第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「エンドユーザー(消費者)の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く事業創造を行い、その発展に伴い社会の問題を解決し、貢献できる企業として成長する。」という経営理念の下、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業における日本発世界標準企業となることを目標としております。具体的には、クライアント企業のお客様(エンドユーザー)の声を直接聞き、適切なニーズを見つけ出すことによりクライアント企業へのロイヤリティを高める、独創的なサービスを創出することに努めており、クライアント企業より高い評価を得てまいりました。

 今後も世界18ヶ国26拠点のネットワークからお客様(エンドユーザー)のニーズを適格に把握することに注力し、BPO事業のリーディングカンパニーとして革新的な事業の創造に取組み、着実な業容の拡大と安定した収益を上げ続けることで、ステークホルダーと共に繁栄できる企業を目指します。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは企業価値を増大するために、売上高の成長及び売上高利益率を最も重要な経営指標としております。

 当社グループが特に重要視する経営戦略は、「継続的・安定的成長」と「PIでしか実現できないサービス領域の創造」であり、売上が急成長しても短期的な業績のぶれが大きいスポット的なサービスの受託よりも、利益面で長期的、継続的、かつ下方変動性の小さい、独自性の高いサービスの創出と提供に努めております。また、利益の継続成長には継続的な事業成長と拡大が不可欠であり、そのために経営資源を成長事業に集中させ、売上高拡大を図るべく様々な施策に取り組む方針です。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 2021年5月14日付けで、2022年3月期から始まる3期間の中期経営計画を開示しております。

 なお、当該中期事業計画は、以下のURLからご覧頂くことができます。

(当社ウェブサイト)http://www.prestigein.com/IR/ir_library_mid_termplan.html

 

(4)対処すべき課題

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(事業全般)

昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大は国内外の経済活動に大きな影響を与えました。国内ではワクチン接種が進みましたが、年度末には国内の多くの都市でまん延防止等重点措置が発出され、時差出勤、在宅勤務等、企業活動への影響が見られました。一方、当社グループがBPO拠点を設置している地方都市においては、全国的な変異株感染拡大により罹患者数が増加したものの、首都圏と比較して低水準で推移しており、コンタクトセンターの事業は安定して継続されております。

 

(サービス品質の向上)

当社グループのサービスは、クライアント企業の問題を解決し、利用されるエンドユーザーの不便さ、困ったことを解消することを大義としております。

サービス品質向上の取り組みの一環として、現場対応を行う株式会社プレミアアシストが富山トレーニングフィールドを開設し、サービスブランドである「PREMIER Assist」の価値及び品質向上に向け取り組むなどの施策を行っております。また、「PIでしかできないサービス領域」の最大要素であるため、安心・安全のナショナルブランドとしての確立を目指す所存です。

当社グループの強みは、コンタクトセンター、フィールド、ITの三位一体のサービス提供にあります。この強みを活かし、社会情勢の変化、テクノロジーの進化に対応するべく、BPO事業に加えて、オペレーションプラットフォームを構築し、当社グループならではの価値提供を目指してまいります。

 

(地方貢献と人財育成)

 日本国内における地方都市の雇用問題は社会的な課題の一つと認識しております。当社グループでは、地域社会に貢献することを重要な基本戦略と位置付け、地域活性や女性活躍をビジネスの根幹とし、事業を発展させてまいりました。働きやすい職場環境の構築として、人財育成にかかる取り組みや制度、研修機会を設けるほか、カフェテリアや企業内保育園といった施設整備も行っております。

 地方での拠点展開としては、秋田県や、山形県、富山県、新潟県等に拠点を構え運営しております。2022年4月には、秋田県にかほ市内3か所で操業していた秋田BPOメインキャンパスにかほブランチを統合し、秋田BPOにかほキャンパスを開設いたしました。今後2024年3月には岩手BPOセンター(仮称)、また2026年4月には秋田BPO潟上キャンパス(仮称)を開設予定です。地方都市での雇用創造・維持のため、今後も計画的に地方における拠点展開を実施してまいります。

人財育成の取り組みとしては、当社では2018年より女性活躍推進プロジェクト(Woman Excite Project “WEPRO”)を発足させました。女性管理者比率50%の達成を目標に掲げ、人事制度や人財育成方法の見直し等を通し、柔軟な働き方、多様な働き方を推進しております。また、健康経営の取り組みとして、代表取締役のもと健康経営を担当する取締役を配置し、人事管理部門・経営統括部門を事務局とする健康経営プロジェクトを2021年に立ち上げました。女性や若年層が多い職場だからこそ、女性特有の健康課題や、病気にならないようにサポートを行う未病対策に着目した取り組みを行い、「貧血の有所見者率10.4%以下」および「BMI普通体重維持者率65%以上」を目標に掲げ、健康経営の取り組み強化に努めております。

その他には、地域の活性化、そして女性が活躍できる場を増やしたいという思いから、秋田・山形・富山のBPO拠点において、女子スポーツチーム「アランマーレ」を設立しております。スポーツを続けたい若者を当社の従業員として雇用し、若い世代が安心して地元に戻ってくることができる環境、そして女性がより一層活躍できる場を整備してまいります。

