実現しイノベーションを生み出す企業であり続けるには、人種、国籍、性別、性的指向、障がいの有無等にかかわらず、多様な人材が互いの価値観や個性を認め合い、それぞれの能力を最大限に発揮し、共に成長できる環境が必要であると考えています。こうした考え方のもと、SBIホールディングスでは人事担当役員がダイバーシティ&インクルージョンの責任者を務めています。

25ヵ国・地域へ展開する当企業グループにあって、海外拠点の従業員割合は21.7%となっています。また、優秀な人材に対しては、その属性を問わず積極的に登用・昇進させる姿勢を徹底しており、現在では女性管理職の比率(国内連結)も18.4%となっています(いずれも、2023年3月末時点の値)。なお、2015年3月からは定年後の再雇用の上限年齢を撤廃しています。

 

<働きやすい職場環境づくり>

当企業グループでは、あらゆる人材が常に最大限のパフォーマンスを発揮することができる働きやすい職場環境を整えるべく、様々な施策を行っています。

 

施策6. 柔軟な働き方の推進

男女問わず、介護・育児といった特定の理由に限定せずに正社員が短時間勤務を選択できる短時間正社員制度を導入しています。更に、新型コロナウイルス感染症予防対策の一環として導入していた時差出勤も正式に制度化しました。

また、2018年には「健康経営宣言」を制定し、従業員が健康保持・増進に取り組みやすい環境を積極的に整えています。産業医による「健康個別相談会」を毎月実施し、希望者に応じて対面及び電話、文書等での面談を実施するなど、従業員の健康に配慮しています。長時間労働はメンタルヘルス不調を誘引する可能性があることから、当社では2015年から全社的に是正に向けた取り組みを積極的に実施しています。2016年からは、従業員向けに実施が義務付けられたストレスチェックを行っており、今後はストレスチェックから収集した定量データを丹念に分析し、グループ各社の業務特性や職場環境の把握に努めるとともに、より従業員の健康維持に効果的な施策を検討していきます。

また、従業員の自己実現の場を提供するとともに、人材の有効活用や適材適所を実現する意図から、「キャリアオープン制度」を導入しています。この制度は従業員自らが希望するグループ内の事業会社等への異動願いを申告するもので、これまで多数の従業員がキャリアチェンジを実現しています。

さらに、業務の効率化・生産性の向上に向けては、グループを挙げてRPAの導入を推進し、各種ルーティン業務の自動化を図っています。

 

③リスク管理

当企業グループ全体を通じた課題として、急速に拡大した事業を支える優秀かつグローバルな人材の確保と社員の能力開発を通じて人的資源の継続的な向上を図ることがますます重要となっています。こうした取り組みが十分になされないことは、当企業グループの持続的な成長と発展において最大のリスクであると考えています。そのため、性別、国籍、人種等に関わらず当企業グループの経営理念に共感し即戦力となる優秀な人材の採用活動のさらなる強化と共に、独自の企業文化を育み継承する人的資源の確保として新卒採用を継続して実施しています。2006年4月から採用を進めてきた新卒採用者は、急速に拡大する当企業グループの未来を担う幹部候補生として、既に各々重要なポジションで活躍しています。今後もより優秀かつグローバルな人材の確保と、社員のキャリア開発を促進し、当企業グループの持続的な成長と発展を図っていきます。また、SBI大学院大学の活用による人材教育の拡充やM&A等を通じた優秀な即戦力人材の獲得も併せて促進しています。

外部からのより優秀かつグローバルな人材の確保と、社員のキャリア開発を促進し、リスク低減に努めています。

 

 

④指標と目標

各指標については以下及び「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4)多様性に関する指標」を参照ください。

 

<人材育成>

・従業員一人当たりの年間研修時間

年度

2020年度

2021年度

2022年度

時間

15.76

15.63

13.38

※国内連結子会社(SBI新生銀行グループは除く)の従業員を対象に実施している新入社員向けの課題研修・上級管理職研修・SBI大学院大学への企業派遣制度(MBA)・各種e-ラーニングを含む

 

<ダイバーシティ&インクルージョン>

・SBIグループの外国籍社員比率

年度

2020年度

2021年度

2022年度

43.0

42.3

37.7

※国内連結子会社(SBI新生銀行グループは除く)

 

・管理職に占める女性従業員の割合

年度

2020年度

2021年度

2022年度

24.6

26.5

24.7

※当社単体

 

・女性採用者数

年度

2020年度

2021年度

2022年度

750

933

1,327

※国内連結子会社

 

・中途採用社員の管理職比率

年度

2020年度

2021年度

2022年度

84.4

81.1

83.1

※当社単体

 

目標については当企業グループのマテリアリティに組み入れ、以下の目標を設定しています。「(1)サステナビリティ④指標と目標」を参照ください。

 

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項を以下に記載しております。当該事項が顕在化する可能性の程度や時期、当該事項が顕在化した場合に当企業グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるものについては記載しておりません。他方、当企業グループは、これらの潜在的なリスクを認識した上で、かかるリスクの回避並びに顕在化した場合の低減に向けて当社及び当企業グループ各社にリスク管理担当役員を任命し、当企業グループのリスクを洗い出すとともにリスク対応策を策定し、リスクの低減に努めております。また、リスク管理態勢が機能しているか内部監査部門による監査を実施する等の様々な施策を講じており、引き続き適切な対応に努めてまいります。

なお、本項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書の提出日(2023年6月29日)現在において判断したものであります。

 

事業全般のリスクについて

1)複数事業領域への事業展開に伴うリスク

当企業グループは金融分野及び非金融分野の多岐にわたる業種の企業で構成されております。また、当企業グループには複数の上場会社が存在しております。このような多様性により、当企業グループは単一の領域で事業を展開している企業には見られないような課題に直面しております。具体的には以下の3点があげられます。

・様々な分野の業界動向、市場動向及び法的規制等が存在します。したがって当企業グループは様々な事業環境における変化をモニタリングし、それによって影響を受ける事業のニーズに合う適切な戦略を持って対応できるよう、リソースを配分する必要があります。

・当企業グループの構成企業は多数あることから、事業目的達成のためには説明責任に重点を置き、財政面での規律を課し、経営者に価値創造のためのインセンティブを与えるといった効果的な経営システムが必要です。さらに多様な業種の企業買収を続けている当企業グループの事業運営はより複雑なものとなっており、こうした経営システムを実行することはより困難になる可能性があります。

・多業種にまたがる複数の構成企業がそれぞれの株主の利益になると判断し共同で事業を行うことがあります。こうした事業において、期待されるようなシナジー効果が発揮されない可能性があります。

 

2)当企業グループの構成企業における議決権の所有割合又は出資比率が希薄化される可能性があります

構成企業は株式公開を行う可能性があり、その場合、当該会社に対する当企業グループの議決権の所有割合は希薄化されます。さらに、構成企業は成長戦略の実現その他の経営上の目的のために資本の増強を必要とする場合があり、この資金需要を満たすため、構成企業は新株の発行やその他の持分証券の募集を行う可能性があります。当企業グループはこのような構成企業の新株等の募集に応じないという選択をする、又は応じることができない可能性があります。当該会社に対する現在の出資比率を維持するだけの追加株式の買付けを行わない場合、当企業グループの当該会社に対する出資比率は低下することになります。

構成企業に対する出資比率の低下により、当該企業から当企業グループへの利益の配分が減少することになった場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、出資比率が大きく低下した場合、当企業グループの当該企業の株主総会における議決権の所有割合が低下し、当該企業に対する支配力及び影響力が低下する可能性があります。

 

3)インターネットビジネスに関するリスク

当企業グループの事業は主にインターネット利用等の非対面チャネルでのサービスを提供しており、正確で有益なサービス、コンテンツの提供、安心、安全な利用環境の提供に取り組んでおりますが、システム障害によるサービスの遅延又は中断、不正アクセスによる保有資産の毀損、個人情報の漏洩等の情報システム及びセキュリティに関するリスクが顕在化した場合には、個別企業の商品及びサービスにおける顧客離れや損害賠償責任等が生じることに加え、グループ全体の評判の低下につながることにより、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、インターネットとその関連技術に精通し続けることが当企業グループの成長には不可欠であります。インターネット関連業界は技術革新が継続しており、新技術の登場や異業種からの金融事業への参入により業界の競争環境は変化します。当企業グループはFinTech分野の新技術を活用した新サービスの開発や新たな金融ビジネスの創造を推進しておりますが、新技術や新規参入者への対応が遅れた場合、当企業グループの提供するサービスが陳腐化又は不適応化し、業界内での競争力低下を招く可能性があります。もし今後の環境変化への対応が遅れた場合は、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、重要な技術変革に対応するために新たな社内体制の構築及びシステム開発等の費用負担が発生する場合があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

4)システムに関するリスク

当企業グループのシステム(業務委託先等の第三者のシステムを含みます。)は、事業を行う上で非常に重要な要素の一つであり、適切な設計やテストの実施等によりシステム障害等を未然に防止し、セキュリティ面に配慮したシステムの導入に努めていますが、システム障害やサイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウイルス感染、人為的ミス、機器の故障、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵、新技術、新たなシステムや手段への不十分な対応等を完全には防止できない可能性があります。また、すべてのビジネス要件や規制強化の高まりからくる規制要件に対応するシステムの機能強化への要請を十分に満たせない可能性や、市場や規制の要請に応えるために必要なシステム構築や更新がその作業自体の複雑性等から計画どおりに完了しない可能性があります。その場合、情報通信システムの不具合や不備が生じ、取引処理の誤りや遅延等の障害、情報の流出等が生じ、業務の停止及びそれに伴う損害賠償の負担その他の損失が発生する可能性、当企業グループの信頼が損なわれ又は評判が低下する可能性、行政処分の対象となる可能性、並びにこれらの事象に対応するための費用負担等が発生する可能性があります。

 

