当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
(1)経営成績の分析
① 経営環境及び概況
当社は法人向け及び個人向けにサービスを展開しており、法人向けは陸・海・空のそれぞれの領域における交通・インフラ企業をはじめとした様々な企業に、個人向けはアプリ・各メディアのプラットフォームを通じて一般のお客様に気象サービスを提供しています。
法人向け事業であり祖業であるSea Domainはグローバルに展開しています。国や地域をまたぐ大型船舶の長期航海のサポートが主なサービスとなっており、グローバルの海運市場における荷動きや、その背景にある地政学的リスクが当社の業績に影響を与えます。また、個人向け事業であるInternet Domainは主に日本国内で展開しており、自社アプリ「ウェザーニュース」のサブスクリプションサービス売上及び広告収入で構成されています。
このような経営環境において、当中間連結会計期間の連結売上高は11,609百万円(前年同期比4.1%増)となりました。Sea Domainでは、中東情勢の不安定化に起因する物流混乱が継続したものの、世界経済の緩やかな回復で荷動きは堅調に推移しました。一部の大型顧客の単価増を伴う契約更新や新規顧客獲得、為替の影響もあり増収となりました。Land Domainでは、高速道路市場での売上増、エネルギー市場・小売市場における顧客数の増加やSaaS型商品の拡販により増収となりました。Internet Domainでは、極端気象の激甚化、気象災害の頻発などを背景に気象情報のニーズが高まる中、継続的なテレビCM等への広告投資を通じた認知度向上により、アプリ利用者数を増加させ、サブスクリプションサービス売上及び広告収入が増加しました。一方で、サブスクリプションサービス売上におけるキャリア向け売上は減少が継続しました。
費用面では、広告投資については足許の天候状況に鑑みた柔軟な投資を実行しており、当中間連結会計期間においては前年同期比で増加しました。人件費についてはSaaS型プロダクト開発をはじめとするIT開発人財の強化を前年度に引き続き実施したことで増加しました。通信費については開発・運用環境のクラウド化を継続したことで増加しました。また、開発体制の見直しによる開発費の減少や、前年同期に計上した外注費等の一時的な費用が減少しました。その結果、営業利益は1,676百万円(前年同期比32.8%増)となりました。
なお、経常利益は1,622百万円(前年同期比26.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は1,134百万円(前年同期比11.4%増)となりました。
② 事業領域別の状況
<Sea Domain>
海運市場において、中東情勢に起因する物流混乱が継続したものの、世界経済の緩やかな回復で荷動きは堅調に推移しました。当社においては欧州市場を中心に大型顧客の単価増を伴う契約更新や為替影響も寄与し増収となりました。
<Sky Domain>
エアライン市場において、国内のレジャー需要の回復や円安影響によるインバウンド需要が好調に推移し旅客数が回復しました。当社においてはアジアのエアライン顧客向けの売上が寄与し増収となりました。
<Land Domain>
極端気象発生時の拠点防災や輸送影響、安全確保の観点で気象情報のニーズが高まり、高速道路市場の顧客数が増加しました。また、エネルギー市場や小売市場では、従来型サービスに加えWxTechサービス(SaaS型プロダクト)の拡販により増収となりました。
<Internet Domain>
極端気象や気象災害の頻発などを背景に気象情報のニーズが高まる中、テレビCMやネット広告の投資継続によりアプリの使用頻度が向上し、アプリ利用者数が増加しました。また、サブスクリプションサービス売上及び広告収入が堅調に推移、通信キャリア向け売上の低迷は継続しましたが、全体では増収を堅持しました。
なお、アプリ「ウェザーニュース」のダウンロード数が累計4,500万DL、YouTubeのウェザーニュースLiVE Chの登録者数が134万人をそれぞれ突破しました。
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事業領域 |
前中間連結会計期間 (自 2023年6月1日 至 2023年11月30日) (百万円) |
当中間連結会計期間 (自 2024年6月1日 至 2024年11月30日) (百万円) |
増減率 (%) |
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Sea |
2,863 |
3,141 |
9.7 |
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Sky |
588 |
654 |
11.1 |
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Land |
3,010 |
3,233 |
7.4 |
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Internet |
4,233 |
4,281 |
1.1 |
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ストック売上 合計 |
10,695 |
11,310 |
5.7 |
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フロー売上 |
455 |
299 |
△34.3 |
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総 計 |
11,150 |
11,609 |
4.1 |
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(注)ストック売上:サービス提供の対価として継続的に発生する売上
フロー売上 :一時的な調査やシステム販売による売上
(参考)地域別売上高
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地域区分 |
前中間連結会計期間 (自 2023年6月1日 至 2023年11月30日) (百万円) |
当中間連結会計期間 (自 2024年6月1日 至 2024年11月30日) (百万円) |
増減率 (%) |
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日本 |
8,411 |
8,592 |
2.2 |
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アジア |
1,581 |
1,659 |
5.0 |
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欧州 |
