本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社は1981年に設立以来、経営のモットー「愛と夢のある企業」と5つの経営理念を掲げ、“お客様の夢を実現するソリューションカンパニー”を目指して参りました。私共の事業は決して目立つことのない裏方ではありますが、夢が溢れる社会を実現するための下支えとして必要不可欠であると重責を自負しております。
当社は昨年40周年を迎え、原点である経営モットーと経営理念を軸に、SDGs(2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標)を経営に取り入れることにより、社会への対応力を高める事が出来ました。今後は益々、当社グループが注力する「FinTech」、「Cloud」、「IoT」、「CASE」、「AI」などの技術を駆使したデジタルトランスフォーメーション(DX)ビジネスを推進し、深刻化する地球規模の課題解決の一助となるソリューションを創出し、事業を通じて持続可能な社会の実現に寄与したいと考えています。
ソルクシーズグループはサステナビリティ経営を推進し、半世紀、100年後も末永く愛される「愛と夢のある企業」を目指してまいります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは最新の情報技術(IT)を駆使し、お客様にご満足頂ける最適なITソリューションを提供することを基本方針とし、この方針に沿った継続的な努力により社業の拡大・発展を期します。また、最適なITソリューションの提供を通じ、社会に貢献することを会社の使命といたします。
経営のモットー
「愛と夢のある企業」を目指します。合理性に裏打ちされた厳しさは当然必要ですが、ともすれば合理性に偏重しがちなソフトウェア開発が仕事の中心であればこそ、その経営には愛と夢が必要と考えます。
経営スローガン:「チェンジ・チャレンジ・スピード」
激変する業務環境、根底から変わりつつある業務構造に合わせ、私たち自身の意識、スキル、業務プロセスを変えてまいります。若いメンバーからなる組織のまとまりを活かし、スピードを大事にしながら、大胆な発想の下、変化に果敢に挑戦し続けます。また、こうした姿勢があってはじめて同じような状況におかれているお客様の変革を支えることができるものと確信しております。
(2)経営環境
① 当社グループを取り巻く事業環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
a. クラウドサービスのニーズの高まり
単独のクラウドサービスの利用だけではなく、クラウドサービスを連携させた利用形態など、企業のクラウドの利用方法が多様化しています。更に、IoTやAIシステムとクラウドサービスの連携が進み、今迄以上にクラウドファーストが一般化し、質の高いクラウドサービスを提供することが課題となっています。これに対応して、グループ会社の株式会社Fleekdriveが提供するオンラインストレージサービス「Fleekdrive」、クラウド帳票サービス「Fleekform」を核に、他のサービスとの連携やAIを活用した新たなサービスの創出を行います。また、引き続き、海外市場の開拓・拡大を図ります。
b. IoTの活用
業種・業界を問わず、様々な企業がIoTへのIT投資に意欲的になっており、業務効率化やコスト削減を目的としたIoTの利用から、IoTを活用した新しいビジネスの創出にステージが変わりました。既に、IoTによって収集したビッグデータの分析・解析にAIを活用したサービスも始まっており、IoTを活用したソリューションの提供が課題となっています。今後は、グループを挙げてセンサーを利用したサービスを組み合わせ、ソリューションを創出していきます。また、「いまイルモ」・「状態監視/予知保全システム」などの既存ソリューションについても、拡販に向けた活動を強化します。
c. 自動車環境の更なる進化 CASEへと拡張
自動運転レベル3については2021年に国内でも販売が開始されるなど一般化しつつある中、2022年にはレベル4を見据えた法改正も計画されています。また、次世代コックピットやスマートミラーなどの既存機能のスマート化や、車載センサーがクラウドに接続されるコネクテッドカーも市場に投入され、自動車を取り巻く環境が益々変化を遂げ、ソフトウェアの重要性が高まり品質の向上が課題となっています。当社グループでは、グループ会社を中心とした自動車業界へのソフトウェア設計の支援体制を深堀し、また、新たな事業領域に向けた投資活動なども行い、これまでの知見を活かした事業を行う方針です。
d. FinTechの実用化
