第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 

 文中の課題認識及び将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は、インターネットを利用した動画や音声の配信を一般的なメディアとして普及させることを目的に1997年5月に設立されました。この目的達成のため、事業開始から今日に至るまで、安定した配信・受信環境を提供するためのネットワークの構築を進めるとともに、コンテンツホルダーである当社顧客の様々な要望に応えながら多様な形式による配信サービスの拡充を図ってまいりました。インターネット環境が拡大し、回線の高速化やデバイスの多様化が進んで様々な利用方法が生まれていく中、この市場における当社の役割はこれまで以上に重要になってくると認識し、事業の拡大を図っていくことが当社の経営の基本方針であります。

 

 当社では、『もっと素敵な伝え方を。』をコーポレートメッセージとし、これを実現するための考え方と行動からなる『JストリームWAY』を社員の活動の指針として事業を推進しております。自社で構築した安定したネットワークを背景に、あらゆる形式の動画、音声(音楽)、画像コンテンツをあらゆる方法であらゆる端末へ配信できるストリーミング、ダウンロードサービス提供能力や、動画の企画から制作・配信・分析までをサポートできるサービスの多様性と、豊富な経験による専門性を有しております。当社は今後も予想される通信インフラの発展、ソフトウェアの技術革新などに対応しながら、最先端の動画ソリューション提供会社であり続けるよう努めてまいります。

 

 顧客の成果に最大限コミットできるよう、自社サービスだけではなく、顧客の求めるソリューションを持つパートナーとの連携も推進し、あらゆる動画ニーズに応えられるエコシステムを創造して事業基盤の拡大に邁進いたします。

 

(2)経営戦略

 経営戦略として、以下の点に注力してまいります。

 

 PCに加え、スマートフォンやタブレット等の端末を日常的に利用する人の増加、5G等高速回線の普及と共に、これらを利用した企業内での情報共有・コミュニケーションにおける動画の利用や、コンテンツ配信ビジネスが拡大していくと思われます。当社グループにおきましては、働き方改革を推進する動きから、社内コミュニケーション、社内教育に要する時間の生産性を高める為に動画利用が拡大する一般企業とインターネット動画の使途として将来的な拡大が見込まれるメディア系の利用、特に放送同時配信関連市場への対応体制を充実、市場開拓を進めつつ、安定した需要と成長が見込めるビジネス用途に向けた動画ソリューションの開発・提供を続け、業容の拡大に努めてまいります。

 

 スマートフォンやタブレット等の端末の普及、テレワークの推進により、企業内での情報共有・コミュニケーションにおける動画の利用や、コンテンツ配信ビジネスが拡大しています。今後期待される5G環境の普及はこうした状況を促進すると同時に新たな利用法、ビジネスの糸口になると考えられます。当社グループにおきましては、今後拡大が見込まれる放送同時配信関連市場や各種の番組を配信する放送局・メディア企業に向けた配信基盤やソリューションの提供と、安定した需要と成長が見込める医薬関連企業へのマーケティングを中心としたサービス提供、その他ビジネス全般における動画コミュニケーション(EVC:Enterprise Video Communication)に向けた動画ソリューションの開発・提供の3つを軸として、業容の拡大に努めてまいります。

 

 放送局・メディア企業関連の市場においては、当社は放送局によるコンテンツのインターネット配信が始まった当初から各局のコンテンツ配信に携わって来た実績と経験・ノウハウを有しております。インターネット番組編成配信を実現するために必要な機能をパッケージ化した「EQ Media Suite」等、放送同時配信をはじめとしたこの領域向けのサービスも既に展開しております。今後の配信量の増加や各種マネタイズ展開等において、放送業界が必要とするサービスに求められる、大規模配信やタイムラグのない超低遅延配信、広告配信、番組編成処理機能等、各種の機能要請に応えるサービス開発を更に進め、実績の積み重ねを通じ顧客との関係を強化し、拡大する市場におけるプレゼンスの向上を図ります。
 

 医薬企業関連の市場においては、当社は既に多数の大手企業とビジネス展開を行っておりますが、医薬のネットプロモーション市場の市場規模、その中での動画を中心としたビジネスの成長余地は依然大きく、当社として実績のあるWeb講演会(医薬情報提供の講演会のライブ配信)領域における現場対応のノウハウを更に蓄積し、ミスのないサービス提供を行い顧客の信頼に応えることを通じて業容の拡大に取り組みます。また、同時に対応できるライブ配信現場数の増強、少人数・小規模開催などのニーズにも柔軟に対応できる体制の整備といった受託体制の強化を進めることにより、競争優位性を更に高めます。また、2020年3月期に子会社化した株式会社ビッグエムズワイを含めた企業グループとしてサービス領域を広げ、プロモーション領域、コンテンツ制作体制を強化すると同時にデジタルマーケティングを総合的に支援できる体制を整えて新たな需要の開拓を図ります。
 

