第2 【事業の状況】

 

当社の消費税等に係る会計処理は、税抜方式によっているため、この項に記されている売上高及び販売実績の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績全般

気象サービスの市場規模は全世界で6,000億円以上と想定されます。気象リスクへの関心の高まりとネット技術の
発展によって、気象サービス市場は今後も成長を続けると当社は考えています。
 当社では「75億人の情報交信台」という夢のもと、第1成長期(1986年6月から1995年5月)は「事業の成長
性」、第2成長期(1995年6月から2004年5月)は「ビジネスモデルの多様性」、第3成長期(2004年6月から
2012年5月)は「経営の健全性」をテーマとし、事業活動を行ってきました。当期は、「革新性」をテーマに掲げ
本格的なグローバル展開を目指す第4成長期の5年目として、下記項目に取り組んできました。

 

<1> ビジネス展開

・航海気象

   船隊計画全体の最適化を推薦する船種毎のサービスや二酸化炭素排出量の規制導入に対応したサービス開発

・航空気象

  アジア新興国のエアラインを中心としたサービス展開の拡大及びヨーロッパにおけるマーケティングの開始

・道路及び鉄道気象

  国内サービスの強化やアジア新興国における運行規制基準策定の共創等

・環境気象

  フランスの気象会社Metnext SAS(現Weathernews France SAS)子会社化による環境気象の立ち上げの促進

・BtoS(個人・分衆:Sはサポーターの意。サポーターに支えられているビジネス)

  トランスプラットフォーム戦略による自社コンテンツ配信を行うプラットフォーム網の拡大

<2> 投資状況

 ・設備投資

  ビッグデータを活用したサービス開発の基礎となる蓄積データを効果的に解析できる基幹インフラ、
          独自衛星WNI SAT-1R及び新興国の観測網を整備する独自観測インフラ

 ・人材投資

  アジア、ヨーロッパ展開を加速する各国のセールス・サービススタッフの強化及び全体的な価値創造と
      生産性の向上を実現するITスタッフの強化

 ・事業投資

   フランスの気象会社Metnext SAS(現Weathernews France SAS)の子会社化

 

当期の連結売上高は14,542百万円と、前期比0.2%の増収となりました。BtoB市場の売上高は、航海気象が海運業
界全体の荷動きの低下及び円高による為替影響を受けて伸び悩む一方、日本の陸上向けサービス市場である道路・
鉄道気象が成長した結果、前期比2.5%増収の8,772百万円となりました。個人向けサービスであるBtoS市場の売上
高は、放送局向けサービスが成長したものの、モバイル・インターネットでフィーチャーフォンの単独有料会員数
の減少による影響を受け、前期比3.1%減収の5,769百万円となりました。

利益については、アジア展開に先立つ現地人材や生産性向上に向けた開発スタッフの積極採用、M&Aによる株式取
得関連費用の発生及びグローバルビジネスに対応するシステム開発力の強化に向けた費用増加の影響もあり、営業
利益は16.6%減益の2,824百万円、経常利益は11.9%減益の2,825百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は10.5%減
益の1,965百万円となりました。

 

 

当社は継続的にコンテンツを提供するトールゲート型ビジネスを主に展開しています。一方、将来のトールゲート売上につながる一時的な調査やシステムを販売する機会があり、当社はこれらをSRS(Stage Requirement Settings)と称しています。

当連結会計年度における市場別売上高は以下のとおりです。

 

市場区分

    前連結会計年度
  (自 平成27年6月1日
    至 平成28年5月31日)

(百万円)

    当連結会計年度
  (自 平成28年6月1日
    至 平成29年5月31日)

(百万円)

 増減率

(%)

 

 

SRS

トールゲート

合計

SRS

トールゲート

合計

  合計

 

交通気象

268

6,416

6,684

338

6,389

6,728

0.7

 

