文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであります。
(1) 経営方針
当企業集団は、「クライアントとともに社会問題をビジネスで解決する、価値共創企業」への展開を発表しております。当社が培ってきた3つの能力(「①真の課題を探り出す能力」「②リソースの埋もれた価値を炙り出す能力」「③課題とリソースの最適な組み合わせを提案・実行し価値を最大化する能力」)を基に、国内の民間企業のみならず、国内外の民間・政府・自治体へサービスを提供を行います。そのために、既存事業の価値創造力の強化、及び新規事業への投資、M&Aを積極的に進めてまいります。
(2) 経営戦略等
当企業集団は、すべての事業において、三つのケイパビリティをベースに顧客価値を最大化していきます。「①真の課題を探り出す能力」を主に強化する分野として「価値創造経営支援事業」、「②リソースの埋もれた価値を炙り出す能力」を主に強化する分野として「IT/AI/IoT関連事業」、「③課題とリソースの最適な組み合わせを提案実行し価値を最大化する能力」を主に強化する分野は、「社会問題解決型事業」です。各分野が連携しながら三つのケイパビリティを推進し、各業界におけるスペシャリストやパートナー企業等と有機的に連携しながら、顧客価値を最大化していきます。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当企業集団は、中長期的な企業価値の向上を図るという観点から、Non-GAAP指標における売上収益及び営業利益、投下資本利益率(ROIC)、資本コスト(WACC)を重要視しております。
(4) 経営環境
国内では5Gの商用化スタートにより、社会や人々の生活のデジタルシフトが加速しております。更にwithコロナ時代の新しい生活様式への対応により、企業や自治体は更なるデジタル化が求められております。例えばコンタクトセンターの受電業務や、申込書等書類の入出力作業等のAIによる無人化、ロボティクス技術を活用した省力化、膨大なビッグデータを処理するAI/IoT化等への、デジタル投資が積極的に行われる見通しであり、IT/AI/IoTの市場は急速な成長が予測されます。更には、新たなイノベーションを創出し、SDGsに関連する世の中の社会問題をサービスや事業で解決する企業が、世界的に注目されております。当企業集団が注力しているIT/AI/IoTサービス、ビッグデータ分析を活用したビジネスは、様々な分野でデータの利活用に役立ち、今までにない新しいイノベーションを創出することで、今後の飛躍的な成長が見込まれます。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
① M&Aや事業提携による成長の加速
今後も拡大が見込まれるSaaS/ASP市場において、競争の優位性を確保するとともに、次の効果創出を目的としたM&Aや事業提携を積極的に検討・実施してまいります。
(ⅰ) 新規事業ドメインへの参入
今後も拡大が見込まれるIT/AI/IoT市場において、競争の優位性を確保するとともに、次の効果創出を目的としたM&Aや事業提携を積極的に検討・実施してまいります。
(ⅱ) 既存サービスのシェア拡大
顧客基盤を有する企業へのM&Aや事業提携による、既存サービスのシェアの更なる拡大へ取り組んでまいります。
(ⅲ) サービス力の強化
自社サービスを有する企業へのM&Aや事業提携による、サービスラインナップの充実及び新たなノウハウや技術を基にした既存サービスの進化へ取り組んでまいります。
(ⅳ) 多様な案件に対応可能なエンジニアの補強
優秀なエンジニアを豊富に抱える企業へのM&Aや事業提携による、自社の開発体制を一層強化してまいります。
② 人材採用・育成及び組織力の強化
当企業集団は、人材を最も重要な資産として捉えており、今後も事業の成長を支える優秀な人材の採用・育成に注力してまいります。新卒採用においてポテンシャルの高い、やる気に溢れた若いスタッフを採用するとともに、専門分野を有するエキスパートの採用を強化しております。
更に、グループ企業内人材の適材適所への配置を柔軟に行うことにより、グループ全体としての生産性・機動性を高めていくと同時に新たに構築した人事制度を効率的に運用することにより、社内全体の士気向上、従業員のモチベーションアップを図り、組織力の強化に取り組んでまいります。
(6) 事業別の課題
① SaaS/ASP事業
(ⅰ) 技術開発
主力サービスであるFAQ管理サービス、Webチャットボット、有人チャット、IVRサービス等で使用するテクノロジーをはじめ、SaaS/ASPサービスの進化に伴うAI/IoTの技術を取り入れ、品質の向上及び新たなサービスの展開に取り組んでおります。今後も技術力を更に磨き上げ、外部開発会社連携プラットフォームを新たに開発し、アプリケーション開発や既存のデータベースやメディアとの融合等、ユーザのニーズにマッチするサービス提供を展開してまいります。
(ⅱ) 現行サービスの更なる改善と新サービスの提供
