第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

平成29年6月期の国内景気は、緩やかな回復を続けてきました。企業収益が改善するなかで設備投資は緩やかに増加を続け、個人消費も雇用環境の改善を背景に底堅さを増しており、こうした基調は今後も継続し、国内景気は、回復から拡大へ転じるものとみられています。

また、有効求人倍率はバブル期のピークを超え労働需給は引き締まり、システム開発会社各社においては、開発技術者の不足が課題になっています。

こうした情勢を背景にして、当社の主要な事業領域であるクレジットカード業界においても大規模なシステム統合や更新のほか、システム投資の件数は増加しており、当社の事業機会も拡大してきました。

当期は、主に大型のシステム開発案件や、キャッシュレス社会の推進を背景とした決済手段の多様化に係るシステム開発案件の引合いや商談が活発に推移した結果、受注実績は増加し、売上高も増加しました。また、企業や各種団体を狙ったサイバー攻撃による被害を受けた事案が連続して発生しており、当社が取扱う対策製品に係る売上高も増加しました。

この結果、当期の売上高は、8,469百万円(前期は7,205百万円)と前期に続いて上場来最高となる業績を計上しました。経常利益は766百万円(前期は750百万円)と対前期増益、当期純利益は547百万円(前期は513百万円)と対前期比6.6%の増益となりましたが、営業利益は702百万円(前期は731百万円)と前期実績を下回りました。

売上高は期初予想8,000百万円を超えたものの、期初予想の営業利益800百万円は未達に終わりました。
 第1四半期と第3四半期に特定の開発案件が不採算化したため、それぞれの案件は、38百万円、12百万円の損失を計上し、期初予想どおりの利益を確保できませんでした。

また、当期より開始した、クレジットカードの加盟店契約(アクワイアリング)業務のためのクラウドサービス事業の損益も、費用の増加で期初の予想を超えて悪化しました。

第4四半期においては、特に、クラウドサービス事業に係る費用の増加に加えて、受注増加に対応するための外注費や、人件費及び採用費と、増床に伴う地代家賃等の経費、また基幹系会計システムの新規導入費用等、定常的または臨時的な経費が増加したこともあり、第4四半期の収益は、前期に比べて減少しました。

 

当事業年度におけるセグメント別の業績は次のとおりです。

 

① 金融システムソリューション事業

金融システムソリューション事業では、主に金融業界の顧客を対象として、ソフトウェアやハードウェアを統合し付加価値をつけたシステムを開発、納入し、保守サービスを行っています。
当期は、クレジットカード会社や証券会社を中心に、システム開発や保守サービスと、ソフトウェアやハードウェアの販売による売上を計上したほか、クレジットカードのアクワイアリング業務のためのクラウドサービス事業を開始し、売上を計上しました。顧客は、このサービスを利用することで初期投資を抑制しつつアクワイアリング業務を行い、クレジットカードの取引、利用に伴う手数料を新たな収益源とすることができます。

当社は、クレジットカードや証券取引の情報をオンラインで即時に処理するシステム開発に強みを持っており、当社製のシステムは、取引の発生都度、様々なネットワークやシステムに接続し情報の受渡しを行うほか、クレジットカードの使用認証や不正検知等、オンライン取引を完遂するための機能を顧客に提供しています。こうした取引の情報は、1秒間に数千件を超える規模でネットワーク間を流通しており、当社製のシステムは、24時間365日停まらずにすべての情報を確実に処理する能力をもっています。

当社は、ネットワーク接続処理やカードの使用認証機能を提供するNET+1(ネットプラスワン)、カード利用の不正を検知するACEPlus(エースプラス)といった当社製のパッケージソフトウェアを保有しており、これらのソフトウェアを利用したシステムを構築し、多くの顧客に提供しています。
 当期は、NET+1のネットワーク接続機能を継承し、顧客層の拡大を狙って開発した新製品OnCore(オンコア)の販売が順調に推移し、特に、スマートフォン決済の認証システムに使われる等の実績をあげました。

当社の技術と知見は、銀行向けにはATM(現金自動預払い機)のネットワーク接続と取引の制御を担うシステムとして、証券会社向けには証券取引に係る各種の情報の配信等を担うシステムとしても利用されており、多くの実績をあげてきました。
当期は、特に、クレジットカードのブランド統合に伴う大型のシステム開発や、既存システムの更新に伴う開発等、クレジットカード取引に係る案件のほか、スマートフォン決済や電子マネーの利用に係るシステム開発等、決済手段の多様化を背景としたシステム開発業務で業績を伸ばしました。

