第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社は、クレジットカード会社、銀行、証券会社等、金融業界の特定の業務に密接に関与するシステム開発を主要な事業領域としていますが、社会環境の変化や情報通信技術の進化に伴い、顧客の業務運用やシステム投資の需要も変化しており、こうした変化に対応するだけでなく成長機会として積極的に活かしていく方針です。

当社は、既存の事業領域においては、顧客の期待を超える品質のシステムをソリューションとして提供することで、顧客との信頼関係を更に強固に維持していきます。そのうえで、社会や技術の環境変化を事業機会として、顧客の様々な業務分野へ積極的なシステム提案を行うことで、当社の事業領域を拡大していく方針です。
 クレジットカードだけでなく、プリペイド、デビットからICカードやスマートフォンを利用した決済業務を完遂するために必要なネットワーク接続や、カードの使用認証の機能分野において、当社は豊富な経験と実績を保有していますが、こうした事業上の強みを伸ばし、事業領域を更に拡大するために必要な新製品やサービスを早期に開発し、顧客へ提供することで、当社事業を継続的に成長させる方針です。

 

当社は、以下に掲げる経営課題に対応し、収益力を高め、より高い企業価値並びに株主価値を創造し、株主の皆様の期待に応えるべく努めてまいります。

 

①事業領域の拡大

当社は、顧客の需要に着実に応えることのできるシステム開発提案を行いつつ、新製品や新サービスの開発を通じてこれまで以上に幅広い顧客の業務領域へ受注機会を拡大することで、当社の事業領域の拡大に努める方針です。
 既存の技術や製品に依存することなく、当社の持つ強みを活かしたシステム機能分野及びその周辺領域へ事業を拡大するために、必要な新製品やサービスの開発を進めていく方針です。

 

②システムの信頼性の向上

当社は、ソフトウェア開発業務の管理を強化し、または適切に開発業務を完遂することができる人材を数多く育成するための教育啓発等の取組みを進めることで、当社の開発したシステムに対する信頼性を向上させて、顧客の期待に応えていく方針です。

 

③企業風土の改革

当社は、当社にとっては最も重要な資源である人材の育成の取組みに併せて、社員間、組織間のコミュニケーションを活性化し、企業風土の改革に絶えず取組むことで、強靭な組織体制を構築し事業の継続的な成長の基盤とする方針です。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社の事業に係るリスクとして、投資者の判断に影響を与える可能性のある事項は以下のとおりです。
なお、これらは、当社が推定したリスクのうち代表的なものを表示したものであり、実際に起こり得るリスクを網羅したものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。

 

1.業界の動向について

電子マネーの普及、ネットショッピングやモバイル端末によるクレジットカード決済の普及と拡大等の社会的な変化に伴って、クレジットカード会社以外の事業会社がカード決済業務に参入する事例もあり、当社にとっては新規の事業機会となりますが、当社の主要な事業領域であるクレジットカード業界は、メガバンクが主導する業界再編を経て、長期的には更なる業界再編等によって当社の市場は収縮する可能性があります。

当社は事業領域拡大と収益の多様化へ向けた取組みを進めていますが、今後の環境変化の影響と各社の対応によっては、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

同様に、当社の業績は、一定の割合でクレジットカード業界各社からの発注で成立っており、クレジットカード業界の業績の推移や法規制等による動向によっては、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

 

2.システム開発について

当社はシステム開発業務の受注時点において、特に長期間に及ぶプロジェクトにおいては、工程を複数の期間に分割して段階的に契約を締結するほか、見積金額の精度向上及びリスク管理の徹底並びに開発手法の管理等によるプロジェクト管理体制を整備強化することにより不採算プロジェクトの発生をなくすよう日々研鑽を重ねています。

受注時点では利益が見込まれるプロジェクトであっても、諸要件の変更や当初の見積を超える作業工数の発生、または納期の遅延等の理由から不採算プロジェクトが発生する場合があり、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

