当社の存在意義を「パーパス」として言語化するとともに、パーパスの体現に向けて共有する価値観である「バリュー」を、率先する行動概念として「行動指針」を制定しております。
当社グループの理念体系はこの「パーパス」「バリュー」「行動指針」で構成され、社員が実際の業務に取り組む際によりどころとする基軸を示すとともに、社外に対して当社が何を信じ、どのように社会に貢献していくのかを示しております。
社員が共感できる当社の存在意義。当社はこのパーパスの浸透と定着を通して、社員エンゲージメントを強化し、業務に対する社員の自主的貢献意欲を高め、持続的な成長と社会的な貢献を目指します。
組織内で共有する価値観。当社は「スマートフルIT」の体現に向け、下記の5つの価値観を共有・重視します。
組織として優先する行動。当社は「人のつながり」を重視した組織文化が、組織のメンバーの能力発揮に大きな影響を与えるという考え方を重視し、人と人との関係性(Good Relationships)を行動指針の柱とします。
当社グループは、2025~2027年度までの3か年を対象とした中期経営計画を策定しております。
また、社会的価値の提供、事業規模の拡大、企業価値の向上により、スマートフルITを実現していくことを2030年度に目指す姿とし、具体的な数値として2030年度に連結売上高850億円以上、連結営業利益120億円以上を目標として掲げております。2025~2027年度の本中期経営計画は、その目標に向け事業ポートフォリオの抜本的再構築のための準備期間と位置付け、2028~2030年度に量的にも質的にも変化していくことを目指しております。

本中期経営計画については、売上高、利益ともに2025年度に鉄鋼事業本部の売上高の減少を主因として一旦落ち込むものの、2027年度には2024年度実績を上回る計画としております。
『企業としての成長・事業間の協力連携・お客様との共創』をテーマに、JFEスチールとの取引で培った実績を強みとして、社会に貢献し、持続的に成長する企業を目指しております。具体的には、重点成長事業(DX、ERP、基盤サービス)への事業ポートフォリオ転換の推進、会社の持続的な発展と成長を目指した企業文化の変革、本中期経営計画3か年の事業活動により創出されるキャッシュと手元資金を活用した投資・財務戦略の強化を3つの基本戦略に定め、取り組んでおります。

戦略の要諦の詳細は以下のとおりです。
1. 事業ポートフォリオ転換
重点成長領域の事業強化を推進し、持続的成長を実現する経営体質への変革を目指しております。DX、ERP、基盤サービスを重点成長領域として、人材や投資資金の大胆なシフトを行い、事業ポートフォリオの転換を進めております。また、顧客の経営課題に向き合い、コンサルティングを通じて顧客と一緒に課題解決に取り組む人材の確保・育成を進めております。
○ 重点成長事業の事業戦略
・DX(デジタル製造)
デジタル製造事業においては、高度で複雑な製造設備制御や人手不足、危険な環境のなかでの設備保全などの市場ニーズに対応したソリューションとして、Cognite社のツールを活用したCPS(*1)プラットフォームの構築といったOT領域への取り組みを更に進め、グループ外のお客様へ販路を広げております。また、スピードと複雑化が更に進むグローバルSCM領域においては、Kinaxis社のMaestroを活用した需給予測・シミュレーションソリューションを軸とした事業展開を進めており、今後も機能拡張などに対応した先端ソリューションラインナップを適時に提供しております。
また、これまでのソリューション提供を通じて新たに浮き彫りになったお客様の業務における課題を商機と捉え、新たなアプローチによるビジネスモデルの確立を図っております。
リソース面では、お客様の業務に深く入り込み、グローバル視点で上記戦略を実行推進する能力を備える人材の育成・確保を進めております。
(*1):Cyber Physical System 現実(Physical)のデータを仮想(Cyber)空間に再現し、モニタリングやシミュレーションを通じて、設備保全の効率化、品質向上、開発のコストダウンや期間短縮を図るシステム
・ERPソリューション
ERPソリューション事業においては、SAP社、Microsoft社のERPパッケージを中心に、主に製造業向けのお客様や当社の他の商材を導入いただいているお客様をターゲットとした拡販・事業拡大を図っております。
当社は原価管理や購買業務といった領域でERPとの親和性が高い特徴ある商材を保有しており(原価管理システム:J-CCOREs、購買システム:Prociec)、これらの商材をリードとしたERP導入事業の拡大、また、既にERPを導入いただいているお客様へこれらの周辺ソリューションを提供することによる提供付加価値の向上を進め、商材間のシナジーによる事業拡大を進めております。
