第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであります。

(1) 経営方針

 当企業集団は、新たに中期経営計画「2024-2026」を定め、中長期で「成長機会の提供を中心とした、人の成長プラットフォーム」となることで、不透明な環境下においても誰もが成長・活躍できる機会を提供し共感・共創のサイクルにつなげ、当企業集団の掲げるVISION「価値が溢れ出てくる社会」の実現を目指すとともに、国内外の民間・政府・自治体へサービス提供を行い、同計画にて掲げる目標の達成を目指してまいります。

 

(2) 経営戦略等

 当企業集団は、IT/AI/IoTを中心とする幅広い事業領域のポートフォリオを通じて、とりわけ社会課題解決型事業に注力しつつ、顧客価値を最大化してまいります。グループ内の連携のみならず、各業界のスペシャリストやパートナー企業をはじめ社外と有機的に連携し、これを実現してまいります。

 なお、今後の具体的な経営戦略については、中期経営計画「2024-2026」をご参照下さい。

 

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当企業集団は、中長期的な企業価値の向上を図るという観点から、Non-GAAP指標における売上収益及び営業利益、投下資本利益率(ROIC)、及び資本コスト(WACC)を重要視しております。

 

(4) 経営環境

 国際情勢や世界経済は不確実性を増す一方、国内においては少子高齢化や教育のあり方の見直し等、成長に向けて乗り越えなければならない複雑な課題が山積しております。現下の情勢において社会へ価値を創出し続けるためには、課題を主体的に捉え、国や企業・立場といった枠を超え、環境に適応できる人と人の共創が必要不可欠と捉えております。

 そのような中、当企業集団は中期経営計画「2024-2026」において、グループで創造する社会価値の中心に「人の成長につながる機会提供」を据えました。幅広い事業領域のポートフォリオとソリューション、そして多様なパートナーとの共創を通じて、社会課題やクライアント企業の課題を解決し、ともに成長することを意識して事業を進めてまいります。

 

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

① 人材採用・育成及び組織力の強化

 当企業集団は、人材を最も重要な資産として捉えております。今後も事業の成長を支える優秀な人材の採用・育成に注力してまいります。特に国内のIT人材の需要が増しており、人材リソースの確保が難しくなってきている中、年齢等属性を問わず、ポテンシャルが高く、新しい取り組みに意欲溢れたスタッフを採用するとともに、専門分野を有するエキスパートの採用を強化しております。

 さらに、グループ内の適材適所への配置を柔軟に行い、グループ全体の生産性・機動性を高め、社内全体の士気向上、従業員のモチベーションアップ、ひいては組織力の強化に取り組んでまいります。

② M&Aや事業提携による成長

 当企業集団は、飛躍的・継続的な成長と競争優位性を確保するとともに、次の効果創出を目的としたM&Aや事業提携を実施してまいります。

(ⅰ) 持続的な成長の柱となりうる新規事業ドメインへの参入

(ⅱ) 顧客基盤の獲得、既存サービスのシェア拡大

(ⅲ) 新たなノウハウや技術の獲得、サービスラインナップの充実によるサービス力の強化

(ⅳ) 有能な人材の補強、体制の強化

③ 投資と財務の強化

 継続的成長のための投資を進める当企業集団において、必要な資金の確保と財務体質の強化が重要となっております。これまでの投資による事業からの利益確保と投資のバランスを常に意識しながら、当企業集団全体の財務力の向上のため、各事業ごとの事業性評価とそれに対する細かなPDCAサイクルの実施及び金融機関との関係強化等に努めてまいります。

 

(6) 事業別の課題

IT/AI/IoT/DX事業

(ⅰ) 技術開発リソースの確保

 DXによる課題解決等、ITニーズはますます増え続け、対応に必要な技術力は高度化する一方で、国内におけるIT人材不足により、生産力確保のための人材獲得がますます困難になってきております。これに対し、国内の地方開発拠点によるニアショア開発及び国外でのオフショア開発拠点を増やすことにより、開発リソースの確保に努めております。また、IT技術の適用・応用先として、社会課題解決型のDX案件が増えてきており、自身の開発が社会貢献につながることで、意識の高い技術者が集まるようになってきており、優秀な人材の採用が進んでおります。

(ⅱ) 技術力の向上

 IT技術の進化・発展はめざましく、あらゆる領域の技術力習得は困難な中で、特定領域の技術力への偏りは応用力や柔軟性の低下を招いてしまいます。これに対し、新たな事業領域へのIT技術の適用においては、新たな技術力習得の機会が得られることが多く、ノウハウや経験も蓄積されます。そのため、当社が持つ事業ポートフォリオをはじめ、あらゆる事業領域に対するDX案件を獲得しながら、常に技術力向上に努めております。

(ⅲ) 共創による案件の創出

 IaaSやPaaSといった、クラウドにおける開発環境の進歩が進み、当社の事業領域であるSaaS/ASP業界において、新しいサービスの開発とサービスインまでのハードルは下がり、開発スピードが早くなってきています。そのため、競争が激化していくことにより、便利なサービスから過剰なサービスが低価格で提供される中、継続的な売上成長を実現するためにも、大型案件を獲得していく必要があります。一方で一時的な大型案件は大規模な開発体制が必要であり、リスクが拡大します。

 これに対し当社では、クライアント企業の成長が当社の成長にもつながる共創案件の拡大を意識しております。共創案件は、共同開発の形にすることで初期の開発売上は減少するものの、ともに事業を創出し成長することを前提としてその成果を共有するため、継続的な売上成長につながります。

 当社グループが社会課題解決型DXを進めると同時に、グループ全体のヒト・モノ・カネ・情報に関する事業セグメントと連携することで、競合他社では獲得しにくい大規模で良質な案件を獲得することが可能となり、今後の継続的な成長につなげることに注力しております。

