第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは「エンドユーザー(消費者)の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く事業創造を行い、その発展に伴い社会の問題を解決し、貢献できる企業として成長する。」という経営理念の下、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業における日本発世界標準企業となることを目標としております。具体的には、クライアント企業のお客様(エンドユーザー)の声を直接聞き、適切なニーズを見つけ出すことによりクライアント企業へのロイヤリティを高める、独創的なサービスを創出することに努めており、クライアント企業より高い評価を得てまいりました。近年、当社グループを取り巻く環境は国内外においてめまぐるしく変化しております。このような環境に対して、当社グループは、「人」でしか問題を解決できないBPO事業に特化することにより、様々な高付加価値サービスを創出・提案し新市場の開拓に努めております。

 これからも創業時から培ってきたホスピタリティ、経験と実績、そしてクライアント企業の目線でのサービス向上を担い、エンドユーザー(消費者)の感動・感謝を追求した付加価値サービスの提供を通して、BPO事業の世界標準企業を目指し、ステークホルダーと共に繁栄できる企業を目指します。

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは企業価値を増大するために、売上高の成長及び売上高利益率を最も重要な経営指標としております。

 当社グループが特に重要視する経営戦略は、「継続的・安定的成長」と「PIでしか実現できないサービス領域の創造」であり、売上が急成長しても短期的な業績のぶれが大きいスポット的なサービスの受託よりも、利益面で長期的、継続的、かつ下方変動性の小さい、独自性の高いサービスの創出と提供に努めております。また、利益の継続成長には継続的な事業成長と拡大が不可欠であり、そのために経営資源を成長事業に集中させ、売上高拡大を図るべく様々な施策に取り組む方針です。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 2021年5月14日付けで、2022年3月期から始まる3期間の中期経営計画を開示しております。

 なお、当該中期事業計画は、以下のURLからご覧頂くことができます。

(当社ウェブサイト)https://www.prestigein.com/IR/policy/plan.html

 

(4)対処すべき課題

(事業全般)

 新型コロナウイルス感染症の拡大は経済活動に大きな影響を与えましたが、ワクチンの接種が進むなど徐々に行動制限が緩和され、経済活動の正常化に向け進んでおります。当社グループの国内事業においては、地方都市に設置している各BPO拠点で罹患者数が増加したものの、首都圏と比較して低水準であったことから安定した事業継続がなされました。

 国内のBPO市場については、経済活動が本格化すると同時に、隠れていた人手不足が顕在化しつつあり、さらに、働き方改革やDXの推進を通じた業務変革や企業競争力向上の動きを背景に、市場拡大の追い風となっております。

 海外事業においては、海外への渡航者が新型コロナウイルス感染症の拡大前の水準までには回復せず厳しい事業環境が続きました。この状態は回復傾向が見られるものの、昨今の為替水準や物価高の影響により、短期的には渡航者数の回復速度は緩やかなものとなる見込みです。

 

(人員の採用と離職防止)

 現在、国内では人手不足が慢性化しており深刻な社会問題となっています。また、社会全体における賃金水準引き上げの影響により、労務コストの増加が予想されます。当社グループにおいては、主力のオペレーション業務を地方に設置した各BPO拠点で行っており、首都圏に比べると安定して人員を採用することができております。

 当社グループへの需要は旺盛で、これまで以上の人員体制が求められておりますが、ビジネスモデルに因る一般への認知度の低さが重なり、採用活動に影響を及ぼしていると考えております。さらに、離職の防止についても採用と共に重点課題であると認識しています。

 これらの課題に対し、以下の取り組みを行っております。

 地方に設置した各BPO拠点は、日頃の地域貢献活動を通じて、当社グループの企業活動を紹介する機会や、地方自治体と協力した学校訪問及び企業説明会などをこれまで以上に増やし、採用活動を促進しております。

 職場環境の向上は就職活動における応募や入社の動機付けにもなり、かつ従業員の意見を汲んだ働きやすい環境作りは離職防止策の一つでもあるため、恒常的に改善を実施しております。

 当社グループの財務状況や業績を踏まえつつ、ベースアップを含む給与体系の見直し、物価高騰に対する一時手当の支給などを行い、従業員の生活の一助となるよう取り組んでおります。

 

(新たなBPO拠点の設置)

 当社グループは、これまで東北・北陸地方を中心にBPO拠点を展開してまいりました。今後も旺盛な需要に応えるべく、長期的には新たな拠点の展開を進め受託能力を拡大していく必要があると考えております。通常、新規に地方で拠点を設置するには進出先の自治体との折衝から建設まで4年程度の時間を要します。このため、既存拠点の拡張、改修などを進めて早期に受託能力の拡大に取り組んでまいります。

 

(サービス品質の向上)

 当社グループのサービスは、クライアント企業の問題を解決し、サービスを利用するエンドユーザーの不便さ、困ったことを解消することを大義としております。

 また、当社グループの強みは、コンタクトセンター、フィールド、IT・DXの三位一体のサービス提供にあります。

 サービス品質向上の取り組みの一環として、フィールドにおけるサービスブランドである「PREMIER Assist」の価値及び品質向上に向けた施策等を行っております。

 現場対応を行う株式会社プレミアアシストが有する富山トレーニングフィールドにおいて、新人研修のみならず、既存スタッフの実地・座学研修を実施し、継続的に技術力を磨く環境を整えております。

 今後も強みを活かし、社会情勢の変化、テクノロジーの進化に対応するべく、BPO事業に加えて、オペレーションプラットフォームを構築し、当社グループならではの価値提供を目指してまいります。

 

(地方貢献と人財育成)

 日本国内における地方都市の雇用問題は社会的な課題の一つと認識しております。当社グループでは、地域社会に貢献することを重要な基本戦略と位置付け、地域活性や女性活躍をビジネスの根幹とし、事業を発展させてまいりました。働きやすい職場環境の構築として、人財育成にかかる取り組みや制度、研修機会を設けるほか、カフェテリアや企業内保育園といった施設整備も行っております。

 地方での拠点展開としては、2022年4月に、秋田県にかほ市内3カ所で事業を行っておりました秋田BPOメインキャンパスにかほブランチを統合し、県内3拠点目となる秋田BPOにかほキャンパスを開設いたしました。これにより、国内のコンタクトセンターは5県8カ所になりました。地方都市での雇用創造・維持のため、今後も計画的に地方における拠点展開を実施してまいります。

 人財育成の取り組みとしては、当社では2018年より女性活躍推進プロジェクト(Woman Excite Project “WEPRO”)を運営し、女性管理者比率50%の達成を目標に掲げ、人事制度や人財育成方法の見直し等を通し、柔軟な働き方、多様な働き方を推進しております。また、健康経営の取り組みとして、代表取締役のもと人事統括部門・経営統括部門を事務局とする健康経営プロジェクトを2019年より運営しております。女性や若年層が多い職場だからこそ、女性特有の健康課題や、病気にならないようにサポートを行う未病対策に着目した取り組みを行い、「貧血の有所見者率10.4%以下」及び「BMI普通体重維持者率65%以上」を目標に掲げ、健康経営の取り組み強化に努めております。

 その他には、地域の活性化、そして女性が活躍できる場を増やしたいという思いから、秋田・山形・富山のBPO拠点において、女子スポーツチーム「アランマーレ」を運営しております。スポーツを続けたい若者を当社の従業員として雇用し、若い世代が安心して地元に戻ってくることができる環境、そして女性がより一層活躍できる場を整備してまいります。

 

(内部統制全般)

 当社グループの従業員は5,000名を超える規模となり、組織の隅々まで企業文化と法令順守、内部統制の意識を徹底させることが一層重要となっていると考えております。また、中期経営計画のもと、「継続的・安定的な成長」を実現していくため、責任と権限を明確にし、より果敢かつ迅速な意思決定と実行が重要な状況となっております。

 当社グループとしては、2019年4月より持株会社体制に移行し、中長期的な視点に立った迅速な意思決定を行うための体制を構築し、運用を行っております。2021年5月よりBPO事業を運営する主要な子会社である株式会社プレステージ・コアソリューション及び株式会社プレステージ・グローバルソリューションを取締役会設置会社とし、経営責任と執行責任を明確にいたしました。続く2022年2月には、当社の取締役会の諮問機関として「指名報酬委員会」を設置し、取締役、監査役の指名・報酬等に関する手続きの公正性・透明性・客観性の強化を図りました。コーポレートガバナンス体制をより一層充実させ、継続的な成長を支える経営基盤を整えることにより、新たな価値創造へのチャレンジを推進してまいります。

