文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループが属する国内人材ビジネス市場環境は、少子高齢化による生産年齢人口の減少や産業構造の変化等による労働力不足が急速に進んでおります。
当社は今後、更なる雇用の流動性の高まりや人材獲得競争の激化に加え、求職者及び採用企業によるサービス利用の多様化や選別が一層進むものと考えております。
労働力不足は労働供給の制約から生産およびサービス提供機会の減少、そして経済成長鈍化に繋がることから、企業による人材獲得競争はより激しさを増しています。また一方で、企業は賃上げや離職防止施策の強化、リスキリング対策や各種制度の充実に努めています。結果、特定の業種や地域で人手が極端に不足するなどの労働市場のミスマッチが起きており、中小企業を中心に採用難や人件費高騰などによる倒産も増加傾向にあります。
今後も労働供給の構造的課題はさらに深刻になるものと考えており、それに伴い、求職者においては転職志向の変化による業界を跨いだ転職が促進され、一方、企業においては事業継続にも影響を及ぼす人材獲得競争がより活発化し、更なる雇用の流動性の高まりとともに二極化が進むものと思われ、労働市場の改革と社会全体における人材活用の再設計が求められます。
また、海外における人材ビジネス市場環境は、当社グループが展開しているインド、ベトナムはともに中長期的に高い経済成長が見込まれており、人口が多く平均年齢も若いことから、人材ビジネスの成長期待が高いと考えております。足元では世界経済における摩擦や分断などの影響を受け各々の国内経済活動及び採用活動の縮小及び停滞がみられるものの、IT・テクノロジー分野を中心に市場成長期待及び同分野の人材ニーズは依然として高く、インド、ベトナムの成長期待は引き続き高いものとみております。
当社グループは、2027年3月期を最終年度とする5カ年の中期経営計画を策定し収益拡大を図ってまいりました。その間、前述の通り事業環境は急速に変化し経営方針および事業戦略の見直しが喫緊の経営課題となり、中期経営計画の大幅な見直しが必要となりました。
深刻化する人材不足は、社会にとって大きな課題です。
人と組織の問題解決を使命とする当社グループにとっては、成長の機会でもあります。
当社は、新たな経営体制に移行し、事業ポートフォリオの再構築およびコーポレート・ガバナンスの一層の強化や経営の意思決定の更なる迅速化を図ってまいります。
事業活動を通じ人と企業のより良い出会いを生み出し、社会の活力向上に貢献する役割を果たし、企業価値向上に努めてまいります。
当社は、「誰かのため、社会のために懸命になる人を増やし、世界をよくする」というパーパス(存在意義)のもと、「人」、そして「企業」の“縁” に関わる領域でビジネスを展開しております。その中で、地球環境の保全や、従来からの固定観念にとらわれないイノベーティブな事業創造のための多様な人材の活躍を推進するため、サステナビリティに関する施策を行っております。
それらの施策を進めるため、以下の体制のもとで、サステナビリティに関する課題や具体的な取り組みの方向性などを審議・決定するとともに、課題の取り組み実績をモニタリングいたします。
当社は設立以来「ビジネスを通じた社会課題の解決」に取り組んでおり、マテリアリティとして掲げております。慈善・文化支援活動ではなく、影響力と継続性を兼ね備える「本業」の中で、業界、ひいては社会全体をより良く変革していくという信念を貫いてきました。この信念のもと、サステナビリティに関する取組にも国連で採択されたSDGs (持続可能な開発目標)に照らし合わせ、本業での社会貢献に取り組んでおりますが、特に「働きがいも経済成長も」「質の高い教育をみんなに」の2つは、当社の事業との関連性が非常に強い項目であり、入社後の活躍による仕事人生の充実や経済成長、社会人向けの教育サービスの普及や質的向上、さらにAIを活用したマーケティング支援や新しい価値の創出など、非HR領域を含め様々な形でSDGs達成に貢献できると考えております。
[環境負荷軽減への取組み]
当社の事業の特性上、環境へのインパクトは少ないですが、企業行動憲章において、「環境保全の重要性を強く認識し、環境問題に真摯に取組むと同時に、事業活動に対する社会からの理解を得るよう努める」ことを定めております。国内外の環境関連法や条例等の規制等を遵守するとともに、事業における環境負荷の軽減、社員への環境に関する教育・啓発等を行なっております。
イ. ペーパーレス化の推進
当社は、社内会議において、原則として紙を使用いたしません。データによる資料共有およびプロジェクターによる投影等により実施しており、取締役会等においても同様の方針であります。また、承認書類等の電子化の取り組みも積極的に進めております。
ロ.省エネ活動の促進(移動に伴う環境負荷の低減)
従業員のリモートワーク体制を整備し、オンラインによる顧客企業との商談や求職者との面談を積極的に推進することにより、移動に伴う環境負荷の低減につなげております。
