当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
当社グループは、国際会計基準(IFRS)を適用しております。
また、国際会計基準(IFRS)に加えて、より実態を把握することができる指標(以下、Non-GAAP指標)を採用し、双方で連結経営成績を開示いたします。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、インバウンド需要の増加や雇用環境の改善が進み、景気は緩やかな回復傾向が続いております。しかしながら、中東情勢や中国経済の先行き懸念に加え、資源価格の高騰や物価上昇等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
この状況下において、新たに創造するオペレーション効率化のためのデジタルトランスフォーメーション(DX)の最先端技術を活用し、自社だけでなく共創パートナー企業や地域社会、国の成長を重要視するとともに、社会課題解決に関わる人々の自己成長に向けた取り組みが注目されております。
このような事業環境のもと、当社グループは、重要基盤であるDX事業を中心としたグループ収益力を大幅に改善するために、2024年6月期より、事業の選択と集中及びコスト削減による事業構造改革を進めてまいりました。
当中間連結会計期間における売上収益は4,803百万円(前年同期比3.9%増)となりました。人材事業において新卒採用支援の売上収益減少による影響等が生じましたが、DX事業で大型案件の一時売上を計上したこと等によるものです。
利益につきましては、営業利益は264百万円(前年同期は162百万円の営業損失)となりました。これは主に、事業構造改革の一環として進めているコスト削減の他、DX事業が好調に推移したことによるものです。
税引前中間利益につきましては、253百万円(前年同期は176百万円の税引前中間損失)となり、法人所得税費用81百万円及び非継続事業からの中間利益173百万円を計上した結果、中間利益は345百万円(前年同期は254百万円の中間損失)、親会社の所有者に帰属する中間利益は353百万円(前年同期は246百万円の親会社の所有者に帰属する中間損失)となりました。
(国際会計基準(IFRS)ベース) (%表示は、対前年中間期増減率)
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売上収益 |
営業利益 |
税引前中間利益 |
中間利益 |
親会社の所有者に帰属する中間利益 |
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百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
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2025年6月期 中間期 |
4,803 |
3.9 |
264 |
- |
253 |
- |
345 |
- |
353 |
- |
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2024年6月期 中間期 |
4,622 |
- |
△162 |
- |
△176 |
- |
△254 |
- |
△246 |
- |
(Non-GAAPベース) (%表示は、対前年中間期増減率)
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売上収益 |
営業利益 |
税引前中間利益 |
中間利益 |
親会社の所有者に帰属する中間利益 |
|||||
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百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
百万円 |
% |
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2025年6月期 中間期 |
4,803 |
3.9 |
301 |
- |
290 |
- |
197 |
- |
200 |
- |
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2024年6月期 中間期 |
4,622 |
- |
△163 |
- |
△177 |
- |
△176 |
- |
△157 |
- |
(注)2024年6月期中間期の売上収益、営業利益及び税引前中間利益は継続事業の金額に組み替えて表示しているため、これらの対前年中間期増減率は記載しておりません。
Non-GAAP指標は、国際会計基準(IFRS)から当社グループが定める非経常的な項目やその他の調整項目を控除したものです。
Non-GAAP指標を開示することで、ステークホルダーにとって同業他社比較や過年度比較が容易になり、当社グループの恒常的な経営成績や将来見通しを理解する上で、有益な情報を提供できると判断しております。
なお、非経常的な項目とは、一定のルールに基づき将来見通し作成の観点から除外すべきと当社グループが判断する一過性の利益や損失のことです。
Non-GAAP指標の開示に際しては、米国証券取引委員会(U.S. Securities and Exchange Commission)が定める基準を参照しておりますが、同基準に完全に準拠しているものではありません。
営業利益以下の各項目において投資事業有価証券に係る損益を控除し、中間利益以下の各項目において非継続事業からの中間利益を控除調整しております。
各セグメントの業績については以下の通りです。
売上収益及びセグメント利益は国際会計基準(IFRS)に基づいて記載しております。
報告セグメントの詳細は、「第4 経理の状況 1 要約中間連結財務諸表 要約中間連結財務諸表注記5.セグメント情報」をご参照ください。
① DX事業
DX事業におきまして、㈱スカラコミュニケーションズでは、SaaS/ASPの「i-ask」、「i-search」等の既存サービスが堅調に推移しているとともに、WEBサービスの大型案件リリース、新規SaaS開発やソリューションサービス型のエンタープライズ案件の獲得、共同開発等が順調に進んでおります。また、エンジニアの人材事業は採用機能として社内リソース調整と外部派遣の両方を担い、高いパフォーマンスを発揮して売上収益に寄与しております。
㈱エッグでは、ふるさと納税事業のBPO業務受託及び業務遂行が計画通り進行しました。ヘルスケア事業は、デジタル田園都市国家構想交付金の採択を受けたフレイル予防アプリの展開を中心に、自治体のフレイル予防事業案件の獲得と事業浸透が進んでおります。この結果、DX事業全体では順調に伸長し、前年同期に対して売上収益・利益は増加しました。