 

 以上のような諸施策により経営資源を集中し、更なる成長と株主価値向上に努める方針であります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次の通りであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、実際の結果とは様々な要因により異なる可能性があります。

 

(1)サステナビリティの方針

 当社グループは、創業当初からの「エンドユーザー(消費者)のお困りごとを解決する」というコンセプトを大切にし、「エンドユーザー(消費者)の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く事業創造を行い、その発展に伴い社会の問題を解決し、貢献できる企業として成長する。」というグループ経営理念を掲げ、社会の問題を解決することで貢献し、社会や地域と共に繁栄できる企業を目指しています。これに加え、持続可能な社会のための取り組みは、企業に課せられた責務であり、企業としての成長と社会的責任を果たすことを両立させていくことが重要であると考えています。これらを実現するために当社グループは、人と人との繋がりから生まれる共感を新しい価値を創造する原動力とし、適正な企業統治のもと、社会から信頼される企業として、多様なサービスを通じた持続可能な社会の実現に向け、グループ一丸となってその達成に積極的に取り組んでいます。

 

(2)サステナビリティの取組

①サステナビリティ課題全般

項目

内容

ガバナンス

当社グループではサステナビリティ委員会を設置し、環境面や社会からの要請課題について検討しています。原則として四半期ごとに開催としながら、必要に応じて適宜開催としています。また、リスク・コンプライアンス委員会で検討した経営活動上やビジネス上のリスクとの関連性を整理した上で、発生の可能性や頻度、発生した場合の影響を評価、重要性を識別し、必要に応じて執行役員会または取締役会に報告するなど、取締役会による監督体制のもと、当社グループの戦略に反映し、対応しています。

両委員会は代表取締役の諮問機関であり、サステナビリティに関する重要事項に関しては、サステナビリティ委員会及びリスク・コンプライアンス委員会で検討・協議された内容を元に、取締役会において審議・決議しています。

 

    0102010_001.png

 

 

 

項目

内容

戦略

当社グループは、地方にて拠点を展開することで、雇用を創出し、地域を活性化させることを重要な課題として認識しています。収益を地域に再投資する経済循環を生み出し、自治体と協力し地域に安心・安定した生活の環境を作り上げることで、様々な可能性を見出すことができる環境が生まれ、当社グループの成長へと繋がり、また地域へ再投資する、そんな地域還元モデルを目指しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

0102010_002.png

 

 

 

 

 

 

 

 

■ 当社グループが目指す

「真の地域還元モデル」

 

この地域還元モデルの循環させるためにも、「E(Environmental:環境)」「S(Social:社会性)」「G(Governance:ガバナンス)」の側面(重要な項目)で取り組みを明確にし、企業としての持続可能な成長と社会の持続可能な発展に貢献する取り組みを目指すため、持続可能な開発目標(SDGs)から2030年までに取り組むべき重要課題(マテリアリティ)(注)1を設定し、評価、管理しております。

 

項目

内容

リスク管理

STEP 1.マテリアリティ候補の抽出

 サステナビリティ分野における国際的な枠組みであるGRIスタンダードなど各ESG評価機関を参考に、社会的課題を洗い出し、経済/環境/社会に大きな影響を及ぼすものを中心に自社の取り組みからマテリアリティ候補となる項目を抽出。

 

STEP 2.マテリアリティ候補の評価・分析

 STEP 1で抽出した約50項目について「社会からの期待」と「当社グループの経営活動や事業との関連性」の2つの側面から当社グループの経営理念、経営戦略、財務面を含むリスク情報などを加味し、リスクアセスメントの評価方法を参考にスコアリングし、当社グループが考える重要度を評価。

 

STEP 3.妥当性や優先度の確認と課題のグルーピングによるマテリアリティの特定

 STEP 2で作成した課題評価から、優先度の高い21項目の課題をグルーピングし、SDGsとの関連性を整理・確認、8つのマテリアリティを特定。

 

設定したマテリアリティについては、社会課題の変化や当社グループの経営計画等に合わせ見直しを適宜行うこととし、今後、一定期間における活動推移を見極め、各項目について適切なKPIを設定したうえで管理してまいります。

 

項目

内容

指標及び目標

約50項目のリスクを洗い出し、その中から当社グループにとってより重要な項目を選定しています。設定したマテリアリティの解決(注)2を通し、持続可能な社会の構築に貢献していきます。

 

(注)1 (特定したマテリアリティ)

 

重要課題

(マテリアリティ)

リスク

機会

貢献する

主なSDGs

E

自然環境への取り組み

・温室効果ガス排出に対する事業規制等による事業活動への影響

・炭素税やCO2排出量削減等によるコストの増加

・気候変動の緩和に寄与する、再生可能エネルギー等の事業機会の創造

・環境保全により次世代が住みやすい地域環境をつくり、地域活性化、雇用創造に繋がる

 

0102010_003.png 0102010_004.png

 

 

0102010_005.png 0102010_006.png

 

S

災害への備え

・異常気象の発生による事業被害

・地震、災害、施設老朽化による設備崩壊で事業継続が不可能となる

・パンデミックにより事業継続が不可能となる

・異常気象に適応できる供給体制強化等による顧客維持・新規獲得

・災害に備えた施設設備強化や不測の事態に備えた制度により、従業員が安心して働くことができる

 

0102010_007.png

 

健康経営(健康への意識醸成)

・アブセンティーズム(病欠や病気による休業)の発生による人財不足

・プレゼンティーズム(何らかの疾患や症状を抱えながら出勤し、体調不良があるまま働いている状態)による業務効率の低下

・優秀な人財の新規採用、定着

・業務パフォーマンス向上による事業成長

 

0102010_008.png 0102010_009.png

 

 

0102010_010.png

 

地域の未来と活性化、雇用の創造

・人財の採用と確保が困難となり、事業機会の逸失が起こる

・地域社会の衰退化により、若い人財がいなくなる

・雇用の創造により若年層が定着し、地域活性化に繋がる

・地域活性化による新たな事業機会の発生

・多様な働き方を提案することによる人財の定着

・子供たちや学生を対象に様々な分野でスキル提供をすることにより、長期的な地域全体の人財育成へと繋がる

 

0102010_011.png 0102010_012.png

 

 

0102010_013.png 0102010_014.png

 

未来の技術・新しい価値観

・サービスの品質低下

・事業成長の停滞

・新たなサービス領域の創造

・事業の成長、継続に繋がる

 

0102010_015.png 0102010_016.png

 

女性活躍推進

・事業活動での人権問題発生に伴う事業遅延や継続リスク

・セクハラ、パワハラなどのハラスメント横行による労働環境の劣化

・ライフスタイルの変化による離職、人財不足の発生

・多様な働き方、働きやすい環境を提案することによる人財の定着

・ライフスタイルの変化を加味した人財育成により従業員の成長を促す

 

0102010_017.png 0102010_018.png

 

 

0102010_019.png

 

G

体制の強化

・コーポレート・ガバナンス、内部統制の機能不全に伴う事業継続リスク、予期せぬ損失の発生

・経営陣/幹部の減少による経営活動の停滞

・ビジネスモデルの陳腐化によるニーズの低下

・強固なガバナンス体制の確立による意思決定の透明性の向上、変化への適切な対応による安定的な経営基盤の確立

・安定した経営体制によるステークホルダーの信頼獲得

・事業の成長、継続

 

0102010_020.png 0102010_021.png

情報・システム

・情報漏洩による企業評価の低下、受託業務減少

・システム障害により事業活動の継続が困難となる

・ステークホルダーからの信頼獲得

 

 

(注)2 (マテリアリティの解決に向けた対応、取り組み)

 

重要課題(マテリアリティ)

主なリスクへの対応

具体的な取り組み

自然環境への取り組み

・2050年までにCO₂排出量実質0を目指し、2030年までにCO₂排出量50%削減を目標とする

・資源の有効活用、省資源、省エネルギー化

・事業活動におけるCO₂排出量の低減措置の推進

・電気自動車(EV)への社用車切り替え

・拠点施設へ太陽光発電パネル設置

・カーボンニュートラルガスの導入

災害への備え

・大規模災害の発生を想定し、事業継続計画(BCP)を策定

・施設設備の防災対策の強化

・感染症対策等の強化

・事業継続計画(BCP)の策定

・各拠点の災害に備えた備蓄品確保

・災害対策備品(トランシーバー等)の確保

健康経営(健康への意識醸成)