[人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針]
当社における人材の育成及び社内環境整備に関する方針は、従業員一人ひとりの「CareerSelectAbility®」を高めることです。CareerSelectAbility®(キャリア自己選択力)とは、当社オリジナルの言葉であり、いかなる状況においても自身が望むキャリアを選べるだけの実力、つまり、仕事内容や働く企業、外部環境が変化しても、活躍を続けられるような普遍的能力を指しています。高いCareerSelectAbility®を有する人材を増やすことは、組織としての変化への適応力を高め、当社の持続的な成長・発展を加速させます。また、従業員個人としての人生の充実・幸福度合いにも影響を与えるものとして、非常に重視している観点です。
そのため、当社においてはCareerSelectAbility®の獲得・発揮度合いを人事評価の基準としており、その獲得・発揮につながる仕事のアサインメントや上司-部下のコミュニケーション促進、また各種人事制度や教育カリキュラムの提供を行なっております。これらの人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針を通して、持続的な能力開発を支援してまいります。
当社では、リスクに機動的に対応できるようリスク管理委員会を設置し、全社重要リスク対応策の立案、実施、評価および改善などを行う、全社リスクマネジメント体制を構築しています。サステナビリティに関連するリスクも全社リスクと統合され、取締役会及び経営会議等にて報告および議論しております。
また、リスク管理体制を強化することは、当社の社会的評価や人材を守り、当社の持続的成長と企業価値向上に向けた重要な要素であると考えます。そのため、サステナビリティ関連を含めた多様なリスク管理を今後も強化していく必要があり、リスク管理委員会の活動をより一層推進していかなければならないと考えております。
サステナビリティ関連のリスク及び機会を識別し、評価し、管理するための過程として、次のとおりのプロセスの構築を予定しており、リスク管理体制を強化してまいります。
①リスク及び機会を特定・評価するプロセス
リスク管理委員会は、管理本部、経営戦略本部、人財戦略室の各部署からサステナビリティ関連のリスクに関する議題の報告を受け、リスクと機会の識別及び評価を行います。主管部署との連携のうえ、検証を行い、対処すべきリスクと機会の優先順位付けを行います。
②リスク及び機会を管理するプロセス
リスク管理委員会は、各種リスクに対する取り組みについてモニタリングを実施します。取締役会はリスク管理委員会から定期的な報告を受け、各種リスク及び機会に関し管理・監督を行います。
[環境負荷軽減への取組み]
上記「(2)戦略」において記載した環境負荷軽減への取組みに関して、当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりであります。なお、関連する指標のデータ管理とともに、具体的な取組みが行われているものの、連結グループに属するすべての会社では行われていないため、連結グループにおける記載が困難であります。そのため、当社の指標及び目標を記載しております。
(注)1.当社(全国オフィス)の紙使用量に対するエン・ジャパン単体の売上高指数(2019年3月期を100とする)であります。
2.当社の申請業務(稟議・押印)における電子化割合であります。
3.当社のうち、主要拠点である東京・大阪・名古屋オフィスが対象であります。各契約事業会社の排出係数および入居ビル提供による排出係数をもとに算出しております。
4.エネルギー使用量の大半を占める東京オフィスは、入居しているビル全体のCO2排出量を基に按分した数値を使用し削減目標を設定しております。なお、ビル全体の運営状況や他テナントの活動が排出量に影響を与えるため、当社の努力が直接的に排出量削減に結びつかない場合がありますが、引き続き環境負荷低減に向けた取り組みを進めてまいります。
[人材の育成及び社内環境整備に関する方針に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績、指標及び目標]
また、当社では、上記「(2)戦略」において記載した人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針に関する指標として、次の指標を用いております。当該指標に関する目標及び実績は、次のとおりです。なお、当該指標等に関する目標および実績は、当社における人事制度で用いている評価指標であります。各連結子会社の規模・制度の違いから一律記載は困難であることから、当社の指標及び目標を記載しております。
(注)1.CareerSelectAbility®のスコアが上がった従業員の比率は、「当事業年度のスコアが前事業年度のスコアを上回った従業員数」÷「前事業年度及び当事業年度いずれも評価対象となる従業員数」により算定しております。