個人のネット決済や口座管理などの利用から、金融機関がシステムの接続を解放し、金融機関同士が相互接続を図り、より便利なサービスを提案するなど、応用範囲が広がっています。ブロックチェーンやスマートコントラクトなどの分散型台帳技術(Distributed Ledgers Technology:DLT)を核にした様々な業界・業務向けのサービスや、NFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)と呼ばれる偽造不可能な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータを取り扱う新しいサービスが市場に提供されていくとともに、益々FinTechの活用方法が課題となっていくものと思われます。当社グループでは、FinTech関連の開発案件の獲得を目的とした技術協力を中心に、ブロックチェーンやバーチャルカレンシーに関する開発案件へ参画を継続しています。銀行業務向けを手始めに、証券業務向けも始まり、更に今後は他の金融分野での取り組みも視野に入れた活動を行っていきます。
e.AI利用の本格化
クラウド上に存在する膨大なデータを機械学習をベースとしたAIで分析し、ビジネスへの利用やサービスとして提供するスタイルが大変な勢いで進んでいます。今後は、データの売買が進み企業同士がデータを交換するデータエクスチェンジが活発になり、ソースコードを書かずにドラッグ&ドロップなどのビジュアル操作だけで、低コストかつ高速にAIを実現できるローコード/ノーコードなどの技術が進み、AIの民主化が加速すると思われます。また、AIとその他技術との融合によるサービス創出も検討され、実用化に向けたソリューションの提供が課題となっています。当社グループでは、資本参加した株式会社アックスの知見を用いて、AIのサービス化が可能となっています。自社開発のクラウドサービスとのシナジーや、これまでのユーザーに対するAI活用の提案などを継続していきます。
② 注力分野
上記環境認識を踏まえ、当グループでは、以下の5分野を注力分野としてとらえ、デジタルトランスフォーメーションの推進に向けて一層の強化を行います。(下図の「今後注力する分野」)
(3)経営戦略
当社グループは、次年度を初年度とする中期計画(2022年12月期~2024年12月期)を定め、基本方針として1)経営基盤の強化、2)本業であるSIビジネスの競争力強化、3)ストック型ビジネスの強化・拡大、4)海外マーケットの開拓をテーマとして掲げております。具体的な内容は以下の通りです。
1)経営基盤の強化
既存事業を再評価し、経営資源の成長分野への傾斜的集中と不採算部門の再構築を進めます。成長分野については、十分なフィージビリティスタディーとグループ内シナジー効果の確認の下、積極的な進出・強化を図って参ります。
2)本業であるSIビジネスの競争力強化
業種・業務別の専門特化戦略を継続推進し、非価格競争力を強化いたします。また、オフショアやニアショア開発を積極的に利用し、価格競争力の強化と、お客様との低コストメリットの共有化を推進します。
3)ストック型ビジネスの強化・拡大
クラウドサービス「Fleekdrive」や、IoTによる見守りサービス「いまイルモ」、IoTソリューションである「状態監視/予知保全」などについては、引き続き強化・推進し、事業基盤の強化と収益安定化に向けて注力していきます。SIビジネスと並ぶ収益の柱として成長を加速させ、利益比率で50:50にすることを目指します。また、クラウド・AI・IoTの活用など、ICT市場における技術の変化に対応し、グループの持つソリューションの更なる拡大について、継続的に推進いたします。
4)海外マーケットの開拓
海外マーケットに対し、グループ内外の優れた製品・サービスを積極的かつスピーディーに紹介・展開し、新たなストック型ビジネスとして拡大します。その足がかりとして株式会社ノイマンにおけるベトナムの自動車教習所向けのソリューション展開については、日本の高水準な交通教育メソッドをベトナムに提供する為、現地に自動車教習所を合弁で設立し、日本の教習所向けソリューションを活用しております。今後は、ベトナムにおける教習所運営およびソリューションの展開等を計画して参ります。
上記中期計画を推進する事業戦略を構築し、以下の通り各事業セグメントの強化に取り組んでおります。
a.ソフトウェア開発事業
顧客のSIベンダーへの期待はコスト面のみならず、スピード、専門性、ビジネスへの利用上の価値などを重視した総合的なサービスに変わりつつあります。当社ではITサービス業者としての専門性を活かし、ITシステムの保守・運用までをも含めたトータルサービスを提供し、顧客のニーズに対し、柔軟な体制で対応して参ります。特に最近ではクラウドを使う事を前提としたシステム開発案件が増加傾向にあり、この様なトレンドに柔軟に対応するべく、既に体制を構築しておりますが、更にその強化を図って参ります。
b.コンサルティング事業
ソフトウェア開発事業を推進するにあたり、上流工程における設計支援、システム構築の企画・提案等、高付加価値業務の重要性が今後益々高まっております。コンサルティング活動の結果としてソフトウェア開発へと繋げる役割が重要となったことを受けて、新たなクレジット領域における専門コンサルティングファームのグループ入りといった体制の強化で、更なる価格競争力を身に着けて参ります。