 その他ビジネス全般における動画コミュニケーションについては、新型コロナウイルス感染症対応策も含め、企業の販売・営業、マーケティング、業務プロセス、社内広報、社員教育等すべてのシーンにおいてICT化が進行し、動画の利用される場面が拡大していくことに対応するソリューションを展開します。当社グループではこの領域の黎明期から様々な企業に提案、案件創出を行ってきた実績とノウハウを有しており、顧客の課題解決へ貢献し、業容の拡大に取り組みます。動画配信プラットフォームサービス「J-Stream Equipmedia」がこの領域に向けた主力サービスとなりますが、更に動画配信機能だけでは解決できない顧客課題に対応するために、有力なSaaS(Software as a Service)、各種サービスプラットフォームとの連携を強化して、課題解決の実績を積み重ねると同時に販路の拡大を実現します。

 

 経営管理面におきましては、企業の成長とあわせ、適切なコーポレート・ガバナンスの浸透を図りつつ、グループ経営の統制を強化し、効率化を図ります。また、新型コロナウイルス感染症対応策の一環としても、一人一人の事情に合わせた時間や場所にとらわれない柔軟な働き方としてテレワークを推進し、社員の健康管理・人事労務管理、セキュリティ管理面の向上とともに業務効率化を進め、必要な業務に邁進できる、快適で働きやすい職場環境を実現しつつ、優秀な人材を育成・獲得してまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループにおいては、インターネットを通じた各種コンテンツ配信の市場や、動画を利用したマーケティング活動や情報発信、情報共有は成長基調にあると認識しております。こうした環境下においては、小規模でも動画利用をする顧客層を拡大し、導入顧客の動画利用を促進する知識や情報を提供し、利用実績を積み重ねることで目的達成への効果を実感頂き、取引規模を順次拡大していくことが重要であると判断しております。この方針の達成状況を判断するために重視している指標は、取引先数、既存取引先の維持率、また新規の取引先獲得数であります。また、構築した配信基盤を利用して、こうした顧客に適切なサービスを提供して利益をあげられているかの目安として、営業利益率を重要な指標としております。

 

(4)経営環境

 インターネットを通じた各種コンテンツ配信の市場や動画を利用したマーケティング活動や情報発信、情報共有は成長基調にあり、このような環境下において当社グループの業績が長期的に急激に悪化する可能性は低いと認識しております。こうした市場環境下においては各種の類似サービスが現れますが、当社グループとして健全な成長を遂げるためには、市場において確固たる地位を占め続けることが重要であると認識しております。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社では、以下の点を重要な課題として掲げております。これらの重要課題への対応策を具体的な施策に反映させ、業容拡大や会社の健全な運営、社会貢献に努めてまいります。
 

<配信能力、サービス提供にかかる課題>

・ネットワークキャパシティの増強とトラフィック原価削減、監視体制の充実

・主力となる医薬企業関連のライブ案件数増加に対応するための、子会社を含む外部パートナーとの連携による能力増強、現場対応の効率化

・4K、8K、放送同時配信に対応するCDNや各種の放送連携の為の機能の継続的開発

・主力サービスJ-Stream Equipmedia の有力SaaSとの連携による活用対象用途・販路の拡大

・株主総会などに代表される顧客の動画利用用途に夫々に特化した機能、コンサルテーション等上流の役割と組み合わせたソリューションの提供

・Webサイトの運用やMAツール導入支援のサービス化による収益の安定化

・映像制作クオリティ、提案力の向上

 

<営業力強化のための課題>

・放送局を中心としたメディア事業者向け市場における放送同時配信需要獲得のための関係強化

・一般企業の社内コミュニケーション活性化需要を取り込むためのSEによる営業サポート体制構築

・一般企業向け市場における医薬系、金融系を中心とした顧客開拓推進

 

<新しい事業領域開拓のための課題>

・地方局のマネタイズを支援できるネット広告領域でのサービス展開

・M&Aを含めた新領域の開拓

 

<経営管理にかかる課題>

・グループ統制の更なる強化浸透

・成果を維持しながら労働時間を短縮する手段、人材採用・維持するための多様な働き方、キャリアパスに即した研修等の能力開発等を補助するシステムの導入推進

・テレワーク推進に伴う業務のシステム化

・適切な外注比率、外注費のコントロール

・予算統制の向上

 

2【事業等のリスク】

 以下には、当社の事業展開上のリスクの要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社は、これらのリスクの発生の可能性を認識した上で、その発生の予防及び発生の際の対応に努力する方針ですが、本株式に関する投資判断は、以下の特別記載事項を慎重に検討の上、行われる必要があると考えられます。なお、記載中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①事業環境・市場に関するリスク