交通気象以外

102

1,771

1,873

144

1,899

2,044

9.1

BtoB市場

370

8,188

8,558

483

8,288

8,772

2.5

 

モバイル・インターネット

19

3,605

3,625

3,345

3,345

△7.7

 

その他メディア

302

2,024

2,327

307

2,117

2,424

4.1

BtoS市場

322

5,630

5,953

307

5,462

5,769

△3.1

合 計

692

13,818

14,511

790

13,751

14,542

0.2

 

 (注1)交通気象には航海気象、航空気象、道路気象、鉄道気象及び海上気象が区分されております。

 (注2)当期に連結されたWeathernews France SASの売上高74百万円(連結対象期間:2017年1月~2017年3月)
  はBtoB市場「交通気象以外」に含まれております。

 

 (参考)地域別売上高

 

    前連結会計年度
  (自 平成27年6月1日
   至 平成28年5月31日)

    当連結会計年度
  (自 平成28年6月1日
   至 平成29年5月31日)

増減率

 

 

 

(百万円)

 

 

(百万円)

(%)

 

SRS

トールゲート

合計

SRS

トールゲート

合計

合計

日本

682

10,570

11,253

773

10,529

11,302

0.4

アジア・豪州

9

1,271

1,280

1,218

1,218

△4.9

欧州

-

1,550

1,550

16

1,601

1,618

4.4

米州

-

426

426

402

402

△5.5

合計

692

13,818

14,511

790

13,751

14,542

0.2

 

 (注)当期に連結されたWeathernews France SASの売上高は上記金額にて欧州に含まれております。

 

① BtoB(企業・法人)市場

BtoB市場においては、社会のインフラとして企業のニーズが高く、かつグローバルな成長が見込まれる交通気象(航海気象、航空気象、道路気象、鉄道気象、海上気象)を重点事業と位置づけております。

当社サービスの原点である海運会社向け航海気象では、安全性を向上すると同時に燃料消費量を抑え、運航効率を改善するOSR(Optimum Ship Routeing)をコンテナ船、自動車船、ばら積み船及びタンカー向けに展開しています。当期は、新規受注はあったものの、海運業界全体の荷動きの低下に加え、円高による為替影響を受けたことにより減収となりました。

一方、道路気象では、高速道路管理市場が順調に拡大しました。鉄道気象では、国内で運転規制情報を補助的に
鉄道乗務員に伝える「通告サポート」の採用が拡大しました。海上気象では、港湾管理のほか内航船向けの動静管
理サービスが拡大しました。

これらの結果、交通気象の売上高は前期比0.7%の増収となり、BtoB市場全体の売上高は、前期比2.5%増収の8,772
百万円となりました。

 

 

② BtoS(個人・分衆)市場

BtoS市場においては、モバイル・インターネットでは、スマートフォンの伸びに比べてフィーチャーフォンの単
独有料会員数の減少による影響を受け、前期比7.7%の減収となりました。一方、放送局向けでは、新規顧客を獲得
したことやキャスター派遣サービスが市場のニーズを捉えて成長したことにより、BtoS市場全体では前期比3.1%減
収の5,769百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等807百万円を支払う一方で、税金等調整前当期純利益2,822百万円を計上したことなどにより2,717百万円の収入(前年同期2,835百万円の収入)となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入、有形固定資産や無形固定資産の取得による支払などにより1,869百万円の支出(前年同期721百万円の支出)となりました。
 また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払1,252百万円などにより、1,256百万円の支出(前年同期1,142百万円の支出)となりました。
 現金及び現金同等物に係る換算差額113百万円を減算し、現金及び現金同等物の当期末残高は6,896百万円(前年同期7,418百万円)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績及び受注実績

当社グループの主な事業は、気象情報を中心とした総合的なコンテンツ提供サービスです。加えて、継続的にサービスを行うトールゲート型ビジネスを主に展開しているため、受注生産方式を採用していません。このため、生産実績、受注実績を数量、金額で示すことはしておりません。