2.CareerSelectAbility®は『7つの考え方』及び『20の能力』で構成されており、これらの達成度合いが人事評価指標となっている正社員を対象としております。当該従業員は360度評価を受け、合計27の設問ごとに5段階評価がなされます。27の評価スコアの平均をCareerSelectAbility®のスコアとしております。
当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性がある主な事項を以下に記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資判断、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項について、投資家及び株主に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社グループの経営状況及び将来の事業についての判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載は当社株式への投資に関するリスクを全て網羅するものではありません。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(特に重要なリスク)
(1) 景気の変動、雇用情勢及び感染症について
当社グループの事業は景気動向や雇用情勢等の影響を受けやすいものであり、当社グループの想定を超えた経済環境の変化があった場合は、当社グループの業績に影響を与えうるリスクであると考えております。特に、大規模かつ深刻な感染症が流行した場合は、当社グループの事業活動に影響を及ぼし、当社グループの業績にも影響を与える可能性があります。当社グループでは、感染症拡大に関するリスクへの対応策として、従業員及び顧客企業の安全確保と感染拡大防止策やBCP(事業継続計画)を整備し、有効な防疫対策を講じた上で事業が継続できる体制の構築に努めています。
(2) 個人情報保護について
個人情報の外部漏洩はもちろん、不適切な利用、改ざん等の重大なトラブルの発生は、当社グループの業績に影響を与えうるリスクと考えております。
当社グループは、個人情報の管理を事業運営上の最重要事項と捉え、個人情報を取り扱う際の業務フローや権限、組織体制を明確にし、個人情報保護規程をはじめとした規程や規則等を制定しております。また、従業員を対象としたe-ラーニングなどの社内教育を通じて関連ルールを周知徹底し、個人情報保護法及び関連法令等の法的規制の遵守に努めております。しかしながら、個人情報の流出等の重大なトラブルが発生した場合には、契約内容にかかわらず法的責任を課せられる危険性があります。あるいは、法的責任まで問われない場合でもブランドイメージが毀損し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) M&Aについて
当社グループは事業拡大の一環としてM&A等を展開しており、今後も必要に応じて実施してまいります。ただし、M&A等は、将来予測を基に実施するものであり、不確実性が伴います。
当社グループでは、M&A等を実施する場合には、対象企業の財務内容や契約関係等について詳細な事前調査・検討を行い、極力不確実性を排除するように努めております。しかしながら、M&A後に、偶発債務等の発生や事業環境の変化等により計画通りの事業展開を行えなかった場合は、のれんや関係会社株式の減損処理が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) 内部管理体制の充実及び法令遵守について
当社グループは国内外において子会社、関係会社が増加しており、それに比例して不正行為等による法令違反の発生可能性が増加することが想定されます。
当社グループは、これらのリスクの低減のため、各種法令・ルールに則った規程等を制定するとともに、その遵守を担保するため、内部統制システムを整備しております。また、代表取締役社長直轄の独立した組織として内部監査室を設置し、国内外を問わず、監査を通じて当社グループ全体における法令・ルール等の遵守状況の確認等を行っております。しかしながら、人的要因及び急激な事業環境の変化により、内部統制に関する制度の構築、運用、モニタリングのいずれかが充分に機能しない場合、様々な事業リスクを適切に管理できず、業績に影響を与える可能性があります。また、内部統制に関する制度が完全にその機能を果たしたとしても、これらは違法行為のすべてを排除することを保証するものではなく、従業員による重大な過失、不正、その他の違法行為等が生じた場合には、訴訟や損害賠償等の発生により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) 技術開発に伴うサービスの陳腐化について