c.ソリューション事業
お客様のビジネス上の現実的な課題を解決したいとするソリューションニーズは一層強まっております。当社グループではソフトウェア開発事業と並行し、売上・収益が要員数に依存しない安定収益業務として、ソリューション事業を拡大させる方針です。またオンリーワンとなるソリューションを創出していく技術力を保有していることから、当社の成長ドライバーとして今後も注力して参ります。
(4)新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響について
当社グループにおいては、当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症のまん延は一部のグループ会社に納品時期の変更、導入計画の見直し等により減収となる影響を及ぼしました。次年度以降の影響については、各事業セグメントに即してご説明いたします。
a.ソフトウェア開発事業
当連結会計年度と同様に影響は限定的と見ています。但し、経済活動の抑制期間が長期間に及ぶ場合、企業のICTへの投資意欲が減少し、その場合、受託開発案件の受注に影響の出る可能性があります。
b.コンサルティング事業
当連結会計年度で一部に影響が出ておりましたが、次年度以降は回復基調に転じる見込みです。特に上流工程における設計支援業務については要員への引き合いが強く、影響は限定的と見ております。しかし、当該事業につきましてもソフトウェア開発事業と同様に経済活動の抑制期間に応じた影響の可能性は残っております。
c.ソリューション事業
当連結会計年度では、一部に納品時期の変更、導入計画の見直し等による影響が出ておりましたが、次年度以降は大きな影響は出ないものと見込んでおります。しかし、当該事業につきましてもソフトウェア開発事業と同様に経済活動の抑制期間に応じた影響の可能性は残っております。
当社グループの事業その他に関するリスクとしては以下のようなものがあります。当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、その影響を最小限にとどめるよう、2006年度に設置した当社リスク管理委員会を中心に、適切なリスク対応に努めていく方針であります。なお、この中には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 受注、システム開発上のプロジェクトリスク
システムの受託開発業務においては、受注時に想定した以上に工数が嵩む場合や、検収遅れ、成果物に瑕疵があることによる追加原価が発生する場合があり、予定原価との差異が発生することにより、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、検収後においても、当社の責任に帰する重大なシステム障害が発生した場合には、当社グループの信用が損なわれ、その後の事業展開、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対して、技術的問題や期間・工数の問題等を事前に検証する商談検討会を受注前に開催し、プロジェクト開始後にはPA会(プロジェクト審査会)を適宜・適切に開催し、プロジェクトの進捗状況を把握のうえ問題が顕在化する前に事前に対処し、問題発生後には善後策を検討出来るよう体制を整え、様々なプロジェクトリスクの軽減に努めておりますが、完全に回避できるものではありません。
(2) 一部顧客への依存
当社グループの売上高は、メーカー系ベンダー等で40%強程度が占められております。これら顧客は、外部環境等を考慮して営業政策を決定しており、これらの環境が大きく変動した場合、その営業政策を変更する場合があります。営業政策の変更により、当社グループの受注が大幅に減少した場合や受注条件が大幅に悪化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対して、一部顧客への依存度を低くするべく、直接顧客との取引拡大を営業指針とし、一部顧客に依存することによるリスクの軽減に努めております。しかしながら、完全に当該リスクを回避できるものではありません。
(3) 外部環境の変化
当社グループの受注は、顧客企業の予算削減、顧客の業種特有の環境変化、情報サービス業界における価格競争の激化などの外部環境要因により影響を受けております。従って、これらの要因が大きく変化した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対して、幅広い業種に対応出来る様な事業体制を整えており、具体的にはクレジット事業部、証券事業部、産業事業部においてそれぞれ異なった業種に対応できる様な体制を整え、外部要因によるリスクの軽減に努めておりますが、完全に回避できるものではありません。
(4) 要員および外注先の確保
