文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであります。
(1) 経営方針
当企業集団は、代表の変更と最近の業績動向を踏まえ、「中期経営計画の取り下げに関するお知らせ」の通り中期経営計画「2024-2026」を取り下げました。新たな中期経営計画につきましては、当社を取り巻く事業環境等を総合的に勘案し、改めて合理的に策定ができるようになった時点で速やかに公表いたします。
新たな中期経営計画の発表までの期間におきまして、安定した財務基盤の維持と効率的な資本の運用による企業価値の向上を目指しつつ、透明性の高い情報開示及びガバナンスを徹底し、ステークホルダーから信頼を改めて獲得することを最優先の経営方針とします。こうした前提のもとで企業価値の向上を図るべく、選択と集中の事業展開による安定的成長を目指し、主力であるIT・人材紹介・官民共創コンサルティングの安定した収益基盤確立に注力しつつ、各事業分野での専門性を活かした新規市場の開拓と既存市場の深耕を進めてまいります。
(2) 経営戦略等
当企業集団は、新たな中期経営計画の発表までの期間におきまして、以下の2点を経営戦略の中心とします。
①顧客中心主義の徹底顧客のニーズに迅速かつ的確に対応し、顧客満足度の向上を目指す。顧客との長期的な信頼関係を構築し、持続的なビジネスパートナーシップを形成する
②社会貢献と持続可能な経営ESGを重視した経営を行い、持続可能な社会の実現に貢献。CSR活動等を通じて地域社会との共生を図る
また、上記2点を基準として、以下の3点の取り組みを進めてまいります。
①最先端IT技術の取り込みや、サービス品質を常に向上させる体制を構築することにより、革新的なソフトウエアソリューションや各種業界最高水準のサービスを提供する
②政府機関・地方自治体・民間企業との連携を強化することにより、公共サービスのデジタル化支援や地域活性化プロジェクトに積極的に参画し、社会課題の解決に貢献する
③キャリア開発支援プログラムの導入によるスキルアップとキャリアパス明確化を図りつつ、フレキシブルな働き方の推進とワークライフバランスの向上を目指すことにより、多様なバックグラウンドを持つ人材が活躍できる職場環境の整備を推進する。専門性とリーダーシップを持つ人材を育成することにより、サービスの開発・提供のみでなく透明性の高い情報開示とガバナンスの徹底を実現していく
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当企業集団は、中長期的な企業価値の向上を図るという観点から、Non-GAAP指標における売上収益及び営業利益、投下資本利益率(ROIC)、及び資本コスト(WACC)を重要視しております。
(4) 経営環境
国際情勢や世界経済は不確実性を増す一方、国内においては少子高齢化や教育のあり方の見直し等、成長に向けて乗り越えなければならない複雑な課題が山積しております。現下の情勢において社会へ価値を創出し続けるためには、課題を主体的に捉え、国や企業・立場といった枠を超え、環境に適応できる人と人の共創が必要不可欠と捉えております。
そのような中、当企業集団は、ITと人材事業領域のポートフォリオとソリューション、そして多様なパートナーとの共創を通じて、社会課題やクライアント企業の課題を解決し、ともに成長することを意識して事業を進めてまいります。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
① 人材採用・育成及び組織力の強化
当企業集団は、人材を最も重要な資産として捉えております。特に国内のIT人材の需要が増しており、人材リソースの確保が難しくなってきている中、年齢等属性を問わず、ポテンシャルが高く、新しい取り組みに意欲溢れたスタッフを採用するとともに、専門分野を有するエキスパートの採用を強化しております。
更に、グループ内の適材適所への配置を柔軟に行い、グループ全体の生産性・機動性を高め、社内全体の士気向上、従業員のモチベーションアップ、ひいては組織力の強化に取り組んでまいります。
② M&Aや事業提携による成長
当企業集団は、飛躍的・継続的な成長と競争優位性を確保するとともに、次の効果創出を目的としたM&Aや事業提携を実施してまいります。
(ⅰ) 持続的な成長の柱となりうる新規事業ドメインへの参入
(ⅱ) 顧客基盤の獲得、既存サービスのシェア拡大
(ⅲ) 新たなノウハウや技術の獲得、サービスラインナップの充実によるサービス力の強化
(ⅳ) 有能な人材の補強、体制の強化
③ 積極的な投資と財務の強化
継続的成長のための投資を進める当企業集団において、必要な資金の確保と財務体質の強化が重要となっております。これまでの投資による事業からの利益確保と投資のバランスを常に意識しながら、当企業集団全体の財務力の向上のため、各事業ごとの事業性評価とそれに対する細かなPDCAサイクルの実施及び金融機関との関係強化等に努めてまいります。
(6) 事業別の課題
① DX事業
(ⅰ) 技術開発リソースの確保
DXによる課題解決等、ITニーズはますます増え続け、対応に必要な技術力は高度化する一方で、国内におけるIT人材不足により、生産力確保のための人材獲得がますます困難になってきております。これに対し、自社でのIT人材の採用機能を強化しつつ、ニアショア開発及びオフショア開発拠点を増やすことにより、開発リソースの確保に努めております。また、IT技術の適用・応用先として、社会課題解決型のDX案件が増えてきており、自身の開発が社会貢献につながることで、意識の高い技術者が集まるようになってきており、優秀な人材の採用が進んでおります。
(ⅱ) 技術力の向上
IT技術の進化・発展はめざましく、あらゆる領域の技術力習得は困難な中で、特定領域の技術力への偏りは応用力や柔軟性の低下を招いてしまいます。これに対し、新たな事業領域へのIT技術の適用においては、新たな技術力習得の機会が得られることが多く、ノウハウや経験も蓄積されます。そのため、当社が持つ事業ポートフォリオをはじめ、あらゆる事業領域に対するDX案件を獲得しながら、常に技術力向上に努めております。
(ⅲ) 共創による案件の創出
IaaSやPaaSといった、クラウドにおける開発環境の進歩が進み、当社の事業領域であるSaaS業界において、新しいサービスの開発とサービスインまでのハードルは下がり、開発スピードが速くなってきています。そのため、競争が激化していくことにより、便利なサービスから過剰なサービスが低価格で提供される中、継続的な売上成長を実現するためにも、大型案件を獲得していく必要があります。一方で一時的な大型案件は大規模な開発体制が必要であり、リスクが拡大します。
