当社の消費税等に係る会計処理は、税抜方式によっているため、この項に記されている売上高及び販売実績の金額には、消費税等は含まれておりません。
(1)対処すべき課題
当社グループは「全世界76億人」の一人ひとりとともに最多・最速・最新の気象コンテンツサービスを創造・提供する世界最強・最大の「気象コンテンツ・メーカー」になることを基本コンセプトとしており、気象コンテンツ市場のフロントランナーとして、独創的に新たな市場を創造しながら「サポーター価値創造」と企業価値の最大化を目指します。
このコンセプト実現のため、「世界最大のデータベース・世界No.1の予報精度・あらゆる市場でのRisk Communicator」をコアコンピタンスと考え、Full Service “Weather& Climate” Companyとなることが当社のミッションであると認識しています。
このミッションに基づき、当社では独自気象観測インフラで観測した気象データ、各市場の顧客とコミュニケーションを交わす中で蓄積されてきたビジネスデータ、サポーターから提供される感測データなどから構成される世界最大規模の気象・気候データベースと、AIによる解析・予測等のIT技術を駆使することで、画一的な予測では無い、市場毎のニーズに合わせた「世界No.1の予報精度」の実現を目指しています。
また、この予報精度を武器に、短期的な気象リスクの事前把握や対応策のみならず、気象・気候変動における長期的・構造的なビジネスリスクの調査や分析、その適応策の支援サービスを創造していくことを目指しています。
(2)中期ビジョン
当社は「全世界76億人の情報交信台」という夢に向かって、第1成長期(1986年6月から1995年5月)は「事業の成長性」、第2成長期(1995年6月から2004年5月)は「ビジネスモデルの多様性」、第3成長期(2004年6月から2012年5月)は「経営の健全性」をテーマに掲げ、事業を展開してまいりました。第4成長期(2012年6月から2022年5月)は「革新性」をテーマに掲げ、サービスを本格的にグローバル展開することを目指します。
〔第4成長期のビジョン〕
<第4成長期の基本戦略>
「Service CompanyからService & Infrastructure Company with the Supporterへ」
当社には、RC(Risk Communication)サービスを組織的に運営すると同時に顧客とともに革新的なインフラを整備し、交通気象を中心としたビジネスを立ち上げてきた経験があります。この経験を基にアジア、ヨーロッパ、アメリカにおいて新たなグローバルビジネスを展開してまいります。
なお2020年5月期より、経営組織は各市場の売上および利益の責任を明確にするために、主要な事業をPlanning(Sea Planning:航海気象、Sky Planning:航空気象、Land Planning:陸上気象、Environment Planning:環境気象、Mobile・Internet Planning:モバイル・インターネット気象、Broadcast Planning:放送気象、Sports Planning:スポーツ気象)と称し、各市場に特化したサービス企画・運営・開発・営業を行い事業を推
進します。また、各Planningに共通する部門(共同利用インフラ運営および開発・管理部門)をSSIと称し、各Planningを専門的な見地でサポートし、会社全体での品質および生産性の向上を実現します。また、取締役は執行範囲を定めず事業全体を監督し、執行体制においてチェック・アンド・バランスを働かせます。
① 注力する販売市場
<交通気象>
航海気象は、国によるサービスが行われていない「公認民間市場(顕在化市場)」と言えます。当社は既にグローバル市場において航海気象サービスを展開しておりますが、サービス提供船は世界の外航船約20,000隻のうち30%程度です。第4成長期にはサービスの質を改善するとともに新サービスを開始し、10,000隻へのサービス展開を目指します。
航空気象は、現在、すでに日本、アジアのエアラインを中心にサービスを提供していますが、第4成長期後半では、ヨーロッパ、アメリカにおいてサービスを拡大し、グローバルでシェアを高めていきます。
陸上気象は、現在展開している日本でのサービスをアジア各国に適用することにより、高速道路・高速鉄道市場をターゲットにアジアからグローバルに展開していきます。
加えて、全世界的な自然エネルギー利活用へ向けた構造変革を受け、ヨーロッパ、日本、アジアのエネルギー企業に対し、需要予測の提供を中心とした環境気象の立ち上げを目指します。
<モバイル・インターネット気象>
コンテンツ面では、各国の気象庁から提供される観測データ(Observation)だけでなく、独自の衛星、レーダー、小型観測機、ライブカメラ等に加え、サポーターから送られてくる膨大な写真や体感データに代表される“感測”データ(Eye-servation)をAI・Deep Learningなどの最新技術を活用して解析し、他社には模倣できないコンテンツを創造していきます。
ビジネス面では、自社のメディアだけでなく、多様化する様々なプラットフォームにも「ウェザーニュース」のコンテンツを展開することによって、有料会員を増やすと共に、広告事業も伸ばしていきます。