(単位:百万円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
前年同期比 増減額(率) |
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売上収益 |
2,264 |
2,479 |
215(9.5%) |
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セグメント利益 (IFRS、Non-GAAP) |
本社費配賦前 |
214 |
528 |
313(146.1%) |
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本社費配賦後 |
△106 |
432 |
538(-) |
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② 人材事業
人材事業におきまして、採用支援サービス事業では、26年卒学生向けイベントの出展ニーズが新規/既存企業を問わず高い状態を維持、販売単価も上昇しております。また、教育機関との関係強化のため、日本体育大学のスポーツ現場実習の事業サポートを開始しました。一方で、一時的なキャリアアドバイザーのリソース不足により、新規会員獲得数の低下及び今期における人材紹介の成約率が減少しました。この結果、前年同期に対して売上収益、利益ともに減少しました。
(単位:百万円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
前年同期比 増減額(率) |
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売上収益 |
487 |
453 |
△33(△6.8%) |
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セグメント利益 (IFRS、Non-GAAP) |
本社費配賦前 |
148 |
87 |
△60(△41.0%) |
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本社費配賦後 |
129 |
47 |
△81(△63.4%) |
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③ EC事業
EC事業におきまして、トレーディングカードゲーム(TCG)の買取・販売・攻略情報の機能を備えたECサイト「遊々亭」を運営しており、快適なUI/UXの追求を継続しております。また、海外ユーザーの飛躍的な利便性向上を可能とする海外直接配送サービスを開始しました。中核タイトルの売上は順調に推移しているものの、外部環境に恵まれ前期活況を呈した一部タイトルの一時的ブームが落ち着いた状況となりました。一方で、自社開発のAI画像認識ソリューションの実運用を開始し、配送業務の効率化とオペレーションコストの抑制により、生産性が向上しました。この結果、前年同期に対して売上収益は減少、利益は増加しました。
(単位:百万円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
前年同期比 増減額(率) |
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売上収益 |
1,138 |
1,128 |
△9(△0.9%) |
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セグメント利益 (IFRS、Non-GAAP) |
本社費配賦前 |
179 |
183 |
4(2.4%) |
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本社費配賦後 |
147 |
157 |
9(6.5%) |
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④ 金融事業
金融事業におきまして、新商品「いぬとねこの保険 ネクスト/ライト/ミニ」の販促活動の強化、マーケティング施策を継続しております。マーケティング施策による広告費と保有契約の平均年齢の上昇による保険金支払いが増加した一方で、前期比の新規契約件数及び保有契約件数は順調に増加傾向にあります。また、新商品の販売により、解約率も大きく改善しました。この結果、前年同期に対して売上収益・利益は増加しました。
(単位:百万円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
前年同期比 増減額(率) |
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売上収益 |
606 |
624 |
17(2.9%) |
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セグメント利益 (IFRS、Non-GAAP) |
本社費配賦前 |
△108 |
△71 |
36(-) |
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本社費配賦後 |
△126 |
△89 |
36(-) |
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⑤ インキュベーション事業
インキュベーション事業におきまして、㈱ソーシャル・エックスでは「逆プロポ」各種サービスを通じて、官民共創による社会課題解決型の新規事業創出を支援しております。(一財)日本民間公益活動連携機構(JANPIA)から休眠預金を活用したインパクト投資ファンドの資金分配団体として、㈱北國フィナンシャルグループの投資子会社である㈱QRインベストメントとの共同申請を採択いただき、「ソーシャルXインパクトファンド」として展開することとなりました。財務リターンと社会的インパクトを両立する社会課題解決型スタートアップの創出・支援を目指す「官民共創型アクセラレーションプログラム(ソーシャルXアクセラレーション)」では、同プログラムを㈱三菱UFJ銀行、㈱三菱UFJ信託銀行にOEM提供した「推しごとクラウドファンディング」を展開、エントリー企業に向けた審査を実施しております。東京都の「多様な主体によるスタートアップ支援展開事業(TOKYO SUTEAM)」の協定事業者として実施している同プログラムでは、2期目の入賞企業が「逆プロポ」を通した自治体との実証実験を実施しております。また、内閣府沖縄総合事務局事業にて実施した同プログラムでは、「逆プロポ」の募集が始まり、群馬県庁事業にて実施した脱炭素をテーマとした同プログラムでは、最終審査に向けたメンタリングを展開しております。逆プロポ・コンシェルジュでは、品川区や京都市でのプラットフォーム運営支援を実施し、その他の自治体には、官民共創支援を実施しております。東京都によるTOKYO Co-cial IMPACTでは、起業家を支援するメンターとして、ディレクター等を派遣し、また、昨年8月に開発した官民共創人材育成プログラムは、これまでに66社113自治体3省庁に向けて実施、今後も各方面への展開が決まっております。コンシェルジュ事業の一環として実施している豊田市からの一年間の出向職員についても、メディアに取り上げられる等注目を集め、東京都港区には、企業連携推進アドバイザーとしてディレクターを派遣する等、政府はじめ各所からの注目が集まる中、共創エコノミーの構築に向け、新たな挑戦を続けております。