インターネット関連事業は技術革新が著しく、新技術、新サービスが常に生み出されております。当社グループ事業はインターネットと深く関わっており、競争力のあるサービスを提供し続けるためには、かかる新技術及び新サービスを適時に提供することが重要になります。
当社グループでは、ユーザーやクライアントから寄せられる様々なリクエストを吸い上げ、自社システムに反映することや、新技術を用いた質の高いサービスを提供するため、各企画部門が中心となり関係部署と協議の上、新規サービスを開発する体制をとっております。また、新技術を持ち当社サービスとシナジーが発揮できる企業と、業務資本提携やM&A等を実施することで、技術革新に積極的に対応しております。しかしながら、他社が極めて革新的な新サービスを開発し、かつこれに対抗するためのサービスの提供が遅れた場合には、業界内での競争力の低下を招き、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(重要なリスク)
(1) 第三者との係争について
当社グループは、自らが事業を展開する国又は地域の法令等を遵守しておりますが、事業活動に関して重要な訴訟等が提起され、当社グループに不利な判断がなされた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2) 大規模自然災害、ネットワーク障害等について
当社グループの事業はコンピュータシステムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、自然災害や電力供給の停止、通信障害等によって通信ネットワークが切断された場合には、当社グループの対象事業を営むことができなくなる可能性があります。また、何らかの原因で一時的な過負荷によって当社グループ又はインターネット・サービス・プロバイダーのサーバーが作動不能に陥ったり、外部からの不正な手段によるサーバーへの侵入等の犯罪や役職員の過誤によるネットワーク障害が発生する可能性があります。これらの障害が発生した場合には当社グループに直接的損害が発生するほか、サーバーの作動不能や欠陥等に起因して、当社グループの信頼が失墜し取引停止等に至ったり、当社グループに対する訴訟や損害賠償請求等が発生することも想定されます。また、大規模なネットワーク障害、大地震等の災害が発生した場合、ユーザーにおける消費活動の萎縮などが生じえます。この場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3) 特有の法的規制等に係るものについて
当社グループは、自らが事業を展開する国又は地域の法令等を遵守する必要があります。また、一定の事業においては各国・地域の許認可等を取得する必要があります。
当社グループがこれら法令等の違反又は許認可等を失った場合には、対象事業を営むことができなくなる可能性があります。更に、将来当社グループに適用される法令等の新設又は改正、司法・行政解釈等の変更がある場合は、それに応じた体制整備を迫られ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(4) 海外子会社について
当社グループの中には海外子会社がありますが、海外子会社の運営に際しては為替変動リスクがあるほか、各国及び各地域等の経済情勢、政治情勢、法規制、税制等の変化による影響や、ビジネス慣習の違い等、特有の業務上のリスクがあります。今後、当社グループ内に占める海外子会社の売上、利益の割合が増加し、各国及び各地域等の経済情勢等に変動があった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(5) 新規事業について
当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を実現するために、新規事業を開拓していく方針であります。実施にあたってはリスクを軽減するために必要な情報収集及び検討を実施しておりますが、不確定要素が多く存在する可能性があり、新規事業の展開が予想通りに進まない場合、また、新規事業への取り組みに付随したシステム投資・研究開発費・広告宣伝費・人件費等の追加的な支出が発生した場合や、当初見込んでいた収益が得られなかった場合は、固定資産の減損の兆候に該当する可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6) 事業領域について
当社グループは、「人材採用・入社後活躍」を支援する企業としてこれまで培ってきたノウハウ及びブランド力を活用できる領域を中心に事業を推進しております。しかしながら、当該市場規模の縮小や成長鈍化、又は当社グループにおける各種サービスの競争力低下や価格下落等の要因により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7) 競合について