 

・動画コンテンツ視聴市場について
 当社グループは、インターネットを通じて映像コンテンツを提供するコンテンツプロバイダーにコンテンツ配信サービスを提供しています。放送同時配信の本格化や5G環境の普及を控え、こうしたネットを通じたコンテンツの提供、視聴は大きく増加すると考えておりますが、視聴者の生活習慣が変わらない等の要因からこうした市場の成長が芳しくない場合には、当社グループの成長性に影響を及ぼす可能性があります。

 

・特定業界や顧客への依存について
 当社グループの動画配信サービスは、現時点では医療、メディアなど特定の業界における動画利用のニーズ拡大にもとづく利用が増加してきております。これらの業界において薬事法、放送法やその他自主規制等の要因から、販売促進、情報提供、コンテンツ配信等の手法の大きな変化による動画利用の減少、若しくは企業間提携や支配的な企業の出現によるこうした特定の領域における当社競争力の低下により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

 

・新型コロナウイルス感染症の影響による需要の低下について
 新型コロナウイルス感染症の世界規模の感染拡大に伴い、不確実性が増大しております。市場動向につきましては、2020年3月期においては、感染症対策の為にイベントがキャンセルとなるケースがあったものの、コミュニケーションをネットに置き換えるライブ配信等受注が上回ったことから当社グループの売上は伸長する結果となりました。しかしながら、感染拡大や拡大への不安による景気全体への悪影響からエンターテインメント関連、セミナー等ビジネス系の双方において各種イベントの手控えや延期、更に販売促進予算の絞り込み、ウェブサイト・リニューアルの先送りといった措置がとられ需要の減少につながる可能性があります。また事態の再度の悪化も含め、収束の時期が不明であり、事態が長期化した場合には当社グループの業績への影響が増加する可能性があります。
 

②市場競争・サービスの商品力に関するリスク

 

・ネットワーク構築、調達コストについて
 当社グループは、インターネットを利用した動画や音声をできるだけ多くのインターネットユーザーに快適にご利用いただくために、複数の大手IDCやブロードバンド事業者に分散してサーバを設置し、インターネットへの配信用回線を借用する契約を締結しております。当社グループはこれらの契約により各拠点からの配信を行っております。これらのIDCあるいはブロードバンド事業者の事業の状況やインターネットコンテンツ配信に対する戦略の変化などによって、サーバ設置料金及び配信用回線の値上げや契約の解消などの事態が発生する可能性があります。これが当社グループのネットワークの品質の低下やコストの増加などにつながることにより、当社グループの事業や業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

・動画配信関連プラットフォーム/アプリケーションサービスについて
 当社グループの動画配信サービスは、コンテンツの配信ウェブサイトの作成・運用を行うプラットフォームや、効果測定、アクセス制限、著作権管理等、各種の機能追加のためのアプリケーションを伴って提供される場合があり、当社グループではこれらの一部を外部から調達しております。今後こうした動画配信関連プラットフォーム/アプリケーションの進歩や提供される条件等に法改正等による制約等予想外の変化がおき、当社グループの原価が上昇し、当社グループの想定している利益計画が悪化する可能性があります。
 

 

・競合他社及び競合するサービスについて
 当社グループが事業とするインターネットを利用した動画や音声の配信市場は成長期にあると認識しています。当社グループに類似するビジネスモデルを有する競合会社は、動画向けに限らず広くCDNを提供する外資系を中心とした大手事業者、自社会員へのサービスとして配信を行っている大手ISPや、アマゾン社やマイクロソフト社に代表されるクラウドインフラを提供している事業者、動画配信プラットフォームを開発・提供している事業者などになります。
 当社グループは動画配信に特化したビジネスモデルとノウハウを有しており、動画配信に関しては優位性を維持できるものと考えておりますが、今後競争が激化した際、単純な配信規模や、動画以外での総合的な対応能力などの点を考慮した場合は、優位性を構築・維持できるという保証はなく、あるいは低価格競争を余儀なくされることにより、当社グループの収益が低下するといった、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社グループで開発、提供している動画配信プラットフォームの利便性・信頼性、配信に付帯して提供するコンテンツ制作、サイト運用、帯域判別、効果測定等の付帯サービスの内容・品質等の面で同業他社との差別化を図ることができず、ユーザー企業を計画通りに確保できない場合、当社グループの業績に影響が出る可能性があります。
 コンテンツプロバイダーがコンテンツ配信事業を開始するにあたり、配信部分について当社グループなどの企業に外注せず、独自の企業体や配信網を設けて配信を実施する可能性も存在します。この結果、コンテンツ配信市場の伸びが当社グループの売上の伸びにつながらなくなる可能性があります。
 また、インターネット上で動画を共有する、という名目で動画配信を安価に行うサービスも広く利用されております。当社グループにはセキュリティ、配信の安定性など企業が配慮すべき事項についての差別化要因があり、無償サイトでの展開には不向きなコンテンツも多く存在しているため当社グループの競争力は確保されていると考えられますが、こうした要素を重視しない動画配信においては当社グループで受注できないこともあり、そのような動画利用形態が増加した場合には、当社グループの成長率が市場全体に比較して低い水準となる可能性があります。

