第1 【公開買付要項】

 

1 【対象者名】

株式会社CDG

 

2 【買付け等をする株券等の種類】

普通株式

 

3 【買付け等の目的】

(1) 本公開買付けの概要

公開買付者は、2024年8月8日付で会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下「会社法」といいます。)第370条及び公開買付者定款第24条の規定に基づく取締役会決議に代わる書面(電磁的記録を含みます。以下同じです。)決議により、株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)スタンダード市場に上場している対象者の普通株式(以下「対象者株式」といいます。)の全て(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の一環として、本公開買付けを実施することを決議いたしました。なお、当該決議を書面決議により行ったのは、取締役会を実際に開催して決議を行うために同一時間帯に各取締役の予定を確保することが困難であったためです。

なお、本書提出日現在、公開買付者は、対象者株式を2,510,405株(所有割合(注1)44.21%)所有する対象者の筆頭株主(注2)であり、対象者を実質的に支配していることから連結子会社としております。

(注1) 所有割合とは、対象者が2024年8月9日に提出した第51期半期報告書(以下「対象者半期報告書」といいます。)に記載された2024年6月30日現在の発行済株式総数(6,240,000株)から、対象者半期報告書に記載された同日現在対象者の所有する自己株式数(561,111株)を控除した株式数(5,678,889株)に占める割合(なお、小数点以下第三位を四捨五入しております。)をいいます。以下、所有割合の記載について他の取扱いを定めない限り同じです。

(注2) 対象者半期報告書第3[提出会社の状況]の1[株式等の状況]の(5)[大株主の状況]に記載された2024年6月30日時点の所有株式数によります。

 

本公開買付けにおいては、公開買付者は、買付予定数の下限を1,275,495株(所有割合22.46%)としており、本公開買付けに応募された株券等(以下「応募株券等」といいます。)の合計が買付予定数の下限に満たない場合には、応募株券等の全部の買付け等を行いません。一方、公開買付者は、本公開買付けは、対象者を完全子会社化することを目的とするものであることから、買付予定数の上限を設定しておらず、応募株券等の数の合計が買付予定数の下限以上の場合には、応募株券等の全部の買付け等を行います。

なお、買付予定数の下限は、本公開買付けが成立した場合に公開買付者が所有する対象者の議決権数の合計が対象者の議決権総数(対象者半期報告書に記載された2024年6月30日現在の対象者の発行済株式総数(6,240,000株)から、対象者半期報告書に記載された同日現在の対象者が所有する自己株式数(561,111株)を控除した株式数(5,678,889株)に係る議決権の数である56,788個)の3分の2以上となるよう設定しております。

 

公開買付者は、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的としているため、本公開買付けにより対象者株式の全て(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、後記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「① 株式交換」に記載の株式交換(以下「本株式交換」といいます。)を実施することにより、対象者株式の全て(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得する予定です(但し、本取引における応募株数が下限に満たない場合はこの限りではありません。)。また、本株式交換が実施できない場合には、後記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」の「② 株式併合」に記載の株式併合(以下「本株式併合」といいます。)を実施することにより、対象者株式の全て(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得する予定です(但し、本取引における応募株数が下限に満たない場合はこの限りではありません。)。なお、対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場しておりますが、後記「(5)上場廃止となる見込みがある旨及びその事由」に記載のとおり、本公開買付けの結果次第では、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があり、また、本公開買付けの成立後に、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載の各手続を実施することとなった場合には、所定の手続を経て上場廃止となります。

また、公開買付者は、後記「8 買付け等に要する資金」の「(2) 買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等」の「③ 届出日以後に借入れを予定している資金」に記載のとおり、本公開買付けを含む本取引に要する資金を、株式会社三井住友銀行からの借入れによって賄うことを予定しており、本公開買付けの成立を条件として、本公開買付けに係る決済の開始日の前営業日までに資金調達を受けることを予定しております。

なお、対象者が2024年8月8日付で公表した「当社のその他の関係会社である株式会社CLホールディングスによる当社株式に対する公開買付けに関する賛同の意見表明及び応募推奨に関するお知らせ」(以下「対象者プレスリリース」といいます。)によれば、対象者は、2024年8月8日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けへの応募を推奨する旨を決議したとのことです。対象者の取締役会における意思決定に係る詳細については、対象者プレスリリース及び後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針

① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程

公開買付者は、公開買付者の代表取締役社長である内川淳一郎氏により、販促グッズの企画・製作を目的として、1988年3月に株式会社レッグスとして設立されました。1988年の創業以来、「全従業員の物心両面の幸福の実現」と「個人と会社の目標を一致させる」という経営理念のもと、モノの売れない時代に顧客企業の抱える販促上の課題を解決するマーケティングパートナーとして、マーケティングサービス事業を軸に順調に業容を拡大し、2001年7月に日本証券業協会に株式を店頭登録後、2004年12月にその株式をジャスダック証券取引所に上場し、その後、2015年2月には、東京証券取引所の市場選択の制度により東京証券取引所市場第二部、同年6月には、東京証券取引所市場第一部に上場し、2022年4月の東京証券取引所における市場区分の見直しにより東京証券取引所プライム市場へ移行した後、2023年10月に東京証券取引所スタンダード市場に上場市場を変更し現在に至ります。なお、公開買付者は2022年1月に、持株会社体制へ移行し、商号を株式会社CLホールディングスに変更しております。公開買付者は、株式会社レッグス(公開買付者の完全子会社をいい、以下「レッグス」といいます。)及び対象者を含む国内連結子会社5社及び海外連結子会社3社(2024年8月9日時点)(以下、総称して「公開買付者グループ」といいます。)とともに、公開買付者グループを構成し、持株会社として、グループ各社の経営管理を担っております。

 

公開買付者の属するマーケティング業界は、消費者の消費行動の変化と消費嗜好の多様化に伴い、これまでの大量生産・大量販売を前提にした、広範囲の消費者を画一的にターゲットとするマス広告主体のいわゆる「マス・マーケティング」は限界を迎えつつあり、消費者それぞれの悩みや希望に沿った商品・サービスの情報を、特定の消費者層に向けて提供するようなマーケティング手法が求められつつあります。特定のターゲットに向けていかに強い関係性を築けるかが重要になってくるため、マーケティング活動においても、特定の嗜好を持つコミュニティ、共鳴性の高いファン層をもつコンテンツや、双方向に緊密なコミュニケーションが図れるデジタルツールやソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下「SNS」といいます。)との連携が非常に重要になってきております。また、消費者の消費行動においては、手早く、楽に購入したいという「合理的な買い物」への需要が、デジタル化の進展によって大きな広がりを見せており、その需要がECに吸収されるという流れはより一層加速する一方で、消費者が買い物自体に楽しさという体験価値を求める需要、いわゆる「楽しい買い物」への需要も確実に拡大していると考えております。

このような事業環境の中、公開買付者は、アニメ、キャラクター、映画、音楽、ゲーム等のいわゆるエンターテインメント・コンテンツ(以下「エンタメ・コンテンツ」といいます。)を使った販促グッズの企画・製作を以前より展開しておりましたが、近年は従来の販促グッズの企画・製作にとどまらず、より販促効果や集客効果を得られるエンタメ・コンテンツを活用した様々なマーケティング領域まで業容を拡大し、顧客企業のニーズの変化に応えてまいりました。

現在、世の中に新たなエンタメ・コンテンツが次々と生まれており、ストリーミング技術の進歩などにより消費者がエンタメ・コンテンツに触れる機会が増大しているため、ファンはそのエンタメ・コンテンツとの様々な形の接点を求めていますが、そのエンタメ・コンテンツを使った「楽しい買い物」を消費者に提供するという接点づくりの商業化は、まだ発展途上の段階であり、そこに大きなギャップが存在しているため、潜在的な市場が広がっていると考えております。

公開買付者は、広告及び販促のマーケティング市場、物販市場、エンタメ・コンテンツ市場などの既に顕在化している各種市場にまたがるこの潜在的な領域をエクス・テインメント(注1)市場と呼び、その市場に対して、コアなオリジナルサービスであるPMDサービス(注2)、限定流通サービス(注3)及びテーマカフェサービス(注4)等でアプローチすることで市場開拓を進めており、日本だけでなく世界中の消費者やファンの方々に、様々な形でエンタメ顧客体験価値をお届けするビジネスに力を注いでおります。

また、公開買付者は、中期戦略として「収益力の強化」を掲げ、注力する事業領域を、マーケティングサービス事業領域、エンタメMD事業領域及びエクス・テインメント事業領域の3つに絞り、これらの事業ポートフォリオの最適化を推し進めております。また、グループシナジープロジェクトの進行によるシナジー創出を中心として、継続的に生産性の向上・業務の効率化を図るとともに、人的資本・知的資産・技術資産等の無形資産の強化を進めております。

(注1) 「エクスペリエンス」と「エンターテインメント」を掛け合わせた造語で、エンタメ顧客体験価値のことをいいます。

(注2) プロモーション&マーチャンダイジングサービスの略語で、販促と物販を掛け合わせたサービスのことをいいます。

(注3) 期間限定・場所限定・商品限定のコト需要とコト消費を創り出す流通サービスをいいます。

(注4) エンタメ・コンテンツを活用したカフェ空間、オリジナルメニューや限定グッズなどを通じて体験価値を提供するサービスをいいます。

 

 

一方、対象者プレスリリースによれば、対象者は、対象者の創業者である藤井勝典氏により、和洋紙の加工・販売を目的として1974年4月に株式会社クリエートの商号で設立され、1975年6月よりポケットティッシュの製造を開始したとのことです。また対象者は、1979年以降、企業における販促向け需要の高まりを受け、ポケットティッシュの製造に加え各種セールスプロモーショングッズの企画・製造に業容を拡大させてきたとのことです。具体的には、キャラクターコンテンツを活用した店頭キャンペーンの企画・運営、プロモーショングッズの受発注システムの提供、デジタルデータを活用したフルファネルマーケティングサービス(注5)の提供等、販売市場におけるセールスプロモーショングッズの供給をコア事業とし、顧客課題に合わせて販促周辺領域に進出することで、優良な顧客基盤を構築してきたとのことです。また、その過程において、対象者は、2006年5月に商号を株式会社CDGに変更し、同年6月にジャスダック証券取引所に上場したとのことです。その後、2016年5月に東京証券取引所市場第二部への市場変更を経て、2017年2月に東京証券取引所市場第一部に銘柄指定され、2022年4月の東京証券取引所における市場区分の見直しにより東京証券取引所スタンダード市場へ移行したとのことです。

(注5) 「フルファネルマーケティング」とは、商品やサービスに対する消費者の認知から購買、さらにはリピートに至るまで、消費者の一連の購買プロセスを包括的に捉えながら、ファネルの各ステージに応じて最適な働きかけをするマーケティング手法をいい、「フルファネルマーケティングサービス」とは、かかるマーケティング手法に基づくマーケティングサービスをいいます。

 

近年のマーケティング市場の動向については、社会生活におけるデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」といいます。)の加速や消費者の生活様式・価値観の多様化等を背景に、セールスプロモーションを含むマーケティング環境や活動・手法の変化の速度はますます加速しており、対象者が基軸としていたセールスプロモーション領域は、従来は比較的明確であった広告領域との境界線が曖昧となるだけでなく、これまで領域を別にしていたコンサルティングやデータアナリティクスなどの領域と重なることが増えているなど、事業領域の境界線の曖昧さは増す傾向にあるとのことです。

このような市場環境の中で、2013年以降、対象者及びその連結子会社1社(注6)(以下総称して「対象者グループ」といいます。)は、創業以来培ってきたモノづくりと店頭販促(リアル)のノウハウに加え、ここに消費者とダイレクトなコミュニケーションを図れるデジタルマーケティング、そして認知の起点としてのIP(コンテンツ、キャラクター、タレント、デザインやキャッチコピーなどをいいます。)を掛け合わせることで、他社との差別化を図れると考え、これを実現するための多種多様な協力会社とのネットワークと複数の機能を組み合わせるプロデュース力・ソリューション力を競争力の源泉に、その他コアコンピタンス(強み)である品質管理力、幅広い顧客群への展開力を武器として、「IP×デジタル×リアル」によってセールスプロモーション領域を深耕するとともに新たな事業を創出し、競争力及び収益力の向上に取り組んでいるとのことです。

(注6) 本書提出日現在の連結子会社数です。

 

公開買付者と対象者の資本関係は、公開買付者(当時の商号は株式会社レッグス)が2019年11月27日に公表した「株式会社CDG株式(証券コード2487)に対する公開買付けの開始及び資本業務提携契約の締結に関するお知らせ」に記載のとおり、2019年11月27日付で資本業務提携契約(以下「資本業務提携契約」といいます。)を締結し、その後対象者を公開買付者の持分法適用会社とすることを目的として実施した対象者株式を対象とした公開買付け(以下「2019年公開買付け」といいます(注7)。)において、買付予定数の下限 (2,349,790株)を上回る数の応募がなされ、公開買付者が応募された株券等の全部の買付けを行い、2019年公開買付けが成立したことに始まります。その後、公開買付者は国際財務報告基準(IFRS)の適用に伴い、2022年1月より対象者を公開買付者の連結子会社といたしました。

(注7) 2019年公開買付けは、買付予定数の上限を2,543,400株、下限を2,349,790株、対象者株式1株当たりの買付け等の価格を1,423円(以下「2019年公開買付価格」といいます。)、公開買付期間を2019年11月28日から2019年12月25日までとして実施し、応募された株券等の数の合計 (2,510,405株)が買付予定数の下限 (2,349,790株)に達し、かつ、買付予定数の上限 (2,543,400株)を超えなかったため、公開買付者は応募された株券等の全部の買付けを行いました。

 

 

公開買付者は、対象者との間で、顧客ニーズの多様化・複雑化・高度化が進むマーケティングサービス領域において、公開買付者及び対象者の各々の強みを掛け合わせて事業連携を加速させ、公開買付者及び対象者の収益拡大並びに企業価値及び財務基盤の向上を企図とし、上述のとおり2019年11月27日に資本業務提携契約を締結いたしました。その後、資本業務提携契約に基づく協業として、公開買付者及び対象者は、人材面に関しては、公開買付者と対象者との間での経営幹部の相互派遣のみならず、営業・企画などの実務レベルでの人材出向などによって両社の関係の強化を進めてきました。また、グループの経営理念やフィロソフィを共同で策定し、グループの従業員に浸透させる努力を続けております。さらに、事業面に関しても、社内外向け各種サービスの共同開発及び共通利用を通じたコストの削減を図りました。加えて、公開買付者及び対象者がそれぞれに強みを持つソリューション(例えば、エンタメ・コンテンツ、販促や物販の手法等をいいます。以下同様です。)・商材を相互に理解し、提供しあうことで、それぞれのソリューションの提供力の向上や商材の拡充を図ること、並びにこれらのソリューションの提供力の向上や商材の拡充を踏まえて、それぞれの顧客基盤での顧客ニーズの深耕等を図ることを実施してまいりました。これら対象者との協業により、当初の目的であった持分法適用会社化による企業価値の向上にむけた公開買付者と対象者間の連携ができており、一定程度のシナジー効果が発揮されていると認識しております。

公開買付者は、2022年1月より対象者を連結子会社化した後も、資本業務提携契約に基づく協業を続けておりますが、ITの進化によりインターネット検索やSNSなどが多くの人に利用されるようになった結果、消費者は様々な商品に関する膨大な情報を毎日のように取得することが可能になり、商品の情報を集めやすくなったことで、消費者が持つ選択肢は拡大し、その選択肢の中から特定の商品を手に取ってもらうための販促手法はさらに重要性が増してきております。一方で、大手広告代理店やIT専業の広告会社等の新たな競合企業の参入により、従来のような販促市場への対応機能強化や、同じく物販市場への対応機能強化といった、従来からの市場の括りでの視点では顧客企業の経営課題を捉えることができなくなってきており、加えて消費者ニーズの多様化や高齢化及び人口減少等により販促市場の成長性の不透明感が増してくることが予測されるなか、今まで以上に多種多様なサービスを機動的に顧客へ提供していかなければ、公開買付者グループが提供するサービスの優位性の維持は難しくなってくると認識しております。公開買付者としては、公開買付者グループが今後の事業を拡大していく上で、公開買付者と対象者との間での営業情報及びソリューション・商材、ノウハウ、顧客基盤や各種人材等の経営資源(以下「両社の経営資源」といいます。)を個別案件の初期段階から相互に利用可能とすることにより、スピード感をもって提案活動や意思決定を行えるようにしていくことが必要であると考えております。

 

他方で、公開買付者と対象者の経営資源をこれまで以上に相互活用する際には、その有用性や取引としての客観的な公正性について、対象者の少数株主を含む各ステークホルダーの利益を考慮した慎重な検討が必要になりますが、対象者と公開買付者がそれぞれ上場企業として独立した経営を行っている現状においては、例えば、出向等を通じて公開買付者グループ内において人材配置の最適化を行う場合、それぞれが保有する情報の出所を厳密に管理し、情報の流用や漏洩が生じないようにしなればならないため、経理業務や人事業務などを共有化できなかったり、相互にノウハウの共有ができなかったりするなど、対象者の少数株主の利益を慎重に配慮する必要があり、迅速かつ柔軟な意思決定を行う上での制約が存在する状況にあります。また、公開買付者の対象者株式の所有割合が44.21%に留まる状況において公開買付者から対象者に経営資源を提供する場合には、利益の一部が公開買付者外に流出するといった問題が指摘される可能性もあり、公開買付者としても、対象者を含む公開買付者の企業価値向上を図るための機動的かつ効果的な施策を実行することに慎重とならざるを得ず、この点でも迅速かつ柔軟な意思決定を行う上での制約が存在する状況にあります。更に、昨今、上場子会社のガバナンスに関し、コーポレートガバナンス・コードの改訂、資本市場に対する規制の強化等により、上場親子会社間における構造上の利益相反リスクとその対応策の強化を求める動きが高まっているところ、今後、対象者の上場維持を前提に、両社の経営資源の相互活用を進めるに際しては、より一層対象者の少数株主の利益を考慮した慎重な検討が求められることとなり、これに向けた意思決定を迅速に行うことが困難になることが想定されます。

この点、2019年公開買付けの決定時点では、公開買付者は、対象者との間で一定の資本関係を構築することを目的としており、対象者を完全子会社化する必要性までは認識しておらず、そのため公開買付者は対象者の上場維持を前提に、独立した上場会社としての自立的な経営を尊重する考えでおりました。そのため、2019年11月の持分法適用会社化以降の公開買付者と対象者との間における両社の経営資源の活用は、限定的な運用に留まり、このような運用となることは2019年公開買付けの決定時点において既に認識しておりました。

 