 

  (内部統制全般)

 当社グループの従業員は5,000名を超える規模となり、組織の隅々まで企業文化と法令順守、内部統制の意識を徹底させることが一層重要となっていると考えております。また、中期経営計画のもと、「継続的・安定的な成長」を実現していくため、責任と権限を明確にし、より果敢かつ迅速な意思決定と実行が重要な状況となっております。

 当社グループとしては、2019年4月より持株会社体制に移行し、中長期的な視点に立った迅速な意思決定を行うための体制を構築し、運用を行っております。2021年5月よりBPO事業を運営する主要な子会社である株式会社プレステージ・コアソリューション及び株式会社プレステージ・グローバルソリューションを取締役会設置会社とし、経営責任と執行責任を明確にいたしました。続く2022年2月には、当社の取締役会の諮問機関として「指名報酬委員会」を設置し、取締役、監査役の指名・報酬等に関する手続きの公正性・透明性・客観性の強化を図りました。コーポレートガバナンス体制をより一層充実させ、継続的な成長を支える経営基盤を整えることにより、新たな価値創造へのチャレンジを推進してまいります。

 

 以上のような諸施策により経営資源を集中し、更なる成長と株主価値向上に努める方針であります。

 

2【事業等のリスク】

 以下において、当社グループ(当社、連結子会社38社、持分法適用関連会社2社)の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から同様に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。また、新型コロナウイルス感染症の終息時期は依然として不透明であり、これにより当社グループの事業活動・業績及び財政状態に一定程度影響を与える可能性があります。

 なお、2020年に発生いたしました新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、以下のリスクが顕在化しております。

(1)に関しましては日本および海外において、都市封鎖、移動規制・自粛等による企業・個人活動の低減、海外旅行者の減少、クレジットカード利用の減少等、当初想定していたオペレーション量が抑制されるリスク

(2)に関しましては、外出禁止令の発動等により海外拠点の財務情報収集に遅れが生じるリスク

(6)に関しましては、当社グループにおきまして感染罹患者は殆ど発生しておらず、事業継続しておりますものの、緊急事態宣言、学校休業による出勤調整等、人材確保、マネジメントに対するリスク

 また(8)に関しましては、当社の連結子会社である株式会社プレミア・ケアにおいて、制度変更に対して適切に対応しなかったことにより自治体に対する過誤請求が生じた事案が発生いたしました。

 

(1)BPO事業の市場並びに業界の状況に係るリスク

BPO市場の成長は、規制緩和等を背景としたアウトソーシング化の進展に大きく影響されることから、アウトソーシング化が進展しない場合は、当社グループの成長が鈍化する可能性があります。

 日本および海外においては、損害保険会社、自動車メーカー、クレジットカード会社等の大企業が自社グループのインハウス事業としてBPO業務を行っているケースが多いため、市場拡大が制約または限定される可能性があります。また、クライアント企業において業界や業種ごとに共同でアウトソーシング会社を設立する場合、業界再編成やM&Aが進展する場合などにも、当社グループのような独立系BPO事業者にとって事業機会を喪失する可能性が想定されます。

 

 当社グループはこれらのリスクに対して、クライアント企業との協業など新たなビジネスモデルの創出やIT投資による効率化等、独自性が高く訴求力のあるサービスを提供し続けることにより、クライアント企業の拡大及び繋ぎ止めに努めてまいります。その一環として、富山BPOタウン、秋田BPO横手キャンパス、新潟BPO魚沼テラスに続き、2021年3月には山形BPOガーデンを500席増席し、山形BPOパークを開設いたしました。また2022年4月には、秋田県にかほ市内3か所で操業していた秋田BPOメインキャンパスにかほブランチを統合し、秋田BPOにかほキャンパスを開設いたしました。これはクライアント企業からの業務拡大要請や有事に備えたオペレーションの複数拠点化を求める声が多いことに鑑み実施された施策でありますが、競争の激化などマーケット環境が変化した場合、先行投資による設備投資が回収できない等の事案が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)世界情勢等におけるリスク

当社グループは、米国、英国、中国、シンガポール、タイ、豪州などに海外拠点を設置し、グローバルに事業活動を展開しております。

海外における事業展開には、以下のようないくつかのリスクが内在しております。万一、下記のような事象が発生しますと、クライアント企業の経営戦略や事業方針等に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

  ・予期しない法律または規制の変更、強化

  ・不利な政治または経済要因

  ・税制または税率の変更

  ・テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等

(3)信用失墜や風評のリスク

当社グループのクライアント企業は、損害保険会社、自動車メーカー、不動産管理会社など各業界における有力企業が多く、信用失墜や風評の影響を受けやすい傾向にあります。仮にクライアント企業に信用失墜や風評の問題が発生した場合、その影響は当社グループの業績に及ぶ可能性があります。また、当社グループのBPO業務に起因して重大なトラブルやクレームなどが発生した場合、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性があり、更に他のクライアント企業にまで契約解消の動きが波及する可能性もあります。