開発工程、テスト工程において発見されたプログラムの瑕疵(バグ)等を修正しつつ顧客と約束した納期を守るために、見積を超える工数や人員の投入による経費が増加し、プロジェクトが不採算化する可能性があります。

また、システム開発の課程において、故意にまたは誤って第三者の知的財産権を侵害する等の事案が発生した場合は、第三者から損害賠償請求を受ける可能性がある等、業務の遂行と当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 3.人材確保について

当社の事業を推進するためには、専門的、技術的な能力や知見を有する人材の確保が重要であるため、採用活動や教育を通じて人材の確保に努め、また外部企業への委託も活用しています。しかし、こうした人材の確保が当社の計画どおり進まず、また、外部企業による協力を得られない場合には、当社の事業遂行や業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、日常のシステム開発業務を通じて、固有の技術や知識を豊富に蓄えた技術者が大量に離職、退職する等により、従来どおりの体制で開発業務が行えない事態に至った場合は、当社の事業や業績に影響が及ぶ可能性があります。

 

4.労働環境について

当社の主な事業であるシステム開発業務は、業務の遂行と成果の品質について、社員の能力や専門性及び知見に少なからず依存する特性があり、前述のとおり、人材の確保は事業の継続性にとって、重要な課題のひとつです。

こうした認識に基づいて、当社は、社員の多様性に配慮しつつ、過重な労働を防止する取組みや職場の環境改善を不断に進めていますが、なんらかの事情で労働環境が悪化した場合、労働生産性の低下や人材の流出を通じて、業績が悪化する可能性があります。

 

5.クラウドサービス事業について

顧客の業務を担うために個別にシステムを開発して納入するのではなく、当社が用意したシステムやインフラ(ハードウェアやネットワークなど)を複数の顧客が利用することで、顧客が業務を運用することができる共同利用型のクラウドサービス事業は、顧客にサービスを提供するためのシステム開発や、インフラの整備等に係る初期投資が必要な事業であり、相対的に大規模な金額の投資が短期間に行われ、当社の業績や資金繰りが一時的に影響を受ける可能性があります。
 また、当社がシステムやインフラを運用するための費用は、顧客が当社に支払う月額のサービス利用料によって賄われ、事業の売上として計上されますが、顧客の数が少ない間は初期投資によって生じる減価償却費の負担等により、事業の単年度の損益は悪化する可能性があります。同様に、初期投資の回収は、サービスの開始後数年間かかることが予見できるため、顧客と複数年間のサービス提供契約を締結する等により、投資回収をより確実なものにするための施策を講じて運用を開始しますが、顧客の事情や不慮の事情等によりサービス提供が中断し、収益が途絶える可能性もあります。

 

6.価格競争について

 顧客のシステム投資に対する選択的かつ慎重な姿勢は常態化しており、システムやサービスの販売価格を上昇させる、または維持することが難しくなっていると同時に、受注獲得のための事業者間の価格競争も激化しているため、当社の業績が今後影響を受ける可能性があります。

 

7.技術革新について

当社は、主にクレジットカード業界を中心に、オンラインの取引を完遂するために必要なネットワークへの接続や、データの受渡し等、固有の技術や機能分野に知見を蓄積し、事業上の強みとしています。
 将来、いわゆる破壊的な技術革新によって、決済業務を支える社会インフラとしてのネットワークで利用される既存の技術体系が完全に置換えられる等の事態が惹起した場合は、当社の事業体系や業績に大きな影響が及ぶ可能性があります。

 

8.製品開発について

当社は、顧客にとって最適なサービスやソリューションを提供するために、新製品や既存の製品の改良や機能強化等の研究開発を行っています。
 研究開発の開始に際しては必要経費や販売計画等を総合的に事業計画として検討したうえ決定していますが、こうした無形資産(販売用ソフトウェア)としての先行投資の回収可能性が必ずしも保証されているとはいえないため、将来において損失を計上する等当社の業績が影響を受ける可能性があります。

 