これに対し当社では、クライアント企業の成長が当社の成長にもつながる共創案件の拡大を意識しております。共創案件は、共同開発の形にすることで初期の開発売上は減少するものの、ともに事業を創出し成長することを前提としてその成果を共有するため、継続的な売上成長につながります。
当社グループが社会課題解決型DXを進めると同時に、グループ全体のヒト・モノ・カネ・情報に関する事業セグメントと連携することで、競合他社では獲得しにくい大規模で良質な案件を獲得することが可能となり、今後の継続的な成長につなげることに注力しております。
② 人材事業
人材事業においては、企業の人材採用活動でこれまで直接対面だった説明会や面接がオンラインになる等形態が変化してきている一方で、採用決定後のミスマッチを最小限にするために、企業と学生の双方において対面での開催を望んでいる声もあります。当社では、従前の採用支援や関連イベントの企画運営支援にとどまらず、女子学生に特化した採用支援『女子キャリ』事業にも注力し、近時の女性活躍推進の流れを受けた顧客企業の取り組みを採用の面から支援してまいります。また、中途採用領域への進出により、事業領域の拡大を進めてまいります。
③ EC事業
EC事業が属するトレーディングカードゲーム(TCG)業界は引き続き活況が続いております。一般社団法人日本玩具協会の発表によれば2023年度のTCG市場規模は2,774億円(前年比+18.1%)に達しました。TCG業界の歴史は浅く、30年程度となる中、親子で遊ぶ等2世代型の遊びになっていることに加え、代表的なタイトルであるポケモンや遊戯王をはじめとしてスマホゲームの広がりに伴ってTCGへの新規流入が続いており、ユーザーの裾野が広がっております。
そのような状況下で、ユーザー向け買取・販売・攻略サイトのフロントエンド、バックエンド、そして物流拠点のフルフィルメント関連システムすべてを内製化していることによるシステムの拡張性、柔軟性を活かし、画像認識技術等のテクノロジー導入検討を行うとともに、最新のUI/UXの継続的な向上を図っております。優秀なエンジニアの獲得に一層注力し、新たなテクノロジーの導入に取り組んでまいります。また、国内TCG市場においては海外ユーザーからの需要は益々旺盛であり、足元の為替環境下も相俟って更に活況を呈しております。このような海外ユーザーニーズに対しても、ネットショップという利点とテクノロジーカンパニーとしての特徴を活かし、ユーザーの裾野を広げてまいります。
④ 金融事業
当社は、人の安心・安全及び暮らしの豊かさを提供するために、金融事業は必要と考えております。保険サービスは、日常生活で発生するリスク(危険)に備えるもので、その加入者からの情報のデータベース化は進み、新たな保険商品の開発・設計等に活用されています。
これに対し、当社が参入したペット保険事業では、保険料収入及び契約件数について、競合他社に負けない保険商品の提供を目指しており、今後については、保険料収入の増加とロスレシオ(損害率)の改善に軸足を置き、収益性・成長性・健全性の確保に取り組んでまいります。
⑤ インキュベーション事業
当企業集団の持続的な成長と企業価値向上につながるM&A等の投資活動、及び新規性のある事業やサービスの開発に向けたインキュベーションに取り組んでおります。
国内のM&A実施の件数が増えてきている中で、体制が整っておらずM&Aを実施したくてもスムーズに進められていない企業もあります。そのような中、当社自身が実施するM&Aだけではなく、M&Aニーズのある企業のサポート・コンサルティング、実行支援を行うサービスを進めております。
また、国内に限らず海外においても、共創による社会的意義のある事業の創出を推進している企業が増えてきている傾向があり、当社グループでは社会課題解決を意識した新しい官民共創の形態から派生する新規事業や、直接的な当社グループ内での新規事業開発、更には国外への展開にも取り組んでおります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、各事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献することを重要な経営課題と位置付けており、サステナビリティ戦略として、環境・社会・ガバナンス(ESG)への取り組みを基盤として、企業価値の向上と社会的責任の遂行を両立させることを目指してまいります。
(1) サステナビリティ全般に関するガバナンス及びリスク管理
当社グループでは、取締役会による監督のもと、代表執行役を最終責任者とする執行役等を構成員とする執行役会において、社会的な貢献や責任を果たしながら持続的に成長を果たす企業の重要性を認識した上で、ESGや人的資本、TCFDを含め、サステナビリティについての取り組みを協議しており、その内容は当社ウェブサイトで開示を行っております。
また、執行役等を構成員とする情報セキュリティ委員会においては、リスク管理規程を定め、経営に重大な影響を与える可能性が高いリスクの発生に備えており、リスクの評価・査定等適切なリスクマネジメントを行うための体制を構築しております。
(2) 重要なサステナビリティ項目について
上記、ガバナンス及びリスク管理を通して識別された当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下の通りであります。
① 人的資本に関する人材育成方針・社内環境整備方針
VISION 2030「いつもいつまでも自分らしく生きられる社会の実現」の実現には人の価値向上が必要不可欠と考えており、人的資本経営への重要性も鑑み、それぞれの個性と多様性を活かしながら人の可能性を最大限に引き出す仕組みや施策を講じることで、夢中になれる多数の成長機会と柔軟なキャリアの選択肢ができる環境、働き方を目指してまいります。
② 人的資本に関する人材育成・社内環境整備の指標及び進捗状況
当社グループでは、キャリアアップのための研修(新入社員・若手社員・中堅社員向け、階層別向け等)や新規事業提案制度、社内表彰制度等を進めておりますが、今後は、前述のVISION2030実現に向けて、リソース不足の解消や生産性の向上を実現するために、社内人材の活性化を促進する制度を設計することで、未来の活躍人材の獲得・育成にも注力してまいります。
③ 多様性の確保についての人材育成方針、社内環境整備方針