更には、顧客の経営課題・業務課題に関する相談から最適なITソリューションを提案するコンサルティング領域への業務拡大を図り、これらシナジーの創出、提供付加価値の拡大を一層強化しております。
・基盤サービス
基盤サービス事業においては、あらゆるITソリューションに関わるITインフラ事業として、近年の大規模ネットワーク化、グローバル化、SaaS化といったITトレンドに伴い急速にニーズが高まっているサイバーセキュリティ技術やクラウド技術・運用といった領域を中心に、部門横断での強化・活用に向けた活動を進め、事業拡大を図っております。ITインフラサービス事業はもとより、当社が展開する各種ソリューション、アプリケーションに求められるクラウド化ニーズにも対応し、それぞれの商品価値を高め、各事業の一層の成長に資するITインフラ戦略を展開しております。
上記、重点成長事業における戦略展開に際しては、JFEグループで培った知見はもとより、高いシェアを持つ食品業界向けソリューションや電子帳票ソリューション、大手企業様向けに業務システムをカスタム開発・保守する産業ソリューション事業といった、良質で強固な顧客基盤を持つ事業アセットを有効に活用し、重点成長事業を軸とした事業ポートフォリオを構築しつつ全社で最大限のシナジー効果を目指していくことを基本戦略としております。
2. 企業文化の変革
技術の進化や産業構造変化のスピードが速いIT産業界において将来に亘り持続的な成長を果たしていくには、市場変化への感度を高くもち、技術進化への追従とともに常に時代にあったビジネスモデルを具現化していく機能を組織として備えておくことが重要と考え、そのような企業文化を実現するための様々な施策を推進しております。組織の一体感やエンゲージメントの向上、事業成長へつながるイノベーションを促すため、個別分散型の事業展開から、事業間のシナジー創出につながる事業構造・事業運営への転換を目指しております。また、長期的な視点からの成長を図るため、事業部を事業本部の下に集約し、組織体制を一体化・強化することで、人材や顧客基盤、技術等の柔軟な最適運用を進めております。
企業文化の変革に向けた方針
[連携意識の醸成]
・ 個別分散型の事業展開から事業間のシナジー創出を目指す事業構造へ転換
・ 組織の一体感やエンゲージメントの向上、事業成長へつながるイノベーションを促進
[全社経営を意識した組織体制の構築]
・ 長期的な成長と安定経営のため、組織全体での一体化を目指した体制へ変革
・ 全社経営目線での事業成長を目指す
[「あるべき姿」の追求]
・ あるべき姿、自らがありたい姿を考える=未来志向により、現状とのギャップの認識を通じて社会や環境の変化に柔軟に対応する企業へ
「1. 事業ポートフォリオ転換」と「2. 企業文化の変革」について取り組む全社施策は、以下のとおりです。
3. 投資・財務戦略の強化(キャッシュアロケーション)
これまでの事業成果による手元資金240億円(2025年3月末時点)と、本中期経営計画3か年の事業活動により創出される営業キャッシュ・フロー約325億円(注)の合計約565億円は、将来の成長に資する活動への積極投資と、従来以上の株主還元を進める原資とし、成長戦略の実践と資本効率の改善を進め、更なる企業価値の向上を図っております。
(注)営業キャッシュ・フローは、費用項目である研究開発費及び人的資本投資(計80億円/3年間)の控除前の数字です。控除後の営業キャッシュ・フローは約245億円となります。
本中期経営計画3か年の投資及び株主還元計画は、以下のとおりです。
当社は、お客様へのより高度なサービスにつながる新たな商品開発や事業開発投資を行うべく、事業規模の拡大と利益率の向上に取り組んでおります。そして、その結果として、株主の皆様への利益還元をさらに充実させてまいります。経営指標としては売上高及び売上高経常利益率(ROS)、社員一人当たり付加価値生産額による経営の効率性も重視し、これらの拡大、向上に努めております。
サステナビリティに関する考え方及び取組に関する記載は、数値目標を含め当社単体ベースで行っています。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
当社は、サステナビリティを経営の重要課題の1つと認識しており、2021年度に制定したサステナビリティ基本方針のもと、サステナビリティ関係を含む全社のリスク及び機会について、CSR部担当役員を委員長とする内部統制推進委員会にてリスク等のシナリオと対応状況を検討・確認した上で、全執行役員が出席する経営会議においてその内容を審議しております。また、これらの活動内容は取締役会に報告され、その執行状況等を監視・監督されております。