 

② カスタマーサポート事業

 例えば通信サービスや金融サービス、保険等、ユーザーのニーズに沿ったきめ細かいサービスが増える中で、コールセンターの需要はますます高まっており、各社カスタマーサポートの品質向上にしのぎを削っております。これに対し当社では、リモートワーク下のコンタクトセンターに必要なAI、ITツール活用における課題解決の提案に加え、多くのパートナーとのフレキシブルかつ迅速な情報連携を武器とした、突発的な人手不足における応急、恒久的なBPO業務の受託の提案を推進してまいります。従前型のコールセンター業務に代わるサービス、顧客ニーズを捉えたカスタマーサポート業務全般に対するコンサルティングを通じて支援し、このサービスの範囲拡大によって、サービス提供体制の強化に取り組んでおります。

 

③ 人材・教育事業

 人材事業においては、企業の人材採用活動でこれまで直接対面だった説明会や面接がオンラインになる等形態が変化してきている一方で、採用決定後のミスマッチを最小限にするために、企業と学生の双方において対面での開催を望んでいる声もあります。当社では、従前の採用支援や関連イベントの企画運営支援にとどまらず、女子学生に特化した採用支援『女子キャリ』事業にも注力し、近時の女性活躍推進の流れを受けた顧客企業の取り組みを採用の面から支援してまいります。

 教育事業においては、子どもの人口が減ってきている中で、幼稚園・保育園における保育士の労働環境は依然厳しく、子どもに対する対応、教育が十分ではない状況が続いております。これに対し、従来の幼保施設の運営やサービスにとどまらず、人の人格形成にとって重要な幼少期に子どもの成長に必要な学習の機会を与えるべく、付加価値が高い独自のサービスを築いてまいります。

 

④ EC事業

 EC事業が属するトレーディングカードゲーム(TCG)業界は引き続き活況が続いております。一般社団法人日本玩具協会の発表によれば2022年度のTCG市場規模は過去最高の2,348億円に達しました。TCG業界の歴史は浅く、30年程度となる中、親子で遊ぶ等2世代型の遊びになっていることに加え、代表的なタイトルであるポケモンや遊戯王をはじめとしてスマホゲームの広がりに伴ってTCG への新規流入が続いており、ユーザーの裾野が広がっております。

 そのような状況下で、ユーザー向け買取・販売・攻略サイトのフロントエンド、バックエンド、そして物流拠点のフルフィルメント関連システムすべてを内製化していることによるシステムの拡張性、柔軟性を活かし、画像認識技術等のテクノロジー導入検討を行うとともに、最新のUI/UXの継続的な向上を図っております。優秀なエンジニアの獲得に一層注力し、新たなテクノロジーの導入に取り組んでまいります。また、国内TCG市場においては海外ユーザーからの需要は益々旺盛であり、足元の為替環境下も相俟ってさらに活況を呈しております。このような海外ユーザーニーズに対しても、ネットショップという利点とテクノロジーカンパニーとしての特徴を活かし、ユーザーの裾野を広げてまいります。

 

⑤ 保険事業

 当社は、人の安心・安全及び暮らしの豊かさを提供するために、金融関連事業は必要と考えており、新たに保険事業に参入しました。保険サービスは、日常生活で発生するリスク(危険)に備えるもので、その加入者からの情報のデータベース化は進み、新たな保険商品の開発・設計等に活用されています。

 これに対し、当社が参入したペット保険事業では、保険料収入及び契約件数について、競合他社に負けない保険商品の提供を目指しており、今後については、保険料収入の増加とロスレシオ(損害率)の改善に軸足を置き、収益性・成長性・健全性の確保に取り組んでまいります。また、ペットと人との幸福な共生の実現とペット業界のあるべき姿への変革を目指すとともに、その先の幅広い金融サービスとして、当社グループのIT/AI/IoT技術を活用したデータ解析・リスク分析によるクライアント企業の新たな事業創出におけるリスク移転等、最適なソリューションへの発展を目指します。

 

⑥ 投資・インキュベーション事業

 当企業集団の持続的な成長と企業価値向上につながるM&A等の投資活動、及び新規性のある事業やサービスの開発に向けたインキュベーションに取り組んでおります。

 国内のM&A実施の件数が増えてきている中で、体制が整っておらずM&Aを実施したくてもスムーズに進められていない企業もあります。そのような中、当社自身が実施するM&Aだけではなく、M&Aニーズのある企業のサポート・コンサルティング、実行支援を行うサービスを進めております。

 また、国内に限らず海外においても、共創による社会的意義のある事業の創出を推進している企業が増えてきている傾向があり、当社グループでは社会課題解決を意識した新しい官民共創の形態から派生する新規事業や、直接的な当社グループ内での新規事業開発、さらには国外への展開にも取り組んでおります。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次の通りであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、新たに中期経営計画「2024-2026」を定めました。中長期で「成長機会の提供を中心とした、人の成長プラットフォーム」となることで、不透明な環境下においても誰もが成長・活躍できる機会を提供し、共感・共創のサイクルにつなげ、グループVISION「価値が溢れ出てくる社会」の実現を目指すとともに、社会に貢献してまいります。その実現のために、ESGや人的資本、TCFDを含め、サステナビリティについての取り組みを重視してまいります。

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※「中期経営計画2024-2026」https://scalagrp.jp/pdf/ir/release/midtermplan_20230814s.pdf

3ページをご参照ください。

 

また、当社グループは経営理念において「究極の社会貢献をめざす」をミッションとして掲げております。

※「究極の社会貢献をめざす」https://scalagrp.jp/company/philosophy/

 