しかしながら、その後、2020年2月以降の新型コロナウィルスの世界的な蔓延によって消費者に行動制限が課されるようになると、消費者の需要がECに集中することとなり、有効なマーケティング手法としても、店舗等のオフラインを基軸とした従来の手法からのデジタルシフトが急速に進みました。特に、消費者との間で双方向かつ緊密なコミュニケーションを図ることができるデジタルツールやSNSの活用がマーケティング手法においても必要不可欠となり、マーケティングサービスのDXが、公開買付者グループの成長においても急務となりました。

このような事業環境の急速な変化を受け、公開買付者グループ内においても、2020年2月以降、デジタルを用いた新たなマーケティング手法の開発や展開という顧客ニーズに対応するため、公開買付者、公開買付者の完全子会社であるレッグス、及び対象者の間で、会社を横断したプロジェクトを組成することや、相互に保有するノウハウを活用し合う機会が多くなりました。公開買付者及び公開買付者の完全子会社であるレッグスは、エンタメ・コンテンツを用いたマーケティング手法に強みを有し、他方対象者は、デジタルツールやSNSを活用したデジタルプロモーションサービスやデジタルデータを活用したフルファネルマーケティングサービスの提供にとどまらず、プロモーショングッズの受発注システムの提供まで行うなど、デジタルマーケティングの領域に知見を有していると考えており、2020年2月以降はこのような双方の強みを生かし、事業環境の急速な変化に対応し、顧客ニーズへの対応及びその深掘りを行ってまいりました。このような中、2019年公開買付けの決定時点においては許容していた、両社の経営資源の活用が限定的な運用となってしまうというデメリットが次第に顕在化してきたため、公開買付者は、対象者が独立した上場会社として自立的な経営を行うよりも、両社の経営資源の活用を行う際に生じる制約を全て解消した上で全面的に経営資源の相互活用を行う方が、対象者を含む公開買付者グループ全体においても成長に資するものであると考えるようになりました。

これらの流れを受け、公開買付者は、コロナ禍が収束しはじめた2023年5月上旬には、公開買付者が対象者を完全子会社とし、公開買付者と対象者を更に一体化することにより、それぞれが保有する技術や製品・サービスの融合や顧客基盤等の共有を推進し、幅広い事業領域においてプレゼンスを高め、両社の更なる中長期的な企業価値向上を図ることが急務であるものと考えるに至りました。

公開買付者は、公開買付者が対象者を完全子会社化することによる双方の相乗効果について、以下のとおりと考えております。

 

<迅速かつ柔軟な意思決定及び経営戦略の実行による競争力強化>

公開買付者及び対象者は、共通の経営理念のもとで事業を行っておりますが、両社がそれぞれの株主に配慮しながら、両社の取締役会でそれぞれ経営の意思決定を行っているため、仮に意思決定の方向性が異なる場合は、グループとしての方向性を整えるための調整や修正の必要性が生じ、上場子会社を含むグループの意思決定構造は複雑となっております。競争環境が激化しているマーケティング業界において、お客様へ最良のサービスを提供していくためには、迅速な意思決定及び経営戦略の実行、時にそれらを柔軟に修正していくことが必要不可欠と考えております。公開買付者が対象者を完全子会社化することで、対象者は独立した上場会社としてのガバナンス体制を対象者が単独で構築する必要性は薄れ、体制のスリム化を図ることができるとともに、異なるステークホルダーの利益を考慮する必要がなくなるため、意思決定の構造はシンプルになり、経営戦略の迅速かつ円滑な実行が期待できると考えております。前述のとおり、業界を取り巻く外部環境の変化が激しいため、お客様のニーズの変化のスピードも速く、お客様に提供する商品・サービスはその変化に合わせて改良・改善し、進化させる必要があります。迅速な意思決定及び経営戦略の実行により、お客様に対していち早くお客様のニーズにあった新しい商品・サービスを展開し浸透させていくことで、今後新しく獲得していく営業ノウハウや営業チャネル、顧客データを活用した営業戦略の立案・実行を今まで以上に迅速に行うことが可能となり、お客様へ最良のサービスを提供することができるようになる点で、公開買付者及び対象者の競争力強化につながるものと考えております。

 

 

<人材の有効活用を含む経営資源の最適化>

対象者が上場を維持している現在の資本関係においては、親会社である公開買付者から独立して対象者が運営を継続できる体制を確保する必要があるため、組織・体制の構築における人材の流動化を含む資産の集約・相互活用・再配分等による経営資源の最適化を公開買付者グループとして進めることが難しい状況となっております。一方で、公開買付者による対象者の完全子会社化後は、対象者の独立性の確保に囚われずにグループ一体となった運営が叶うことから、このような状況が解消され、対象者を含めた公開買付者グループの経営資源を最適化することが可能となると考えております。また、資産の集約・相互活用・再配分等による経営資源の最適化によって、管理体制等について対象者への支援を厚くすることや、コーポレート部門の共通化等、公開買付者のコーポレート機能を対象者が活用することが可能となり、対象者にとってはより事業遂行に専念できる環境が整うことで、売上の拡大とともに収益性が高まるものと考えております。更に、組織・体制の構築における人材の流動化が進むことによって、公開買付者グループに属するほぼ全ての企業・部門にて、人材の交流機会を提供するとともに、グループ内人材の適材適所の人員再配置が可能となり、公開買付者グループ内人材の有効活用を含む経営資源の最適化が実現できると考えております。

 

<親子上場に係る潜在的な利益相反問題の可能性の排除及び上場維持コストなどの負担軽減>

公開買付者と対象者がともに上場会社として独立した事業運営を行っている現状においては、両社の経営資源の相互活用に際し、その有用性、取引としての客観的な公正性について対象者の少数株主の利益を考慮した慎重な検討を要する等、潜在的な利益相反構造があり、対象者少数株主の皆様の利益にも配慮した慎重な判断を要しておりましたが、対象者を完全子会社化することでそれが解消されるものと考えております。また、本取引を通じて対象者株式を非公開化することにより、これまで対象者に生じていた監査費用や株主総会の開催に係る費用、株主管理に係る費用等の上場維持コストの負担が軽減されるものと考えております。

 

なお、上場廃止に伴う一般的なデメリットとして、資本市場から資金調達を行うことができなくなることが想定され、対象者の上場廃止を行う際にも同様の懸念が生じ得るところですが、2024年6月30日時点における対象者の自己資本比率(注8)は83.9%であり、対象者の財務状況を考慮するとエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性はないものと想定しており、金融機関からの資金調達にも影響はないと考えております。また、対象者においては、上場会社であることが採用活動において有利に働いていたと考えられるところ、上場廃止後の採用活動は上場企業である公開買付者のグループ会社の一員として実施することから、悪影響は及ぼさないものと考えております。

(注8) 対象者半期報告書第1[企業の概況]の1[主要な経営指標等の推移]に記載された2024年6月30日時点の自己資本比率によります。

 

上記背景、目的や期待する相乗効果の観点から、公開買付者は、対象者を完全子会社化し、両社の連携を更に深め経営資源を集中していくことで、両社の更なる企業価値向上の実現が可能であると判断いたしました。

そこで、2024年3月上旬に公開買付者及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバイザーとして株式会社SBI証券(以下「SBI証券」といいます。)を、公開買付者及び対象者から独立したリーガル・アドバイザーとして弁護士法人漆間総合法律事務所をそれぞれ選任しました。そして、公開買付者は、本取引の具体的な手法につき、下記に記載の本株式交換のメリット等を考慮し、本公開買付けにおいて対象者を完全子会社化することができない場合には、スクイーズアウトの手段として本株式交換を実施する方法によることを主たる選択肢とすることが望ましいと判断し、2024年4月25日に、対象者を完全子会社化することを目的とした本取引に関する意向表明書(以下「本意向表明書」といいます。)を対象者へ提出しました。2024年5月22日、公開買付者は対象者より、本意向表明書の内容について検討する旨の連絡を受けました。

 

なお、公開買付者は、①対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けにおいてその所有する対象者株式を売却いただくことでより早期の金銭対価を受領する機会を提供する一方で、本公開買付けに応募されなかった株主の皆様には、本株式交換による公開買付者の普通株式の取得を通じて、本取引後に公開買付者の株主として本取引によって実現されるシナジー及び対象者を含む公開買付者グループの企業価値の向上の利益を享受いただける選択肢を確保いただけること、② 対象者グループの一部の取引先は対象者株式を所有しており、当該資本関係が対象者グループと当該取引先との関係性の構築・維持にも寄与しているため、完全子会社化の手法として本株式交換によることで、対象者株主に対して本取引の中で公開買付者株式を所有する選択肢を提供することができること、③本株式交換後においては、公開買付者の普通株式は東京証券取引所スタンダード市場において取引が可能であり、株式交換を希望される株主の皆様に対しても引き続き所有株式の流動性を確保できることから、本株式交換を希望される株主の皆様においても、随時現金化することが可能であること、並びに④公開買付者においても本取引における資金負担を抑え、その資金を成長投資へと充当することが可能であることから、2024年4月25日に対象者へ提出した本意向表明書において、本取引の内容として、本公開買付けを実施した上で、完全子会社化を実現するためのスクイーズアウトの手続として、公開買付者の株式を対価とする株式交換の手法を用いることを提案しておりました。対象者からは、公開買付者が対象者から本意向表明書の内容について検討する旨の連絡を受けた2024年5月22日に、併せて同手法を用いることの是非も含めて検討を進める旨の初期的な回答を得ました。

その後、公開買付者は、本取引の実現可能性を精査するため、2024年6月の上旬から2024年7月の中旬まで対象者グループに関するデュー・ディリジェンスを実施しました。

一方で、公開買付者は、対象者において2024年6月6日に開催された取締役会決議に基づき設置された特別委員会(以下「本特別委員会」といいます。なお、本特別委員会の設置に係る経緯、検討に係る経緯及び判断内容については、「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)より、公開買付者が本取引によって見込まれると考えるシナジーを具体的に検証すること等を目的として、2024年6月18日に、① 本取引の目的の合理性(本取引後の対象者の経営方針、本取引が対象者の企業価値の向上に資するかを含む。)、② 本取引の取引条件(本取引における対価・交換比率を含む。)の妥当性、③本取引に至る交渉過程等の手続きの公正性、④上記①~③を踏まえ、本取引が対象者の一般株主にとって不利益ではないかについて書面による質問を受け、同年6月26日に、本特別委員会に対して当該質問事項について書面で回答をいたしました。当該回答を踏まえて、公開買付者は、本特別委員会より、同年7月2日にインタビューの実施を受け、上記①~④に関して口頭で説明いたしました。その後、対象者からは、公開買付者が提案・説明した上記①乃至④の内容について、再質問、意見又は提案は受けておりません。

 

その後、公開買付者は、対象者との間で、以下のとおり、本公開買付けにおける対象者株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)及び本株式交換に係る交換比率についての協議・検討を続けてきました。

 

公開買付者は、2024年7月中旬以降、本公開買付価格について対象者との間で協議・交渉を開始しました。具体的には、公開買付者は、2024年7月17日、対象者に対し、対象者が作成した2024年12月期から2026年12月期までの事業計画(以下「本事業計画」といいます。)に基づき対象者の将来キャッシュフローを算出する方法による株式価値評価を重視しつつ、類似上場会社と比較した際の株価水準も勘案し、本公開買付価格を1,500円とする旨の提案を行いました(以下「第1回提案」といいます。)。これは、提案日の前営業日である2024年7月16日の対象者株式の終値1,269円に対して18.20%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じとします。)、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,291円(円未満を四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じとします。)に対して16.19%、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,288円に対して16.46%、直近6ヶ月の終値平均値1,265円に対して18.58%のプレミアムをそれぞれ加えた価格になります(以下「第1回提案価格」といいます。)。

 

かかる第1回提案に関し、公開買付者は、2024年7月18日、対象者より、第1回提案において公開買付者が対象者に提示した第1回提案価格は対象者の一般株主利益保護の観点から十分な内容となっていない、より具体的には、第1回提案価格におけるプレミアムは、経済産業省が「公正なM&Aの在り方に関する指針」を公表した2019年6月28日以降2024年6月30日までに公表された、親会社による上場子会社の完全子会社化を目的とした公開買付けの他の事例64件(以下「他の事例」といいます。)におけるプレミアムの中央値(公表日の前営業日の終値に対して40.52%、直近1ヶ月間の終値単純平均値に対して42.58%、直近3ヶ月間の終値単純平均値に対して39.83%及び直近6ヶ月間の終値単純平均値に対して37.95%をいいます。以下「本プレミアム中央値」といいます。)との比較において、低いプレミアムであるとして、公開買付者において第1回提案価格を再検討していただきたい旨の回答を書面にて受領しました。

これを受けて、公開買付者は、対象者に対し、2024年7月22日、第1回提案において提示した第1回提案価格の背景につき説明を行うとともに、第1回提案と同様に本事業計画を基に計算された将来キャッシュフローをもとにした株式価値評価を重視しつつ、類似上場会社と比較した際の株価水準も勘案した結果である旨を説明した上で、改めて第1回提案において公開買付者が対象者に提示した1,500円(これは、提案日の前営業日である2024年7月19日の対象者株式の終値1,279円に対して17.28%、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,284円に対して16.82%、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,287円に対して16.55%、直近6ヶ月の終値平均値1,267円に対して18.39%のプレミアムをそれぞれ加えた価格になります。以下「第2回提案価格」といいます。)を本公開買付価格とすることを検討いただきたい旨を書面にて連絡いたしました(以下「第2回提案」といいます。)。

かかる第2回提案に関し、公開買付者は、2024年7月25日、対象者より、第2回提案において提示した第2回提案価格につき、過去の業績推移や平均的な成長率を踏まえて本事業計画を見直して株式価値評価を行っているが、株式価値評価においては他の事例における本プレミアム中央値をも考慮にいれるべきであるから、再度本公開買付価格の見直しを検討していただきたい旨の回答を書面にて受領しました。

これを受けて、公開買付者が再検討した結果、公開買付者は、対象者に対し、2024年7月29日、本事業計画を過去の実績に照らして見直した上で改めて株式価値評価を行い、本公開買付価格を1,600円(これは、提案日の前営業日である2024年7月26日の対象者株式の終値1,290円に対して24.03%、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,276円に対して25.39%、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,286円に対して24.42%、直近6ヶ月の終値平均値1,269円に対して26.08%のプレミアムをそれぞれ加えた価格になります。以下「第3回提案価格」といいます。)とすることを提案いたしました(以下「第3回提案」といいます。)。

かかる第3回提案に関し、公開買付者は、2024年7月31日、対象者より、第3回提案において提示を受けた第3回提案価格につき、本事業計画の達成を通じて対象者株主が本来享受することが見込まれるシナジーが考慮された水準とは評価できないため、公開買付者において第3回提案価格を再検討していただきたい旨の回答を書面にて受領しました。

これを受けて、公開買付者が再検討した結果、公開買付者は、対象者に対し、2024年8月2日、対象者の事業計画や資産を改めて評価して株式価値を算定し、本公開買付価格を1,650円(これは、提案日の前営業日である2024年8月1日の対象者株式の終値1,251円に対して31.89%、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,273円に対して29.62%、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,284円に対して28.50%、直近6ヶ月の終値平均値1,271円に対して29.82%のプレミアムをそれぞれ加えた価格になります。以下「第4回提案価格」といいます。)とすることを提案いたしました(以下「第4回提案」といいます。)。

かかる第4回提案に関し、公開買付者は、2024年8月5日、対象者より、第4回提案において提示を受けた第4回提案価格につき、一般株主の利益確保の観点から公開買付者において第4回提案価格を再検討していただきたい旨の回答を書面にて受領しました。

これを受けて、公開買付者が本事業計画を改めて再検討した結果、公開買付者は、対象者に対し、2024年8月6日、本公開買付価格を1,680円(提案日である2024年8月6日の対象者株式の終値1,168円に対して43.84%、直近1ヶ月間の終値単純平均値1,258円に対して33.55%、直近3ヶ月間の終値単純平均値1,278円に対して31.46%、直近6ヶ月の終値平均値1,269円に対して32.39%のプレミアムをそれぞれ加えた価格。以下「第5回提案価格」といいます。)とすることを提案いたしました(以下「第5回提案」といいます。)。

その結果、公開買付者は、2024年8月7日、対象者より、対象者取締役会にて承認されることを条件として、本公開買付価格を1,680円とする第5回提案に同意する旨の回答を書面にて受領しました。

 

 

また、公開買付者は、2024年7月下旬以降、本株式交換に係る交換比率について対象者との間で協議・交渉を行いました。公開買付者は、対象者に対し、2024年7月29日、本株式交換における株式交換比率を決定するにあたり、対象者株式の評価は本公開買付価格と同一の価格にすること及び公開買付者の普通株式の評価については、本株式交換に係る株式交換契約締結日の前営業日を基準とした市場株価法(注9)を採用する旨を提案しました。なお、公開買付者の普通株式の評価方法について、公開買付者は、本株式交換の効力発生日の前営業日を基準とした市場株価法を採用することも検討いたしましたが、株式交換比率を決定した上で公開買付者及び対象者において開催予定の臨時株主総会に付議することにより適正な判断を仰ぐことができるものと考え、上述の方法を採用しており、この点について、2024年8月1日に対象者に対して説明を行いました。また、公開買付者は、対象者株主に生じ得る不利益についても検討いたしましたが、対象者株式の価格は公開買付価格と同一の価格を基準としていることから、本公開買付け終了後から本株式交換の効力発生日までのどの時点を基準として株式交換比率を決定するとしても対象者株主には公開買付価格と同等の経済的価値が交付されるといえること、また株式交換比率を含め本株式交換に反対する対象者株主は会社法の定めに従い対象者に対して株式買取請求を行うことができること、またその公正性は本特別委員会においても十分に検討される予定であることから、対象者株主の保護という観点でも十分な対処を講じているものと考え、上述の提案をいたしました。

公開買付者は、2024年8月5日、対象者から、本株式交換における株式交換比率について、対象者株式の評価は本公開買付価格と同一の価格にすること、及び公開買付者の普通株式の評価は本株式交換に係る株式交換契約締結日の前営業日を基準とした市場株価法により行うことに同意する旨の回答を受けました。

(注9) 「市場株価法」とは、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の基礎」に記載の方法をいい、公開買付者及び対象者は、第三者算定機関が市場株価法により算出した株式価値の範囲に基づき、対象者において本特別委員会による検討・交渉過程における交渉方針に関する助言及び株式交換比率の公正性に関する答申書の提出、並びに独立したリーガル・アドバイザーからの助言を受けることにより取引条件の公正性を担保するための措置を十分に講じた上で、公開買付者と対象者のそれぞれの株主の皆様の利益に十分に配慮して公開買付者の普通株式の評価を行います。以下、本株式交換における株式交換比率を決定するにあたり公開買付者の普通株式の評価を行う方法としての「市場株価法」について同様です。