   (4)為替リスク

当社グループの海外売上高は、グローバル事業を中心に2021年3月期2,111百万円(連結売上高に占める割合5.2%)、2022年3月期2,735百万円(同5.9%)となっております。海外売上高の大部分は外貨建てであることから、為替相場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5)設備に係るリスク

当社グループは秋田BPOメインキャンパスを中核施設として、富山BPOタウン、秋田BPO横手キャンパス、新潟BPO魚沼テラス、山形BPOパークに続き、2022年4月には秋田BPOにかほキャンパスを開設いたしました。各BPO拠点やコンタクトセンター、ネットワーク及び情報システムが予期せぬ自然災害や事故などによって破壊または切断された場合、あるいは外部からの不正アクセスなどによって情報システムやデータの破壊、改ざん、情報漏洩などが起きた場合、当社グループの事業活動に重大な影響を与えるとともに、クライアント企業から損害賠償請求を受ける可能性もあります。

(6)人材マネジメントに係るリスク

当社グループの各コンタクトセンターでは、オペレーターなど人材の確保及び育成、業務量に応じた人員配置及びシフト編成、適正な労務管理に努めております。BPO業務の多様化・高度化・グローバル化が進むなかにあって、こうした人材マネジメントの重要性はますます高まる状況にあります。当社グループが適切な人材マネジメントを行うことができなかった場合、業務品質や業務効率が低下するうえ、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性もあります。

(7)顧客情報漏洩のリスク

当社グループは、クライアント企業との間で一定の秘密保持契約を取り交わし、膨大な量の顧客情報を扱っております。そのため、個人情報保護規程や情報セキュリティ管理規程を整備するとともに、各コンタクトセンターではISOの認証を取得した秋田BPOメインキャンパス、秋田BPOメインキャンパスにかほブランチ、秋田BPO横手キャンパス、山形BPOパーク、山形BPO鶴岡ブランチ、富山BPOタウン、新潟BPO魚沼テラスに準じた運用を行っております。しかしながら、当社グループの従業員や関係者が顧客情報を何らかの方法により私的に流用したり、外部に漏洩した場合、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性や、クライアント企業またはエンドユーザーから損害賠償請求を受ける可能性もあります。

(8)法規制等に係るリスク

現在、当社グループが関連する主要な業務において特定の許認可制度はないものの、今後、新たな自主規制が設けられたり、公的・準公的資格の取得が義務付けられたりする可能性があります。法規制等の動向については十分な注意を払っておりますが、当社グループの想定を超えた法的規制及び自主規制等が設けられた場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

(9)訴訟・クレームに係るリスク

現在、当社グループが関連する主要な業務において訴訟・クレームは発生しておりません。今後、計画している事業展開において、当社グループの提供するサービスなどをめぐる訴訟やクレーム等が発生した場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼし、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(10)オートモーティブ事業におけるリスク

① ロードアシスタンスサービスの収益構造

 ロードアシスタンスサービスの業務受託料は、基本的に固定+変動の収支構造となっており、固定費部分の算出方法は主に以下の2つの方式に分類されます。なお、クライアント企業との契約は一定期間毎に改定する内容となっております。

(a) 台数ワランティ方式

業務委託料を、クライアント企業の保険契約数(又は対象車両台数)×単価で決定する方式

(b)単価ワランティ方式

業務委託料を、手配件数(想定手配件数)×単価で決定する方式

 各種ロードアシスタンスサービスの提供件数すなわち当該費用は、行楽シーズンや年末年始など交通量が多くなる時期、大雨や降雪など天候が悪化する時期に増加する季節性があります。こうした季節的な要因に当部門の業績が左右されます。特に台風・大雪・地震など自然災害が例年以上に多く発生すると、故障や事故が大幅に増加し、一時的に業績が悪化する可能性があります。ただし、クライアント企業との契約内容により、想定を超えた当該費用については事後補填を行う付帯条項があり、業績の悪化を緩和できることがあります。

② ロードアシスタンスサービスの品質

 当社グループでは、各種ロードアシスタンスサービスを24時間年中無休で提供するため、関係会社(株式会社プレミアアシスト)を始めとして全国各地の自動車整備会社やレッカー業者など、協力会社を含む全国ネットワークを整備しております。クライアント企業にとって、ロードアシスタンスサービスの品質はお客様満足度を左右する重要な要素であることから、当社グループでは協力会社と一体となって現場到着までの早さや接客態度などのレベルアップに取り組んでおります。しかし、こうした当社グループの取り組みが十分であるとは限らず、協力会社との良好な関係を維持できなくなるなど何らかの理由によりロードアシスタンスサービスの品質が悪化した場合、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性があります。

③ 保証業務

 オートモーティブ事業において、保証業務として自動車の延長保証・メンテナンスプログラムを提供しております。保証業務は、利用者から一定の料金を徴収することにより、定められた期間の特定の故障や家賃滞納を保証するものであります。

 当社グループでは、過去の実績などから適正な料金を算出すること、また、想定されるコストについては再保証を行うことなどの対応を行っております。

 しかしながら、想定以上の故障が発生した場合、再保証料が上昇するなどの影響により当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11)プロパティ事業におけるリスク