5)当企業グループにおける合弁契約の締結、提携の相手先企業に対する法的規制若しくは財務の安定性における変化、又は双方の経営文化若しくは経営戦略における変化

当企業グループは国内外の複数の企業と合弁事業を運営又は提携を行っております。これらの事業の成功は相手先企業の財務及び法的安定性に左右されることがあります。合弁事業を共同で運営する相手先企業に当企業グループが投資を行った後に、相手先企業のいずれかの財政状態が何らかの理由で悪化した場合又は相手先企業の事業に関わる法制度の変更が原因で事業の安定性が損なわれた場合、当企業グループは合弁事業若しくは提携を想定どおりに遂行できない、追加資本投資を行う必要に迫られる、又は事業の停止を余儀なくされる可能性があります。同様に、当企業グループと相手先企業との間の経営文化や事業戦略上の重大な相違が明らかになり、合弁又は提携契約の締結を決定した時点における前提に大幅な変更が生じる可能性があります。合弁事業や提携事業が期待した業績を達成できなかった場合、又は提携に関して予め想定しなかった事象が生じた場合、これらの合弁事業又は提携事業の継続が困難となる可能性があります。合弁事業又は提携事業が順調に進まなかった場合には、当企業グループの評判の低下や、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

6)ブランド及び風評に関するリスク

当企業グループの業容拡大や知名度向上に伴い、グループ内の「SBI」ブランドを冠した一企業に対する評価がグループ全体の評価となり得る状況にあります。このため、当社は「SBI」ブランドの管理を徹底し、グループ各企業におけるブランドの適切な使用とブランド価値の維持向上に向けた取り組みを推進しておりますが、一企業の商品やサービス、顧客対応に対する信頼の毀損やインサイダー取引を含むコンプライアンス違反の他不祥事等がグループ全体のブランドに影響した場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当企業グループの事業分野は安心、安定と顧客の信頼が最も重要とされる業界であることから、当企業グループは顧客又は投資家からの低評価や風評リスクの影響を受けやすい状況にあります。当企業グループ又は当企業グループのファンド、商品、サービス、役職員、合弁事業のパートナー及び提携企業に関連して、その正誤にかかわらず不利な報道がなされた場合、又は本項に記載されたリスク要因のいずれかが顕在化した場合、顧客及び顧客からの受託のいずれか一方又は両方の減少につながる可能性があります。当企業グループの事業運営は役職員、合弁事業のパートナー企業及び提携企業に依存しております。役職員、合弁事業のパートナー企業及び提携企業によるいかなる行為、不正、不作為、不履行、及び違反も相互に関連し合うことで、当企業グループに関する不利な報道につながる可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当企業グループの商号等を騙った詐欺又は詐欺的行為が発生しており、当企業グループに非がないにもかかわらず、風評被害を受ける可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

7)事業再編と業容拡大に係るリスク

当企業グループは「Strategic Business Innovator = 戦略的事業の革新者」として、常に自己進化(「セルフエボリューション」)を続けていくことを基本方針の一つとしております。

今後もグループ内の事業再編に加えて、当企業グループが展開するコアビジネスとのシナジー効果が期待できる事業のM&A(企業の合併及び買収)を含む積極的な業容拡大を進めてまいりますが、これらの事業再編や業容拡大等がもたらす影響について、当企業グループが予め想定しなかった結果が生じる可能性も否定できず、結果として当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当企業グループは適切な投資機会、提携企業、又は買収先企業を見つけることができない可能性があるほか、これらについて適切に見つけることができた場合でも、商取引上許容し得る条件を満たさない、又は取引を完了することができない可能性があります。企業買収に関しては、内部運営、流通網、取扱商品、又は人材等の面で買収先企業及び事業を現存の事業に統合することが困難である可能性があり、こうした企業買収によって期待される成果が得られない可能性があります。買収先企業の利益率が低く、効率性向上のためには大幅な組織の再編を必要とする可能性や、買収先企業のキーパーソンが提携に協力しない可能性があります。買収先企業の経営陣の関心の分散、コストの増加、予期せぬ事象や状況、賠償責任、買収先企業の事業の失敗、投資価値の下落、及びのれんを含む無形資産の減損といった数多くのリスクを有し、それらの一部又は全部が当企業グループの事業、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。企業買収や投資を行う際に、当企業グループが関連する監督官庁と日本国又は当該国政府のいずれか一方又は双方から予め承認を得る必要がある場合、必要な時期に承認を得られない、又は全く得られない可能性があります。また、海外企業の買収によって当企業グループには為替リスク、買収先企業の事業に適用される現地規制に係るリスク、及びカントリーリスクが生じます。これらリスクが顕在化した場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

8)新規事業への参入に係るリスク

当企業グループは「新産業クリエーターを目指す」という経営理念のもと、21世紀の中核的産業の創造及び育成を積極的に展開しております。かかる新規事業が当初予定していた事業計画を達成できず、初期投資に見合うだけの十分な収益を将来において計上できない場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当企業グループが新たに提供する商品又はサービスが既存の法令や会計基準では想定されていない場合、その適用の有無や解釈の確認のために迅速な事業展開が制限され、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、新規事業において新たな法令の対象となる、又は監督官庁の指導下に置かれる可能性があります。これら適用される法令、指導等に関して何らかの理由によりこれらに抵触し、行政処分又は法的措置等を受けた場合、当企業グループの事業の遂行に支障をきたし、結果として当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

9)投融資に係る損失計上及び市況変動に伴う収益悪化リスク

当企業グループは、関連会社への投資を含む多額の投資有価証券を保有しております。そのため、株式市場及び債券市場の状況(例えば、クレジット市況の悪化、金利急上昇等)によって、かかる投資有価証券の評価損計上等による損失が生じる場合があります。また、当企業グループは、事業会社等へ融資も行うことがあり、今後発生し得る様々な要因により、これら融資先企業の業績等が悪化することで貸倒損失が発生する、あるいは信用損失引当金の追加計上等が必要になる場合があります。加えて、不動産市場の状況によって、関連する債権にかかる信用損失引当金の追加計上や損失が生じる場合があります。さらに、調達コスト上昇を価格に転嫁できないことや市況により商品又はサービスの需給が減少することで、営業収益が減少する等のリスクが生じます。このような場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

10)訴訟リスク

当企業グループには各事業分野において、事業運営に関する訴訟リスクが継続的に存在します。訴訟本来の性質を考慮すると係争中又は将来の訴訟の結果は予測不可能であり、係争中又は将来の訴訟のいずれかひとつでも不利な結果に終わった場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

11)リスク管理及び内部統制に係るリスク

当企業グループは、グループ会社に証券会社、銀行、保険会社など複数の金融機関を持ち、国内外において多岐にわたって金融事業を展開しております。そのため、リスク管理態勢やコンプライアンス態勢の更なる強化を図り、グループの財務の健全性及び業務の適切性を確保するとともに、リスク管理及び内部統制のシステム及び実施手順を整備しております。

これらのシステムには、経営幹部や職員による常時の監視や維持、又は継続的な改善を必要とする領域があります。かかるシステムの維持を効果的かつ適切に行おうとする努力が十分でない場合、当企業グループは監督官庁から行政処分や制裁、処罰の対象となる可能性があり、結果として当企業グループの事業の遂行に支障をきたし、経営成績及び財政状態や評判に影響を与える可能性があります。

当企業グループの内部統制システムは、いかに緻密に整備されていたとしても、その本来の性質により判断の誤りや過失による限界を有しております。したがって、当企業グループのリスク管理及び内部統制のためのシステムは、当企業グループの努力にかかわらず、効果的かつ適切である保証はありません。また、内部統制に係る問題への対処に失敗した場合、当企業グループ及び従業員が捜査、懲戒処分、さらには起訴の対象となる可能性、当企業グループのリスク管理システムに混乱をきたす可能性、又は当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

12)利益相反

お客様の利益を不当に害されることがないよう、利益相反のおそれのある取引を適切に管理するために利益相反管理方針を作成しております。また適切な管理のために社内研修等の実施を含めて適切な利益相反管理に必要な体制を整備し、定期的な検証に努めております。利益相反を特定し適切に対処することができない場合、罰則や行政処分の対象となるほか、顧客の信頼を失うレピュテーションの毀損等により、当企業グループのビジネスに悪影響が生じ、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

13)資金の流動性に係るリスク

当企業グループは、事業資金を資本市場におけるエクイティファイナンスのほか、金融機関からの借入や社債の発行等により調達しております。世界経済の危機による金融市場の悪化と、それに伴う金融機関の貸出圧縮を含む世界信用市場の悪化により、有利な条件で資金調達を行うことが難しい、あるいは全くできない状況に直面する可能性があります。また、各国中央銀行の金融政策、金融市場の動向等により金利が上昇した場合、若しくは当企業グループの信用格付が引下げられた場合には、当企業グループの資金調達が制約されるとともに、調達コストが増大する可能性があります。これらの場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

14)デリバティブに係るリスク

当企業グループは、投資ポートフォリオの価格変動リスクを軽減し、金利及び為替リスクに対処するためデリバティブ商品を活用しております。しかし、こうしたデリバティブを通じたリスク管理が機能しない可能性があります。また、当企業グループとのデリバティブ契約の条件を契約相手が履行できない可能性があります。その他、当企業グループの信用格付が低下した場合、デリバティブ取引を行う能力に影響を与える可能性があります。

また、当企業グループは、その一部で行うデリバティブ商品を含む取引活動によって損失を被り、結果として当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

15)当社の収益は、その一部を子会社及び関連会社からの配当金に依存しております

当社は、債務返済を含む支払義務履行のための資金の一部を、子会社やその他の提携先企業、投資先企業等からの配当金、及び分配等に依存しております。契約上の制限を含む規則等の法的規制により、当企業グループと子会社及び関連会社との間の資金の移動が制限される可能性があります。かかる子会社及び関連会社のなかには、取締役会の権限により当該会社から当企業グループへの資金の移動を禁ずる、又は減ずることが可能であり、特定の状況下ではそうした資金の移動全ての禁止が可能となるような法令の対象となっているものがあります。これらの法令によって当企業グループが支払義務を果たすための資金調達が困難になる可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