 

(2) 販売実績

当連結会計年度における市場別売上高は下記のとおりであります。

市場区分

前連結会計年度

(自 平成27年6月1日

至 平成28年5月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年6月1日

至 平成29年5月31日)

増減率

 

百万円

百万円

BtoB市場

8,558

8,772

2.5

BtoS市場

5,953

5,769

△3.1

合 計

14,511

14,542

0.2

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)実現すべきミッション

当社グループの基本コンセプトは、気象から気候変動、環境に関するあらゆるコンテンツを官営サービスに依存することなく、自らが主体的にデータを収集し配信する「フルサービス・ウェザーカンパニー」となることです。これに加え、およそ気象が有意義なコンテンツとなりうるあらゆる分野においてサービスを提供することができる「Full Services(フルサービシズ)」となり、多くの新しい市場とサービスの立ち上げを目指しています。当社グループが実現すべきミッションは以下の5つであると捉えております。

 

1)全世界75億人の一人ひとりとともに、最多、最速、最新の気象コンテンツサービスを創造・提供する世界最強・最大の「気象コンテンツ・メーカー」になること。

2)気象コンテンツ市場のフロントランナーとして、独創的に新たな市場を創造しながら、「サポーター価値創造」と企業価値の最大化を実現すること。

3)サポーター(個人、企業)が感測、予報、配信に参加する世界初の双方向型の気象情報交信ネットワークを本格的に軌道に乗せ、従来の気象のあり方を革新的に変えること。

4)気象をベースに、気候変動、そして環境問題まで領域を広げ、サポーター(個人、企業)とともに、新たな価値創造(ことづくり)を、実現すること。

 

5)常識にとらわれない革新的なインフラを積極的に開発し、利用することで従来にないコンテンツをサポーターに提供すること。

 

(2)中期ビジョン

当社は「75億人の情報交信台」という夢に向かって、第1成長期(1986年6月から1995年5月)は「事業の成長性」、第2成長期(1995年6月から2004年5月)は「ビジネスモデルの多様性」、第3成長期(2004年6月から2012年5月)は「経営の健全性」をテーマに掲げ、事業を展開してまいりました。第4成長期(2012年6月から2022年5月)は「革新性」をテーマに掲げ、サービスを本格的にグローバル展開することを目指します。

 

〔第4成長期のビジョン〕

<第4成長期の基本戦略> 

「Service CompanyからService & Infra Company with the Supporterへ」
 当社には、RC(Risk Communication)サービスを組織的に運営すると同時に顧客とともに革新的なインフラを整備し、交通気象を中心としたビジネスを立ち上げてきた経験があります。この経験をもとにアジア、欧州、アメリカにおいて新たなグローバルビジネスを展開してまいります。

 

① 注力する販売市場(Marketing)

<交通気象> 

海の交通気象(航海気象)は国によるサービスが行われていない「公認民間市場(顕在化市場)」と言えます。当社は既にグローバル市場において航海気象サービスを展開しておりますが、サービス提供船は世界の外航船約20,000隻のうち30%程度です。第4成長期にはサービスの質を改善するとともに新サービスを開始し、10,000隻へのサービス展開を目指します。
 次に、空の交通気象(航空気象)は、現在、すでに日本、アジアの一部のエアラインを中心にサービスを提供していますが、第4成長期では、アジア、欧州、アメリカにおいてサービスを拡大し、グローバルでシェアを高めていきます。
 陸の交通気象(道路気象、鉄道気象)は、現在展開している日本でのサービスをより標準化・組織化することにより、高速道路と高速鉄道市場をターゲットにアジアからグローバルに展開していきます。  
 加えて、全世界的な自然エネルギー利活用へ向けた構造変革を受け、自然エネルギーに関して先進的に取り組ん
でいるヨーロッパの企業との積極的なコラボレーションを通じ、新たな環境気象の立ち上げを目指します。

 