① 不動産向けサービス(ホームアシスト)の収益構造

 不動産向けサービス(ホームアシスト)の業務受託料は、基本的に固定+変動の収支構造となっており、固定費部分の算出方法は、クライアント企業の管理戸数(又は対象戸数)×単価となっております。なお、クライアント企業との契約は一定期間毎に改定する内容となっております。

 各種ホームアシストサービスの提供件数すなわち当該費用は、年末年始や夏季などに増加する季節性があります。こうした季節的な要因に当部門の業績が左右され、一時的に業績が悪化する可能性があります。ただし、クライアント企業との契約内容により、想定を超えた当該費用については事後補填を行う付帯条項があり、業績の悪化を緩和できることがあります。

② 不動産向けサービス(ホームアシスト)の品質

 当社グループでは、各種ホームアシストサービスを24時間年中無休で提供するため、関係会社(株式会社プレミアアシスト)を始めとして全国各地の水道修理業者、電気工事業者や鍵業者など、協力会社を含む全国ネットワークを整備しております。クライアント企業にとって、ホームアシストサービスの品質はお客様満足度を左右する重要な要素であることから、当社グループでは協力会社と一体となって現場到着までの早さや接客態度などのレベルアップに取り組んでおります。しかし、こうした当社グループの取り組みが十分であるとは限らず、協力会社との良好な関係を維持できなくなるなど何らかの理由によりホームアシストサービスの品質が悪化した場合、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性があります。

③ 保証業務

 プロパティ事業において、住宅設備延長保証サービスを提供しております。本サービスにおいて、想定以上の故障が発生した場合、再保証料が上昇するなどの影響により当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

(12)グローバル事業におけるリスク

① 海外旅行保険のクレームエージェントサービスにおける有責無責の判断

 海外旅行保険のクレームエージェントサービスでは、クライアント企業に代わって一定限度の医療費等(保険金)を保険約款に従って当社グループ独自のノウハウにより有責無責の判断を行っておりますが、その判断が必ずしも適正であるとは限りません。クライアント企業による調査の結果、何らかの無責事由に該当した場合、当社グループは立て替えた医療費等を被保険者に請求いたしますが、当該債権を回収できない可能性があります。

② 保険金の立替払い

 海外旅行保険のクレームエージェントサービス及び日本人駐在員向けヘルスケアプログラムにおいて、当社グループは医療費等(保険金)を現地通貨で立替払いしますが、その後、クライアント企業から保険金を受け取るまでの間に為替相場が大きく変動した場合、為替差損益が発生いたします。

③ 日本人駐在員向けクレジットカード発行業務

 米国における日本人駐在員向けクレジットカード“プレミオカード”等の発行については、当社グループ、現地金融機関及び日系航空会社との3社提携、現地金融機関に対する金融当局の許認可などが前提となっております。そのため、何らかの理由により3社提携の解消や取引条件の変更あるいは金融当局の許認可などが取り消された場合には、当部門の業績に影響が及び、事業継続が困難となる可能性もあります。

 また、同カードの発行時における本人確認、与信審査、与信限度額の設定などは、当社グループ独自の基準及びノウハウにより実施しております。発生した延滞債権については、当社グループが現地金融機関との契約に基づいて買い取るとともに所要の貸倒引当金を計上し、カード会員本人に支払い要請を行っております。このため、延滞債権が多額に発生した場合、当部門の業績に影響を及ぼす可能性があります。

    (13)金融保証事業におけるリスク

① 保証業務

 金融保証事業において、家賃保証プログラムといった保証に関連する業務を提供しております。想定以上の家賃滞納者が発生するなどのリスクが顕在化した場合、再保証料が上昇するなどの影響により当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 家賃保証プログラムの法令遵守

 当社グループでは関係会社(株式会社イントラスト及び株式会社プレミアライフ)において家賃保証プログラムを提供しております。家賃保証業界に関しては、家賃滞納者に対して一部の業者が行き過ぎた転居対応を行う等の社会的な問題が生じており、業界における自主規制の制定や法的規制について検討が進められている状況であると認識しています。当社グループにおいては、法令遵守を徹底して事業を行う方針でありますが、法令違反等の社会的問題が生じた場合、事業の推進が困難となり、当部門の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における世界経済は、国・地域や業種によるばらつきを伴いつつも、コロナ共生が進み、総じてコロナ危機からの回復基調を見せました。わが国経済においては、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の断続的な発令や、年度末のオミクロン変異株の感染拡大による影響はあったものの、感染症対策と社会経済活動の両立が進み、消費活動は回復傾向にあるといえます。しかしながら、ロシアのウクライナ侵攻など、世界情勢による物価上昇や感染再拡大の予兆もあり未だ予断を許さない状況です。

 このような環境のもと、当社関連市場であるBPO市場においては、DX推進やBCPへの継続的な機運の高まりなども相まって、IT関連業務を始めとしたノンコア業務外注の需要は継続しており、今後も安定した成長が見込まれます。当社においては、人財を惹きつける職場環境やデジタル技術の活用により、高い専門性が求められる業務においても高付加価値のあるサービスの提供を実現するべく、事業に取り組んでおります。当該年度末には、大手ガス会社との協業領域を拡大し、また「健康経営優良法人2022(大規模法人部門)」に認定されました。今後も既存事業の更なる拡大や、「人」を基盤とした価値創造企業を標榜した働きやすい環境の整備に取り組んでまいります。