当社グループが事業を展開する市場では、各分野において多数の競合他社が存在しております。これらの競合他社が当社グループより低い価格で同水準のサービスを展開した場合や、個人ユーザーを取り込む斬新なサービスを提供した場合、当社グループのシェアが下がり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8) 人的資産について
当社グループが成長に向けて企業基盤を拡充するためには、営業体制の強化や技術開発が不可欠であると考えていることから、優秀な人材の確保・育成には重点的に取り組んでおります。今後、更なる業容拡大を目指す上で、必要な人材を確保・育成できない場合や事業ノウハウを持った人材が社外へ流出した場合には、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。
また、人材の確保・育成が順調に進んだ場合でも、人件費、設備コスト等の固定費が当社グループの想定以上に増加した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(9) ストック・オプション制度による株式価値の希薄化について
当社グループはストック・オプション制度を採用しており、今後ストック・オプションが行使された場合には、株式価値が希薄化する可能性があります。
今後これらストック・オプションが行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が最大で3.13%希薄化する可能性があります。
(10) 検索エンジンへの対応について
インターネットユーザーの多くは、検索サイトを利用して必要な情報を入手しており、当社グループの各サービスにおいても、これら検索サイトから多くの利用者を集客しております。当社グループでは、担当部署を設け検索エンジンの仕様変更等に対応できる体制を整えております。しかしながら、今後、検索エンジン運営者における上位表示方針の変更やシステムトラブル等、何らかの要因によって検索結果の表示が当社グループにとって優位に働かない場合には、当社グループの集客効果は減退し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11) 特定の取引先業種との取引について
当社グループは特定業種に拘らず幅広い業種・職種を対象として営業活動を行っております。しかし、求人求職サービスの需要はその時々の経済情勢と密接な関係があり、特定の産業に偏るといった結果になることが予想されます。今後も幅広い業種・職種を対象として営業活動を展開する方針ですが、特定業種の好不況が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(12) 広告宣伝活動について
広告宣伝活動は、一般に効果を予測することが困難であり、過大な広告宣伝費の支出は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループの事業拡大には、当社グループのブランド認知度を向上させることが重要であり、専門部署による適切な管理のもと、既存媒体を含めた広告宣伝活動を積極的に展開しております。しかしながら、広告宣伝活動の内容によっては費用の増大に繋がるリスクがあります。
(13) 知的財産権侵害等について
当社グループは、提供する各種サービスの名称等における商標権やコンテンツにおける著作権等、多数の知的財産権を保有しております。当社グループは、知的財産権における権利の保護、維持、取得を適正に行っておりますが、第三者との間で知的財産権に関する訴訟の当事者となる可能性があり、その結果、損害賠償等の費用が発生し、当社グループの事業遂行及び業績に影響を与える可能性があります。
逆に、第三者が当社グループのサービスと同一・類似の名称を無断で使用した場合には、ユーザーの誤謬を招いたり、当社グループの評判・信用が毀損され、業績に影響を与える可能性があります。
(14) 代表取締役への依存について
代表取締役会長兼社長である越智通勝は、当社グループの経営方針や事業戦略全般の策定等、多方面において重要な役割を果たしております。
代表取締役が1名であるため、依存リスクが高いとも考えられますが、当社グループでは、代表取締役に過度に依存しない経営体質の構築を進めており、今後より一層代表取締役に権限集中しない経営体質を目指してまいります。但し、何らかの理由により代表取締役に不測の事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループは求人情報サイトの運営・人材紹介・教育評価を中心に、「人材採用・入社後活躍」の支援事業をメインに展開しております。
国内外の労働市場では人材の流動性が高まり、働き方やキャリア観も多様化が進み、生成AIをはじめとするテクノロジーの進展により採用や人材育成の在り方も根本から見直される時代を迎えています。特に国内では、人手不足が深刻化し、社会にとって大きな課題になっています。人と組織の問題解決を使命とする私たちにとっては、成長の機会でもあります。
