第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループは事業環境や顧客ニーズ、企業価値等のあらゆる変化に対応していくため、経営方針に沿って課題解決に向けた戦略・施策を積極的に実施しています。経営方針は、以下の3つの推進方針(①~③)と2つの達成方針(④~⑤)を掲げており、推進方針に沿って各種施策を強化し、達成方針の実現を目指しております。

① 事業環境の変化に適応し、新領域へ挑戦

② 特化型SEの育成推進

③ サステナビリティ経営の推進

④ Trust relationship強化で、お客様の事業拡大への貢献

⑤ プライムビジネスの更なる拡大

 

(2)経営環境

 わが国経済につきましては、雇用・所得環境が改善する下で各種政策の効果もあって今後も緩やかな回復が続くことが期待されております。また、顧客のソフトウェア関連の設備投資は旺盛であり、今後も増加していくものと考えております。

 

(3)経営戦略等

 当社グループは現在、持続的な成長を目指して事業環境や現状を勘案した上で2025年6月期から2027年6月期までの3ヵ年の中期経営計画「BEIT50」を実行中です。本計画では初年度(2025年6月期)の売上高は270億円、営業利益は20.5億円、2年目(2026年6月期)の売上高は285億円、営業利益は22億円、3年目(2027年6月期)の売上高は300億円、営業利益は23.5億円の達成をそれぞれ目標としておりました。

 今般、本計画の初年度において営業利益は目標を上回る21.7億円を達成したこと、及び2024年10月よりグループ入りした株式会社アドバンスソフトが連結業績に今後寄与することとなるため計画の見直しを行い、2年目と3年目の営業利益を0.5億円上乗せし22.5億円、24億円をそれぞれ目指すことといたしました。なお、売上高は当初の目標を継続して目指してまいります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは経営方針に則り対処すべき課題を以下のとおり設け、その実現のための戦略・施策を実施してまいります。

 

①「事業環境の変化に適応し、新領域へ挑戦」についての課題

 IT業界を取り巻く事業環境は日々変化を続けており、近年では生成AIやIoTをはじめ、企業がDXを実現するための新しい技術や仕組みが生み出され続けています。同時に社会のITへのニーズも旺盛かつ多様化しており、それらの需要に素早く対応することが、IT企業に求められています。これまでの企業固有なシステムの独自開発から、パッケージ製品や汎用的なサービスを活用してシステム構築するケースも増えております。労働市場においては、国内では人口減少・少子高齢化が進む中、業界内ではIT人材の需要が増加しており、その確保が困難になってきております。

 当社グループにおきましては、これらのITニーズの変化を機会と捉え、得意とする独自開発を維持しつつ、パッケージ製品や汎用的なサービスへの対応に取り組んでまいります。また、IT人材の確保に対応するため、国内においては引き続き新卒・経験者の採用活動に尽力するとともに、海外のIT人材の活用に努めてまいります。

 

②「特化型SEの育成推進」についての課題

 事業環境の変化に適応するためには、個々の技術者の技術力、プロジェクトマネジメント能力、業種業界に特化したノウハウや経験等を有する人材の育成が重要であります。

 当社グループにおきましては、これらの能力に特化したスペシャリストの育成を推進するため、社員の能力に合わせたキャリアアップを推進し、個々のスキルアップを図ります。教育体制の強化に加え人材開発面への投資も行なってまいります。また、研究開発の成果やプロジェクトマネジメント等に関するナレッジを蓄積し、社員への共有を促進し、全社員の能力向上の効率化を図ります。

 

③「サステナビリティ経営の推進」についての課題

 当社グループは、社員やお客様等、当社を取り巻くすべてのステークホルダーにより事業活動が成立すると考えております。また、長期的な視点で社会の持続可能性に配慮したサステナビリティ経営を目指し、これまでもさまざまな取り組みを続けてまいりました。

 このような状況の中、当社グループは今後もより一層、社会の持続可能性に配慮した企業活動を推進する所存です。事業活動として多種多様な領域へ情報技術を提供することにより人々の利便性向上を実現し、また、健康経営やダイバーシティ、CSR等の取り組みを強化することで当社に関わるすべてのステークホルダーのサステナビリティに貢献し、企業価値の向上を図ってまいります。

 

④「Trust relationship強化で、お客様の事業拡大への貢献」についての課題

 当社グループは、各分野で付加価値の高い情報システムを提供することでお客様から信頼を獲得し、長く取引を継続していただくことをビジネスの基本としております。当連結会計年度では、SIerからの受注が堅調に推移し、SIer売上高及びSIer売上高比率が増加いたしました。