AI/IoTの技術を取り入れ、現行サービスを更に機能強化していくとともに、サービス間の関連性を高めた、付加価値の高い新サービスの開発・提供に注力いたします。
具体的には、カスタマーサポート部門の業務効率化を目的として、既存サービスのFAQシステム『i-ask』やWebチャットボットシステム『i-assist』の運用の自動化、電話で自動音声応答する『IVRサービス』とAIを連携させた、無人オペレータでの対応の実現、人に替わりに作業を行う、IVRとAIOCR、RPAの連携サービスの実現に向けて、進めてまいります。
② SFA事業
(ⅰ) よりユーザに支持されるソフトウエア製品の開発
使い勝手にこだわった製品開発に力を入れ、よりユーザに支持されるソフトウエアを開発し提供していくことを重視しております。
(ⅱ) 営業の専門機関への進化
営業の専門的研究機関という側面を強化し、「売れる仕組み」を体系的に解明していくことで、本事業の競争力強化に努めてまいります。
(ⅲ) 中堅・中小企業市場の活性化・拡大
営業支援システムをはじめとした営業課題解決ソリューションの提供は、中堅・中小企業へはほとんど普及していないのが現状であります。未開拓の中堅・中小企業市場を活性化し、拡大を図っていくことが重要であると考えております。
③ フィールドマーケティング事業
高品質なサービスオペレーションの確立
フィールドマーケティング事業においては、クライアントがBtoC事業者であるため、円安や消費増税の影響を強く受けやすい環境下にあります。こうした中で事業を拡大していくため、より高品質なサービスオペレーションを確立し進化させ、高い顧客満足度を維持していくことを目指してまいります。
④ カスタマーサポート事業
リモートワーク下のコンタクトセンターに必要なAI、ITツール活用における課題解決の提案や、多くのパートナーとのフレキシブルかつ迅速な情報連携を武器とした、パンデミック禍等による突発的な人手不足における応急、恒久的なBPOの受託の提案を推進してまいります。Withコロナの新時代のコンタクトセンターのあるべき姿について追求してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであり、当企業集団に関するすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当企業集団の経営成績等の状況に与える影響の内容につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
(1) 事業環境に関するリスク
① 経済情勢に関するリスク
当企業集団の連結売上収益はSaaS/ASP事業が約25%を占めております。当事業の主要顧客である国内大手企業は、事業環境の変化に迅速に対応するため積極的なIT投資を進めており、当企業集団が提供するサービスの利用も着実に増加しておりますが、主要顧客のIT投資の状況は国内の景気情勢との相関性が高く、当事業は国内の経済情勢に大きく影響されます。今後、国内の経済情勢が悪化した場合、国内大手企業のIT投資金額が減少する可能性があります。
当企業集団の事業においては、今後も業界における優位性を高めてまいるつもりですが、今後の景気動向の影響により、当企業集団が扱うサービスの受注減や、販売価格低下圧力の増大等が生じた場合、当企業集団の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 技術革新への対応に関するリスク
当企業集団は、外部環境の変化に迅速に適応し、インターネットをはじめとするITを活用した事業を継続的に展開していく方針であります。
当企業集団では、常に最新の技術動向に目を向け、新機能の開発や新たなサービスのリリースを積極的に進めておりますが、IT業界は技術の進歩が非常に速いことから、予想を超える革新的な技術が出現した場合や、更に新技術への対応に多額の資金を要するにもかかわらず迅速な資金調達ができなかった場合には、対応に遅れが生じる可能性も否定できません。この場合、当企業集団が提供するサービスの陳腐化、競争力の低下等が生じ、当企業集団の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) サービス・製品開発に関するリスク
SaaS/ASP事業においては、案件の大型化・複雑化が進むことで、標準サービス化による再利用が困難となり、月額売上のストック収益よりも一時的な売上収益が増加することがあります。
また、SFA事業は、パッケージソフトウェアを中心とする先行投資型の事業であり、新機能実装など投資が増加した場合、ソフトウェア償却費が増加すること等が想定されます。
その他、各事業におけるシステム開発においても、案件の受注金額が大きく完成までに長期間を要するものがあり、顧客からの要求仕様の変更や追加要求により開発の進行が大幅に遅れる可能性が生じる場合があります。
これらの事象が発生した場合、当企業集団の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) サービス運用に関するリスク
① SLA(サービスレベルアグリーメント)を充足できない場合の賠償請求に関するリスク