当社はサステナビリティ基本方針を以下のとおり定め、サステナビリティ関連の各種施策・活動を推進しております。
当社では、サステナビリティに関するものを含む全社のリスク及び機会について、上記「①ガバナンス」に記載の通り、内部統制推進委員会、経営会議、取締役会が関与しております。内部統制推進委員会での検討・確認というプロセスにおいてリスク及び機会を識別し、経営会議での審議においてその内容を執行役員が評価しております。以上の識別、評価の状況は、取締役会に報告され、執行内容の監視・監督を通じて管理されております。
上述のサステナビリティ基本方針をもとに、GRIスタンダードの各項目などを考慮し、当社にとっての課題分野を整理したうえで、11の重要課題(マテリアリティ)を設定しました。また、それぞれの課題分野にKPIを設定することで、その課題解決に向けた進捗を明確化し、目標達成に向けて取り組んでまいります。
(注)1 KPIについては、有価証券報告書提出日現在において判断したものとなります。
2 2021年度実績(19.3%)から1.5%減
3 2030年度迄の達成目標
4 「JFEシステムズ調達ガイドライン」を制定・開示
環境負荷低減に関するデータ(当社グループにおけるCO2排出量 [SCOPE1+2])
(単位;t-CO2)
ロケーションベース:その地域(/国)で通常規定される平均的な排出係数にてCO2排出量を計上する方法
マーケットベース :自社組織(拠点)の購入した電力・熱について、契約や電力会社の選択により排出係数を把握し、その係数に基づきCO2排出量を計上する方法
当社グループは、人的資本、多様性に関し、採用活動等主要な施策では、当社・連結子会社が連携、協力して取り組みを進めておりますが、人的資本、多様性の戦略・指標及び目標については、それぞれの会社の状況等を踏まえて独自に設定しております。そのため本項の記載は内部統制報告制度の評価範囲として選定している当社単体ベースで行っております。
① ガバナンス
人的資本に関する基本方針及び重要事項については、取締役会が監督し、経営戦略との整合性を確保しています。中期経営計画に基づいた人的資本戦略(人材の確保と定着・人材育成・エンゲージメント向上・多様性の推進)、事業成長していくための企業組織変革を目的としたパーパス経営の推進等については、定期的に取締役会にて報告され、必要な指示・助言が行われています。また、これらの個々の施策の企画・実行は、担当役員及び人事部門が担っており、その進捗及び効果は都度経営会議等にて報告・審議しております。
当社の最大の財産であり、価値創造の源泉は「人材」です。多彩な人材を採用、育成すると共に創造的な能力を発揮できる環境を整備し、多様な知を経営に活かすことで「新しい価値を創造」し、持続可能な成長を目指す人的資本経営に取り組んでおります。
(a) 採用・人材育成方針
「当社事業計画の達成に必要な専門人材の採用・育成」と「個々人のキャリア目標に応じた自律的な学習の支援」という基本方針を掲げ、採用及び人材開発活動を進めています。現在、人材育成に関し、以下の取り組みを実施しております。
〇人材育成の体制
全社的な人材育成及び教育に関する基本方針、基本計画は、人材育成部門と各部門担当者を委員とする「全社人材育成委員会」にて検討・審議するとともに各部門間での情報の共有を行っています。
〇人材育成の活動内容
全社体系教育は、職種に関わらず全職種の社員が当該等級で受講する「階層別研修」と、職種と等級によって受講コースを決定する「職種別研修」の2本柱とし、各人の担当業務、育成計画、キャリアパスに照らしあわせ、各人の受講計画を立案・受講できるよう構築しています。また高度IT人材の育成を目的として、ITアーキテクト、ITコンサル、クラウド等のスペシャリストを育成する研修も拡充を図りました。
上記の他、自己啓発支援メニューとして、資格取得対策、外国語研修など、e-learningなどの教育メニューを専門機関と連携して提供し、一人ひとりのスキルアップをサポートしています。特にe-learningでは、Udemy Businessやグロービス学び放題などのコンテンツを導入し、最新のIT技術からリーダーシップなどのビジネススキルまで、幅広い学習ニーズに応えられるようカリキュラムを充実しております。
〇ダイバーシティ推進