 今後もこの関係性を維持強化したうえで、お客様の事業拡大により一層貢献できるパートナーを目指してまいります。また、システム開発のみならず、ソリューションやコンサルティング等の上位レイヤーから運用保守のレイヤーまで、幅広くワンストップでサービス提供することで、お客様との信頼関係をより一層強化してまいります。さらに、お客様のビジネスの変化にも対応するため、お客様の事業戦略を理解し、お客様の事業拡大に貢献できるよう努めてまいります。

 

⑤「プライムビジネスの更なる拡大」についての課題

 当社グループは、プライム案件の受注拡大を推進し、取り組んでまいりました。当連結会計年度では、製品・サービス、ソリューションの事業領域を一定量拡大することができましたが、SIer案件の受注増に加え、一部プライム案件において想定以上の工数を要したことで、計画どおりに拡大ができなかったことにより、プライム売上高及びプライム売上高比率が減少する結果となりました。

 プライムビジネスの更なる拡大を図るため、事業変化への対応や特化型SEの育成を通じて、お客様からの受注拡大を推進してまいります。製品・サービス、ソリューションにおきましては、新たな製品開発のための投資や、展示会への出展や販促等のPR活動を強化し拡販を図るほか、業務提携先との連携による海外マーケットへの進出をより一層推進してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。なお、特に記載のない限り文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)ガバナンス

 当社グループは、「情報技術で人と社会にやさしい未来を創造します」という企業理念を掲げ、企業活動を通じてサステナビリティ(持続可能な未来社会の実現)への貢献をしてまいりました。ガバナンス体制としては、サステナビリティ委員会を設置しサステナビリティ基本方針の策定、基本方針に基づく活動計画の作成・実行及び関係部門への提言を実施しています。活動計画は環境、労働と人権、倫理、持続可能な資源調達の4つのテーマを軸とし、それぞれ対応する部門が主管となり活動しております。

 活動内容については各テーマにおける課題をサステナビリティ委員会へ付議し、サステナビリティ委員会は付議された課題に対して対策検討を行い、主管部門へ方針を示します。また、同委員会の内容は取締役会へ報告を行っております。

 内部統制委員会では、リスク・戦略についての議論・意思決定を行い、取締役会へ付議・報告を行います。サステナビリティ委員会と内部統制委員会では互いに全社リスクを共有し、整合を保ちます。

 当連結会計年度においては、サステナビリティ委員会を計4回実施いたしました。

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(2)戦略

 当社グループはサステナビリティ基本方針「CIJグループは、企業理念・経営理念・CIJグループ行動憲章/行動規範に基づき、事業活動、社会・環境活動、社会共生活動を通じて、社会や環境の課題解決に取り組みます。これにより、グループを取り巻くすべてのステークホルダーとともに、持続可能な未来社会の実現に貢献してまいります。」に基づき活動を進めております。また企業のサステナビリティパフォーマンスを評価する国際機関であるEcoVadisにより評価を行い、現状の分析と改善活動を進めております。

 環境面では、気候変動への取組みとしてCO2排出量を可視化し、中長期目標を設定し排出量の削減に取り組んでおります。また、環境情報開示に取り組むCDP(カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)への回答を行い評価結果の分析と改善活動を進めております。

 社会面では、当社グループにおいて社員は財産であり、社員及び協働者の健康に配慮した安全で働きやすい環境を整備するとともに、多様な人格や個性を尊重する気風を醸成し豊かな人間関係の形成に努めております。

 ガバナンス面では、効率的かつ実効的なコーポレート・ガバナンスの実現を経営の最重要課題の1つと捉え、継続的に取り組んでおります。

① 気候変動

 当社グループでは、地球環境の保全を基本理念とした「環境方針」を定め、企業活動のあらゆる面で環境に配慮した活動を積極的に推進しております。

 サステナビリティ委員会では当社グループ共通テーマである、事業活動における温室効果ガス(GHG)排出量削減への取り組みを行う「カーボンニュートラル」、製品開発や事業での環境へ寄与する「環境貢献事業」の2つをテーマに方針と実施対策を策定し、環境負荷に配慮した活動を積極的に実施しております。

 カーボンニュートラルでは、当社グループで共通した温室効果ガス(GHG)排出量の可視化ツールを導入し事業活動におけるCO2排出量の可視化を各社順次導入しております。