9.事業継続について

当社は、業務遂行において顧客から預かった情報やデータ、作業中または完成したプログラムデータ、テストツール等の情報資産についてバックアップ体制を保持運用することで、業務の継続性を確保しています。
 しかし、大規模な災害や障害、事件、事故等によりこうした情報資産が毀損することによって業務が中断または停止せざるを得ない事態に至った場合には、当社の業績が影響を受ける可能性があります。

 

10.情報セキュリティについて

業務遂行の一環として当社が取り扱う個人情報や機密情報については、プライバシーマークの付与認定を得ているほか個別業務の遂行において適正な管理と運営を行っていますが、こうした情報について紛失や漏えい等が発生した場合、顧客からの損害賠償請求や信頼失墜により、当社の業績が影響を受ける可能性があります。
 また、外部からのサイバー攻撃等により情報漏えいが発生した場合等、同様に顧客からの損害賠償や信頼失墜により、当社の事業と業績が影響を受ける可能性があります。

 

11.法令、規制について

当社の事業遂行上の全ての局面において、国内外の法令や規制に違反する等の事案が発生した場合は、当社の事業と業績が影響を受ける可能性があります。

 

 12.投資有価証券等の評価損の計上

当社は、事業戦略上必要と判断された会社には投資を行いつつ、金融商品会計基準、また社内管理規程等に基づき決算期毎に投資に対する適切な評価を行っています。
 今後、一定の規模を超える投資を実行した会社の業績が悪化し、その純資産が著しく毀損、減少した場合には、評価損が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 13.親会社の影響力について

当社は、継続的な業績の向上を目的として、親会社である大日本印刷株式会社と業務上の協力関係を維持しつつ、独立した経営と業務を遂行しています。
 大日本印刷株式会社とは、定常的に一定規模の取引が発生しており、当社からみて大日本印刷株式会社は重要な顧客のひとつといえます。大日本印刷株式会社は、クレジットカードやプリペイドカードの印刷業務だけでなく、これらのカードの決済や運営業務を担うクラウドサービス事業を行っており、ネットワーク接続機能等、当社が得意な分野のシステムの一部の開発や運用を当社に委託しています。キャッシュレス社会の進展に伴って、この事業は規模を拡大していくことが予想され、当社と親会社との事業上の関係はより深くなる方向にあるといえます。金融業界向けの業務に限らず、サイバーセキュリテイ対策の製品販売の分野においても当社と親会社とは協力関係にあり、この分野においても関係は深くなるものと思われます。
 大日本印刷株式会社は、こうした関係と影響力とを背景に、自らの利益にとって最善ながら他の株主にとってはそうはならない行動をとる可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 ① 経営成績の状況

2019年6月期の国内景気は、海外経済に減速の動きがみられたものの緩やかな拡大を続けてきました。企業収益や業況感は良好な水準を維持し、設備投資は増加傾向を続けてきました。

こうした情勢を背景にして、当社の主要な事業領域であるクレジットカード業界においてもシステムの更新や新規投資の案件は増加傾向にあり、当社の事業機会も拡大してきました。

当期の売上高は、10,443百万円(前事業年度比1.5%減)とわずかに減少しました。前期は、特定の顧客向けのFEP(Front-End Processor)システムの大型開発案件で約1,935百万円の売上を計上しましたが、今期の同案件の売上高は674百万円にとどまり、大きく減少しました。大型開発案件の減少は、その他の顧客向けの売上と、クラウドサービス事業の売上増加によって補われたため、金融システムソリューション事業の売上高は、前期実績9,332百万円とほぼ同額の9,336百万円でした。一方で、プロダクトソリューション事業の売上高は、主に他社製品の販売が伸び悩んだため、前期実績1,271百万円を下回る1,106百万円でした。

金融システムソリューション事業の当初の売上高予想は9,300百万円で、当期の実績はほぼ同額の9,336百万円でした。プロダクトソリューション事業の当初の売上高予想は1,400百万円でしたが、未達に終わりました。この結果、当初の売上高予想10,700百万円をわずかに下回り、10,443百万円となりました。