 

これらの協議・交渉を経て、公開買付者は、2024年8月8日付で会社法第370条及び公開買付者定款第24条の規定に基づく取締役会決議に代わる書面決議により、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的として、本公開買付価格を1,680円とする本公開買付けを行うことを、公開買付者の取締役8名のうち、対象者の取締役を兼任している取締役3名(内川淳一郎氏、小西秀央氏、米山誠氏をいいます。)を除く取締役5名の全員一致で決議いたしました。

 

② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由
ⅰ 公開買付者からの提案及び検討体制の構築の経緯

対象者プレスリリースによれば、対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由は以下のとおりとのことです。

対象者は、上記「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載のとおり、2024年4月25日に、公開買付者より、対象者を完全子会社化することを目的とした本取引に関する本意向表明書を受領したとのことです。本意向表明書の提出を受け、対象者は、専門家への初期対応の相談や、アドバイザー候補者との面談等の準備を並行して行いつつ、2024年5月22日、公開買付者に対して、本意向表明書の内容について検討する旨を連絡したとのことです。対象者は、本意向表明書の内容について検討するため、2024年6月上旬に、本取引に関して、公開買付者及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関として株式会社アイ・アール ジャパン(以下「アイ・アール ジャパン」といいます。)を、公開買付者及び対象者から独立した会計・税務アドバイザーとして有限責任あずさ監査法人及びKPMG税理士法人を、公開買付者及び対象者から独立したリーガル・アドバイザーとして弁護士法人大江橋法律事務所(以下「大江橋法律事務所」といいます。)をそれぞれ選任したとのことです。

 

また、下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として本公開買付け後に本株式交換が実施されることが想定されていることから、本株式交換を含む本取引の実行に重大な支障をきたす問題点が存在しないことを確認するために、対象者は、2024年6月上旬に、大江橋法律事務所、有限責任あずさ監査法人及びKPMG税理士法人に対して、公開買付者に対するデュー・ディリジェンスの実施を依頼したとのことです。そして、本取引の検討及び公開買付者との本取引に係る協議及び交渉を行うにあたり、本公開買付けは支配株主による公開買付けには該当しないものの、公開買付者による対象者株式の所有割合は44.21%となっており、公開買付者は対象者の主要株主兼筆頭株主であることから、対象者における本取引の検討の過程において構造的な利益相反の問題及び一般株主との間の情報の非対称性の問題がないとは言い切れないことに鑑み、これらの問題に対応し、本取引の公正性を担保するため、大江橋法律事務所の助言を踏まえ、公開買付者から独立した立場で、対象者の企業価値の向上及び対象者の一般株主の皆様の利益の確保の観点から本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制の構築を開始したとのことです。

具体的には、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、2024年6月6日開催の取締役会における決議により、大坪教光氏(対象者社外監査役(常勤))、剱持健氏(対象者社外取締役・公認会計士)、宗次涼子氏(対象者社外取締役)の3名から構成される本特別委員会を設置し、本特別委員会に対し、① 本取引の目的の合理性(本取引後の対象者の経営方針、本取引が対象者の企業価値の向上に資するかを含む。)、② 本取引の取引条件(本取引における対価・交換比率を含む。)の妥当性、③本取引に至る交渉過程等の手続きの公正性、④上記①~③を踏まえ、対象者取締役会が本取引を行う旨(本公開買付けに賛同する旨の意見を表明すると共に、対象者株主に対して本公開買付けに応募することを推奨すること、及び本株式交換を取締役会として承認すること。)の意思決定をすることが適切かを勧告し、また対象者の一般株主にとって不利益ではないかについて意見を述べ、最終的に答申書にまとめ、対象者取締役会に提出すること(以下、これらを総称して「本諮問事項」といいます。)について諮問したとのことです。また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本特別委員会を対象者取締役会から独立した合議体として位置付け、本取引に関する意思決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には本取引を行う旨の意思決定を行わないこと、及び対象者が公開買付者と本取引の取引条件等について交渉するにあたり、本特別委員会に適時にその状況を報告し、重要な局面でその意見、指示及び要請を受けることを決議するとともに、本特別委員会が必要と認めるときは、対象者の費用負担の下、独自の弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを選任することができること、及び本特別委員会は、対象者の費用負担の下、その職務に関連する調査(本取引に関係する対象者の役員若しくは従業員又は本取引に係る対象者のアドバイザーに対し、その職務に必要な事項について質問を行い、説明又は助言を求めることを含みます。)を行うことができること等を決議したとのことです。さらに、対象者は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑤ 対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行うための体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)を対象者の社内に構築するとともに、かかる検討体制に独立性及び公正性の観点から問題がないことについて本特別委員会の承認を受けたとのことです。

 

ⅱ.検討・交渉の経緯

上記のような体制の下、対象者は、本特別委員会により事前に確認された交渉方針や交渉上重要な局面における意見、指示及び要請等に基づいた上で、アイ・アール ジャパン及び大江橋法律事務所から助言を受けながら、2024年6月の上旬から2024年7月の中旬まで公開買付者による対象者グループに関するデュー・ディリジェンスを受け入れたとのことです。

 

一方で、本特別委員会においても、公開買付者が本取引によって見込まれると考えるシナジーを具体的に検証すること等を目的として、2024年6月18日に、公開買付者に対し、① 本取引の目的の合理性(本取引後の対象者の経営方針、本取引が対象者の企業価値の向上に資するかを含む。)、② 本取引の取引条件(本取引における対価・交換比率を含む。)の妥当性、③本取引に至る交渉過程等の手続きの公正性、④上記①~③を踏まえ、本取引が対象者の一般株主にとって不利益ではないかについて書面による質問をし、同年6月26日に公開買付者から当該質問事項について書面による回答を受け、当該回答を踏まえて、本特別委員会は、同年7月2日に公開買付者に対するインタビューを実施し、公開買付者から上記①~④に関する口頭の説明も受けたとのことです。

また、本意向表明書において、本取引において予定されている本株式交換について、公開買付者の株式が対価とされていたため、本株式交換において公開買付者の株式が対価とされることが対象者株主の利益に資するか否かという点、及び現金を対価とする場合と比較して対象者株主の利益に重大な差異が生じるか否かという点を検討したとのことです。具体的には、本株式交換の対価を公開買付者の株式とする場合、本公開買付けに応募しない対象者の株主は、本取引後に公開買付者の株主として本取引によって実現されるシナジー及び対象者を含む公開買付者グループの企業価値の向上の利益を享受することができること、公開買付者の普通株式は東京証券取引所スタンダード市場において取引が可能であり、株式の流動性が確保されること、並びに対象者グループの一部の取引先は対象者株式を所有しており、当該資本関係が対象者グループと当該取引先との関係性の構築・維持にも寄与していると認識しており、完全子会社化の手法として本株式交換によることで、対象者株主に対して本取引の中で公開買付者株式を所有する選択肢を提供することができることから、対象者の依頼を受けて大江橋法律事務所及び有限責任あずさ監査法人及びKPMG税理士法人が実施した公開買付者に対する法務、財務及び税務に関するデュー・ディリジェンスの結果も確認の上、本株式交換の対価を公開買付者の株式とすることは少数株主の皆様の利益にも資するものであり、現金を対価とする場合と比較して対象者株主の利益に重大な差異が生じるものでないと判断したとのことです。

 

対象者は、2024年7月中旬以降、本公開買付価格について公開買付者との間で協議・交渉を開始したとのことです。具体的には、対象者は、2024年7月17日に、公開買付者より、本事業計画に基づき対象者の将来キャッシュフローを算出する方法による株式価値評価を重視しつつ、類似上場会社と比較した際の株価水準も勘案したものとして、本公開買付価格を第1回提案価格である1,500円とする第1回提案を書面にて受領したとのことです。

かかる第1回提案に関し、対象者は、本特別委員会から聴取した意見、並びにアイ・アール ジャパン、大江橋法律事務所から聴取した意見を踏まえて検討を行った上で、2024年7月18日に、対象者の一般株主利益保護の観点から十分な内容となっていない、より具体的には、第1回提案価格におけるプレミアムは、他の事例における本プレミアム中央値との比較において、低いプレミアムであるとして、公開買付者に対し本公開買付価格の再検討を要請したとのことです。

その後、対象者は、公開買付者より、2024年7月22日、第1回提案において提示した本公開買付価格の背景につき説明を受けるとともに、第1回提案と同様に本事業計画を基に計算された将来キャッシュフローをもとにした株式価値評価を重視しつつ、類似上場会社と比較した際の株価水準も勘案した結果である旨の説明を受けた上で、改めて第1回提案において公開買付者が対象者に提示した第1回提案価格を第2回提案価格として検討いただきたい旨の第2回提案を書面にて受領したとのことです。かかる第2回提案に関し、対象者は、2024年7月25日、公開買付者に対し、第2回提案において提示された第2回提案価格である1,500円につき、第2回提案価格は過去の業績推移や平均的な成長率を踏まえて本事業計画を見直して株式価値評価を行っているが、株式価値評価においては他の事例における本プレミアム中央値をも考慮にいれるべきであるから、再度本公開買付価格の見直しを検討していただきたい旨の回答を書面にて提出したとのことです。

 

その後、対象者は、公開買付者より、第2回提案に対する対象者の回答を踏まえ、本事業計画を過去の実績に照らして見直した上で改めて株式価値評価を行ったものとして、2024年7月29日、本公開買付価格を第3回提案価格である1,600円とする第3回提案を受領したとのことです。かかる第3回提案に関し、対象者は、2024年7月31日、公開買付者に対し、第3回提案において提示を受けた第3回提案価格である1,600円につき、本事業計画の達成を通じて対象者株主が本来享受することが見込まれるシナジーが考慮された水準とは評価できないため、公開買付者において本公開買付価格を再検討していただきたい旨の回答を書面にて提出したとのことです。

その後、公開買付者が再検討した結果、対象者は、公開買付者より、対象者の事業計画や資産を改めて評価して株式価値を算定したものとして、2024年8月2日、本公開買付価格を第4回提案価格である1,650円とする第4回提案を受領したとのことです。かかる第4回提案に関し、対象者は、2024年8月5日、公開買付者に対し、第4回提案において提示された第4回提案価格である1,650円につき、一般株主の利益確保の観点から、公開買付者において本公開買付価格を再検討いただきたい旨の回答を書面にて提出したとのことです。その後、公開買付者が再検討した結果、対象者は、公開買付者より、2024年8月6日、本事業計画を改めて再検討したものとして、本公開買付価格を第5回提案価格である1,680円とする第5回提案を受領したとのことです。

その結果、対象者は、2024年8月7日、対象者取締役会にて承認されることを条件として、本公開買付価格を1,680円とする第5回提案に同意する旨の回答を書面にて提出したとのことです。

 

さらに、対象者は、2024年7月下旬以降、本株式交換に係る交換比率について本公開買付者との間で協議・交渉を行ったとのことです。対象者によれば、対象者は、公開買付者より、2024年7月29日、本株式交換における株式交換比率を決定するにあたり、対象者株式の評価は本公開買付価格と同一の価格にすること及び公開買付者の普通株式の評価については、本株式交換に係る株式交換契約締結日の前営業日を基準とした市場株価法を採用する旨の提案を受けたとのことです。対象者は、2024年8月5日、公開買付者に対して、本株式交換における株式交換比率について、対象者株式の評価は本公開買付価格と同一の価格にすること、及び公開買付者の普通株式の評価は本株式交換に係る株式交換契約締結日の前営業日を基準とした市場株価法により行うことに同意する旨を回答したとのことです。

 

ⅲ.対象者の意思決定の内容

以上の検討・交渉過程において、本特別委員会は、適宜、対象者や対象者のファイナンシャル・アドバイザーであるアイ・アール ジャパン及びリーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所から報告を受け、公開買付者から提示された価格の確認及びそれらの価格に対する意見の申述等を行ったとのことです。具体的には、対象者が作成した本事業計画の内容、重要な前提条件及び作成経緯等の合理性について本特別委員会の確認を受け、その承認を受けたとのことです。また、対象者のファイナンシャル・アドバイザーは、公開買付者との交渉にあたっては、本特別委員会において審議の上決定した交渉方針に従って対応を行っており、また、公開買付者から本公開買付価格についての提案を受領した際には、その都度、直ちに本特別委員会に対して報告を行い、その指示に従って対応を行ったとのことです。

そして、対象者は、2024年8月8日、本特別委員会から、① 本取引の目的は合理的と認められる(本取引が対象者の企業価値向上に資する)ものと考える旨、② 本取引における取引条件(本取引の実施方法、本公開買付けにおける本公開買付価格及び本取引の対価の種類を含む。) の妥当性が確保されているものと考える旨、③本取引に係る手続の公正性が確保されている、すなわち本取引において公正な手続を通じた対象者の少数株主の利益への十分な配慮がなされているものと考える旨、④①~③の他、本取引は対象者の少数株主にとって不利益なものでないと考える旨、⑤さらに、①~③を踏まえれば、現時点において、対象者取締役会が本公開買付けに賛同意見を表明し、対象者株主に対して本公開買付けへの応募を推奨することは相当であり、対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考える旨の答申書(以下「本答申書」といいます。) の提出を受けたとのことです(本答申書の概要については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」をご参照ください。)。

 

以上の経緯のもとで、対象者は、2024年8月8日開催の対象者取締役会において、対象者のリーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所から受けた法的助言及び対象者の依頼を受けて大江橋法律事務所が公開買付者に対して実施した法務デュー・ディリジェンスの結果、対象者のファイナンシャル・アドバイザーであるアイ・アール ジャパンから受けた財務的見地からの助言並びに8月7日付で提出を受けた対象者株式の価値算定結果に関する株式価値算定書(以下「本株式価値算定書」といいます。) の内容、有限責任あずさ監査法人が対象者の依頼を受けて公開買付者に対して実施した財務デュー・ディリジェンスの結果、及びKPMG税理士法人が対象者の依頼を受けて公開買付者に対して実施した税務デュー・ディリジェンスの結果を踏まえつつ、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議及び検討を行ったとのことです。

その結果、以下のとおり、対象者としても、2024年8月8日、公開買付者の完全子会社となることにより、シナジーの創出を見込むことができ、対象者の企業価値の向上に資するとの結論に至ったとのことです。対象者は、本取引後においては、公開買付者の完全子会社になることで、公開買付者グループと対象者の一般株主の間の利益相反や独立性確保のための制約を回避しつつ、経営資源等のより円滑な相互活用に加え、両社間での業務提携をより緊密に促進することが可能になると考えており、様々な戦略を迅速に実行に移すことで、対象者を含む公開買付者グループの中長期的な企業価値向上に資することができると考えているとのことです。

対象者は、具体的なシナジーとしては以下のものを考えているとのことです。

 

<上場維持のためのコスト削減、業務負担の軽減と経営資源の振替>

対象者は、上場を維持するための体制に関して、近年の新市場区分における上場維持基準への対応やコーポレートガバナンス・コードの改訂等の点において、年々、体制の強化が求められており、これらに対応するための上場維持コスト(株主総会の開催・運営、監査、株主名簿管理人への事務委託に要する費用、有価証券報告書等の継続的な情報開示等)は年々増大しており、上場維持のための業務負担(投資家対応、適時開示及びコーポレートサイトでの情報発信の強化、決算説明会の充実といったIR活動)も増加しているとのことです。対象者は、本取引を通じて、公開買付者の完全子会社となることで、上場維持のためのコストや業務負担が軽減されると考えており、この結果、対象者が上場維持のために用いていた経営資源を、対象者の事業部門へ振り替えることで、対象者の事業の成長の加速に繋げることができるものと考えているとのことです。

 

<公開買付者グループとの連携強化による対象者事業の収益性の強化>

対象者は、対象者を含む公開買付者グループ内において企業理念や経営戦略を共有しているものの、ともに上場会社として独立した事業運営を行っている現状においては、公開買付者グループと対象者の一般株主との間に潜在的な利益相反構造があると考えているとのことです。その為、公開買付者グループが有するノウハウや経営インフラ等を共有することについては、取引としての客観的な公正性について、公開買付者グループと対象者の少数株主との間で利益相反の懸念に配慮する必要があり、迅速かつ円滑にその共有化を推進することが困難な面もあるとのことです。本取引後においては、公開買付者の完全子会社になることで、公開買付者グループと対象者の少数株主との間の利益相反の懸念が解消されることにより、経理業務や人事業務の共通化などを通じ、コーポレート部門などでは業務スタッフ間でのノウハウの共有、業務共通化による人員配置の最適化などが可能になり、公開買付者グループとの連携及び経営資源等の効率的な活用を迅速かつ円滑に行いながら、対象者の企業価値の向上及び対象者を含む公開買付者グループの中長期的な企業価値の向上に資することができると考えているとのことです。また、対象者が公開買付者の完全子会社になり、公開買付者グループとしての一体的な営業活動や、公開買付者グループの経営資源をこれまで以上に利用することが可能となり、対象者単独で対応することが困難であった大型案件について、公開買付者グループと一体で対応することが可能になるなど、公開買付者グループとの連携強化による対象者事業の収益性の強化につながると考えているとのことです。

 

 

<潜在的な利益相反の可能性の排除と機動的かつ柔軟な意思決定体制の構築>

対象者は、現状では、対象者と公開買付者がそれぞれ上場会社として独立した事業運営を行っているため、公開買付者グループの意思決定に際しては、対象者の少数株主の利益を考慮した慎重な検討を要する等、潜在的な利益相反構造が存在しており、公開買付者グループの利益の最大化において最適な経営判断を柔軟かつ機動的に行うことができない場合があると考えているとのことです。対象者の上場廃止及び公開買付者による完全子会社化によって、潜在的な利益相反の可能性を排除し、対象者を含めた公開買付者グループの利益を最大化するための、機動的かつ柔軟な意思決定を行うことのできる経営体制を構築することが可能となると考えているとのことです。

 

<人材基盤の構築>

対象者を含む公開買付者グループを取り巻く市場環境においては人材の確保及び育成の強化は喫緊の重要課題となっており、求められる人的資本経営の推進においてはこれまで以上に迅速かつ積極的に人材育成に対する投資が必要になっています。現状では、対象者と公開買付者がそれぞれ上場会社として独立した事業運営を行っているため、コーポレートガバナンス・コード等への対応を含めた近時の上場維持に係る業務負担や有価証券報告書等の継続的な情報開示など、重複する業務に人的リソースを割く必要があるところ、対象者は、公開買付者の完全子会社となることで、上場維持に伴う業務を削減することができ人的リソースをより効率的に配置することができる点で、これまで以上に迅速かつ積極的に人材育成に対する投資が可能となり、より実践的な経験を積む機会を増加させることにより人材の多様性を確保し、より強固な人材基盤が構築できると考えているとのことです。