16)キーパーソンへの依存

当企業グループの経営は、当社代表取締役である北尾吉孝とその他のキーパーソンのリーダーシップに依存しており、現在の経営陣が継続して当企業グループの事業を運営できない場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。キーパーソンの喪失に対処するために経営陣が採用する是正措置が直ちには、あるいは効果を現さない可能性があります。

 

17)商標権等の様々な知的財産権に係るリスク

当企業グループが行う事業には、商標権、特許権、著作権等の様々な知的財産権、特に「SBI」の商標が関係しております。当企業グループが所有し事業において利用するこれらの知的財産権の保護が不十分な場合や、第三者が有する知的財産権の適切な利用許諾を得られない場合には、技術開発やサービスの提供が困難となる可能性があります。また、当企業グループが第三者の知的財産権を侵害したとする訴訟の対象となる可能性があります。特に特許権関連の知的財産権については関連コストが増加する可能性があり、その場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

18)法令及び会計基準の施行又は改正に係るリスク

法令の施行又は改正がなされた場合、当企業グループの事業の運営方法、国内外で提供している商品及びサービスにも影響を与える可能性があります。かかる法令の施行又は改正は予測不可能な場合があり、結果として、当企業グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、会計基準の施行又は改正がなされた場合、当企業グループの事業が基本的に変わらない場合であっても、当企業グループが経営成績及び財政状態を記録する方法に重要な影響を与える可能性があり、結果として当企業グループの事業活動、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

19)繰延税金資産に関するリスク

財務諸表と税務上の資産負債との間に生じる一時的な差異にかかる税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して繰延税金資産を計上しております。

このため税制改正等により法定実効税率が変動した場合には繰延税金資産計上額が減少又は増加し、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

評価性引当額は、将来税務上減算される一時差異及び繰越欠損金などについて計上した繰延税金資産のうち、実現が不確実であると考えられる部分に対して設定しております。繰越欠損金については、回収可能な金額を限度として繰延税金資産を計上することが認められており、当企業グループにおける繰延税金資産も回収可能性を前提に計上しております。

将来の税金の回収予想額は、当企業グループ各社の将来の課税所得の見込み額に基づき算出されます。評価性引当額差引後の繰延税金資産の実現については、十分な可能性があると考えておりますが、将来の課税所得の見込み額の変化により、評価性引当額が変動する場合があります。この場合、繰延税金資産計上額が減少又は増加し、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

20)保険による補償範囲に係るリスク

事業リスクの管理のため、当企業グループは保険をかける場合があります。しかし、こうした保険契約に基づいて全ての損失について、全額が必要な時期に補償されるという保証はありません。加えて、地震、台風、洪水、戦争、及び動乱等による損失等、保険をかけることが一般的に不可能な種類の損失もあります。構成企業のうちいずれか1社でも保険で補償されない、又は補償範囲を超える損失を被った場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

21)天災又は悪天候、テロ攻撃や地域紛争、戦争、感染症の発生・蔓延等により重大な損失を被る可能性について

当企業グループの資産の相当部分は、日本国内にあり、当社純資産の相当部分は日本国内における事業から生じております。当企業グループの海外事業には、同様のあるいは他の災害リスクがあります。日本国内あるいは海外において、当企業グループの事業ネットワークに影響する大きな災害、暴動、テロによる攻撃あるいは他の災害はもとより、感染症の発生・蔓延等は、当社の資産に直接的な物理的被害を与えないとしても、当社の事業を混乱させる可能性があります。また、当企業グループが投資や事業展開を行う地域や国において紛争若しくは戦争等が発生する場合があり、当企業グループや投資先企業等の資産に被害が生じる可能性があります。これら災害等の影響を受けた地域や国における重大な経済の悪化を引き起こした結果、当企業グループの事業、経営成績及び財政状態に支障あるいは影響を与える可能性があります。

なお、世界的な感染拡大が続く新型コロナウイルス感染症に関わるリスクについては、企業等のテレワーク推奨による外出規制・自粛要請や渡航禁止措置等を受け、日本国内のみならず世界的に経済や企業活動への広範な影響が懸念されています。当企業グループが行う国内での金融サービス事業は、インターネットをメインチャネルとし、対面での接客・営業活動が限定されていることから、感染拡大による社会への影響が長期化した場合においても、直接的な影響を受けづらいものと認識しています。一方で、国内外の投資事業は、将来の不確実な経済条件の変動や株式・為替市況の急変によっては直接的な影響を受ける可能性があり、今後、事業環境及び市況が悪化した場合、当企業グループが保有する投資有価証券等について評価損失を計上する可能性があります。

 

22)海外における投資、事業展開、資金調達、及び法規制等に伴うリスク

当企業グループは、海外における投資や事業展開を積極的に進めております。これら投資や事業展開においては、為替リスクだけではなく、現地における法規制を含む諸制度、取引慣行、経済事情、企業文化、消費者動向等が日本国内におけるものと異なることにより、日本国内における投資や事業展開では発生することのない費用の増加や損失計上を伴うリスクがあります。海外における投資や事業展開にあたっては、これに伴うリスクを十分に調査や検証した上で対策を実行しておりますが、投資時点や事業展開開始時点で想定されなかった事象が起こる可能性があります。また、当企業グループが投資や事業展開を行う国が経済制裁対象国となる場合があり、これに関連する取引が存在すること等により、当企業グループが法規制等の影響や風評の悪化等の影響を受ける可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当社の株主構成は、外国人株主の比率が高く、当社の意図とは関係なく結果的に海外における資金調達を行なっているということとなる可能性もあり、その結果、外国の法規制、特に投資家保護のための法規制の影響を受け、その対応のための費用増加や事業における制約等を受ける可能性があります。また、今後は為替リスク回避等を目的として、海外における金融機関からの借入や社債の発行等による資金調達が増加する可能性もあります。これら海外における資金調達を行う場合には、これに伴うリスクを十分に調査や検証した上で実行しておりますが、資金調達時点で想定されなかった事象が起こる可能性もあります。これらの結果、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

さらに、米国や英国による腐敗行為防止のための諸法令、各国当局等による経済制裁関連規制、EUによる一般データ保護規制等のように、当企業グループの海外拠点等所在地における法規制等で、その適用が日本国内を含む他の国における当企業グループ拠点にも及ぶ可能性のあるものがあります。これら法規制等については事前に十分な調査や検証を行いこれら法規制に抵触しないように対応しておりますが、現時点で想定できない事象が生じた場合や対応が不十分であった場合、これら法規制に抵触する可能性もあります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

23)反社会的勢力との取引及びマネー・ローンダリング等に関するリスク

当企業グループは、反社会的勢力との関係が疑われる者との取引を排除すべく、新規の取引に先立ち、反社会的勢力との関係に関する情報の有無の確認や反社会的勢力ではないことの表明及び確約書の締結をするなど、反社会的勢力とのあらゆる取引を排除すべく必要な手続きを行っています。また、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に関しても、当企業グループの商品及びサービスがこれらの不正な取引に利用されないための対策を講じています。しかしながら、当企業グループの厳格なチェックにもかかわらず、反社会的勢力との取引やマネー・ローンダリング等を排除できない可能性があります。このような問題が認められた場合、対策費用の増大、監督官庁等による処分・命令、社会的な評判の低下等により、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

24)サイバーセキュリティに関するリスク

国内外にわたり、事業展開をしている当企業グループでは、深刻化するサイバーセキュリティに対する脅威から顧客及び当企業グループの情報及び資産を保護するため、当企業グループ各社に情報セキュリティ管理責任者を設置しています。これら責任者に対し、当社のグループ情報セキュリティ管理責任者による統括の下、グループCSIRTが支援し、当企業グループ全体の情報セキュリティを確保する体制を整備しています。この当企業グループ横断的な協力体制の下、JIS Q 15001に示される個人情報保護の標準、及びISO/IEC 27001に示される情報の安全管理措置等を参照し、組織管理、技術的対応、人的対応及び外部連携による、情報セキュリティ対策を推進して、継続的に改善を行っています。しかしながら、新たに人的、システム的な脆弱性が顕在化し、サイバー攻撃又は情報セキュリティ事故が発生した場合、個人情報及び機密情報等の毀損、漏洩の被害が生じるおそれがあります。当該被害の結果、当企業グループの信用低下、被害者からの損害賠償請求、及び監督官庁による行政処分を受ける可能性により、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

25)情報紛失・情報漏洩に係るリスク

当企業グループは、国内外の法規制に基づき、顧客情報や個人情報を適切に取り扱うことが求められております。当企業グループでは、顧客情報や個人情報を多く保有しており、情報の保管・取扱いに関する規程類の整備、システム整備を実施し、管理態勢高度化に取り組んでおりますが、不適切な管理、外部からのサイバー攻撃その他の不正なアクセス、若しくはコンピュータウイルスへの感染等により、顧客情報や個人情報等の紛失・漏洩を完全には防止できない可能性があります。その場合、罰則や行政処分の対象となるほか、顧客に対する損害賠償等、直接的な損失が発生する可能性があります。加えて、顧客の信頼を失う等により当企業グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性、並びにこれらの事象に対応するための追加費用等が発生する可能性があります。

 

26)ESGへの取り組みに関するリスク

気候変動や資源問題に代表される環境課題のほか、人権や経済的不平等、食料問題といった社会課題の顕在化を背景に、ESG(環境:Environment、社会:Social、企業統治:Governance)を意識した経営に対する社会の注目や関心が高まる中、当企業グループでは、社会課題の解決による持続可能な社会の実現と、持続的な企業価値向上の両立を図ることが重要であるとの認識のもと、グループの経営戦略の一環としてサステナビリティ施策を議論・決定・管理するサステナビリティ委員会を設置し、その事務局であるサステナビリティ推進室を通じて各施策をグループ全体に展開・推進しています。