前期は大型開発案件が不採算化したため営業利益は547百万円にとどまりましたが、当期の営業利益は921百万円(前事業年度比68.3%増)と前期実績より大幅に伸びました。

今期は不採算の開発案件はなく、一方でFEPシステムの開発案件が順調に推移し、当社製パッケージソフトウェアであるNET+1(ネットプラスワン)の販売が伸びたため、営業利益は当初計画880百万円を上回る921百万円となりました。

また、当社の株式は、2019年3月27日付けで、東京証券取引所市場第一部に指定されました。

当事業年度におけるセグメント別の業績は次のとおりです。

 

(金融システムソリューション事業)

金融システムソリューション事業においては、主にクレジットカードの決済処理を完遂するために必要なネットワーク接続やカードの使用認証等の機能をもつFEPシステムの開発業務を行っています。

例えば、FEPシステムの新規開発に際しては、システムの中核を構成するNET+1等の販売による売上(当社製パッケージソフトウェア)と、技術者がそのパッケージをカスタマイズして顧客の機能要件に合わせる開発業務による売上(ソフトウェア開発業務)、開発したソフトウェアを搭載するサーバーの販売による売上(ハードウェア)、ソフトウェアとハードウェアで構成されたシステムの保守業務による売上(保守)のそれぞれが計上されます。

当期の業績は、売上高9,336百万円(前期は9,332百万円)、営業利益890百万円(前期は598百万円)でした。

当期は、特定の顧客向けの大型開発案件の売上高は大きく減少しましたが、その他の顧客向けのFEPシステムの開発案件に係るパッケージソフトウェア販売とハードウェア販売、クラウドサービス事業の売上増加によって補うことができました。

当期は、既存顧客向けに、複数のFEPシステムの更新や追加のための開発案件による売上を計上しました。特に、当第3四半期において、これらの案件に利用される当社製パッケージソフトウェアNET+1の売上を計上し、営業利益を伸ばすことができました。また、不採算の開発案件はありませんでした。

地方銀行やクレジットカード会社向けにアクワイアリング業務(加盟店契約業務)システムやクレジットカードの不正検知業務システムを提供しているクラウドサービス事業は、当初の計画どおり売上を伸ばすことができたため、当期の損益は改善しました。

 

(プロダクトソリューション事業)

プロダクトソリューション事業においては、企業組織の内部情報漏えいを防ぐ当社製品と、サイバーセキュリティ対策のための他社製品の販売業務を行っています。

当期の業績は、売上高1,106百万円(前期は1,271百万円)、営業利益31百万円(前期は51百万円の営業損失)でした。

 

前期は、ハードウェアの販売が、特定の案件によって一時的に売上を伸ばしましたが、当期は減少しました。また、他社製品の販売活動は新規の顧客獲得が難しかったため、当初予想どおりに売上を伸ばすことができませんでした。

一方、当社製品の販売は当初予想どおり順調に推移したため、前期より売上高を伸ばすことができました。

相対的に利益率が低いハードウェアの販売実績は減少しましたが、利益率の高い当社製品の売上が伸びた結果、当初予想していた営業利益をほぼ確保することができました。

 

なお、上記のセグメントは、それぞれ下記の製品と商品に区分され、その内訳は以下のとおりです。

 

イ 金融システムソリューション事業

売上高の推移は、以下のとおりです。

製・商品区分

第35期(千円)

第36期(千円)

前年同期比(%)

ソフトウェア開発

6,439,066

5,668,343

88.0

当社製パッケージソフトウェア

224,272

490,076

218.5

ソフトウェア保守

1,041,427

1,124,728

108.0

サービス(自社製品)

404,695

659,297

162.9

製品小計

8,109,460

7,942,445

97.9

ハードウェア

923,103

1,140,095

123.5

他社製パッケージソフトウェア

250,109

224,894

89.9

サービス(他社製品)