当企業集団は、提供しているSaaS/ASPサービスについて、サーバの稼働、障害発生時の対応、及びメンテナンス実施時の連絡等に関する一定の保証水準を定め、これをSLAとして予めお客様に対して提示しております。
当企業集団では、お客様に安心してサービスをご利用頂ける万全の体制を構築し、係る保証水準の維持に努めておりますが、将来においてSLAに定める水準を達成できなかった場合、多額の賠償を請求される可能性があり、当企業集団の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 通信ネットワーク及びシステムに関するリスク
当企業集団のSaaS/ASP事業においては、インターネット、電話、FAX等の通信インフラを最大限に活用したサービスを提供しており、こうしたサービスの迅速な開発や安定した運用及び当企業集団の事業運営は、通信環境やコンピュータシステムに大きく依存しているため、コンピュータシステムのバックアップシステムの構築や、顧客数増加に伴うサーバ等の設備の増強や老朽化への対応等の対策を講じております。
しかしながら、ハードウエア・ソフトウエアの不具合や障害、事故・不正等による人為的ミス、通信回線の障害、通信事業者に起因するサービスの中断や停止、コンピュータウィルス、サイバーアタックの他、自然災害等によるシステム障害等、現段階では予測不可能な事由によりコンピュータシステムがダウンした場合には、業務の遂行及びサービスの提供が不可能となる可能性や当企業集団の保有する情報の外部漏洩・不正使用等が発生する可能性が生じ、売上の低下や復旧に係る費用負担が増大する恐れ及び社会的信用が失墜する恐れがあることから、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報セキュリティ・個人情報保護に関するリスク
当企業集団が提供するサービスにおいては、お客様が収集・保有する個人情報を含む情報資産を、予めお客様の同意を得て、その依頼に基づき当企業集団が保有する場合があります。
当企業集団では、必要に応じて情報セキュリティに関する国際規格である「ISO/IEC27001」、また個人情報管理に関する日本工業規格である「JISQ15001」の認証を取得し、これを継続しており、グローバルスタンダードな第三者の視点を取り入れた情報セキュリティ対策を実施し、当企業集団が保有する情報資産について、社内マネジメントシステムに基づき管理の徹底に努めております。
しかしながら、外部からの不正アクセスや当企業集団における情報管理体制の瑕疵等により個人情報の漏洩が発生した場合、当企業集団への損害賠償請求や社会的信用の失墜等の可能性があり、これによって当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) コンプライアンスに関するリスク
① 知的財産権の侵害に関するリスク
当企業集団では、事業の遂行にあたり、過去もしくは現時点において、第三者の知的財産権の侵害に関する通知請求や訴訟を起こされた事実はありません。
しかしながら、今後、当企業集団が事業を遂行する上で必要となる知的財産権等の権利について、当該第三者より損害賠償及び使用差止等の訴えを起こされる可能性、特許等に関する対価(ロイヤリティ)の支払い等が発生する可能性並びにライセンス等を受けられずに特定の技術の使用やサービスの提供が不可能となる可能性があります。それらの場合、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 法的規制に関するリスク
当企業集団が今後提供する新しいサービスにつき、監督官庁による許認可や法的規制が加えられる可能性があります。この場合、法的費用の発生や事業活動の制約が発生する可能性があり、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 内部統制に関するリスク
当企業集団は、業務における人為的なミスや、内部関係者等による違法行為、不正行為等の不祥事が発生することの無いよう、内部管理の基準を策定・運用する等の対策を実施しております。
また、業務の適正性を確保するため、内部統制・情報セキュリティ推進本部を設置・運営する等、必要な内部統制システムを構築し、法令遵守の徹底及びリスクマネジメントの強化を進めております。
しかしながら、内部統制システムが有効に機能せず、業務の有効性や効率性、財務報告の信頼性等を確保できない事態あるいは違法行為・不正行為等が生じた場合には、係る信頼を回復するための運営費用の増加や、各部門の業務工数が増大する可能性を含め、当企業集団の業績・財政状態及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
④ 訴訟等に関するリスク
当企業集団は、現在においてその業績に重大な影響を与え得る訴訟・紛争には関与しておりませんが、様々な要因により今後直接又は間接的に、何らかの訴訟・紛争に関与することとなる可能性は否定できません。当企業集団が訴訟・紛争に関与した場合、その経過・結果如何によっては、当企業集団の業績・財政状態及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 投資リスク(M&A)