当社グループにおいて、多様性とは、経験やスキル、性格等に基づき、それぞれの強みと多角的なものの見方を組織にもたらすことであると考えており、性別、年齢、国籍、入社経路等の属性情報に基づいた社員数等の定量的な数値のみを重視しておりません。社員それぞれの能力や価値観を尊重し受け入れ、その多様性が生み出す違いを経営に活かし、当社グループの強みや発展の実現を目指してまいります。
④ 多様性の確保についての指標及び進捗状況
当社グループでは、まずダイバーシティを知り、アンコンシャスバイアスの相互理解を重点的に行うことで、社員それぞれの多様性を尊重し受け入れる素地を作り、ダイバーシティの文化を醸成していきながら、サステナビリティを高めてまいります。
また、女性管理職比率の実績に関しては、
⑤ 透明性の確保
当社グループでは、企業の透明性を高めるために、定期的な情報開示を行い、ステークホルダーとの信頼関係構築を進めてまいります。財務情報や事業戦略、リスク管理に関する情報を適時適切に公開します。
また、コンプライアンス教育を定期的に実施し、法令遵守と倫理的行動を高水準で実践できるよう支援してまいります。
⑥ リスクマネジメント
当社グループでは、環境リスクを評価し、適切な対策を講じることで、企業活動が環境に与える影響を最小限に抑制することを目指します。
また、事業継続計画(BCP)を策定し、災害や緊急事態に対する備えを強化します。定期的な訓練と見直しを行うことで、緊急時の迅速な対応を可能にしてまいります。
(3) 指標及び目標
当社は現時点で、サステナビリティに関する指標及び目標は設定しておりません。今後、企業価値向上に向けたサステナビリティに関する指標及び目標について社内で検討を進めてまいります。
また、人材の育成及び社内環境整備に関する方針に係る指標及び目標についても、具体的な数値を設定しておりませんが、今後、これらに関しても社内で十分に検討を進めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクには、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであり、当企業集団に関するすべてのリスクを網羅しているものではありません。また、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当企業集団の経営成績等の状況に与える影響の内容につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
(1) 事業環境に関するリスク
① 経済情勢に関するリスク
当企業集団の連結売上収益はDX事業が約半分を占めております。当事業の主要顧客である国内大手企業は、事業環境の変化に迅速に対応するため積極的なIT投資を進め、当企業集団が提供するサービスの利用も着実に増加しておりますが、主要顧客のIT投資の状況は国内の景気情勢との相関性が高く、当事業は国内の経済情勢に大きく影響されます。今後、国内の経済情勢が悪化した場合、国内大手企業のIT投資金額が減少する可能性があります。
当企業集団の事業においては、今後も業界における優位性を高めてまいりますが、今後の景気動向により、当企業集団が扱うサービスの受注減や、販売価格低下圧力の増大等が生じた場合、当企業集団の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 技術革新への対応に関するリスク
当企業集団は、外部環境の変化に迅速に適応し、ITを活用した事業を継続的に展開していく方針です。常に最新の技術動向に目を向け、新機能の開発や新たなサービスのリリースを積極的に進めておりますが、この業界は技術が進歩する速度や変化が非常に激しいことから、予想を超える革新的な技術が出現した場合や、更に新技術への対応に多額の資金を要するにもかかわらず迅速な資金調達ができなかった場合には、対応に遅れが生じる可能性も否定できません。この場合、当企業集団が提供するサービスの陳腐化、競争力の低下等が生じ、当企業集団の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) サービス・製品開発に関するリスク
DX事業においては、案件の大型化・複雑化が進むことで、標準サービス化による再利用が困難となり、月額売上のストック収益よりも一時的な売上収益が増加することがあります。システム開発においても、受注金額が大きい案件の場合等、完成までに長期間を要するものがあり、顧客からの要求仕様の変更や追加要求により開発の進行が大幅に遅れる可能性が生じる場合があります。これらの事象が発生した場合、当企業集団の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) サービス運用に関するリスク
① SLA(サービスレベルアグリーメント)を充足できない場合の賠償請求に関するリスク
当企業集団は、提供しているSaaS/ASPサービスについて、サーバーの稼働、障害発生時の対応、及びメンテナンス実施時の連絡等に関する一定の保証水準を定め、これをSLAとして予めお客様に対して提示しております。お客様に安心してサービスをご利用いただける万全の体制を構築し、係る保証水準の維持に努めておりますが、将来においてSLAに定める水準を達成できなかった場合、多額の賠償を請求される可能性があり、当企業集団の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 通信ネットワーク及びシステムに関するリスク
当企業集団のDX事業においては、インターネット、電話、FAX等の通信インフラを最大限に活用したサービスを提供しており、こうしたサービスの迅速な開発や安定した運用及び当企業集団の事業運営は、通信環境やコンピュータシステムに大きく依存しているため、コンピュータシステムのバックアップシステムの構築や、顧客数増加に伴うサーバー等の設備の増強や老朽化への対応等の対策を講じております。
しかしながら、ハードウエア・ソフトウエアの不具合や障害、事故・不正等による人為的ミス、通信回線の障害、通信事業者に起因するサービスの中断や停止、コンピュータウイルス、サイバーアタックの他、自然災害等によるシステム障害等、現段階では予測不可能な事由によりコンピュータシステムがダウンした場合には、業務の遂行及びサービスの提供が不可能となる可能性や当企業集団の保有する情報の外部漏洩・不正使用等が発生する可能性が生じ、売上の低下や復旧に係る費用負担が増大する恐れ及び社会的信用が失墜する恐れがあることから、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 情報セキュリティ・個人情報保護に関するリスク