当社は「Know differences, Create values~違いを知ると、価値が生まれる~」というキャッチフレーズとともに性別・年齢・国籍に関わらず、社員がお互いの価値観を尊重し、本音で対話し、共感しあえる組織風土の醸成を目指しています。ダイバーシティ推進専門組織として人材開発部にDEI推進グループを設置し、毎年の取り組みの企画、効果の確認を実施しております。職場での心理的安全性や女性活躍推進の取り組み状況を紹介するDEIフォーラムなど、ダイバーシティ推進サイクルの起点となる「知る場」を展開し、知って、考え、行動し、将来的には伝える立場になることで当社の「ビジョンを具体化する仲間の輪」を広げます。
2025年度の主な活動
<インクルージョン推進>
・2024年度に全社員を対象に実施したインクルージョン研修の内容・結果を踏まえ、執行役員を対象としたダイアログを実施
・DEIフォーラムをオンラインライブで配信(当日視聴できなかった場合は録画で視聴可能)。フォーラムでは、社長講話及びグローバル社員によるセッションを実施し、異文化理解の促進を図った。
<女性活躍推進>
・女性活躍に関する現状・課題の把握及び女性活躍推進法に基づく行動計画の策定
・女性管理職候補と部長との1on1メンタリング
・部長・女性課長と女性係長クラスとのメンタリングカフェ(交流会)
<男性育休取得推進>
・子育てを行う社員(育休復帰者とそのパートナー)及びその上司を対象とした研修
・育休相談窓口の相談対応・社内広報
現在、当社は従業員の安全及び健康に関して、以下の取り組みを実施しています。
従業員の安全及び健康に関しては、「JFEシステムズ健康宣言」を行い、企業として健康経営に積極的に取り組むことを社内外に公表しております。「健康経営推進体制」「健康経営戦略マップ」を策定し、取り組みを推進しております。これらの取り組みにより、「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」(8回目)、「がん対策推進優良企業」に認定されております。
健康経営推進体制
JFEシステムズ健康宣言の実現に向け、健康経営推進体制を構築し、課題解決に向け取り組んでまいります。

健康経営戦略マップ
経営課題と健康経営施策の繋がりの見える化・効果指標による健康経営施策の効果測定を目的に、健康経営投資から施策の効果までのつながりを示した「健康経営戦略マップ」を策定・運用しております。

当社は、人的資本に関するリスクとして、エンゲージメントの低下、離職率上昇による事業成長戦略に必要な人材の不足や、社内での人材のシフトやリスキリングの遅れによる事業拡大機会の喪失を重要なリスクとして認識しており、これらのリスクについては、人事部門において定期的に指標の確認を行うとともに、全社的なリスク管理プロセスの一環として、人事部門が中心となり定期的に洗い出し及び評価を行っております。
識別・評価したリスクに対処するための主な取組としては、定期・キャリア採用力の強化、事業部間の計画的ローテーション、公募・FA制度の実施、教育・研修制度の拡充、職場環境の改善施策実施、経営層と社員の対話(タウンホールミーティング)を通じた組織文化変革等を実施しております。
また、これらの施策の実施状況及び有効性については、定期的に経営会議にて審議され、必要に応じて是正策が講じられております。また、施策の実施状況や経営会議における審議内容は人事部門から取締役会に報告され、その執行状況は適切に監督されております。
(a) 人材の多様性
・多様な人材が活躍できる環境に関して
(b) 安全・健康に関する方針
・従業員の安全及び健康に関して
(注)1 特定保健指導実施率については、改善傾向にありますが、未受診者への受診勧奨等の改善策を継続実施いたします。
2 喫煙率については、喫煙者への個別フォロー、禁煙プログラムへの参加勧奨、研修、衛生委員会を通じた禁煙呼びかけ等の改善策を継続実施いたします。
(c) 人材の確保及び定着、社員エンゲージメントの向上
・事業成長に必要となる従業員の確保、定着、社員エンゲージメントに関して
(注)「働きがい」、「働きやすさ」、「会社に対する誇り」2つの設問の5段階評価によるエンゲージメントスコアの平均点
当社グループは、企業向けのコンピュータシステムの企画、設計、開発、運用保守を行うシステム・インテグレーションを主たる業務としております。当社グループの収益性は多様な要因により左右されます。当社グループの経営成績等の状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは次の通りであります。
(1) 国内景気と顧客のIT投資動向