<モバイル・インターネット>

WNI衛星や、WITHレーダーなどのObservation(観測)インフラだけでなく、サポーターとともに、Eye-servation(感測)インフラをグローバルに展開します。多様化する全てのプラットフォームに最適なコンテンツを提供するトランスプラットフォーム展開を通して、サポーターが参加し、交信するネットワーク型の気象及び分衆コンテンツサービスを創造し、有料サービスをグローバル展開します。

 

 (各事業別の戦略)

事業分野

事業戦略

航海気象

・OSRのグローバル展開 第4成長期には10,000隻へ拡大
・北極海航路などの新しい価値創造サービスの創出

航空気象

・アジアをはじめとしたグローバル市場への展開

道路気象

・日本での実績をもとに高速道路におけるサービスのグローバル展開

鉄道気象

・高速鉄道分野におけるサービスのグローバル展開

海上気象

・無常識インフラを利用した新たなサービスのグローバル展開

モバイル・インターネット

・多様化する全てのプラットフォームに最適なコンテンツを提供するトラン
  スプラットフォーム展開
・サポーター参加型、ネットワーク型コンテンツサービスのグローバル展開

 

 

 

② サービス運営(Service MarketingとInfra Marketing)

<革新的なテクノロジーと「無常識」なインフラ開発・運営>

気象情報サービスのグローバル展開には、企業・個人サポーターのニーズに応える価値あるコンテンツサービスの創造が重要です。設備投資から始める従来型のアプローチではなく、顧客と一体となって進める「ことづくり」によるアプローチが有効と考えます。「ことづくり」とは社会の共感を得ながらサービスを事業化することであり、実際に対応策を必要としている人々と協力してサービスを設計し、運営を始めるという事業化プロセスが求められます。
 オクラホマ大学など世界の研究機関、企業、サポーターと連携し、WNI衛星、WITHレーダーをはじめとする革新的なインフラ、AIやデータマイニング等のテクノロジーに積極的に投資しております。さらに、これらを24時間365日運営することで、ニーズに応じたコンテンツの創造を加速してまいります。

 

 <エリア展開>

アジア、欧州、アメリカの順に着手してまいります。それぞれ3~5年程度の時間をかけ、市場開拓とインフラ構築を進める計画です。

 

③ 次期の見通し

当社では、当期を含む3年間(2016年6月~2019年5月)を「革新性」をテーマに交通気象と環境気象のグローバル展開を目指す第4成長期のStage2とし、グローバルビジネスの加速に向け、ビジネス及びインフラへの積極的投資を行う期間と位置づけています。

<ビジネス展開>

1)Total Fleet ManagementによるOSR6,000隻展開
  6,000隻へのOSR提供を継続的に加速させると共に、従来の1航路毎に対して最適航路選定を提供するOSRから、全船隊の最適化までを推薦できるサービスを船種毎に開発を行い、航海計画をトータルでサポートするサービス体制を構築します。

2)SKY & LAND Planningのグローバル展開
 アジアのエリアマーケティングによりサービスを拡大させると共に、ヨーロッパでのマーケティングの開始とセールス体制の確立を行います。

3)Environment Weatherの立ち上げ
 全世界的な自然エネルギー利活用へ向けた構造変革を受け、自然エネルギーに関して先進的に取り組んでいるヨーロッパの企業との積極的なコラボレーションを通じ、新たな環境気象の立ち上げを目指します。

4)BtoS プラットフォームに応じたビジネスモデルの確立
 個人向けサービスではトランスプラットフォーム戦略を開始し、多様化する各プラットフォームに対し最適なコンテンツ配信を行い、より多くの人にウェザーニューズの情報を届け、参加してもらいます。また従来の有料会員向けの少額課金に加え、プラットフォームを活用した新たなビジネスモデルの確立を目指します。

 