 

なお、上場廃止に伴う一般的なデメリットとして、資本市場から資金調達を行うことができなくなることが想定され、対象者の上場廃止を行う際にも同様の懸念が生じ得るところですが、対象者の2024年6月30日時点における自己資本比率は83.9%であり、対象者の財務状況を考慮するとエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性はなく、また金融機関からの資金調達にも影響はないと考えているとのことです。また、対象者においては、上場会社であることが採用活動において有利に働いていたと考えられるところ、上場廃止後の採用活動は上場企業である公開買付者のグループ会社の一員として実施することから、悪影響は及ぼさないと考えているとのことです。

 

また、対象者は、以下の点等から、本公開買付価格である1株当たり1,680円は対象者の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当な価格であると判断したとのことです。

(ⅰ)当該価格が、対象者において、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」に記載の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられた上で、本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された価格であること。

(ⅱ)当該価格が、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載の本株式価値算定書におけるアイ・アール ジャパンによる対象者株式の価値算定結果のうち、市場株価平均法及び類似会社比較法による算定結果の範囲を上回っており、また、DCF法(下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の基礎」において定義します。以下同じです。) による算定結果の範囲内であること。

 

(ⅲ)当該価格は、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会から取得した本答申書においても、妥当であると認められると判断されていること。

なお、対象者の2024年7月12日付「通期連結業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」に記載のとおり、対象者は2024年12月期業績予想の下方修正(以下「本下方修正」といいます。)を行っているとのことですが、対象者によれば、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得」に記載のとおり、本特別委員会は、対象者が意図的に対象者株式の株価を下げる目的で本下方修正を策定及び公表したものである等の不公正さを窺わせる事情を何ら認定しておらず、上記(ⅱ)に記載の市場株価平均法の算定にあたり本下方修正の公表日である2024年7月12日以降の対象者株式の株価も考慮の対象とすること自体に問題はない旨評価しているとのことです。

 

また、本株式交換において公開買付者の株式が対価とされることについては、①対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けに応募することでより早期の金銭対価を受領する機会を提供する一方で、本公開買付けに応募されなかった株主の皆様に対しても、本株式交換による公開買付者の普通株式の取得を通じて、引き続き公開買付者グループの成長及び本取引を通じたシナジーの実現による利益を享受する選択肢を確保することは、対象者の株主の皆様の利益に資するといえること、及び②公開買付者の普通株式は東京証券取引所スタンダード市場において取引が可能であり、本株式交換を希望される対象者の株主の皆様に対しても随時現金化の機会を確保できることから、株式交換比率を適切に設定することによって、現金を対価とする場合と同等の利益を確保することが可能であり、現金を対価とする場合と比較して対象者株主の皆様の利益に重大な差異が生じないことから、本株式交換において公開買付者の株式が対価とされることは、対象者の株主の皆様の利益の観点から問題はないとの認識に至ったとのことです。本書提出日現在において本株式交換における株式交換比率が決定されておらず、本公開買付け終了後に公開買付者と対象者が協議の上で決定する点については、①下記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本株式交換により対象者の株主が受け取る対価を決定する前提となる対象者株式の評価は、公開買付価格と同一の価格とされ、かつ、公開買付者の普通株式の評価については、本株式交換に係る株式交換契約締結日の前営業日を基準とした市場株価法を採用することにより本公開買付けに応募せず本株式交換により公開買付者の普通株式の交付を受ける場合であっても、本公開買付けに応じる場合と比べて不利益とならない条件とする予定とのことです。

なお、対象者によれば、公開買付者の普通株式にかかる市場株価の評価基準日について、①本公開買付けの開始日の前営業日とするか、②本株式交換に係る株式交換契約締結日の前営業日とするか、③本株式交換の効力発生日の前営業日とするか、という点についても検討したとのことです。まず、本株式交換の効力発生日の前営業日を評価基準日とするよりは、本株式交換の効力発生日の前営業日を評価基準日とした方が、株式交換比率が早期に確定することから、対象者の本株式交換に係る臨時株主総会の開催の有無にかかわらず会社法に定められた本株式交換の効力発生日の20日前から効力発生日前日までの間に、対象者の市場株価を見たうえで、対象者に対して株式買取請求にかかる意思表示を行うか否かを熟慮の上で決定することができるため、対象者の少数株主の利益確保の観点からは好ましいと考えたとのことです(なお、対象者によれば、2024年8月1日付で公開買付者より当該メリットの説明を受け、対象者としても公開買付者と同様の整理に至ったとのことです。)。また、対象者によれば、本株式交換における株式交換比率の基準日をさらに早い時期である本公開買付けの開始日とすることに関しては、公開買付者の株式が東京証券取引所スタンダード市場において上場されており、本公開買付け後の公開買付者の市場株価に変動が生じる可能性があることも踏まえ、改めて、対象者が公開買付者と協議及び交渉し、本特別委員会の意見を踏まえて決定した方が対象者の株主の利益に配慮することができると考えたことから、結論として、公開買付者の普通株式にかかる市場株価の評価基準日を、株式交換契約締結日の前営業日に設定したとのことです。

 

以上より、対象者は、本取引が対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は妥当なものであると判断し、2024年8月8日開催の対象者取締役会において、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨することを決議したとのことです。当該取締役会における決議の方法については、下記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」の「⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見」をご参照ください。

 

③ 本公開買付け成立後の経営方針

本公開買付け後も、公開買付者と対象者の連携を強化して、公開買付者の経営資源の投入をより容易にするとともに、意思決定の迅速化、経営の効率化を進めることで、中長期的に対象者を含む公開買付者の成長を推進するための施策を検討していく予定です。なお、本書提出日時点において、対象者事業の範囲の拡大又は縮小等の変更の予定はございません。

なお、本書提出日現在において、対象者取締役会は9名で構成されておりますが、そのうち取締役6名(内川淳一郎氏、小西秀央氏、山川拓人氏、安島秀幸氏、市川清之氏及び米山誠氏)が、公開買付者の取締役又は公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの取締役若しくは執行役員としての地位を有しております。本取引後の対象者の経営体制、取締役会の構成、公開買付者より派遣する役員の数又は当該役員の処遇等については、本書提出日現在において未定であり、公開買付者として希望及び想定している内容はございません。また、現時点において、本公開買付け実施後の対象者の労働条件変更又は人員削減などの人事施策について検討している内容はございません。公開買付者グループの人材については、適材適所のグループ内人員配置の実現を目指していく方針のため、その方針に則る形での雇用方針、処遇についての改良・改善を検討していく予定です。

 

(3) 本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置

公開買付者及び対象者は、本公開買付けが支配株主による公開買付けには該当しないものの、公開買付者による対象者株式の所有割合は44.21%となっており、対象者を連結子会社としていること、また公開買付者は対象者の主要株主兼筆頭株主であることから、対象者における本公開買付けを含む本取引の検討の過程において構造的な利益相反の問題及び一般株主との間の情報の非対称性の問題がないとは言い切れないことに鑑み、これらの問題に対応し、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するため、以下の措置を実施しております。

なお、上記「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本書提出日現在、対象者株式を2,510,405株(所有割合:44.21%)所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりませんが、公開買付者及び対象者において以下の①乃至⑨の措置を講じていることから、対象者の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えており、対象者としても同様に判断しているとのことです。また、以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者プレスリリース及び対象者から受けた説明に基づくものです。

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

④ 対象者における独立した法律事務所からの助言

⑤ 対象者における独立した検討体制の構築

⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

⑦ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保

⑧ 強圧性の排除

 

⑨ 対象者における独立した監査法人からの助言

 

以上の詳細については、後記「4 買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数」の「(2) 買付け等の価格」の「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」をご参照ください。

 

(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)

公開買付者は、最終的には対象者株式の全て(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得することを目的として、本公開買付けを実施しますが、本公開買付けにおいて対象者株式の全て(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得できなかった場合には、公開買付者は、本公開買付け成立後、以下の方法により、対象者株式の全て(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)の取得を目的とした手続を実施することを予定しております。

なお、公開買付者としては、上記「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「① 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程」に記載した理由から、完全子会社化を実現するためのスクイーズアウトの手続として本株式交換によることを志向しておりますが、対象者の少数株主の利益を考慮し速やかにスクイーズアウトを実施すべく、本株式交換が成立しない場合(注1)には本株式併合を実施することを予定しております(注2)。

(注1) 下記「① 株式交換」に記載のとおり、会社法第796条第2項本文に定める簡易株式交換の実施が可能である場合には、本株式交換は公開買付者における株主総会の承認を受けずに実施される予定であり、簡易株式交換の実施ができない場合には、公開買付者において本株式交換の承認を付議議案に含む臨時株主総会(本書提出日現在において、2024年11月13日を予定しております。以下「公開買付者臨時株主総会」といいます。)を開催することを予定しております。本株式交換について簡易株式交換の実施ができず、かつ公開買付者臨時株主総会において本株式交換にかかる議案が否決された場合、本株式交換は成立しないこととなります。

(注2) 下記「② 株式併合」に記載のとおり、公開買付者は、簡易株式交換の実施ができない場合、公開買付者臨時株主総会において本株式交換にかかる議案が否決される場合に備えて、対象者に対し、本株式交換が成立しないことを条件として会社法第180条に基づき本株式併合を行うこと、及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案とする臨時株主総会の開催(本書提出日現在において、2024年11月13日を予定しております。なお下記「② 株式併合」に記載のとおり、対象者において本株式交換の承認を付議議案に含む臨時株主総会が開催される場合は、当該臨時株主総会において併せて付議議案とする予定です。)を、本公開買付け後速やかに要請する予定です。

 

① 株式交換

公開買付者は、本公開買付け成立後、対象者との間で、本株式交換に係る株式交換契約を締結し、公開買付者が対象者株式の全て(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)を取得するための手続を実施することを予定しております。

本株式交換においては対象者の株主の皆様が所有する対象者株式の対価として公開買付者の普通株式を交付することを予定しており、法定の必要手続を踏むことにより本公開買付けに応募されなかった対象者株式の全て(但し、公開買付者が所有する対象者株式及び対象者が所有する自己株式を除きます。)は公開買付者の普通株式と交換され、公開買付者の普通株式1株以上を割り当てられた対象者の株主の皆様は、公開買付者の株主となります。本株式交換は、その効力発生日を遅くとも2024年12月を目途に設定して実施される予定です。

これは、対象者の株主の皆様に対して、本公開買付けにおいてその所有する対象者株式を売却いただくことでより早期の金銭対価を受領する機会を提供する一方で、本公開買付けに応募されなかった株主の皆様には、本株式交換による公開買付者の普通株式の取得を通じて、引き続き公開買付者の成長及び本取引を通じたシナジーの実現による利益を享受いただける選択肢を確保したものです。また、本株式交換後においては、公開買付者の普通株式は東京証券取引所スタンダード市場において取引が可能であり、本株式交換により公開買付者の普通株式を取得される対象者の株主の皆様に対しても引き続き所有株式の流動性を確保できることから、かかる株主の皆様においても、随時現金化することが可能であるものと考えております。

 

なお、本株式交換は、会社法第796条第2項本文に定める簡易株式交換により、公開買付者における株主総会の承認を受けずに実施される予定ですが、簡易株式交換により本株式交換が実施できない場合には、公開買付者において本株式交換の承認を付議議案に含む公開買付者臨時株主総会を開催(本書提出日現在において、2024年11月13日を予定しております。)することを予定しております。また、本株式交換は、本公開買付けの成立後において公開買付者が有する対象者株式の議決権の数が対象者の総株主の議決権の数の9割以上である場合、会社法第784条第1項本文に定める略式株式交換により、対象者における株主総会の承認を受けずに実施される可能性がありますが、略式株式交換により本株式交換が実施できない場合には、対象者に対して、本株式交換の承認を付議議案に含む臨時株主総会の開催(本書提出日現在において、2024年11月13日を予定しております。以下「対象者臨時株主総会」といいます。)を、本公開買付け後速やかに要請する予定です。なお、公開買付者は、対象者において開催予定の対象者臨時株主総会において、上記各議案に賛成する予定です。

本株式交換における株式交換比率は、その妥当性を確保するため、公開買付者においてSBI証券による株式交換比率の算定結果を参考にし、対象者においてアイ・アール ジャパンによる株式交換比率の算定結果を参考にして、本公開買付け終了後に公開買付者と対象者がそれぞれの株主の皆様の利益に十分に配慮して協議の上で決定することを予定しておりますが、本株式交換により対象者の株主の皆様が受け取る対価(公開買付者の普通株式。但し、受け取るべき株式の数に1株未満の端数がある場合、当該端数部分については、会社法第234条に基づき金銭の分配となります。)を決定する前提となる対象者株式の評価は、本公開買付価格と同一の価格にする予定であり、また、公開買付者の普通株式の評価については、本株式交換に係る株式交換契約締結日の前営業日を基準とした市場株価法を採用することとしており、本公開買付けに応募せず本株式交換により公開買付者の普通株式の交付を受ける場合であっても、本公開買付けに応じる場合と比べて不利益とならない条件とする予定です。また、本株式交換における株式交換比率の決定にあたっては、対象者において、本特別委員会による検討・交渉過程における交渉方針に関する助言及び株式交換比率の公正性に関する答申書の提出、並びに独立したリーガル・アドバイザーからの助言を受けることを予定しているとのことであり、取引条件の公正性を担保するための措置が十分に講じられる予定です。なお、対象者プレスリリースによれば、対象者は、本公開買付けの終了日以降、本株式交換の効力発生日までの間に、対象者が所有する自己株式の全てを消却する予定とのことです。

本株式交換に際しては、公開買付者の完全子会社となる対象者の株主の皆様は、会社法の定めに従い、対象者に対して株式買取請求を行うことができます。この場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。

 

 

② 株式併合

公開買付者は、公開買付者において開催予定の公開買付者臨時株主総会(但し、公開買付者臨時株主総会の開催は、本株式交換が会社法第796条第2項本文に定める簡易株式交換により実施できない場合に限ります。)において本株式交換の承認にかかる付議議案が否決されることに備えて、本株式交換が成立しないことを条件として会社法第180条に基づき本株式併合を行うこと及び本株式併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案とする臨時株主総会の開催(本書提出日現在において、2024年11月13日を予定しております。対象者臨時株主総会が開催される場合は、対象者臨時株主総会において併せて付議議案とする予定です。)を、本公開買付け後速やかに要請する予定です。なお、公開買付者は、臨時株主総会において上記各議案に賛成する予定です。臨時株主総会において本株式併合の議案についてご承認をいただいた場合には、株式併合がその効力を生ずる日において、対象者の株主の皆様は、臨時株主総会においてご承認をいただいた本株式併合の割合に応じた数の対象者株式を所有することとなります。本株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた株主の皆様に対して、会社法第235条及び第234条第2項乃至第5項その他の関係法令の定める手続に従い、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。以下同じとします。)に相当する対象者株式を対象者又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになります。当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格につきましては、当該売却の結果、本公開買付けに応募されなかった対象者の各株主(公開買付者及び対象者を除きます。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定した上で、裁判所に対して任意売却許可の申立てが行われる予定です。また、対象者株式の併合の割合は、本書提出日現在において未定ですが、公開買付者は対象者の発行済株式の全て(対象者が所有する自己株式を除きます。)を所有することとなるよう、本公開買付けに応募されなかった対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となるように決定するよう対象者に対して要請する予定です。

上記手続に関連する少数株主の権利保護を目的とした会社法上の規定としては、株式併合をすることにより株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、会社法第182条の4及び第182条の5その他の関係法令の定めに従って、対象者の株主は、対象者に対してその所有する株式のうち1株に満たない端数となるものの全てを公正な価格で買い取ることを請求することができる旨及び裁判所に対して対象者株式の価格決定の申立てを行うことができる旨が定められています。上記のとおり、本株式併合においては、本公開買付けに応募されなかった対象者の各株主(公開買付者及び対象者を除きます。)の所有する対象者株式の数が1株に満たない端数となる予定ですので、株式併合に反対する対象者の株主(公開買付者及び対象者を除きます。)は、上記申立てを行う事ができることになる予定です。なお、上記申立てがなされた場合の買取価格は、最終的には裁判所が判断することとなります。

 

(5) 上場廃止となる見込みがある旨及びその事由

対象者株式は、本書提出日現在、東京証券取引所スタンダード市場に上場されておりますが、公開買付者は、本公開買付けにおいて買付予定数に上限を設定していないため、本公開買付けの結果次第では、対象者株式は、東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となる可能性があります。

また、本公開買付けの成立時点で当該基準に該当しない場合でも、本公開買付けの成立後、上記「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、完全子会社化手続を実施することを予定しておりますので、その場合、対象者株式は東京証券取引所の上場廃止基準に従い、所定の手続を経て上場廃止となります。上場廃止後は、対象者株式を東京証券取引所スタンダード市場において取引することはできません。

 

 

4 【買付け等の期間、買付け等の価格及び買付予定の株券等の数】

(1) 【買付け等の期間】

① 【届出当初の期間】

 

買付け等の期間

2024年8月9日(金曜日)から2024年9月24日(火曜日)まで

(30営業日)

公告日

2024年8月9日(金曜日)

公告掲載新聞名

電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。

電子公告アドレス (https://disclosure2.edinet-fsa.go.jp/)

 

 

② 【対象者の請求に基づく延長の可能性の有無】

該当事項はありません。

 

③ 【期間延長の確認連絡先】

該当事項はありません。

 

 

(2) 【買付け等の価格】

 

株券

普通株式   1株につき金1,680円

新株予約権証券

新株予約権付社債券

株券等信託受益証券(   )

株券等預託証券(   )

算定の基礎

公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するに際して、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるSBI証券に対し、対象者株式の株式価値の算定を依頼しました。なお、SBI証券は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、公開買付者は、公開買付者及び対象者において本公開買付価格の公正性を担保する措置(具体的には、下記「算定の経緯」の「(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)」における「① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」乃至「⑨ 対象者における独立した監査法人からの助言」に記載の措置)を実施し、対象者の少数株主の利益への配慮が十分になされていると考えられることから、SBI証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得しておりません。

SBI証券は、複数の株式価値算定手法の中から対象者株式の株式価値の算定にあたって採用すべき算定手法を検討のうえ、対象者株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場しており、市場株価が存在することから市場株価法、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者の株式価値が類推可能であることから類似会社比較法及び将来の事業活動を評価に反映するためにDCF法の各手法を用いて対象者株式の株式価値の算定を行い、公開買付者はSBI証券から2024年8月7日付で対象者の株式価値に関する株式価値算定書(以下「公開買付者株式価値算定書」といいます。)を取得しました。