988 |
1,135 |
15.0 |
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米州 |
169 |
221 |
30.8 |
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合 計 |
11,150 |
11,609 |
4.1 |
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(2)財政状態の分析
当中間連結会計期間末の総資産は、現金及び預金などの増加により、前連結会計年度末に比べて326百万円増加し、23,385百万円となりました。また、負債合計額は、契約負債などの減少により、前連結会計年度末に比べて181百万円減少し、3,088百万円となりました。純資産合計額は、前連結会計年度末の配当662百万円を行った一方で、親会社株主に帰属する中間純利益1,134百万円を計上したことなどにより、前連結会計年度末に比べて508百万円増加し、20,296百万円となりました。
以上により、自己資本比率は86.5%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等587百万円を支払う一方で、税金等調整前中間純利益1,622百万円を計上したことなどにより、1,366百万円の収入(前年同期802百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産や無形固定資産の取得による支払などにより、112百万円の支出(前年同期227百万円の支出)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払などにより、661百万円の支出(前年同期660百万円の支出)となりました。
現金及び現金同等物に係る換算差額69百万円を減算し、現金及び現金同等物の当中間連結会計期間末残高は14,833百万円(前年同期12,548百万円)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループでは、長期ビジョンをもとに事業に取り組んでおります。なお、当中間連結会計期間において、対処すべき課題について重要な変更はありません。
① 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは「船乗りの命を守りたい。地球の未来も守りたい。」という夢に向かって、サポーターとともに最多・最速・最新の気象コンテンツサービスにより気象・環境に関する社会的リスクに対応する「気象コンテンツ・メーカー」になることを基本コンセプトとしており、気象コンテンツ市場のフロントランナーとして、独創的に新たな市場を創造しながら「サポーター価値創造」と企業価値の最大化を目指します。
また、このコンセプトの実現のため、「世界最大のデータベース・業界No.1の予報精度・あらゆる市場におけるコミュニティー」をコアコンピタンスと考え、Full Service “Weather & Climate” Companyとなることが当社のミッションであると認識しています。
② 対処すべき課題(中期経営計画)
当社グループは売上高、営業利益率、ROEを主要な経営指標としています。成長市場である気象コンテンツ市場においては、継続的な売上(ストック売上)が発生するサービスの拡販を実現することによって売上高成長を企業成長に結びつけることができると考えています。この認識に基づき2023年6月からの3年間について中期経営計画を策定しました。
詳細は当社HPの中期経営計画の資料をご覧ください。
https://jp.weathernews.com/irinfo/plan/
(5)会社の支配に関する基本方針
① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要
当社グループでは、民間の気象情報会社として「船乗りの命を守りたい。地球の未来も守りたい。」という夢を掲げ、気象が水、電気、交通、通信に続く第5の公共資産=公共インフラであると考え、世界中のあらゆる企業、個人の生命、財産に対するリスクを軽減し、ソリューションの提供などを通じた顧客の事業の効率化・最適化の機会の増大を実現する気象サービスを目指しております。また、当社グループは、サポーター自身が主体的に気象の観測(感測)、分析、予測、配信・共有に参加し、当社とともに価値を共創していく新しい気象サービスのあり方を追求していくことにより、社会や地球環境に貢献していきます。当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者でなければならないと考えております。言うまでもなく、上場会社である当社の株券等については、株主及び投資家の皆様による自由な取引が認められており、当社取締役会としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、最終的には株主の皆様全体のご意思により決定されるべきであり、当社の株券等に対する大量取得行為の提案又はこれに類似する行為があった場合に、当社の株券等を売却するかどうかの判断も、最終的には当社の株券等を保有する株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えます。しかしながら、近年わが国の資本市場においては、対象となる企業の経営陣の賛同を得ずに、一方的に大量取得行為の提案又はこれに類似する行為を強行する動きが増加しております。そして、かかる株券等の大量取得行為の中には、その目的等から見て企業価値及び株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株券等の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株券等の大量取得行為の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値及び株主共同の利益を毀損するものも少なくありません。当社としては、このような当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を毀損する大量取得行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量取得行為に対しては必要かつ相当な対抗手段を講じることにより、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 基本方針の実現に資する特別な取り組みの内容の概要