 

③社内管理面のリスク

 

・人材の獲得・育成について
 当社グループでは、事業の拡大や多様化に伴い、積極的に人員の増強、内部管理体制の一層の充実を図る方針であります。しかし、IT業界全体で人材が不足する中、コンピューター技術あるいはインターネットビジネスに精通しているなど、当社グループが必要とする人材を獲得したり、また育成することは容易でなく、新たな人材の獲得・育成が順調に進まなかったり、様々な理由により人員が減少する事態が発生するような場合には、適切かつ十分な組織的対応ができず、事業の拡大及び業務の管理に支障をきたす可能性があります。また、人材の獲得・育成が順調に行われた場合においても、人件費、教育及び管理関連コストの増大など、固定費の増加によって利益率が低下する可能性があります。

 

・新型コロナウイルス感染症にかかる人材リスク
 昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大に対し、当社グループでは、オフィスにおけるマスク着用、消毒や換気等措置の徹底とともに、2020年4月時点でほぼ8割以上の人員がテレワークを実施する体制を整備したほか、ライブ現場等に赴くスタッフについてはいわゆる「3密」を回避することと共に移動距離や担当現場件数の制限を行うなどして可能な限りの配慮を行ってきました。しかしながら、当社グループ社員や、協力会社のメンバーが感染するリスクは存在し、顕在化した際には業績に相応の影響が及ぶ可能性があります。

 

・事業投資、設備投資について
 当社グループでは、事業強化につながる領域に限って、営業活動によって獲得した資金、公募増資資金、新株予約権の権利行使によって払い込まれた資金等を原資に投資を行ってまいりました。今後も当社グループが行う事業投資は、従来どおり当社グループの事業強化につながる領域に限って行うことについてその方針には変更はありません。しかしながら、今後、当社グループが事業強化を目的として行う投資について、必ずしも期待どおりの成果をあげられる保証はなく、その場合、当社グループの財政状態や経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
 また、当社グループは、顧客へ提供するソフトウェアの開発及び当社サービスを提供する為に必要となるサーバ、映像機器・システム等への投資を実施しております。顧客の要件の変化、或いはこうした領域における技術革新が当社グループの予想を超えて進行し、当社提供サービス及び保有する機器・設備等が早期に陳腐化、又は大規模な変更若しくは増強の必要が生じ、新たな投資が必要となる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④グループ管理におけるリスク

 

・子会社の管理について
 当社グループは、子会社に対し、業容の拡大に応じて適宜必要な人員の確保や組織体制の強化を図っていく方針です。当社グループは、当社グループ全体としての目標が達成できるように、子会社に対して経営管理面でのサポートを横断的に行っております。しかしながら、何らかの理由で子会社における体制整備が遅延した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤サービス等開発に関するリスク

 

・受託開発について
 当社グループのビジネスの大部分はプラットフォームサービスを法人顧客向けに提供する構造ですが、ビジネスの中には、顧客向けに特定用途のコンテンツ運用システム等を受託開発するケースもあります。こうした案件は内容の複雑さから開発が長期化、開発費が多額になる場合が多く、予定外の仕様変更、人的な入れ替わりなどプロジェクト進行上の問題により、予定通り開発が進まずに利益率が悪化するリスクがあります。

 

・外部委託について
 当社グループでは、エンコーディング、コンテンツ制作、ライブ現場対応、システム監視、撮影、ウェブ制作等の業務において、各々の専門性に特化した外部委託を利用する場合があります。コンテンツに携わる外部委託が発生する関係上、秘密保持契約及び業務委託契約を結んだ上で信頼のおける外部委託業者を利用しておりますが、相互連絡の齟齬に伴う開発の遅延や当社規定のフローに沿わない故意の、又は過失による違法なコンテンツ流用や情報漏洩などの可能性は存在します。またシステムの一部を外部委託する場合には、ネットワーク負荷が高い場合などに、当社グループの想定しないトラブルが発生する可能性があります。こうしたことによる当社グループの信用の失墜が、当社グループの事業や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当該外部委託の運営に支障が生じた場合や、代替先への引継ぎが遅延した等の場合には、当社グループの業務遂行に支障をきたす可能性があります。