当社グループの顧客は、製造、流通、金融、サービス等の様々な業界に広がっております。従って、経済の状況を背景とした顧客のIT投資・需要動向は、当社グループの経営成績等に影響を及ぼします。また、当社グループは、各需要業界における顧客企業からの受注獲得に際しては、競合他社との競争に直面しております。以上に起因する経営成績等への影響は必ずしも見通せるものではありませんが、これらのリスクを回避すべく、当社グループでは、顧客企業の需要動向等を把握・予測した上で、当該動向に見合った要員配置を行うなど、当社グループの経営成績等への影響を最小限とすべく各種対策を講じております。
(2) 情報システム構築に関するリスク
当社グループは、顧客の情報システム構築を請負契約で受託する場合もあり、その際は顧客の要求に沿った情報システムを納期までに完成させる責任を負います。そこには、技術面・品質面等様々なリスクが存在するため、そのリスクが顕在化した場合には開発スケジュールの遅延や開発コストの増加を通じて、当社グループの経営成績等を悪化させる可能性があります。当社グループではこのリスクが顕在化する可能性を常に意識しながら開発業務にあたっており、当社規程に則して組織されるプロジェクト評価の会議体がリスク評価・プロジェクト管理を支援する体制を整備し、リスクの顕在化を未然に防ぐよう努めております。
(3) 情報セキュリティに関するリスク
顧客企業から入手した個人情報や機密情報の流出、外部からのコンピュータウィルスの進入、知的財産権の侵害等の発生により、社会的信用の低下や訴訟、損害賠償等の事態が発生した場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクの顕在化の可能性について見通すことは困難でありますが、これらのリスクの顕在化を回避すべく、当社グループでは、全てのJFEグループ会社を対象としたセキュリティ体制であるJFE-SIRT(*)への参画を通じ、当社グループのみならずJFEグループ各社の情報セキュリティ強化に寄与しております。
(*) JFE-SIRT(サート):JFE-Security Integration and Response Team
高度化するサイバー攻撃や情報漏えいリスクからJFEグループ内の情報資産を守ることを目的とした情報セキュリティ・インシデント対応チーム
(4) 大規模災害等に起因する事業活動への影響
地震等の大規模な自然災害や伝染病発生により、当社グループの従業員の多くが被害を受けた場合や主要な事業所、設備等が重大な損害を被った場合には、事業活動が制約を受け、経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。自然災害や伝染病の発生時期を予見することはできませんが、これらの事象が発生した場合の当社グループの事業活動への影響を極力小さくするために、当社グループでは社員及び協力会社社員を対象にした在宅勤務制度や必要な情報通信機器の整備など、極力、事業活動が制約を受けないようにするための各種施策を推進しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における我が国経済は、物価上昇の影響が継続する中、雇用・所得環境の改善や企業収益の底堅さを背景に、設備投資やデジタル関連投資を中心として、緩やかな回復基調が続きました。情報サービス業界においても、企業のDX推進や業務効率化の取り組みを背景に、基幹システムの刷新、クラウド活用、セキュリティ対策等に関する需要が堅調に推移しました。
このような事業環境の下、当社グループは、2025~2027年度の3か年の中期経営計画を策定し、『企業としての成長・事業間の協力連携・お客様との共創』をテーマに、JFEスチールとの取引で培った実績を強みとして、社会に貢献し、持続的に成長する企業を目指します。具体的には、重点成長事業(DX、ERPソリューション、基盤サービス)への事業ポートフォリオ転換の推進、会社の持続的な発展と成長を目指した企業文化の変革、本中期経営計画3か年の事業活動により創出されるキャッシュと手元資金を活用した投資・財務戦略の強化を3つの基本戦略に定め、取り組んでおります。
当連結会計年度の営業成績につきまして、売上高は、重点成長領域である基盤事業本部、ERPソリューション事業本部、デジタル製造事業本部を中心に拡大したものの、鉄鋼事業本部の製鉄所システムリフレッシュ事業完遂に伴う作業量減少を主因として前期に比べ減収となりました。また、利益面では、売上高の減少に加え、成長基盤強化のための研究開発、社内システム投資、及び当事業年度の事業計画に沿った人材採用・育成費用の増加等により、減益となりました。これらにより、連結売上高は6,561百万円(10.3%)減の57,411百万円、営業利益は1,243百万円(16.4%)減の6,346百万円、経常利益は1,214百万円(15.8%)減の6,454百万円となりました。また、保有する非上場株式に係る投資有価証券評価損を計上したことによる影響もあり、親会社株主に帰属する当期純利益は1,177百万円(21.6%)減の4,266百万円となりました。