当企業集団が提供するサービスにおいては、お客様が収集・保有する個人情報を含む情報資産を、予めお客様の同意を得て、その依頼に基づき当企業集団が保有する場合があります。
当企業集団では、各事業の必要に応じて情報セキュリティに関する国際規格である「ISO/IEC27001」の認証を取得し、また、一般財団法人日本情報経済社会推進協会の「プライバシーマーク」付与の適格決定を受け、これを継続しており、グローバルスタンダードな第三者の視点を取り入れた情報セキュリティ対策を実施し、当企業集団が保有する情報資産について、社内マネジメントシステムに基づき管理の徹底に努めております。
しかしながら、外部からの不正アクセスや当企業集団における情報管理体制の瑕疵等により個人情報を含む情報資産の漏洩等が発生した場合、当企業集団への損害賠償請求や社会的信用の失墜等の可能性があり、これによって当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(4) コンプライアンスに関するリスク
① 知的財産権の侵害に関するリスク
当企業集団では、事業の遂行にあたり、過去もしくは現時点において、第三者の知的財産権の侵害に関する通知請求や訴訟を起こされた事実はありません。
しかしながら、今後、当企業集団が事業を遂行する上で必要となる知的財産権等の権利について、当該第三者より損害賠償及び使用差止等の訴えを起こされる可能性、特許等に関する対価(ロイヤリティ)の支払い等が発生する可能性並びにライセンス等を受けられずに特定の技術の使用やサービスの提供が不可能となる可能性があります。それらの場合、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 法的規制に関するリスク
当企業集団の事業や今後提供する新しいサービスにつき、監督官庁による許認可や法的規制が加えられる可能性があります。この場合、法的費用の発生や事業活動の制約が発生する可能性があり、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③ 内部統制に関するリスク
当企業集団は、業務における人為的なミスや、内部関係者等による違法行為、不正行為等の不祥事が発生することの無いよう、内部管理の基準を策定・運用する等の対策を実施しております。
また、業務の適正性を確保するため、内部統制・情報セキュリティ推進本部を設置・運営する等、必要な内部統制システムを構築し、法令遵守の徹底及びリスクマネジメントの強化を進めております。加えて、内部監査部を設置し、当社グループのリスクマネジメント体制や内部統制システムの実効性を監視しております。
しかしながら、内部統制システムが有効に機能せず、業務の有効性や効率性、財務報告の信頼性等を確保できない事態あるいは違法行為・不正行為等が生じた場合には、係る信頼を回復するための運営費用の増加や、各部門の業務工数が増大する可能性を含め、当企業集団の業績・財政状態及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
④ 訴訟等に関するリスク
当企業集団は、現在においてその業績に重大な影響を与え得る訴訟・紛争には関与しておりませんが、様々な要因により今後直接又は間接的に、何らかの訴訟・紛争に関与することとなる可能性は否定できません。当企業集団が訴訟・紛争に関与した場合、その経過・結果如何によっては、当企業集団の業績・財政状態及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 投資リスク(M&A)
当企業集団は、既存事業の拡充、関連技術の獲得及び新規顧客の獲得等の事業シナジーが期待できる企業の買収を、経営の重要課題として位置付けております。
買収を検討する際には、対象企業の財務内容や取引関係等についてデューデリジェンスを行うことによって、極力リスクを回避するように最大限努めております。しかしながら、すべての重要事実が共有ないし開示されない場合もあり、買収後の統合段階に、偶発債務の発生や未認識債務の存在が判明する可能性も否定しきれません。
また、買収後に、デューデリジェンスのタイミングでは想定不可能であった買収先企業の事業環境の急激な変化等により、計画通りに事業展開が進まない可能性があります。
このような場合には、場合によっては買収金額を超える損失が発生するリスクがあり、また、買収会社の事業活動や経営成績によっては、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります
(6) 人材確保及び育成に関するリスク
当企業集団の事業の発展のためには、優秀な人材の確保や育成が重要な課題の一つと認識しており、新卒採用に加えて中途採用を実施する等、多様な人材を確保するように努めております。また、採用後は入社後研修をはじめとする様々な研修を定期的に実施する等、教育制度の充実にも取り組んでおります。
しかしながら、こうした採用や育成ができず、事業上必要な人材が確保できない若しくは退社した場合には、当企業集団の優位性や事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、人員の増加に伴い固定的な人件費も増加する可能性があり、人件費の増加を上回る売上増加を達成できなかった場合には、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 災害等に関するリスク
当企業集団は、サービス提供に必要なサーバー等の保管業務を外部のデータセンターに委託しております。当該データセンターについては、地震・台風・津波等の自然災害や停電や火災等の災害に対して十分な耐性を有するかどうか慎重に検討した上で選定しております。
しかしながら、当該データセンターは、当企業集団の想定を超える規模の災害が発生し、その結果、当該データセンターが壊滅する、あるいは保管中のサーバーに保存されたデータが消失する等により、当企業集団のサービスの提供が不可能となる等の事態が生じた場合は、当企業集団の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当企業集団においては、自然災害等が発生した場合に備え、事業継続計画を策定しておりますが、様々な災害の発生による影響を完全に回避できる保証はなく、係る災害による物的又は人的損害が甚大である場合は、当企業集団の事業の継続自体が困難又は不可能となる可能性があります。