<投資計画>

上記のビジネス展開を実現するため、以下3点を中心とした積極的な投資を行います。

1)ビッグデータを効果的・効率的に処理する基幹インフラの見直し 

2)価値創造を高める気象観測インフラの整備

3)ビジネス展開を加速するコラボレーション(M&Aを含む)

併せて、ビジネス展開・投資を実効性を持って推進していくための人材の確保に向けた投資を継続的に行います。

 

こうした取り組みの結果として、2018年5月期は、売上高15,500百万円、営業利益2,300百万円、経常利益2,300
百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,600百万円と見込んでいます。

 

 

(3)会社の支配に関する基本方針

① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要

当社グループは、民間の気象情報会社として「75億人の情報交信台」という夢を掲げ、気象が「水、電気、交通、通信」に続く第5の公共資産=公共インフラであると考え、世界中のあらゆる企業、個人の生命、財産に対するリスクを軽減し、機会を増大させることを実現する気象サービスを目指しております。また、当社グループは、サポーター自身が主体的に気象の観測(感測)、分析、予測、配信・共有に参加し、当社とともに価値を共創していく新しい気象サービスのあり方を追求していくことにより、社会や地球環境に貢献していきます。当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者でなければならないと考えております。言うまでもなく、上場会社である当社の株券等については、株主及び投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社取締役会としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、最終的には株主の皆様全体のご意思により決定されるべきであり、当社の株券等に対する大量取得行為の提案又はこれに類似する行為があった場合に、当社の株券等を売却するかどうかの判断も、最終的には当社の株券等を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。しかしながら、近年わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に株券等の大量取得行為の提案又はこれに類似する行為を強行する動きが顕在化しております。そして、かかる株券等の大量取得行為の中には、その目的等から見て企業価値及び株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株券等の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株券等の大量取得行為の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値及び株主共同の利益を毀損するものも少なくありません。そこで、当社としては、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を毀損する大量取得行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得行為に対しては必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を確保する必要があると考えます。

 

② 基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要

当社は、中長期にわたり企業価値を持続・発展させていくことこそが株主の皆様の共同の利益の向上のために最優先されるべき課題であると考え、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益の向上を目的に、上記1.記載の基本方針の実現に資する特別な取組みとして、当社の新中期経営計画の策定及びその実施、コーポレート・ガバナンスの強化、更に、業績に応じた株主の皆様に対する利益還元を進めてまいる所存です。

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要

当社は、上記1.記載の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、平成29年8月11日開催の第31期定時株主総会において、当社株券等の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について株主の皆様のご承認をいただきました(当該更新により導入される買収防衛策を、以下「本プラン」といいます。)。本プランは、当社が発行者である株券等について、(i)保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付けその他の取得若しくはこれに類似する行為、若しくは、(ii)公開買付けに係る株券等の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け若しくはこれに類似する行為、又はこれらの提案(買付等)を行おうとする者(買付者等)に対し、当社取締役会が、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者との交渉等を行っていくための手続を定めています。なお、買付者等は、本プランに係る手続の開始後、(i)当社取締役会による評価、検討、交渉及び意見形成のための期間が終了するまでの間、又は、(ii)取締役会により株主意思確認手続が実施された場合には、同手続が完了するまでの間、買付等を開始することができないものとします。買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う場合等、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益が毀損されるおそれがあると認められる場合には、当社は対抗措置(買付者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(本新株予約権)の無償割当ての実施)を講じることがあります。本プランにおいては、本新株予約権の無償割当ての実施又は不実施について、取締役の恣意的判断を排するため、(i)株主意思確認手続を実施することにより株主の皆様のご意思を確認するか、(ii)当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会の判断を経るか、のいずれかの手続を履践することとし、当社取締役会は、株主意思確認手続の結果又は独立委員会の勧告を最大限尊重し、本新株予約権の無償割当ての実施又は不実施に関する会社法上の機関としての決議を速やかに行うものとします。なお、当社は、上記1.記載の基本方針、上記2.記載の取組み及び本プランの内容を、以下のウェブサイトにて公表しております。

https://jp.weathernews.com/

 