※経営成績の金額増減は前連結会計年度比で記載しています。
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは8,448百万円の収入と、293百万円減少しました。これは、売上債権(残高)が2,900百万円減少している一方で、税金等調整前当期純利益が1,495百万円減少、仕入債務(残高)が1,570百万円減少したこと等が主な要因です。
投資活動によるキャッシュ・フローは15,849百万円の支出となり、12,669百万円増加しました。これは、期間が3ヶ月を超える定期預金の預入額が14,150百万円増加したこと等が主な要因です。
財務活動によるキャッシュ・フローは3,202百万円の支出となり、410百万円増加しました。これは、配当金の支払額が298百万円増加したこと等が主な要因です。
その結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は期首残高に比べ10,603百万円減少し13,450百万円となっております。なお、現金及び預金残高は3,547百万円増加し27,560百万円となりました。
※キャッシュ・フローの金額増減は前連結会計年度比で記載しています。
③ 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1 上記金額は製造原価で記載しております。
2 当社の報告セグメントは情報サービス単一セグメントであります。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1 当社の報告セグメントは情報サービス単一セグメントであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注)1 当社の報告セグメントは情報サービス単一セグメントであります。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
(金額単位:百万円)
当連結会計年度の営業成績につきまして、売上高は基盤事業本部、ERPソリューション事業本部、デジタル製造事業本部といった重点成長事業、並びにスマートソリューション事業本部を含め、総じて堅調に推移しました。一方で、鉄鋼事業本部の製鉄所システムリフレッシュの完遂に伴う作業量減少の影響を主因として、前連結会計年度に比べ減収となりました。利益面では減収影響に加え、全社成長戦略に基づき、営業活動強化のための販売費、成長基盤強化を目的とした研究開発費、社内システム投資、並びに当連結会計年度の事業計画に沿った人材採用・育成費用が増加したことにより、減益となりました。これらにより、連結売上高は6,561百万円(10.3%)減の57,411百万円、連結営業利益は1,243百万円(16.4%)減の6,346百万円、連結経常利益は1,214百万円(15.8%)減の6,454百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、保有する非上場株式に係る投資有価証券評価損を計上したことによる影響もあり、1,177百万円(21.6%)減の4,266百万円となりました。
ロ 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、製鉄所システムリフレッシュ完遂に伴う売掛金の回収進展、有形固定資産の償却などにより、341百万円減(0.6%減)の52,725百万円となりました。
負債合計は、買掛金やリース債務等の減少により、流動負債、固定負債ともに減少し、2,894百万円減(15.3%減)の16,027百万円となりました。
純資産は、剰余金の配当に伴う減少を、親会社株主に帰属する当期純利益の計上に伴う増加が上回ったことを主因に、2,553百万円増(7.5%増)の36,698百万円となりました。
※財政状態の金額増減は前連結会計年度末比で記載しています。
営業活動により得られたキャッシュ・フローは、8,448百万円の収入となりました。前連結会計年度比では減少となったものの、過去最高を記録した前年度に次ぐ高水準を維持しました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益が6,172百万円となったこと、売上債権の回収により2,956百万円増加したこと等であります。