当企業グループはこのように、気候変動を含む環境・社会課題解決に向けた取り組みを適切に管理する体制を整え、施策の更なる実効性を確保していく方針ですが、当企業グループの経営体制や事業活動においてESGへの取り組みが不十分であるとステークホルダーに判断された場合、当企業グループに対する評価が低下し、資金調達や人材採用等に影響を及ぼす可能性があります。また、当企業グループの投融資先におけるESGへの対応が不十分である場合、投融資先の企業価値低下や信用状態の悪化により、当企業グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

金融分野におけるリスク

<金融サービス事業に係るリスク>

・証券関連事業に係るリスク

1)証券関連事業に影響を与える事業環境の変化による影響

株式の委託売買手数料は、証券関連事業における主な収益源の一つであり、株式市場の取引高及び売買高等の動向に強い影響を受けます。株式市場の取引高及び売買高は企業収益、為替動向、金利、国際情勢、世界主要市場の変動、又は投資家の心理等の様々な要因の影響を受け、株価が下がると一般的には取引高が縮小する傾向があります。今後、株式市場が活況を続ける保証はなく、株価の下落とともに取引高が減少した場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

2)信用リスク

株式の信用取引は、証券関連事業における主な収益源の一つですが、同取引においては顧客への信用供与を行っており、顧客が信用取引で損失を被る、あるいは代用有価証券の担保価値が下落する等した場合に、顧客が預託する担保価値が十分でなくなる可能性があります。また、信用取引にかかる証券金融会社からの借入のために差入れた有価証券等の担保価値も変動するため、証券市況の変化に伴い、担保価値が下落した場合、追加の担保の差入れを求められることがあり、そのために必要な資金は独自に確保する必要があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当企業グループは、顧客から借入れた株式を他のブローカー・ディーラーに貸付ける場合があります。株式の時価が急激に変化し、株式の貸付先が決済不履行した場合、当企業グループは、損失を被る場合があります。株式市場における変動は、貸株取引を行っている当事者が決済不履行となるリスクをもたらす場合があります。また、当企業グループが貸株業務における顧客基盤を拡充することができず、株式の貸付先である他の証券会社と良好な関係を維持できない場合、当企業グループの評判、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、店頭外国為替証拠金取引は、定められた額の証拠金を担保として預託して行う取引であります。そのため、顧客は証拠金の額に比して多額の利益を得ることもありますが、逆に預託した証拠金以上の多額の損失を被ることがあります。外国為替市況の変動に伴い、預託されている証拠金を超える損失が発生した場合において、その総額又は発生件数によっては、無担保未収入金の増加により貸倒損失が発生する、あるいは信用損失引当金の追加計上が必要になる等、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3)為替変動及びカウンターパーティリスク

当企業グループは、顧客に対する当企業グループのポジションの為替変動等をヘッジするために行う店頭外国為替証拠金取引において、カウンターパーティリスクに直面する場合があります。当該カウンターパーティがシステム障害や業務又は財務状況の悪化等の不測の事態に陥った場合には、顧客に対するポジションのリスクヘッジが実行できないおそれがあり、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

4)引受リスク

当企業グループは、収益源の多様化を図るため、株式等の引受及び募集、仕組み証券組成等の投資銀行業務にも注力しておりますが、引受けた有価証券を販売することができない場合には引受リスクが発生します。有価証券の価格動向によっては、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、特に新規公開株式の引受業務において、当企業グループが主幹事証券として引受業務を行う企業が、新規上場する過程又はその後に評価が低下するような事態が発生した場合には、当企業グループの評価が影響を受け、引受業務の推進に支障をきたす等、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5)私設取引システム(PTS)運営事業に係るリスク

当企業グループが提供する私設取引システムは、複数の証券会社がシステム接続する本格的な取引所外電子取引市場です。しかしながら、システム障害、決済不能若しくは遅延、又は取引参加証券会社の破綻等の不測の事態により市場運営が困難になった場合には、投資家や取引参加証券会社等の当該私設取引システムに対する信頼性と安全性に対する信頼が損なわれ、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

6)証券関連事業における競合について

証券関連事業については、近年の規制緩和やIT技術の発展により競争が激化する一方で、商品及びサービスの多様化・顧客利便性の向上・独自性の発揮が強く求められてきております。このような状況の中で競争力を維持できない場合には、競合他社に取引シェア・収益などで劣後し、収益性の低下を招く可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

7)証券関連事業における法的規制について

① 金融商品取引業登録等

当企業グループの一部の構成企業は金融商品取引業を営むため、金融商品取引法に基づく金融商品取引業の登録等を受けており、金融商品取引法、及び同法施行令等の関連法令の適用を受けております。また、東京証券取引所、大阪取引所、名古屋証券取引所、福岡証券取引所、及び札幌証券取引所の総合取引参加者等であるほか、金融商品取引法に基づき設置された業界団体である日本証券業協会及び(社)金融先物取引業協会の定める諸規則にも服しております。当企業グループ及びその役職員がこれら法令等に違反し、登録等の取消し、又は改善に必要な措置等を命じる行政処分が発せられた場合等には、当企業グループの事業の遂行に支障をきたし、あるいは経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

② 自己資本規制比率

第一種金融商品取引業者には、金融商品取引法及び金融商品取引業等に関する内閣府令に基づき、自己資本規制比率の制度が設けられております。自己資本規制比率とは、固定化されていない自己資本の額の、保有する有価証券の価格変動その他の理由により発生し得るリスク相当額の合計に対する比率をいいます。当該金融商品取引業者は自己資本規制比率が120%を下回ることのないようにしなければならず、金融庁長官は当該金融商品取引業者に対しその自己資本規制比率が120%を下回るときは、業務方法の変更等を命ずること、また100%を下回るときは3ヶ月以内の期間、業務の停止を命ずることができ、さらに業務停止命令後3ヶ月を経過しても100%を下回り、かつ回復の見込みがないと認められるときは当該金融商品取引業者の登録を取り消すことができるとされております。また、当該金融商品取引業者は四半期ごとにこの自己資本規制比率を記載した書面を作成し、3ヶ月間全ての営業所に備え置き、公衆の縦覧に供しなければならず、これに違反した場合には罰則が科されます。

 

③ 顧客資産の分別管理及び投資者保護基金

金融商品取引業者は、顧客資産が適切かつ円滑に返還されるよう顧客から預託を受けた有価証券及び金銭につき、自己の固有財産と分別して管理することが義務付けられております。但し、信用取引により買付けた株券等及び信用取引によって株券等を売付けた場合の代金については、このような分別管理の対象とはなっておりません。また、有価証券関連業を行う金融商品取引業者は投資者保護のために、金融商品取引法に基づき内閣総理大臣が認可した投資者保護基金に加入することが義務付けられており、当企業グループは日本投資者保護基金に加入しております。投資者保護基金の原資は基金の会員である金融商品取引業者から徴収される負担金であり、日本投資者保護基金は、基金の会員金融商品取引業者が破綻した場合には投資家が破綻金融商品取引業者に預託した証券その他顧客の一定の債権について上限を顧客一人当たり10百万円として保護することとなっております。そのため、基金の積立額を超える支払いが必要な会員金融商品取引業者の破綻があった場合、当企業グループを含む他の会員金融商品取引業者は臨時拠出の負担を基金から求められる可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

④ 金融商品販売法及び消費者契約法

金融商品の販売等に関する法律は、金融商品の販売等に際して顧客の保護を図るため、金融商品販売業者等の説明義務及びかかる説明義務を怠ったことにより顧客に生じた損害の賠償責任並びに金融商品販売業者等が行う金融商品の販売等に係る勧誘の適正を確保するための措置について定めております。

また、消費者契約法は、消費者契約における消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差に着目し、一定の場合に消費者が契約の効力を否定することができる旨を規定しております。当企業グループでは、かかる法律への違反がないよう、内部管理体制を整備しております。これらの違反が発生した場合には損害賠償責任が生ずるとともに、顧客からの信頼が失墜する等、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

8)証券関連事業に影響を与えるシステムリスク

当企業グループは、インターネットを主たる販売チャネルとしているため、オンライン取引システムの安定性を経営の最重要課題と認識しており、そのサービスレベルの維持向上に日々取り組んでおります。しかしながら、オンライン取引システムに関しては、ハードウェア及びソフトウェアの不具合、人為的ミス、通信回線の障害、コンピュータウイルス、並びにサイバー攻撃のほか、自然災害等によってもシステム障害が発生する可能性があります。当企業グループでは、かかるシステム障害リスクに備え、365日24時間体制の監視機能、基幹システムの二重化、及び複数拠点におけるバックアップサイト構築等の対応を実施しておりますが、これらの対策にもかかわらず何らかの理由によりシステム障害が発生し、かかる障害への対応が遅れた場合、又は適切な対応ができなかった場合には、障害によって生じた損害について賠償を請求され、当企業グループのシステム及びサポート体制に対する信頼が低下し、結果として相当数の顧客を失う等の影響を受ける可能性があります。また、口座数及び約定件数の増加を見越して適時適切にシステムの開発及び増強を行ってまいりますが、口座数及び約定件数がその開発及び増強に見合って増加しない場合、システムの開発及び増強に応じて減価償却費及びリース料等のシステム関連費用が増加するため、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

9)証券関連事業における顧客情報のセキュリティについて

不正な証券取引注文、重要な顧客データの漏洩又は破壊が起こった場合は、賠償責任を負う場合があり、それが当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、個人情報の保護に関する法律への違反が発生した場合又は顧客データの漏洩若しくは破壊が発生した場合には、顧客からの信頼が失墜する等負の結果が生じ、それによって当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