(1)サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理

 当社グループでは、取締役会による監督のもと、代表執行役を最終責任者とする執行役等を構成員とする執行役会において、社会的な貢献や責任を果たしながら持続的に成長を果たす企業の重要性を認識した上で、ESGや人的資本、TCFDを含め、サステナビリティについての取り組みを協議しており、その内容は当社ウェブサイトで開示を行っております。

※「ESGの追求」https://scalagrp.jp/ir/esg/

 また、執行役等を構成員とする情報セキュリティ委員会においては、リスク管理規程を定め、経営に重大な影響を与える可能性が高いリスクの発生に備えており、リスクの評価・査定等適切なリスクマネジメントを行うための体制を構築しております。

 

(2)重要なサステナビリティ項目について

 上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下の通りであります。

① 人的資本に関する人材育成方針・社内環境整備方針

 前述の中期経営計画において、2026年6月期まで「人の成長プラットフォーム」の構築、その後2029年6月期まで「人の成長プラットフォーム」の実現、2030年6月期以降は、新たに制定したVISION 2030「いつもいつまでも自分らしく生きられる社会の実現」を目指しています。その実現には人の価値向上が必要不可欠と考えており、人的資本経営への重要性も鑑み、それぞれの個性と多様性を活かしながら人の可能性を最大限に引き出す仕組みや施策を講じることで、夢中になれる多数の成長機会と柔軟なキャリアの選択肢ができる環境、働き方を目指してまいります。

 

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「中期経営計画2024-2026」https://scalagrp.jp/pdf/ir/release/midtermplan_20230814s.pdf
38ページ
をご参照ください。

 

② 人的資本に関する人材育成・社内環境整備の指標及び進捗状況

 当社グループでは、キャリアアップのための研修(新入社員・若手社員・中堅社員向け、階層別向け等)や新規事業提案制度、社内表彰制度等を進めておりますが、今後は、前述の中期経営計画に基づいて、リソース不足の解消や生産性の向上を実現するために、社内人材の活性化を促進する制度を設計することで、未来の活躍人材の獲得・育成にも注力してまいります。

 

③ 多様性の確保についての人材育成方針、社内環境整備方針

 当社グループにおいて、多様性とは、経験やスキル、性格等に基づき、それぞれの強みと多角的なものの見方を組織にもたらすことであると考えており、性別、年齢、国籍、入社経路等の属性情報に基づいた社員数等の定量的な数値のみを重視しておりません。社員それぞれの能力や価値観を尊重し受け入れ、その多様性が生み出す違いを経営に活かし、当社グループの強みや発展の実現を目指してまいります。

※「ダイバーシティポリシー」https://scalagrp.jp/ir/diversity-policy/

 

④ 多様性の確保についての指標及び進捗状況

 当社グループでは、まずダイバーシティを知り、アンコンシャスバイアスの相互理解を重点的に行うことで、社員それぞれの多様性を尊重し受け入れる素地を作り、ダイバーシティの文化を醸成していきながら、サステナビリティを高めてまいります。

 また、女性管理職比率の実績に関しては、「第1 企業の概況 5.従業員の状況」にて記載しておりますが、その他に関しては、前述の中期経営計画に基づいた指標項目の選定・現状分析・対応策を講じ、必要に応じて指標及び目標の設定を進めてまいります。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであり、当企業集団に関するすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当企業集団の経営成績等の状況に与える影響の内容につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

 

(1) 事業環境に関するリスク

① 経済情勢に関するリスク

 当企業集団の連結売上収益はIT/AI/IoT/DX事業が約半分を占めております。当事業の主要顧客である国内大手企業は、事業環境の変化に迅速に対応するため積極的なIT投資を進め、当企業集団が提供するサービスの利用も着実に増加しておりますが、主要顧客のIT投資の状況は国内の景気情勢との相関性が高く、当事業は国内の経済情勢に大きく影響されます。今後、国内の経済情勢が悪化した場合、国内大手企業のIT投資金額が減少する可能性があります。

 当企業集団の事業においては、今後も業界における優位性を高めてまいりますが、今後の景気動向により、当企業集団が扱うサービスの受注減や、販売価格低下圧力の増大等が生じた場合、当企業集団の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 技術革新への対応に関するリスク

 当企業集団は、外部環境の変化に迅速に適応し、IT/AI/IoTを活用した事業を継続的に展開していく方針です。常に最新の技術動向に目を向け、新機能の開発や新たなサービスのリリースを積極的に進めておりますが、この業界は技術が進歩する速度や変化が非常に激しいことから、予想を超える革新的な技術が出現した場合や、さらに新技術への対応に多額の資金を要するにもかかわらず迅速な資金調達ができなかった場合には、対応に遅れが生じる可能性も否定できません。この場合、当企業集団が提供するサービスの陳腐化、競争力の低下等が生じ、当企業集団の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) サービス・製品開発に関するリスク

 IT/AI/IoT/DX事業においては、案件の大型化・複雑化が進むことで、標準サービス化による再利用が困難となり、月額売上のストック収益よりも一時的な売上収益が増加することがあります。システム開発においても、受注金額が大きい案件の場合等、完成までに長期間を要するものがあり、顧客からの要求仕様の変更や追加要求により開発の進行が大幅に遅れる可能性が生じる場合があります。これらの事象が発生した場合、当企業集団の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) サービス運用に関するリスク

① SLA(サービスレベルアグリーメント)を充足できない場合の賠償請求に関するリスク

 当企業集団は、提供しているSaaS/ASPサービスについて、サーバの稼働、障害発生時の対応、及びメンテナンス実施時の連絡等に関する一定の保証水準を定め、これをSLAとして予めお客様に対して提示しております。お客様に安心してサービスをご利用頂ける万全の体制を構築し、係る保証水準の維持に努めておりますが、将来においてSLAに定める水準を達成できなかった場合、多額の賠償を請求される可能性があり、当企業集団の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 通信ネットワーク及びシステムに関するリスク