 

⑥事故、トラブルに関するリスク

 

・システムトラブルについて
 当社グループのサービスは公共的に幅広く利用されることから、サーバメンテナンス時を除きネットワークシステムを24時間年中無休で運営するように取り組んでおります。システム障害などが発生することのないよう日々監視を行い、また二重化できるものについてはシステム、ネットワークにかかわらず対応し、万が一トラブルが発生した場合においても短時間で復旧できるようにシステム・人的共に体制を整備しております。しかしながら、電力供給不足、自然災害や不慮の事故などによって通信ネットワークが利用できなくなった場合、或いは規定フローに沿わない人的ミスなどが発生した場合などには、当社グループサービスの提供が困難となり、当社グループの事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。また当社グループが利用しているデータセンターなどで障害が発生した場合等、当社グループが直接管理し得ないシステム障害が、当社グループ事業に影響を及ぼす可能性があります。

 

・情報漏洩について
 当社グループが顧客から預かるデータの中には、特定の会員だけを対象にしたもの、有料で配信されるもの、無料で公開されてはいるがコピーされてはいけないものなど、情報管理が重要なコンテンツが存在します。当社グループではシステムの設計上や運用方式上でこれらの情報が漏洩することのないように厳重に管理運用しております。こうした活動の一環として、運営しているウェブサイトに外部機関による脆弱性検査の実施、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)よりプライバシーマーク付与の認定を受けるなど、管理体制の整備運用に努めております。しかしながら、不正なアクセスによる意図的な侵害や、人的ミスなどによる情報漏洩の可能性、規制の強化に伴う対応体制整備の遅れの可能性が存在し、これにより当社グループの信頼が低下し事業に大きな影響を与える可能性があります。

 

・サイバー攻撃について
 政府や企業を標的にした標的型攻撃、サービス妨害攻撃等、情報の窃取やサービス提供を不能にすること、また攻撃そのものを目的としたサイバー攻撃の事例が増加しています。当社グループでは、提供するサービスや社内システムの状況把握をし、攻撃のリスクを勘案して強化が必要な箇所については随時強化を実施しておりますが、こうした攻撃の対象となった結果、当社サービスの提供に不具合が発生し、それにより当社グループの信頼が低下し事業に大きな影響を与える可能性があります。

 

・訴訟に関わるリスクについて
 当社グループは事業活動を展開する中で、常に当社グループ及び第三者の権利等に留意し、調査等を行い適宜対応しておりますが、当社の調査や対応が第三者にとって十分でかつ妥当であるとは保証できません。万が一、知的財産権、労務等に関連する訴訟その他様々な訴訟が当社グループに対して提起された場合には、これに対応するための費用が生じるほか、かかる訴訟において当社グループに不利な判断が下された場合には、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦親会社に関するリスク

 

・トランス・コスモス株式会社グループにおける当社グループの位置付けについて
 トランス・コスモス株式会社は、コールセンターサービスをはじめ、ビジネスプロセスアウトソーシングサービス、デジタルマーケティングサービス、マーケティングチェーンマネジメントソリューションサービスなど、それぞれのサービスを単独または融合させることで、マーケティングの最適化及び効率化、売上の拡大、新規顧客の獲得を実現する総合的なITアウトソーシングサービスを提供しています。2020年3月31日現在、トランス・コスモス株式会社は当社グループ株式の53.79%(議決権数に対する割合)を所有する親会社であります。同社は株主総会の決議等に大きな影響を及ぼす可能性があります。
 トランス・コスモスグループ内においては、インターネット関連サービスを展開する企業は他にも存在しますが、当社は動画配信サービスを行う唯一の企業であって独立した経営を行っており、これらの企業との事業における競合なく、様々な場面で協働する関係にあります。しかしながら将来のグループの政策変更等により、当社グループの事業展開に影響が及ぶ可能性は存在します。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国の経済は、米中の貿易摩擦等の不安要因や、消費税率引上げといった不確実性はあるものの、国内消費は全体に堅調に推移しておりましたが、2020年2月に入り、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、経済活動の自粛・制限による将来についての不安が増大いたしました。インターネット業界においては、5G時代における新たなサービスの可能性や、NHKによる常時同時配信の在り方に注目が集まりました。感染症対策のため外出や人との接触を減らさざるを得ない状況下、Webを通じたコミュニケーション手法が注目され利用が広がりました。
 こうした環境下、当社グループでは、成長性の高い市場開拓のための調査研究や政府・民間による情報通信業界の将来に向けた取組に積極的に参加する一方、メディアによるコンテンツ配信ビジネスの一層の強化に応える体制強化や、医薬系企業によるWeb講演会の市場開拓のための新サービスや新しい協業体制を推進するなど、主力となる配信・制作サービスの受注につながる各種施策を展開しました。8月には医薬系等の市場開拓・サービス力強化のため、持分法適用会社であったビッグエムズワイの株式を全部取得、連結子会社として連携を強化しました。新型コロナウイルス感染症の蔓延以降は、各種対策などグループ社員の健康管理に注力すると同時に、社会貢献の側面からもインターネットライブや映像事前収録等のサービスの提供を積極的に進めました。