10)自己勘定によるトレーディング業務に係るリスク

当企業グループは、自己勘定による有価証券・外国為替等に関するトレーディング業務を行っております。当該トレーディング業務では、市場動向や顧客側の取引需要の影響で当企業グループにとって不利な事象が生じ、取引の低迷や保有ポジションの時価変動により損失を被るリスクがあります。トレーディングに係るリスクを低減するため、ヘッジ取引やポジション管理を行うほか、継続的なモニタリングを行っておりますが、想定を超える市場変動等により、ヘッジが有効に機能しない場合やポジションの速やかな処分が進まない場合、取引先が受渡決済を含む債務不履行に陥った場合、保有する有価証券の発行体が信用状況を著しく悪化させた場合には、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

・銀行関連事業に係るリスク

1)銀行関連事業全般に係るリスク

銀行関連事業(銀行業、無担保ローン、クレジットカード・信販及びリース事業等)においては、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、コンプライアンスリスク、オペレーショナル・リスク、システムリスク、情報セキュリティリスク、外部委託にかかるリスク、イベントリスク、風評リスク、自己資本比率悪化リスク、事業戦略リスク、及び規制変更リスク等の広範なリスクへの対応が必要となります。態勢整備が不十分であった場合、当企業グループの事業の遂行に支障をきたす可能性があります。

当該事業は、債券、証券化・流動化商品、デリバティブ取引などの金融商品等への投資を行っております。また、預金・貸出金等の長短金利ギャップに伴う金利リスクを抱えております。そのため、リスク限度の設定、損失額についての損失限度の設定や、個別商品への投資上限の設定等を行い、厳格なリスク管理体制を整備しております。しかしながら、金融市場動向や景気動向等により、予想を超えて金利等の各種経済条件が大幅に変動した場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

2)信用リスク

当企業グループは、顧客の状況、差し入れられた担保の価値及び経済全体の見通しに基づいて、信用損失引当金の額を決定しています。実際の貸倒損失は、予測したそれと大きく異なり、引当額を大幅に上回り、信用損失引当金が不十分となる可能性があります。また、経済状況の悪化により当企業が前提及び見通しを変更したり、担保価値が下落したり、又はその他の要因により予測を上回る悪影響が生じた場合には、貸倒損失が発生する、あるいは信用損失引当金の追加計上が必要になる等、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3)市場リスク

当企業グループは、債券、株式、デリバティブ商品等の多種の金融商品に対し、日本の国内外において、広く取引・投資活動を行っております。これらの活動による業績は、金利、外国為替、債券及び株式市場の変動等により変動しますが、世界的な信用不安や自然災害、感染症拡大等により金融・資本市場が混乱した場合、貸出先顧客の破綻による貸倒等の損失の発生、貸出先顧客の信用力低下によるリスクアセットの増加、急激な株式相場の下落や長期金利の上昇に伴う債券価格の下落等による資産の目減り、優良な貸出先顧客の減少等に伴う貸出業務や投資銀行業務等における収益の減少、利鞘の縮小等が予想され、これらが当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当企業グループは、クレジットトレーディングや証券化業務において、住宅ローン、不良債権、売掛債権、リース資産等の多様な資産に対する投資を行っており、最終的には、これを回収、売却又は証券化することを目的としております。そのため、特定の資産又は特定の格付若しくは種類の有価証券を集中的に保有する場合があります。かかる営業資産から得られる当企業の収益が予想より少ない場合(当企業グループにより証券化された資産のプールにおいて、当企業グループ自身がその残余持分を保有している場合におけるその残余持分の価値の下落を含む)には、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、こうした当企業グループが取得できる資産の市場規模及びその価格は常に変動していることから、当企業グループが魅力的な投資機会を常に得られるとは限らず、投資活動の結果が大きく変動する場合もあります。

 

4)流動性リスク

安定的な資金繰り運営を継続することを目的として、資金調達方法の多様化や、調達環境の状況に応じた流動性リスク指標のモニタリングを通じ、適切な流動性リスク管理に努めておりますが、以下のとおり、資金の効率的な調達が困難となるリスクがあります。

・今後、リテールバンキング業務及び同業務にかかる預金の営業基盤・顧客基盤が伸び悩む可能性があります。

・国内の公社債市場の変化や市況動向により、社債又はその他の債券を発行することに制限が生ずる可能性があります。

・日本銀行のマイナス金利を含む金利に係る方針の変更により、金融市場における資金需給が変化した場合、当企業グループの資金調達は何らかの影響を受ける可能性があります。

・海外の金融市場の混乱や金融経済環境の悪化等により、資金調達の条件悪化を含め、外貨資金調達が不安定化、非効率化する可能性があります。

・人々の認識や市場環境の著しい変化により、資金調達のコストが増加し、又は十分な流動性を確保することが予期に反して困難となる可能性があります。

また、格付機関により信用格付が下げられると、銀行間市場での短期資金調達あるいは資本調達活動等において相手方との取引を有利な条件で実施できず、又は一定の取引を行うことができない可能性があります。そのため、当企業グループの資金調達コスト増加ないし流動性の制約、デリバティブ取引あるいは信託業務上の制約等により当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5)オペレーショナル・リスク

当企業グループでは、幅広い金融業務において大量に事務処理を行っておりますが、事務フローの改善、事務指導、研修等の実施や、表記方法の見直し等による手続き内容の明確化等事務水準の向上にも努めており、事務処理状況の定期的な点検等により事務レベルをチェックする体制等を整えております。また、お客さま本位の業務運営に反した行為等のコンダクトリスクに対して、ミスコンダクト事案の広範な補足やリスク軽減策の実施等の管理体制の高度化に努めております。しかしながら、こうした対策が有効に機能せず、又は当企業グループや外部委託先の役職員が正確な事務を怠る、あるいは事故・不正等を起こした場合には、損失の発生、行政処分、レピュテーションの毀損等により、当企業グループの業務運営や、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

6)銀行関連事業に影響を与えるシステムリスク

当企業グループは、情報システム及びインターネットにより顧客にサービスを提供しておりますが、システムの処理能力や信頼性に大きく依存しております。過去に発生しましたATM、インターネットバンキングサービスや他行宛て送金取引に係る不具合等に対して、発生原因の究明及び十分な再発防止策を講じておりますが、今後とも不具合やサービスの停止が発生する可能性があります。また、当企業グループのシステムには人為的ミス、自然災害、停電、サイバー攻撃等の不正・妨害、機密情報の漏洩、ハッキングによる不正利用等が今後も発生する可能性があります。システム障害等により提供する金融サービスの中断や停止が発生した場合、レピュテーションや営業基盤の毀損等により、当企業グループの業務運営や経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

7)銀行関連事業における顧客情報のセキュリティについて

当企業グループは、銀行関連事業に関連し保有した多数の個人情報について、個人情報保護法に従い、個人情報の保護及び適切な利用に務めておりますが、万一個人情報の漏洩又は不正アクセス等による事故が発生した場合、その損害に対し賠償を行う必要があると同時に、関連監督当局から行政処分等を受ける可能性があります。さらに漏洩事故の発生により、顧客や市場の当企業グループに対する信用の低下を招き、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

8)銀行関連事業における法的規制について

当企業グループは銀行関連事業を行うにあたり、会社法、銀行法、独占禁止法、金融商品取引法、貸金業法、外国為替及び外国貿易法、犯罪による収益の移転防止に関する法律等並びに外国における同様の法律等の広範な法令上の制限及び監督官庁による監視を受けております。また、金融当局による自己資本規制その他の銀行関連業務規制に加えて、業務範囲についての制限を受けております。こうした金融関連法規・規制をはじめ、その他の適用法規・規制の遵守を怠った場合には、重大なレピュテーショナルリスクに晒される他、法令等に基づき「業務改善命令」や「業務停止命令」といった行政処分や、その他の制裁・罰則・賠償請求を受けること等により、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当企業グループは現時点の規制に従って業務を遂行していますが、法律、規制、税制、実務慣行、法解釈、財政や金融その他政策の変更又は当局との見解の相違並びにそれらによって発生する事態が、当企業グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

当企業グループにおける各銀行は、銀行法及び金融庁長官の告示に基づく自己資本比率規制に服しており、海外に支店等の営業拠点を有しない銀行として、自己資本比率を4.0%以上に保つことが義務付けられておりますが、「事業等のリスク」に記載する各種リスクの顕在化等により、自己資本比率は低下する可能性があります。この最低比率を維持できない場合には、当企業グループにおける各銀行は行政処分を受ける可能性があり、間接的に当企業グループの業務遂行能力に影響を受ける可能性があります。

 

9)コンシューマーファイナンス事業に係るリスク

当企業グループは、銀行関連事業における中核業務として、コンシューマーファイナンス業務(個人向け無担保ローン等)を行っております。コンシューマーファイナンス業務を営む子会社は、過去に発生した所謂「グレーゾーン金利」(超過利息あるいは過払金)に関して、将来に発生する過払金返還及びそれに関連する貸倒損失を見積もった上で引当金を計上しております。これにより、過払金返還に係る追加的な損失の発生は限定的なものになると認識しておりますが、現在の引当金額が将来の過払金返還請求及び関連する貸倒損失への対応として不十分である場合、将来追加の費用が生じる可能性があり、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

10)株式会社SBI新生銀行に対する政府の影響力について

当企業グループの連結子会社であるSBI新生銀行は公的資金による資本増強を行っており、政府(預金保険機構及び整理回収機構)が普通株式の一定割合を有しております。公的資金を受ける際に法律に基づき、SBI新生銀行は経営健全化計画の作成及び定期的な見直しを義務付けられております。この経営健全化計画の収益目標と実績値が大幅に乖離した場合、SBI新生銀行は金融庁より業務改善命令を受ける可能性があります。また同計画について、中小企業に対する貸出に関する計画目標を達成できない場合等にも業務改善命令を受ける可能性があります。