 当社では従業員による主体的な活動による環境負荷低減を実施することに努めており全従業員への教育の実施、4R運動の周知徹底を行っております。環境負荷の低減と汚染予防として「紙、電力などの使用量の削減」「リサイクルの推進による廃棄物の削減」「業務を通じた環境負荷削減」といった活動を行っております。

 環境方針に基づいて活動するために、「環境マネジメントシステム」を確立し、実施・維持・改善を行っております。当マネジメントシステムでは、環境実施計画書を設定しており、環境目標に対してKPIを定め実行の徹底と測定を行っております。

 環境貢献事業は、気候変動・環境課題を含む様々な社会問題の解決に寄与できる事業を積極的に取り組んでまいります。

 

② 人的資本

 当社では、経営理念の1つに「社員の能力発現や自己実現への挑戦を支援します」を掲げております。企業において社員は財産であり、社員及び協働者の健康に配慮した安全で働きやすい環境を整備するとともに、多様な

人格や個性を尊重する気風を醸成し豊かな人間関係の形成に努めております。

 

a.健康経営

イ 健康経営 方針

 企業理念である「情報技術で人と社会にやさしい未来を創造します」には、その達成のための基盤として、社員の健康が重要かつ不可欠であることから、会社をあげて、健康保持・増進をサポートする「健康経営」に取り組みます。

 

 当社は健康経営を通じて、働きがいや生きがいを感じて仕事に取り組める『職場環境づくり』や定期健康診断などの定量的数値データから『健康課題の改善』を図るなど、社員が心身ともに健康で明るくハツラツと働ける会社を目指します。

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ロ 健康経営 推進体制図

 総務人事部の総務課/人事課、ダイバーシティ推進課、産業保健推進課が主体となり、外部機関や社員会、安全衛生委員会と連携をとり社員の健康維持・増進をサポートしております。

 

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ハ 取り組み内容

 当社の健康経営では、更なる心身の健康と、健康活動に結びつく知識や思考の醸成を目的とし、5本の柱として「豊かな睡眠」「健康を促進する運動」「生活習慣病等の予防につながる栄養バランス」「ストレス解消の促進」「煙のない環境づくり」にフォーカスし、取り組みを進めております。また、その中で新たな健康指標の策定を実施し、必要な項目については追加で取り組んでおります。

 

b.社員エンゲージメントサーベイの実施

 当社では、半期に1回の頻度でエンゲージメントサーベイ(社員の期待と満足のギャップの調査)を行い、組織状態の可視化を行っております。また改善すべきポイントを抽出し、改善活動を行っており、エンゲージメントの向上に取り組んでおります。

 

c.特化型SEの創出

 当社グループは、経営方針として「特化型SEの育成推進」を掲げております。事業環境の変化に対応するため、人材開発と研究開発に投資を行い、実プロジェクトでの経験値向上効果を高め特化型SEの創出を行っております。

 

イ 教育

 当社では、各事業部に教育責任者を配置したうえで、人材開発・事業支援室が中心となり教育を推進しております。階層別研修と目的別研修の2つの教育体系をとっております。

 階層別研修では、新入社員教育、中堅社員、課長・部長などの管理者、そして経営幹部に至るまで、各階層によって求められる技術や知識を体系的に学べる研修を実施しております。

 目的別研修では、最新の開発技術やプロジェクトマネジメント手法の習得や資格取得など業務に特化した各種研修を実施しております。

 

ロ 資格取得推進

 社員の技術力の向上、資格取得による技術力の見える化のため資格取得を推進しております。

 IT基礎知識とIT技術力を強化するための独立行政法人情報処理推進機構(IPA)資格や各種ベンダー資格の取得と、マネジメント力とリーダー力を強化するためプロジェクトマネジメント資格の取得を推進しております。

 

d.評価制度

 当社の評価制度は「社員が安心して働ける会社」、「優秀な人材が早期登用され活躍ができる会社」を実現することを念頭に置いた制度となっております。下位等級は「年功序列型」とし、一定の等級まで安定的に処遇が上がりやすくなっております。一方、上位等級からは「能力&成果型」として、より能力及び成果に応じて昇格する仕組みになっているため、成果に応じてスピーディに昇格できるようになっております。

 

e.ワークライフバランス

 当社では、「仕事」と「生活」において双方の目的や共通点を見出し「協調」させることがワークライフバランスと考えており、制度を整備し良い風土を醸成していくように取り組んでおります。

 