当企業集団は、国際会計基準(IFRS)を適用しております。
また、国際会計基準(IFRS)に加えて、より実態を把握することができる指標(以下、Non-GAAP指標)を採用し、双方で連結経営成績を開示しております。
2023年6月期第4四半期に㈱コネクトエージェンシー及びジェイ・フェニックス・リサーチ㈱の両社を非継続事業に分類しておりましたが、全株式の譲渡が完了しております。
また、2024年6月期第3四半期に連結子会社である㈱フォーハンズ、同第4四半期に㈱readytowork、㈱スポーツストーリーズ及び㈱ブロンコス20を非継続事業に分類しておりましたが、当連結会計年度に全株式の譲渡が完了しております。
これにより、2023年6月期連結会計年度の売上収益、営業利益及び税引前利益については、非継続事業を除いた継続事業の金額に組み替えて記載しております。
セグメント関連につきましては、2024年6月期第4四半期において、教育事業が非継続事業へと移行したため、人材・教育事業から人材事業へと報告セグメント名称を変更しております。また、金融関連事業から金融事業へと報告セグメント名称を変更しておりますが、事業内容に変更はございません。
(1) 当期(2024年6月期)の経営成績
① IFRSに基づく経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、社会経済活動の正常化や雇用環境の改善が進み、景気は緩やかな回復傾向が続いております。しかしながら、地政学リスクによる資源価格の高騰や円安による物価上昇等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
この状況下において、コスト削減や新たな働き方を創造するオペレーション効率化のためのデジタルトランスフォーメーション(DX)の最先端技術を活用し、自社だけでなく共創パートナー企業や地域社会、国の成長を重要視するとともに、社会課題解決に関わる人々の自己成長に向けた取り組みが注目されております。
このような事業環境のもと、当企業集団は、2023年8月の中期経営計画「2024-2026」にて掲げた、当企業集団の掲げるVISION「価値が溢れ出てくる社会」の実現を目指し、同計画にて掲げる目標達成に向けて取り組んでまいりました。また、重要基盤であるDX事業を中心としたグループ収益力を大幅に改善するために、2025年6月期以降に向けて、事業の選択と集中及びコスト削減による事業構造改革を進めてまいりました。
当連結会計年度における売上収益は10,714百万円(前年比9.5%減)となりました。EC事業が引き続き好調に推移したものの、主にDX事業において開発案件の一時的減少、GoToトラベル事業や全国旅行支援事業の終了による影響等が生じたことによるものです。
利益につきましては、営業損失は2,155百万円(前期は397百万円の営業利益)となりました。これは主に、DX事業での売上収益の減少による影響の他、事業構造改革に伴うオフィス縮小の解約金や、有形固定資産、無形資産及びのれんの減損損失等の計上によるものです。
税引前損失につきましては、2,166百万円(前期は374百万円の税引前利益)となり、法人所得税194百万円及び非継続事業からの当期損失516百万円を計上した結果、当期損失は2,877百万円(前期は213百万円の当期損失)、親会社の所有者に帰属する当期損失は2,887百万円(前期は218百万円の親会社の所有者に帰属する当期損失)となりました。
(国際会計基準(IFRS)ベース) (%表示は対前年同期増減率)
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売上収益 |
営業利益 |
税引前利益 |
当期利益 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
|||||
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百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
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2024年6月期 |
10,714 |
△9.5 |
△2,155 |
- |
△2,166 |
- |
△2,877 |
- |
△2,887 |
- |
|
2023年6月期 |
11,838 |
- |
397 |
- |
374 |
- |
△213 |
- |
△218 |
- |
② Non-GAAP指標に基づく経営成績
Non-GAAP指標は、国際会計基準(IFRS)から当企業集団が定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。
Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当企業集団の恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で、有益な情報を提供できると判断しております。
なお、非経常的な項目とは、一定のルールに基づき将来見通し作成の観点から除外すべきと当企業集団が判断する一過性の利益や損失のことです。
Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
営業利益以下の各項目において投資事業有価証券にかかる損益を控除し、当期利益以下の各項目において非継続事業からの当期利益を控除調整しております。
当連結会計年度のNon-GAAP指標においては、上記の他、のれん等の減損損失、解約違約金、事業構造改善費用等2,069百万円、当期利益において繰延税金資産の取崩しの計上98百万円を控除しております。
(Non-GAAPベース) (%表示は対前年同期増減率)
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売上収益 |
営業利益 |
税引前利益 |
当期利益 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
|||||