 当企業集団のIT/AI/IoT/DX事業においては、インターネット、電話、FAX等の通信インフラを最大限に活用したサービスを提供しており、こうしたサービスの迅速な開発や安定した運用及び当企業集団の事業運営は、通信環境やコンピュータシステムに大きく依存しているため、コンピュータシステムのバックアップシステムの構築や、顧客数増加に伴うサーバ等の設備の増強や老朽化への対応等の対策を講じております。

 しかしながら、ハードウエア・ソフトウエアの不具合や障害、事故・不正等による人為的ミス、通信回線の障害、通信事業者に起因するサービスの中断や停止、コンピュータウイルス、サイバーアタックの他、自然災害等によるシステム障害等、現段階では予測不可能な事由によりコンピュータシステムがダウンした場合には、業務の遂行及びサービスの提供が不可能となる可能性や当企業集団の保有する情報の外部漏洩・不正使用等が発生する可能性が生じ、売上の低下や復旧に係る費用負担が増大する恐れ及び社会的信用が失墜する恐れがあることから、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 情報セキュリティ・個人情報保護に関するリスク

 当企業集団が提供するサービスにおいては、お客様が収集・保有する個人情報を含む情報資産を、予めお客様の同意を得て、その依頼に基づき当企業集団が保有する場合があります。

 当企業集団では、各事業の必要に応じて情報セキュリティに関する国際規格である「ISO/IEC27001」の認証を取得し、また、一般財団法人日本情報経済社会推進協会の「プライバシーマーク」付与の適格決定を受け、これを継続しており、グローバルスタンダードな第三者の視点を取り入れた情報セキュリティ対策を実施し、当企業集団が保有する情報資産について、社内マネジメントシステムに基づき管理の徹底に努めております。

 しかしながら、外部からの不正アクセスや当企業集団における情報管理体制の瑕疵等により個人情報を含む情報資産の漏洩等が発生した場合、当企業集団への損害賠償請求や社会的信用の失墜等の可能性があり、これによって当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) コンプライアンスに関するリスク

① 知的財産権の侵害に関するリスク

 当企業集団では、事業の遂行にあたり、過去もしくは現時点において、第三者の知的財産権の侵害に関する通知請求や訴訟を起こされた事実はありません。

 しかしながら、今後、当企業集団が事業を遂行する上で必要となる知的財産権等の権利について、当該第三者より損害賠償及び使用差止等の訴えを起こされる可能性、特許等に関する対価(ロイヤリティ)の支払い等が発生する可能性並びにライセンス等を受けられずに特定の技術の使用やサービスの提供が不可能となる可能性があります。それらの場合、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 法的規制に関するリスク

 当企業集団の事業や今後提供する新しいサービスにつき、監督官庁による許認可や法的規制が加えられる可能性があります。この場合、法的費用の発生や事業活動の制約が発生する可能性があり、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 内部統制に関するリスク

 当企業集団は、業務における人為的なミスや、内部関係者等による違法行為、不正行為等の不祥事が発生することの無いよう、内部管理の基準を策定・運用する等の対策を実施しております。

 また、業務の適正性を確保するため、内部統制・情報セキュリティ推進本部を設置・運営する等、必要な内部統制システムを構築し、法令遵守の徹底及びリスクマネジメントの強化を進めております。加えて、内部監査部を設置し、当社グループのリスクマネジメント体制や内部統制システムの実効性を監視しております。

 しかしながら、内部統制システムが有効に機能せず、業務の有効性や効率性、財務報告の信頼性等を確保できない事態あるいは違法行為・不正行為等が生じた場合には、係る信頼を回復するための運営費用の増加や、各部門の業務工数が増大する可能性を含め、当企業集団の業績・財政状態及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 訴訟等に関するリスク

 当企業集団は、現在においてその業績に重大な影響を与え得る訴訟・紛争には関与しておりませんが、様々な要因により今後直接又は間接的に、何らかの訴訟・紛争に関与することとなる可能性は否定できません。当企業集団が訴訟・紛争に関与した場合、その経過・結果如何によっては、当企業集団の業績・財政状態及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 投資リスク(M&A)

 当企業集団は、既存事業の拡充、関連技術の獲得及び新規顧客の獲得等の事業シナジーが期待できる企業の買収を、経営の重要課題として位置付けております。

 買収を検討する際には、対象企業の財務内容や取引関係等についてデューデリジェンスを行うことによって、極力リスクを回避するように最大限努めております。しかしながら、すべての重要事実が共有ないし開示されない場合もあり、買収後の統合段階に、偶発債務の発生や未認識債務の存在が判明する可能性も否定しきれません。

 また、買収後に、デューデリジェンスのタイミングでは想定不可能であった買収先企業の事業環境の急激な変化等により、計画通りに事業展開が進まない可能性があります。

 このような場合には、場合によっては買収金額を超える損失が発生するリスクがあり、また、買収会社の事業活動や経営成績によっては、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 人材確保及び育成に関するリスク

 当企業集団の事業の発展のためには、優秀な人材の確保や育成が重要な課題の一つと認識しており、新卒採用に加えて中途採用を実施する等、多様な人材を確保するように努めております。また、採用後は入社後研修をはじめとする様々な研修を定期的に実施する等、教育制度の充実にも取り組んでおります。

 しかしながら、こうした採用や育成ができず、事業上必要な人材が確保できない若しくは退社した場合には、当企業集団の優位性や事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、人員の増加に伴い固定的な人件費も増加する可能性があり、人件費の増加を上回る売上増加を達成できなかった場合には、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 災害等に関するリスク

 当企業集団は、サービス提供に必要なサーバ等の保管業務を外部のデータセンターに委託しております。当該データセンターについては、地震・台風・津波等の自然災害や停電や火災等の災害に対して十分な耐性を有するかどうか慎重に検討した上で選定しております。