49,616

29,405

59.3

商品小計

1,222,830

1,394,395

114.0

合計

9,332,290

9,336,840

100.0

 

 

ロ プロダクトソリューション事業

売上高の推移は、以下のとおりです。

製・商品区分

第35期(千円)

第36期(千円)

前年同期比(%)

ソフトウェア開発

89,917

72,943

81.1

当社製パッケージソフトウェア

58,455

133,023

227.6

ソフトウェア保守

212,077

282,844

133.4

製品小計

360,449

488,810

135.6

ハードウェア

365,409

82,721

22.6

他社製パッケージソフトウェア

545,814

534,926

98.0

商品小計

911,224

617,648

67.8

合計

1,271,673

1,106,459

87.0

 

 

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりです。

 ① 生産実績

 当事業年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

前事業年度

(自 2017年7月1日

至 2018年6月30日)

当事業年度

(自 2018年7月1日

至 2019年6月30日)

生産高(千円)

前年同期比(%)

生産高(千円)

前年同期比(%)

金融システムソリューション事業

6,663,338

131.4

6,158,419

92.4

プロダクトソリューション事業

106,971

66.7

159,812

149.4

合   計

6,770,309

129.5

6,318,232

93.3

 

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しています。

2 生産実績は、販売価格により表示しています。

3 上記金額には、消費税等は含まれていません。

 

  ② 仕入実績

 当事業年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

前事業年度

(自 2017年7月1日

至 2018年6月30日)

当事業年度

(自 2018年7月1日

至 2019年6月30日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

金融システムソリューション事業

669,496

68.5

971,588

145.1

プロダクトソリューション事業

746,171

162.3

461,606

61.9

合   計

1,415,667

98.5

1,433,194

101.2

 

(注)1 当社の仕入はソフトウェア及びサービスであり、数量表示は困難ですので、金額のみで表示しています。

2 上記金額には、消費税等は含まれていません。

 

 ③ 受注実績

 当事業年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

前事業年度

(自 2017年7月1日

至 2018年6月30日)

当事業年度

(自 2018年7月1日

至 2019年6月30日)

受注高
(千円)

 

受注残高
(千円)

 

受注高
(千円)

 

受注残高
(千円)

 

前年同期比
(%)

前年同期比
(%)

前年同期比
(%)

前年同期比
(%)

金融システムソリューション事業

8,586,366

89.8

3,825,545

83.7

10,026,811

116.8

4,515,516

118.0

プロダクトソリューション事業

1,587,250

155.4

609,298

207.4

1,316,899

83.0

819,739

134.5

合   計

10,173,617

96.1

4,434,844

91.2

11,343,711

111.5

5,335,255

120.3

 

(注) 上記金額には、消費税等は含まれていません。

 

 ④ 販売実績

 当事業年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

前事業年度

(自 2017年7月1日

至 2018年6月30日)

当事業年度

(自 2018年7月1日

至 2019年6月30日)

金額(千円)

前年同期比(%)

金額(千円)

前年同期比(%)

金融システムソリューション事業

9,332,290

125.3

9,336,840

100.0

プロダクトソリューション事業

1,271,673

124.4

1,106,459

87.0

合   計

10,603,964

125.2

10,443,300

98.5

 

(注)1 当社の製品は多岐にわたっており、数量表示は困難ですので、金額のみで表示しています。

2 主な相手先別の販売実績が当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。

 

相手先

前事業年度

(自 2017年7月1日

至 2018年6月30日)

当事業年度

(自 2018年7月1日

至 2019年6月30日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

大日本印刷(株)

1,488,634

14.0

1,436,708

13.8

三菱UFJニコス(株)

1,935,454

18.3

674,336

6.5

 