イ 次世代育成支援対策推進法に基づく目標

 従来からある当社独自の両立支援制度を見直しており、男性育児参加の風土醸成及び育児と仕事の両立と男性育児参加の重要性を伝える機会の創出を行っております。

 

ロ 女性活躍推進法に基づく目標

 女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供を目的とし、「管理職候補者の計画的育成」「キャリアアップへの意識啓発、キャリア意識の醸成を目的とした研修の実施」を実施しております。

 

(3)リスク管理

 当社では、取締役会と内部統制委員会にて企業価値を形成する有形・無形の資産や、企業価値を増大するための戦略を脅かすビジネスリスクを適切に管理するため「リスク管理規程」を定めております。事業活動に伴う重大なリスクの顕在化を防ぎ、万一リスクが顕在化した場合でも被害を最小限にとどめることで企業価値の維持・向上を図っております。

 リスク管理規程では内的要因の8つのリスクと外的要因の4つのリスクに分類し、リスク毎に影響度と発生頻度を評価し予防策と対応策を策定しております。リスク管理規程は年に1回見直しと対策状況の確認を行い、四半期に一度新たなリスクの有無を確認しております。

 当社リスクの詳細は、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(4)指標及び目標

 当社では、「(2)戦略」に記載した「①気候変動」「②人的資本」の指標及び目標を設定しております。

 

① 気候変動

 気候関連リスクを管理するために、温室効果ガス(GHG)排出量の測定と、削減目標を設定しており、Scope1+2+3においては2050年までに100%削減を目標としております。

 Scope1+2における中期目標として2018年4月から2019年3月の1年を基準年とし2030年までに46%減を目標に掲げております。なお、2018年と過去4年間のCO2排出量と2018年と比較した削減率は以下のとおりであります。

 

(基準年)

2018年

2021年

2022年

2023年

2024年

Scope1+2

CO2排出量(t-CO2)

326.3

248.8

146.3

103.3

94.1

削減率(%)

-

24

55

68

71

 なお、Scope2におけるCO2排出量の算出方法の見直し、各事業所の契約ごとにおける排出原単位を用いて再計算を実施いたしました。2022年の本社移転、2023年の東京事業所のビルオーナーにおける電力会社契約変更によってCO2排出量は大幅に減少いたしました。

 また、当社におけるScope1+2+3の過去4年間の排出量は以下のとおりであります。

 

2021年

2022年

2023年

2024年

Scope1+2+3

CO2排出量(t-CO2)

1,696.7

1,714.5

1,826.1

1,897.8

 Scope1+2が減少しつつありますが、事業拡大に伴いScope3の排出量が増加傾向となっております。全排出量のうちScope3/カテゴリ1が大半を占めており、カテゴリ1に関しては、上流サプライヤへの支払額を基にCO2排出量の算出を行っております。

 なお、当社グループ会社の当連結会計年度における温室効果ガス(GHG)排出量は以下のとおりであります。

 

Scope1+2

Scope3

株式会社CIJ CO2排出量(t-CO2)

94.1

1,803.6

株式会社CIJネクスト CO2排出量(t-CO2)

63.9

1,197.9

株式会社カスタネット CO2排出量(t-CO2)

29.2

293.8

日本ファイナンシャル・エンジニアリング株式会社 CO2排出量(t-CO2)

0.0

93.1

株式会社a-LINK CO2排出量(t-CO2)

14.1

41.9

株式会社i-BRIDGE CO2排出量(t-CO2)

9.5

20.7

i-BRIDGE Systems Philippines, inc. CO2排出量(t-CO2)

16.7

29.4

日伸ソフトウエア株式会社 CO2排出量(t-CO2)

15.7

201.7

株式会社アドバンスソフト CO2排出量(t-CO2)

-

-

 

② 人的資本

人的資本に関する指標及び目標は、当社グループ独自指標による取り組みを行っており、連結グループで統一した指標ではないため、提出会社のみの開示としております。

a.社員エンゲージメントサーベイの実施

 専門業者によるエンゲージメントサーベイを実施しております。エンゲージメントサーベイの目標及び結果は以下のとおりであります。専門業者の評価対象企業の平均スコア値は50.0であります。

 

2021年

2022年

2023年

2024年

2025年

8月

2月

8月

2月

8月

2月

8月

2月

目標

-

45.0

48.0

50.0

51.0

52.0

50.2

53.0

結果

43.6

46.1

49.8

50.2

49.8

50.5

52.3

52.1

 

b.特化型SEの創出

イ 教育

 社員自身の自己研鑽として「社員全員が四半期に1件以上の研修を受講する」ことを目標に掲げております。

 当連結会計年度における四半期ごとの研修受講率は以下のとおりであります。

 