政府は株主及び監督当局の両方の立場から、SBI新生銀行の経営に対して影響を与える可能性があり、SBI新生銀行経営陣の事業戦略とは異なる対応等を求める可能性があります。またSBI新生銀行の普通株式配当は、経営健全化計画に基づき一定の制約を受ける事から、SBI新生銀行の利益水準と照らして十分な配当を、当企業グループが受けられない可能性があります。

 

11)海外における銀行業に係るリスク

海外における銀行業においても、信用リスク、市場リスク、流動性リスク、コンプライアンスリスク、事務リスク、システムリスク、情報セキュリティリスク、外部委託にかかるリスク、イベントリスク、風評リスク、自己資本比率悪化リスク、事業戦略リスク、及び規制変更リスク等の広範なリスクへの対応が必要となります。態勢整備が不十分であった場合、当企業グループの事業の遂行に支障をきたす可能性があります。また、当該事業が予定していた事業計画を達成できず、投資に見合うだけの十分な収益を将来において計上できない場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。さらに、現地において自己資本比率規制等が適用されており、当該比率が悪化した場合、現地当局から様々な規制及び命令を受けることになります。その場合、業務が制限されること等により、顧客に対して十分なサービスを提供することが困難となり、その結果、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、このような事態を避けるため、当企業グループからの追加出資等が必要となる可能性があり、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

・その他の金融サービス事業に係るリスク

1)保険業に係るリスク

保険業においては、保険引受リスク、市場関連リスク、信用リスク、流動性リスク、事務リスク、システムリスク、情報漏洩リスク、法務リスク、及び災害リスク等の広範なリスクへの対応が必要となります。そのためリスク管理態勢の改善を続けておりますが、態勢整備が不十分であった場合、当企業グループの事業の遂行に支障をきたす可能性があります。また、当該事業が当初予定していた事業計画を達成できず、初期投資に見合うだけの十分な収益を将来において計上できない場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

生命保険業においては、保険料設定時の想定を超えて、社会・経済情勢の変化により死亡率・羅患率が上昇した場合等に、追加で保険金・責任準備金等の費用負担が発生し、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

なお、損害保険業においては、自動車保険の保有契約件数が順調に伸びているものの、会計上、保険料売上の計上と同時に未経過分の保険料を責任準備金として費用計上する必要があるため、契約件数が伸びているうちは費用が先行する傾向にあります。今後も事業費の圧縮等に努めてまいりますが、費用を先行して計上すること等により、ソルベンシー・マージン比率の維持のための追加出資等が必要となり、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

2)その他の金融サービス事業に影響を与える法的規制ついて

当該事業においては、貸金業法、銀行法、保険業法、及び同各法の関係法令、並びに保険業法等における許認可の取得又は届出を行っております。当企業グループ及びその役職員がこれらの法令等に違反し、業務改善命令あるいは認可又は登録の取消等の行政処分を受けた場合、当該事業の遂行に支障をきたし、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3)その他の金融サービス事業に影響を与えるシステムリスク

当該事業は、コンピュータシステムに依存する部分が多いため、地震や水害等の大規模広域災害、火災等の地域災害、コンピュータウイルス、電力供給の停止、通信障害、通信事業者に起因するサービスの中断、又は予測不可能なシステム障害により顧客へのサービスが遅延、中断又は停止する場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当該事業では、主に受託開発並びに運用及び保守業務等を行っておりますが、IT関連業界は技術革新が継続しており、新技術の登場により業界の技術標準又は顧客の利用環境が変化します。これら新技術への対応が遅れ、当企業グループの提供するサービスが陳腐化又は不適応化し、業界内での競争力低下を招く等により、これらの事業が当初予定していた事業計画を達成できず、初期投資に見合うだけの十分な収益を将来において計上できない場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

4)その他の金融サービス事業における顧客情報のセキュリティについて

個人情報の保護に関する法律への違反や個人情報の漏洩事件等が発生した場合、顧客からの信用を失う可能性があり、法的な、あるいはその他のコストが発生する可能性があります。これらのコストはいずれも、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

<資産運用事業に係るリスク>

1)資産運用事業で運営するファンドの運用成績の低迷に係るリスク

当企業グループの資産運用事業は、公募又は私募の投資信託や投資助言を行っておりますが、これらは当初期待していた通りの運用成績が達成できない可能性があります。その場合、投資家への販売額の低下や、評価額の減少、解約、新規ファンドの設定が困難となること等による預かり資産の減少を通して、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

2)金融機関の動向

当企業グループの資産運用事業のうち、一般投資家向け投資信託の販売について金融機関に委託しております。また金融機関の自己資金の受託による私募投資信託の運用を行っております。金融機関は資産運用業務における主要顧客であり、金融機関の投資信託販売業務や資金運用方針の変更は、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3)資産運用事業における競合について

公募又は私募の投資信託や投資助言を行う資産運用事業は、国内外の大手金融機関が積極的に経営資源を投入した場合や、業界内プレーヤーの統廃合等により、競合他社の規模が拡大した場合は、競争環境が変化する可能性があります。このような競争環境の変化に当企業グループが柔軟に対応できなかった場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

4)資産運用事業に影響を与える法的規制について

当企業グループ内には、投資信託委託会社として金融商品取引法に基づき投資運用業及び投資助言・代理業の登録を行っている会社があります。今後これら金融商品取引法及びその関連法令等に関し改正が行われた場合又は何らかの理由によりこれらの登録の取消処分を受けた場合には、当該事業の業務遂行に支障をきたすとともに当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

<投資事業に係るリスク>

1)投資事業における事業環境の変化等による影響

当企業グループ及び当企業グループが運営する投資事業組合等が行う投資事業については、保有株式の売却によるキャピタルゲインや投資事業組合等管理収入が主な収益源でありますが、これらは政治、経済又は産業等の状況や、新規公開市場を含む株式市場全般の動向に大きく影響を受けます。当該事業においては、これら当企業グループがコントロールできない外部要因によって業績が変動し、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社は、国際会計基準(IFRS)に基づき、投資事業等を通じて保有する多額の投資有価証券の公正価値を売却の有無に関わらず毎四半期ごとに見直し、各期末における公正価値評価額の増減を公正価値の変動による損益として認識しております。そのため、株式市場及び債券市場が著しく変動する等し、かかる投資有価証券の公正価値の変動による多大な損失等を計上した場合、当企業グループの財政状態に影響を与える可能性があります。

加えて、当企業グループではオペレーティングリースのアレンジメント事業を行っており、今後、対象となる事業資産の稼働率の低下や資産価値の下落により、当該資産の販売が低迷した場合、減損損失の計上等が発生し、当企業グループの業績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

 

2)当企業グループが運営する投資事業組合等における外部投資家に係るリスク

ファンドの運用成績が不調の場合、既存又は新規の外部投資家からの新規資金調達が困難になる場合があります。また、既存の外部投資家が、流動性の低下、財務の健全性の低下、又は財務上困難な状況となる場合、当企業グループが既存の投資家からの出資約束金額を利用できなくなる場合があります。当企業グループの投資事業における新規ファンドの募集が困難となる場合は、当初予定していたとおりにファンドを運用できなくなる可能性があり、その結果、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

3)投資リスク

当企業グループ及び当企業グループが運営する投資事業組合等からの投資先企業には、ベンチャー企業や事業再生中の企業が多く含まれます。これらの企業は、その将来見通しにおいて不確定要因を多く含み、今後発生し得る様々な要因により、これら投資先企業の業績が変動する可能性があります。かかる要因には、急激な技術革新の進行や業界標準の変動等による競争環境の変化、優秀な経営者や社員の維持及び確保、並びに財務基盤の脆弱性の他に、投資先企業からの未開示の重要情報等に関するものを含みますが、これらに限定されるわけではありません。

また、当企業グループが投資しているいくつかの事業は、本質的に投機的及びリスクのある業種において行われているものです。このような不確実性を伴う投資リスクは結果として損失となり、その結果、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

4)為替リスク

当企業グループ及び当企業グループが運営する投資事業組合等が、外貨建ての投資を行う場合には為替変動リスクを伴います。投資資金回収の時期や金額が不確定であるため、為替レートの変動が当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5)海外投資リスク

当企業グループ及び当企業グループが運営する投資事業組合等が、海外での投資活動を行う場合には、現地において経済情勢の変化、政治的要因の変化、法制度の変更、又はテロ等による社会的混乱等が発生する可能性があります。こうしたカントリーリスクを極小化させたり、完全に回避することは困難であり、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

特に当企業グループのファンドは、中国及びその他のアジア諸国を含む新興市場の企業に対して投資を行っております。数多くの新興市場の国々は経済的にも政治的にも発展途上であり、確固たる基盤を持った証券市場を有していない場合があります。新興市場における企業への投資には高いリスクを伴う可能性があり、また投機的となる場合があります。

将来において、当企業グループのファンドが新興市場において期待されたとおりの運用成績を達成できなかった場合、当企業グループの事業、成長見通し、ファンドの募集、管理報酬等の収入、経営成績及び財政状態等に影響を与える可能性があります。

 

6)投資事業における競合について

ベンチャー投資や企業再生型の投資事業は新規参入を含め競合が激しく、国内外の金融機関や事業会社等による多数のファンドが設定される状況下、当企業グループの競争力が将来にわたって維持できる保証はありません。また、画期的な新規サービスを展開する競合他社の出現や競合先同士の合併、連携その他の結果、当企業グループが企図する十分な規模のファンドの募集を実施できない、あるいは投資実行において十分な収益を獲得できる有望な投資先企業の発掘ができない可能性があります。この場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

7)投資事業に影響を与える法的規制について

当企業グループが運営する投資事業組合等は、その運営において金融商品取引法、貸金業法、会社法、民法、投資事業有限責任組合契約に関する法律、及びその他国内外の法令の対象となっており、これらを遵守する必要があります。今後これら金融商品取引法及びその関連法令等に関し改正が行われた場合又はこれらの法的規制が及ぶことにより当企業グループの活動が制限される場合には、当該事業の業務遂行に支障をきたすとともに当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