 しかしながら、当該データセンターは、当企業集団の想定を超える規模の災害が発生し、その結果、当該データセンターが壊滅する、あるいは保管中のサーバに保存されたデータが消失する等により、当企業集団のサービスの提供が不可能となる等の事態が生じた場合は、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 当企業集団においては、自然災害等が発生した場合に備え、事業継続計画を策定しておりますが、様々な災害の発生による影響を完全に回避できる保証はなく、係る災害による物的又は人的損害が甚大である場合は、当企業集団の事業の継続自体が困難又は不可能となる可能性があります。

 

(8) 地政学リスク

 当企業集団は、成長戦略の一つに海外展開を掲げております。そのため、拠点を有するミャンマー、ネパール、シンガポールを含む東南アジア等事業展開の対象地域における定期的な情報収集により、地政学リスクの顕在化の兆候や事業環境の変化及び事業活動への影響を早期に把握し、速やかに対応策を講じられるよう努めておりますが、各国の政治情勢や法的規制の変更等により当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

 当企業集団は、国際会計基準(IFRS)を適用しております。

 また、国際会計基準(IFRS)に加えて、より実態を把握することができる指標(以下、Non-GAAP指標)を採用しており、双方で連結経営成績を開示しております。

 

 当連結会計年度において、当企業集団(当社及び当社の関係会社)が営む事業の内容について、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した内容からの重要な変更は、以下の通りであります。

 当社は、2022年6月期第4四半期において、連結子会社である株式会社スカラワークスを解散及び清算することの決議により、同社を非継続事業に分類しておりましたが、2023年6月期第3四半期に同社の清算が完了しております。

 また、2023年6月期第4四半期において、連結子会社である株式会社コネクトエージェンシーの全株式の譲渡が完了したこと及び連結子会社であるジェイ・フェニックス・リサーチ株式会社の全株式の譲渡を決議し、株式譲渡契約を締結したことにより、両社を非継続事業に分類しております。

 これにより、2022年6月期連結会計年度の売上収益、営業損失、税引前損失は非継続事業を除いた継続事業の金額に組み替えて表示しております。

 

(1) 当期(2023年6月期)の経営成績

① IFRSに基づく経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の行動制限が5類へ緩和されたことに伴い、社会経済活動の正常化に向けた景気の持ち直しの動きがみられました。一方で、原材料価格の高騰による物価上昇や金融資本市場の変動による下振れリスク等の不透明な状況が依然続いております。この状況下で、生成AIであるChatGPTが注目を浴びる等、コスト削減や新たな働き方を創造するオペレーション効率化のためのAI、IoT、RPAといったデジタルトランスフォーメーション(DX)の最先端技術を活用した動きが活発化しております。

 このような事業環境のもと、当企業集団は、2019年8月の中期経営計画で掲げた「クライアントとともに社会問題をビジネスで解決する、価値共創企業」への展開を目指し、国内の民間・地方自治体との「共創」の形で新規サービスの創出及び拡大への取り組み並びに既存ビジネスの強化に努めるとともに、M&Aに積極的に取り組んでまいりました。

 当連結会計年度における売上収益は12,644百万円(前期比32.1%増)となりました。これは、IT/AI/IoT/DX事業、人材・教育事業での増収及びEC事業が引き続き好調に推移したことによるものです。

 利益につきましては、営業利益は259百万円(前期は191百万円の営業損失)となりました。これは主に、引き続き人材採用ニーズが堅調な人材・教育事業やEC事業での増益や企業価値創造支援から大規模DX案件につなげる営業活動への注力や地方創生にかかわる新規サービスの開発、海外事業を推進する体制構築等、新規事業等への積極的な投資を継続している中で、収益力改善やコスト削減による投資・インキュベーション事業での増益効果等によるものです。

 税引前利益につきましては、支払利息が増加したものの233百万円(前期は210百万円の税引前損失)となり、法人所得税100百万円及び非継続事業からの当期損失346百万円を計上した結果、当期損失は213百万円(前期は526百万円の当期損失)、親会社の所有者に帰属する当期損失は218百万円(前期は523百万円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となりました。

 

(国際会計基準(IFRS)ベース)                       (%表示は対前年同期増減率)

 

売上収益

営業利益

税引前利益

当期利益

親会社の所有者に帰属する当期利益

 

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

2023年6月期

12,644

32.1

259

-

233

-

△213

-

△218

-

2022年6月期

9,569

-

△191

-

△210

-

△526

-

△523

-

 

 

② Non-GAAP指標に基づく経営成績

 Non-GAAP指標は、国際会計基準(IFRS)から当企業集団が定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。

 Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当企業集団の恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で、有益な情報を提供できると判断しております。

 なお、非経常的な項目とは、一定のルールに基づき将来見通し作成の観点から除外すべきと当企業集団が判断する一過性の利益や損失のことです。

 Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。

 

 営業利益以下の各項目において投資事業有価証券にかかる損益を控除し、当期利益以下の各項目において非継続事業からの当期利益を控除調整しております。

 前連結会計年度のNon-GAAP指標においては、上記の他、M&Aに伴う費用、子会社の移転に伴う費用及びのれん減損損失等172百万円を控除しております。

 当連結会計年度のNon-GAAP指標においては、上記の他、固定資産の減損損失等34百万円を控除しております。

 

(Non-GAAPベース)                           (%表示は対前年同期増減率)

 

売上収益

営業利益

税引前利益

当期利益

親会社の所有者に帰属する当期利益

 

百万円

百万円

百万円

百万円

百万円

2023年6月期

12,644

32.1

256

429.3

230

689.9

105

-

107

-

2022年6月期

9,569

-

48

-

29

-

△7

-

△17

-

 