1Q

2Q

3Q

4Q

研修受講率(%)

52

61

63

59

 

 

ロ 資格取得推進

 当連結会計年度における当社の資格取得の実績は以下のとおりであります。

指標

実績

PMP資格保有者率

14.0%

IPA資格保有率(基本情報技術者試験以上)

66.6%

ベンダー資格保有率

52.3%

(注)1 PMPはProject Management Professionalの略であり、PMI本部が認定しているプロジェクトマネジメントに関する国際資格となります。

   2 資格保有率は、販売部門及び管理部門を除き算出しております。

 

c.ワークライフバランス

イ 次世代育成支援対策推進法に基づく目標

目標 男性の育児参加を促進する

 

ロ 女性活躍推進法に基づく目標

目標1 管理職に占める女性割合を20%以上とする

 女性管理職の割合は「第1 企業の概況 5 従業員の状況」をご参照ください。

 

目標2 希望する社員の育児休業取得率100%、及び男性育児休業取得率を70%以上とする。

当連結会計年度における当社の実績は以下のとおりであります。

希望する社員の育児休業取得率%

100

男性育児休業取得率%

50.0

 

 

3【事業等のリスク】

 本項においては当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると考えられる主要なリスクを記載しております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 当社では、事業の推進によって生じ得るリスクの詳細を把握・分析しており、当該リスクへの対応については、「リスク管理規程」に定めております。また、重要リスクを掲げ、代表取締役社長を統括責任者、事業部長を責任者として自部門におけるリスク要因の洗い出し、及びその削除と軽減を図り、リスク管理体制の強化に努めております。

 

(1)特定顧客への依存リスク

 当社グループの主要顧客はNTTグループと日立グループであります。当社グループは、主要なビジネスパートナーとして両グループと安定した取引を継続しており、2025年6月期の連結売上高に占める両グループの割合は39.4%となっております。

 このため、両グループにおいて事業方針・外注政策に関する変化や業績悪化等が発生し当社グループとの取引額が減少した場合に、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 本リスクに対し、当社グループは中期経営計画の達成及び将来成長に向けて、顧客ポートフォリオの整理と重点顧客の明確化を継続して行っております。当連結会計年度においては、2025年6月期の連結売上高に占めるNTTグループと日立グループの割合は前年度に対し0.7ポイント増、売上高は前年度に対し533百万円増となりました。両グループの売上高を拡大しつつ、その他の重点顧客の売上高をさらに拡大し、連結売上高に占める両グループの割合を減少させながら、全体の売上高を拡大していくことを目指しております。

 

(2)人材確保に関するリスク

 当社グループが属する情報サービス産業全体における今般の人材不足及びその流動性の高まりにより、人材確保が計画どおりに進捗しない場合に、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 本リスクに対し、当社グループは採用活動の強化をはじめ、経営方針「特化型SEの育成推進」に基づく従業員の育成、従業員とのエンゲージメントを高める各種施策に取り組んでおります。

 

(3)景気変動・顧客動向の変化に関するリスク

 当社グループが属する情報サービス産業におけるソフトウェア開発の需要は景気の動向に大きく影響を受ける傾向があります。このため、国内外における経済動向の変化により景気が悪化し、顧客企業の情報化投資の需要が減退した場合に、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 本リスクに対し、当社グループは官公庁や金融、情報、製造、サービス、通信など、幅広い分野・業種へソリューションを提供することを強みとしていることから、国内外における経済動向の変化に対して特定の分野・業種に依存しない事業ポートフォリオを更に強化することにより、リスク分散に努めております。

 

(4)技術革新・ビジネス革新等による市場喪失リスク

 当社グループが属する情報サービス産業においては、新しい技術・ビジネスが急速に発展しております。予想を超える革新的な技術・ビジネスの進展に適切な対応ができない場合に、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 本リスクに対し、当社グループは先端技術や将来性のあるビジネス、ソリューションの創出に向けた調査・研究開発を積極的に推進しております。また、業務提携先である台湾の凌群電脳股份有限公司(SYSCOM)をはじめ、関係する海外企業とも連携しながら、最先端技術に関する情報収集や技術習得を積極的に行っております。

 

(5)情報セキュリティに係るリスク

 当社グループが受託するシステム開発や提供するサービス、または自社にて利用する社内システム等においては、個人情報、顧客情報、及び公共性の高い情報を取り扱いますが、コンピュータウイルスの潜入や技術的、人為的な要因により情報の漏洩、破壊などを引き起こす可能性があり、これらの事故が現出した場合に、当社グループの企業価値が低下するとともに、業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。