中長期的に新卒者人口は減少傾向にあるため、業界一般の傾向として優秀な人材の確保が困難になる場合があり、当社グループにおいても必要なシステムエンジニア等の要員が十分確保出来ず、当社グループの業務に支障をきたす場合があります。また、システムの受託開発業務においては、顧客から請け負った開発業務を協力会社に対して協力要請しております。経済環境の好転によりICT投資が活況となり、システム開発案件の需要が増大した場合には、これらの協力会社の確保が重要な課題となり、また、要員確保のための発注単価の上昇が発生する場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対して、優良な協力会社の確保に努めるための専門組織を社内に設置し協力会社の確保に努めるとともに、海外技術者や国内の地方技術者の確保も視野に入れ、業務提携先との人材交流を行い、また、特定の協力会社に偏った発注を行わない様に案件毎に見積もりを取得して、適正な発注を行う等により要員および外注先の確保によるリスクの軽減に努めておりますが、完全に回避できるものではありません。
(5) 情報漏洩リスク
当社グループが属する情報サービス業界においては、業務特性上、顧客情報を取り扱うことがあります。情報漏洩事故等が発生した場合、当社グループの信用が損なわれ、その後の事業展開、業績に影響を及ぼす可能性があります。又、最悪の事態に備え、情報漏洩賠償責任保険に加入しておりますが、リスクを完全に回避できる保証はありません。
当該リスクに対して、ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証を取得し、情報セキュリティ基本方針を定め、ソルクシーズグループ全員への遵守、徹底を図る等により情報漏洩のリスクの軽減に努めておりますが、完全に回避できるものではありません。
(6) 海外事業リスク
当社グループは、ベトナムで現地法人による間接的な事業活動、シンガポールにおける販売代理店を通した営業活動等を行っておりますが、今後は更に積極的に海外各国のマーケットを睨んだ事業活動を行ってまいります。海外進出には、①予期できない法律または規制の変更、②事業活動に不利な政治または経済要因の発生、③未整備な社会インフラによる影響、④税制等の変更、⑤戦争、テロ、伝染病、その他の要因による社会的混乱などのリスクが内在しております。
当該リスクに対して、進出先の法律事務所等と契約を締結し、適時適切な対応が採れる体制を整え事前にリスクの軽減に努めておりますが、完全に回避できるものではありません。
(7) 投資有価証券の減損リスク
当社グループでは、業務上の関係構築、余資運用等を目的に取引先等の投資有価証券を保有しております。投資有価証券の評価は発行会社の財政状態や経営成績等の個別の事情または株式市場や外国為替等の動向に依存しております。
当該リスクに対して、投資先の経営状態を把握できる様に資料の取集を行い、適宜分析のうえ早期対応が採れる体制を整え、事前にリスクの軽減に努めております。しかしながら、完全に回避できるものではなく、当社グループが保有する投資有価証券について、今後時価の下落や実質価額の低下により減損処理を行うこととなった場合、投資有価証券評価損等の計上により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) M&A・業務提携
当社グループは事業基盤の強化・拡充のためにM&Aや業務提携は非常に重要であると認識しており、積極的に対応していく方針です。それらを実施する場合には、対象企業の財務内容等についてデューディリジェンスを行うことにより、事前にリスクの軽減に努めておりますが、その後の市場環境の変化や不測の事態により、当初予定していた効果を得ることができず、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対して、事後においても定期的に定量面・定性面をウォッチし、変化の予兆を掴み早期対処をすることでリスクの軽減に努めておりますが、完全に回避できるものではありません。
(9) 特有の法的規制・取引慣行
当社グループの属する情報サービス業界においては、請負契約による受発注が多くを占め、元請け、下請けといった請負関係の多重構造や顧客先常駐による業務形態が一般的であります。その為、これらの対応が不十分であるとして、監督官庁から是正指導を受けた場合には、当社グループの信用が失墜し、業績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクに対して、当社グループでは請負業務の適正化のためガイドラインを制定し、社員に対してその遵守の徹底を図るとともに、外注先、顧客に対しても協力を要請し、事前にリスクの軽減に努めております。
(10) 大規模災害や重大な感染症等に関するリスク