3 上記金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2) 財政状態の状況

当事業年度末における資産の残高は、前事業年度末に比べ1,195百万円増加し、10,032百万円となりました。うち流動資産は、前事業年度末に比べ1,020百万円増加し、6,054百万円となりました。これは主に、現金及び預金415百万円の増加、売掛金362百万円の増加があったためです。固定資産は、前事業年度末に比べ174百万円増加し、3,977百万円となりました。これは主に、ソフトウェア仮勘定264百万円の減少がありましたが、投資有価証券280百万円の増加及び繰延税金資産103百万円の増加があったためです。

負債の残高は、前事業年度末に比べ537百万円増加し、3,659百万円となりました。これは主に、買掛金211百万円の減少がありましたが、未払法人税等276百万円の増加及び前受金374百万円の増加があったためです。

純資産の残高は、前事業年度末に比べ657百万円増加し、6,372百万円となりました。これは主に、利益剰余金499百万円の増加及びその他有価証券評価差額金157百万円の増加があったためです。

 

セグメントごとの資産は次のとおりです。

 

 (金融システムソリューション事業)

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末より935百万円増加し、8,226百万円となりました。その主な増加要因は、現金及び預金445百万円の増加、売掛金392百万円の増加並びに仕掛品が110百万円増加したことによります。

 

 (プロダクトソリューション事業)

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末より23百万円減少し755百万円となりました。主な増加要因として前渡金が52百万円増加しましたが、主な減少要因として、現金及び預金が29百万円減少並びに売掛金が29百万円減少したことによります。

 

 (その他)

当事業年度末の資産合計は、前事業年度末より283百万円増加し、1,050百万円となりました。その主な増加要因として、投資有価証券の時価上昇等により330百万円増加したことによるものです。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物は、3,254百万円となり、前事業年度末に比べて、415百万円増加しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。

 

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,237百万円の収入(前事業年度比2.0%増)となりました。これは主に、全体の事業収支が堅調に推移した結果、税引前当期純利益が953百万円となり、減価償却費707百万円があったためです。

 

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、601百万円の支出(前事業年度は603百万円の支出)となりました。これは、販売目的及び自社利用のソフトウェアの構築を主とする無形固定資産の取得による支出411百万円があったためです。

 

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、219百万円の支出(前事業年度は348百万円の支出)となりました。これは主に、配当金の支払額183百万円、リース債務の返済による支出35百万円があったためです。

 

 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

当社の主要な資金需要は、ソフトウェア開発に係る人件費や商品の仕入れ、販売管理費などの営業費用、新製品開発を行う研究開発、設備の新設や改修等に係る投資などですが、これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローより得られた資金を財源とすることを基本方針としています。なお、市場及び手元資金等の状況を勘案し、必要と判断した場合には金融機関からの長期借入による対応も検討してまいります。また、取引金融機関3行及び生命保険会社1社とコミットメントライン契約を締結しており、機動的かつ安定的な資金調達体制を構築し、資金の流動性を確保しています。

 

(4) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当期は、期初に予想した営業利益880百万円を上回る921百万円の実績をあげることができました。2018年8月1日に開示した中期事業計画(旧計画)の2020年6月期の計画値である営業利益930百万円にほぼ近い水準の実績でした。

当期は、大型開発案件の中断という、期初想定していなかった事案も発生しましたが、当社の事業環境に大きな変化はありません。これまでの基調は大きく変わらない前提で中期事業計画を見直し、2019年8月7日に「中期事業計画の策定に関するお知らせ」として開示しました。

中期事業計画は、2022年6月期に売上高12,000百万円、営業利益1,200百万円、営業利益率10.0%を目指します。

大型開発案件の開発が中断した後、同等の規模の案件は未だ具体化していません。新計画は、次の大型開発案件の候補を織込まず売上高を計画しました。足元の事業環境からは、大型開発案件がなかったとしても、中期的に増収の基調を維持できるものとみられます。

クラウドサービス事業は、これまで同様、当社の成長を牽引する重要な施策であり、中期的に売上高1,400百万円を目指します。この事業は、金融業界の顧客向けに、クレジットカードを利用した決済業務に係る複数のサービスを展開しています。