SBI証券による対象者株式の1株当たり株式価値の算定結果は以下のとおりです。

市場株価法  :1,201円~1,275円

類似会社比較法:1,047円~1,067円

DCF法   :1,616円~1,834円

市場株価法では、基準日を2024年8月7日として、東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の基準日終値1,201円、直近1か月間(2024年7月8日から2024年8月7日まで)の終値単純平均値1,256円、直近3か月間(2024年5月8日から2024年8月7日まで)の終値単純平均値1,275円及び直近6か月間(2024年2月8日から2024年8月7日まで)の終値単純平均値1,269円を基に、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を1,201円から1,275円までと算定しております。

類似会社比較法では、対象者と類似する事業を営む上場会社の市場株価や収益性を示す財務指標との比較を通じて、対象者株式の株式価値を評価し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を1,047円から1,067円と算定しております。

DCF法では、対象者から提供された本事業計画、直近までの業績の動向、一般に公開された情報等の諸要素を考慮して、2024年12月期以降に対象者が将来創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引くことにより対象者の企業価値や株式価値を評価し、対象者株式1株当たりの株式価値の範囲を1,616円から1,834円までと算定しております。なお、本事業計画については、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、ITインフラ整備による社内業務の効率化、2022年に導入したSFA活用による市場の変化に迅速に対応した意思決定向上、相対的に収益性が高い顧客への経営リソース投下、事業ポートフォリオマネジメントの実践、IP調達や商品仕入れにおけるグループシナジーの強化に伴い、2025年12月期は前年度比97.5%増、2026 年12月期は前年度比46.6%増となることを見込んでいるとのことです。また、本取引の実行により実現することが期待されるシナジー効果については、本書提出日現在において収益に与える影響を具体的に見積もることが困難であるため、反映しておりません。

 

 

 

公開買付者は、本公開買付価格について、SBI証券から取得した公開買付者株式価値算定書で示された市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の上限を上回っており、また、DCF法による算定結果の範囲内であることに加え、対象者取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、対象者株式の市場株価の推移(基準日を2024年8月7日とした基準日終値1,201円、直近1か月間(2024年7月8日から2024年8月7日まで)の終値単純平均値1,256円、直近3か月間(2024年5月8日から2024年8月7日まで)の終値単純平均値1,275円、直近6か月間(2024年2月8日から2024年8月7日まで)の終値単純平均値1,269円)並びに本公開買付けに対する応募の見通し等を総合的に勘案し、対象者との協議・交渉の結果等も踏まえ、最終的に2024年8月8日付で会社法第370条及び公開買付者定款第24条の規定に基づく取締役会決議に代わる書面決議により、本公開買付価格を1株当たり1,680円とすることを決定いたしました。

 

本公開買付価格1,680円は、本公開買付けの実施についての公表日の前営業日である2024年8月7日の対象者株式の東京証券取引所スタンダード市場における終値1,201円に対して39.88%、同日までの過去1か月間の終値単純平均値1,256円に対して33.76%、同日までの過去3か月間の終値単純平均値1,275円に対して31.76%、同日までの過去6か月間の終値単純平均値1,269円に対して32.39%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となります。また、本公開買付価格1,680円は、本書提出日の前営業日である2024年8月8日の対象者株式の東京証券取引所スタンダード市場における終値1,191円に対して41.06%、同日までの過去1か月間の終値単純平均値1,252円に対して34.19%、同日までの過去3か月間の終値単純平均値1,273円に対して31.97%、同日までの過去6か月間の終値単純平均値1,269円に対して32.39%のプレミアムをそれぞれ加えた価格となります。

また、本公開買付価格(1,680円)と2019年公開買付価格(1,423円)の間には、257円の差異が生じておりますが、これは、2019年公開買付け開始の直前営業日の市場株価の終値が1,426円であったことに比べ、本公開買付けの直前営業日の市場株価の終値は1,201円と、15.78%下落しているものの、当該市場株価に対し、2019年公開買付価格は0.21%ディスカウントした価格である一方、本公開買付価格は39.88%のプレミアムを加えた価格であるためです。

算定の経緯

 

(本公開買付価格の決定に至る経緯)

公開買付者は、本取引の実現可能性を精査するため、2024年6月の上旬から2024年7月の中旬まで対象者グループに関するデュー・ディリジェンスを実施しました。

一方で、公開買付者は、対象者において設置された本特別委員会より、公開買付者が本取引によって見込まれると考えるシナジーを具体的に検証すること等を目的として、2024年6月18日に、①本取引の目的の合理性(本取引後の対象者の経営方針、本取引が対象者の企業価値の向上に資するかを含む。)、②本取引の取引条件(本取引における対価・交換比率を含む。)の妥当性、③本取引に至る交渉過程等の手続きの公正性、④上記①~③を踏まえ、本取引が対象者の一般株主にとって不利益ではないかについて書面による質問を受け、同月26日に、本特別委員会に対して当該質問事項について書面で回答をいたしました。当該回答を踏まえて、公開買付者は、本特別委員会より、同年7月2日にインタビューの実施を受け、上記①~④に関して口頭で説明いたしました。その後、対象者からは、公開買付者が提案・説明した上記①乃至④の内容について、再質問、意見又は提案は受けておりません。

 

 

 

公開買付者は、2024年7月中旬以降、本公開買付価格について対象者との間で協議・交渉を開始しました。具体的には、公開買付者は、2024年7月17日、対象者に対し、本事業計画に基づき対象者の将来キャッシュフローを算出する方法による株式価値評価を重視しつつ、類似上場会社と比較した際の株価水準も勘案したものとして、本公開買付価格を第1回提案価格である1,500円(提案日の前営業日時点の株価1,269円に対して18.20%のプレミアム)とする第1回提案を行いましたが、同月18日、対象者より第1回提案価格である1,500円に対して、対象者の一般株主利益保護の観点から十分な内容となっておらず、第1回提案価格におけるプレミアムは、他の事例における本プレミアム中央値との比較において、低いプレミアムであるとして、提案内容の再検討を要請されました。その後、公開買付者は、同月22日、第1回提案価格である1,500円の背景につき説明を行うとともに、第1回提案と同様に本事業計画を基に計算された将来キャッシュフローをもとにした株式価値評価を重視しつつ、類似上場会社と比較した際の株価水準も勘案した結果である旨を説明した上で、第1回提案価格と同額の1,500円(提案日の前営業日である株価1,279円に対して17.28%のプレミアム)を第2回提案価格として改めて検討いただきたい旨の提案を行いましたが、同月25日、対象者より第2回提案価格である1,500円に対して、第2回提案価格は過去の業績推移や平均的な成長率を踏まえて本事業計画を見直して株式価値評価を行っているが、株式価値評価においては他の事例における本プレミアム中央値をも考慮にいれるべきであるとして、提案内容の再検討を要請されました。公開買付者は、本事業計画を過去の実績に照らして見直した上で改めて株式価値評価を行い、同月29日に本公開買付価格を第3回提案価格である1,600円(提案日の前営業日時点の株価1,290円に対して24.03%のプレミアム)としたい旨の提案を行いましたが、同月31日、対象者より第3回提案価格である1,600円に対して、本事業計画の達成を通じて対象者株主が本来享受することが見込まれるシナジーが考慮された水準とは評価できないとして、提案内容の再検討を要請されました。これを踏まえ、公開買付者は、対象者の事業計画や資産を改めて評価して株式価値を算定し、同年8月2日に本公開買付価格を第4回提案価格である1,650円(提案日の前営業日時点の株価1,251円に対して31.89%のプレミアム)としたい旨の提案を行いましたが、同月5日、対象者より第4回提案価格である1,650円に対して、一般株主の利益確保の観点から提案内容の再検討を要請されました。その後、公開買付者は、本事業計画を改めて再検討した結果として、同月6日に本公開買付価格を第5回提案価格である1,680円(提案日時点の株価1,168円に対して43.84%のプレミアム)としたい旨の提案を行いました。

これらの協議・交渉の結果、公開買付者と対象者は、2024年8月7日、対象者から公開買付者の提案を応諾する旨の回答を受領し、本公開買付価格を1,680円とすることで合意に至りました。

また、公開買付者と対象者は、本公開買付価格の合意に加え、2024年8月8日、公開買付者が対象者を完全子会社化することが、公開買付者及び対象者を取り巻く事業環境の変化に対応し、両社の企業価値の向上に資する最善の方策であるとの考えで一致したことから、公開買付者は、2024年8月8日付取締役会において、本公開買付けを実施することを決議いたしました。

 

(本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等、本公開買付けの公正性を担保するための措置)

公開買付者及び対象者は、本公開買付けが支配株主による公開買付けには該当しないものの、公開買付者による対象者株式の所有割合は44.21%となっており、公開買付者は対象者の主要株主兼筆頭株主であることから、対象者における本公開買付けを含む本取引の検討の過程において構造的な利益相反の問題及び一般株主との間の情報の非対称性の問題がないとは言い切れないことに鑑み、これらの問題に対応し、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件の公正性を担保するため、以下の措置を実施しております。

なお、上記「3 買付け等の目的」の「(1) 本公開買付けの概要」に記載のとおり、公開買付者は、本書提出日現在、対象者株式を2,510,405株(所有割合:44.21%)所有しているため、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限を設定すると、本公開買付けの成立を不安定なものとし、かえって本公開買付けに応募することを希望する一般株主の皆様の利益に資さない可能性もあるものと考え、本公開買付けにおいて、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ」(Majority of Minority)の買付予定数の下限は設定しておりませんが、公開買付者及び対象者において以下の①乃至⑨の措置を講じていることから、対象者の一般株主の利益には十分な配慮がなされていると考えており、対象者としても同様に判断しているとのことです。また、以下の記載のうち、対象者において実施した措置については、対象者プレスリリース及び対象者から受けた説明に基づくものです。

 

 

 

 

① 公開買付者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

公開買付者は、本公開買付価格の公正性を担保するため、本公開買付価格を決定するに際して、公開買付者及び対象者から独立した第三者算定機関として、公開買付者のファイナンシャル・アドバイザーであるSBI証券に対し、対象者株式の株式価値の算定を依頼しました。なお、SBI証券は、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して重要な利害関係を有しておりません。また、公開買付者は、本取引に際して実施されている他の本公開買付価格の公正性を担保するための措置並びに利益相反を回避するための措置を踏まえて、対象者の少数株主の利益に十分な配慮がなされていると考えており、SBI証券から本公開買付価格の公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。

公開買付者がSBI証券から取得した公開買付者株式価値算定書の詳細については、上記「算定の基礎」をご参照ください。

 

② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得

(ⅰ)算定機関の名称並びに公開買付者及び対象者との関係

対象者プレスリリースによれば、対象者は、公開買付者、及び対象者から独立したファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関としてアイ・アール ジャパンを選任し、対象者株式の価値算定、公開買付者との交渉方針に関する助言を含む財務的見地からの助言及び補助を受けるとともに、2024年8月7日付で本株式価値算定書を取得したとのことです。なお、アイ・アール ジャパンは、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないとのことです。なお、対象者は、公開買付者及び対象者において、本公開買付価格の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置を実施していることから、アイ・アール ジャパンから本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)は取得していないとのことです。

(ⅱ)対象者株式に係る算定の概要

アイ・アール ジャパンは、本公開買付けにおいて、複数の算定手法の中から対象者の株式価値算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、対象者が継続企業であるとの前提の下、対象者の株式価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、対象者株式が東京証券取引所スタンダード市場に上場していることから市場株価平均法を、対象者と比較可能な上場会社が複数存在し、類似会社比較による対象者の株式価値の類推が可能であることから類似会社比較法を、将来の事業活動の状況を算定に反映するためにDCF法を算定手法として用いて、対象者の株式価値の算定を行い、対象者はアイ・アール ジャパンから2024年8月7日付で本株式価値算定書を取得しているとのことです。

本株式価値算定書において、上記各手法に基づいて算定された対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。

市場株価法  :1,201円~1,275円

類似会社比較法:1,268円~1,657円

DCF法   :1,530円~1,774円

市場株価平均法では、2024年8月7日を算定基準日として、東京証券取引所スタンダード市場における対象者株式の基準日終値1,201円、直近1ヶ月間の終値の単純平均値1,256円、直近3ヶ月間の終値の単純平均値1,275円及び直近6ヶ月間の終値の単純平均値1,269円を基に、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,201円~1,275円と算定しているとのことです。

類似会社比較法では、完全に類似していないものの、対象者と比較的類似する事業を営む上場会社として株式会社セプテーニ・ホールディングス、株式会社トランザクション、株式会社Macbee Planet、バリューコマース株式会社、株式会社アイドマ・ホールディングス、株式会社テー・オー・ダブリュー、公開買付者を選定した上で、企業価値に対する税引き前利益から受取利息及び支払利息を除外した数値(以下「EBIT」といいます。) の倍率、償却前EBITの倍率(以下「EBITDAマルチプル」といいます。) を用いて、さらに対象者が保有する現金同等物のすべての価値を加算する等財務上の一定の調整を行って、対象者株式の株式価値算定を行い、対象者株式の1株当たりの株式価値の範囲を1,268円~1,657円と算定しているとのことです。

 

 

 

DCF法では、本事業計画を基に、2024年12月期から2026年12月期までの3期分の事業見通しにおける収益予測や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素を前提として、対象者が2024年12月期以降に創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて、対象者の企業価値や株式価値を算定し、対象者株式の1株当たり株式価値の範囲を1,530円~1,774円と算定しているとのことです。なお、本事業計画は、2024年12月期から2026年12月期までの3期分となっておりますが、経済情勢の変動や顧客ニーズの急速な変化に鑑みると2027年12月期以降の明示的な事業計画の策定は困難とのことです。また、本特別委員会は、本事業計画の対象とする期間を含めてその内容を承認しているとのことです。

なお、対象者の保有する現預金は、最低限の必要運転資金である12億円(なお当該金額は、2023年12月期の1年間における売上原価及び販管費から減価償却費を控除した金額を、8で除して得られた1.5か月分の必要運転資金額となります。)を除き、株式価値に反映しているとのことです。割引率は12.1%~15.1%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率モデルを採用し、永久成長率は0%として対象者株式の1株当たり株式価値を算定しているとのことです。

アイ・アール ジャパンがDCF法による分析に用いた対象者作成の本事業計画に基づく財務予測においては、大幅な増減益を見込んでいる事業年度が含まれているとのことです。具体的には、ITインフラ整備による社内業務の効率化、2022年に導入したSFA活用による市場の変化に迅速に対応した意思決定向上、相対的に収益性が高い顧客への経営リソース投下、事業ポートフォリオマネジメントの実践、IP調達や商品仕入れにおけるグループシナジーの強化に伴い、2025年12月期は前年度比97.5%増、2026年12月期の営業利益は前年度比46.6%増となることを見込んでいるとのことです。

また、本取引実行により実現することが期待されるシナジー効果については、現時点において具体的に見積もることが困難であるため、以下の財務予測には加味していないとのことです。

なお、DCF法による分析において前提とした財務予測は以下のとおりとのことです。

(単位:百万円)

 

2024年12月期

2025年12月期

2026年12月期

売上高

11,000

13,850

15,700

営業利益

400

790

1,158

EBITDA

428

829

1,190

フリー・キャッシュ・フロー

336

233

660

 

 

③ 対象者における独立した特別委員会の設置及び特別委員会からの答申書の取得

(ⅰ)設置等の経緯

対象者プレスリリースによれば、対象者は、2024年6月6日に開催された取締役会における決議により、本特別委員会を設置したとのことです。対象者は、公開買付者及び対象者からの独立性を有すること(大坪教光氏、剱持健氏、及び宗次涼子氏と公開買付者又は対象者との間に重要な利害関係は存在しないことを確認したとのことです。)、及び本取引の成否に関して一般株主の皆様とは異なる重要な利害関係を有していないことを確認した上で、大江橋法律事務所の助言を得て、本特別委員会全体としての知識・経験・能力のバランスを確保しつつ適正な規模をもって本特別委員会を構成するべく、大坪教光氏(対象者社外監査役(常勤))、剱持健氏(対象者社外取締役、公認会計士)、及び宗次涼子氏(対象者社外取締役)の3名を本特別委員会の委員の候補として選定したとのことです(なお、本特別委員会の委員は設置当初から変更していないとのことです。)。

 

 

 

その上で、対象者は、上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり2024年6月6日開催の取締役会における決議により本特別委員会を設置するとともに、本特別委員会に対し、本諮問事項について諮問したとのことです。また、対象者取締役会は、本特別委員会の設置にあたり、本特別委員会を対象者取締役会から独立した合議体として位置付け、本取引に関する意思決定を行うに際して、本特別委員会の意見を最大限尊重し、本特別委員会が本取引について妥当でないと判断した場合には本取引を行う旨の意思決定を行わないこと、及び対象者が公開買付者と本取引の取引条件等について交渉するにあたり、本特別委員会に適時にその状況を報告し、重要な局面でその意見、指示及び要請を受けることを決議するとともに、本特別委員会が必要と認めるときは、対象者の費用負担の下、独自の弁護士、算定機関、公認会計士その他のアドバイザーを選任することができること、及び本特別委員会は、対象者の費用負担の下、その職務に関連する調査(本取引に関係する対象者の役員若しくは従業員又は本取引に係る対象者のアドバイザーに対し、その職務に必要な事項について質問を行い、説明又は助言を求めることを含みます。)を行うことができること等を決議したとのことです。

上記の取締役会においては、対象者の取締役9名のうち8名が出席し、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを排除し、本取引の公正性を担保する観点から、公開買付者の取締役を兼任する小西秀央氏、公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの執行役員を兼務している山川拓人氏、安島秀幸氏及び市川清之氏、並びに公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの取締役を兼任している米山誠氏を除く他の3名の取締役において審議の上、その全員一致で決議を行い、その後、取締役会の定足数を確保する観点から、公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの執行役員を兼務するものの、これらの取締役を兼務しておらず、かつ、公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの業務執行や経営への関与がないため相対的に利益相反関係が低いと考えられる山川拓人氏及び安島秀幸氏を加えた5名の取締役において改めて審議の上、全員一致により決議を行ったとのことです。なお、公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの取締役を兼任している内川淳一郎氏は、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを排除し、本取引の公正性を担保する観点から、上記取締役会には出席しておらず、意見を述べることを差し控えたとのことです。

また、上記取締役会には対象者の監査役4名が出席いたしましたが、対象者の監査役楠田肇氏は、公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの監査役を兼任していることから、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記取締役会において意見を述べることを差し控えたとのことです。出席した監査役4名のうち楠田肇氏を除く3名の監査役はいずれも上記決議を行うことについて異議のない旨の意見を述べたとのことです。

 

 

 