また、当期は、クレジットカードの不正利用を検知するシステムの引合いや、ICカード決済に対応するシステムの開発等、今後売上の増加が期待できる案件の受注が好調でした。キャッシュレス社会の推進に併せて、安全、安心な決済手段の提供が幅広く社会に求められており、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催と相まって、今後とも事業機会は継続的に拡大するものとみられます。
当社は、AI(人工知能)技術を利用したシステム開発において、自然言語処理の技術分野に経験をもっており、当期も生損保会社向けのシステム開発の実績をあげました。今後、この分野においても中長期的に事業を伸ばしていく方針です。

こうした取組みの結果、売上高は7,447百万円(前期は6,386百万円)と前期より1,061百万円増加しました。しかし、前述のとおり、不採算案件の発生や経費の増加等により、営業利益は651百万円(前期は678百万円)と前期より減少しました。

 

② プロダクトソリューション事業

プロダクトソリューション事業では、特定の業界、業種の顧客に限らず、情報セキュリティ対策関連の製品を顧客に納入し、保守、技術サポートサービスを行っています。
 企業や組織の内部からの情報漏えいを防止する当社製品CWAT(シーワット)の販売や保守サービスのほか、マルウェアによる標的型攻撃を防ぐTraps(トラップス)等の他社製品の販売による売上を計上しました。悪意のあるサイバー攻撃による大規模な被害の事案が連続的に発生しており、サイバーセキュリティ対策の強化が重要な経営課題として取り沙汰されるなか、当社は、海外の優れた製品の販売を強化してきました。

当期は、Trapsの売上が増加し、プロダクトソリューション事業の成長を牽引した結果、売上高は1,022百万円(前期は819百万円)と増加しました。営業利益は51百万円(前期は53百万円)と対前期で増収減益となりました。

一方、当期下半期においては、一部の商談が長期化する等により、Trapsの販売は期初の目標488百万円に届かず、330百万円となったため、プロダクトソリューション事業の期初売上予想1,100百万円は未達となりましたが、今後とも継続的に海外の優れた製品、特にイスラエルの企業によるサイバーセキュリティ対策製品を国内に紹介することで、顧客の期待に応えていく方針です。

 

なお、上記のセグメントは、それぞれ下記の8つの製品と商品に区分され、その内訳は以下のとおりです。

 

イ 金融システムソリューション事業

売上高の推移は、以下のとおりです。

製・商品区分

第34期(千円)

ソフトウェア開発

4,835,008

当社製パッケージソフトウェア

441,425

ソフトウェア保守

919,347

その他

製品小計

6,195,781

ハードウェア

974,618

他社製パッケージソフトウェア

277,100

その他

商品小計

1,251,719

合計

7,447,500

 

 

 

ロ プロダクトソリューション事業

売上高の推移は、以下のとおりです。

製・商品区分

第34期(千円)

ソフトウェア開発

62,001

当社製パッケージソフトウェア

122,490

ソフトウェア保守

253,646

製品小計

438,138

ハードウェア

46,288

他社製パッケージソフトウェア

537,642

商品小計

583,930

合計

1,022,069

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物は、2,578百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,172百万円の収入となりました。これは主に、税引前当期純利益766百万円、売上債権の減少額848百万円があったものの、たな卸資産の増加額563百万円があったためです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,151百万円の支出となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出1,169百万円があったためです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、198百万円の支出となりました。これは主に、配当金の支払額158百万円、リース債務の返済による支出34百万円があったためです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社は、平成28年6月期は連結業績を開示しておりましたが、当事業年度より非連結での業績を開示しておりま す。そのため前年同期との比較は行なっておりません。

 

(1) 生産実績

当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成28年7月1日

至 平成29年6月30日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

金融システムソリューション事業

5,069,410

プロダクトソリューション事業

160,430

合   計

5,229,840

 

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 生産実績は、販売価格により表示しております。

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 仕入実績

当事業年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成28年7月1日

至 平成29年6月30日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

金融システムソリューション事業

977,762

プロダクトソリューション事業

459,818

合   計

1,437,581

 

(注)1 当社の仕入はソフトウェア及びサービスであり、数量表示は困難ですので、金額のみで表示しております。

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注実績

当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成28年7月1日

至 平成29年6月30日)

受注高
(千円)

 

受注残高
(千円)

 

前年同期比
(%)

前年同期比
(%)

金融システムソリューション事業

9,564,652

4,571,469

プロダクトソリューション事業

1,021,352

293,721

合   計

10,586,004

4,865,191

 