 当連結会計年度は、社会の変化に応じて着実にサービス提供を行うことにより「継続的・安定的な成長」を実現いたしました。

 

(2)生産、受注及び販売の実績

  ①生産実績及び受注実績

 当社グループの提供するサービスの受注生産は僅少であるため、記載を省略しております。

  ②販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:百万円)

名称

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前期比(%)

日本

44,111

114.5

米州・欧州

2,160

130.7

アジア・オセアニア

472

109.9

合計

46,744

115.1

 

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(3)経営者の視点による経営成績などの状況に関する分析・検討内容

a. 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、連結決算日における資産、負債の報告金額及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益及び費用の報告金額に影響を与えるような見積り及び予測を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に関しましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 追加情報」に記載のとおりであります。

 

b. 当連結会計年度の経営成績などの状況に関する認識及び分析・検討内容

①財政状態

当連結会計年度末における総資産は、54,028百万円となり前連結会計年度末に比べ7,272百万円増加となりました。流動資産は、現金及び預金が1,927百万円増加、立替金が1,087百万円増加し、流動資産合計では前連結会計年度末より3,927百万円増加しております。固定資産に関しましては、有形固定資産の建物及び構築物が2,243百万円増加、投資有価証券が844百万円増加し、前連結会計年度末より3,345百万円増加しております。

負債に関しましては、流動負債の未払法人税等が395百万円増加、前受金が3,106百万円減少、契約負債が4,633百万円増加いたしました。これらにより負債合計では前連結会計年度末より3,595百万円増加し、17,462百万円となりました。

また、純資産については、2021年6月及び12月に961百万円の配当の支払いが発生し、2022年2月には417百万円の自己株式を取得いたしましたが、親会社株主に帰属する当期純利益が4,357百万円であったため前連結会計年度末に比べ3,677百万円増加しております。

 

②経営成績

 連結売上高に関しては、新型コロナウイルス感染症拡大の危機を乗り越え、カスタマー事業の躍進をはじめとして、すべての事業セグメントにおいて対前年増収となり、過去最高売上となる売上高46,744百万円(前期比15.1%増)を達成いたしました。営業利益についても、好調な売上を反映し、6,842百万円(前期比30.7%増)となりました。経常利益につきましては、7,151百万円(前期比31.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、4,357百万円(前期比46.8%増)となっております。

 

 

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

増減

売上高(百万円)

40,617

46,744

6,126

営業利益(百万円)

5,233

6,842

1,608

経常利益(百万円)

5,453

7,151

1,698

親会社株主に帰属する

当期純利益(百万円)

2,968

4,357

1,388

(注)記載金額は百万円未満を切り捨てて表示しております。

セグメントの業績は以下のとおりです。

 1) 日本

 日本国内においては、カスタマー事業が大きく伸長したことを始め、国内事業セグメント全てが増収を果たし、売上高は44,111百万円(前期比14.5%増)となりました。

 営業利益につきましては、好調な売上に加え、DX推進による業務効率化も進み、8,592百万円(前期比42.9%増)となりました。

 2) 米州・欧州

 米州・欧州においては、米国のクレジットカード事業の回復により、売上は2,160百万円(前期比30.7%増)、営業利益についても同事業がけん引し、480百万円(前期比18.3% 増)となりました。

 3) アジア・オセアニア

 アジア・オセアニアにつきましては、インドやフィリピンの日本人駐在員の帰国のためのPCR検査手配などの医療機関内のアシストが増えていたこともあり、売上高は472百万円(前期比9.9%増)となりました。

 営業利益につきましては、タイ国の24時間コールセンター開設準備による費用が発生し、22百万円(前期比77.7%減)となりました。

 

 

 

   事業別の業績は次のとおりであります。

 1) オートモーティブ事業

 主に損害保険会社や自動車メーカー向けロードサービスを提供しているオートモーティブ事業は、2021年10月以降全国的に行動制限が緩和されロードサービスの手配件数が拡大に転じ、同件数は対前年同期比が第3四半期は4%増、第4四半期は6%増と拡大傾向にあります。併せて大手自動車用品販売企業との取引拡大によって売上高は20,878百万円(前期比5.4%増)となりました。営業利益に関しては、12月以降各地で降雪量が増した影響で、自社対応以外の事業者への発注が増加し、外部仕入単価が上昇したこと、燃料高騰により費用が増加したことなども影響し2,557百万円(前期比12.1%減)となりました。

 2) プロパティ事業

 分譲・賃貸マンション・戸建ての修繕とコインパーキングのメンテナンスを提供するプロパティ事業は、主要クライアントの販売好調や共用部へのサービス提供開始等も売上利益に寄与しました。パークアシストについては既存クライアントの対応エリア拡大、カーシェア向けや駐車場の再構築業務等の対応サービス数の増加も貢献し、事業全体の売上高は5,982百万円(前期比11.3%増)、営業利益は557百万円(前期比9.8%増)となりました。