(事業分野別の戦略)
|
事業分野 |
事業戦略 |
|
航海気象 |
・第4成長期中に10,000隻へルーティングサービスを拡大 |
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航空気象 |
・欧州、アメリカ市場への展開 |
|
陸上気象 |
・道路鉄道分野におけるアジア市場への展開 |
|
環境気象 |
・需要予測をもとにした電力・ガス会社等のエネルギー市場展開 ・販売量予測をもとにした流通小売市場展開 |
|
モバイル・ インターネット気象 |
・日本において圧倒的No.1の気象コンテンツプラットフォームへ |
|
放送気象 |
・市場の維持と共に、放送局向けインターネット型サービスの模索 |
|
スポーツ気象 |
・国内外のスポーツ大会の運営支援、代表チームへのサポート ・個人向けビジネスの展開開始 |
<エリア展開>
既に展開中のアジア市場に加え、2020年5月期後半に、航空気象ではヨーロッパ・アメリカ市場のマーケティング、環境気象ではアメリカ市場のマーケティングを開始する計画です。
②サービスデザイン
長年培った顧客との信頼関係をベースに、当社のコアコンピタンスであるRisk Communication ServiceをSymbolic Customerと共に立ち上げ、市場全体のニーズを捉える汎用的サービスメニューへ昇華することでマーケット展開を促進し、ITインフラやAI等の最新技術の積極的活用により生産性を向上させ、更なる価値創造のサイクルを回し続けます。
(3) 今後の見通し
当社では、来期からの3年間(2019年6月~2022年5月)を、「革新性」をテーマに交通気象のグローバル展開を目指す第4成長期のStage3とし、以下の4点を重点テーマとして推進することで事業の土台を一層安定させると共に、第5成長期を見据えた新規発展事業の創出を目指します。
2020年5月期からは、現在の対象市場を関連するカテゴリ毎に再定義し、航海気象、航空気象、陸上気象、環境気象、モバイル・インターネット気象、放送気象、スポーツ気象の7つの事業分野毎に特化したサービス企画・運営・開発・営業を行い、BtoB市場において国内・海外の売上比率の50:50を目指します。
1)既存事業の継続成長による収益基盤の強化
既存事業である航海気象、航空気象、環境気象、モバイル・インターネット気象を継続的に成長させ、収益基盤の強化を目指します。
2)世界最高品質の予報精度の追究とコンテンツ生産力の飛躍的向上
世界最大規模の気象・気候データベース及び独自AI解析を用いた世界No.1の予報精度の実現と、新たな基幹データベース・開発プラットフォーム及び独自AI技術を用いたコンテンツ生産力の向上を目指します。
3)マーケットを加速するITサービス基盤の整備
あらゆるサポーターに対して、デバイスなどの環境に関わらず、可能な限り迅速かつGlobalに気象情報を活用できるインフラを構築し、全世界76億人が気象情報を利用可能になる基盤の構築を目指します。
4)新規発展事業の創出
市場におけるビジネスリスクの調査と詳細分析、極端気象や気候変動による事業リスクに適応する支援サービスの創造など、あらゆる角度からの気象リスクに対するサービスの開発・提供を目指します。
<投資計画>
中長期を見据えた積極投資期間は2019年5月末で完了しましたが、2020年末のFlashサポート終了に伴う既存ソフトウェアのリプレイス対応、全国の携帯電話基地局に設置した既存の観測機器に新たな観測要素を加えたリプレイス対応などの一時費用の発生を計画に織り込んでいます。
こうした取り組みの結果として、2020年5月期は、売上高18,300百万円、営業利益2,100百万円、経常利益2,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,500百万円と見込んでいます。
(4)会社の支配に関する基本方針
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要
当社グループは、民間の気象情報会社として「全世界76億人の情報交信台」という夢を掲げ、気象が「水、電気、交通、通信」に続く第5の公共資産=公共インフラであると考え、世界中のあらゆる企業、個人の生命、財産に対するリスクを軽減し、機会を増大させることを実現する気象サービスを目指しております。また、当社グループは、サポーター自身が主体的に気象の観測(感測)、分析、予測、配信・共有に参加し、当社とともに価値を共創していく新しい気象サービスのあり方を追求していくことにより、社会や地球環境に貢献していきます。当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者でなければならないと考えております。言うまでもなく、上場会社である当社の株券等については、株主及び投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社取締役会としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、最終的には株主の皆様全体のご意思により決定されるべきであり、当社の株券等に対する大量取得行為の提案又はこれに類似する行為があった場合に、当社の株券等を売却するかどうかの判断も、最終的には当社の株券等を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。