 

 この結果、当連結会計年度の財政状態および経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ845百万円増加し、5,886百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ684百万円増加し、1,696百万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ161百万円増加し、4,189百万円となりました。

 

b.経営成績

 当連結会計年度の経営成績は、連結売上高8,442百万円(前期比24.5%増)、連結営業利益547百万円(前期比74.7%増)、連結経常利益562百万円(前期比76.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は249百万円(前期比27.4%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
 

 配信事業の売上高は4,230百万円(前期比20.0%増)となりました。

 制作・システム開発事業の売上高は3,443百万円(前期比36.9%増)となりました。

 その他の売上は 768百万円(前期比3.8%増)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より13百万円増加し、当連結会計年度末には2,024百万円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と資金の増減要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益446百万円の計上、減価償却費380百万円の計上などの資金の増加要因が資金減少要因を上回り616百万円の収入(前年同期比11.0%減)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動よるキャッシュ・フローは、有形及び無形固定資産の取得などにより427百万円の支出(前年同期比33.4%減)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払59百万円及びリース債務の支払81百万円などにより174百万円の支出(前年同期比9.5%増)となりました。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.受注実績

 当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

配  信

4,255,617

118.3

1,473,475

101.8

制作・システム開発

3,616,568

141.4

506,690

151.9

 報告セグメント計

7,872,185

127.9

1,980,166

111.1

そ の 他

781,847

92.4

234,601

177.6

合計

8,654,032

123.6

2,214,767

115.7

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.2019年8月30日に株式会社ビッグエムズワイの全株式を取得し、同社を完全子会社としたため制作・システム開発事業セグメントが増加しております。

 

b.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年4月1日 至 2020年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

配  信

4,230,117

120.0

制作・システム開発

3,443,506

136.9

 報告セグメント計

7,673,624

127.0

そ の 他

768,971

103.8

合計

8,442,596

124.5

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.2019年8月30日に株式会社ビッグエムズワイの全株式を取得し、同社を完全子会社としたため制作・システム開発事業セグメントが増加しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積もり
 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

1) 財政状態

(資産合計)
 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より845百万円増加の5,886百万円となりました。
このうち流動資産は4,204百万円となり、前連結会計年度末より812百万円増加しました。これは主に連結子会社取得に伴う売上債権の増加によるものであります。

 また、固定資産は1,682百万円となり、前連結会計年度末より33百万円増加しました。これは主に配信系サービス機器の増加と連結子会社取得によるのれんの増加によるものであります。

 

(負債合計)
 当連結会計年度末における負債合計は1,696百万円となり、前連結会計年度末より684百万円増加しました。これは主にリース債務などの増加によるものであります。

(純資産合計)
 当連結会計年度末における純資産合計4,189百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益249百万円を計上した一方で、配当金の支払59百万円を計上した結果、前連結会計年度末より161百万円増加しました。

2) 経営成績

(売上高)
 メディア系のコンテンツ配信、各種運用・監視、システム開発にかかる売上や、医薬系業界のWeb講演会関連のライブ配信売上が順調に拡大しました。2020年2月以降においては、各種イベントの自粛が広がる中、イベントや会議等ともにインターネットライブについても相当のキャンセル事例が発生しましたが、Web講演会については接触機会を減らせることから受注が増加し、他にも各業界において、Webセミナー、社員集会、卒業式典、入社式、社長訓話、採用セミナー、社内研修、株主総会等様々な用途でのライブ、事前収録等映像制作の問い合わせが急増し、受注増につながりました。オンデマンド配信についても教育等各種用途の利用時間が増加し、流量増からネットワーク売上が増加することとなりました。これらの結果、前連結会計年度に比べ24.5%増の8,442百万円となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)
 メディア系技術サポート業務の拡大による増加分や、ビッグエムズワイの子会社化に伴う計上分により外注費が増加し、この傾向は継続する見込みです。これらの結果、売上原価は前連結会計年度に比べ26.3.%増の5,526百万円となりました。また販売費及び一般管理費については、グループ企業の増加のほかに特段の増加要因はなく、前連結会計年度に比べ13.2%増の2,369百万円となり全体では微増に留めることができました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)
 当連結会計年度の経常利益は562百万円と前連結会計年度に比べ76.1%の増加となりました。当連結会計年度末において、サービス間の機能の重複と市場環境の変化に伴い今後の販売拡大が見込めないソフトウェアおよびグループ会社の利用状況の芳しくない施設について「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき減損処理し、特別損失70百万円を計上しました。