 本リスクに対し、当社グループはプライバシーマークやISMSの認証を取得しているほか、情報セキュリティに対する社員の意識改革に取り組んでおります。また、全従業員及び協力会社の作業者に対して、定期的なセキュリティ教育を実施し、セキュリティ知識の定着、規範意識の向上に努めております。

 

(6)自然災害等に関するリスク、緊急性の物理的リスク

 地震や風水害等の自然災害等が発生し、人材や事業所、機器等が被害を受け事業の継続が困難となった場合に、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 本リスクに対し、当社グループは「事業継続計画書(BCP)」を策定し、自然災害等の発生後にも事業を継続、または可能な限り迅速に事業を復旧するための体制を整備し、全従業員へ周知しております。

 

(7)為替変動リスク

 当社グループは、海外の子会社において日本国内および海外企業との取引を行っております。為替相場の変動は、円建てでの売上の低下やコストの上昇により、円建てで報告される当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、現段階では取引額が少額であるため為替ヘッジは採用しておりません。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績等の状況の概要

① 経営成績の状況

 当連結会計年度(2024年7月1日~2025年6月30日)におけるわが国経済は、物価上昇の継続による消費者マインドの下振れや地政学的リスク、米国の通商政策、金融資本市場の変動等による影響がありましたが、国内での雇用・所得環境が改善する下で各種政策の効果もあって景気は緩やかに回復の動きが続きました。

 情報サービス産業におきましては、デジタル化の急速な進展を背景に生成AIをはじめとするICTに関わる様々なテクノロジーの活用が求められており、企業の競争力強化等を目的としたIT投資は堅調に推移しております。

 

 このような経営環境の下で当社グループは、2025年6月期から2027年6月期の3ヵ年にわたる中期経営計画「Become the strategic partner with IT(通称:BEIT50)」を策定し、企業活動を推進しております。本計画では、お客様固有の課題に対して戦略を立案してアプローチを行い、IT企業、一般法人、公共事業など多岐にわたるお客様それぞれに特化したパートナーシップを発揮することで、持続的な成長を目指してまいります。

 

 経営方針に基づいて取り組みを推進し、当連結会計年度における主な活動・成果は以下のとおりであります。

 a.事業環境の変化に適応し、新領域へ挑戦

・エネルギー分野の事業拡大を図るため、電力会社向けのシステム開発に豊富な取引実績を有する「株式会社アドバンスソフト」を2024年10月31日に連結子会社化しました。

・生成AIを用いた応用研究により新規の生成AIサービスである「AI総務(当社の会社規程を知識ベースとしたチャットボット)」、「AIエンジニア(画面、設計書のイメージ等からソースコードを自動生成するシステム)」を開発し、社内運用を開始しました。

 b.特化型SEの育成推進

・DX推進に不可欠であるデータ利活用、AI技術等のスペシャリスト育成プログラムを継続して実施しました。

 c.サステナビリティ経営の推進

・ESG・環境影響を評価開示するプラットフォームであるEcoVadis、CDPへの回答を通じて、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に準拠した情報開示と気候変動対策についての取り組みを継続して実施しました。

・持続的な成長へ向けた取り組みを財務と非財務の両面からステークホルダーの皆様に分かりやすくお伝えするために、統合報告書「CIJ REPORT 2024」を公開しました。

・健康経営の更なる促進として、社員向けに不妊治療と仕事の両立を支援するソリューションを導入しました。

・近年増加しているランサムウェア等による企業を標的としたサイバー攻撃への対応措置として、経営層及び情報システム部門の社員に対して研修プログラムを実施しました。

 

 当連結会計年度の連結業績につきましては、予定していた案件の一部が延伸・失注したものの、製造分野、エネルギー分野の受注が堅調に推移したこと、及び株式会社アドバンスソフトがグループ入りしたこと等により、売上高は26,899百万円(前期比4.5%増)となりました。営業利益と経常利益は、当初計画のとおり給与水準の引き上げや社員の待遇改善などによる人的投資が増加しましたが、売上高の増収や一部連結子会社の収益改善に伴い計画どおりに推移し、営業利益は2,170百万円(前期比10.5%増)、経常利益は2,204百万円(前期比10.6%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は営業利益、経常利益の増加に加え、前期に計上した減損損失(303百万円)が当期は発生していないこと、及び賃上げ促進税制の適用等により法人税、住民税及び事業税が想定以上に減少したことにより、1,495百万円(前期比57.7%増)となりました。