しかしながら、近年わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に株券等の大量取得行為の提案又はこれに類似する行為を強行する動きが顕在化しております。そして、かかる株券等の大量取得行為の中には、その目的等から見て企業価値及び株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株券等の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株券等の大量取得行為の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値及び株主共同の利益を毀損するものも少なくありません。そこで、当社としては、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を毀損する大量取得行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得行為に対しては必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 基本方針の実現に資する特別な取組みの内容の概要
当社は、中長期にわたり企業価値を持続・発展させていくことこそが株主の皆様の共同の利益の向上のために最優先されるべき課題であると考え、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益の向上を目的に、上記①記載の基本方針の実現に資する特別な取組みとして、当社の新中期経営計画の策定及びその実施、コーポレート・ガバナンスの強化、更に、業績に応じた株主の皆様に対する利益還元を進めてまいる所存です。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの内容の概要
当社は、上記①記載の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの一つとして、2017年8月11日開催の第31期定時株主総会において、当社株券等の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新について株主の皆様のご承認をいただきました(当該更新により導入される買収防衛策を、以下「本プラン」といいます。)。本プランは、当社が発行者である株券等について、(ⅰ)保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付けその他の取得若しくはこれに類似する行為、若しくは、(ⅱ)公開買付けに係る株券等の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け若しくはこれに類似する行為、又はこれらの提案(買付等)を行おうとする者(買付者等)に対し、当社取締役会が、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者との交渉等を行っていくための手続を定めています。なお、買付者等は、本プランに係る手続の開始後、(ⅰ)当社取締役会による評価、検討、交渉及び意見形成のための期間が終了するまでの間、又は、(ⅱ)取締役会により株主意思確認手続が実施された場合には、同手続が完了するまでの間、買付等を開始することができないものとします。買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う場合等、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益が毀損されるおそれがあると認められる場合には、当社は対抗措置(買付者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(本新株予約権)の無償割当ての実施)を講じることがあります。本プランにおいては、本新株予約権の無償割当ての実施又は不実施について、取締役の恣意的判断を排するため、(ⅰ)株主意思確認手続を実施することにより株主の皆様のご意思を確認するか、(ⅱ)当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会の判断を経るか、のいずれかの手続を履践することとし、当社取締役会は、株主意思確認手続の結果又は独立委員会の勧告を最大限尊重し、本新株予約権の無償割当ての実施又は不実施に関する会社法上の機関としての決議を速やかに行うものとします。なお、当社は、上記①記載の基本方針、上記②記載の取組み及び本プランの内容を、以下のウェブサイトにて公表しております。
https://jp.weathernews.com/
④ 本プランに対する取締役会の判断及びその理由