④ 本プランに対する取締役会の判断及びその理由

当社は、中長期にわたる企業価値を持続・発展させていくことこそが株主の皆様の共同の利益の向上のために最優先されるべき課題であると考え、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益の向上を目的に、上記2.記載の取組みを行ってまいります。上記2.記載の取組みを通じて、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を向上させ、その向上が株主及び投資家の皆様による当社株式の評価に適正に反映されることにより、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を毀損するおそれのある当社の株券等の大量取得行為は困難になるものと考えられます。したがって、これらの取組みは、上記1.記載の基本方針に資するものであると考える所存です。また、本プランは、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために買付者等と協議・交渉等を行うことを可能とすることにより、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益を確保するための枠組みであり、上記1.記載の基本方針に沿うものであると考えております。さらに、本プランは、買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していること、株主意思を重視するものであること、取締役の恣意的判断を排除するために本プランの発動及び廃止等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として独立委員会が設置されていること、合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されていること、独立委員会は外部専門家の意見を取得できる仕組みとなっていること、当社取締役の任期は1年であること、有効期間満了前であっても株主総会又は取締役会によりいつでも廃止することができるものとされていること等の理由から、株主の皆様の共同の利益を損なうものでなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

4 【事業等のリスク】

(1)日本における気象業務法の公的規制について

当社グループの事業には、気象情報コンテンツの提供等、気象業務法の公的規制を受ける事業が含まれます。今後、予測できない大幅の規制変更が行われ、その変化に当社グループが対応できない場合、当社グループの事業に影響が及ぶ可能性があります。

 

(2)為替相場・金利等、金融市場の変動

当社グループは、日本に本社を置き事業運営を行っているため、当社連結子会社の存在する海外各地域における外貨建て財務諸表を連結財務諸表作成のために円換算しております。従って為替レートの変動により円換算後の経営成績の表示に影響が発生する可能性があります。また、金利等の変動は当社の資金調達コストの変動を通じて当社グループの損益に影響を及ぼします。

 

(3)海外展開にかかわる公的規制、テロ、戦争、予期し得ない政治・経済上の変動

当社グループは海外14の連結子会社(北米1社、欧州5社、アジア・豪州8社)を有しますが、これらの連結子会社が存在する各国での予期せぬ公的規制の変更、テロ、戦争、その他予期し得ない政治・経済上の変動により、当社グループの経営成績、財務状況に影響が及ぶ可能性があります。

 

(4)情報システム障害や内外からの不正なアクセス・攻撃による情報セキュリティ事故

当社グループは、セキュリティ・ポリシーの策定、社員及びパートナーへの情報アクセス権限管理、コンプライアンス意識の徹底を図ると共に、外部からの攻撃に対するシステム的防衛手段、及び有事の際のシステムバックアップ体制を講じております。しかしながら、予期できない程度の情報システム障害や情報セキュリティ事故により、情報システム基盤や通信回線の重大な障害、或いは経営に係る機密情報の破壊・窃盗が発生する可能性を完全に排除することはできず、そういった事態が発生した場合、業務効率の著しい低下や、事業継続、或いはビジネスの伸長に困難を来すことから、当社グループの事業、経営成績及び財政状態に影響が及ぶ可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、平成29年1月16日に、Metnext SAS社の株式を100%取得し特定子会社化する株式譲渡契約の締結を決議し、同日付で株式譲渡契約を締結しました。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載の通りです。

 

6 【研究開発活動】

当社では、「75億人の情報交信台」という夢に向かって、気象情報が水、電気、交通、通信に続く第5番目の公共資産であると考え、官営サービスに依存することなく、世界中のあらゆる企業、個人の生命、財産に対するリスクを軽減し、機会を増大させることを実現する気象サービスを目指しています。すでにグローバルに展開している海(航海気象)に加えて、空と陸についてもグローバル展開を行っていく今後を見据えて、革新的な気象サービスを実現する技術及びインフラの構築に注力しました。研究開発活動においては、技術的な側面にとどまらず、事業の立ち上げを視野に入れ、市場創造を実現する運営体制の構築に取り組みました。