その中で、当社グループはパーパス「誰かのため、社会のために懸命になる人を増やし、世界をよくする~Inner Calling&Work Hard~」を掲げ、創業当時の志に立ち返り、「信頼される企業であるかどうか」という問いに、真正面から向き合ってまいります。
当連結会計年度において、HR-tech engage、人財プラットフォームは高成長となったものの、国内求人サイトにて効率化を図り広告宣伝費を減らしたことで利用企業数が減少したこと、海外事業においては契約形態を見直したことで売上計上方法をグロス計上からネット計上へ変更した影響(925百万円の減少)から、売上高65,678百万円(前期比2.9%減)となりました。総費用は、HR-tech engageや人材紹介を中心に人員増強を行い人件費は増加しましたが、昨年まで大幅投資をしていた広告宣伝費を減少させた結果、59,785百万円(前期比4.3%減)となりました。
これらの結果、営業利益は5,892百万円(前期比14.2%増)、経常利益は5,943百万円(前期比10.7%増)となりました。また、特別利益で株式会社タイミーの投資有価証券売却などにより、投資有価証券売却益5,456百万円の計上、営業外費用で支払手数料332百万円の計上などがあったことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は7,628百万円(前期比81.8%増)となりました。
(単位:百万円)
主要な事業の概況(管理会計ベース)
(単位:百万円)
※各事業の売上高合算と連結売上高との差異は、事業間調整及び連結調整等によるものであります。
(HR-Tech engage)
2024年7月に新コンセプト「すべての人の、仕事選びに」としてブランド刷新を行い、転職、アルバイト・パート、新卒等あらゆる仕事選びを支え、当社が大切にしてきた「入社後活躍」を実現していくブランドとして定義しました。また当社の企業クチコミサイトの連携も行い「エンゲージ会社の評判」としてこれまで以上に多面的な情報収集を可能とし、ミスマッチのない仕事選びのサポート実現を目指しました。
新ブランドのもと、求職者獲得を目的としたプロモーションを実施した結果、会員数は555万人(昨年対比+181万人)と増加しました。会員数が増えることで利用企業も増え、総利用アカウント数は68万件、公開求人数は211万件と国内トップクラスの採用サービスとして成長を続け、売上高が増加しました。一方で掲載求人数、求職者数を活かした十分なマッチングの創出が出来ず、計画を下回ることとなりました。
これらの結果、HR-Tech engageの売上高は前期比34.3%増の9,657百万円となりました。
(人財プラットフォーム)
求職者獲得を目的とした広告宣伝費投資を積極的に実施した結果、会員数は433万人(昨年対比+51万人)に増加しました。今期はミドルの転職を中心にハイキャリア層の採用需要は高く、人材紹介会社、一般企業ともに利用企業が増加したことで売上高が増加しました。
これらの結果、人財プラットフォームの売上高は前期比10.1%増の7,806百万円となりました。
(国内求人サイト)
エン転職において効率化を目指し、広告宣伝費を減らしたことで利用企業が減少した結果、売上高が減少となりました。派遣会社向け求人サイトでは大手派遣企業が出稿を抑えており、売上高が減少となりました。一方、新卒向けのスカウト型求人サイトは新卒採用におけるスカウト型採用の広まりを背景に売上高が増加となりました。
これらの結果、国内求人サイトの売上高は前期比15.0%減の25,000百万円となりました。
(国内人材紹介)
エンエージェントは期初に新卒を多く増員しましたが、既存人員に対しての新卒社員数が多く生産性向上に苦戦し、売上高が減少となりました。
エンワールド・ジャパンではハイキャリア層の採用需要の高まり、またコンサルタントの生産性向上により売上高が増加となりました。
これらの結果、国内人材紹介の売上高は前期比0.2%増の9,895百万円となりました。
(海外事業)
インドIT派遣は契約形態を見直したことで売上計上方法をグロス計上からネット計上変更と(前期比925百万円の減収)、IT需要も前連結会計年度並みで推移したことにより減収となりました。
ベトナムは国内でトップシェアである求人サイトをメイン事業としており、ベトナムは中国・アメリカの景気影響を受け、国内の景況感が回復せず売上高は前期並みとなりました。
これらの結果、海外事業の売上高は前期比12.6%減の10,148百万円となりました。
当社グループの主たるサービスは、求人サイトの運営及び人材紹介であるため、生産に該当する事項がありません。よって、生産実績に関する記載はしておりません。
当連結会計年度における受注実績を示すと、次のとおりであります。
(注)1.当社グループの事業は単一セグメントであります。
2.関係会社間取引については相殺消去をしております。
3.派遣形態は、サービスの提供量に応じて対価を得るため受注実績には含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。