地震等の大規模な自然災害の発生やテロにより社会インフラや当社グループの事業所等が壊滅的な損害を被った場合、ならびに新型コロナウイルス感染症のような大規模な感染症等の発生によって、従業員等の感染や、感染拡大防止のために行動が制限される等の場合には、システムやサービスの提供が困難になり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当該リスクに対して、不測の事態の発生に備え、災害対策マニュアルの構築および災害対策本部の整備、危機対策訓練の実施の他、当社グループ社員のリモートワーク推進およびインフラ環境整備を通じ、社員とその家族の安全確保に努めつつ、事業継続の拡充に繋げる様努めております。しかしながら、大規模な災害の発生等により追加の対策コストが必要となるなど、当該リスクを完全に回避できるものではありません。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」とい
う。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度の我が国経済は、新型コロナウイルス感染の波が何度も押し寄せ、世界的な半導体不足、物流網の混乱などの現象も惹起されて、各方面に亘り深刻な影響を受けました。
しかし、国内IT投資についてはデジタル化への投資需要は底堅く、業種別にまだら模様の状況となったものの、デジタルトランスフォーメーション(DX)投資を中心に総じて堅調に推移しました。
このような環境の中、当社は、ソフトウェア開発事業において、営業体制を強化し、DX関連等の優良案件の確保に努めるとともに、RPA技術等を活かした開発業務の効率化、コロナ禍でのリモート開発の拡大、プロジェクト管理の徹底等を推進しました。更に、長期・安定的な収益構造構築に向け、クラウドサービス業務、自動車教習所向けソリューション業務等のストックビジネス分野の強化に努めるとともに、デジタルサイネージ事業の売却等の事業ポートフォリオの見直しを行いました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は、前年度比5.6%増の13,922百万円となりました。
セグメント別では、次の通りです。
① ソフトウェア開発事業の外部顧客への売上高は、クレジット、サービサー等の金融業向け及び通信業向け等で増収となり、同7.1%増の10,514百万円となりました。
② コンサルティング事業の外部顧客への売上高は、エッジコンピューティング系(組込系)で増収となったものの、業務系において減収となり、同1.9%減の1,148百万円となりました。
③ ソリューション事業の外部顧客への売上高は、連結子会社におけるクラウドサービス業務、自動車教習所向けソリューション業務、エッジコンピューティング系(組込系)開発業務のいずれも増収となり、デジタルサイネージ事業の売却による落ち込みをカバーして、同2.8%増の2,259百万円となりました。
損益面では、主業務であるソフトウェア開発事業において、開発業務の効率化、プロジェクト管理の徹底等の採算改善施策により、大きく増益となった外、自動車教習所向けソリューション業務、エッジコンピューティング系(組込系)コンサル業務などにおいても増益となり、売上総利益は同10.5%増の3,385百万円となりました。
販売費及び一般管理費は、要員確保のための採用費増等により同3.0%増の2,280百万円となり、この結果、営業利益は同30.3%増の1,105百万円、経常利益は同12.4%増の1,123百万円となりました。更に、デジタルサイネージ事業の売却に伴う特別利益82百万円の計上、課税所得において過去の株式評価損の認容等があり、親会社株主に帰属する当期純利益は、同78.7%増の1,060百万円となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は7,465百万円となり、前連結会計年度末に比べ240百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金及びその他の流動資産が増加したことによるものであります。
固定資産は3,807百万円となり、前連結会計年度末に比べ370百万円減少いたしました。これは主に、非上場の種類株式の償還及び上場株式の時価評価額の減少により、投資有価証券が減少したことによるものであります。
この結果、総資産は11,272百万円となり、前連結会計年度末に比べ129百万円減少いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は2,453百万円となり、前連結会計年度末に比べ399百万円減少いたしました。これは主に、金融機関からの借入の返済を進め、短期借入金が減少したことによるものであります。