当企業集団は、既存事業の拡充、関連技術の獲得及び新規顧客の獲得等の事業シナジーが期待できる企業の買収を、経営の重要課題として位置付けております。
買収を検討する際には、対象企業の財務内容や取引関係等について詳細なデューデリジェンスを行うことによって、極力リスクを回避するように努めております。しかしながら、すべての重要事実が開示されない場合もあり、買収を行った後に、偶発債務の発生や、未認識債務の存在が判明する可能性も否定できません。
また、買収後に、デューデリジェンスのタイミングでは想定不可能であった買収先企業の事業環境の急激な変化等により、計画通りに事業展開が進まない可能性があります。
このような場合には、場合によっては買収金額を超える損失が発生するリスクがあり、また、買収会社の事業活動や経営成績によっては、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 人材確保及び育成に関するリスク
当企業集団の事業の発展のためには、優秀な人材の確保や育成が重要な課題の一つであると認識しており、新卒採用に加えて中途採用を実施する等、多様な人材を確保できるように努めております。また、採用後は入社後研修をはじめとする様々な研修を定期的に実施する等、教育制度の充実にも取り組んでおります。
しかしながら、こうした採用や育成ができなかった場合又は事業上必要な人材が確保できない若しくは退社した場合には、当企業集団の優位性や事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、人員の増加に伴い固定的な人件費も増加する可能性があり、人件費の増加を上回る売上増加を達成できなかった場合には、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 災害等に関するリスク
当企業集団は、サービス提供に必要なサーバ等の保管業務を外部のデータセンターに委託しております。当該データセンターについては、地震・台風・津波等の自然災害や停電や火災等の災害に対して十分な耐性を有するかどうか慎重に検討した上で選定しております。
しかしながら、当該データセンターは、当企業集団の想定を超える規模の災害が発生し、その結果、当該データセンターが壊滅する、あるいは保管中のサーバに保存されたデータが消失する等により、当企業集団のサービスの提供が不可能となる等の事態が生じた場合は、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当企業集団においては、自然災害等が発生した場合に備え、事業継続計画を策定しておりますが、様々な災害の発生による影響を完全に回避できる保証はなく、係る災害による物的又は人的損害が甚大である場合は、当企業集団の事業の継続自体が困難又は不可能となる可能性があります。
(1) 業績等の概要
当企業集団は、国際会計基準(IFRS)を適用しております。
また、国際会計基準(IFRS)に加えて、より実態を把握することができる指標(以下、Non-GAAP指標)を採用し、双方で連結経営成績を開示しております。
① 業績
(ⅰ) IFRSに基づく経営成績
当企業集団は、経営資源の効率化を進めるとともに、成長分野への人員増強やM&Aの活用による事業拡大等、企業価値の向上に努めております。
また当企業集団は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、経済環境の不透明感が深まる中、企業への新規営業活動が困難な状況ではあるものの、今後の展開に向けた積極的な人員採用やサービス基盤の改善等を行ってまいりました。
その結果、当連結会計年度における売上収益は17,025百万円(前期比0.5%減)、営業利益は934百万円(同56.6%減)、税引前利益は907百万円(同57.5%減)、当期利益は610百万円(同58.2%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は321百万円(同66.1%減)となりました。
(国際会計基準(IFRS)ベース) (%表示は対前年同期増減率)
|
|
売上収益 |
営業利益 |
税引前利益 |
当期利益 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
|||||
|
|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
|
2020年6月期 |
17,025 |
△0.5 |
934 |
△56.6 |
907 |
△57.5 |
610 |
△58.2 |
321 |
△66.1 |
|
2019年6月期 |
17,112 |
33.4 |
2,153 |
39.2 |
2,137 |
39.1 |
1,457 |
37.3 |
946 |
33.8 |
(ⅱ) Non-GAAP指標に基づく経営成績