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|
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
|
2024年6月期 |
10,714 |
△9.5 |
△203 |
- |
△214 |
- |
△274 |
- |
△274 |
- |
|
2023年6月期 |
11,838 |
- |
359 |
- |
337 |
- |
205 |
- |
194 |
- |
各セグメントの業績については以下の通りです。
なお、売上収益及びセグメント利益は国際会計基準(IFRS)に基づいて記載しております。
(ⅰ) DX事業
DX事業におきまして、㈱スカラコミュニケーションズでは、取引額の大きな一部業界における情勢変化や特定顧客の案件縮小の影響により、売上収益・利益は前年同期に対して減少しました。
㈱エッグでは、GoToトラベル事業や全国旅行支援事業の終了、当初計画からの進捗遅れ等の影響により前年同期に対して売上・利益は減少しました。一方で、デジタル田園都市国家構想交付金事業の納入は順調に進み、新規開発案件の獲得は堅調に推移しております。自治体公式LINEを活用した健康・介護予防のオンラインサービス開始等、他自治体への横展開に引き続き注力してまいります。
以上の結果により、DX事業全体では既存サービス及び新規サービスの導入を加速しておりますが、今期の売上計上は一部に留まり、売上収益・利益は減少しました。
なお、オペレーションのスリム化による生産性向上を図るため、事業構造改善費用として149百万円を計上した他、当初計画からの収益力向上の進捗遅れに伴う影響により、一時的な損失として、のれん及び固定資産の減損損失945百万円を計上しております。
(単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前期比 増減額(率) |
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売上収益 |
7,213 |
5,865 |
△1,347(△18.7%) |
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セグメント利益 (IFRS) |
本社費配賦前 |
1,007 |
△564 |
△1,572(-) |
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本社費配賦後 |
350 |
△1,217 |
△1,567(-) |
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セグメント利益 (Non-GAAP) |
本社費配賦前 |
1,007 |
529 |
△477(△47.4%) |
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本社費配賦後 |
350 |
△122 |
△472(-) |
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(注)当連結会計年度のNon-GAAP指標においては、のれん及び固定資産の減損損失、事業構造改善費用を控除しております。
(ⅱ) 人材事業
採用支援サービス事業では、新卒採用意欲の高まりが2025年春入社においても継続しており、体育会学生や女子学生に特化した採用支援サービスを軸に優秀な学生と企業との様々なマッチング機会のニーズは引き続き高いレベルを維持しています。
また、新規事業として中途転職支援事業及び学生向けキャリア教育事業を開始しており、既存事業で培った資産の有効活用により、早期業績拡大を図ってまいります。
人材紹介・採用イベントともに成長を継続し、売上収益は前年同期に対して増加しましたが、新規事業開始に伴う体制整備等の先行投資の影響により、利益は前年同期に対して減少しました。
(単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前期比 増減額(率) |
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売上収益 |
963 |
1,028 |
65(6.8%) |
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セグメント利益 (IFRS、Non-GAAP) |
本社費配賦前 |
324 |
304 |
△19(△6.1%) |
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本社費配賦後 |
286 |
266 |
△19(△6.9%) |
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(ⅲ) EC事業
EC事業では、SEOやデータフィード広告をはじめとしたデジタルマーケティング等、快適なUI/UXの追求を継続していることが功を奏し、売上収益は前年同期に対して増加しました。また、長年研究開発を続けてきたAI画像認識ソリューションについても物流拠点における発送業務の一部に導入を開始いたしました。今後は買取査定への応用も進める予定であり更なる生産性の向上に取り組んでまいります。
利益は外部環境に恵まれ前期活況を呈し急成長した一部タイトルの影響と、継続して取り組んでいるシステムの改修・改善や最新のテクノロジーの導入検討を積極的に推進していることから前年同期に対して減少しました。
(単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前期比 増減額(率) |
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売上収益 |
2,138 |
2,238 |
100(4.7%) |
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セグメント利益 (IFRS、Non-GAAP) |
本社費配賦前 |
379 |
303 |
△76(△20.1%) |
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本社費配賦後 |
316 |
240 |
△76(△24.1%) |
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(ⅳ) 金融事業