 3) グローバル事業

 海外旅行保険のクレームエージェント、駐在員向けの医療サポート業務(ヘルスケアプログラム)、クレジットカードの発行業務を行うグローバル事業は、海外旅行保険関連で取扱件数が増加し、ヘルスケアプログラムを始め各種プログラム利用の会員数が増加しました。また、米国のクレジットカード事業においても利用額が昨年対比で大幅に増加したことにより、増収は確保したものの、新型コロナウイルスの影響は依然残り、コロナ以前の水準には届かず、売上高は5,247百万円(前期比14.2%増)、営業利益は475百万円(前期比101.6%増)となりました。

 4) カスタマー事業

 国内のカスタマーコンタクトサービスを展開しているカスタマー事業は、インターネット関連企業を中心とする既存業務が成長し、新規獲得も順調に推移しております。また、自治体からのワクチン接種センター運営業務についても引き続き堅調に増加し、売上高は7,966百万円(前期比52.9%増)、営業利益は2,057百万円(前期比188.6%増)と、大幅な増収増益となりました。

 5) 金融保証事業

 金融に関わる保証サービスを提供している金融保証事業は、連結子会社の株式会社イントラストが運営する家賃保証が堅調に推移し、売上高は5,350百万円(前期比16.4%増)、営業利益は1,221百万円(前期比8.6%増)と、大幅な増収増益となりました。

 6) IT事業

 IT事業におきましては、連結子会社のタイム・コマース株式会社が運営するサプライチェーンマネジメントシステム関連において各種プロジェクトが順調に推移しており、売上高は794百万円(前期比43.3%増)、営業利益は278百万円(前期比120.6%増)となりました。

 7) ソーシャル事業

 女子スポーツチーム、保育事業等のサービスを中心としたソーシャル事業では、女子スポーツチームの事業運営体制整備の継続、ジュニア事業の体制適正化により損失削減が進み、売上高は524百万円(前期比10.1%増)、営業損失は△307百万円(前期は379百万円の損失)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、6,610百万円の収入となりました。主なプラス要因としては、税金等調整前当期純利益が7,118百万円、減価償却費が1,524百万円、契約負債の増加額が1,104百万円、主なマイナス要因としては、立替金の増加額が947百万円、法人税等の支払額が2,053百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、4,345百万円の支出となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が3,904百万円、投資有価証券の取得による支出が570百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、763百万円の支出となりました。主な要因は、短期借入れによる収入が500百万円、長期借入による収入が500百万円、長期借入金の返済による支出が250百万円、自己株式の取得による支出が417百万円、配当金の支払額が959百万円等によるものであります。

この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末より1,926百万円増加して18,218百万円となりました。

 

④経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営者の問題認識と今後の方針について

 新型コロナウイルス感染症により、経営環境は限定的ではあるものの一定程度影響を受けることが想定されます。

 BPO市場においては大都市圏での感染リスクが顕在化し、テレワークや時差出勤といった新たなワークスタイルが求められております。このような状況の中で、地方都市での安定した事業を継続している当社グループを取り巻く環境は、中長期的な視点からは厳しさを残しながらも堅調に成長するものと考えております。

 当社グループは、2015年4月に富山BPOタウンを、2019年4月には秋田BPO横手キャンパスを開設し、また2019年10月には新潟BPO魚沼テラス、2021年3月には山形BPOガーデンを500席増席し、山形BPOパークを開設いたしました。2022年4月には、秋田県にかほ市内3か所で操業していた秋田BPOメインキャンパスにかほブランチを統合し、秋田BPOにかほキャンパスを開設いたしました。

 これらの施策により、当社グループの従業員は5,000名を超える規模となっており、組織の隅々まで企業文化とコンプライアンス、ガバナンスの意識を徹底させることが重要と考えております。

 また、当社グループのサービスを魅力的にする為に、それぞれのBPO拠点の役割、位置づけを明確にし、人材育成の観点からも拠点間での品質及び効率を競わすことも重要と認識しております。これらの施策を効果的に運営し、事業基盤の更なる強化に取り組んでまいります。

 当社グループの経営の根幹は「人」によるサービスにあると認識しております。当社としては「地方都市」において「サービス業」の雇用を創造し、特に「女性」の活躍の場を提供し、継続していくことを社会貢献方針に掲げております。また、当社の必要とする人財は、コミュニケーション能力、気配り、心配りといったホスピタリティのある優秀な人財でもあります。これらの人財を確保するために、当社のBPO拠点では「地域でNo.1の職場環境」を目標に掲げ、様々な工夫に基づいた働きやすい環境の訴求や、地域に密着し、愛される企業として知名度を向上させるための活動を継続的に行ってまいります。同時に「人でしかできない仕事」に集中するために、システム化、効率化に資する投資に関しましても積極的に実施してまいります。