 

(1)交通気象における革新的サービスを実現する技術及びインフラ

海氷の減少が著しい北極海を航海する際の航行支援サービスPolar Routeingの実現に向けて、北極海を中心にした世界の海氷をモニタリングする、世界で初めての超小型衛星WNISAT-1を2013年11月21日に打ち上げ、次世代機となるWNISAT-1Rを2017年7月14日に打ち上げました。
 また、突発的かつ局地的に発生するゲリラ雷雨及び突風を予測できる観測網を日本・アジア域に展開すべく、周囲360度を高速スキャンし、雨雲の三次元分布を観測できる新型レーダーの基礎研究を進めました。

 

(2)BtoS市場(個人・分衆向け)における革新的サービスを実現する技術及びインフラ

事前の予測が困難な突発的な雷雨(ゲリラ雷雨)からの被害を軽減するためにゲリラ雷雨の危険性をいち早く伝える「ゲリラ雷雨Ch」をインターネット及び携帯電話向けにサービスしています。
 このゲリラ雷雨を的確かつ迅速に予測するため、ゲリラ雷雨を引き起こす積乱雲の成長を捉える「WITHレーダー」を独自で開発しました。「WITHレーダー」は6秒毎に積乱雲を観測し、データ・予測値を更新します。また、全国の会員とゲリラ雷雨を監視する「ゲリラ雷雨防衛隊」を結成し、会員から雲の写真やコメントが寄せられています。会員から寄せられた雲の写真は人工知能(AI)を適用した画像解析処理を通じて雲の色、量、形、種類を自動で認識し、即座に予測に反映されています。

 

  なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は354百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績の分析

経営成績の分析は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績全般」をご参照下さい。

 

 

(2)財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、親会社株主に帰属する当期純利益をもとに現金及び預金が215百万円増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて1,106百万円増加し、15,311百万円となりました。負債は、未払法人税等の増加により、前連結会計年度末に比べて438百万円増加し、1,753百万円となりました。
 純資産は、前期末及び当中間期末に配当1,252百万円を行う一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,965百万円を計上したことなどにより、前連結会計年度末に比べて667百万円増加し、13,557百万円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の自己資本比率は87.9%となりました。

 

(3)資本の財源及び資金の流動性に関する情報

① キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。

② 所要資金の調達方針

当社グループの所要資金の調達は、当社グループにおける財務安定性及び資本コストの適正性を勘案して行うことを方針としております。また、グループにおける資金需要を当社にて一元把握し、調達することとしております。基本的に、多額な設備投資以外の資金需要は「営業活動によるキャッシュ・フロー」により確保することとし、子会社(グローバルビジネスモデルにおけるSSB)にて資金の不足が生じる場合には、当社からの貸付けによって補うことを原則としております。
 なお、グローバルビジネスモデルにおけるSSBは、本来的に戦略性に重点をおいた販売拠点展開として投資しているため、資金を固定的に用いるのではなく、その販売拠点の戦略性の変化に対してダイナミックに変化させることができるものとなっております。

③ 資金調達の方法

運転資金につきましては、「営業活動によるキャッシュ・フロー」を原資として、必要な場合は金融機関からの短期的な借入を行い、設備・投融資資金につきましては、金融機関からの長期借入金・社債及び証券市場を通じての増資等により調達することとしております。また、より効率的な資金調達を行うため、取引金融機関とコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております。

④ 資金の流動性について

平成29年5月末の有利子負債38百万円は長期借入金であり、現金及び現金同等物の残高は6,896百万円となっております。また、流動比率は631.8%となっております。