Non-GAAP指標は、国際会計基準(IFRS)から当企業集団が定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。
Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当企業集団の恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で、有益な情報を提供できると判断しております。
なお、非経常的な項目とは、一定のルールに基づき将来見通し作成の観点から除外すべきと当企業集団が判断する一過性の利益や損失のことです。
Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
前連結会計年度のNon-GAAP指標において調整する項目はありません。
当連結会計年度におけるNon-GAAP指標に基づく経営成績は、本社移転に伴う費用(建物附属設備の償却期間変更、PC入替に係る費用、及び移転によるリブランディング業務費用)を調整しており、営業利益は1,045百万円、税引前利益は1,018百万円、当期利益は720百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は431百万円となりました。
(Non-GAAPベース) (%表示は対前年同期増減率)
|
|
売上収益 |
営業利益 |
税引前利益 |
当期利益 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
|||||
|
|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
|
2020年6月期 |
17,025 |
△0.5 |
1,045 |
△51.5 |
1,018 |
△52.3 |
720 |
△50.6 |
431 |
△54.4 |
|
2019年6月期 |
17,112 |
33.4 |
2,153 |
39.2 |
2,137 |
39.1 |
1,457 |
37.3 |
946 |
33.8 |
各セグメントの業績については以下の通りです。
なお、売上収益及びセグメント利益は国際会計基準(IFRS)に基づいて記載しております。
(a) SaaS/ASP事業
当連結会計年度においては、顧客ニーズへの柔軟な対応により月額のストック売上収益は累積的に増加しております。特に主力サービスである『i-ask』やその他Webサービスをはじめとした各サービスの導入、また導入済みサービスの機能拡張の受注に注力するとともに、中期経営計画で開示している通り、地方創生に関する事業にも力を入れており、地方自治体へのサービスの導入も増加しております。
具体的には、ネット自動車保険の正確な保険料の算出には約30クリックを要しておりましたが、まずは概算を知りたいというお客様の声を受け、保険の常識を見直した『自動車保険1クリック概算保険料見積システム』を東京海上グループのイーデザイン損害保険(株)向けに開発いたしました。同システムは、2019年度グッドデザイン賞を受賞いたしました。ネット自動車保険では初めての受賞となりました。また、このサービスをAmazonのWebページ内で利用し、加えてAmazon内の見積もりページからデジタルギフトサービス『i-gift』に遷移するサービスも導入されました。
また、企業内に点在するナレッジデータベースを一つのプラットフォームに集約でき、それを公式サイトや社内サイト、スマートフォンアプリ等にQ&Aデータとして公開できる『i-ask』は、拡張性の高いパッケージで柔軟な対応が可能です。具体的には(株)ゆうちょ銀行へは、こだわりのUIと高アクセスに対応した特設環境で提供し、森永製菓(株)はイラストや画像を多用して親しみやすいUIで提供、上新電機(株)には社内用、自社EC用、楽天サイト用と異なるサイト間でも各Q&Aサイトを一元管理できる仕様に対応いたしました。他にも、コミュニティ・ネットワーク(株)、(株)紀陽銀行、イオンモールキッズドリーム(合)が企画、運営する「カンドゥー公式サイト」、関西電力送配電(株)、ギグワークスアドバリュー(株)等にも導入されました。
その他の主力サービスでは、電話で各種申し込みができる『IVR(自動音声応答)』とLINEに連携するサービスを損害保険ジャパン(株)に、従来オペレータで対応していた解約受付サービスをSOMPOシステムズ(株)に導入されました。
Webサイト上でユーザの質問に対して自動的に回答を行うチャットボットシステム『i-assist』は、住友生命保険(相)の「Vitality公式サイト」等に、リアルタイムでWebチャットでの回答が可能な『i-livechat』は中部電力(株)、(株)長谷工コーポレーション等に導入されました。ダイソン(株)にはデジタルギフトサービス『i-gift』を活用したキャンペーンシステムが導入され、申し込みの増加につながりました。Webサイトをクロールして外部サイトのリンク切れを自動で検出する『i-linkcheck』は多摩信用金庫等に導入され、その結果、サイトリニューアルや更新の際、管理サイト数が多いため、細かい確認で手間がかかっていた作業の効率化につながりました。