投資活動に使用したキャッシュ・フローは、3か月超の定期預金の純増加額14,150百万円、固定資産の取得による支出1,339百万円により、15,849百万円の支出となりました。
また、財務活動に使用したキャッシュ・フローは、現中期経営計画(2025~2027年度)の配当方針である配当性向50%目途に沿った配当を実施し、非支配株主への配当金を含む配当金の支払を2,067百万円実施したこと、リース債務の支払額が1,136百万円となったこと等により3,202百万円の支出となりました。
以上により、現金及び現金同等物の期末残高は13,450百万円となりました。なお、3か月超の定期預金の期末残高は14,150百万円と合わせた現金及び預金残高は27,560百万円(前連結会計年度末比3,547百万円増)となっております。
当社グループの資金需要のうち主なものは、システム開発に係る人件費、外注費及びシステム製品等の購入に係る費用、並びに販売費及び一般管理費としての人件費及び諸経費であります。これに加え現中期経営計画では、研究開発費、商品開発やPCのライフサイクルマネジメントなどサービス提供型投資、社内システムや設備投資、人的資本、M&A等の戦略的投資等に積極的に資金を充当していくこととしております。
当社グループの資金需要は、システム開発工程において発生する人件費、外注費、システム製品等の購入に係る費用及びその他経費からなる短期運転資金が中心でありますが、それに加えM&A等の事業投資への資金需要も生じます。短期運転資金については、発生する費用の回収は売上代金の入金をもって、その多くが完了することになりますが、M&A等の事業投資への資金需要については、通常資金の回収が長期間に亘ることとなるため長期投資資金を確保することが必要となります。
当社グループでは、ここ数年間は短期運転資金及び長期投資資金のいずれも自己資金で賄っており、現中期経営計画においても資金需要を充たすための資金は営業活動によって得る計画としております。今後も資金需要の充足手段は主に自己資金とすることに変わりはありませんが、将来の当社グループの資金状況や長期投資資金の規模等の状況によっては、外部資金を活用する可能性もあります。
また、当社グループでは現中期経営計画において、これまでの事業成果による手元資金と事業活動から創出されるキャッシュは、将来の成長に資する積極的な投資と従来以上の株主還元を進め、成長戦略の実践と資本効率の改善の原資としております。具体的な現中期経営計画におけるキャッシュアロケーションは、11ページ 3. 投資・財務戦略の強化(キャッシュアロケーション)の表に記載しております。
連結貸借対照表に掲記しているのれんは、企業・事業買収における当該企業・事業の時価純資産の額を超えた収益力の実現を前提としております。この超過収益力は、当該企業・事業が属するビジネスドメインの成長性及び連結グループ間の相互補完による拡販効果等を見込んだ事業計画をベースに算定しており、この事業計画を想定通りに実行することが内外環境の変化等により困難となり、結果として関連する株式等の実質価額が著しく低下した場合には、連結貸借対照表でのれんを減額し、評価差額を認識した事業年度の損失とする可能性があります。
ロ ソフトウエア開発契約に係る開発原価総額の見積り
ソフトウエア開発契約に係る開発原価総額の見積りは、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載の通り、案件ごとに専門的な知識と経験を有するプロジェクト・リーダーが個別に行っておりますが、「事業等のリスク」において記載したように、開発工程における技術面・品質面等の様々なリスクが存在するため、これらリスクが顕在化した場合に以降の年度の損益に影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
中長期的な競争力強化に向けて、ソリューションの拡充や、最新デジタル分野の調査・研究に関するテーマに取り組んでおります。
当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は
① 生成AI、クラウド、IT/OT連携、データ活用基盤などの最新デジタルビジネス分野の調査・研究
② ERP及びその周辺ソリューションをはじめとする重点ソリューションの拡充を目的とした調査
③ 製造流通分野におけるローコード開発の展開に関連する調査・実証研究
④ 自社プロダクト・ソリューション事業に関する、新市場開拓や製品強化を目的とした調査・研究
⑤ 開発生産性の向上を目的とした技術研究・調査