 

 当社グループの単一セグメントであります「システム開発及びシステム開発に関連するサービス(システム開発等)」の売上品目別の業績概況は、以下のとおりであります。

a.システム開発

 製造分野、エネルギー分野の受注が堅調に推移したこと、及び株式会社アドバンスソフトがグループ入りしたこと等により、増収となりました。

 この結果、本売上品目の売上高は23,300百万円(前期比3.4%増)となりました。

b.コンサルテーション及び調査研究

 情報・通信分野の受注が堅調に推移したこと、及び昨年来より注力してきたデジタルエンジニア育成プロジェクトが輩出したAIエンジニアを生成AI案件に活用したこと等により、増収となりました。

 この結果、本売上品目の売上高は1,033百万円(前期比2.8%増)となりました。

c.システム/パッケージ・インテグレーション・サービス

 自治体向け福祉総合システムの標準化に伴う支援案件等の受注が堅調に推移し、増収となりました。

 この結果、本売上品目の売上高は858百万円(前期比15.0%増)となりました。

d.その他

 公共分野における運用保守案件等の受注が堅調に推移し、増収となりました。

 この結果、本売上品目の売上高は1,707百万円(前期比17.7%増)となりました。

 

② 財政状態の分析

a.資産

 流動資産は、前連結会計年度末に比べ631百万円減少し、13,633百万円となりました。主な要因は、売掛金が91百万円増加したものの、現金及び預金が629百万円、契約資産が86百万円それぞれ減少したことによります。

 固定資産は、前連結会計年度末に比べ811百万円増加し、5,043百万円となりました。主な要因は、投資有価証券が363百万円、のれんが312百万円それぞれ増加したことによります。

 この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ179百万円増加し、18,676百万円となりました。

b.負債

 流動負債は、前連結会計年度末に比べ78百万円増加し、3,998百万円となりました。主な要因は、未払金が108百万円減少したものの、短期借入金が100百万円、その他に含まれている未払消費税等が44百万円それぞれ増加したことによります。

 固定負債は、前連結会計年度末に比べ93百万円増加し、161百万円となりました。主な要因はその他に含まれている繰延税金負債が69百万円、長期借入金が17百万円それぞれ増加したことによります。

 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ172百万円増加し、4,160百万円となりました。

c.純資産

 純資産は、前連結会計年度末に比べ7百万円増加し、14,516百万円となりました。主な要因は、自己株式の取得等により自己株式が608百万円増加(純資産は減少)したものの、利益剰余金が457百万円、資本剰余金が116百万円それぞれ増加したことによります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

 

前連結会計年度

(2024年6月期)

当連結会計年度

(2025年6月期)

増減

営業活動によるキャッシュ・フロー

1,177

百万円

1,782

百万円

604

百万円

投資活動によるキャッシュ・フロー

△511

百万円

△885

百万円

△373

百万円

財務活動によるキャッシュ・フロー

△893

百万円

△1,639

百万円

△745

百万円

現金及び現金同等物の期末残高

8,958

百万円

8,214

百万円

△743

百万円

 

a.営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ604百万円収入が増加し、1,782百万円の収入となりました。主な収入内訳は、税金等調整前当期純利益2,246百万円であります。主な支出内訳は、法人税等の支払額803百万円、未払金の減少額126百万円であります。

b.投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ373百万円支出が増加し、885百万円の支出となりました。主な支出内訳は、定期預金の預入による支出1,503百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出470百万円、投資有価証券の取得による支出300百万円であります。主な収入内訳は、定期預金の払戻による収入1,402百万円であります。

c.財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ745百万円支出が増加し、1,639百万円の支出となりました。主な支出内訳は、配当金の支払額1,031百万円、自己株式の取得による支出701百万円であります。

 

 これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ743百万円減少し、8,214百万円となりました。

 

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2021年6月期

2022年6月期

2023年6月期

2024年6月期

2025年6月期

自己資本比率(%)

80.6

82.4

79.5

78.4

77.7

時価ベースの自己資本比率

(%)

83.7

86.9

135.2

143.6

145.4

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(倍)

0.8

0.2

0.3

0.4

0.4

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

620.5

987.2

1,111.3

448.4

351.0

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また、利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を利用しております。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績は以下のとおりであります。

セグメント及び売上品目の名称

生産高(千円)

前期比(%)

システム開発等

 

 