・健康経営宣言のもと、未病対策として健康診断の受診促進や、全拠点参加型のイベントを実施

・健康をテーマとしたセミナーやストレスチェックの実施

・グループ全体の健康意識維持のため、健康経営優良法人への申請

・健康経営優良法人2023 大規模法人部門認定

・貧血有所見者にヘモグロビン値測定実施

・全拠点でウォーキングイベント実施

・社内カフェテリアにてスマートミールの導入

地域の未来と活性化、雇用の創造

・新規拠点の設立による雇用の創造

・女性を応援する活動のシンボルとして、若い世代が安心して地元に戻ってこられる環境を創るべく、女子スポーツチーム「アランマーレ」を創設

・子供たちや学生へ向けたスキル提供の場を設置

・働きがいのある職場環境の整備による、労働生産性の向上、優秀な人材の確保

・新規拠点の設立による雇用創造

・カフェテリア、社内スタジオなどの社内環境整備

・企業内保育園(オランジェリー)運営

・女子スポーツチーム

「プレステージ・インターナショナル アランマーレ」運営

・アランマーレジュニア組織運営

未来の技術・新しい価値観

・事故受付及びロードサービスの一体的運用及びその周辺分野へのDXを活用した独自サービスの開発

・DXによるデータ管理改善の取り組み

・システムに蓄積されたデータをクライアントの商品開発、エンゲージメントに活用

・Premier Assist Direct

(特許第5828882号)

・Premier Call

(特許第5698858号)

・training AI CAST

(商標第6409870号)

女性活躍推進

・女性が夢をもって活躍できる雇用環境を創造し、整えていくための「Woman Excite Project」を発足

・人権の尊重、ダイバーシティ推進体制の強化

・女性特有のライフスタイルの変化に着目したワークライフバランスの実現、能力開発におけるサポート体制の充実化

・時間単位有給休暇制度

・ジョブリターン制度

・新生活サポート制度

・企業内保育園(オランジェリー)運営

・Director制度

・フェムテックへの取り組み

体制の強化

・内部統制リスク管理の強化

・コーポレート・ガバナンス体制の強化

・経営陣/幹部の人員、スキル確保

・定期的なビジネスモデルの見直し

・コンプライアンス教育の継続的な実施

・指名報酬委員会設置

・リスク・コンプライアンス委員会の活動

・定期的なビジネスモデルの見直し

情報・システム

・従業員へのセキュリティ教育徹底

・システム障害の規模に合わせた事業継続計画(BCP)の策定

・情報セキュリティ研修の実施

・事業継続計画(BCP)の策定

(注)3.ジョブリターン制度は、退職後、当社で培った能力・経験を再度活かしていただくための制度です。

4.新生活サポート制度は、結婚・出産・介護等のライフイベントに配慮したサポート提供のために導入した、シングルマザー/シングルファザー サポート手当、介護サポート休暇、プレママ/プレパパサポート休暇を指します。

5.Director制度は、ポジティブに管理職へチャレンジしやすい環境を整えるため、所属部署においてマネージャー業務を段階的に行う制度です。

 

②気候変動への対応

(3)気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応を参照ください。

 

③人的資本・多様性への対応

項目

内容

ガバナンス

取締役会において、女性活躍担当の取締役を任命、担当取締役の指揮の下、女性活躍プロジェクト(通称:Woman Excite Project)を組成し、新たな人事制度や人財育成方法の見直しなど活動内容について、取締役会へ報告、また取締役会からの助言、意見を反映した制度設計などを行っています。

なお、当該取締役は「サステナビリティ委員会」の委員長も兼任しております。

 

項目

内容

戦略

当社グループは、「プレステージ・インターナショナルグループ人事基本方針」に従って人事活動を行い、従業員一人ひとりが活き活きと働き、職務上の地位や採用形態、年齢、性別、学歴、出身地、国籍、思想信条などの違い、性的指向・性自認・性表現・障がいの有無などを理由とした差別や偏見の排除、各国法律及び慣習に従って従業員の権利を尊重しながら、能力を伸ばしていける環境づくりに取り組んでいます。

■「グループ人事基本方針」

1.人権の尊重

2.人材の確保

3.公正な評価

4.人材の育成

5.職場環境と健康管理

 

具体的には、①女性管理者比率の向上、②従業員の健康意識の向上及び健康推進、③新卒や中途採用、国籍等を問わず多様な人財の確保、④「働き続けたい場所」であることを目指し多様な働き方の実現を目的とした制度や環境設備の拡充などを打ち出し、組織風土の醸成と働きがいのある体制づくりを目指しております。

また、基本方針に基づき2019年より従業員の健康づくりを目的とした取り組みを開始し、健康経営プロジェクトとしてさらなる健康経営の取り組み強化にも努めています。この結果、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する「健康経営優良法人2023」(大規模法人部門)に認定されました。

 

項目

内容

リスク管理

当社グループの経営の根幹は「人」によるサービスにあると考えております。安定した業務を遂行するには、一定数の採用数が見込まれる地域で且つ低い離職水準であることが重要であり、多様な働き方を提案することによる人財の定着のためにも、以下のような施策について対策を講じ、リスク低減に努めています。

・内部通報制度による課題、問題の発見

・月次での採用計画の進捗、退職者数と退職理由の執行役員会への報告

・月次での女性活躍プロジェクト(通称:Woman Excite Project)で検討した課題、取組報告

・健康診断の結果による指導

・メンター制度での個別支援による職場内での悩みや問題の早期発見

 

項目

内容

指標及び目標

1.2023年度までに女性管理者比率50%

2.1.2023年度までの貧血の有所見者率 10.4%以下

2.2.2023年度までのBMI普通体重維持者率 65%以上

3.離職率10%以下

4.2022年度から2023年度の男性社員の育児休業取得率の平均値 20%以上

目標に対する実績は、以下の通りであります。

<単位:%>

項目

2020年度

2021年度

2022年度

1.女性管理者比率

31.4

35.8

40.7

2.1.貧血の有所見者率

14.2

10.2

10.4

2.2.BMI普通体重維持者率

60.1

59.7

58.7

3.離職率

11.0

11.3

11.9

4.男性社員の育児休業取得率

25.0

18.2

23.5

女性管理職比率、男性育児休業取得率、男女間賃金格差については、「第1企業の概況5.従業員の状況」に記載の通りであります。

(注)1.貧血の有所見者率は、ヘモグロビン値12.0g/dl未満者の割合としております。

2.BMI普通体重維持者率は、日本肥満学会の定めた基準に則りBMI18.5以上25未満者の割合としております。

3.指標及び目標の対象範囲は、当社従業員であります。

4.連結会社における女性管理者比率、離職率の指標は、下表の通りです。

<単位:%>

項目

2020年度

2021年度

2022年度

1.女性管理者比率

28.2

30.2

34.5

3.離職率

14.9

13.2

14.7

5.貧血の有所見者率、BMI普通体重維持者率、男性社員の育児休業取得率は、連結グループにおける記載が困難であり、集計を実施しておりません。

 

(3)気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)への対応

 当社グループは、事業創造を通して、社会に貢献できる」企業を目指し、社会的課題を解決するサービスを創造し、事業を通じた社会課題の解決や地域貢献に取り組んでおります。 こうした中、近年の世界的な気候変動や自然災害による被害の深刻化を踏まえ、気候変動が当社グループに与える影響を的確に把握するとともに、気候変動に関する対応を優先事項の一つとして捉え、CO2排出削減を含む様々な環境対応策を積極的に推進することとし、2022年「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」に賛同し、これに基づいて情報開示を行っております。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

①ガバナンス

 気候変動がもたらすリスクが経営に与える重要課題と認識し、環境・社会課題の解決に向けた取り組みについて議論する機関としてサステナビリティ委員会を設置し、具体的な取り組みや進捗を管理、監督し、適宜取締役会に上程、報告をおこないます。

 

②重要度の定義

 気候変動の財務影響を評価するにあたり、影響の区分は、金融商品取引所の適時開示基準のうち「業績予想の修正、予想値と決算値との差異等」及び「災害に起因する損害または業務遂行の過程で生じた損害」に関する基準を準用し、連結売上高の10%増減もしくは連結純資産の3%増減が予想される場合を影響「大」としました。なお、シナリオ分析の定量情報は、参照シナリオ等を基にした当社の判断に基づくものであり、分析精度の向上に留意していますが、多くの不確実な要素を含むものです。

影響の区分

基準

金額

連結売上高に対する比率:

10%以上

55億円以上

連結純資産に対する比率:

3%以上

13億円以上

連結売上高に対する比率:

5%以上10%未満

27億円以上55億円未満

連結純資産に対する比率:

1.5%以上3%未満

6億円以上13億円未満

連結売上高に対する比率:

5%未満

27億円未満

連結純資産に対する比率:

1.5%未満

6億円未満

③参照した既存シナリオ

 シナリオ分析の検討に際し、国際的な信頼性が高くTCFD提言においても引用参照され、多岐にわたる事業領域をカバーできる国際エネルギー機関(IEA:International Energy Agency)及び国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)が発行する資料等を参照し、以下の2つのシナリオを設定しました。

設定シナリオ

2℃未満

4℃

世界観

平均気温の上昇を2℃未満に抑えるべく、大胆な政策・法規制が実施されるとともに、技術革新が進む。

脱炭素社会への移行に伴う社会変化が事業に影響を及ぼす可能性が高い社会。

様々な政策・法規制を推進せず、物理的リスクが高まる。温暖化がさらに進み、集中豪雨や洪水など自然災害が激甚化する。

気候変動が事業に影響を及ぼす可能性が高い社会。

参照

シナリオ

移行面

IEA WEO2021

IEA NZE2050 等

IEA STEPS 等

物理面

IPCC(AR6)SSP1-1.9 等

IPCC(AR6)SSP5-8.5 等

リスク及び機会

移行面でリスク及び機会が顕在化しやすい

物理面でリスク及び機会が顕在化しやすい

 

④分析結果

 

分類

事業インパクト

時間軸

影響

(注)1

2℃未満

4℃

政策

・法規制

・炭素税の導入等による CO2排出に対する課税

中期~

長期

・燃料コスト等の事業コスト増加

技術

・環境負荷を考慮した製品・サービスの購買コスト増加(電力、紙製品等の事務用品、EV等)

短期~

・ZEB、ゼロカーボン建築によるBPO拠点新規建設費用増加

長期

市場

・オートモーティブ事業におけるEV対応のニーズに追いつけない

短期

(注)2

(注)2

・脱炭素社会へ向けた生活様式の変化に伴うサービス提供のニーズに対応できない

評判

・気候変動対策の遅れによる株価・売上への影響、取引機会の損失

短期

(注)2

(注)2

・人財確保の困難化

 

急性

・台風・豪雨・洪水等の自然災害でBPO拠点が運営停止することによる収益減少

中期

(注)3

(注)4

・被災したBPO拠点における事業継続のためのインフラ等の復旧コスト発生(移転コスト含む)及び資産価値の減少

・台風・豪雨・洪水等の自然災害による出勤不可の従業員発生

慢性

・気温上昇により予想される従業員の体調不良(熱中症、感染症の拡大、呼吸器疾患の増加等)を軽減するための就業環境整備コスト増加

長期

 

 

 

 

分類

事業インパクト

時間軸

影響

(注)1

2℃未満

4℃

エネルギー源

・資源の効率性

・エネルギー効率の良いBPO拠点の建設、運営

長期

(注)2

(注)2

サービス

・市場

・企業のBCPニーズの高まりに伴う新規受託業務の獲得

中期~

長期

(注)2

(注)2

・オートモーティブ事業におけるEV対応のニーズの高まり

短期

・脱炭素社会へ向けた生活様式の変化に対応したサービスの創出

中期~

長期

レジリエンス

・各BPO拠点間でのバックアップ体制強化による事業の継続、安定化

長期

(注)2

(注)2

(注)1.リスク・機会の本格化までの時間軸 短期:2025年、中期:2030年、長期:2050年

2.現段階では十分な情報収集が困難であり、事業及び財務への影響度の評価が難しい状況です。

3.2℃未満シナリオにおいては、台風・豪雨・洪水等の自然災害の頻度が増すものの、BPO拠点所在地での事業継続に直接影響を及ぼす自然災害は発生しないと想定しています。

4.4℃シナリオにおいては、影響が最大となる場合としてBPO拠点の1つが浸水して運営停止する程度の自然災害が発生することを想定しています。

 

⑤戦略

・当社グループは、東北地方を中心にコンタクトセンター(BPO拠点)を運営しています。Scope1、Scope2(におけるCO2排出の主な原因は、BPO拠点における電力及びガスの消費、ロードサービスにおけるサービスカーの燃料消費です。

・CO2排出量削減のため、再生可能エネルギー導入やロードサービスにおけるサービスカーのEVへの入れ替えを進めてまいります。CO2排出量削減は、環境負荷の軽減のみならず、炭素税の課税による財務影響の緩和という効果もあります。

・移行リスクについては、2℃未満シナリオ及び4℃シナリオのどちらにおいても政策・法規制によるコスト増のリスクが抽出されました。しかしながら、2030年時点を想定した当社グループへの財務影響は下の表の通りであり、上記の施策を進めることで財務影響は「小」と評価しました。

・物理リスクについては、4℃シナリオでは海面上昇に加えて自然災害の激甚化と頻度増がより大きくなると予想されるため、主に水害によりBPO拠点の運営に影響が出るリスクが抽出され、財務影響は「大」と評価しました。BPO拠点新規設立の場合の立地条件の厳格化や、BPO拠点同士のバックアップ体制の強化をさらに進め、事業継続への影響を最小限に抑える施策を進めてまいります。同時に、従業員の安全確保のため、災害訓練を継続実施し、備蓄物の内容・量を見直します。

・EV関連の顧客ニーズについては、当社グループにとってリスクであり機会でもあります。当社グループでは研修施設「富山トレーニングフィールド」を有しており、主にロードサービスについての研修を効率的・集中的に行うことができるため、EVへの対応強化を進めることで、機会となると認識しています。

 

⑥2030年時点を想定した当社グループへの財務影響

 2020年度の排出量を基礎に試算すると炭素税額は約124百万円となりますが、当社グループのCO2排出量削減目標達成に向けて再生可能エネルギー、EVを計画的に導入することで炭素税は約62百万円に削減できると試算しています。

項目

財務影響額

炭素税 (注)1

62百万円

再生可能エネルギー導入コスト

11~25百万円

カーボン・オフセットコスト ※2

7~98百万円

(注)1.2030年における先進国の炭素価格:USD130(IEA NZE2050)を元に算出。為替レートJPY/USD 133.53(2023年3月31日)

2.2022年4月のJ-クレジット平均販売価格、グリーン電力証書の価格を元に算出。

 

⑦リスク管理

[気候関連のリスクを選別・評価するプロセス]

 当社グループではサステナビリティ委員会において環境面や社会からの要請課題やリスクを抽出し、リスク・コンプライアンス委員会においては、検討した経営活動上やビジネス上のリスクを検討しており、両委員会で検討した課題やリスクについてそれぞれ関連性を整理し、当社グループにとって重要な気候変動に伴うリスクと機会を選別しています。その上で、選別した気候変動に伴うリスクと機会について、発生の可能性と事業への財務的影響に基づき、その重要性を評価します。

 

[気候関連のリスクを管理するプロセス及びその総合的リスクマネジメント体制への統合状況]

 従来、リスク・コンプライアンス委員会において当社グループのリスク管理の方針の決定、リスク管理規程の整備、運用状況の検証、危機発生時の対応、その他リスク管理全般に関する事項について整備を行ってまいりました。気候関連のリスクについては、これらに加え、環境・社会課題の解決に向けた取り組みについて議論する機関として設置したサステナビリティ委員会において、事業活動に関連する気候関連のリスクの抽出・検討を行い、影響度の大きい重要リスクを特定し、関連する移行リスクや物理リスクについて、TCFD提言のフレームワークに沿ってシナリオ分析を含む識別・評価を実施します。抽出されたリスクについては、リスク・コンプライアンス委員会及びサステナビリティ委員会のもと、関係部門が気候変動に対する施策について立案、実行、報告し、両委員会が連携してその進捗確認を行います。さらに、サステナビリティ委員会は当社グループ全体の対応状況を集約し、協議した上で取りまとめ、重要な事項については代表取締役統括のもと、執行役員会及び取締役会に報告し、取締役会による監督体制のもと、当社グループにおける企業リスクとして当社グループの戦略に反映し、対応しています。

 

⑧指標及び目標

 当社グループは、シナリオ分析結果を踏まえ、気候変動に伴うリスク低減のため、CO2排出削減目標を設定しました。CO2排出量削減目標については、当社グループの事業特性やこれまでの取り組み状況、今後の社会動向を勘案し、中長期目標を策定の上、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指します。特に省エネ活動の推進、使用量の効率化や削減、省エネルギー設備の積極的な導入、社用車のEV等への切り替えなど使用電力の再生可能エネルギー比率を高めていく取り組みを強化します。