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(4) 販売実績

当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

当事業年度

(自 平成28年7月1日

至 平成29年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

金融システムソリューション事業

7,447,500

プロダクトソリューション事業

1,022,069

合   計

8,469,569

 

(注)1 当社の製品は多岐にわたっており、数量表示は困難ですので、金額のみで表示しております。

2 主な相手先別の販売実績が当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

 

相手先

当事業年度

(自 平成28年7月1日

至 平成29年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

大日本印刷(株)

1,505,823

17.8

 

3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社は、クレジットカード会社、銀行、証券会社等、金融業界の特定の業務に密接に関与するシステム開発を主要な事業領域としていますが、社会環境の変化や情報通信技術の進化に伴い、顧客の業務運用やシステム投資の需要も変化しており、当社は、事業を成長させるために、こうした変化に対応するだけでなく、事業機会として積極的に活かしていく必要があります。
 当社は、既存の事業領域においては、顧客の期待を超える品質のシステムをソリューションとして提供することで、顧客との信頼関係を更に強固に維持していきます。そのうえで、社会や技術の環境変化を事業機会として、顧客の様々な業務分野へ新規に積極的なシステム提案を行うことで、当社の事業領域を拡大していく方針です。
 クレジットカードだけでなく、プリペイド、デビットからICカードやスマートフォンを利用した決済業務を完遂するために必要なネットワーク接続や、カードの使用認証の機能分野において、当社は豊富な経験と実績を保有していますが、こうした事業上の強みを伸ばし、事業領域を更に拡大するために必要な新製品やサービスを早期に開発し、顧客へ提供することで、当社事業を継続的に成長させる必要があります。

 

当社は、以下に掲げる経営課題に対応し、収益力を高め、より高い企業価値並びに株主価値を創造し、株主の皆様の期待に応えるべく努めてまいります。

 

①事業領域の拡大

当社は、顧客の需要に着実に応えることのできるシステム開発提案を行いつつ、新製品や新サービスの開発を通じてこれまで以上に幅広い顧客の業務領域へ受注機会を拡大することで、当社の事業領域の拡大に努める方針です。
  既存の技術や製品に依存することなく、当社の持つ強みを活かしたシステム機能分野及びその周辺領域へ事業を拡大するために、必要な新製品やサービスの開発を進めていく方針です。

 

②システムの信頼性の向上

当社は、ソフトウェア開発業務の管理を強化し、または適切に開発業務を完遂することができる人材を数多く育成するための教育啓発等の取組みを進めることで、当社の開発したシステムに対する信頼性を向上させて、顧客の期待に応えていく方針です。

 

③企業風土の改革

当社は、当社にとっては最も重要な資源である人材の育成の取組みに併せて、社員間、組織間のコミュニケーションを活性化し、企業風土の改革に絶えず取組むことで、強靭な組織体制を構築し事業の継続的な成長の基盤とする方針です。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社の事業に係るリスクとして、投資者の判断に影響を与える可能性のある事項は以下のとおりです。
なお、これらは、当社が推定したリスクのうち代表的なものを表示したものであり、実際に起こり得るリスクを網羅したものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、当会計年度末現在において当社が判断したものであります。

 

1.業界の動向について

電子マネーの普及、ネットショッピングやモバイル端末によるクレジットカード決済の普及と拡大等の社会的な変化に伴って、クレジットカード会社以外の事業会社がカード決済業務に参入する事例もあり、当社にとっては新規の事業機会となりますが、当社の主要な事業領域であるクレジットカード業界は、メガバンクが主導する業界再編を経て、長期的には更なる業界再編等によって当社の市場は収縮する可能性があります。

当社は事業領域拡大と収益の多様化へ向けた取組みを進めていますが、今後の環境変化の影響と各社の対応によっては、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

同様に、当社の業績は、一定の割合でクレジットカード業界各社からの発注で成立っており、クレジットカード業界の業績の推移や法規制等による動向によっては、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

 

2.システム開発について

当社はシステム開発業務の受注時点において、特に長期間に及ぶプロジェクトにおいては、工程を複数の期間に分割して段階的に契約を締結するほか、見積金額の精度向上及びリスク管理の徹底並びに開発手法の管理等によるプロジェクト管理体制を整備強化することにより不採算プロジェクトの発生をなくすよう日々研鑽を重ねています。

受注時点では利益が見込まれるプロジェクトであっても、諸要件の変更や当初の見積を超える作業工数の発生、または納期の遅延等の理由から不採算プロジェクトが発生する場合があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

開発工程、テスト工程において発見されたプログラムの瑕疵(バグ)等を修正しつつ顧客と約束した納期を守るために、見積を超える工数や人員の投入による経費が増加し、プロジェクトが不採算化する可能性があります。