 

 各セグメントの業績については以下の通りです。

 なお、売上収益及びセグメント利益は国際会計基準(IFRS)に基づいて記載しております。

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(ⅰ) IT/AI/IoT/DX事業

 当事業におきまして、主に㈱スカラコミュニケーションズ、㈱エッグを中心に、大手企業、地方自治体、政府、官公庁のDX推進に向けた新規サービスの企画、システム開発をはじめ、既存SaaS/ASPサービスの提案、導入

支援、提供を推進しております。

 主なプロジェクトとしては、㈱スカラコミュニケーションズにおきましては、大塚製薬㈱、損害保険ジャパン㈱の3社で、ヘルスケア領域における『スマートヘルスケアプラットフォーム』の開発を進めております。このヘルスケアサービスは、健康経営を目的とし、従業員のデータを活用し、日常の生活スタイルから健康増進を行い、社員の健康をサポートするものであります。自身の生活習慣(睡眠時間、運動時間等)、体の状態(体重等)等の基礎情報から、個別化された健康サポートを促し、健康の維持・増進を図るためのサービスとなります。既に多くの使用実績を積み重ね、2024年本格的なサービス提供の開始を検討しております。また、デザミス㈱、三井住友海上火災保険㈱とともに、農林水産省より活用が推進されている畜産業界向け遠隔診療や、電子カルテ、指示書作成等の機能を備えた牛の総合診療サポートツール『U-メディカルサポート』を開発し、サービス提供を開始しております。また、マイナンバーカードソリューションのxID㈱とデジタルIDと連携した『施設予約システム』の開発を行っており、全国の自治体への提供に向けて、SaaS/ASPでの提供準備を進めております。その他の既存SaaS/ASPサービスの導入も進んでおり、具体的には㈱琉球銀行、アサヒグループ食品㈱、SCSK㈱、㈱ニップン等にFAQ管理システム『i-ask』が、神奈川県秦野市等へサイト内検索サービス『i-search』が、東都(生協)へ『i-livechat』が導入されました。

 また、㈱エッグにおきましては、鳥取県の米子市、境港市より、マイナンバーカードの普及促進事業を受託し、マイナンバーカード申請ページの導線となるランディングページの制作や、TVCM、YouTube、SNSを活用した広報の企画、設計、商業施設への出張申請ブース開設や、キャンピングカーを活用したマイナンバーカード申請自動車の企画、運行を実施し、目標普及率の達成に貢献いたしました。同時にマイナンバーカードの利活用について、ふるさと納税のオンラインワンストップ申請時等、各種オンライン手続き、申請時の本人確認等も推進しております。また、鳥取県米子市におきまして、フレイル予防事業システムを開始し、提供いたします。さらには、鳥取県国民健康保険団体連合会から受託した医療介護データベースを分析できるシステム「とっとり健康+(プラス)」の開発保守を行っており、今後も継続的な開発による売上増加が見込まれます。

 ㈱コネクトエージェンシーでは、ソフトフォンサービスのラインナップ拡充、及び既存顧客に対するリテンション活動に取り組んでまいりました。ラインナップに加わった音声認識を持つコールセンター向けソリューションを筆頭に新規の引き合いも増加しました。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

増減額(率)

売上収益

4,461

6,073

1,611(36.1%)

セグメント利益

(IFRS、Non-GAAP)

本社費配賦前

1,050

1,062

11(1.1%)

本社費配賦後

464

409

△55(△11.9%)

 

 

(ⅱ) カスタマーサポート事業

 当事業におきましては、㈱レオコネクトを中心に、コールセンター運営における諸課題をワンストップで解決するカスタマーサポートコンサルティングを提供しております。

 ㈱スカラサービス沖縄コールセンターでは、外部に委託していた業務の内製化も順調に進捗しており、加えて新規案件を積極的に受注できるよう組織体制の強化に努めてまいりました。これまで体制強化による先行投資が続いておりましたが、大型のコールセンター案件を受注したことで、2024年6月期の期初より収支改善に向けて好調な開始が見込まれる状況です。引き続き品質向上及びコスト改善による当事業分野に於ける競争力強化を推進し、グループが提供する企業向け、自治体向けの様々なサービスと組合せたサポートサービス、BPO業務の積極的な営業活動を推進してまいります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

増減額(率)

売上収益

1,357

1,204

△152(△11.2%)

セグメント利益

(IFRS、Non-GAAP)

本社費配賦前

△28

△52

△24(-)

本社費配賦後

△31

△61

△30(-)

 

(ⅲ) 人材・教育事業

 当事業におきましては、㈱アスリートプランニングによる体育会学生や女子学生に特化した新卒・中途採用支援及び合同企業説明会やキャリアセミナー等のイベントの企画・運営を行う採用支援サービス、㈱フォーハンズによる保育園『みんなのほいくえん』、インターナショナル幼保園『Universal Kids』、国際感覚を養う学童『UK Academy』、運動に特化した放課後デイサービス『ラルゴKIDS』等施設の開設や運営を行う保育・教育サービス、㈱スポーツストーリーズによる子ども向けの野球・サッカー・バスケットボール・バルシューレ等のスポーツ教室やスポーツイベントの企画・運営を行うスポーツ教育サービス等から構成されております。

 採用支援サービスにおいては、コロナ禍からの経済再開や人手不足の影響を受けた採用意欲の高まりが2024年春入社においても継続しており、従来からの体育会学生向けや女子学生特化型の採用支援に加え、リーダー経験者向けサービス『MAKIcom(マキコム)』を2月に開始し、優秀な学生と企業との様々なマッチング機会を提供しております。