CO2排出量削減目標

指標

目標内容

2030年度

2050年度

CO2排出量削減率

(Scope1・2、2020年度比)

50%

100%(ネットゼロ)

 

CO2排出量実績及び2030年度・2050年度目標

<単位:t-CO2>

項目

2020年度

2021年度

2022年度

2030年度

2050年度

実績

実績

実績

目標

目標

Scope1

ガソリン、軽油由来

3,101

3,423

3,802

1,550

0

LPG、LNG、都市ガス由来

1,366

1,633

1,566

683

0

Scope1 排出量計

4,467

5,055

5,367

2,234

0

Scope2

Scope2 排出量計

3,375

3,692

4,037

1,688

0

Scope1・2 排出量合計

7,842

8,748

9,405

3,921

0

(注)一部の海外子会社の電気使用量が不明な場合は、電気料金、その国の電気料金相場、事務所の面積などから概算を算出しています。

 

[気候関連リスク・機会の管理に用いる目標及び実績]

Scope1(直接排出:ガソリン、ガスなどの燃料消費)

・各BPO拠点で使用している都市ガス等を2030年までにCNガス(カーボンニュートラルガス)に順次変更し、2030年までに約1,300t-CO2を削減

・第1弾として2023年1月より富山BPOタウンより導入、これにより年間約470t-CO2削減

・当社グループの社用車約450台のうち、2030年までに約240台を目標に順次EVに入れ替えを実行、

これらにより年間1,000t-CO2削減

 

Scope2(間接排出:他社から供給された電力使用など)

・環境対策モデル施設「岩手BPOフォートレス」

 2024年開設予定の「岩手BPOフォートレス」を再生可能エネルギー100%利用のモデル施設と位置付け、その後の施設建設、施設改築の基準とする

・既存BPO拠点及び新設BPO拠点での対策

✓最新の省エネ対応機器(照明、空調、通信機器など)の導入を進める

✓PPA(Power Purchase Agreement)を活用し、BPO拠点全体で最適な電力利用モデルを構築

✓既存の大型BPO拠点に関しても、電力供給企業とパートナーシップを組み、施設の改築、メンテナンス計画に合わせて、岩手BPOフォートレス同様に駐車場スペース(その他施設内空地利用)を活用しPPAモデルで自家消費と、太陽光発電が不向きな拠点へ送電を実施

・削減できないCO2排出についてはカーボン・オフセット制度を活用

 

 

3【事業等のリスク】

 以下において、当社グループ(当社、連結子会社38社、持分法適用関連会社2社)の事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者に対する積極的な情報開示の観点から同様に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。また、新型コロナウイルス感染症による行動制限などが徐々に緩和され、正常な経済活動に戻りつつありますが、再び新型コロナウイルス感染症が世界的に拡大し、行動制限が伴う事態になった場合、以下のリスクを含め当社グループの事業活動・業績及び財政状態に一定程度影響を与える可能性があります。

(1)に関しましては日本および海外において、都市封鎖、移動規制・自粛等による企業・個人活動の低減、海外旅行者の減少、クレジットカード利用の減少等、当初想定していたオペレーション量が抑制されるリスク

(2)に関しましては、外出禁止令の発動等により海外拠点の財務情報収集に遅れが生じるリスク

(6)に関しましては、当社グループにおきまして感染罹患者は殆ど発生しておらず、事業継続しておりますものの、緊急事態宣言、学校休業による出勤調整等、人材確保、マネジメントに対するリスク

 

(1)BPO事業の市場並びに業界の状況に係るリスク

 BPO市場の成長は、規制緩和等を背景としたアウトソーシング化の進展に大きく影響されることから、アウトソーシング化が進展しない場合は、当社グループの成長が鈍化する可能性があります。

 日本および海外においては、損害保険会社、自動車メーカー、クレジットカード会社等の大企業が自社グループのインハウス事業としてBPO業務を行っているケースが多いため、市場拡大が制約または限定される可能性があります。また、クライアント企業において業界や業種ごとに共同でアウトソーシング会社を設立する場合、業界再編成やM&Aが進展する場合などにも、当社グループのような独立系BPO事業者にとって事業機会を喪失する可能性が想定されます。

 当社グループはこれらのリスクに対して、クライアント企業との協業など新たなビジネスモデルの創出やIT投資による効率化等、独自性が高く訴求力のあるサービスを提供し続けることにより、クライアント企業の拡大及び繋ぎ止めに努めてまいります。その一環として、富山BPOタウン、秋田BPO横手キャンパス、新潟BPO魚沼テラスに続き、2021年3月には山形BPOガーデンを500席増席し、山形BPOパークを開設いたしました。また2022年4月には、秋田県にかほ市内3か所で操業していた秋田BPOメインキャンパスにかほブランチを統合し、秋田BPOにかほキャンパスを開設いたしました。これはクライアント企業からの業務拡大要請や有事に備えたオペレーションの複数拠点化を求める声が多いことに鑑み実施された施策でありますが、競争の激化などマーケット環境が変化した場合、先行投資による設備投資が回収できない等の事案が生じた場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)世界情勢等におけるリスク

当社グループは、米国、英国、中国、シンガポール、タイ、豪州などに海外拠点を設置し、グローバルに事業活動を展開しております。

海外における事業展開には、以下のようないくつかのリスクが内在しております。万一、下記のような事象が発生しますと、クライアント企業の経営戦略や事業方針等に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

  ・予期しない法律または規制の変更、強化

  ・不利な政治または経済要因

  ・税制または税率の変更

  ・テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等

 

(3)信用失墜や風評のリスク

当社グループのクライアント企業は、損害保険会社、自動車メーカー、不動産管理会社など各業界における有力企業が多く、信用失墜や風評の影響を受けやすい傾向にあります。仮にクライアント企業に信用失墜や風評の問題が発生した場合、その影響は当社グループの業績に及ぶ可能性があります。また、当社グループのBPO業務に起因して重大なトラブルやクレームなどが発生した場合、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性があり、更に他のクライアント企業にまで契約解消の動きが波及する可能性もあります。

 

(4)為替リスク

当社グループの海外売上高は、グローバル事業を中心に2022年3月期2,735百万円(連結売上高に占める割合5.9%)、2023年3月期3,366百万円(同6.2%)となっております。海外売上高の大部分は外貨建てであることから、為替相場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)設備に係るリスク

当社グループは秋田BPOメインキャンパスを中核施設として、富山BPOタウン、秋田BPO横手キャンパス、新潟BPO魚沼テラス、山形BPOパークに続き、2022年4月には秋田BPOにかほキャンパスを開設いたしました。各BPO拠点やコンタクトセンター、ネットワーク及び情報システムが予期せぬ自然災害や事故などによって破壊または切断された場合、あるいは外部からの不正アクセスなどによって情報システムやデータの破壊、改ざん、情報漏洩などが起きた場合、当社グループの事業活動に重大な影響を与えるとともに、クライアント企業から損害賠償請求を受ける可能性もあります。

 

(6)人材マネジメントに係るリスク

① 当社グループの各コンタクトセンターでは、オペレーターなど人材の確保及び育成、業務量に応じた人員配置及びシフト編成、適正な労務管理に努めております。BPO業務の多様化・高度化・グローバル化が進むなかにあって、こうした人材マネジメントの重要性はますます高まる状況にあります。当社グループが適切な人材マネジメントを行うことができなかった場合、業務品質や業務効率が低下するうえ、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性もあります。

② 現在、国内では人手不足が慢性化しており、深刻な社会問題となっています。当社グループにおいては、主力のオペレーション業務を地方に設置した各BPO拠点で行っており、首都圏に比べると比較的安定した採用数を得られておりますが、採用活動が進まず、採用数が計画を大きく下回る場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)顧客情報漏洩のリスク

当社グループは、クライアント企業との間で一定の秘密保持契約を取り交わし、膨大な量の顧客情報を扱っております。そのため、個人情報保護規程や情報セキュリティ管理規程を整備するとともに、各コンタクトセンターではISOの認証を取得した秋田BPOメインキャンパス、秋田BPOにかほキャンパス、秋田BPO横手キャンパス、山形BPOパーク、山形BPO鶴岡ブランチ、富山BPOタウン、新潟BPO魚沼テラスに準じた運用を行っております。しかしながら、当社グループの従業員や関係者が顧客情報を何らかの方法により私的に流用したり、外部に漏洩した場合、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性や、クライアント企業またはエンドユーザーから損害賠償請求を受ける可能性もあります。

 