<暗号資産に係るリスク>

1)暗号資産の交換・取引サービス等を行う事業における法令諸規則等の事業環境等の変化等による影響

当企業グループでは、資金決済法第63条の2に基づき、暗号資産交換業者として内閣総理大臣の登録を受け、同法及び関係法令による各種規制並びに金融庁の監督を受ける暗号資産交換業を営んでおります。当企業グループは自主規制機関である一般社団法人日本暗号資産取引業協会に加入していることから、同協会の諸規則にも服しております。そのため、これらの法令、諸規則、業界の自主規制ルール等の制定又は改定等が行われることにより、当初の計画通りに事業を展開できなくなる可能性があります。規制の内容によっては、暗号資産全般に係る事業環境の著しい変化や価格変動等をもたらす可能性があり、当企業グループの事業活動及び経営成績に影響を与える可能性があります。

また、諸法令等に違反する事実が発生した場合には、登録その他認可業務の取消、業務の全部又は一部の停止等の行政処分を受ける可能性があり、当企業グループの風評、事業展開、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

2)サイバー攻撃等による暗号資産の消失に伴うリスク

当企業グループは、管理する電子ウォレットにおいて顧客の所有する暗号資産の預託を受けております。また、マイニング事業等を通じ、自己勘定として暗号資産を保有しております。

権限のない第三者による電子ウォレットに対する不正アクセスのリスクを軽減するためのサイバーセキュリティ対策等を講じておりますが、電子ウォレットに対して不正アクセスが行われた場合には、権限のない第三者によりこれらの電子ウォレットに保管される暗号資産が消失させられるとともに、当企業グループがこれらの暗号資産を取り戻せない可能性があります。当企業グループが保有する暗号資産の消失及び当企業グループの顧客の暗号資産の消失により、顧客に対する多額の弁済が生じる可能性があるとともに、当企業グループの経営成績及び財政状態、今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。

 

3)市場リスク

当企業グループは、暗号資産を保有するとともに、暗号資産交換業を運営しており、様々な要因に基づく暗号資産の価格及び取引規模の変動により、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

4)信用リスク

当企業グループは、暗号資産に係る事業において、金融商品取引業者として顧客に対して証拠金取引を提供しております。同取引においては顧客への信用供与を行っており、取引の損失は預かった証拠金の範囲内に収まるよう、ロスカットルールを設定しておりますが、暗号資産の価格が急激に変動し、顧客が追加の証拠金の差し入れや取引の決済が行えなくなった場合、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当企業グループでは、暗号資産の売買取引や貸借取引を行っております。売買においては、取引相手先との決済までの間、相手先の決済能力を含む信用力にかかるリスクが存在します。また、暗号資産の価格が大きく変動し、貸付先が期限での返済や追加担保の差し入れに応じられなくなった場合、それら債務が履行されないリスクが存在します。これらは、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

非金融分野におけるリスク

<バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業に係るリスク>

当該事業において主に一般用医薬品の研究開発に注力しておりますが、当企業グループの研究開発努力が商業的に成功する製品の開発又は画期的な製造技術の開発につながる、あるいはこれらの研究プロジェクトが当初予定していたとおりの業績をもたらすという保証はありません。当企業グループのバイオテクノロジー製品は多くの場合、販売目的で市場に投入する前に臨床試験を実施する必要があります。この過程には費用及び時間がかかり、その結果は不確実なものです。研究開発及び臨床試験に莫大な時間と費用を費やしたにもかかわらず、開発途中の製品に対して商業販売の認可が下りなかった場合、又はバイオテクノロジー製品に関する製造物責任に関する賠償請求の対象になった場合は、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当企業グループ又は製品の製造委託先において、経営成績及び財政状態の悪化、技術上若しくは法規制上の問題、原料の不足、又は自然災害の発生等により、製品の安定的な供給に支障が生じる可能性があり、その動向によっては当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

医薬品業界は、研究、開発、製造及び販売のそれぞれの事業活動において、各国の薬事法等及び薬事行政指導、その他関係法令等により様々な規制を受けており、当該事業は薬事法をはじめとする現行の法的規制及び医療保険制度、それらに基づく医薬品の価格設定動向等を前提として事業計画を策定しています。しかしながら、当該事業において開発を進めている製品が現実に製品として上市されるまでの間、これらの規制や制度・価格設定動向等が変動しない保証はありません。もしこれらに大きな変動が発生した場合には、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

<新技術関連事業に係るリスク>

新技術に基づいた事業については、当該技術が成熟されていない事による損失の発生や、当該技術を用いたサービス・製品が当初予定した通りに拡大しない可能性があります。また、法規制等が十分に整備されていない新技術を利用した事業領域へ進出する場合、当該新技術に基づいた事業領域におけるステークホルダーの権利が十分に保護されず、当企業グループ又は当企業グループの顧客の権利・資産が毀損する、訴訟が発生する等の恐れがあります。これらの恐れが顕在化した場合には、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

<開発途上地域における事業に係るリスク>

開発途上地域での事業については、法規制、取引慣行、経済状況、政情、文化等に係るリスクについて十分に調査・検証した上で取り組んでおりますが、事業開始時点では想定されなかった事象が起こる可能性があります。特にクーデター等による政変、テロ、法規制の急変、国際社会による経済制裁等が発生した場合、これまで培った金融分野でのナレッジ等が活かせない可能性があり、当企業グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当期における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当期における我が国経済は、金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクもあり、原材料価格の高止まりやエネルギーコストの上昇等を背景とした物価の上昇や、金融資本市場の変動の影響など今後の動向を注視すべき状況にあります。

このように不確実性の高まる事業環境下ながら、当社の当期における連結業績は、収益が前期比30.8%増の9,986億円と過去最高を更新しました。当社連結業績における収益は持続的な成長を遂げており、当事業年度においては1兆円規模に到達しています。

利益面については、投資事業においてベトナム上場銘柄であるTIEN PHONG COMMERCIAL JOINT STOCK BANK等の一部海外上場銘柄の公正価値評価により約427億円の評価損を計上したことに加え、暗号資産市場の低迷や一部取引先の破綻等により、暗号資産事業の税引前損失が約184億円となったことから、税引前利益は同75.6%減の1,008億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同90.5%減の350億円となりました(前期のSBI新生銀行連結子会社化に際して計上した一時要因である負ののれん発生益等1,956億円の影響を除くと、税引前利益は同53.6%減、親会社の所有者に帰属する当期利益は同74.2%減)。

しかしながら、当社の主要事業である金融サービス事業の税引前利益は、上記の負ののれん発生益等の影響を除くと同42.0%増の1,507億円と着実に成長しています。比較的安定した利益を生み出す金融サービス事業の貢献により、当社連結業績における税引前利益の水準は1,000億円規模となっています。

当企業グループは当連結会計年度から管理会計上の事業セグメント区分の変更を行いましたが、こうした安定的なキャッシュ・フローを生み出す事業セグメントに加え、マーケット環境への依存度が高くボラティリティが高い事業セグメント、今後の成長が期待される先進的な事業セグメントを設け、当社グループにおける事業の多様性を確保することで、不確実性の高まる事業環境下においてより機動的な経営判断を行うことができる体制を整えています。

なお、TIEN PHONG COMMERCIAL JOINT STOCK BANKは2023年2月1日付で株式を追加取得し当社の持分法適用関連会社となっており、これ以降は株価変動による評価損益の計上ではなく、同社業績の当社持分を金融サービス事業セグメントに取り込んでいます。

 

当企業グループは、「金融サービス事業」、「アセットマネジメント事業」、および「バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業」の3つの事業セグメントを報告しておりましたが、株式市場などのマーケット環境が各事業セグメント内の特定事業に大きな影響をもたらしていたことや、今後Web3関連等の非金融分野の事業が拡大すると想定される中でその所属が不明瞭になる等の問題が顕在化したことから、当期の第1四半期より事業セグメントを再編しており、「金融サービス事業」や「資産運用事業」、「投資事業」に加え、今後も成長領域として期待される「暗号資産事業」、バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業やWeb3関連の先進的な分野に取り組む事業等が含まれる「非金融事業」の5つの事業セグメントを新たな報告セグメントとしております。

報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。

なお、前期についても変更後のセグメント構成に合わせて組み替えております。

 

収益

 

税引前利益

 

前期

 

当期

 

前期

 

当期

 

百万円

 

百万円

 

百万円

 

百万円

金融サービス事業

497,751

 

886,748

78.2

 

301,725

 

150,653

(50.1)

資産運用事業

16,883

 

27,966

65.6

 

3,810

 

10,123

165.7

投資事業

177,911

 

36,684

(79.4)

 

136,457

 

(16,661)

暗号資産事業

55,106

 

30,320

(45.0)

 

3,518

 

(18,429)

非金融事業

23,596

 

26,238

11.2

 

(20,308)

 

(3,253)

771,247

 

1,007,956

30.7

 

425,202

 

122,433

(71.2)

消去又は全社

(7,629)

 

(9,397)

 

(12,478)

 

(21,680)

連結

763,618

 

998,559

30.8

 

412,724

 

100,753

(75.6)

(%表示は対前期増減率)

 

(金融サービス事業)

国内外における証券関連事業、銀行事業、保険事業を中核とした多様な金融関連事業を行っております。

当期における収益は886,748百万円(同78.2%増加)、税引前利益は150,653百万円(同50.1%減少)となりました。これは主に、前期の第3四半期において、株式会社SBI新生銀行の子会社化に伴う負ののれん発生益を263,847百万円計上したこと等の要因によるものであります。

 

(資産運用事業)