(注)1.当社グループの事業は単一セグメントであります。
2.関係会社間取引については相殺消去をしております。
(2) 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,968百万円増加し、56,942百万円となりました。
このうち流動資産は6,029百万円増加し、37,089百万円となりました。これは現金及び預金が5,712百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が421百万円増加し、未収消費税等が301百万円減少したこと等によるものであります。また、固定資産は1,938百万円増加し、19,853百万円となりました。これは、投資有価証券が1,040百万円、ソフトウエアが810百万円増加したこと等によるものであります。
(負債)
負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ2,510百万円増加し、19,323百万円となりました。このうち流動負債は2,410百万円増加し、16,540百万円となりました。これは未払法人税等が1,767百万円、未払金が327百万円、前受金が242百万円が増加したこと等によるものであります。また、固定負債は100百万円増加し、2,783百万円となりました。
(純資産)
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ5,457百万円増加し、37,618百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上7,628百万円、為替換算調整勘定が627百万円増加した一方、配当金の支払3,023百万円減少したこと等によるものです。
なお、当社グループでは各セグメントの資産情報を資源配分や業績評価のために使用することはないことから、セグメント別資産情報は作成しておりません。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べて4,405百万円増加し、23,584百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、8,062百万円のプラス(前連結会計年度は6,430百万円のプラス)となりました。これは、税金等調整前当期純利益10,982百万円、減価償却費2,782百万円、投資有価証券売却益5,456百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、843百万円のマイナス(前連結会計年度は4,060百万円のマイナス)となりました。これは、投資有価証券の売却及び償還による収入5,341百万円、定期預金の払戻による収入4,885百万円、無形固定資産の取得による支出3,767百万円、定期預金の預入による支出5,828百万円、があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、3,021百万円のマイナス(前連結会計年度は7,855百万円のマイナス)となりました。これは、配当金の支払額3,021百万円があったこと等によるものであります。
当社グループでは、主として営業活動によるキャッシュ・フローにより、必要とする資金を調達しております。また、取引銀行2行と当座貸越契約(極度額11,000百万円)を締結しておりますが、当連結会計年度末における借入実行残高はありません。
なお、重要な設備の新設等の計画はありません。
② 財務方針
当社は、中長期的な利益成長の観点から、事業ステージに応じた適切な投資を図りつつ、ブランド投資や設備投資、М&A、出資など株主価値向上に資する戦略的な投資を行っていくことを基本方針としております。
また、株主還元を強化することを掲げ、利益配当金につきましては経営成績、財政状態および今後の事業展開に備えるための内部留保も勘案のうえ実施することを基本方針としております。
2026年3月期の配当金につきましては、配当性向50.0%、1株あたりの年間配当計画は24円00銭を予定しております。
※配当性向は「親会社株主に帰属する当期純利益」を算定根拠としております。
※配当性向の算定に用いる1株当たり当期純利益については、自己株式を除く株数で親会社株主に帰属する当期純利益を除しておりますが、この自己株式には株式給付信託(J-ESOP)分を含めて算定しております。実際には、株式給付信託分の株式についても配当を行うため、当社が設定する配当性向はこれを加味したものとなります。
③ 資金使途
主に人件費及び広告宣伝費を中心とした運転資金、法人税の支払い、配当金の支払いに資金を充当しております。また、テクノロジー分野を中心としたM&A及び出資を強化する方針に基づき、資金を充当しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。