(8)法規制等に係るリスク

現在、当社グループが関連する主要な業務において特定の許認可制度はないものの、今後、新たな自主規制が設けられたり、公的・準公的資格の取得が義務付けられたりする可能性があります。法規制等の動向については十分な注意を払っておりますが、当社グループの想定を超えた法的規制及び自主規制等が設けられた場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)訴訟・クレームに係るリスク

現在、当社グループが関連する主要な業務において訴訟・クレームは発生しておりません。今後、計画している事業展開において、当社グループの提供するサービスなどをめぐる訴訟やクレーム等が発生した場合、当社グループの事業活動に影響を及ぼし、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10)オートモーティブ事業におけるリスク

① ロードアシスタンスサービスの収益構造

 ロードアシスタンスサービスの業務受託料は、基本的に固定+変動の収支構造となっており、固定費部分の算出方法は主に以下の2つの方式に分類されます。なお、クライアント企業との契約は一定期間毎に改定する内容となっております。

(a) 台数ワランティ方式

業務委託料を、クライアント企業の保険契約数(又は対象車両台数)×単価で決定する方式

(b)単価ワランティ方式

業務委託料を、手配件数(想定手配件数)×単価で決定する方式

 各種ロードアシスタンスサービスの提供件数すなわち当該費用は、行楽シーズンや年末年始など交通量が多くなる時期、大雨や降雪など天候が悪化する時期に増加する季節性があります。こうした季節的な要因に当部門の業績が左右されます。特に台風・大雪・地震など自然災害が例年以上に多く発生すると、故障や事故が大幅に増加し、一時的に業績が悪化する可能性があります。ただし、クライアント企業との契約内容により、想定を超えた当該費用については事後補填を行う付帯条項があり、業績の悪化を緩和できることがあります。

② ロードアシスタンスサービスの品質

 当社グループでは、各種ロードアシスタンスサービスを24時間年中無休で提供するため、関係会社(株式会社プレミアアシスト)を始めとして全国各地の自動車整備会社やレッカー業者など、協力会社を含む全国ネットワークを整備しております。クライアント企業にとって、ロードアシスタンスサービスの品質はお客様満足度を左右する重要な要素であることから、当社グループでは協力会社と一体となって現場到着までの早さや接客態度などのレベルアップに取り組んでおります。しかし、こうした当社グループの取り組みが十分であるとは限らず、協力会社との良好な関係を維持できなくなるなど何らかの理由によりロードアシスタンスサービスの品質が悪化した場合、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性があります。

③ 保証業務

 オートモーティブ事業において、保証業務として自動車の延長保証・メンテナンスプログラムを提供しております。保証業務は、利用者から一定の料金を徴収することにより、定められた期間の特定の故障を保証するものであります。

 当社グループでは、過去の実績などから適正な料金を算出すること、また、想定されるコストについては再保証を行うことなどの対応を行っております。

 しかしながら、想定以上の故障が発生した場合、再保証料が上昇するなどの影響により当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)プロパティ事業におけるリスク

① 不動産向けサービス(ホームアシスト)の収益構造

 不動産向けサービス(ホームアシスト)の業務受託料は、基本的に固定+変動の収支構造となっており、固定費部分の算出方法は、クライアント企業の管理戸数(又は対象戸数)×単価となっております。なお、クライアント企業との契約は一定期間毎に改定する内容となっております。

 各種ホームアシストサービスの提供件数すなわち当該費用は、年末年始や夏季などに増加する季節性があります。こうした季節的な要因に当部門の業績が左右され、一時的に業績が悪化する可能性があります。ただし、クライアント企業との契約内容により、想定を超えた当該費用については事後補填を行う付帯条項があり、業績の悪化を緩和できることがあります。

② 不動産向けサービス(ホームアシスト)の品質

 当社グループでは、各種ホームアシストサービスを24時間年中無休で提供するため、関係会社(株式会社プレミアアシスト)を始めとして全国各地の水道修理業者、電気工事業者や鍵業者など、協力会社を含む全国ネットワークを整備しております。クライアント企業にとって、ホームアシストサービスの品質はお客様満足度を左右する重要な要素であることから、当社グループでは協力会社と一体となって現場到着までの早さや接客態度などのレベルアップに取り組んでおります。しかし、こうした当社グループの取り組みが十分であるとは限らず、協力会社との良好な関係を維持できなくなるなど何らかの理由によりホームアシストサービスの品質が悪化した場合、クライアント企業との業務委託契約が解消される可能性があります。

③ 保証業務

 プロパティ事業において、住宅設備延長保証サービスを提供しております。本サービスにおいて、想定以上の故障が発生した場合、再保証料が上昇するなどの影響により当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)グローバル事業におけるリスク

① 海外旅行保険のクレームエージェントサービスにおける有責無責の判断

 海外旅行保険のクレームエージェントサービスでは、クライアント企業に代わって一定限度の医療費等(保険金)を保険約款に従って当社グループ独自のノウハウにより有責無責の判断を行っておりますが、その判断が必ずしも適正であるとは限りません。クライアント企業による調査の結果、何らかの無責事由に該当した場合、当社グループは立て替えた医療費等を被保険者に請求いたしますが、当該債権を回収できない可能性があります。

② 保険金の立替払い

 海外旅行保険のクレームエージェントサービス及び日本人駐在員向けヘルスケアプログラムにおいて、当社グループは医療費等(保険金)を現地通貨で立替払いしますが、その後、クライアント企業から保険金を受け取るまでの間に為替相場が大きく変動した場合、為替差損益が発生いたします。

③ 日本人駐在員向けクレジットカード発行業務

 米国における日本人駐在員向けクレジットカード“プレミオカード”等の発行については、当社グループ、現地金融機関及び日系航空会社との3社提携、現地金融機関に対する金融当局の許認可などが前提となっております。そのため、何らかの理由により3社提携の解消や取引条件の変更あるいは金融当局の許認可などが取り消された場合には、当部門の業績に影響が及び、事業継続が困難となる可能性もあります。

 また、同カードの発行時における本人確認、与信審査、与信限度額の設定などは、当社グループ独自の基準及びノウハウにより実施しております。発生した延滞債権については、当社グループが現地金融機関との契約に基づいて買い取るとともに所要の貸倒引当金を計上し、カード会員本人に支払い要請を行います。このため、延滞債権が多額に発生した場合、当部門の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、カード決済時においては、代金を現地金融機関から加盟店に先に支払い、その後会員から代金を回収する仕組みとなっております。支払いのための資金調達には金利が発生しており、現地金融機関と当社グループの負担となっていることから、米ドル金利の上昇により金利コストが増加するリスクがあります。

 

(13)金融保証事業におけるリスク

① 保証業務

 金融保証事業において、家賃保証プログラムといった保証に関連する業務を提供しております。当社グループが提供する家賃保証プログラムは、保証委託者の債務不履行が発生した場合に当社が代位弁済を行うものであり、その性質上、代位弁済した立替債権の一部が未回収となる可能性があります。また、著しい経済環境の悪化等により、立替債権が増加し、貸倒引当金及び保証履行引当金が想定を超えて計上された場合には、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 家賃保証プログラムの法令遵守

 当社グループでは関係会社(株式会社イントラスト及び株式会社プレミアライフ)において家賃保証プログラムを提供しております。家賃保証業界に関しては、家賃滞納者に対して一部の業者が行き過ぎた転居対応を行う等の社会的な問題が生じており、業界における自主規制の制定や法的規制について検討が進められている状況であると認識しています。当社グループにおいては、法令遵守を徹底して事業を行う方針でありますが、法令違反等の社会的問題が生じた場合、事業の推進が困難となり、当部門の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における我が国経済は、コロナ禍からの社会経済活動の正常化が進みつつある中、緩やかな持ち直しが続いている一方で、世界的なエネルギー・食料価格の高騰や欧米各国の金融引締め等による世界的な景気後退懸念など、我が国経済を取り巻く環境には厳しさが続きました。

 このような環境の下、アウトソーシング・BPO市場については、経済活動が本格化すると同時に、隠れていた人手不足が顕在化しつつあり、また、働き方改革やDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を通じた業務変革、企業競争力向上のためのサービスの採用などが市場の追い風となっており、今後も安定した成長が見込まれます。

 連結売上高に関しては、金融保証事業の堅調な成長に加え、グローバル事業の回復及びカスタマー事業の伸長等により対前年増収となり、54,562百万円(前年同期比16.7%増)となりました。営業利益につきましては、売上高の成長により7,840百万円(前年同期比14.6%増)となりました。経常利益につきましては、持分法による投資利益322百万円の計上により8,378百万円(前年同期比17.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は賃上げ促進税制の適用で税負担が減少し、5,318百万円(前年同期比22.1%増)となっております。