税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ40.8%増の446百万円となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ27.4%増の249百万円となりました。

3) キャッシュ・フローの状況
 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

 インターネットにおける動画利用の市場は成長基調にあり、このような環境下において当社グループの業績が市場要因から急激に悪化する可能性は低いと認識しております。こうした環境下にある企業として健全な成長を遂げるためには、市場において確固たる地位を占め続けることが重要であると認識しております。

 

 当社グループではインターネットにおける動画の利用を、放送局やコンテンツプロバイダ各社を中心としたOTT市場におけるものと、一般企業による販売促進や情報共有・コミュニケーションにおける利用であるEVC(Enterprise Video Communication)市場に大別して市場環境や各種施策を検討しております。

 

 OTT市場においては、大規模の配信案件を獲得するに足る配信設備の信頼性の確保や価格競争力、市場の拡大変容に伴い必要とされる各種機能への柔軟な対応が必要となります。大規模配信においては、低価格で提供できる安定した配信基盤の整備に加え、配信の周辺領域におけるサービスや機能を顧客の求める形にまとめて提供すること、突発的な事態やトラブルの際などの機動的な対応ができる設備設計・体制構築を進めることが、重要と認識しています。

 

 EVC市場においては、一般企業からの受注拡大のために、ニーズに即した提案とライブ配信現場等での安定した運営能力や、一般企業がオンデマンド配信を利用する際に使いやすいプラットフォーム、また教育目的の受講管理や世界規模の企業における同時視聴など、動画利用の目的に応じた適切なソリューションを提供できること、更に医薬のWeb講演会のような特に丁寧な対応が必要とされる案件においては、顧客の立場に沿った充実したサポートを提供することが重要と認識しています。

 

 こうした両市場でのサービス展開にあたり適切な研究開発・市場調査が非常に重要であるとの認識の下、適切な投資を実施していきます。

 

 両市場において配信サービス受注を確保するためには、優秀な人的・設備的制作能力の確保・改善も必須となります。当社グループは、映像制作・Web制作と各種配信サービスがセットで利用される案件を多く獲得することで相対的な優位性を保っております。顧客獲得のために、競争力のある制作提案ができる優秀な人員を社内に確保した上で、案件の実作業過程において、原価のコントロールを行い、協力会社等を含めた体制を管理運用して効率良くプロダクトを生み出せる組織を目指していきます。

 広くIT系企業に求められる要請事項として、セキュリティ、個人情報保護等への対応があります。当社としましては、事業部門と管理部門との連携を密にし、案件の実施前に注意すべき事項を洗い出し、対応方法を確認してリスクの回避・低減に取り組みます。

 当社グループでのサービス提供には配信インフラ、ソフトウェア等のみならず、優秀な人材がサービス提供に不可欠であるとの認識のもと、人材の強化・育成・採用に取り組み、組織の総合力の強化を図ります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

 当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、受注から開発納品、顧客からの支払受領までの期間と、外注支払等とのギャップ部分の運転資金に加え、各事業についての一般管理費などがあります。設備資金の需要としては、サーバ等の設備、比較的少額のオフィス等の機器に関する設備資金需要があります。無形固定資産に関連するものでは、サービスソフトウェア関連の開発投資、サービス開発投資に加え、社内のシステムに関する開発投資に関する資金需要があります。この他、企業や事業の買収に関する資金需要があります。

 

(財務政策)

 資金の調達につきましては、株式公開及び増資以降は外部からの資金調達を行っておりません。近年の売上増大に伴う運転資金需要の増加や、ソフトウェア開発等の資金需要は自己資金で賄っております。将来的にM&Aや新規事業開拓等に伴う資金需要において不足が生じる場合には、様々な資金調達の方法から適切な方策を検討いたします。

 海外との取引については大きな額ではない各種ライセンス程度に限定されており、上述の調達環境を含め、為替、金利変動による直接的な財務リスクは大きくありません。

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループにおいては、インターネット上の動画を利用したマーケティング活動や情報発信、情報共有や各種コンテンツ配信の市場は成長基調にあると認識しております。こうした環境下においては、小規模でも動画利用をする顧客層を拡大し、導入顧客の動画利用を促進する知識や情報を提供し、利用実績を積み重ねることで目的達成への効果を実感頂き、取引規模を順次拡大していくことが重要であると判断しております。この方針の達成状況を判断するために重視している指標は、取引先数、また新規の取引先獲得数であります。また、構築した配信基盤を利用して、こうした顧客に適切なサービスを提供して利益をあげられているかの目安として、営業利益率を重要な指標としております。

