文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、この経営方針、経営環境、対処すべき課題等には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた過程、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。2「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社の実際の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況が、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。
(1)経営方針・経営戦略等及び進捗状況
当社グループの事業は、アーティストをマネージメントし、そこから創造されるコンテンツを事業化することに始まり、非常に多岐にわたっております。そのため、各事業をプロジェクト単位に分け、事業毎の営業利益管理を行っております。個々のプロジェクトは単発のものが多く、その結果年度毎の業績の変動が比較的大きくなります。それぞれの事業、プロジェクト毎に利益率の差はありますが、全体としては、営業利益・営業利益率・株主資本利益率などの向上を目標としております。
また、その目標を達成すべく、次の経営方針を施策として定めております。
①経営方針の4つの施策
(a)アーティストポートフォリオの拡充
(b)プロダクツの拡充
(c)バリューチェーンの内製化
(d)新規市場の開拓
②経営方針の進捗状況
〔施策〕アーティストポートフォリオの拡充(アーティスト・コンテンツの発掘、育成)
主力事業であるアーティストマネージメント事業において、当社の特徴の一つとしてアーティストの所属年数が長いことが挙げられます(サザンオールスターズ42年間、三宅裕司35年間、福山雅治32年間など)。所属するアーティストを中長期的にマネージメントしていくことで、アーティストのブランド価値や顧客基盤を最大化していくことが当社の強みとなっております。その中で重要なポイントは可能性のあるアーティストや良質なコンテンツを継続的に発掘・育成/開発することであり、年間数組の新規アーティスト輩出を続けています。また、さらにポートフォリオのスポーツ分野への拡充を図るべく、団野村氏が代表を務めるスポーツエージェント企業であるOrtus Vaux Holdings(現在、Amuse Sports Holdingsに社名を変更)を子会社化等の取り組みを行っております。
これらの取り組みを行うことで、そもそもがヒットビジネスで、また個々のアーティストの活動スケジュールによって収益の波がある事業のリスクを分散し、様々な選択肢でより多くの収益化を目指してまいります。
〔施策〕プロダクツの拡充/バリューチェーンの内製化
アーティストの生み出す様々なコンテンツを積極的に活用しつつ、外部環境の変化に対応した、新しいプロダクツの開発をより積極的に行っております。また、前年は、より一層のグループシナジーを得るべく、株式会社ライブ・ビューイング・ジャパンを子会社化いたしました。各プロダクツのバリューチェーンについても、内製化することによる固定費増などのリスクもありますが、収益機会の増大、内製化することで事業の理解を深めリスクマネージメントにもつながること、何より市場環境の変化に合わせ、適切な形で直接ユーザーにお届けするために、部分的に機能の内製化を図ってまいります。
〔施策〕新規市場の開拓
日本国内の人口の減少、アジア経済圏の拡大と、音楽市場のみならず、当社グループを取り巻くエンターテインメント市場は、大きく変化しています。このような変化の中で事業ポートフォリオの多様化を目的に、中国でデジタルスポーツパークを運営しているPlaymaker Kids Limitedへ出資をするなど、積極的に新規事業に取り組んでおります。
(2)経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループの属するエンターテインメント業界の市場環境ですが、中長期的なマクロ環境では日本における人口減少、少子高齢化による需要減少が想定され、市場内でより一層の競争激化が予想されます。一方、直接的な市場環境としては2020年2月ごろから発生しております世界的流行下の感染症の影響で、コンサートの中止が相次いでおり今後の市場動向は極めて予測困難ですが、コンサート市場は一般社団法人日本コンサートプロモーターズ協会正会員69社の2019年(1月-6月)総入場者数が2,250万人(前年同期比8%増)、総売上は1,573億8千6百万円(前年同期比9%増)と、引き続き堅調に推移しておりました。