 引き続き、BPO拠点を事業運営の中心に据え「価値創造」に取り組み、社会的責任を果たすとともに、ステークホルダーとの良好な関係を構築し、皆様からのご期待に応えられるよう努めてまいります。

 

(2)生産、受注及び販売の実績

  ①生産実績及び受注実績

 当社グループの提供するサービスの受注生産は僅少であるため、記載を省略しております。

  ②販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:百万円)

名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比

(%)

日本

51,188

116.0

米州・欧州

2,684

124.3

アジア・オセアニア

689

146.0

合計

54,562

116.7

 

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。

 

(3)経営者の視点による経営成績などの状況に関する分析・検討内容

a. 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたり、連結決算日における資産、負債の報告金額及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益及び費用の報告金額に影響を与えるような見積り及び予測を必要とします。結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。

 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

b. 当連結会計年度の経営成績などの状況に関する認識及び分析・検討内容

 ①財政状態

 連結会計年度末における総資産は、60,273百万円となり前連結会計年度末に比べ6,244百万円増加となりました。流動資産は、現金及び預金が3,433百万円増加、立替金が1,138百万円増加し、流動資産合計では前連結会計年度末に比べて4,689百万円増加し、35,892百万円となりました。固定資産に関しましては、建設仮勘定が873百万円増加、投資有価証券が863百万円増加しましたが、建物及び構築物(純額)が403百万円減少し、前連結会計年度末に比べて1,554百万円増加し、24,380百万円となりました。

 負債に関しましては、契約負債が1,274百万円増加、流動負債のその他が520百万円増加いたしました。これらにより負債合計では前連結会計年度末に比べて992百万円増加し、18,455百万円となりました。

 また、純資産については、配当の支払いが2022年6月及び12月に発生いたしましたが、親会社株主に帰属する当期純利益が5,318百万円であったため、前連結会計年度末に比べて5,251百万円増加し、41,817百万円となりました。

 ②経営成績

 連結売上高に関しては、金融保証事業の堅調な成長に加え、グローバル事業の回復及びカスタマー事業の伸長等により対前年増収となり、売上高は54,562百万円(前年同期比16.7%増)となりました。営業利益につきましては、売上高の成長により7,840百万円(前年同期比14.6%増)となりました。経常利益につきましては、持分法による投資利益322百万円の計上により8,378百万円(前年同期比17.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は賃上げ促進税制の適用で税負担が減少し、5,318百万円(前年同期比22.1%増)となっております。

 

 

前連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

増減

売上高(百万円)

46,744

54,562

7,818

営業利益(百万円)

6,842

7,840

998

経常利益(百万円)

7,151

8,378

1,226

親会社株主に帰属する

当期純利益(百万円)

4,357

5,318

961

(注)記載金額は百万円未満を切り捨てて表示しております。

 

セグメントの業績は以下のとおりです。

 

 1) 日本

 日本国内においては、金融保証事業の増収に加え、カスタマー事業の伸長など、国内事業セグメント全てが増収を果たし、売上高は51,188百万円(前年同期比16.0%増)となりました。

 営業利益につきましては、人件費や物価高騰により外注費などが上昇しましたが、好調な売上に伴い、8,962百万円(前年同期比4.3%増)となりました。

 2) 米州・欧州

 米州・欧州においては、米国のクレジットカード事業の会員数純増及び利用が回復し、売上高は2,684百万円(前年同期比24.3%増)となりました。営業利益につきましては、米国の金利上昇により仕入が増加しましたが、円安の影響により570百万円(前年同期比18.8%増)となりました。

 3) アジア・オセアニア

 コロナ禍からの回復により、インシュアランス事業の増収、インド・フィリピンを中心とした現地ビジネス(医療機関内における受診サポート)の増収により、売上高は689百万円(前年同期比46.0%増)となりました。営業利益につきましては、現地ビジネスの売上が増加したことと、円安の影響により、137百万円(前年同期比508.4%増)となりました。

 

事業別の業績は次のとおりであります。

 

 1) オートモーティブ事業

 主に損害保険会社や自動車メーカー向けロードサービス等を提供しているオートモーティブ事業は、ダイレクト系損保の契約台数増加に伴う手配件数増及び大手自動車用品量販店でのカスタマーサービス業務拡大が寄与し、売上高は23,281百万円(前年同期比11.5%増)となりました。営業利益に関しては、搬送距離や搬送比率の上昇によりコストが増加したものの、ロードサービス内製化の拡大により、2,861百万円(前年同期比11.9%増)となりました。

 

 2) プロパティ事業

 分譲・賃貸マンション・戸建ての修繕とコインパーキングのメンテナンス等を提供するプロパティ事業は、駆けつけサービス対象の会員数や、サービス拡大が寄与し、売上高は6,482百万円(前年同期比8.4%増)となりました。営業利益に関しては、パークアシストにて事業地の拡大に伴う拠点展開の初期投資、外部委託費用が増加し減益となり、429百万円(前年同期比23.1%減)となりました。

 

 3) グローバル事業

 海外旅行保険のクレームエージェント、駐在員向けの医療サポート(ヘルスケアプログラム)業務等を行うグローバル事業は、海外旅行保険付帯サービス及びヘルスケアプログラムにおける海外駐在員数、海外旅行者数の増加傾向に伴う利用者拡大、米国クレジットカード事業における利用金額増加及び円安が貢献し、売上高は6,732百万円(前年同期比28.3%増)、営業利益は694百万円(前年同期比46.2%増)となりました。

 

 4) カスタマー事業

 カスタマーサポートサービスを展開しているカスタマー事業は、自治体からのワクチン関連業務が下期も継続したことに加え、旺盛なアウトソーシング需要を受けて新規プロジェクト獲得、既存プロジェクト拡大により、売上高は9,588百万円(前年同期比20.4%増)、営業利益は2,392百万円(前年同期比16.3%増)となりました。

 

 5) 金融保証事業

 家賃や医療費等、生活に関わる金融保証サービスを提供する金融保証事業は、グループ会社である株式会社イントラストが展開する家賃保証事業の契約者数が堅調に推移したことに加え、医療・介護費用保証事業の成長が継続し、売上高は6,937百万円(前年同期比29.7%増)、営業利益は1,501百万円(前年同期比23.0%増)となりました。

 

 6) IT事業

 ITソリューションを提供するIT事業は、サプライチェーンマネジメントシステムやコンタクトセンター業務に関連するシステムの納品が進捗したため、売上高は878百万円(前年同期比10.6%増)となりました。営業利益に関しては、子会社の解散に伴いシステム開発に関する外販売上がなくなったことで減益となり、183百万円(前年同期比34.1%減)となりました。

 

 7) ソーシャル事業

 女子スポーツチーム「アランマーレ」の運営、保育事業及び地方創生事業を行うソーシャル事業は、保育事業における園児数増加、スポーツ事業におけるスポンサーや観客動員数増加が寄与し、売上高は662百万円(前年同期比26.4%増)、営業損失は224百万円(前年同期は307百万円の損失)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、7,888百万円の収入となりました。主なプラス要因としては、税金等調整前当期純利益が8,375百万円、減価償却費が1,794百万円、契約負債の増加額が1,268百万円、主なマイナス要因としては、立替金の増加額が983百万円、売上債権の増加額が537百万円、法人税等の支払額が2,780百万円等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2,637百万円の支出となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得による支出が2,458百万円、投資有価証券の取得による支出が730百万円、投資有価証券の償還による収入が259百万円、補助金の受取による収入が226百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,152百万円の支出となりました。主な要因は、短期借入金の返済による支出が500百万円、長期借入金の返済による支出が375百万円、配当金の支払による支出が1,210百万円、リース債務の返済による支出が63百万円等によるものであります。

 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べて3,433百万円増加し、21,651百万円となりました。

 

④経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 経営者の問題認識と今後の方針について

 新型コロナウイルス感染症については、ワクチン接種の普及やコロナ共生が進み、社会経済活動の正常化が進みつつある中、景気は緩やかな持ち直しが続いている一方で、世界的なエネルギー・食料価格の高騰や欧米各国の金融引締め等による世界的な景気後退などが懸念されています。また、国内では人手不足が慢性化しており、深刻な社会問題となっています。

 アウトソーシング・BPO市場においては、ビジネスの変革サイクルの高速化、DXの進展、少子高齢化に伴う労働人口減少や人材不足、労働形態柔軟化・テレワーク拡大などを背景として、市場規模は年々拡大しており、今後も堅調な成長が続くと予想されています。