(ⅱ)検討の経緯

本特別委員会は、2024年6月6日から同年8月8日までの間に合計12回、計12時間にわたって開催され、報告・情報共有、審議及び意思決定等を行う等して、本諮問事項に係る職務を遂行したとのことです。具体的には、本特別委員会は、対象者のファイナンシャル・アドバイザー及び第三者算定機関であるアイ・アール ジャパン並びに対象者のリーガル・アドバイザーである大江橋法律事務所について、公開買付者及び対象者の関連当事者には該当しないこと、及び本公開買付けを含む本取引に関して重要な利害関係を有していないこと、その他本取引における独立性及び専門性に問題がないことを確認の上、その選任を承認したとのことです。さらに、本特別委員会は、下記「⑤ 対象者における独立した検討体制の構築」に記載のとおり対象者が社内に構築した本取引の検討体制(本取引に係る検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。)に、独立性及び公正性の観点から問題がないことを確認の上、承認をしたとのことです。その上で、本特別委員会は、大江橋法律事務所から聴取した意見を踏まえ、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置について検討を行ったとのことです。また、本特別委員会は、アイ・アール ジャパンから受けた財務的見地からの助言も踏まえつつ、対象者が作成した本事業計画について、対象者からその内容、重要な前提条件及び作成経緯等について説明を受けるとともに、これらの事項について合理性を確認し、承認したとのことです。本特別委員会は、公開買付者に対して質問事項を提示し、本取引の目的及び背景、本取引後の経営方針等についてインタビュー形式により質疑応答を実施したとのことです。また、上記「3 買付け等の目的」の「(4) 本公開買付け後の組織再編等の方針(いわゆる二段階買収に関する事項)」に記載のとおり、本取引の一環として本公開買付け後に本株式交換が実施されることが想定されていることから、本株式交換を含む本取引の実行に重大な支障をきたす問題点が存在しないことを確認するために、対象者は、2024年6月上旬に、大江橋法律事務所、有限責任あずさ監査法人及びKPMG税理士法人に対して、公開買付者に対するデュー・ディリジェンスの実施を依頼し、2024年6月上旬から7月中旬にかけて、当該デュー・ディリジェンスがそれぞれ実施されており、その結果が対象者及び本特別委員会へ報告されたとのことです。

加えて、上記「② 対象者における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載のとおり、アイ・アール ジャパンは、本事業計画を前提として対象者株式の価値算定を実施したとのことですが、本特別委員会は、アイ・アール ジャパンから、実施した対象者株式の価値算定に係る算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けるとともに、質疑応答及び審議・検討を行った上で、これらの事項について合理性を確認したとのことです。また、本特別委員会は、対象者の公開買付者との交渉について、随時、対象者及びアイ・アール ジャパンから報告を受け、アイ・アール ジャパンから受けた財務的見地からの助言、大江橋法律事務所から受けた法的見地からの助言も踏まえて審議・検討を行い、対象者の交渉方針につき、適宜、必要な意見を述べたとのことです。具体的には、本特別委員会は、対象者より、2024年7月17日に公開買付者から本公開買付価格を第1回提案価格である1,500円とすることを含む第1回提案を受領した旨の報告を受けて以降、7月22日に本公開買付価格を第2回提案価格である1,500円とする第2回提案を、7月29日に本公開買付価格を第3回提案価格である1,600円とする第3回提案を、8月2日に本公開買付価格を第4回提案価格である1,650円とする第4回提案を、8月6日に本公開買付価格を第5回提案価格である1,680円とする第5回提案を受領した旨を、それぞれ報告を受け、アイ・アール ジャパンから対応方針及び公開買付者との交渉方針等についての意見を聴取した上で、アイ・アール ジャパンから受けた財務的見地からの助言、及び大江橋法律事務所から受けた法的見地からの助言を踏まえて検討を行ったとのことです。その上で、対象者としての本取引の意義・目的を達するために公開買付者との間で協議すべき事項について意見を述べる等、対象者と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引の条件に関する協議・交渉過程の全般において関与したとのことです。その結果、対象者は、同年8月6日、公開買付者から、本公開買付価格を1株当たり1,680円とすることを含む提案を受け、結果として、計3回、最初の価格提案から12.00%(小数点以下第三位を四捨五入しております。)の価格の引き上げを受けるに至ったとのことです。さらに、本特別委員会は、大江橋法律事務所から、複数回、対象者が公表又は提出予定の本公開買付けに係る対象者プレスリリースのドラフトの内容について説明を受け、適切な情報開示がなされる予定であることを確認したとのことです。

 

 

 

(ⅲ)判断内容

本特別委員会は、以上の経緯の下で、大江橋法律事務所から受けた法的助言、アイ・アール ジャパンから受けた財務的見地からの助言、及び2024年8月7日付で提出を受けた本株式価値算定書の内容を踏まえつつ、本諮問事項について慎重に協議及び検討を重ねた結果、同月8日付で、対象者取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出したとのことです。

a 答申内容

1.本取引は対象者の企業価値の向上に資すると認められ、本取引の目的は合理的である。

2.株式交換比率を含む本取引の取引条件は妥当である。

3.本取引に至る交渉過程等においては適切な公正性担保措置が講じられており、本取引の手続は公正である。

4.対象者取締役会が本取引を行う旨(本公開買付けに賛同する旨の意見を表明すると共に、対象者株主に対して本公開買付けに応募することを推奨すること、及び本取引を対象者取締役会として承認すること。)の意思決定をすることは適切であり、また対象者の一般株主にとって不利益でないと考える。

b 答申理由

1.以下の理由より、本取引は対象者の企業価値の向上に資すると認められ、本取引の目的は合理的である。

・ 対象者が基軸としていたセールスプロモーション領域について事業領域の境界線の曖昧さは増す傾向にあること、大手広告代理店やIT専業の広告会社等の新たな競合企業の参入により、今まで以上に多種多様なサービスを機動的に顧客へ提供していかなければ、対象者を含む公開買付者グループが提供するサービスの優位性の維持は難しくなってくること等の、対象者及び公開買付者が有している対象者をとりまく事業環境及び対象者の経営課題についての現状認識については、本特別委員会も同様の認識を有していること。

・ 本取引によって対象者が公開買付者の完全子会社となることにより、それぞれが保有する技術や製品・サービスの融合や顧客基盤等の共有を推進し、幅広い事業領域においてプレゼンスを高め、公開買付者グループの総合力をより発揮することで、両社の更なる中長期的な企業価値向上を図ることが可能になる旨の公開買付者による説明は、対象者を取り巻く事業環境及び対象者の経営課題を前提とした具体的なもので、対象者の属する業界及び市場の環境として一般に説明されている内容とも整合し、対象者における将来の競争力強化に向けた現実的なものであると考えられ、特段不合理な点は見当たらないこと。

・ 対象者が公開買付者の完全子会社になり、公開買付者グループとしての一体的な営業活動や、公開買付者グループの経営資源をこれまで以上に利用することが可能となり、対象者単独で対応することが困難であった大型案件について、公開買付者グループと一体で対応することが可能になるなど、公開買付者グループとの連携強化による対象者事業の収益性の強化に繋がると考えられること。

・ 上場廃止に伴う一般的なデメリットとして、資本市場から資金調達を行うことができなくなることが想定されるが、対象者の現在の財務状況を考慮するとエクイティ・ファイナンスの活用による資金調達の必要性は小さく、対象者の2024年6月30日時点における自己資本比率は83.9%であることから信用面に懸念はないと想定され、金融機関からの資金調達にも影響はないと考えられること。対象者においては、上場企業であることが採用活動において有利に働いていたと考えられるところ、既に2025年4月入社予定の新卒社員の採用活動において、公開買付者グループの一員として合同説明会を実施しており、上場企業である公開買付者グループの一員として実施することから、上場廃止による悪影響は生じないと考えられること。

 

2.以下の理由より、株式交換比率を含む本取引の取引条件は妥当である。

ⅰ.以下の理由より、公開買付を実施した後、株式交換(株式交換が実施できない場合には株式併合)を実施する本取引の方法に不合理な点は認められないこと。

 

 

 

・ 公開買付者から提案された、公開買付けを実施した後に、公開買付に応募しなかった対象者株主から対象者株式を取得するために本株式交換を実施するという本取引の方法は、対象者株主に対して本取引の中で公開買付者株式を所有する選択肢を提供することができることから、本株式交換の対価を公開買付者の株式とすることは一般株主の利益にも資するものであること。

・ 本株式交換における交換比率等の条件設定にあたっては、対象者株式を一段階目における本公開買付と同一の価格を基準として算定することとし、かつ、公開買付者の普通株式の評価については、本株式交換に係る株式交換契約締結の前営業日を基準とした市場株価法を採用することが予定されているところ、二段階目の手続で得られる対価は、一段階目の手続で得られる対価を下回るものではないものと思われ、本公開買付けに応募せず本株式交換により公開買付者の普通株式の交付を受ける場合であっても、本公開買付けに応じる場合と比べて不利益とならない条件が予定されているといえること。また、公開買付者の普通株式の評価方法について本株式交換の効力発生日の前営業日を基準とした市場株価法を採用する場合と比べて、株式交換比率を決定した上で公開買付者及び対象者において開催予定の臨時株主総会に付議することにより適正な判断を仰ぐことができるものと考えられること。そのため、公開買付者が提案する公開買付けを実施した後、本株式交換を実施するという手法は、現金を対価とする場合と比較して対象者株主の利益に重大な差異が生じるものでないと考えられ、不合理なものではないといえること。

・ 公開買付者から、本株式交換の承認を付議議案に含む対象者の臨時株主総会を本株式交換の承認を付議議案に含む公開買付者の臨時株主総会の後に実施することとし、仮に公開買付者の臨時株主総会において本株式交換の承認が否決された場合には対象者の臨時株主総会において対象者株式について本株式併合の承認を決議し、本株式併合の実施によりスクイーズアウトを行うことによって、完全子会社化を実現する方法が提案されていること。かかる方法によれば、一般株主は、少なくとも対価としての現金を収受することができるという意味で予測可能性は担保されると考えられることに加え、本株式併合は、完全子会社化の方法として一般的に採用されている方法であり、本株式併合により株式の数に1株に満たない端数が生じるときは、端数が生じた株主に対して、当該端数の合計数(合計した数に1株に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられる。以下同じ。)に相当する対象者株式を対象者又は公開買付者に売却することによって得られる金銭が交付されることになるところ、当該端数の合計数に相当する対象者株式の売却価格は、当該売却の結果、本公開買付けに応募しなかった対象者の各株主(公開買付者及び対象者を除く。)に交付される金銭の額が、本公開買付価格に当該各株主が所有していた対象者株式の数を乗じた価格と同一となるよう算定される予定であり、また、同手続において、対象者株主は、裁判所に対する売買価格の決定の申立てが可能であること。

 

ⅱ.独立した第三者算定機関による対象者株式価値算定の結果は以下のとおりであること。

・ 対象者は、本取引の取引条件の妥当性を判断するに際し、対象者株式及び公開買付者株式の株式価値を把握するために、公開買付者及び本取引の成否から独立した対象者の第三者算定機関であるアイ・アールジャパンから対象者株式価値に関する算定書を取得し、参考としたこと。

 

 

 

・ 本特別委員会は、アイ・アールジャパンから、算定方法、当該算定方法を採用した理由、各算定方法による算定の内容及び重要な前提条件について説明を受けた上で、質疑応答を行い、その内容の検討を行っており、アイ・アールジャパンが公開買付者の株式価値の算定手法として採用した市場株価法、類似会社比較法及びDCF法は、現在の実務に照らして一般的、合理的な手法であると考えられ、また、DCF法における割引率の根拠及び類似企業の選定の根拠に関する説明も合理的であって、その算定内容は現在の実務に照らして妥当なものであると考えられること。

・ 上記算定の前提となっている本事業計画は、本特別委員会が対象者に対して質問を行う等して、内容、重要な前提条件及び作成プロセスに特段不合理な点は認められないことの確認を経たものであり、本事業計画は、その作成経緯及び両社の現状に照らして、不合理なものではないと考えられ、本特別委員会は対象者から提示を受けた本事業計画を承認したこと。

・ アイ・アールジャパン作成の算定書による対象者株式価値の評価レンジに照らすと、本公開買付価格は、市場株価法及び類似会社比較法による算定結果の最大値を超え、かつ、DCF法による算定結果の中央値も僅かに超えるものであること。

 

ⅲ.以下の理由より、交渉過程・公開買付価格決定プロセスについては、公開買付者との交渉は、本特別委員会が実質的に関与してなされたと評価できること。

・ 対象者と公開買付者との間の公開買付価格に係る協議及び交渉は、対象者が起用した経験豊富なファイナンシャル・アドバイザーであるアイ・アールジャパンが主として担当し、本特別委員会は、交渉過程について逐次報告を受けたこと。

・ 本特別委員会は、対象者が本取引の本格的な検討を開始した後速やかに設置され、対象者株式価値算定の報告を基礎として、本取引が対象者に与えるメリットも考慮の上、公開買付価格が対象者の少数株主が享受すべき利益が確保された妥当なものとなっているかという点についての議論を複数回にわたって行い、当該議論の結果を公開買付者との交渉方針に反映し、公開買付者との交渉は本特別委員会において決定された当該交渉方針の下、その指示・要請に従って行われたこと。

・ かかる交渉を行ったことを通じて、公開買付者からも対象者の少数株主に対する配慮が示され、結果として、本特別委員会は、公開買付価格は1株1,680円と、第1回提案(1株1,500円)から180円(12.00%)の引き上げを実現したこと。

 

3. 以下の理由より、本取引に至る交渉過程等においては適切な公正性担保措置が講じられており、本取引の手続は公正である。

・ 対象者は本取引への対応を検討するにあたり、対象者の意思決定に慎重を期し、また、対象者取締役会の意思決定過程における恣意性及び利益相反のおそれを排除し、その公正性を担保するとともに、当該取締役会において本取引を行う旨を決定することが対象者の少数株主にとって不利益なものでないことを確認することを目的として、対象者及び公開買付者から独立した本特別委員会を設置していること。本特別委員会の委員全3名は、対象者の社外役員3名(社外取締役2名・社外監査役1名)であること。

・ 対象者取締役会は、本特別委員会が公開買付者との交渉に実質的に関与できる体制とするため、本特別委員会が本取引の条件を妥当でないと判断した場合、取締役会は当該条件による本取引を承認しないものとすることを決議していること。

・ 対象者及び公開買付者並びに本取引の成否から独立したリーガル・アドバイザーとして対象者が選任した大江橋法律事務所から、随時、本取引において手続の公正性を確保するための措置、本取引の諸手続並びに本取引に係る対象者の意思決定の方法及びその他の過程等に関する法的助言・意見等を得ていること。

 

 

 

・ 対象者及び公開買付者から独立したファイナンシャル・アドバイザー兼第三者算定機関として対象者が選任したアイ・アールジャパンから、本公開買付価格を始めとする本取引の条件について財務的見地からの助言・意見等を得るとともに、本公開買付価格の妥当性を確保するため、対象者株式価値に関する算定書を取得していること。

・ 対象者は、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を対象者の社内に構築していること。具体的には、対象者は、2024年4月25日に、公開買付者から対象者の完全子会社化に関する検討を開始したい旨の本意向表明書を受領した時点以降、対象者と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程において、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者との本公開買付価格その他の取引条件等の協議・交渉等、公開買付者の利益と一般株主の利益が相反するおそれが高い事項に関する業務については、対象者以外の公開買付者グループ各社の役職員を兼任又は兼務している対象者の役職員を関与させないこととしていること。なお、公開買付者グループ各社の執行役員その他の職員を兼任又は兼務していることから利益相反関係は認められるものの、公開買付者グループ各社の取締役を兼務しておらず、かつ、公開買付者グループ各社における業務執行や経営への関与がないため利益相反関係が低い役職員(対象者の取締役である山川拓人氏、対象者の執行役員である磯田雄人氏を含む。)については、デュー・ディリジェンス対応等、公開買付者の利益と一般株主の利益が相反するおそれが小さい事項に関する業務について、必要に応じて、本取引に係る当該業務を行うことを認めることとし、本取引に係る本事業計画の作成についても、その知見を得ることは妨げられないものとしており、これにより検討体制の独立性が否定されるものではないと考えられること。

・ 対象者は、2024年6月6日開催の取締役会以降、対象者の取締役のうち、公開買付者の代表取締役を務める内川淳一郎氏、取締役を兼任している小西秀央氏並びに公開買付者及びその子会社の取締役を兼任している米山誠氏、公開買付者の執行役員を兼務し同社出身の市川清之氏をそれぞれ本取引に関する取締役会の審議及び決議には参加させておらず、これらの者を対象者の立場で、本取引に係る協議及び交渉に参加させていないこと。

・ 対象者は、対象者の取締役のうち、公開買付者及びその子会社の執行役員を兼務するが、公開買付者及びその子会社の業務執行や経営への関与がなく、相対的に利益相反関係が低いと考えられる山川拓人氏及び安島秀幸氏について、取締役会決議の定足数充足の観点から、両名を除く取締役での審議及び決議に加えて、両名を加えた5名の取締役で改めて決議を行うという二段階の決議を行った場合に両名を取締役会の決議に参加させた場合を除いて、2024年6月6日開催の取締役会以降、本取引に関する取締役会の審議及び決議には参加させておらず、山川拓人氏については、利益相反が問題とならない事項に限り本取引に係る検討に関与しているが、これを除き、これらの者を対象者の立場で、本取引に係る協議及び交渉に参加させていないこと。

・ 対象者の監査役のうち、公開買付者及びその子会社の監査役を兼任している楠田肇氏を、2024年6月6日開催の取締役会以降、本取引に関する取締役会の審議には参加させておらず、意見を述べることを差し控えさせ、また、対象者の立場で、本取引に係る協議及び交渉に参加させていないこと。

・ 対象者は、公開買付者との間で、対象者が公開買付者以外の対抗的買収提案者と接触することを制限するような合意は一切行なっていないことから、マーケット・チェックの点については、いわゆる間接的マーケット・チェックが行われていると認められること。本公開買付に係る買付期間は、法令に定められた最短期間である20営業日より長い30営業日とされており、公開買付者以外の対抗的買収提案者が対象者に接触等することを可能とする十分な期間が設けられているといえ、積極的なマーケット・チェックを行わずとも、間接的なマーケット・チェックが十分機能していると考えられること。

 

 

 

・ 本取引においてマジョリティ・オブ・マイノリティ条件は設定しない予定であるものの、マジョリティ・オブ・マイノリティ条件の設定は、かえって本取引の成立を不安定なものとし、かえって少数株主の利益に資さない可能性もあること。本公開買付けにおいては、本公開買付けが成立した場合に公開買付者が所有する対象者の議決権数の合計が対象者の議決権総数の3分の2以上となるよう買付予定数の下限を設定しているところ、かかる下限の設定は、相当程度の一般株主の応募がなければ本公開買付けが成立しないという意味において、一定程度の公正性担保措置として機能すると考えられること。本取引では、対象者において他に十分な公正性担保措置が講じられていること。