加えて、地方創生事業への注力の一環として神戸市、北九州市に『i-ask』と『i-assist』が同時に導入されました。これによりサービス同士の相乗効果が見込まれ、市民や職員の利便性向上につながっております。
更に、導入済みサービスの機能拡張においては、損害保険ジャパン(株)の『スマイリングロード』の一部機能のクラウド対応プロジェクトをリリース、山洋電気(株)へ導入した製品情報管理PIMシステム(Product Information Management)にて、大幅な機能拡張を受注納品し、次フェーズのプロジェクトも進行しております。
グループ会社のシナジーを活かした取り組みとしては、電話の秒課金サービス『コネクトエージェンシー』と基幹システム『C7』を連携させたコールシステムを導入したNUWORKS(株)の利用ID数が堅調に増加しております。同システムではWebシステムから直接アウトバウンドコールを可能とするクリックトゥコール機能をはじめ、コンタクトセンター運営に利便性の高い機能を備えており、アウトバウンドコールを主力とする企業への導入が多く見込まれます。
以上の結果、売上収益は4,123百万円(前期比3.6%増)となったものの、成長に向けての開発や積極的な人材採用等の先行費用の増加、及び下期での新型コロナウイルスの影響により一定の営業制限を余儀なくされたことによる一時売上の減少により、セグメント利益は224百万円(前期比68.1%減)となりました。
なお、本社移転に伴う一時的な費用(建物附属設備の償却期間変更、PC入替に係る費用、及び移転に伴うリブランディング業務費用)を調整したNon-GAAP指標では、セグメント利益は335百万円(同52.3%減)となりました。
(b) SFA事業
当事業におきましては、働き方改革への取り組み等を背景に、企業の生産性向上や営業活動効率化を目的としたCRM/SFAソフトウエアへの投資需要は引き続き高い状態にあるものの、先行き不透明な景況感の中で投資判断には慎重さが見られた影響により、主力商品であるCRM/SFAソフトウエア「eセールスマネージャー」の販売は特に緊急事態宣言発出後は低調に推移いたしました。教育・コンサルティングサービスについても、集合研修やセミナー等の開催の延期・取り止め等が発生いたしたことにより、売上収益は4,814百万円(前期比0.6%減)、セグメント利益は473百万円(前期比48.7%減)となりました。
(c) フィールドマーケティング事業
当事業におきましては、主力サービスである定期フィールドビジネスや人材派遣ビジネスにおいて、緊急事態宣言発出中は多くの顧客が活動自粛したため売上は伸び悩みました。緊急事態宣言解除後は顧客においても徐々に活動を再開しており、それに伴い売上も一定程度は回復しましたが、結果として減収となり、売上収益3,936百万円(前期比0.5%減)、セグメント利益は207百万円(前期比35.0%減)となりました。
(d) カスタマーサポート事業
当事業におきましては、引き続き光通信グループ各社インバウンドコンタクトセンター業務を始めとするノウハウを活かし、電力小売事業者よりコンタクトセンターの運営、人材採用、コスト削減までの総合コンサルティング業務を受注した他、企業のカスタマーコンサルティング業務の受注や、スカラコミュニケーションズのサービス利用顧客のカスタマーサポート業務を受注しました。当社グループのSaaS/ASP商材の導入を顧客に進めることで問い合わせ利用者の自己解決が進み、コンタクトセンターへの入電が削減されることで業務のコストが削減された果、利益率の低い案件を縮小する等の業務効率化を行っており、より利益率の高いサービス提供に注力したことにより、売上収益2,261百万円(前期比17.6%減)、セグメント利益は86百万円(前期比27.2%増)となりました。
(e) その他
EC事業におきましては、(株)スカラプレイス(2020年1月27日付で(株)plubeから商号変更をしております。)において対戦型ゲームのトレーディングカード(TCG)を売買するECサイトを運営しております。当該EC事業については計画に対して好調に推移するとともに、下期においては新型コロナウイルスの影響下における巣篭もり需要の受け皿にもなったことで更に売上を伸ばしており、売上収益は986百万円(前期比14.9%増)となりました。
システム開発事業については、緊急事態宣言の影響によりテレワーク下での活動となりましたが大きな影響はなく増収となりました。費用面におきましては、引き続きプロジェクト管理の徹底による収益性の改善に努めた結果、売上収益は459百万円(前期比7.2%増)となりました。
出版事業については、緊急事態宣言の影響により顧客が活動を自粛したこと等により売上は伸び悩みました。費用面につきましてはコスト管理徹底により改善を図り、売上収益は191百万円(前期比36.3%減)となりました。
また、2020年4月1日よりグリットグループホールディングス(株)を子会社化したことにより、売上収益が216百万円増加しました。