投資信託の設定、募集、運用などの投資運用や投資助言、金融商品の情報提供等を行っております。

当期における収益は27,966百万円(同65.6%増加)、税引前利益は10,123百万円(同165.7%増加)となりました。これは主に、SBIグローバルアセットマネジメント株式会社(モーニングスター株式会社より商号変更)において、Morningstar, Inc.(米国イリノイ州)とのライセンス契約を終了し、Morningstar, Inc.に「モーニングスター」ブランドを返還することによる収益を8,000百万円計上したこと等の要因によるものであります。

 

(投資事業)

国内外のIT、フィンテック、ブロックチェーン、金融及びバイオ関連のベンチャー企業等への投資に関する事業等を行っております。

当期における収益は36,684百万円(同79.4%減少)、税引前利益は16,661百万円の損失(前期は136,457百万円の利益)となりました。これは主に、企業への投資において認識される「FVTPLで測定する金融資産から生じる収益」の減少等の要因によるものであります。

 

(暗号資産事業)

暗号資産の交換・取引サービスを提供する暗号資産交換業等を行っております。

当期における収益は30,320百万円(同45.0%減少)、税引前利益は18,429百万円の損失(前期は3,518百万円の利益)となりました。これは主に、暗号資産市場の低迷や一部取引先の破綻等の要因によるものであります。

 

(非金融事業)

生体内に存在するアミノ酸の一種である5-アミノレブリン酸(5-ALA)を活用した医薬品・健康食品・化粧品の開発・販売や、がん及び免疫分野等における抗体医薬・核酸医薬の研究開発に関する事業、医療・健康情報のデジタル化や医療ビッグデータの活用を推進するソリューション・サービスの提供及び医療金融に関する事業等を行うバイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業のほか、Web3関連の先進的な分野に取り組む事業や再生可能エネルギー事業、アフリカをはじめとした海外新市場で展開する事業等の非金融分野における各種事業等を行っております。

当期における収益は26,238百万円(同11.2%増加)、税引前利益は3,253百万円の損失(前期は20,308百万円の損失)となりました。

 

なお、当期末の総資産は22,310,728百万円となり、前期末の17,838,200百万円から4,472,528百万円の増加となりました。また、資本は前期末に比べ165,396百万円増加し、1,748,654百万円となりました。

 

② キャッシュ・フロー

当期末の現金及び現金同等物残高は3,200,916百万円となり、前期末の2,499,370百万円から701,546百万円の増加となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、960,743百万円の収入(前期は314,046百万円の支出)となりました。これは主に、「営業債権及びその他の債権の増減」が1,813,474百万円の支出、「社債及び借入金(銀行業)の増減」が611,135百万円の支出及び「証券業関連資産及び負債の増減」が397,031百万円の支出となった一方で、「顧客預金の増減」が3,776,127百万円の収入となったこと等の要因によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,075,054百万円の支出(前期は1,838,517百万円の収入)となりました。これは主に、「投資有価証券の売却及び償還による収入」が2,104,558百万円となった一方で、「投資有価証券の取得による支出」が3,026,500百万円となったこと等の要因によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、810,425百万円の収入(前期は163,302百万円の収入)となりました。これは主に、「社債の償還による支出」が1,062,876百万円となった一方で、「社債の発行による収入」が1,342,878百万円、「短期借入金の純増減額」が375,205百万円の収入及び「長期借入による収入」が186,037百万円となったこと等の要因によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

生産及び受注の実績については、該当する情報がないため記載しておりません。また、販売の実績については、「① 財政状態及び経営成績の状況」に各セグメントの収益として記載しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当期末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積もり

当企業グループの連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しております。IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、他の情報源から直ちに明らかにならない資産及び負債の帳簿価額について、見積もり、判断及び仮定の設定を行う必要があります。見積もり及びそれに関する仮定は、関係が深いと思われる過去の経験及びその他の要素に基づいております。実績はこれらの見積もりと異なる場合があります。

当企業グループの会計方針については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等」の「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3 重要な会計方針」に記載のとおりであります。また、当該会計方針のうち、将来に関する仮定及び報告期間末における見積もりの不確実性の要因となる事項で、特に重要性があるものについては、「(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2 作成の基礎 (4) 見積もり及び判断の利用」に記載しております。これらは、当期及び来期以降に資産や負債の帳簿価額に対して重大な調整をもたらすリスクを含んでおります。

 

② 当期の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当期における当企業グループを取り巻く事業環境は、金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクもあり、原材料価格の高止まりやエネルギーコストの上昇等を背景とした物価の上昇や、金融資本市場の変動の影響など今後の動向を注視すべき状況にあります。

他方、インターネット金融サービス事業を取り巻く事業環境については、金融取引において少しでも有利な条件を求める消費者が増える傾向にあり、モバイル端末を含むインターネット金融サービスを活用するメリットに対する認知も引き続き拡大しているとともに、感染症対策という観点からも対面での金融取引からの移行も進んでいます。同事業への異業種からの参入も増えており、競争の激化は予想されるものの、今後も引き続き成長が見込まれる市場と認識しております。

 

(金融サービス事業)

金融サービス事業の収益は、前期比78.2%増加の886,748百万円、税引前利益は前期比50.1%減少(SBI新生銀行連結子会社化に際して前期に計上した負ののれん発生益等1,956億円を除くと前期比42.0%増加)の150,653百万円となりました。

株式会社SBI証券は、オンラインでの国内株式委託売買手数料の無料化を図るネオ証券化を段階的に進める中、収益源の多様化が奏功し営業利益は過去最高となりました。

株式会社SBI新生銀行は、法人業務における貸出残高の増加による収益の拡大や貸倒引当金戻入益の計上等もあり、前期比で大幅な増収増益となりました。持分法適用関連会社の住信SBIネット銀行株式会社は、事業は堅調なものの、2023年3月の同社株式の上場時に持分の一部を売却し所有比率が減少したこと等が影響し、当社におけるIFRS取り込みベースの持分法による投資利益は減益となりましたが、所有する同社株式の一部売却に伴い約107億円の売却益を計上しております。韓国の株式会社SBI貯蓄銀行は、基礎的収支は拡大しましたが、金利上昇に伴う利息費用の増加等が影響し増収減益となりました。

SBIインシュアランスグループ株式会社は、保有契約件数の堅調な増加により増収増益となりました。

 

(資産運用事業)

資産運用事業の収益は、前期比65.6%増加の27,966百万円、税引前利益は前期比165.7%増加の10,123百万円となりました。

株式・債券市場の市況悪化の影響を受けたものの、「モーニングスター」ブランドの返還に伴い約80億円の利益を計上しております。なお、モーニングスター株式会社は2023年3月にSBIグローバルアセットマネジメント株式会社へ商号変更しております。

 

(投資事業)

投資事業の収益は、前期比79.4%減少の36,684百万円、税引前利益は16,661百万円の損失(前期は136,457百万円の利益)となりました。一部海外上場銘柄において、IFRSに基づく保有銘柄の各期末における公正価値の変動による損益及び売却損益として約427億円の損失を計上したこと等が大きく影響しています。なお、当事業に係る投資先企業のIPO、M&Aの実績は、国内13社・海外9社(IPO 16社・M&A 6社)の計22社となりました。

 

(暗号資産事業)

暗号資産事業の収益は、前期比45.0%減少の30,320百万円、税引前利益は18,429百万円の損失(前期は3,518百万円の利益)となりました。

当事業の一部連結子会社における保有暗号資産価値の下落や一部取引先の破綻による損失の発生に加え、暗号資産市場全体の取引量減少が大きく影響しました。なお、連結子会社の株式会社ビットポイントジャパンの株式を2023年3月に追加取得し、同社を完全子会社にしております。

 

(非金融事業)

非金融事業の収益は、前期比11.2%増加の26,238百万円、税引前利益は3,253百万円の損失(前期は20,308百万円の損失)となりました。

バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業は、研究・開発が順調に進展する一方で、事業統括やマーケティングの強化に伴い、販管費が増加しました。また、同セグメントではWeb3を中心とした多様な事業を展開しており、地域通貨事業等を展開する株式会社まちのわは、導入自治体の増加に伴い業績が拡大しました。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因は、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載しております。

 

④ 戦略的事業展開について

戦略的事業展開については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

 

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

(a) 資金需要及び資金の調達源

当企業グループの事業活動における主な資金需要としては、証券関連事業における信用取引に係る顧客への貸付資金、銀行関連事業及び海外金融サービス事業における貸付資金、投資事業における投資資金等があります。これらの資金需要に対して、市場環境や長短のバランスを考慮し、銀行借入による間接金融、社債やエクイティファイナンス等の直接金融、証券会社や証券金融会社との取引、コールマネー、顧客預金の受入及び貸出金その他の資産の流動化等により資金を調達しております。

 

(b) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フロー」に記載しております。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

当社は、2022年6月23日付の取締役会において、株式会社三井住友フィナンシャルグループ(以下「SMFG」)、株式会社三井住友銀行、三井住友カード株式会社と株式会社SBI証券との間で包括的な資本業務提携に関する基本合意書を締結すること及びSMFGを割当予定先として第三者割当による新株式の発行を行う株式引受契約書を締結することを決議し、同日に本基本合意及び株式引受契約書を締結しました。なお、本第三者割当の払込は2022年7月11日に完了しております。

 

6【研究開発活動】

当企業グループの当期における研究開発費は1,538百万円であり、これは主に非金融事業に含まれるバイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業における研究開発費であります。

バイオ・ヘルスケア&メディカルインフォマティクス事業においては、生体内に存在するアミノ酸の一種である5-アミノレブリン酸(ALA)を活用した医薬品・健康食品・化粧品の開発・販売や、がん及び免疫分野等における抗体医薬・核酸医薬の研究開発に関する事業、医療・健康情報のデジタル化や医療ビッグデータの活用を推進するソリューション・サービスの提供及び医療金融に関する事業等を行っております。