固定負債は1,296百万円となり、前連結会計年度末に比べ437百万円減少いたしました。これは主に退職給付信託の設定により退職給付に係る負債が減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は3,749百万円となり、前連結会計年度末に比べ836百万円減少いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は7,522百万円となり、前連結会計年度末に比べ707百万円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上により利益剰余金および非支配株主持分が増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は60.1%(前連結会計年度末は53.5%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ91百万円増加し、当連結会計年度末残高は4,790百万円となりました。主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動の結果得られた資金は631百万円(前連結会計年度は37百万円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益、減価償却費、退職給付信託の設定額及び法人税等の支払額によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動の結果支出した資金は202百万円(前連結会計年度は165百万円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出及び投資有価証券の償還による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動の結果支出した資金は337百万円(前連結会計年度は101百万円の支出)となりました。これは主に短期借入金の純増減額、長期借入れによる収入、長期借入金の返済による支出及び配当金の支払額によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
1.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
ソフトウェア開発事業(千円) |
8,263,968 |
106.5 |
|
ソリューション事業(千円) |
1,359,862 |
93.4 |
|
コンサルティング事業(千円) |
687,015 |
95.9 |
|
合計(千円) |
10,310,846 |
103.8 |
(注)1.金額は、製造原価によっております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
ソフトウェア開発事業(千円) |
91,241 |
56.3 |
|
ソリューション事業(千円) |
50,448 |
73.7 |
|
合計(千円) |
141,690 |
61.5 |
(注)1.金額は、実際仕入額によっております。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
3.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比(%) |
|
ソフトウェア開発事業 |
10,566,601 |
107.1 |
1,004,063 |
105.5 |
|
ソリューション事業 |
1,996,799 |
80.3 |
202,076 |
43.5 |
|
コンサルティング事業 |
1,114,670 |
97.1 |
239,434 |
87.7 |
|
合計 |
13,678,071 |
101.3 |
1,445,574 |
85.5 |
(注)金額には、消費税等は含まれておりません。
4.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
ソフトウェア開発事業(千円) |
10,514,461 |
107.1 |
|
ソリューション事業(千円) |
2,259,458 |
102.8 |
|
コンサルティング事業(千円) |
1,148,347 |
98.1 |
|
合計(千円) |
13,922,266 |
105.6 |
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループでは当連結会計年度を初年度とする中期計画(2021年12月期~2023年12月期)においては、基本方針として1)経営基盤の強化、2)本業であるSIビジネスの競争力強化、3)ストック型ビジネスの強化・拡大、4)海外マーケットの開拓をテーマとして推進しております。
当連結会計年度における主な取組み状況は以下のとおりです。
1)経営基盤の強化
これまでのSDGsへの取り組みやDXビジネスの推進が評価され、経済産業省が定めるデジタルトランスフォーメーション認定制度における「DX認定取得事業者」に認定されました。今後一層高度化するDXニーズに応えるべく、グループ全体の総力を挙げて社会のDX推進に貢献し、その結果として企業価値向上が図れるものと考えています。
2)本業であるSIビジネスの競争力強化