コンサート関連事業は当社において業績に大きな影響を与える事業の1つで、市場需要が高まっている現状において、優良なアーティストやコンテンツの発掘・育成/開発を行うとともに、様々な活動領域をもつアーティストの拡充、アーティストの新たな才能を開花させる能力開発は、引き続き当社グループの最大の課題です。
また、インターネット、通信・放送等メディア及び端末の急速な進化、多様化によりエンターテインメントの需要が高まると同時に新たな楽しみ方の提案が求められています。さらに、ソーシャルメディアの台頭による人々のコミュニケーションの変化などにより、メディアの選択やマーケティング戦略が非常に複雑化しています。こうした環境の変化に対応したエンターテインメントを開発し、効果的なプロモーションを展開していくことが重要な要素になっています。当社ではアーティストを中心に、新しいメディアやコミュニケーションに適応したエンターテインメントを開発していくことが課題となります。
これらの課題に対し、当社は「(1)経営方針・経営戦略等及び進捗状況」でも記載した通り、アーティストポートフォリオの拡充、プロダクツの拡充を積極的に行ってきました。ミュージシャン、俳優、声優、司会者、スポーツ選手など幅広いアーティストが所属していることが当社アーティストマネージメントの最大の強みです。また、多様化するメディアやコミュニケーションに対し、既存の枠に捉われない発想で、アーティストから生み出される良質なコンテンツを創造し続けます。
音楽業界では、2019年(1月-12月)の音楽ソフト総生産額が2,291億2千9百万円(前年同期比5%減)、有料音楽配信売上は706億2千8百万円(前年同期比10%増)、合計金額は2,997億5千7百万円(前年同期比2%減)となっております(2019年1月-12月 一般社団法人日本レコード協会)。
邦画・洋画の映像関連市場では公開本数が前年から大幅に増加し1,278本で、映画館スクリーン数は前年に引き続き調査開始以来最高の3,583スクリーンとなり、2019年(1月-12月)の興行収入は2,611億8千万円(前年同期比17%増)となりました(2019年1月-12月 一般社団法人日本映画製作者連盟)。一方、ビデオソフト市場では、2019年(1月-12月)の総売上が1,590億9千3百万円(前年同期比11%減)、ブルーレイでのレンタル・個人向け販売用売上は前年同期比で微減し、DVDビデオは引き続き大幅に減少しており総売上は減少となりました(2019年1月-12月 一般社団法人日本映像ソフト協会)。
有料音楽配信が堅調に推移している一方、ビデオソフト市場が減少していることからもわかるように、流通インフラやインターネット環境の進展等により、アーティストが創作する楽曲や権利保有楽曲、映画やライブ中継などの映像作品等を直接消費者に届けることができるようになっています。
当社グループは、コンテンツ創造をするエンターテインメント企業として流通チャネルの環境変化に強い立ち位置を最大限に活用しながら、アーティストが生みだす様々なプロダクツを適切な形態・適切な価格でより便利に、直接ユーザーにお届けできるような流通チャネルを柔軟に確保することが課題となっております。
そのような中、市場流通チャネルに対し中期的に取り組んできた施策の一つとして、当社事業におけるバリューチェーンの内製化が挙げられます。当社運営の各アーティストのファンクラブサイトやECサイトのアスマートに代表されるように、当社グループがアーティストグッズ・音楽作品・映像作品・関連書籍などを直接ユーザーにお届けできる機会も年々飛躍的に高まっています。内製化したインフラや機能があることで、市場の変化や細かなニーズに対し迅速な対応が可能となることが強みとなっております。今後、特に需要が想定されるオンラインならではの付加価値を創造し、市場の変化に合わせインフラ機能を強化していくと同時に、そのサービスインフラ自体を他社アーティスト等へと広げることで、収益源の多様化・利益率を向上させて参りたいと考えております。
以上のような課題に対応していくのは、当社グループの人材です。当社では、音楽・映像・舞台等様々なエンターテインメント領域で事業を行っており、その多様性が一つの特徴となっております。
昨今では、エンターテインメントの市場が海外へ拡大していることも踏まえ、様々な事業領域のみならず、多様な市場における業務経験を幅広く積ませることで、環境の変化に柔軟に対応できる人員を育成しております。
引き続き定期・不定期採用を通じて、エンターテインメント業界のみならず、業界を取り巻くビジネス環境へも適応でき、今後の企業価値向上に必要な人材の確保を行うとともに、人事異動・各種研修を通じて優秀な人材を育てることが継続的な課題となっています。
また、優秀な人材により長く働いてもらうために、労働環境含め働きやすい企業として内外から認識してもらえるよう、制度や風土を継続的に見直していくことが重要であると考えております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のようなものがあると考えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