 営業利益率については当連結会計年度において6.5%となり前期比1.9ポイント向上しております。
 開発・運用体制の強化に伴う支出や、ウェブサイト・リニューアル、システム開発、映像制作等の外注比率が比較的高い案件獲得が増加したことに伴う外注費、業務委託手数料の増加の影響が大きくなっており、原価のコントロール、内製と外注のバランスに留意し改善に取り組んでまいります。

 

e.セグメントごとの財政状況及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(配信事業)

 当連結会計年度においては、メディア業界のコンテンツ配信にかかる大規模配信、技術サポートや運用受託業務の受注が順調に推移しました。医薬系企業によるオンライン講演会等の情報提供のためのライブ配信案件の受注についても、大口取引先をはじめとして順調に推移しました。第4四半期連結会計期間においては、この傾向が持続したことに加え、新型コロナウイルス感染症対策のためにライブを活用する事例が増加したこともあり前年実績を大きく上回る結果となりました。これらの結果、当事業の売上高は4,230百万円(前期比20.0%増)となりました。

 配信事業セグメントの利益は、メディア企業向けの人材提供を伴う運営サービスの提供等により外注費支出が増加したため、利益率は低下する結果となりましたが、売上増の効果が大きく、1,081百万円(前期比16.9%増)となりました。

 配信事業セグメントの資産は、配信インフラとして必要な、長期に渡り利用されるサーバ類の増強・更新の過程にあることから、1,972百万円(前期比15.5%増)となりました。
 

(制作・システム開発事業)

 当連結会計年度においては、コンテンツ配信サイトのリニューアルにかかるシステム開発、eスポーツ関連機材導入を伴うスタジオ設計、教育系の動画利用にかかるシステム開発等の大口受注が得られましたが、Web制作に関する受注は比較的小口の案件が多くなり、全体では前期並に推移しました。映像制作は大口の案件が少なく、また、映像制作系子会社における映像等スタジオ利用の受注が低水準に留まったことが売上減少要因となりましたが、8月末に子会社化したビッグエムズワイによる医薬系企業向けの映像制作、コンテンツ制作やシステム開発売上が大きな売上増加要因となりました。これらの結果、当事業の売上高は3,443百万円(前期比36.9%増)となりました。

 制作・システム開発事業セグメントの利益は、ビッグエムズワイの利益の算入に伴い215百万円(前期比42.2%増)となりました。

 制作・システム開発事業セグメントの資産には特段の大きな投資実行などありませんでしたが、子会社の増加による影響から2,082百万円(前期比50.1%増)となりました。
 

(その他)
 当連結会計年度におけるその他の売上高は、子会社によるエンコード等設備の販売を伴うインテグレーション業務売上について前年度ほどの大口受注がなかったものの、広告関連売上が医薬関連中心に伸長したことから増加し、768百万円(前期比3.8%増)となりました。

 その他の利益は、広告関連ビジネスが開拓途上にあり、関連ソフトウェアの開発や調査研究に関する出費が先行していることから30百万円の損失(前期は45百万円の損失)となりました。

 その他の資産については、広告関連ビジネス関連のソフトウェア増に株式会社イノコスの商品在庫増が加わった結果、339百万円(前期比50.6%増)となりました。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており

ます。この連結財務諸表の作成においては、経営者による会計上の見積りを行なっております。経営者はこれらの

見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性が

あるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

(繰延税金資産)

 繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。なお、当該課税所得を見積るにあたって、前提とした条件や仮定に変更が生じ、これが減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。

実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

5【研究開発活動】

 当社グループでは、当社の配信事業統括本部が中心となり、新サービス開発の前提となるソフトウェアや技術力のある企業の調査、実証実験、ネットワーク運用実験などを実施してまいりました。当連結会計年度における研究開発費は、50百万円です。主な研究開発活動は以下のとおりであります。
 ユーザーの多様な動画配信ニーズに応えるウェブ上の表現手法や、動画配信サイトの構築・運用を助けるプラットフォームや各種ツール、アプリケーションソフトウェアに関する調査と開発を進めております。サービス品質向上のために当社独自の運用プログラムなどを随時構築し、動画配信ソフトウェアの24時間監視プログラム、負荷分析プログラム及び負荷分散プログラムなど、大規模インターネット配信で必要な独自のプログラム類を構築しております。大規模ネットワークを構築するための負荷分散装置、負荷分散ソフトウェア等については配信事業統括本部が中心となり、実証実験を含め常に最新の装置、ソフトウェアを調査し、テストを行っております。