 保育・教育サービスにおいては、昨年9月にプレオープンした幼保園『Universal Kids 品川』、『UniversalKids バンコク』が4月に開園し、語学、スポーツや文化等を学ぶことができる教育環境を提供しております。また、学童では英語学習に特化した『Global Education Center』を4月に開校したところ、好評により定員に達したことから10月にクラス増設を予定しております。

 スポーツ教育サービスにおいては、国や自治体と連携したスポーツ行政関連事業の検討等を推進しております。プロバスケットボールチーム『さいたまブロンコス』では、メンバーシップNFT(非代替トークン)を活用した「新しい形のファンクラブ」を開設し、来季募集を開始いたしました。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

増減額(率)

売上収益

1,468

1,704

235(16.1%)

セグメント利益

(IFRS)

本社費配賦前

112

261

149(133.1%)

本社費配賦後

61

203

141(229.2%)

セグメント利益

(Non-GAAP)

本社費配賦前

227

295

68(30.0%)

本社費配賦後

176

237

60(34.1%)

(注)1.前連結会計年度のNon-GAAP指標においては、子会社の移転に伴う費用及びのれん減損損失等を控除しております。

2.当連結会計年度のNon-GAAP指標においては、固定資産の減損損失等を控除しております。

 

 

(ⅳ) EC事業

 当事業におきましては、トレーディングカードゲーム(TCG)の買取と販売の機能及び攻略情報サイトの機能を備えたリユースECサイトを運営しております。SEOやデータフィード広告をはじめとしたデジタルマーケティングへの取り組みが功を奏しており、売上収益、利益ともに前年を大幅に上回る水準で推移しております。また、今年5月にリリースしたAndroidアプリは順調にユーザー数を伸ばしております。今後も最新のテクノロジーの導入検討を積極的に推進し、快適なUI/UXの追求を継続してまいります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

増減額(率)

売上収益

1,654

2,138

483(29.2%)

セグメント利益

(IFRS、Non-GAAP)

本社費配賦前

281

379

98(34.9%)

本社費配賦後

239

316

77(32.2%)

 

(ⅴ) 保険事業

 当事業におきましては、ペット保険「いぬとねこの保険」の運営をしております。日本におけるペット保険の市場規模は拡大傾向であるものの、欧米と比較すると未だペット保険の加入率が低いことからも成長余地が大きく、引き続き大きな市場規模の拡大が見込まれております。

 このような中、「1日当たりの治療費」及び「請求回数」の制限を設けない等の手厚い補償内容に基づき、ブランディングや認知度の確立、販売チャネルの拡大に取り組んでおります。また、多くの幅広いお客様のニーズに応えるためにも、大切なペットのさらなる安心安全を担保できるような新商品の開発にも注力しております。これらの施策により、新規契約数の大幅な増加を目指し、安定した利益の出せる体制づくりに取り組んでまいります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

増減額(率)

売上収益

452

1,245

792(175.2%)

セグメント利益

(IFRS、Non-GAAP)

本社費配賦前

△28

△160

△131(-)

本社費配賦後

△28

△196

△167(-)

(注)保険事業は日本ペット少額短期保険社を子会社化したことに伴い、前第4四半期連結会計期間から報告セグメントに追加しております。

 

(ⅵ) 投資・インキュベーション事業

 当事業におきましては、㈱スカラによる事業投資、㈱ソーシャル・エックスによる、政府、地方自治体、民間企業が連携した官民共創の新たなサービスの構築・推進、ジェイ・フェニックス・リサーチ㈱による投資先発掘から投資実行や企業価値創造に向けたエンゲージメント、㈱スカラパートナーズによる新規事業開発、ワーケーションを通じた企業の働き方改革推進や地方創生、合同会社SCLキャピタルが運営する、価値共創エンゲージメントファンドのSCSV1号投資事業有限責任組合での投資及びその投資に関連するバリューアップ等を行っております。

 ㈱ソーシャル・エックスでは「逆プロポ」各種サービスを通じて、官民共創による社会課題解決型の新規事業創出を支援しております。また、昨年度に続き、中小企業庁「地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業」の事務局及び社会課題解決型の事業開発への伴走支援を行っております。森ビル㈱運営の「ARCH」に昨年開設した「逆プロポ・Lab@ARCH」には、本年7月末までの10ヶ月で、のべ90自治体244名、のべ125社267名が訪れ、官民の様々な交流が行われています。自治体の社会課題をビジネス視点に翻訳して企業に提供し、事業創出を支援する「逆プロポ・コンシェルジュ」では、㈱ホンダトレーディングをはじめとした企業とのコーディネート実績が評価された京都市公民連携・課題解決推進事業「KYOTO CITY OPEN LABO」業務受託をはじめ、磐田市や豊田市からも官民共創業務を受託、その他、湖西市、藤沢市、奈良県吉野町、愛西市でも本サービスの利用を開始しました。一方、3年連続で「逆プロポ」をご利用頂くイーデザイン損害保険㈱では、昨年11月から「逆プロポ」のスキームが自動車保険商品に組み込まれました。また、昨年10月に実施したきんき環境館主催の勉強会を機に、2050年カーボンニュートラルの実現に向けたモデルケースの創出を目指し、伊丹市・飯南町・阪南市とともに「脱炭素に向けた地域循環共生に関する協定」を締結、全国初の官民共創によるソーシャルクレジット創出に向けて動き出しました。政府はじめ各所からの注目が集まる中、共創エコノミーの構築に向け、新たな挑戦を続けております。

 

 ㈱スカラパートナーズでは、法人向けワーケーションサービスを通じ、企業のリモートワーク推進における課題解決や、大学機関との連携による研究会の立ち上げ及びワーケーション実施効果の検証、ワーケーションを活用した企業向けの研修及び合宿コンテンツの開発等に取り組んでおります。