金融事業においては、利益率の高い新商品の販促活動により、保有契約件数は年間最高値を達成しましたが、新商品開発に伴う先行投資やウェブサイト・ランディングページの改修等のマーケティング施策を強化した費用が増加し、売上収益・利益は前年同期に対して減少しました。
なお、当初計画からの収益力向上の進捗遅れに伴う影響により、一時的な損失として、のれん及び固定資産の減損損失613百万円を計上しております。
(単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前期比 増減額(率) |
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売上収益 |
1,245 |
1,216 |
△28(△2.3%) |
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セグメント利益 (IFRS) |
本社費配賦前 |
△160 |
△782 |
△621(-) |
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本社費配賦後 |
△196 |
△818 |
△621(-) |
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セグメント利益 (Non-GAAP) |
本社費配賦前 |
△160 |
△169 |
△8(-) |
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本社費配賦後 |
△196 |
△205 |
△8(-) |
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(注)当連結会計年度のNon-GAAP指標においては、のれん及び固定資産の減損損失を控除しております。
(ⅴ) インキュベーション事業
㈱ソーシャル・エックスでは「逆プロポ」各種サービスを通じて、官民共創による社会課題解決型の新規事業創出を支援しております。東京都の「多様な主体によるスタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)」の協定事業者として実施している、財務リターンと社会的インパクトを両立する社会課題解決型スタートアップの創出・支援をめざす「官民共創型アクセラレーションプログラム(ソーシャルXアクセラレーション)」では、1期目の入賞企業が自治体との実証実験へと進み、2期目のファイナリストが決定しました。また、内閣府沖縄総合事務局、群馬県庁でも同様のプログラムがスタートし、同プログラムへの金融機関等からの関心も高まっています。そのような流れの中、北國銀行の投資子会社であるQRインベストメントとインパクトファンド組成に向けた検討が始まり、山口ファイナンシャルグループの100%出資子会社であるYMFG ZONEプラニングと「地域活性化に係る連携協力に関する協定書」を締結する等の動きも出ています。
「逆プロポ」では、博報堂、Mellow、BABY JOB、ENELL、コンカー等、スタートアップから大企業まで幅広い募集が行われ、テレビ番組等メディアにも取り上げられました。また、昨年8月に開発した官民共創人材育成プログラムは、これまでに40社85自治体3省庁合計400名に向けて展開し、その後、東京都による連携促進型オープンイノベーションプラットフォーム事業にも取り入れられる等、今後も各方面への展開が決まっております。愛知県豊田市からは一年間の出向職員を受け入れ、東京都港区には、企業連携推進アドバイザーとしてディレクターを派遣する等、政府はじめ各所からの注目が集まる中、共創エコノミーの構築に向け、新たな挑戦を続けております。
また㈱スカラは、これまで培ってきた事業開発やM&Aの経験とグループにおけるDXのノウハウを掛け合わせて情報通信業等の上場企業に対し、共創型のM&AアドバイザリーとしてM&Aの実行支援サービスを実施しております。これまでの経験を生かした売り手候補への直接的なアプローチにより、高い返信率で潜在層を掘り起こしております。
上記の新規事業の積極的な取り組みにより収益規模は徐々に拡大しておりますが、M&A関連等のサービス開発の費用が先行し、利益は前年同期に対して減少しました。
なお、一部の事業における将来収益力の見直しに伴い、一時的な損失として、固定資産の減損損失61百万円を計上しております。
(単位:百万円)
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
前期比 増減額(率) |
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売上収益 |
269 |
294 |
25(9.4%) |
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セグメント利益 (IFRS) |
本社費配賦前 |
△197 |
△182 |
15(-) |
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本社費配賦後 |
△203 |
△188 |
15(-) |
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セグメント利益 (Non-GAAP) |
本社費配賦前 |
△235 |
△190 |
44(-) |
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本社費配賦後 |
△241 |
△196 |
44(-) |
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(注)当連結会計年度のNon-GAAP指標においては、固定資産の減損損失及び事業構造改善費用を控除しております。
(2) 当期の財政状態の分析
(資産)
資産につきましては、前連結会計年度末に比べ5,616百万円減少し、12,699百万円となりました。その主な要因は、現金及び現金同等物の減少923百万円、使用権資産の減少1,456百万円、のれんの減少1,012百万円、無形資産の減少1,049百万円及び繰延税金資産の減少325百万円等によるものです。
(負債)