当社は、中長期にわたる企業価値を持続・発展させていくことこそが株主の皆様の共同の利益の向上のために最優先されるべき課題であると考え、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益の向上を目的に、上記②記載の取組みを行ってまいります。上記②記載の取組みを通じて、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を向上させ、その向上が株主及び投資家の皆様による当社株式の評価に適正に反映されることにより、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を毀損するおそれのある当社の株券等の大量取得行為は困難になるものと考えられます。したがって、これらの取組みは、上記①記載の基本方針に資するものであると考える所存です。また、本プランは、当社株券等に対する買付等が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提案するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために買付者等と協議・交渉等を行うことを可能とすることにより、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益を確保するための枠組みであり、上記①記載の基本方針に沿うものであると考えております。さらに、本プランは、買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していること、株主意思を重視するものであること、取締役の恣意的判断を排除するために本プランの発動及び廃止等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として独立委員会が設置されていること、合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されていること、独立委員会は外部専門家の意見を取得できる仕組みとなっていること、当社取締役の任期は1年であること、有効期間満了前であっても株主総会又は取締役会によりいつでも廃止することができるものとされていること等の理由から、株主の皆様の共同の利益を損なうものでなく、また、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(1)日本における気象業務法の公的規制について
当社グループの事業には、気象情報コンテンツの提供等、気象業務法の公的規制を受ける事業が含まれます。今後、予測できない大幅の規制変更が行われ、その変化に当社グループが対応できない場合、当社グループの事業に影響が及ぶ可能性があります。
(2)為替相場・金利等、金融市場の変動
当社グループは、日本に本社を置き事業運営を行っているため、当社連結子会社の存在する海外各地域における外貨建て財務諸表を連結財務諸表作成のために円換算しております。従って為替レートの変動により円換算後の経営成績の表示に影響が発生する可能性があります。また、金利等の変動は当社の資金調達コストの変動を通じて当社グループの損益に影響を及ぼします。
(3)海外展開にかかわる公的規制、テロ、戦争、予期し得ない政治・経済上の変動
当社グループは海外13の連結子会社(北米1社、欧州5社、アジア・豪州7社)を有しますが、これらの連結子会社が存在する各国での予期せぬ公的規制の変更、テロ、戦争、その他予期し得ない政治・経済上の変動により、当社グループの経営成績、財務状況に影響が及ぶ可能性があります。
(4)情報セキュリティ及び個人情報保護
当社グループは、事業上の重要情報および事業の過程で入手した個人情報や取引先等の秘密情報を保有しており、「個人情報保護法」、「欧州一般データ保護規則(GDPR)」、その他の法令に基づき、個人情報保護に関する義務を課されています。当該情報の盗難・紛失などを通じた外部漏洩・第三者による不正流用の防止はもちろん、不適切な利用、改ざん等の防止のため、委託先の管理を含め、情報の取り扱いに関する管理の強化を行い、法規制強化への対応等も都度実施しています。
また、個人情報の管理を事業運営上の重要事項と捉え、保護管理体制の確立に努めており、当社において個人情報管理規定等を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを定めて厳格に管理するとともに、当社グループの役職員を対象として社内教育を徹底する等、関連法令並びに当社に適用される関連ガイドラインの遵守に努め、個人情報の保護に積極的に取り組んでいます。
しかし、不測の事態によってこれらの情報の漏洩やインシデントが発生する可能性は完全に排除できず、また情報システムへのサイバー攻撃などによって、重要データの破壊、改ざん、流出、システム停止等を引き起こす可能性もあります。したがって、これらの事態が起こった場合には、業務効率の著しい低下や、事業継続、あるいはビジネスの伸長に困難を来すことが想定され、適切な対応を行うための相当なコストの負担、損害賠償による損失、社会的信用やブランドイメージの低下によって、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
気象サービスの市場規模は全世界で6,000億円以上と想定されます。気象リスクへの関心の高まりとネット技術の発展によって、気象サービス市場は今後も成長を続けると当社は考えています。