〔アーティストのマネージメントに係る事業〕における主要なリスク
当社の主要事業であるアーティストのマネージメントに係る事業におけるリスクは、発生可能性を最小限に抑えるべく様々な対策を講じておりますが、仮に発生した際は影響度が高いと考えております。
(1)主要アーティスト及び契約アーティストについて
営業収入上位3アーティストによる収入が総営業収入(連結)に占める割合は例年30~50%前後となっております。
主要アーティストの活動が休止・停止した場合や、当社がマネージメント戦略上、これらのアーティストのメディアへの出演や活動を抑制した場合、当社の業績に影響がある可能性があります。
また、当社では、長期的視野に立ったマネージメントを実践することで、当社の主要アーティストの当社在籍期間は長いことが特徴ですが(サザンオールスターズ42年間、三宅裕司35年間、福山雅治32年間など)、専属契約はその期間が限定されており毎回更新できる保証はなく、主要アーティストとの専属契約が更新に至らなかった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は契約アーティストに対して必要な研修を行う等、いわゆるコンプライアンスの遵守について努めておりますが、契約アーティストが、法令違反、信用失墜行為、取引先との契約違反となるようなトラブルを起こした場合、契約アーティスト及び当社グループの評判が悪化することなどにより、業績等に影響を及ぼす可能性があります。
これらのリスクは、日ごろからアーティストとの関係性を良好に保ち、また研修を行うなど対応することで発生可能性を抑えるべく努力をしておりますが、怪我や病気なども含め、完全に防止することは難しいと考えております。そうした際、一部のアーティストに依存した事業構造を持つことにより発生する可能性が高いと判断しているため、当社は積極的な新規アーティストの発掘・育成及びアーティストポートフォリオの拡充を行っております。ポートフォリオを拡充することで、収益基盤を分散し、業績への影響を最小限にとどめることができると考えております。
(2)コンサート活動や個々の作品による業績の変動
コンサート市場は現在中長期的に増加傾向にあります。当社の主力事業のひとつである大規模なコンサートの実施は短期間に実施期間の営業収入を急増させます。映画は上映後数週間の観客動員が多い傾向があり、音楽作品・映像作品は発売直後の短期間に収入が集中する傾向にあります。ヒットがあると収入が急増しますが、次に同様なヒットが続くとは限りません。
当社グループでは、幅広いアーティストのポートフォリオを確保し、より多くの音楽作品・映像作品のタイトルを確保することで安定的な収入の計上ができるよう努めておりますが、コンサートの実施時期、音楽作品・映像作品の発売時期、映画等の公開時期等により、四半期、事業年度ごとの業績の変動が大きくなる可能性があります。
(3)異常気象や感染症などによる外出自粛要請によるコンサート活動中止による業績変動
コンサートの開催自体に対して物理的なリスクとして、局地的な暴風雨等近年発生が増加傾向にある異常気象に見舞われた際には、コンサートの開催自体が行えない、または交通機関の停止などにより来場できない消費者に対しての払戻対応などが発生する可能性があります。
消費者の安全を最優先に考え、早期に中止・延期等の判断を下せるような対策しておりますが、影響を完全に防止することは困難で、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
また、感染症などの流行に伴い、人との接触が制限され、政府または自治体から外出自粛要請等が発出された場合、コンサート等の開催を中止する判断を行わざるを得ません。各種の事前対策は講じておりますが、チケットの払戻しやそれまでに準備を進めていた製作費の負担など回避するのは難しく、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4)ヒットビジネスとアーティストの育成
当社グループで行う事業は、基本的にヒットビジネスであり、作品がヒットするかは消費者の趣味、嗜好、流行の変化等の要因に影響を受け、結果アーティストの人気が永続するとは限りません。当社グループは、様々なタイプのアーティストと契約し、継続的に新人アーティストを発掘・育成する体制を整えております。
しかしながら、当社グループが継続的に新人アーティストを発掘し、専属契約締結に至るとは限りません。また、アーティストやアーティストが創作又は実演する作品のために、長期あるいは多額の投資をしても、将来どの程度の収入を当社グループにもたらすかについては予測が困難であり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)優秀なマネージャーの確保及びプロデューサーの確保