 このような状況は、当社グループにとって好影響であり、需要は旺盛で、採用計画を上回る要望や新規のクライアント企業からアウトソーシングの要請が多い一方、労働人口の減少や人材不足が需要に対する早期対応への課題となっており、当社グループの成長機会の大きな阻害要因となる可能性があります。

 当社グループの経営の根幹は「人」によるサービスであると考えております。安定した業務を遂行するには、一定数の採用が見込まれる地域で低い離職水準を維持することが重要であるため、2003年から大規模なBPO拠点を秋田市に開設し、増設を重ねながら他地域・地方への拠点を開設しております。現在では低い離職水準を維持しながら5県8カ所のBPO拠点で、およそ4,000名を超える従業員が就業している実績を出しております。また「地域でNo.1の職場環境」を目標に掲げ、様々な工夫に基づいた働きやすい環境の構築や、地域に密着し、愛される企業として認知度を向上させるための活動を継続的に行っております。新たな拠点の展開や既存拠点の拡張・改修は受託能力の拡大に繋がり、事業の成長や拡大に向けて重要な施策であることから、今後も人財の採用と共に積極的に投資を進めてまいります。

 

b. 中期経営計画に関して

 当社グループにおきましては、2021年5月に発表した中期経営計画に基づき、経営活動を推進しておりますが長引いた新型コロナウイルス感染症による行動制限等が中期経営計画に影響を及ぼしたものの、計画外の需要を取り込むなどの結果、1年目、2年目は概ね計画に近い水準で着地することが出来ました。2024年3月期については、中期経営計画の最終年度として、これまで通り「継続的・安定的成長」と中期経営計画のテーマである「価値創造企業」を目指し、全従業員が一丸となって目標達成に取り組んでまいります。

 

 以上を踏まえた2024年3月期の連結業績予想は以下のとおりです。

 

 

2023年3月期

2024年3月期

 

売上高

54,562百万円

56,500百万円

(前年同期比 +3.6%、 +1,938百万円)

営業利益

7,840百万円

8,200百万円

(前年同期比 +4.6%、 +360百万円)

経常利益

8,378百万円

8,700百万円

(前年同期比 +3.8%、 +322百万円)

株主に帰属する
当期純利益

5,318百万円

5,200百万円

(前年同期比 △2.2%、 △118百万円)

 

 各事業別については、以下のとおりになります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来の予想と異なる結果となる可能性があります。

 

(オートモーティブ事業)

 損害保険会社および国内外自動車メーカー向けのロードアシスタンスサービスの市場は、将来において技術革新が最も進む分野であると認識しており、今後車両のEV化や将来の自動運転に向けた取り組みが加速していくと思われます。また、車両に搭載されたIoT機器などのICTを通じたコネクトカーにおいては、事故時の緊急通報や故障時のロードアシスタンスサービスの要請などのテレマティクスサービスの導入が近年進んでおります。

 当社グループにおいては、EVが走行中に電池切れしてしまう電欠に対応した充電機器への投資、事故時における通信型ドライブレコーダーの映像を活用した緊急通報システムや自動運転向け遠隔監視センターの設立など、将来に向けた投資を積極的に行ってまいります。また、実際に現場に駆け付けてサービスを提供しているフィールドワークについても、新たな拠点の設置、レッカー車やサービスカーの入れ替えや増車なども同時に投資を行い、競争力の強化と新しいモビリティ社会に向け取組みや収益機会の拡大を図ります。

 

(プロパティ事業)

 不動産向けサービス(ホームアシスト)においては、居住者サービスへのメニュー拡充等、「PIでしかできないサービス領域」の実現を目指しております。機能修繕だけではなく、共用部の対応、延長保証や点検作業など当社のスタンダードとなるサービスを確立し、成長性を維持する方針です。サービスの差別化を図るため、現場対応を行うグループ会社の拡充やネットワーク構築を進め、エンドユーザーに品質の高いサービスを提供することで、新たなサービスメニューを提供し、同時に業務の効率化を進めてまいります。2022年2月には、大手エネルギー会社との協業によるホームアシスト事業を拡大いたしました。また、サービスの対象を管理会社から個人へも広げることで、既存サービスの利用顧客基盤を拡大してまいります。

 コインパーキングなどの駐車場管理会社向けサービス(パークアシスト)においては、新型コロナウイルス感染症による行動制限により、利用の低下や新たなコインパーキング事業地の開発が滞っておりましたが、行動制限の緩和により回復傾向にあります。また近年ではカーシェアなどの駐車基地が増加しており、新たなコインパークキング活用も進んでいることから既存クライアント企業との継続的な連携と技術の強化にも注力してまいります。

 

(グローバル事業)

 海外の日本人駐在員向けヘルスケアプログラムや海外旅行保険のクレームエージェントを提供しているグローバル事業においては、新型コロナウイルス感染症により、駐在員数や海外渡航者の減少により事業活動に影響を及ぼしましたが新型コロナウイルス感染症の収束や経済の正常化に動きだしたことに伴い、事業活動も活発化してきております。短期的には、円安や世界的な物価高の影響により、緩やかな回復速度となり新型コロナウイルス感染症の流行前までに回復しない見込みですが、中期的には日本企業の海外展開や旅行者は今後堅調に推移していくものと思われます。

 当社グループとしては、駐在員の赴任前から帰任後までのトータルサポートの展開、海外の主要医療機関へ予約や通訳、医療費のキャッシュレス手配、処方箋の日本語訳等の受診サポートを行う「ジャパニーズヘルプデスク」の設置による利便性向上を進めてまいりました。今後は、軽症の症状の方でも気軽に受診でき、透明性のある医療費で医療サービスを提供することを目的にクリニックを開設しインド、メキシコなどの新興国を中心に投資を予定しています。また、主に海外の日本人駐在員向けに現地通貨で決済が可能なクレジットカードを発行しているカードビジネスにおいては、新型コロナウイルス感染症の影響で減少した利用状況は回復の兆しを見せておりますが、コロナ禍前の水準には届いておりません。しかし、新型コロナウイルス感染症の収束により、日系企業における日本人駐在員は戻りつつあり、カード会員数の増加が見込まれると思われます。このためサービスの向上を図り、海外赴任者に対して提携航空会社と共同で継続的なマーケティングを展開し、また新規会員獲得、利用頻度の増加のためプログラム特典の強化を推進するとともに、原価管理を強化し、収益力を高めてまいります。

 

(カスタマー事業)

 カスタマーサービスにおいては、新型コロナウイルス感染症に伴うコロナワクチン接種センターサポート業務など、新型コロナウイルス感染症の収束とともに一時的な需要が減少することが予想されますが、これまで当社グループで機会が少なかったコロナワクチン接種センターサポート以外の自治体向けのサービス需要が高まっております。また、労働人口の減少や人材不足によるカスタマーサービスのアウトソーシング需要は旺盛で既存クライアントの拡大の要望や新規クライアントからの引き合いなどが増加していることから、当社グループの強みである地方での安定したオペレーションやバックアップ体制などの付加価値サービスに努め同事業成長を目指します。

 

(金融保証事業)

 金融に関わる保証サービスを提供している金融保証事業においては、家賃保証で培ったノウハウを、新規分野である医療費保証や介護費用保証、養育費保証へと展開し、「生活の安心=保証」の切り口で価値創造の領域を広げてまいります。

 

(今後の業績への影響及びその前提となる仮定や推論)

 当社グループの今後の業績を予想するにあたっては、新型コロナウイルス感染症が収束し、行動制限が緩和され正常な経済活動に戻ることを前提にし、各事業部門と経営管理部門と複数回の検討を行いました。

 

c. 資本の財源及び資金の流動性

 ①資金需要

 当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、BPO拠点設置時の設備投資資金であります。当連結会計年度においては、受注能力の拡大を目的とした岩手BPOフォートレスの建設費用の一部について投資を行いました。2024年3月期におきましても岩手BPOフォートレスの建設費用の一部及びBPO拠点設備の維持管理・運営や、電気自動車への給電装置を備えた現場車両の拡充、業務効率化を目的としたシステムなどへの投資を計画しております。

 

 ②財務政策

 当社グループにおいては、資本需要に対しては原則として内部資金を充当することとしております。一時的な資金に関しましては、最も有利な調達手段を採用する方針であります。なお、当社グループは、新型コロナウイルス感染症の業績への影響を考慮し、手元資金を十分確保しており、経営の安定化を図っております。

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。