システム開発

18,640,841

3.1

コンサルテーション及び調査研究

793,890

0.5

システム/パッケージ・インテグレーション・サービス

535,130

6.4

その他

1,244,248

15.4

合計

21,214,110

3.8

(注) 上記金額は、製造原価によっております。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績は以下のとおりであります。

セグメント及び売上品目の名称

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

システム開発等

 

 

 

 

システム開発

23,725,170

11.1

3,904,408

12.2

コンサルテーション及び調査研究

854,652

△24.7

127,036

△58.5

システム/パッケージ・インテグ

レーション・サービス

748,321

4.6

417,101

△20.9

その他

1,745,897

5.5

557,223

7.4

合計

27,074,039

8.9

5,005,768

3.6

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績は以下のとおりであります。

セグメント及び売上品目の名称

販売高(千円)

前期比(%)

システム開発等

 

 

システム開発

23,300,489

3.4

コンサルテーション及び調査研究

1,033,473

2.8

システム/パッケージ・インテグレーション・サービス

858,504

15.0

その他

1,707,323

17.7

合計

26,899,791

4.5

(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。なお、SCSK株式会社の前連結会計年度については、当該割合が10%未満のため、記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

SCSK株式会社

2,934,007

10.9

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しており、その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の分析」に記載したとおりであります。

 当連結会計年度の経営成績の状況につきましては、以下のとおりであります。

a.売上高

 当連結会計年度における売上高は26,899百万円となり、前連結会計年度(25,733百万円)と比較して1,166百万円の増加となりました。

 なお、当社グループの売上品目別の業績概況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」をご参照ください。

b.営業利益

 当連結会計年度における営業利益は2,170百万円となり、前連結会計年度(1,964百万円)と比較して205百万円の増加となりました。

c.営業外損益

 当連結会計年度における営業外収益は58百万円となり、前連結会計年度(61百万円)と比較して大きな変動はありませんでした。

 当連結会計年度における営業外費用は24百万円となり、前連結会計年度(32百万円)と比較して大きな変動はありませんでした。

d.経常利益

 当連結会計年度における経常利益は2,204百万円となり、前連結会計年度(1,993百万円)と比較して210百万円の増加となりました。

e.特別損益

 当連結会計年度における特別利益は保険解約返戻金及び投資有価証券売却益の発生等により46百万円となりました。

 当連結会計年度における特別損失は投資有価証券評価損の発生等により4百万円となりました。

f.親会社株主に帰属する当期純利益

 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は1,495百万円となり、前連結会計年度(948百万円)と比較して547百万円の増加となりました。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、設備投資及び研究開発投資であります。これらの資金需要は手元資金で賄うことを基本とし、一部短期的な運転資金を銀行からの借入により調達しております。

 なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物残高は、十分な資金流動性を確保しているものと考えております。

 

5【重要な契約等】

 当連結会計年度において、新たに締結した重要な契約は以下のとおりであります。

(株式取得及び簡易株式交換による株式会社アドバンスソフトの完全子会社化)
 当社は、2024年10月30日開催の取締役会において、株式会社アドバンスソフト(以下、「アドバンスソフト」という。)の発行済株式のうち80%を取得して子会社化すること(以下、「本株式取得」という。)を決議し、同日付で株式譲渡契約を締結いたしました。
 その後、同年10月31日付で本株式取得によりアドバンスソフトの発行済株式の80%を取得した後、同年11月25日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社、アドバンスソフトを株式交換完全子会社とする簡易株式交換を行うこと(以下、「本株式交換」という。)を決議し、同日付で株式交換契約を締結いたしました。
 なお、同年12月18日付で本株式交換は完了し、アドバンスソフトは当社の完全子会社となりました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは「事業環境の変化に適応し、新領域へ挑戦」を経営方針に掲げ、新規事業の創出及び中長期の競争力強化による安定的な成長を目指し、継続的に研究開発活動に取り組んでいます。

 当連結会計年度におきましては、研究開発を中核とする組織を新設し、業務の効率化を図る生成AIサービスの開発(AI総務、AIエンジニア)、及び業務提携先が展開する革新的なAIソリューションである「NeuroChain」の日本市場への展開に向けた検証を行いました。また、生成AIの他にはIT業務DXソリューションである「OMFLOW」の開発、自治体情報システムの標準化に向けた新規ソリューションの開発、システムの統合監視ソフトウェアへの簡易移行を実現するソリューションの開発等を行いました。

 なお、当連結会計年度における研究開発費は162百万円であります。