当期は、地方銀行の新規顧客から、アクワイアリング業務(加盟店契約業務)のシステムの利用を受注しました。年内にサービスを開始する予定で準備を進めています。サービスの本格稼働が、他の金融機関向けの営業活動に効果があるものとみています。

当社は、現在、主にクレジットカード決済のネットワーク接続や、認証等の機能を担う当社製品NET+1の次世代版となる新製品を開発中です。

この次世代NET+1やクレジットカードの不正検知製品の準備は順調に進んでいます。また、放送業界向けの新製品は、今期からマーケティング活動を本格化する予定で、売上の規模の見込みも、今後明らかになる予定です。

これらの新商材は、顧客の期待に応えて中期的に売上を増やすことが見込まれます。現在のところ、その規模は未確定であるため、明確な数値を計画に織込まず、各年度の売上高の予想と計画を策定しました。

新計画においては、2022年6月期営業利益率10%達成を目標として収益力の強化に取組む方針です。

当社は、品質向上の取組みを続け、強化しています。成果の一端として、当期は、不採算の開発プロジェクトの発生はありませんでした。クラウドサービス事業の損益も、売上高の増加に伴って徐々に改善していく予想です。

当期は、対前期68.3%増益の営業利益921百万円の実績でした。2020年6月期は、旧計画を1年前倒して営業利益1,000百万円を予想します。

 

(参考)中期事業計画

 

 

2019年6月期実績

(百万円)

2020年6月期

(百万円)

2021年6月期

(百万円)

 2022年6月期
(百万円)

売上高

10,443

10,600

11,200

12,000

営業利益

921

1,000

1,080

1,200

営業利益率(%)

8.8%

9.4%

9.6%

10.0%

 

 

 (金融システムソリューション事業)

金融システムソリューション事業においては、主要な顧客であるクレジットカード会社や銀行、証券会社に対して、主にオンライン決済と取引を完遂するためのネットワーク接続機能、決済の前提となるカード認証機能、カード利用の不正検知機能等、当社の知見と強みを活かしたシステム開発を基礎として事業を展開しています。

システム開発業務の管理の強化と品質向上の取組みを継続的に推進し、収益力の強化に取組みます。また、着実な開発業務の執行を担う人材の育成を進めることで継続的に適正な利益を確保し、伸ばすことができる体制づくりに努めていきます。

当社は、システム開発事業に加えて、当社製のシステムをクラウドで顧客に提供するクラウドサービス事業に注力しています。クレジットカードのアクワイアリング業務に加えて、不正検知業務等、関連する業務のクラウドサービス化も進め、新規顧客の獲得を続けています。

クラウドサービス事業は、当社の事業規模拡大と、新たな収益源として中長期的な成長が期待されます。

キャッシュレス社会の推進と安全、安心な決済手段の提供という社会の要求を背景にしたシステム開発の需要は、今後も活発化するものとみられ、当社は、これを事業機会として事業規模の拡大に活かしていきます。

 

 (プロダクトソリューション事業)

情報セキュリティ対策の製品の販売と保守、技術サービスを行うプロダクトソリューション事業においては、サイバー攻撃による被害の増加を背景に、今後とも対策投資の需要が増大するものと見込まれており、当社は拡大する事業機会を活かして積極的に対応しています。

特に、優れた機能と実績を持つ海外企業の製品を国内に紹介し、販売する取組みを強化していく方針です。企業のサイバーセキュリティ対策の需要は多様化しつつあり、こうした需要に具体的に応えることができる製品を選択して販売拡大に取組んでいきます。

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社では、市場及び技術環境の変化を捉え、お客様にご満足していただける付加価値の高い有用な製品を提供するために、常に新技術の研究及び開発に注力しております。

当事業年度における研究開発活動の総額は、32,248千円となりました

金融システムソリューション事業において、新製品開発に必要な技術の研究や検証を行ったほか、次世代不正検知システム製品の研究活動を行いました。