㈱スカラでは、これまで培ってきた事業開発やM&Aの経験とグループにおけるDXのノウハウを掛け合わせて主にグロースフェーズの上場企業に対し、共創型M&Aサービスを実施しており、当中間連結会計期間において成約に係る成功報酬の獲得があったことにより、収益化を果たしております。クライアントの買収企業のバリューアップフェーズにおけるDX支援などを開始し、スカラグループ全体の総合力を生かしたサービス提供を推進中です。この結果、インキュベーション事業全体では前年同期に対して売上収益は減少、利益は増加しました。
(単位:百万円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
前年同期比 増減額(率) |
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売上収益 |
123 |
116 |
△7(△6.0%) |
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セグメント利益 (IFRS) |
本社費配賦前 |
△124 |
△84 |
39(-) |
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本社費配賦後 |
△127 |
△84 |
42(-) |
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セグメント利益 (Non-GAAP) |
本社費配賦前 |
△125 |
△47 |
77(-) |
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本社費配賦後 |
△128 |
△47 |
80(-) |
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財政状態の状況については以下の通りです。
(資産)
資産につきましては、前連結会計年度末に比べ799百万円減少し、11,900百万円となりました。その主な要因は、定期預金の増加607百万円、使用権資産の増加487百万円及び営業債権及びその他の債権の増加102百万円があったものの、現金及び現金同等物の減少1,792百万円及び投資事業有価証券の減少199百万円等によるものであります。
(負債)
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ770百万円減少し、7,359百万円となりました。その主な要因は、長期リース負債の増加500百万円があったものの、社債及び借入金の減少1,306百万円等によるものであります。
(資本)
資本につきましては、前連結会計年度末に比べ28百万円減少し、4,540百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金の増加503百万円があったものの、資本剰余金の減少470百万円及び非支配持分の減少58百万円等によるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,792百万円減少し、
5,024百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは、94百万円の流入(前年同期は191百万円の流入)となりました。この主な要因は、税引前中間利益253百万円、非継続事業からの税引前中間利益261百万円(前年同期は176百万円の税引前中間損失、76百万円の非継続事業からの税引前中間損失)、減価償却費及び償却費155百万円(前年同期比244百万円の流入減少)、子会社株式売却益△284百万円(前年同期比284百万円の流出増加)及び営業債権及びその他の債権の増減額△252百万円(前年同期は30百万円の流入)等が生じたことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動によるキャッシュ・フローは、182百万円の流出(前年同期は7百万円の流出)となりました。この主な要因は、定期預金預入による支出△643百万円(前年同期比643百万円の支出増加)、投資有価証券の売却による収入162百万円(前年同期比120百万円の流入増加)敷金及び保証金の回収による収入186百万円(前年同期比186百万円の流入増加)及び連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入96百万円(前年同期比96百万円の流入増加)等が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,704百万円の流出(前年同期は271百万円の流出)となりました。この主な要因は、リース負債の返済による支出△134百万円(前年同期比148百万円の支出減少)、配当金の支払額△325百万円(前年同期比2百万円の支出増加)及び借入金の返済等による資金の流出△1,165百万円(前年同期は499百万円の流入。「短期借入金の純増減額」、「長期借入れによる収入」、「長期借入金の返済による支出」の合計)等が生じたことによるものであります。
(3) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
該当事項はありません。
(7) 経営成績に重要な影響を与える要因
当中間連結会計期間において、経営成績に重要な影響を与える要因について重要な変更はありません。
(8) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当中間連結会計期間において、資本の財源及び資金の流動性について重要な変更はありません。
該当事項はありません。