 以上を踏まえ、従業員一人一人が自ら体幹を鍛え、組織としてもそれを評価することで強いチームとして成長を続けることを目指してまいります。

 なお、新型コロナウイルス感染症については、ワクチン接種の普及やコロナ共生が進んでおりますが、今後も限定的ではあるものの経営環境は一定程度影響を受けることが想定されます。業績に関しては国内外において、感染拡大と共にエンドユーザーの活動量が抑制される傾向にあり、これに基づき事業計画を立案しておりますが、当社グループが提供するオペレーション量等が計画より大きく減少した場合、又は長期間に続く場合は、業績に対して以下のような影響を与える可能性があります。

(オートモーティブ関連)

・国内において、外出や旅行などの自粛で自動車を利用した外出が減少することにより、サービス利用者減少によるオペレーション量が大きく減少した場合、収益に影響を及ぼす可能性があります。

・新車販売の低迷が続き、新車販売時に付帯するサービス加入が大きく減少した場合、収益に影響を及ぼす可能性があります。

(プロパティ関連)

・再び緊急事態宣言等が発出された場合、分譲マンションへの設備の定期点検等のサービス利用が減少し、収益に影響を及ぼす可能性があります。

(グローバル関連)

・海外旅行保険のクレームエージェントサービスでは、海外への渡航者数は未だ低水準で推移しております。これに伴いサービス利用の減少が長期間続く場合、収益に影響を及ぼす可能性があります。

・ヘルスケアプログラムでは、新型コロナウイルス感染症の影響で現地医療機関等への日本人海外駐在員及びその家族の受診者数が減少しており、長期間続く場合は収益に影響を及ぼす可能性があります。

・米国におけるクレジットカード発行BPOサービスについては、2022年3月期はクレジットカード利用額が大幅に改善しましたが、コロナ禍前の水準には届いておりません。感染が再拡大すると、米国内外の移動に伴う航空機の利用や、それに伴うカード決済金額は減少し、これらが長期間続く場合は収益に影響を及ぼす可能性があります。

(金融保証関連)

・家賃保証プログラムにおいて、滞納家賃が大きく増加することにより貸倒引当金の積増しなどで収益に影響を及ぼす可能性があります。

 

b. 中期経営計画に関して

 新型コロナウイルス感染症は、国内外においてワクチン接種が普及し、未だ予断を許さない状況ではあるものの、全体的に見れば世界経済はコロナ危機による落ち込みから回復の兆しを見せ始めており、ポストコロナを意識した社会生活が定着してきました。

 このような情勢の下、当社グループにおきましては、2021年5月に発表した中期経営計画に基づき事業を行っております。「価値創造企業」というテーマを掲げ、「PIでしか実現できないサービス領域の創造」「安定的・継続的成長」「地方都市での雇用の創造・維持」「女性が活躍できる職場環境の創出」の4つの戦略を展開しております。

また当社グループは、2022年4月4日より、東京証券取引所の市場再編成に伴い、東証第一部から新市場区分「プライム市場」へ移行いたしました。国内外の機関投資家のみならず、幅広い投資家の皆様とのエンゲージメントは、中期経営計画で掲げた経営戦略を確実に実行し、中長期的な企業価値を向上させる原動力となると考えております。ESG経営などを通し社会的責任を果たすとともに、ステークホルダーとの良好な関係を構築し、皆様からのご期待に応えられるよう努めてまいります。

 今回の中期経営計画では、2024年3月期までの目標として、連結決算ベースで売上高60,000百万円、売上高営業利益率13.3%、ROA10%、ROE13%の各指標を定めました。以上の経営戦略を実現することにより、「継続的・安定的成長」のため、全従業員が一丸となって目標達成に取り組むことを表明しております。

 

 以上の中期経営計画を踏まえ、当社グループの2023年3月期の連結業績予想は、以下の通りであります。

 

 

2022年3月期

2023年3月期

 

売上高

46,744百万円

52,000百万円

(前期比111.2%、5,255百万円)

営業利益

6,842百万円

7,400百万円

(前期比108.2%、557百万円)

経常利益

7,151百万円

7,600百万円

(前期比106.3%、448百万円)

親会社株主に帰属する
当期純利益

4,357百万円

4,500百万円

(前期比103.3%、142百万円)

 

各事業別については、以下のとおりになります。

(オートモーティブ事業)

 損害保険会社向けロードアシスタンスサービスの市場は、将来において技術革新が最も進む分野であると認識しております。一方で、緊急通報サービスなど自動車メーカー向けのサービスが拡大しており、成長分野として重点投資を継続する予定であります。このような環境のもと、当社としては、一番の強みである現場対応を行うグループ会社の体制強化を行うことで「人でしかできない」サービスとしての独自性を高め、将来においても社会に求められるサービスを提供してまいります。具体的には、2020年5月に竣工した「富山トレーニングフィールド」を活用し、新しい時代の適切なアシスタンスの技術を習得するとともにフランチャイズ展開を強化することで、「PREMIER Assist」のネットワークを拡大しブランド力を高めてまいります。また、アンドロイド端末やモバイルアプリを使用した自動手配システムとオペレーションの連携をより密にすることで、お客様からのお問い合わせから現場までの到着時間を短縮するなどの業務効率化ならびにコスト削減による競争力の強化も推進してまいります。更には、電気自動車や、自動運転、カーシェアリングが普及した新しいモビリティ社会の到来に向け、人財育成やシステム開発への積極的な投資を行ってまいります。