その他セグメント全体としてのセグメント利益については59百万円の損失(前期はセグメント利益138百万円)となりました。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,429百万円増加し、当連結会計年度末には7,822百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは1,131百万円の流入(前年同期は1,922百万円の流入)となりました。この主な要因は、税引前利益907百万円、法人所得税の支払額△673百万円、減価償却費及び償却費936百万円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは1,428百万円の流出(前年同期は893百万円の流出)となりました。この主な要因は、無形資産の取得による支出△560百万円及び子会社の取得による支出△287百万円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは1,715百万円の流入(前年同期は414百万円の流入)となりました。この主な要因は、短期借入金の純増減額による収入2,787百万円、長期借入金の借入による収入1,412百万円、長期借入金の返済による支出△1,580百万円、社債償還による支出△420百万円、配当金の支払額△448百万円等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ) 生産実績
SaaS/ASP事業、SFA事業、フィールドマーケティング事業及びカスタマーサポート事業については、サービス内容及び受注形態が多岐に亘っております。このため、数量の把握を始め生産概念の意義が薄く、生産実績を把握することは困難であり、記載を省略しております。
(ⅱ) 受注実績
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期比(%) |
|
SFA事業 |
5,468,299 |
90.9 |
3,045,930 |
102.2 |
|
フィールドマーケティング事業 |
4,031,804 |
97.6 |
3,430,904 |
103.2 |
|
その他 |
678,155 |
98.6 |
165,779 |
116.9 |
|
合計 |
10,178,258 |
93.9 |
6,642,613 |
103.1 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格で表示しており、消費税等は含まれておりません。
3.SaaS/ASP事業については、SaaS/ASPサービスの提供、ニュース配信・検索サービスの提供及びソフトウエアの保守メンテナンスといった継続的サポート業務・プロダクトの販売、情報ポータルサイトの運営等であり、受注形態は多岐に亘っております。このため数量の把握を始め画一的に表示することは困難であり、記載を省略しております。
また、カスタマーサポート事業及びEC事業については、受注生産を行っていないため、記載を省略しております。
(ⅲ) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前期比(%) |
|
SaaS/ASP事業 |
4,123,286 |
103.6 |
|
SFA事業 |
4,814,043 |
99.4 |
|
フィールドマーケティング事業 |
3,936,407 |
99.5 |
|
カスタマーサポート事業 |
2,261,894 |
82.4 |
|
その他 |
1,890,326 |
119.1 |
|
合計 |
17,025,958 |
99.5 |
(2) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
① 重要な会計方針及び見積り
当企業集団は、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び見積りは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。
② 経営成績の分析
当連結会計年度における売上収益は17,025百万円、営業利益は934百万円、税引前利益は907百万円、当期利益は610百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は321百万円、基本的1株当たり当期利益18.46円となりました。
③ 財政状態の分析
(資産)
資産につきましては、前連結会計年度末に比べ6,217百万円増加し、24,912百万円となりました。その主な要因は、現金及び現金同等物の増加1,429百万円、営業債権及びその他の債権の増加204百万円及びのれんの増加894百万円及びIFRS第16号適用による使用権資産の増加2,774百万円によるものであります。
(負債)