主業務であるSIビジネスにおける喫緊の課題は人材確保であるとの認識に立脚し、この課題に対する新たな取り組みとして、未経験者の採用を開始しました。未経験者であっても通年採用し、今後を担うデジタル人材教育を行うことで、当社のSDGsの目標でもある人材育成に貢献する事が出来ました。
非価格競争力の強化については、引き続き専門特化戦略を推進しており、特にグループ会社において、製造業向けモデル化支援、機能安全化支援などのコンサルティングサービスの高い技術力を活かした先進的なソリューションの提供や、計測系技術を活かしたIoTソリューションが引き続き好評であり、適用分野の広がりとともに新たな顧客の開拓が進みました。
3)ストック型ビジネスの強化・拡大
安定的な収益を狙いとするストック型ビジネスとして注力している自動車教習所向けソリューションの開発・販売を行っている株式会社ノイマンが、指定自動車教習所では業界初となる、学科教習をライブ配信方式(双方向)および録画配信方式(オンデマンド)で受講可能なサービスを開発し、オンライン学科教習ツール「N-LINE」として販売を開始しました。
4)海外マーケットの開拓
新型コロナウイルス感染症が海外でも拡大している事から海外での事業展開は限定的となりましたが、従来推進している株式会社ノイマンにおけるベトナムの自動車教習所向けのソリューション展開については、現地合弁自動車教習所の業績が伸長する等、堅実に進捗する事が出来ました。
②当連結会計年度末の財政状態の分析
当連結会計年度末における財政状態は、増加した現金の一部を金融機関からの借入の返済や退職給付信託への追加拠出に充てることで、財務のスリム化を図るなどし、自己資本比率が、前連結会計年度の53.5%から60.1%となりました。
(資産)
流動資産は、営業活動によるキャッシュ・フローの増加により現金及び預金が増加しております。また、その他の増加は、課税所得において過去の株式評価損の認容等があり未収還付法人税等が計上されたことによるものであります。
固定資産は、クラウド事業への投資によりソフトウェアが増加し、無形固定資産が増加しておりますが、一方で、非上場の種類株式の償還及び上場株式の時価評価額の減少により投資有価証券が減少し、投資その他の資産が減少しております。
上記により、資産合計は、前連結会計年度末と比べて129百万円減少いたしました。
(負債)
流動負債は、金融機関からの借入の返済を進め、短期借入金が減少しております。
固定負債は、余剰資金を退職給付信託へ追加拠出したことにより、退職給付に係る負債が減少しております。
上記により、負債合計は、前連結会計年度末と比べて836百万円減少いたしました。
(純資産)
純資産は、当期純利益の計上により利益剰余金および非支配株主持分が増加したほか、上場株式の時価評価額の減少により、その他有価証券評価差額金が減少しております。
上記により、純資産は、前連結会計年度末と比べて707百万円増加いたしました。
③資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループは、資金の調達方針として、コスト面を考慮しつつも、安定資金を確保することを優先し調達することを基本方針としております。
運転資金につきましては、自己資金及び金融機関からの短期借入による調達を基本としておりますが、一定の運転資金については長期借入により調達しております。
設備投資資金につきましては、金融機関からの長期借入による調達を基本としております。ただし、余資が膨らんだ状況においては、財務の健全性向上のため、自己資金を新事業への投資資金として活用することも検討されます。
当連結会計年度においては、主に、ストック型ビジネス拡充のための設備投資に資金を使用したほか、引き続き新型コロナウイルス感染症の感染収束の時期が不透明であったことから、十分な手元流動性を確保したうえで、退職給付信託への追加拠出や金融機関からの借入の返済を進めるなどし、当社グループ内の余剰資金の有効活用に努めました。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国における一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
また、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績やその時々の状況を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があることから、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
当社は、2021年2月12日開催の当社取締役会において、連結子会社株式会社インターディメンションズの全株式を株式会社東北ターボ工業に譲渡することを決議し、同日付で、譲渡契約を締結いたしました。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の研究開発活動で、特記すべきものはありません。