また、システム開発の課程において、故意にまたは誤って第三者の知的財産権を侵害する等の事案が発生した場合は、第三者から損害賠償請求を受ける可能性がある等、業務の遂行と当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 3.人材確保について

当社の事業を推進するためには、専門的、技術的な能力や知見を有する人材の確保が重要であるため、採用活動や教育を通じて人材の確保に努め、また外部企業への委託も活用しています。しかし、こうした人材の確保が当社の計画どおり進まず、また、外部企業による協力を得られない場合には、当社の事業遂行や業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、日常のシステム開発業務を通じて、固有の技術や知識を豊富に蓄えた技術者が大量に離職、退職する等により、従来どおりの体制で開発業務が行えない事態に至った場合は、当社の事業や業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

4.クラウドサービス事業について

顧客の業務を担うために個別にシステムを開発して納入するのではなく、当社が用意したシステムやインフラ(ハードウェアやネットワークなど)を複数の顧客が利用することで、顧客が業務を運用することができる共同利用型のクラウドサービス事業は、顧客にサービスを提供するためのシステム開発や、インフラの整備等に係る初期投資が必要な事業であり、相対的に大規模な金額の投資が短期間に行われ、当社の業績や資金繰りが一時的に影響を受ける可能性があります。
 また、当社がシステムやインフラを運用するための費用は、顧客が当社に支払う月額のサービス利用料によって賄われ、事業の売上として計上されますが、顧客の数が少ない間は初期投資によって生じる減価償却費の負担等により、事業の単年度の損益は悪化する可能性があります。同様に、初期投資の回収は、サービスの開始後数年間かかることが予見できるため、顧客と複数年間のサービス提供契約を締結する等により、投資回収をより確実なものにするための施策を講じて運用を開始しますが、顧客の事情や不慮の事情等によりサービス提供が中断し、収益が途絶える可能性もあります。

 

5.価格競争について

顧客のシステム投資に対する選択的かつ慎重な姿勢は常態化しており、システムやサービスの販売価格を上昇させる、または維持することが難しくなっていると同時に、受注獲得のための事業者間の価格競争も激化しているため、当社の業績が今後影響を受ける可能性があります。

 

6.技術革新について

当社は、主にクレジットカード業界を中心に、オンラインの取引を完遂するために必要なネットワークへの接続や、データの受渡し等、固有の技術や機能分野に知見を蓄積し、事業上の強みとしています。
 将来、いわゆる破壊的な技術革新によって、決済業務を支える社会インフラとしてのネットワークで利用される既存の技術体系が完全に置換えられる等の事態が惹起した場合は、当社の事業体系や業績に大きな影響が及ぶ可能性があります。

 

7.製品開発について

当社は、顧客にとって最適なサービスやソリューションを提供するために、新製品や既存の製品の改良や機能強化等の研究開発を行っています。
 研究開発の開始に際しては必要経費や販売計画等を総合的に事業計画として検討したうえ決定していますが、こうした無形資産(販売用ソフトウェア)としての先行投資の回収可能性が必ずしも保証されているとはいえないため、将来において損失を計上する等当社の業績が影響を受ける可能性があります。

 

8.事業継続について

当社は、業務遂行において顧客から預かった情報やデータ、作業中または完成したプログラムデータ、テストツール等の情報資産についてバックアップ体制を保持運用することで、業務の継続性を確保しています。
 しかし、大規模な災害や障害、事件、事故等によりこうした情報資産が毀損することによって業務が中断または停止せざるを得ない事態に至った場合には、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

 

9.情報セキュリティについて

業務遂行の一環として当社が取り扱う個人情報や機密情報については、プライバシーマークの付与認定を得ているほか個別業務の遂行において適正な管理と運営を行っていますが、こうした情報について紛失や漏えい等が発生した場合、顧客からの損害賠償請求や信頼失墜により、当社の業績が影響を受ける可能性があります。
 また、外部からのサイバー攻撃等により情報漏えいが発生した場合等、同様に顧客からの損害賠償や信頼失墜により、当社の事業と業績が影響を受ける可能性があります。

 

10.法令、規制について

当社の事業遂行上の全ての局面において、国内外の法令や規制に違反する等の事案が発生した場合は、 当社の事業と業績が影響を受ける可能性があります。

 

 11.投資有価証券等の評価損の計上

当社は、事業戦略上必要と判断された会社には投資を行いつつ、金融商品会計基準、また社内管理規程等に基づき決算期毎に投資に対する適切な評価を行っております。
 今後投資先の業績が悪化し、その純資産が著しく毀損、減少した場合に評価損が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 12.親会社の影響力について