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ5,483百万円増加し、14,569百万円となりました。その主な要因は、流動負債の社債及び借入金の増加2,824百万円、流動負債のIFRS第16号適用によるリース負債の増加526百万円、非流動負債のIFRS第16号適用によるリース負債の増加2,359百万円等によるものであります。
(資本)
資本につきましては、前連結会計年度末に比べ734百万円増加し、10,343百万円となりました。その主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益による増加321百万円、非支配持分に帰属する当期利益288百万円及び配当による利益剰余金の減少448百万円等によるものであります。
④キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1) 業績等の概要 ② キャッシュ・フロー」をご参照ください。
⑤資本の財源及び資金の流動性
当企業集団は、配当等による株主還元の継続的実施、事業拡大・企業価値向上に向けたM&Aや成長投資を資金需要としております。これら必要な投資については、手元資金で賄うことを基本とし、必要に応じて金融機関からの借入や社債発行による資金調達を行っております。
⑥経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、2020年8月14日付でシー・ファイブ・エイト・ホールディングス㈱と連結子会社であるソフトブレーン株式会社の普通株式の譲渡に係る契約を締結し、その後、当該議案は2020年9月28日開催の定時株主総会において、特別決議により承認されたことから、翌連結会計年度より連結の範囲外となる予定です。
詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務表 連結財務諸表注記 34.後発事象」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象) 1.子会社株式の譲渡に係る契約の締結」に記載のとおりであります。
その他の経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。
(株式交換による子会社の取得)
当社は、2019年8月14日開催の取締役会決議に基づき、ジェイ・フェニックス・リサーチ㈱(以下「JPR」)との間で、JPRが価値創造経営支援事業を所管し、同事業を牽引すると同時に、社会問題解型事業、IT/AI/IoT関連事業における価値創造プロセスに多大に貢献することを考え、2019年9月30日に株式交換契約を締結しました。
株式交換の概要は、以下のとおりであります。
(1)株式交換の内容
当社を完全親会社とし、JPRを完全子会社とする株式交換
(2)株式交換の日
2019年9月30日
(3)株式交換の方法
株式交換日現在のJPRの株主名簿に記載又は記録された株主に対して、当社は普通株式245,000株を新たに発行し、割当交付しました。
(4)株式交換比率
|
|
当社 |
JPR |
|
株式交換比率 |
1 |
1,225 |
(5)株式交換比率の算定根拠
当社は、本株式交換に用いられる株式交換比率(以下「本株式交換比率」といいます。)の公正性・妥当性を確保するため、当社及びJPRから独立した第三者算定機関である江黒公認会計士事務所に株主価値評価の算定を依頼いたしました。
当社については、上場会社であり、市場株価が存在していることから、2019年8月13日の東京証券取引所市場第一部における当社終値を使用して算定を行っております。
JPRについては、非上場会社であることを勘案し、将来の事業活動の見通しを評価に反映させるため、DCF法ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法)を採用して算定を行いました。
(子会社株式の譲渡に係る契約)
当社は、2020年8月14日付でシー・ファイブ・エイト・ホールディングス㈱と子会社株式の譲渡に係る契約を締結しました。
詳細は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務表 連結財務諸表注記 34.後発事象」及び「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象) 1.子会社株式の譲渡に係る契約の締結」に記載のとおりであります。
当連結会計年度において発生した研究開発費は
SFA事業においては、主力製品の「eセールスマネージャーRemix Cloud」、中堅・中小企業を対象としたセルフサーブ型CRM/SFA「eセールスマネージャーRemix MS」、ロボティクス・AI事業としてソフトバンクロボティクス株式会社の「Pepper」を活用した受付アプリ「eレセプションマネージャー」等の開発を行い、ソフトウェア・サービス及びクラウド・サービスに関する研究開発活動を強化しております。
また、これまでの既存ビジネスの強化に加え、セルフサーブ型CRM/SFA「eセールスマネージャーRemix MS」のリニューアルを中心に研究開発活動を行いました。