・ 本特別委員会は、アイ・アールジャパンから、対象者プレスリリースのドラフトの内容について説明を受け、その内容を確認しており、対象者プレスリリースのドラフトでは、アイ・アールジャパンの対象者株式価値に関する算定書の概要、本特別委員会における検討経緯や公開買付者との取引条件の交渉過程への関与状況、答申書の内容等について充実した情報開示がなされる予定となっていること。

・ 本公開買付けに応募しなかった対象者の一般株主には、本公開買付けの成立後に実施される予定の対象者を公開買付者の完全子会社化するための手続(本株式交換又は本株式併合)において、最終的には金銭が交付されることになるところ、いずれの手続においても、裁判所に対する売買価格の決定の申立てが可能であることに加え、本公開買付けに応じる場合と比べて不利益とならない条件が予定されているといえること、本株式併合における任意売却許可の申立て当該手続は、本公開買付けの終了後、時間的に近接して行われる予定であり、当該手続において株主に交付される金銭の額については、本公開買付価格に株主が所有している対象者株式の数を乗じた価格と同一になるよう算定される予定であることも踏まえると、及び当該手続は会社法その他関係法令を遵守した上で履践されることがプレスリリース等で明示される予定であることから、本取引については強圧性の問題が生じないように配慮の上、当該スクイーズアウト手続の適法性も確保されているといえること。

・ 本取引に係る協議、検討及び交渉の過程において、対象者が公開買付者より不当な影響を受けたことを推認させる事実は認められないこと。

・ 2024年7月12日付「通期連結業績予想及び配当予想の修正に関するお知らせ」に記載されている対象者における2024年12月期業績予想の下方修正について、本特別委員会は、同年7月23日、対象者に対し、下方修正に至った経緯等についてインタビューを実施したところ、公開買付者からの下方修正の強制等は存しないこと、対象者内の協議により下方修正を行う判断に至ったこと、下方修正後の数値の算出後公表に至るまでのタイムラグが特段存しないこと等を確認しており、対象者が意図的に対象者株式の市場株価を下げる意図で策定及び公表したものであるなど、当該下方修正に関して手続の不公正を窺わせる事情を本特別委員会において見出していないことから、本公開買付価格の検討にあたり、上記各公表日以降の対象者株式の市場株価を参考にすることは不当ではないと考えられること。

 

4. 以下の理由より、対象者取締役会が本取引を行う旨(本公開買付けに賛同する旨の意見を表明すると共に、対象者株主に対して本公開買付けに応募することを推奨すること、及び本取引を取締役会として承認すること。)の意思決定をすることは適切であり、また対象者の一般株主にとって不利益でないと考える。

・ 前記1.のとおり、本取引は対象者の企業価値の向上に資するものと認められ、前記2.及び3.のとおり、取引条件の妥当性及び手続の公正性も認められる。したがって、対象者取締役会が本取引を行う旨の意思決定をすることは適切であり、また、対象者の少数株主にとって不利益なものではないと考えること。

・ かかる本特別委員会の意見は本答申書作成時点のものであり、本公開買付けが成立した場合は、本株式交換の実施が予定されていることから、本特別委員会は、本株式交換実施時においても再度答申をすることを予定していること。

 

 

 

④ 対象者における独立した法律事務所からの助言

対象者プレスリリースによれば、対象者は、本取引に係る対象者取締役会の意思決定に慎重を期し、対象者取締役会の意思決定過程における恣意性を排除し、その公正性を担保することを目的として、公開買付者及び対象者から独立したリーガル・アドバイザーとして大江橋法律事務所を選任し、その後、本取引において手続の公正性を確保するために講じるべき措置、本取引の諸手続、並びに本取引に係る対象者の取締役会の意思決定の方法及び過程その他の本公開買付けを含む本取引に関する意思決定にあたっての留意点に関する法的助言を受けているとのことです。

なお、大江橋法律事務所は、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有していないとのことです。また、大江橋法律事務所の報酬は、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬の支払制度は採用していないとのことです。

 

⑤ 対象者における独立した検討体制の構築

対象者プレスリリースによれば、対象者は、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者から独立した立場で、本取引に係る検討、交渉及び判断を行う体制を対象者の社内に構築したとのことです。

具体的には、対象者は、2024年4月25日に、公開買付者から対象者の完全子会社化に関する検討を開始したい旨の本意向表明書を受領した時点以降、対象者と公開買付者との間の本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件に関する交渉過程において、構造的な利益相反の問題を排除する観点から、公開買付者との本公開買付価格その他の取引条件等の協議・交渉等、公開買付者の利益と一般株主の利益が相反するおそれが高い事項に関する業務については、対象者以外の公開買付者グループ各社の役職員を兼任又は兼務している対象者の役職員(対象者の代表取締役会長である内川淳一郎氏、対象者の代表取締役社長である小西秀央氏、対象者の取締役である米山誠氏を含みます。)を関与させないこととしたとのことです。一方で、公開買付者グループ各社の執行役員その他の職員を兼任又は兼務していることから利益相反関係は認められるものの、公開買付者グループ各社の取締役を兼務しておらず、かつ、公開買付者グループ各社における業務執行や経営への関与がないため利益相反関係が低い役職員(対象者の取締役である山川拓人氏、対象者の執行役員である磯田雄人氏を含みます。)については、デュー・ディリジェンス対応等、公開買付者の利益と一般株主の利益が相反するおそれが小さい事項に関する業務について、必要に応じて、本取引に係る当該業務を行うことを認めることとし、本取引に係る事業計画の作成についても、その知見を得ることは妨げられないものとしたとのことです。以上の取扱いを含めて、対象者の社内に構築した本取引の検討体制(取締役1名(山川拓人氏)、執行役員1名(磯田雄人氏)、その他従業員5名(本取引の検討、交渉及び判断に関与する対象者の役職員の範囲及びその職務を含みます。))に独立性及び公正性の観点から問題がないことについては、大江橋法律事務所の助言を踏まえて、本特別委員会の承認を得ているとのことです。

 

⑥ 対象者における利害関係を有しない取締役全員の承認及び利害関係を有しない監査役全員の異議がない旨の意見

対象者プレスリリースによれば、対象者取締役会は、上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けの実施を決定するに至った背景、目的及び意思決定の過程並びに本公開買付け成立後の経営方針」の「② 対象者における意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、大江橋法律事務所から受けた法的助言、アイ・アール ジャパンから受けた財務的見地からの助言並びに本株式価値算定書の内容、本答申書において示された本特別委員会の判断内容を最大限尊重しながら、本公開買付けを含む本取引が対象者の企業価値の向上に資するか否か、及び本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件が妥当なものか否かについて、慎重に協議・検討したとのことです。

 

 

 

その結果、対象者は、上記「3 買付け等の目的」の「(2) 本公開買付けを実施するに至った背景、目的及び意思決定の過程、並びに本公開買付け後の経営方針」の「② 対象者が本公開買付けに賛同するに至った意思決定の過程及び理由」に記載のとおり、(ⅰ)本公開買付けを含む本取引によって、公開買付者と対象者との間で<上場維持のためのコスト削減、業務負担の軽減と経営資源の振替>、<公開買付者グループとの連携強化による対象者事業の収益性の強化>、<潜在的な利益相反の可能性の排除と機動的かつ柔軟な意思決定体制の構築>及び<人材基盤の構築>のシナジーが実現し、対象者の事業及び経営基盤が強化されることによって対象者の企業価値の向上に資するものであるとともに、(ⅱ)本公開買付価格である1株当たり1,680円は本特別委員会の実質的な関与の下、公開買付者との間で十分な交渉を重ねた結果合意された妥当な価格であり、本公開買付価格を含む本取引に係る取引条件は対象者の一般株主の皆様が享受すべき利益が確保された妥当なものであり、本公開買付けは対象者の一般株主の皆様に対して適切なプレミアムを付した価格での合理的な対象者株式の売却の機会を提供するものであると判断したとのことです。そして、対象者は、2024年8月8日開催の対象者取締役会において、審議及び決議に参加した対象者の取締役全員一致で、本公開買付けに賛同する旨の意見を表明するとともに、対象者の株主の皆様に対し、本公開買付けに応募することを推奨することを決議したとのことです。また、上記の取締役会においては、楠田肇氏を除く監査役全員が上記決議に異議がない旨の意見を述べたとのことです。

上記の対象者取締役会においては、対象者の取締役9名のうち8名が出席し、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを排除し、本取引の公正性を担保する観点から、公開買付者の取締役を兼任する小西秀央氏、公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの執行役員を兼務している山川拓人氏、安島秀幸氏及び市川清之氏、並びに公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの取締役を兼任している米山誠氏を除く他の3名の取締役において審議の上、その全員一致で決議を行い、その後、取締役会の定足数を確保する観点から、公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの執行役員を兼務するものの、これらの取締役を兼務しておらず、かつ、公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの業務執行や経営への関与がないため利益相反関係が低い山川拓人氏及び安島秀幸氏を加えた5名の取締役において改めて審議の上、全員一致により決議を行ったとのことです。なお、公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの取締役を兼任している内川淳一郎氏は、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題による影響を受けるおそれを排除し、本取引の公正性を担保する観点から、上記取締役会には出席しておらず、意見を述べることを差し控えたとのことです。

また、上記取締役会には対象者の監査役4名が出席したとのことですが、対象者の監査役楠田肇氏は、公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの監査役を兼任していることから、取締役会における審議及び決議が本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記取締役会において意見を述べることを差し控えたとのことです。

なお、対象者の取締役のうち、公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの取締役を兼任している代表取締役会長内川淳一郎氏及び取締役米山誠氏、公開買付者の取締役を兼任する代表取締役社長小西秀央氏、公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの執行役員を兼務している取締役市川清之氏及び米山誠氏、並びに、対象者の監査役のうち、公開買付者及びその完全子会社であるレッグスの監査役を兼任している監査役楠田肇氏は、本取引における構造的な利益相反の問題及び情報の非対称性の問題による影響を受けるおそれを排除する観点から、上記2024年8月8日開催の対象者取締役会を含む本取引に係る対象者取締役会の審議及び決議には参加しておらず、かつ、対象者の立場において、本取引に係る公開買付者との協議及び交渉には参加していないとのことです。

 

⑦ 本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保

公開買付者は、対象者との間で、対象者が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、対抗的買収提案者が対象者との間で接触することを制限するような内容の合意を行っておりません。また、公開買付者は、本公開買付けの買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)を法令に定められた最短期間である20営業日より長い30営業日に設定しております。このように、公開買付者は、公開買付期間を法定の最短期間よりも長期に設定することにより、対象者の株主の皆様に本公開買付けに対する応募について適切な判断機会を確保するとともに、対象者株式について公開買付者以外の者にも対抗的な買付け等を行う機会を確保し、もって本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。

 

 

 

⑧ 強圧性の排除

本取引においては、まず本公開買付けにより公開買付者が対象者株主から対象者株式の取得を図り、その後いわゆる二段階買収の手続として本株式交換により対象者が公開買付者の完全子会社となることが企図されておりますが、いわゆる一段階目における対価(現金)と二段階目における対価(公開買付者株式)とが異なる場合、対価としての現金を希望する対象者株主においては一段階目の手続である本公開買付けに応募しなければならないのではないかという点でいわゆる強圧性の問題が生じ得ますが、公開買付者は、以下のとおり本取引において強圧性は排除されていると考えております。

まず、本取引においては、一段階目の本公開買付けは早期の現金化を希望する対象者株主に株式売却の機会を設ける一方で、二段階目の本株式交換は公開買付者株式の保有により引き続き対象者の企業価値向上を含むいわゆるシナジー実現の利益を対象者株主が享受し得る機会を設けるという積極的な意図によるものであり、対象者株主(一般株主)の利益に資するものであると考えております。

また、二段階目の本株式交換により公開買付者株式を保有することとなった後も、同株式が株式市場において流通性を有するものであることから、現金化を希望する株主には相応の機会が設けられていること、また二段階目の本株式交換における交換比率等の条件は一段階目における本公開買付価格と同一の価格を基準として算定され、かつ、公開買付者の普通株式の評価については、本株式交換に係る株式交換契約締結日の前営業日を基準とした市場株価法を採用することとしており、本公開買付けに応募せず本株式交換により公開買付者の普通株式の交付を受ける場合であっても、本公開買付けに応じる場合と比べて不利益とならない条件とされることから、公開買付者は、対象者株主の経済的な利益の面で一段階目と二段階目の手続において特段の差異は生じないものと考えております。なお、株式交換比率を含め本株式交換に反対する対象者株主は会社法の定めに従い対象者に対して株式買取請求を行うことができることから、株式交換比率決定後の公開買付者株式に関する株価変動リスクを対象者株主が負うということもないものと考えております。

 

⑨ 対象者における独立した監査法人からの助言

対象者は、本取引の一環として本公開買付け後に本株式交換が実施されることが想定されていることから、本株式交換を含む本取引の実行に重大な支障をきたす問題点が存在しないことを確認するため、公開買付者及び対象者から独立した会計・税務アドバイザーとして、有限責任あずさ監査法人及びKPMG税理士法人を選任し、有限責任あずさ監査法人及びKPMG税理士法人に対して、公開買付者に対するデュー・ディリジェンスの実施を依頼し、当該デュー・ディリジェンスの結果の報告及び助言を受けております。

なお、有限責任あずさ監査法人及びKPMG税理士法人は、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有しておりません。また、有限責任あずさ監査法人の報酬は、本取引の公表や成立等を条件とする成功報酬の支払制度は採用しておりません。

 

 

(3) 【買付予定の株券等の数】

 

株券等の種類

買付予定数

買付予定数の下限

買付予定数の上限

普通株式

3,168,484(株)

1,275,495(株)

-(株)

合計

3,168,484(株)

1,275,495(株)

-(株)

 

(注1) 応募株券等の数の合計が買付予定数の下限(1,275,495株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。

(注2) 本公開買付けを通じて、対象者が所有する自己株式を取得する予定はありません。

(注3) 単元未満株式も本公開買付けの対象としております。なお、会社法に従って対象者の株主による単元未満株式買取請求権が行使された場合には、対象者は法令の手続に従い、公開買付期間中に自己の株式を買い取ることがあります。

(注4) 本公開買付けにおいては、買付予定数の上限を設定しておりませんので、買付予定数は本公開買付けにより公開買付者が取得する対象者の株券等の最大数である3,168,484株を記載しております。なお、当該最大数は、対象者半期報告書に記載された2024年6月30日現在の対象者の発行済株式総数(6,240,000株)から、対象者半期報告書に記載された2024年6月30日現在の対象者が所有する自己株式数(561,111株)及び本書提出日現在において公開買付者が直接所有する対象者株式数(2,510,405株)を控除した株式数(3,168,484株)です。

 

 

5 【買付け等を行った後における株券等所有割合】

 

区分

議決権の数

買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)

31,684

aのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(b)

bのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(c)

公開買付者の所有株券等に係る議決権の数(2024年8月9日現在)(個)(d)

25,104

dのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(e)

eのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(f)

特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年8月9日現在)(個)(g)

1,309

gのうち潜在株券等に係る議決権の数(個)(h)

hのうち株券の権利を表示する株券等信託受益証券及び株券等預託証券に係る議決権の数(個)(i)

対象者の総株主等の議決権の数(2024年6月30日現在)(個)(j)

56,750

買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合

(a/j)(%)

55.79

買付け等を行った後における株券等所有割合

((a+d+g)/(j+(b-c)+(e-f)+(h-i))×100)(%)

100.00

 

(注1) 「買付予定の株券等に係る議決権の数(個)(a)」は、本公開買付けにおける買付予定数(31,684株)に係る議決権の数を記載しております。

(注2) 「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年8月9日現在)(個)(g)」は、各特別関係者(但し、特別関係者のうち法第27条の2第1項各号における株券等所有割合の計算において府令第3条第2項第1号に基づき特別関係者から除外される者を除きます。)が所有する株券等に係る議決権の数の合計を記載しております。但し、本公開買付けにおいては、特別関係者の所有する株券等(対象者が所有する自己株式を除きます。)についても買付け等の対象としているため、「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、「特別関係者の所有株券等に係る議決権の数(2024年8月9日現在)(個)(g)」を分子に加算しておりません。なお、公開買付者は、本書提出後に特別関係者の所有する対象者の株券等を確認の上、本書の訂正が必要な場合には、本書に係る訂正届出書を提出する予定です。

(注3) 「対象者の総株主等の議決権の数(2024年6月30日現在)(個)(j)」は、対象者半期報告書に記載された2024年6月30日現在の総株主の議決権の数(1単元の株式数を100株として記載されたもの)です。但し、本公開買付けにおいては、単元未満株式についても本公開買付けの対象としているため、「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」の計算においては、対象者半期報告書に記載された2024年6月30日現在の発行済株式総数6,240,000株から、対象者半期報告書に記載された2024年6月30日現在の対象者が所有する自己株式数561,111株を控除した株式数をいいます。)を控除した株式数5,678,889に係る議決権数(56,788個)を分母として計算しております。

(注4) 「買付予定の株券等に係る議決権の数の総株主等の議決権の数に占める割合」及び「買付け等を行った後における株券等所有割合」は、小数点以下第三位を四捨五入しております。

 

 

6 【株券等の取得に関する許可等】

(1) 【株券等の種類】

普通株式

 

(2) 【根拠法令】

公開買付者は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号。その後の改正を含みます。以下「独占禁止法」といいます。)第10条第2項に基づき、公正取引委員会に対し、本公開買付けによる株式取得(以下「本株式取得」といいます。)の前に、本株式取得に関する計画を予め届け出なければならず(以下、当該届出を「事前届出」といいます。)、同条第8項により事前届出が受理された日から30日(短縮される場合もあります。)を経過する日までは本株式取得をすることはできません(以下、本株式取得が禁止される当該期間を「取得禁止期間」といいます。)。

また、独占禁止法第10条第1項は、一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる他の会社の株式の取得行為を禁止しており、公正取引委員会はこれに違反する行為を排除するために必要な措置を命ずることができます(同法第17条の2第1項。以下「排除措置命令」といいます。)。公正取引委員会は、排除措置命令を発令しようとするときは、当該排除措置命令の名宛人となるべき者について意見聴取を行わなければならず(同法第49条)、かかる意見聴取を行うにあたっては、予定する排除措置命令の内容等を名宛人に通知しなければなりませんが(同法第50条第1項。以下「排除措置命令の事前通知」といいます。)、事前届出に係る株式取得に関する計画に対する排除措置命令の事前通知は、一定の期間(上記事前届出が受理された日から原則30日間ですが、延長又は短縮される場合もあります。以下「措置期間」といいます。)内に行うこととされております(同法第10条第9項)。なお、公正取引委員会は、排除措置命令の事前通知をしないこととした場合、その旨の通知(以下「排除措置命令を行わない旨の通知」といいます。)をするものとされております(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第9条から第16条までの規定による認可の申請、報告及び届出等に関する規則(昭和28年公正取引委員会規則第1号。その後の改正を含みます。)第9条。)。