 また、地方自治体との包括連携協定締結や、日本ワーケーション協会への加入による幅広い有識者、事業者との関係構築等、地域や事業者とのパートナーシップの強化により、サービス導入実績が増加したことで収益化が進んでおります。

 ジェイ・フェニックス・リサーチ㈱では、上場企業を対象に統合報告書の作成や中期経営計画の策定等のIR支援を、価値共創エンゲージメントファンドであるSCSV1号投資事業有限責任組合においては、投資先に対して、デジタルトランスフォーメーションを推進する等のバリューアップに取り組んでまいりました。

 また当社は、これまでのM&Aの経験とグループにおけるDXのノウハウを掛け合わせて情報通信業等の上場企業に対し、共創型のM&Aアドバイザリー及び「特命M&A部」としてM&Aの実行支援サービスを実施しております。自社の経営計画に合わせてM&A戦略設計から見直されるケース、ソーシング重視でスピード感を持ってスムーズなサポートを必要とするケース等、様々な角度からM&Aが円滑に進められるようにサービス提供を行ってまいります。

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

当連結会計年度

前期比

増減額(率)

売上収益

174

278

104(59.5%)

セグメント利益

(IFRS)

本社費配賦前

△478

△202

275(-)

本社費配賦後

△854

△444

410(-)

セグメント利益

(Non-GAAP)

本社費配賦前

△353

△240

113(-)

本社費配賦後

△729

△481

248(-)

(注)1.前連結会計年度のNon-GAAP指標においては、投資事業有価証券にかかる損益、M&Aに伴う費用及び子会社の移転に伴う費用等を控除しております。

2.当連結会計年度のNon-GAAP指標においては、投資事業有価証券にかかる損益を控除しております。

 

(2) 当期の財政状態の分析

(資産)

 資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2,499百万円減少し、18,316百万円となりました。その主な要因は、のれん減損による減少365百万円、投資事業有価証券の売却等による減少120百万円及び自己株式の取得や配当等による現金及び現金同等物の減少1,884百万円等によるものであります。

(負債)

 負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1,583百万円減少し、10,227百万円となりました。その主な要因は、営業債務及びその他の債務の減少134百万円、リース負債の減少409百万円及び返済による社債及び借入金の減少948百万円等によるものであります。

(資本)

 資本につきましては、前連結会計年度末に比べ916百万円減少し、8,089百万円となりました。その主な要因は、自己株式の取得による減少125百万円、親会社の所有者に帰属する当期損失218百万円の計上及び配当による利益剰余金の減少634百万円等によるものであります。

 

(3) 当期のキャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,884百万円減少し、7,740百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、601百万円の流入(前期比1,447百万円の流入減少)となりました。この主な要因は、税引前利益233百万円、非継続事業からの税引前損失381百万円(前期は210百万円の税引前損失、337百万円の非継続事業からの税引前損失)、減損損失399百万円(前期比76百万円の流入減少)、減価償却費及び償却費792百万円(前期比107百万円の流入増加)、法人所得税の支払額324百万円(前期は法人所得税の還付額1,229百万円)等が生じたことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、214百万円の流出(前期比1,679百万円の流出減少)となりました。この主な要因は、投資事業有価証券の売却による収入157百万円があったものの、子会社の移転等に伴う有形固定資産の取得による支出△106百万円(前期比32百万円の流出減少)、ソフトウエア等の開発による無形資産の取得による支出△102百万円(前期比41百万円の流出増加)、投資有価証券の取得による支出△92百万円(前期比299百万円の流出減少)及び持分法で会計処理されている投資の取得による支出△42百万円等が生じたことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,250百万円の流出(前期比1,911百万円の流出増加)となりました。この主な要因は、借入金の返済等による資金の流出△916百万円(前期はM&A等を目的とした資金調達により1,054百万円の流入。「短期借入金の純増減額」、「長期借入れによる収入」、「長期借入金の返済による支出」の合計)、自己株式の取得による支出△125百万円及び配当金の支払額△647百万円(前期比14百万円の流出増加)等が生じたことによるものであります。

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

(ⅰ) 生産実績

 当企業集団で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(ⅱ) 受注実績

 当企業集団で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。

 

(ⅲ) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前期比(%)

IT/AI/IoT/DX事業

6,073,254

136.1

カスタマーサポート事業

1,204,996

88.8

人材・教育事業

1,704,072

116.1

EC事業

2,138,189

129.2

保険事業

1,245,036

275.2

投資・インキュベーション事業

278,846

159.5

合計

12,644,395

132.1

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.本表には非継続事業からの実績は含んでおりません。

 

(5) 重要な会計方針及び当該見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当企業集団は、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。

 なお、当連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載の通りであります。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当企業集団の主な資金需要は、中期経営計画で掲げた「成長機会の提供を中心とした、人の成長プラットフォーム」の展開を実現するために必要となる、優秀な人材の採用、M&Aや事業提携、新規事業開発、マーケティング費用等の戦略投資資金の他、運転資金、借入金の返済及び支払利息等があります。

 運転資金については自己資金の活用により賄い、戦略投資資金については、自己資金に加え、金融機関からの借り入れや社債発行等により調達を行うこととしております。資金調達については、多様な資金調達手段から、調達時の状況に応じて最適な手段を選択し、安定的な資金の確保、資本コストの最適化に努めてまいります。なお、当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、取引銀行1行と2,000百万円のコミットメントライン契約を締結しており、当該契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高は500百万円であります。

 2023年6月30日現在の契約債務の概要は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 31.金融商品(4)流動性リスク管理」に記載の通りであります。

 

(7) 経営成績に重要な影響を与える要因について

 当企業集団の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りであります。

 

5【経営上の重要な契約等】

コミットメントライン契約

 当企業集団は、効率的な運転資金の調達のため、取引銀行1行と2,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、当該契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高は500百万円であります。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。