当社では「全世界76億人の情報交信台」という夢のもと、第1成長期(1986年6月から1995年5月)は「事業の成長性」、第2成長期(1995年6月から2004年5月)は「ビジネスモデルの多様性」、第3成長期(2004年6月から2012年5月)は「経営の健全性」をテーマとし、事業活動を行ってきました。当期は、「革新性」をテーマに掲げ本格的なグローバル展開を目指す第4成長期の7年目として、次の項目に取り組んできました。
<1>ビジネス展開
・航海気象
船隊計画全体の最適化を推薦する船種毎のサービスや二酸化炭素排出量の規制導入に対応したサービス開発及びヨーロッパ市場を中心とした積極的な海外営業
・航空気象
アジアのエアラインを中心としたサービス展開の拡大及びヨーロッパにおけるマーケティングの推進
・道路及び鉄道気象
国内サービスの強化やアジアにおける運行規制基準策定の共創等
・環境気象
Weathernews France SASを中心とした環境気象の立ち上げの促進
・BtoS(個人・分衆:Sはサポーター)
広告投資や配信コンテンツの拡充によるトラフィックの最大化に向けた取り組み及び気象情報と関連する自社独自の個人向けインターネット広告事業
<2>投資状況
・設備投資
ビッグデータを活用したサービス開発の基礎となる蓄積データを効果的に解析できる基幹インフラ、サービス提供数の増加を見据えた効率的なサービス運営システム及び新興国の観測網を整備する独自観測インフラ
・人材投資
アジア、ヨーロッパ展開を加速するサービススタッフ、AIやグロースハックの技術をもつエンジニア、新サービスを継続的に創出していくIT人材、及びグローバル化に対応する管理部門スタッフの強化
・事業投資
ネットメディアを中心とした広告掲載及びSEO・ASO(ウェブやアプリが上位に検索されるための最適化)を通じたサーチエンジン広告の実施
当期の連結売上高は17,052百万円と、前期比7.4%の増収となりました。BtoB市場の売上高では、航海気象がアジア及びヨーロッパ市場を中心としてサービス提供数が増加したことに加えて、航空気象がアジアにおける新規受注を拡大したこと、道路気象が日本におけるシェアを拡大したことにより、前期比3.6%増収の9,961百万円となりました。個人向けサービスであるBtoS市場の売上高は、広告投資によるトラフィックの最大化や自社配信コンテンツの充実と継続的なUI/UXの改善に伴う継続利用率の向上によってスマートフォン向けサービス売上が好調であったことに加えて、広告事業の本格化によって、前期比13.3%増収の7,090百万円となりました。
利益については、グローバル展開や新サービス創出を加速するスタッフの積極採用、サービスソフトウェア開発費の増加及び広告投資の増加に加え、中長期を見据えた新たなシステム開発を行った影響により、営業利益は前期比17.9%減益の2,045百万円、経常利益は前期比22.6%減益の1,930百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期のWeathernews France SAS株式取得時に計上したのれん未償却残高等の減損の影響で、前期比20.4%増益の1,370百万円となりました。
〔市場別の状況〕
当期における市場別売上高は以下のとおりです。当社は継続的にコンテンツを提供するトールゲート型ビジネスを主に展開しています。一方、将来のトールゲート売上につながる一時的な調査やシステムを販売する機会があり、当社はこれらをSRS(Stage Requirement Settings)と称しています。
|
市場区分 |
前連結会計年度 (自 2017年6月1日 至 2018年5月31日) (百万円) |
当連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) (百万円) |
増減率 (%) |
|||||
|
SRS |
トールゲート |
合計 |
SRS |
トールゲート |
合計 |
合計 |
||
|
|
交通気象 |
506 |
6,921 |
7,427 |
456 |
7,345 |
7,801 |
5.0 |
|
|
交通気象以外 |
162 |
2,026 |
2,189 |
140 |
2,019 |
2,160 |
△1.3 |
|
BtoB市場 |
668 |
8,947 |
9,616 |
596 |
9,365 |
9,961 |
3.6 |
|
|
|
モバイル・インターネット |
20 |
3,517 |
3,537 |
26 |
4,186 |
4,212 |
19.1 |
|
|
その他メディア |
499 |
2,220 |
2,719 |
609 |
2,268 |
2,877 |
5.8 |
|
BtoS市場 |
519 |
5,737 |
6,257 |
635 |
6,454 |
7,090 |
13.3 |
|
|
合計 |
1,188 |
14,685 |
15,874 |
1,232 |
15,820 |
17,052 |
7.4 |
|
(参考)地域別売上高
|
|
前連結会計年度 (自 2017年6月1日 至 2018年5月31日) (百万円) |
当連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) (百万円) |
増減率 (%) |