公開買付者は、本株式取得に関して、2024年7月4日付で公正取引委員会に対して事前届出を行い、同日付で受理され、公開買付者は、2024年7月31日付で排除措置命令を行わない旨の通知を公正取引委員会より受領したため、措置期間は同日をもって終了しております。また、本株式取得に関して、2024年8月3日の経過をもって、30日間の取得禁止期間が経過したため、取得禁止期間は終了しております。

 

(3) 【許可等の日付及び番号】

許可等の日付  2024年7月31日(排除措置命令を行わない旨の通知を受けたことによる)

許可等の番号  公経企第712号(排除措置命令を行わない旨の通知書の番号)

 

 

7 【応募及び契約の解除の方法】

(1) 【応募の方法】

① 公開買付代理人

株式会社SBI証券  東京都港区六本木一丁目6番1号

 
② 本公開買付けに応募する株主(以下「応募株主等」といいます。)は、公開買付代理人のホームページ(https://www.sbisec.co.jp)画面から所要事項を入力することでWEB上にて公開買付期間の末日の午前9時までに申し込む方法、又は、公開買付代理人のホームページ(https://www.sbisec.co.jp)画面から公開買付応募申込書をご請求いただき、公開買付代理人から発送した「公開買付応募申込書」に所要事項を記載の上、公開買付代理人までご返送いただき申し込む方法、又は、公開買付代理人の本店若しくは営業所、若しくは公開買付代理人の担当者が駐在しているSBIマネープラザ株式会社の各部支店(注1)(以下「店頭応募窓口」といいます。場所等の詳細は公開買付代理人のホームページ(https://www.sbisec.co.jp)をご参照いただくか、公開買付代理人までご連絡の上ご確認ください。以下同様とします。)において、所定の「公開買付応募申込書」に所要事項を記載の上、公開買付期間の末日の午前9時までに申し込む方法にて、応募してください。応募の際には、本人確認書類が必要となる場合があります(注2)(店頭応募窓口にて申し込む場合、応募株主等は、応募の際に、「公開買付応募申込書」とともに、ご印鑑をご用意ください。)。なお、公開買付応募申込書を郵送される場合、応募株主等が公開買付代理人に開設した応募株主等名義の証券取引口座(以下「応募株主等口座」といいます。)へ応募株券等の振替手続を完了した上で、公開買付応募申込書が、店頭応募窓口に公開買付期間の末日の午前9時までに到達することを条件とします。
 
③ 対象者株式の応募の受付にあたっては、応募株主等が公開買付代理人に開設した応募株主等口座に、応募する予定の株式が記載又は記録されている必要があります。そのため、応募する予定の対象者株式が、公開買付代理人以外の金融商品取引業者等に開設された口座に記載又は記録されている場合(対象者の特別口座の口座管理機関であるみずほ信託銀行株式会社に開設された特別口座に記載又は記録されている場合を含みます。)は、応募に先立ち、公開買付代理人に開設した応募株主等口座へ応募株券等の振替手続を完了していただく必要があります。なお、特別口座から、公開買付代理人の応募株主等口座に株券等の記録を振り替える手続の詳細につきましては、上記特別口座の口座管理機関にお問い合わせくださいますようお願い申し上げます。
 
④ 本公開買付けにおいて、公開買付代理人以外の金融商品取引業者を経由した応募の受付は行われません。
 
⑤ 公開買付代理人に証券取引口座を開設しておられない応募株主等には、新規に証券取引口座を開設していただく必要があります。証券取引口座を開設される場合には、本人確認書類(注2)が必要となります。
 
⑥ 外国の居住者である株主(法人株主を含みます。以下「外国人株主」といいます。)の場合、日本国内の常任代理人を通じて応募してください(常任代理人より、外国人株主の委任状又は契約書の原本証明付きの写しをご提出いただきます。)。また、本人確認書類(注2)をご提出いただく必要があります。
 
⑦ 日本の居住者である個人株主の場合、買付けられた株券等に係る売却代金と取得費等との差額は、原則として株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税の適用対象となります(注3)。
 
⑧ 応募の受付に際し、公開買付代理人より応募株主等に対して、公開買付応募申込の受付票を郵送により交付します。
 
⑨ 応募株券等の全部の買付け等が行われないこととなった場合、買付け等の行われなかった株券等は応募株主等に返還されます。

 

 

(注1) 店頭応募窓口は次のとおりとなります。

公開買付代理人の本店

公開買付代理人の営業所

大阪営業所 名古屋営業所 福岡営業所

なお、公開買付代理人の営業所は、SBIマネープラザ株式会社の支店(大阪支店、名古屋支店、福岡中央支店)に併設されております。

公開買付代理人の担当者が駐在しているSBIマネープラザ株式会社の各部支店

会津支店 熊谷中央支店 新宿中央支店 松本支店 伊那支店 

名古屋支店 大阪支店 福岡中央支店 鹿児島中央支店

 

(注2) ご印鑑、マイナンバー(個人番号)又は法人番号及び本人確認書類等について

公開買付代理人である株式会社SBI証券において新規に証券取引口座を開設して応募される場合又は外国人株主が常任代理人を通じて応募される場合には、ご印鑑が必要となるほか、次のマイナンバー(個人番号)又は法人番号を確認する書類及び本人確認書類等が必要になります。また、既に口座を有している場合であっても、住所変更、取引店変更、税務に係る手続等の都度、マイナンバー(個人番号)又は法人番号及び本人確認書類等が必要な場合があります。なお、マイナンバー(個人番号)を確認するために提出する書類により、必要となる本人確認書類が異なります。詳しくは、公開買付代理人のホームページ(https://www.sbisec.co.jp)、又は、店頭応募窓口にてご確認ください。

 

個人の場合

マイナンバー(個人番号)を確認するための書類と本人確認書類(氏名、住所、生年月日の全てを確認できるもの。発行日より6ヶ月以内のもの、また、有効期限のあるものはその期限内のもの。)が必要となります。

マイナンバー確認書類(コピー)

本人確認書類(コピー)

マイナンバーカード(両面)

不要

通知カード

顔写真付き

(右記のいずれか1点)

運転免許証、住民基本台帳カード(写真付き)、在留カード、特別永住者証明書 等

顔写真なし

(右記のいずれか2点)

印鑑登録証明書、戸籍抄本、住民票の写し 等

マイナンバーの記載された住民票の写し

「住民票の写し」「住民票記載事項証明書」以外の下記いずれか1点

運転免許証、住民基本台帳カード(写真付き)、在留カード、特別永住者証明書、印鑑登録証明書、戸籍抄本 等

マイナンバーの記載された住民票記載事項証明書

 

 

法人の場合

① 登記事項証明書及び印鑑証明書(両方の原本。発行日より6ヶ月以内のもので名称及び本店又は主たる事務所の所在地並びに事業内容を確認できるもの。)

② 法人自体の本人確認に加え、代表者及び代理人・取引担当者個人(契約締結の任に当たる者)の本人確認が必要となります。

③ 法人番号を確認するための書類として、「法人番号指定通知書」のコピー又は国税庁法人番号公表サイトで検索した結果画面を印刷したものが必要となります。

 

 

外国人株主の場合

外国人(居住者を除きます。)又は外国に本店若しくは主たる事務所を有する法人の場合、日本国政府の承認した外国政府又は権限のある国際機関の発行した書類その他これに類するもので、居住者の本人確認書類に準じるもの、及び常任代理人との間の委任契約に係る契約書若しくは委任状等(当該外国人株主の氏名又は名称、代表者の氏名及び国外の所在地の記載のあるものに限ります。)の写しが必要となります。

 

なお、公開買付期間中に新規に取引口座を開設される場合は、公開買付代理人にお早目にご相談ください。

 

(注3) 株式等の譲渡所得等に関する申告分離課税について(日本の居住者である個人株主の場合)

日本の居住者である個人株主の方につきましては、株式等の譲渡所得には、一般に申告分離課税が適用されます。税務上の具体的なご質問等は税理士等の専門家に各自ご相談いただき、ご自身でご判断いただきますようお願い申し上げます。

 

(2) 【契約の解除の方法】

応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも本公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除については、公開買付代理人のホームページ(https://www.sbisec.co.jp)画面から所要事項を入力する方法、又は、公開買付期間の末日の午前9時までに、公開買付代理人のカスタマーサービスセンター(電話番号:0120-104-214 携帯電話からは03-5562-7530)までご連絡いただき、解除手続を行ってください。

また、店頭応募窓口経由(対面取引口座)で応募された契約の解除をする場合は、公開買付期間の末日の午前9時までに、下記に指定する者の本店又は営業所、下記に指定する者の担当者が駐在しているSBIマネープラザ株式会社の各部支店に公開買付応募申込受付票(交付されている場合)を添付の上、本公開買付けに係る契約の解除を行う旨の書面(以下「解除書面」といいます。)を交付又は送付してください。但し、送付の場合は、解除書面が、店頭応募窓口に対し、公開買付期間の末日の午前9時までに到達することを条件とします。

 

解除書面を受領する権限を有する者

株式会社SBI証券  東京都港区六本木一丁目6番1号

(その他の株式会社SBI証券の営業所、又は株式会社SBI証券の担当者が駐在しているSBIマネープラザ株式会社の各部支店)

 

(3) 【株券等の返還方法】

応募株主等が上記「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法により本公開買付けに係る契約の解除を申し出た場合には、解除手続終了後速やかに、下記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により応募株券等を返還いたします。

 

(4) 【株券等の保管及び返還を行う金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】

株式会社SBI証券  東京都港区六本木一丁目6番1号

 

 

8 【買付け等に要する資金】

(1) 【買付け等に要する資金等】

 

買付代金(円)(a)

5,323,053,120円

金銭以外の対価の種類

金銭以外の対価の総額

買付手数料(b)

50,000,000円

その他(c)

7,000,000円

合計(a)+(b)+(c)

5,380,053,120円

 

(注1) 「買付代金(円)(a)」欄は、本公開買付けにおける買付予定数(3,168,484株)に、1株当たりの買付価格(1,680円)を乗じた金額です。

(注2) 「買付手数料(b)」欄は、公開買付代理人に支払う手数料の見積額です。

(注3) 「その他(c)」欄は、本公開買付けに関する公開買付開始公告についてのお知らせ掲載費及び公開買付説明書その他必要書類の印刷費等の諸費用につき、その見積額です。

(注4) 上記金額には、消費税等は含まれません。

(注5) その他公開買付代理人に支払われる諸経費及び弁護士報酬等がありますが、その額は本公開買付け終了後まで未定です。

 

(2) 【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等】

① 【届出日の前々日又は前日現在の預金】

 

種類

金額(千円)

計(a)

 

 

② 【届出日前の借入金】

イ 【金融機関】

 

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

 

 

ロ 【金融機関以外】

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

 

 

 

③ 【届出日以後に借入れを予定している資金】

イ 【金融機関】

 

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

銀行

株式会社三井住友銀行(東京都千代田区丸の内一丁目1番2号)

買付け等に要する資金に充当するための借入れ(注)

弁済期:2025年3月31日(期日一括返済)

金利 :銀行の定める基準金利にスプレッドを加算した利率

担保 :なし

7,000,000

計(b)

7,000,000

 

(注) 公開買付者は、上記金額の融資の裏付けとして、株式会社三井住友銀行から、70億円を限度として融資を行う用意がある旨の融資証明書を2024年8月8日付で取得しております。なお、当該融資の貸付実行の前提条件として、本書の添付資料である融資証明書記載のものが定められる予定です。

 

ロ 【金融機関以外】

 

借入先の業種

借入先の名称等

借入契約の内容

金額(千円)

計(c)

 

 

④ 【その他資金調達方法】

 

内容

金額(千円)

計(d)

 

 

⑤ 【買付け等に要する資金に充当しうる預金又は借入金等の合計】

7,000,000 千円((a)+(b)+(c)+(d))

 

(3) 【買付け等の対価とする有価証券の発行者と公開買付者との関係等】

該当事項はありません。

 

9 【買付け等の対価とする有価証券の発行者の状況】

該当事項はありません。

 

 

10 【決済の方法】

(1) 【買付け等の決済をする金融商品取引業者・銀行等の名称及び本店の所在地】

株式会社SBI証券  東京都港区六本木一丁目6番1号

 

(2) 【決済の開始日】

2024年10月1日(火曜日)

 

(3) 【決済の方法】

公開買付期間終了後遅滞なく、本公開買付けによる買付け等の通知書を応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の住所又は所在地宛に郵送します。

買付け等は、現金にて行います。買付けられた株券等に係る売却代金は、応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の指示により、決済の開始日以後遅滞なく、公開買付代理人から応募株主等(外国人株主の場合はその常任代理人)の指定した場所へ送金します。

 

(4) 【株券等の返還方法】

下記「11 その他買付け等の条件及び方法」の「(1)法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容」又は「(2) 公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法」に記載の条件に基づき応募株券等の全部又は一部を買付けないこととなった場合には、公開買付期間末日の翌営業日(本公開買付けの撤回等を行った場合は撤回等を行った日)以後速やかに、返還すべき株券等を返還します。株式については、公開買付代理人の応募株主等口座上で、返還すべき株式を応募が行われた直前の記録に戻すことにより返還します(株式を他の金融商品取引業者等に設定した応募株主等の口座に振り替える場合は、その旨指示してください。)。

 

11 【その他買付け等の条件及び方法】

(1) 【法第27条の13第4項各号に掲げる条件の有無及び内容】

応募株券等の総数が買付予定数の下限(1,275,495株)に満たない場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いません。応募株券等の総数が買付予定数の下限(1,275,495株)以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行います。

 

(2) 【公開買付けの撤回等の条件の有無、その内容及び撤回等の開示の方法】

令第14条第1項第1号イ乃至ヌ及びワ乃至ツ、第3号イ乃至チ及びヌ、並びに同条第2項第3号乃至第6号に定める事情のいずれかが生じた場合は、本公開買付けの撤回等を行うことがあります。令第14条第1項第3号ヌに定める「イからリまでに掲げる事実に準ずる事実」とは、①対象者が過去に提出した法定開示書類について、重要な事項につき虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項の記載が欠けていることが判明した場合であって、公開買付者が当該虚偽記載等があることを知らず、かつ、相当の注意を用いたにもかかわらず知ることができなかった場合及び② 対象者の重要な子会社に同号イ乃至トまでに掲げる事実が発生した場合をいいます。撤回等を行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。

 

(3) 【買付け等の価格の引下げの条件の有無、その内容及び引下げの開示の方法】

法第27条の6第1項第1号の規定により、公開買付期間中に対象者が令第13条第1項に定める行為を行った場合には、府令第19条第1項の規定に定める基準に従い、買付け等の価格の引下げを行うことがあります。買付け等の価格の引下げを行おうとする場合は、電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付け等の価格の引下げがなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、引下げ後の買付け等の価格により買付け等を行います。

 

 

(4) 【応募株主等の契約の解除権についての事項】

応募株主等は、公開買付期間中においては、いつでも公開買付けに係る契約を解除することができます。契約の解除の方法については、上記「7 応募及び契約の解除の方法」の「(2) 契約の解除の方法」に記載の方法によるものとします。

なお、公開買付者は応募株主等による契約の解除があった場合においても、損害賠償又は違約金の支払いを応募株主等に請求しません。また、応募株券等の返還に要する費用も公開買付者の負担とします。解除を申し出られた場合には、応募株券等は当該解除の申出に係る手続終了後速やかに上記「10 決済の方法」の「(4) 株券等の返還方法」に記載の方法により返還します。

 

(5) 【買付条件等の変更をした場合の開示の方法】

公開買付者は、公開買付期間中、法第27条の6第1項及び令第13条第2項により禁止される場合を除き、買付条件等の変更を行うことがあります。買付条件等の変更を行おうとする場合は、その変更の内容等につき電子公告を行い、その旨を日本経済新聞に掲載します。但し、公開買付期間末日までに公告を行うことが困難である場合は、府令第20条に規定する方法により公表し、その後直ちに公告を行います。買付条件等の変更がなされた場合、当該公告が行われた日以前の応募株券等についても、変更後の買付条件等により買付け等を行います。

 

(6) 【訂正届出書を提出した場合の開示の方法】

訂正届出書を関東財務局長に提出した場合は、法第27条の8第11項但書に規定する場合を除き、直ちに、訂正届出書に記載した内容のうち、公開買付開始公告に記載した内容に係るものを、府令第20条に規定する方法により公表します。また、直ちに公開買付説明書を訂正し、かつ、既に公開買付説明書を交付している応募株主等に対しては訂正した公開買付説明書を交付して訂正します。但し、訂正の範囲が小範囲に止まる場合には、訂正の理由、訂正した事項及び訂正後の内容を記載した書面を作成し、その書面を応募株主等に交付する方法により訂正します。

 

(7) 【公開買付けの結果の開示の方法】

本公開買付けの結果については、公開買付期間末日の翌日に、令第9条の4及び府令第30条の2に規定する方法により公表します。

 

(8) 【その他】

本公開買付けは、直接間接を問わず、米国内において又は米国に向けて行われるものではなく、また、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(ファクシミリ、電子メール、インターネット通信、テレックス及び電話を含みますが、これらに限りません。)を利用して行われるものでもなく、さらに米国の証券取引所施設を通じて行われるものでもありません。上記方法・手段により、若しくは上記施設を通じて、又は米国内から本公開買付けに応募することはできません。

また、本書又は関連する買付書類は、米国内において若しくは米国に向けて、又は米国内から、郵送その他の方法によって送付又は配布されるものではなく、かかる送付又は配布を行うことはできません。上記制限に直接又は間接に違反する本公開買付けへの応募はお受けできません。

本公開買付けへの応募に際し、応募株主等(外国人株主の場合は常任代理人)は公開買付代理人に対し、以下の表明及び保証を行うことを求められることがあります。

応募株主等が応募の時点及び公開買付応募申込書送付の時点のいずれにおいても米国に所在していないこと。本公開買付けに関するいかなる情報(その写しを含みます。)も、直接間接を問わず、米国内において若しくは米国に向けて、又は米国内から、これを受領したり送付したりしていないこと。買付け等若しくは公開買付応募申込書の署名交付に関して、直接間接を問わず、米国の郵便その他の州際通商若しくは国際通商の方法・手段(ファクシミリ、電子メール、インターネット通信、テレックス及び電話を含みますが、これらに限りません。)又は米国内の証券取引所施設を使用していないこと。他の者の裁量権のない代理人又は受託者・受任者として行動する者ではないこと(当該他の者が買付け等に関する全ての指示を米国外から与えている場合を除きます。)。