当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国の経済は、緩やかな回復基調を維持したものの、世界的な金利高止まりや中国経済の減速、ウクライナ情勢などの地政学的リスクが企業活動や消費者心理に影響を及ぼし、先行き不透明な状況が続きました。インターネット業界においては、生成AIの活用が進展し、コンテンツ制作や業務効率化を含む、DX(デジタルトランスフォーメーション)による新たな価値創出が期待される一方、IT人材不足やレガシーシステムの課題も依然として残っています。
こうした環境下、当社グループは動画ソリューション事業において、企業・団体の情報発信ニーズに応えるべく、インターネットライブ配信、オンデマンド動画配信、関連するシステム開発・運用受託等のサービス提供を継続しました。主力サービスである「ライブ中継サービス」や「J-Stream Equipmedia」を中心に、顧客の多様なニーズに対応した提案活動を強化しました。
販売面においては、前中間連結会計期間に引き続き、医薬業界のEVC(Enterprise Video Communication)領域、医薬業界以外の事業会社のEVC領域、放送業界を中心としたOTT領域の三つの区分において営業活動を展開しました。
EVC領域(医薬)においては、Web講演会用途のライブ配信や集客広告などの関連業務の受注が継続しているものの、薬価改定や製剤の上市状況の影響により、製薬企業のDX投資にばらつきが見られました。当社大口取引先においては外資系企業の需要が比較的安定して推移したものの、内資系企業では前年を下回る需要となる企業が多く見られました。当社グループでは、データ分析ツール「WebinarAnalytics」や生成AIを活用した字幕生成などの映像施策の提案、グループ会社による専門性の高いコンテンツ制作を組み合わせ、独自ルートでの案件獲得に努めました。Web等制作は比較的順調に推移しましたが、代理店経由の高単価案件の減少によりライブ配信案件の平均単価が下落したほか、映像制作案件の減少も重なり、領域全体としては前年同期を下回る結果となりました。
EVC領域(医薬以外)においては、イベントのリアル回帰が進む一方で、動画との併用や、企業・団体内部での動画利用が進んでいます。当社グループでは、教育・情報共有を目的とした動画活用事例の開拓に加え、社内外向けのウェブセミナーやオンラインイベント関連の受注獲得に注力しました。6月に需要が集中するバーチャル株主総会関連受注については、上場廃止やリアルとのハイブリッド開催に伴う運営負担の増加等の要因から市場全体で実施企業が減少しました。その結果、当該分野の売上は前年同期を若干下回る実績となりました。その他の用途においては、顧客のWebサイトシステムの構築や社内チャンネルの構築、映像制作の大口受注などがありました。一方で、前年に比較的大口の受注があったメーカー等による販促・社内イベント関連の需要が減少したことから、EVC領域全体としては前年同期をやや下回る結果となりました。
OTT領域においては、放送・メディア業界におけるシステム開発、サイト運用、関連する制作・運用業務、ならびに配信ネットワークの売上が中心となりました。顧客各社の動画配信サービスの拡大を背景に、当該領域ではシステム開発や高度なノウハウを必要とする運用業務に対して、引き続き高い需要がみられました。当中間連結会計期間においては、前年に納品したシステム機器関連の運用案件や、配信システム更新に伴うシステム開発、視聴用アプリケーションの保守業務などにより、売上が伸長しました。放送局や専門チャンネル事業者に対するネットワーク売上について一部顧客に減少があったことに加え、前年のシステム機器の大口納品の反動もあり、前年同期の売上は下回ったものの、定常的受注を中心にOTT領域全体としては堅調な結果となりました。
費用面においては、新卒を除く新規増員採用を抑制し、経費の節減および組織運営の効率化に注力しました。サービス開発に伴うソフトウエアを中心とした償却費や、クラウドサービス利用の拡大に伴うロイヤリティ支出の増加はあったものの、ライブ関係の合理化や原価低減策が奏功したことに加え、グループ会社を中心に内製比率の高い制作・サービス売上が順調であったこともあり、売上総利益率は前年同期比で0.7ポイント改善しました。販売費及び一般管理費については、営業支援にかかる費用、販売促進費、社内業務システムのライセンス費用、グループ会社のオフィス関連費用などが増加しました。
以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、連結売上高5,711百万円(前年同期比0.7%減)、連結営業利益361百万円(前年同期比12.3%減)、連結経常利益384百万円(前年同期比11.2%減)、親会社株主に帰属する中間純利益202百万円(前年同期比18.7%減)となりました。
なお、2025年9月30日開催の取締役会において、株式会社アイ・ピー・エルHDの全株式を取得し、その完全子会社である株式会社アイ・ピー・エルとともにグループ会社とする旨を決議いたしました。今後両社は合併手続きを行い、改めて株式会社アイ・ピー・エルとして2025年11月から連結の範囲に組み入れる予定です。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末における流動資産は10,207百万円となり、前連結会計年度末に比べ231百万円減少いたしました。これは主に流動資産その他に含まれる前払費用が増加したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が減少したことに加え、法人税及び配当金の支払いにより現金及び預金が減少したことによるものであります。固定資産は2,570百万円となり、前連結会計年度末に比べ175百万円減少いたしました。これは主に有形及び無形固定資産が減少したことによるものであります。
この結果、総資産は12,778百万円となり、前連結会計年度末に比べ406百万円減少いたしました。
(負債)
当中間連結会計期間末における流動負債は1,751百万円となり、前連結会計年度末に比べ226百万円減少いたしました。これは主に未払法人税等が減少したことによるものであります。固定負債は144百万円となり前連結会計年度末に比べ5百万円減少いたしました。
この結果、負債合計は1,895百万円となり、前連結会計年度末に比べ231百万円減少いたしました。
(純資産)
当中間連結会計期間末における純資産合計は10,883百万円となり、前連結会計年度末に比べ174百万円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する中間純利益202百万円の計上や配当金の支払348百万円によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前中間連結会計期間末に比べ864百万円増加し、7,690百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、515百万円の収入(前年同期比28.0%減)となりました。これは主に税金等調整前中間純利益384百万円の計上、減価償却費329百万円の計上などの資金の増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、231百万円の支出(前年同期比18.7%減)となりました。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出が229百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、426百万円の支出(前年同期比8.5%減)となりました。これは主に配当金の支払が347百万円あったことによるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当社グループでは、当社のプラットフォーム本部が中心となり、新サービス開発の前提となるソフトウエアや技術力のある企業の調査、実証実験、ネットワーク運用実験などを実施してまいりました。当中間連結会計期間における研究開発費は、22百万円となりました。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
該当事項はありません。