||||
|
SRS |
トールゲート |
合計 |
SRS |
トールゲート |
合計 |
合計 |
|
|
日本 |
1,134 |
10,940 |
12,074 |
1,164 |
11,629 |
12,794 |
6.0 |
|
アジア・豪州 |
- |
1,445 |
1,445 |
5 |
1,924 |
1,930 |
33.6 |
|
欧州 |
54 |
1,907 |
1,962 |
62 |
1,959 |
2,021 |
3.0 |
|
米州 |
- |
392 |
392 |
- |
305 |
305 |
△22.0 |
|
合計 |
1,188 |
14,685 |
15,874 |
1,232 |
15,820 |
17,052 |
7.4 |
<BtoB(企業・法人)市場>
BtoB市場においては、社会のインフラとして企業のニーズが高く、かつグローバルな成長が見込まれる交通気象(航海気象、航空気象、道路気象、鉄道気象、海上気象)を重点事業と位置づけております。なかでも、当社サービスの原点である海運会社向け航海気象では、安全性を向上すると同時に燃料消費量を抑え、運航効率を改善するOSR(Optimum Ship Routeing)をコンテナ船、自動車船、ばら積み船及びタンカー向けに展開しています。
当期は、航海気象では海運市場のIT化の流れを捉えた船隊計画全体の最適化推薦サービスであるT-MAXの導入が進み、アジア及びヨーロッパの市場を中心にサービス提供数が増加したことにより増収となりました。さらに、航空気象では、アジアを中心とした新規受注によりGo or NG Decision Support Serviceの提供先が増加したこと、道路気象では新規顧客の獲得、及び既存顧客への作業・体制判断支援サービス拡大により増収となりました。
この結果、交通気象の売上高は前期比5.0%の増収となり、BtoB市場全体の売上高は、前期比3.6%増収の9,961百万円となりました。
<BtoS(個人・分衆)市場>
当期のBtoS市場においては、モバイル・インターネットでの広告キャンペーン等の引き込み施策の多様化によるDAU(Daily Active Users)の増加や自社配信コンテンツの充実と継続的なUI/UXの改善に伴う継続利用率の向上によって、スマートフォンのレベニューシェアモデル売上が好調であったことに加えて、今期から本格化した広告事業も順調に成長したことにより、前期比19.1%の増収となりました。また、放送局向けでは、システム更新のタイミングによる初期型売上SRSが増加し、BtoS市場全体では前期比13.3%増収の7,090百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等471百万円を支払う一方で、税金等調整前当期純利益1,881百万円を計上したことなどにより2,525百万円の収入(前年同期1,873百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や無形固定資産の取得による支払などにより983百万円の支出(前年同期450百万円の支出)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより1,090百万円の支出(前年同期1,132百万円の支出)となりました。
現金及び現金同等物に係る換算差額41百万円を減算し、現金及び現金同等物の当期末残高は7,595百万円(前年同期7,186百万円)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績及び受注実績
当社グループの主な事業は、気象情報を中心とした総合的なコンテンツ提供サービスです。加えて、継続的にサービスを行うトールゲート型ビジネスを主に展開しているため、受注生産方式を採用していません。このため、生産実績、受注実績を数量、金額で示すことはしておりません。
b. 販売実績
当連結会計年度における市場別売上高は下記のとおりであります。
|
市場区分 |
前連結会計年度 (自 2017年6月1日 至 2018年5月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) |
増減率 |
|
|
百万円 |
百万円 |
% |
|
BtoB市場 |
9,616 |
9,961 |
3.6 |
|
BtoS市場 |
6,257 |
7,090 |
13.3 |
|
合計 |
15,874 |
17,052 |
7.4 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたりましては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、受注損失引当金等の各引当金の計上、固定資産の減損に係る会計基準における回収可能額の算定、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。ただし、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
<1>経営成績の分析