当社は、継続的な業績の向上を目的として、親会社である大日本印刷株式会社と業務上の協力関係を維持しつつ、独立した経営と業務を遂行しています。
 大日本印刷株式会社とは、定常的に一定規模の取引が発生しており、当社からみて大日本印刷株式会社は重要な顧客のひとつといえます。大日本印刷株式会社は、クレジットカードやプリペイドカードの印刷業務だけでなく、これらのカードの決済や運営業務を担うクラウドサービス事業を行っており、ネットワーク接続機能等、当社が得意な分野のシステムの一部の開発や運用を当社に委託しています。キャッシュレス社会の進展に伴って、この事業は規模を拡大していくことが予想され、当社と親会社との事業上の関係はより深くなる方向にあるといえます。金融業界向けの業務に限らず、サイバーセキュリテイ対策の製品販売の分野においても当社と親会社とは協力関係にあり、この分野においても関係は深くなるものと思われます。
 大日本印刷株式会社は、こうした関係と影響力とを背景に、自らの利益にとって最善ながら他の株主にとってはそうはならない行動をとる可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社では、市場及び技術環境の変化を捉え、お客様にご満足していただける付加価値の高い有用な製品を提供するために、常に新技術の研究及び開発に注力しております。

当事業年度における研究開発活動の総額は、4,848千円となりました。

金融システムソリューション事業において、新たに人工知能(AI)を活用することでカード不正判定業務の作業効率化・品質向上を実現するための研究開発活動を行いました。その成果として、自然言語を適切に処理するAI技術を活用してOpAI(オーピーエーアイ)を開発し、大手損害保険会社の開発プロジェクトに採用されました。OpAIは、あいまいな自然言語を処理して言葉や質問の趣旨を理解し、検索システム等が回答しやすい内容に変換して受け渡すことで、検索や情報処理の制度を高めることができます。また、前期に引続きACEPlusの不正検知精度向上を目的としたより効果的な新機能の研究開発を行いました。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。その作成にあたり、会計方針の選択適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績や当社所定の計算方法等を勘案して合理的に判断しております。

 

1.経営成績の分析

当事業年度の売上高は、前事業年度に比べて1,264百万円増加し、8,469百万円(前事業年度比17.5%増)となりました。

売上原価は、クレジットカード加盟店契約(アクワイアリング)業務のためのクラウドサービス構築に係る減価償却費の計上及びソフト開発売上の大幅増加に伴う外注費の増加、一部不採算案件による開発コストの増加等により、前事業年度に比べて1,118百万円増加し6,337百万円(前事業年度比21.4%増)となりました。

販売費及び一般管理費は、人員の増加等により前事業年度に比べて174百万円増加して1,429百万円(前事業年度比13.9%増)となり、この結果、営業利益は702百万円(前事業年度比4.0%減)となりました。

営業外収益は、受取配当金及び保険解約返戻金の計上並びに長期滞留貸付金の回収に伴う貸倒引当金戻入額の計上により前事業年度に比べて45百万円増加して68百万円(前事業年度比192.0%増)となり、営業外費用は、支払利息の増加等により、前事業年度より419千円増加して5百万円(前事業年度比8.8%増)となりました。この結果、経常利益は766百万円(前事業年度比2.1%増)となりました。

1株当たりの当期純利益は前期に比べて1.3円増加して20.78円となりました。

 

2.財政状態及び流動性の分析

(1) 財政状態

(資産)

当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ1,563百万円増加し、8,508百万円となりました。うち流動資産は、前事業年度末に比べ303百万円増加し、4,984百万円となりました。これは主に、現金及び預金274百万円の減少、売掛金309百万円の減少がありましたが、仕掛品408百万円の増加及び前渡金177百万円の増加があったためです。固定資産は、前事業年度末に比べ1,260百万円増加し、3,523百万円となりました。これは主に、ソフトウェア743百万円及びソフトウェア仮勘定113百万円の増加があったこと、並びに投資有価証券362百万円の増加があったためです。

 

(負債)

当事業年度末における負債の残高は、前事業度末に比べ929百万円増加し、2,860百万円となりました。これは主に、買掛金190百万円の増加及び前受金538百万円の増加があったためです。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産の残高は、前事業年度末に比べ633百万円増加し、5,647百万円となりました。これは主に、繰越利益剰余金389百万円の増加及びその他有価証券評価差額金251百万円の増加があったためです。

 

(2) 流動性の分析

当社の資金状況については、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載しています。