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ2,096百万円減少し、8,130百万円となりました。その主な要因は、非流動負債の社債及び借入金の減少342百万円、繰延税金負債の減少255百万円、リース負債の減少272百万円及び長期リース負債の減少1,223百万円等によるものです。
(資本)
資本につきましては、前連結会計年度末に比べ3,519百万円減少し、4,569百万円となりました。その主な要因は、親会社の所有者に帰属する当期損失2,887百万円の計上及び配当による利益剰余金の減少645百万円等によるものであります。
(3) 当期のキャッシュ・フローの概況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ923百万円減少し、6,817百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、251百万円の流入(前期比349百万円の流入減少)となりました。この主な要因は、税引前損失2,166百万円、非継続事業からの税引前損失489百万円(前期は374百万円の税引前利益、522百万円の非継続事業からの税引前損失)、減損損失1,961百万円(前期比1,561百万円の流入増加)、減価償却費及び償却費711百万円(前期比80百万円の流入減少)、法人所得税の還付額31百万円(前期は法人所得税の支払額324百万円)等が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、161百万円の流入(前期は214百万円の流出)となりました。この主な要因は、投資事業有価証券の売却による収入255百万円(前期比97百万円の流入増加)、敷金及び保証金の回収による収入48百万円(前期比47百万円の流入増加)、無形資産の取得による支出△70百万円(前期比32百万円の流出減少)、投資有価証券の取得による支出△33百万円(前期比59百万円の流出減少)等が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,348百万円の流出(前期比902百万円の流出減少)となりました。この主な要因は、借入金の返済等による資金の流出△28百万円(前期比888百万円の流出減少。「短期借入金の純増減額」、「長期借入れによる収入」、「長期借入金の返済による支出」の合計)、リース負債の返済による支出△493百万円(前期比58百万円の流出減少)及び配当金の支払額△647百万円(前期比15百万円の流出増加)等が生じたことによるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
(ⅰ) 生産実績
当企業集団で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(ⅱ) 受注実績
当企業集団で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
(ⅲ) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
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セグメントの名称 |
販売高(千円) |
前期比(%) |
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DX事業 |
5,865,868 |
81.3 |
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人材事業 |
1,028,301 |
106.8 |
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EC事業 |
2,238,629 |
104.7 |
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金融事業 |
1,216,357 |
97.7 |
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インキュベーション事業 |
294,351 |
109.4 |
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その他 |
71,040 |
728.8 |
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合計 |
10,714,549 |
90.5 |
(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.本表には非継続事業の実績は含んでおりません。
(5) 重要性がある会計方針及び当該見積り及び当該見積りに用いた仮定
当企業集団は、IFRSに準拠して連結財務諸表を作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 及び 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載の通りであります。
(6) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当企業集団は、手元資金及び事業により創出されるフリーキャッシュ・フローによることを基本としておりますが、事業活動に必要な資金を安定的に調達するのに加え、成長領域への投資において追加的に資金が必要な場合に備え、金融機関からの借入及び社債の発行等による資金調達を行っております。
資金需要の主なものは、運転資金、成長領域への投資資金、借入金の返済、法人税及び配当金の支払等であり、資金調達については、多様な資金調達手段から調達時の状況に応じて最適な手段を選択し、安定的な資金の確保、資本コストの最適化に努めております。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当企業集団の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の通りであります。
コミットメントライン契約
当企業集団は、効率的な運転資金の調達のため、取引銀行1行と2,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。なお、当該契約に基づく当連結会計年度末の借入実行残高は1,010百万円であります。
該当事項はありません。