当社グループは「Accelerate the Global Business」のスローガンのもと、3ヵ年の中期経営計画を策定しております。3年目となる当期における進捗については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」をご参照下さい。
<2>財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、ソフトウエア仮勘定などの増加により、前連結会計年度末に比べて640百万円増加し、15,746百万円となりました。負債は、未払法人税等の増加により、前連結会計年度末に比べて398百万円増加し、1,885百万円となりました。
純資産は、前期末及び当中間期末に配当1,090百万円を行う一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,370百万円を計上したことなどにより、前連結会計年度末に比べて242百万円増加し、13,860百万円となりました。これらの結果、当連結会計年度末の自己資本比率は87.5%となりました。
<3>資本の財源及び資金の流動性
1)キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
2)所要資金の調達方針
当社グループの所要資金の調達は、当社グループにおける財務安定性及び資本コストの適正性を勘案して行うことを方針としております。また、グループにおける資金需要を当社にて一元把握し、調達することとしております。基本的に、多額な設備投資以外の資金需要は「営業活動によるキャッシュ・フロー」により確保することとし、子会社(グローバルビジネスモデルにおけるSSB)にて資金の不足が生じる場合には、当社からの貸付けによって補うことを原則としております。
なお、グローバルビジネスモデルにおけるSSBは、本来的に戦略性に重点をおいた販売拠点展開として投資しているため、資金を固定的に用いるのではなく、その販売拠点の戦略性の変化に対してダイナミックに変化させることができるものとなっております。
3)資金調達の方法
運転資金につきましては、「営業活動によるキャッシュ・フロー」を原資として、必要な場合は金融機関からの短期的な借入を行い、設備・投融資資金につきましては、金融機関からの長期借入金・社債及び証券市場を通じての増資等により調達することとしております。また、より効率的な資金調達を行うため、取引金融機関とコミットメントライン契約及び当座貸越契約を締結しております。
4)資金の流動性について
当社グループは、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の流動性の維持及び機動的・効率的な資金の確保を財務活動の方針としております。当連結会計年度は、現預金及びコミットメントラインを十分に確保し、資金の流動性を維持しております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は7,595百万円となっております。また、流動比率は604.5%となっております。
該当事項はありません。
当社では、「全世界76億人の情報交信台」という夢に向かって、気象情報が水、電気、交通、通信に続く第5番目の公共資産であると考え、世界中のあらゆる企業、個人の生命、財産に対するリスクを軽減し、機会を増大させることを実現する気象サービスを目指しています。すでにグローバルに展開している航海気象に加えて、航空気象と陸上気象についてもグローバル展開を行っていく今後を見据えて、革新的な気象サービスを実現する技術及びインフラの構築に注力しました。研究開発活動においては、技術的な側面にとどまらず、事業の立ち上げを視野に入れ、市場創造を実現する体制の構築に取り組みました。
(1)交通気象における革新的サービスを実現する技術及びインフラ
海上ブロードバンド通信の進展を背景にビックデータを活用した運航高度化による自律運航船の就航が将来的に想定される中、造船工学手法を活用した船舶性能の推定精度向上やビッグデータとAI的評価を活用した最適航路抽出ロジック構築など、運航最適化支援のサービス化を見据えた開発を行っています。
また、冬季の気象リスクの一つである路上の積雪・凍結リスクを減らすべく、AIを用いた画像分析による路面状況認識システムの開発を進めています。
インフラに関しては、観測面では突発的かつ局地的に発生するゲリラ豪雨及び突風を予測できる観測網を日本・アジア域に展開すべく、周囲360度を高速スキャンし、雨雲の三次元分布を観測できる新型レーダーの基礎研究を、開発環境面ではクラウド化による開発スピードの向上を目的とした環境の構築を進めています。
(2)革新的サービスを実現する予報モデル及びAI技術開発
気象災害による被害を減らすべく、超局地的な予測モデルや短時間予報解析モデル等、より高解像度・高頻度の予測モデルを開発し、継続的に予報精度の改善を行っています。また、AIを利用することで、既存のモデルで上手く表現されなかった地形効果による雲の発達や衰弱・速度変化も反映されるようになり、また雨雲レーダーの高解像度化によりゲリラ豪雨などの局地的かつ突発的な現象など従来モデルでは困難だった現象の捕捉や地域への天気予報の精度が向上しています。
なお、当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は