(プロパティ事業)

 不動産向けサービス(ホームアシスト)においては、居住者サービスへのメニュー拡充等、「PIでしかできないサービス領域」の実現を目指しております。機能修繕だけではなく、共用部の対応、延長保証や点検作業など当社のスタンダードとなるサービスを確立し、成長性を維持する方針です。サービスの差別化を図るため、現場対応を行うグループ会社の拡充やネットワーク構築を進め、エンドユーザーに品質の高いサービスを提供することで、新たなサービスメニューを提供し、同時に業務の効率化を進めてまいります。2022年2月には、大手エネルギー会社との協業によるホームアシスト事業を拡大いたしました。また、サービスの対象を管理会社から個人へも広げることで、既存サービスの利用顧客基盤を拡大してまいります。駐車場管理会社向けサービス(パークアシスト)におきましては、厳しい経済環境下で、コスト削減のために価格を重視する傾向になっております。既存クライアント企業との継続的な連携を強化するとともに技術進化やシェアリングビジネスの強化にも注力してまいります。

 

(グローバル事業)

 主に海外の日本人駐在員向けヘルスケアプログラムにおいて、新型コロナウイルス感染症の影響を受けてまいりましたが、近頃、諸外国ではポストコロナ時代の経済活動の正常化に向けて動き出しております。このような背景から日本企業の海外事業展開もコロナ前の水準に戻りつつあり、日系企業のグローバル展開は南アジア・中南米及び中東地域を中心に更に加速することが予想されます。ヘルスケアプログラムを重点投資分野と位置づけ、アジア・中南米をはじめとする新興国を戦略的拡大地域とし、日系企業の進出が著しい地域の拠点における基盤強化を推進するとともに、世界18ヵ国に展開する海外拠点の役割を明確化し、コロナ禍で顕在化した日系海外進出企業の課題解決に必要な機能を獲得しながらオペレーション体制を構築してまいります。その一環として、赴任前から帰任後までのトータルサポートの展開、海外の主要医療機関にスタッフを配置するなどの施策を行い、日本人駐在員や帯同家族に一層手厚いサポートができるよう注力してまいります。また、主に海外の日本人駐在員向けに現地通貨で決済が可能なクレジットカードを発行しているカードビジネスにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響で減少した利用状況は回復の兆しを見せておりますが、コロナ禍前の水準には届いておりません。しかし、日系企業における生産拠点の海外シフトが加速されることから日本人駐在員が増加し、カード会員数の増加が見込まれます。サービスの向上を図り、海外赴任者に対して提携航空会社と共同で継続的なマーケティングを展開し、また新規会員獲得、利用頻度の増加のためプログラム特典の強化を推進するとともに、原価管理を強化し、収益力を高めてまいります。

(カスタマー事業)

 カスタマーサービスにおいては、サービスの差別化要素が少なく、顧客獲得競争は厳しい状況である上、間接コストを抑制するため、価格を重視する傾向になっております。厳しい環境下ではありますが、家電、通信機器等の製品保証ビジネスにおいて、独自のプラットフォームモデルを構築し、BPO設置拠点でのコロナワクチン接種センターサポートなどの自治体向けサービスを取り入れ、地域の発展・安定と共に成長を続けてまいります。今後も、大手コールセンター企業との競合は避け、当社が提供する付加価値サービスを評価いただき、長期的に関係構築のできるクライアント企業及び他の事業がサービスを提供している既存クライアント企業に対して、包括的なカスタマーコンタクトサービスの提案をしてまいります。特に新型コロナウイルス感染症の影響で都心部では継続的にコンタクトセンター運営が難しいことが浮き彫りになり、弊社の戦略である地方都市でのコンタクトセンターの運用が、事業継続性を確保する目的に合致して、順調に需要は増加しております。また、コロナ禍での自治体関連受託事業で培われた自治体との関係性も将来につなげてまいります。

(金融保証事業)

 金融に関わる保証サービスを提供している金融保証事業においては、家賃保証で培ったノウハウを、新規分野である医療費保証や介護費用保証、養育費保証へと展開し、「生活の安心=保証」の切り口で価値創造の領域を広げてまいります。

 

c. 資本の財源及び資金の流動性

 ①資金需要

 当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、BPO拠点設置時の設備投資資金であります。当連結会計年度においては、受注能力の拡大を目的とした秋田BPOにかほキャンパスの2022年4月開設にあたり、投資を行いました。2023年3月期には、BPO拠点設備の維持管理・運営や、電気自動車への給電装置を備えた現場車両の拡充、業務効率化を目的としたシステムなどへの投資を計画しております。

 

 ②財務政策

 当社グループにおいては、資本需要に対しては原則として内部資金を充当することとしております。一時的な資金に関しましては、最も有利な調達手段を採用する方針であります。なお、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の業績への影響を考慮し、手元資金を十分確保しており、経営の安定化を図っております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。