当社は、中長期にわたり企業価値を持続・発展させていくことこそが株主の皆様の共同の利益の向上のために最も優先されるべき課題であると考え、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益の向上を目的に、当社の中期経営計画の策定及びその実施、コーポレート・ガバナンスの強化、更に、業績に応じた株主の皆様に対する利益還元を従前どおり進めてまいる所存です。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みの内容の概要
当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組みとして、2023年8月19日開催の第37期定時株主総会において、当社株券等の大量取得行為に関する対応策の更新について株主の皆様のご承認をいただきました(以下「本プラン」といいます。)。本プランは、当社が発行者である株券等について、(ⅰ)保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付けその他の取得若しくはこれに類似する行為、若しくは、(ⅱ)公開買付けに係る株券等の株券等所有割合及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け若しくはこれに類似する行為、又はこれらの提案(買付等)を行おうとする者(買付者等)に対し、当社取締役会が、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者との交渉等を行っていくための手続を定めております。なお、買付者等は、本プランに係る手続の開始後、(ⅰ)当社取締役会による評価、検討、交渉及び意見形成のための期間が終了するまでの間、又は、(ⅱ)取締役会により株主意思確認手続が実施された場合には、同手続が完了するまでの間、買付等を開始することができないものとします。買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う場合等、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益が毀損されるおそれがあると認められる場合には、当社は対抗措置(買付者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(本新株予約権)の無償割当ての実施)を講じることがあります。本プランにおいては、本新株予約権の無償割当ての実施又は不実施について、取締役の恣意的判断を排するため、対象となる買付等が本プランに定める手続を遵守しないものである場合、又は濫用的な買付行為であると明らかに認められる場合を除き、(ⅰ)株主意思確認総会における株主投票により株主の皆様のご意思を確認する手続を実施することとしております。また、対象となる買付等が濫用的な買付行為であると明らかに認められる場合であっても、(ⅱ)当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会の判断を経る手続を実施することとしております。その上で、当社取締役会は、株主意思確認手続の結果に従い、又は、独立委員会の勧告を最大限尊重し、本新株予約権の無償割当ての実施又は不実施に関する会社法上の機関としての決議を速やかに行うものとします。なお、当社は、上記①記載の基本方針、上記②記載の取り組み及び本プランの内容を、以下のウェブサイトにて公表しております。https://jp.weathernews.com/
④ 本プランに対する取締役会の判断及びその理由
当社は、中長期にわたり企業価値を持続・発展させていくことこそが株主の皆様の共同の利益の向上のために最優先されるべき課題であると考え、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益の向上を目的に、当社の中期経営計画の策定及びその実施、コーポレート・ガバナンスの強化、さらに、業績に応じた株主の皆様に対する利益還元を従前どおり進めてまいる所存です。これらの取り組みの実施を通じて、当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を向上させ、その向上が株主及び投資家の皆様による当社株式の評価に適正に反映されることにより、上記の当社グループの企業価値及び株主の皆様の共同の利益を毀損するおそれのある当社の株券等の大量取得行為は困難になるものと考えられます。したがって、これらの取り組みは、基本方針に資するものであると考えております。また、本プランは、当社の株券等に対する買付等が行われる場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と協議・交渉等を行ったりすることを可能とすることにより、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益を確保するための枠組みであり、基本方針に沿うものです。さらに、本プランは、関連する指針の要件等を完全に充足していること、株主意思を重視するものであること、取締役の恣意的判断を排除するために本プランの発動及び廃止等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として独立委員会が設置されていること、合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動できないように設定されていること、独立委員会は外部専門家等の意見を取得できる仕組みとなっていること、当社取締役の任期が1年であること、有効期間満了前であっても株主総会又は取締役会によりいつでも廃止することができるものとされていること等の理由から、株主の皆様の共同の利益を損なうものでなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は29,544千円であります。
(7)従業員数
① 連結会社の状況
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2024年11月30日現在 |
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従業員数(名) |
1,125 [77] |
(注)1.従業員数は就業人員数であります。
2.従業員数欄の[外書]は臨時従業員の平均雇用人数であります。
3.上記のほか、派遣社員22名、委任・準委任の業務委託者92名が従事しております。
② 提出会社の状況
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2024年11月30日現在 |
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従業員数(名) |
991 [77] |
(注)1.従業員数は就業人員数であります。
2.従業員数欄の[外書]は臨時従業員の平均雇用人数であります。
3.上記のほか、派遣社員22名、委任・準委任の業務委託者92名が従事しております。
該当事項はありません。