当社グループの中長期的な成長はアーティストと同様に従業員個々人の力量にも大きく依存するため、優秀な人材を確保・育成することが重要であると認識しております。
例えば当社グループにおけるマネージャーは、アーティストの才能を見出し、支援しながら共同で作品を作り出します。さらにマネージャーは、消費者にその作品を提供するに当たり、宣伝・販売促進企画(コンサート・メディア出演等における演出)を実行するプロデューサー的な立場にあります。そのため、アーティストを開発、育成していくためには優秀なマネージャーの確保が重要となります。
当社グループでは継続的に優秀な人材の確保と育成に注力しておりますが、今後少子高齢化が進み、採用市場の激化が進むことも考えられ、計画通りに進まなかった場合や既存の優秀な人材が退社した場合は、当社グループの事業活動に影響が生じる可能性があります。
〔事業全体〕における主要なリスク
当社の主要事業を含む事業全体には、以下のようなリスクがあると考えております。
(6)コンテンツへの出資・製作・買付におけるリスク
有望な原作・舞台・ミュージカルや映像作品、その他コンテンツの買い付け・出資は競争になるため、必ずしも獲得できるとは限りません。
また、コンテンツの個々の作品のリスクについては、投資金額の上限の設定や、パートナーの出資を募ることでのリスク分散、映像化権・インターネット配信化権等の作品に係るより多くの権利を獲得・活用することで投資回収率の向上に努めております。
しかしながら、出資・製作・買付したコンテンツの興行成績・販売実績によっては、投資した資金の回収期間が予想に反して長期に渡ることや、損失が生じる可能性があります。その際には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)ソーシャルネットワーキングサービス(以下「SNS」という。)等による情報拡散について
当社グループでは、劇的な市場の変化へ柔軟に対応すべく、流行や新たな技術を積極的に取り入れております。その一環で、アーティスト及び当社グループの情報をより多くの皆様へお届けするツールの1つとしてSNSを活用しており、社内でガイドラインを策定、社員及びアーティストへの教育を徹底しております。
しかしながら、発信した情報等が真意に関わらずネガティブな情報として拡散する可能性があり、その場合当社グループの事業活動に影響が生じる可能性があります。
(8)知的財産権の侵害
当社グループの契約アーティストが創作する楽曲、当社グループが製作に関与する映画、当社グループが企画、製造又は販売するパッケージ商品又はグッズその他の創作、商品又はサービスについて、当社グループが保有する著作権、商標権、パブリシティ権、肖像権その他の権利(以下「知的財産権」といいます。)を第三者により侵害され、又は当社グループが意図せずに第三者の知的財産権を侵害してしまう可能性があります。
当社グループが保有する知的財産権の侵害に対しては、関係部署が連携して対応しておりますが、特に、海外やインターネット上での権利侵害に対しては、法規制その他の問題から、知的財産権の保護を十分に受けられない可能性があり、かかる侵害が長期かつ大規模にわたる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループによる意図せぬ知的財産権侵害についても、関係部署が連携して予防対策しておりますが、法解釈の相違等により侵害が生じてしまうケースがあり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)海外事業展開について
当社グループの事業活動は、国内における事業活動が中心でありますが、アーティストの海外活動、海外アーティストの育成・マネージメント、他社コンテンツの海外展開サポート、海外作品への出資や映画・番組の共同製作など、海外事業に積極的に取り組んでおります。海外での事業展開は今後の当社グループの成長のために重要なものと位置づけております。しかしながら、こうした国々での著作権に関する法規制や国際情勢・各国との国際関係等による影響により、当社グループの各種権利が侵害されることや、イベントの実施が阻害されるなど、当社グループが期待する程の収入を確保できない可能性があります。その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(10)サイバー攻撃について
当社グループは、グループ内のICT機器及びメール・グループウェア等の社内サービスをグループIT企画部で管理しており、ICTに係るリスクの発生を未然に防止できるよう高い情報セキュリティレベルを確保しております。
しかしながら、日々発生するマルウェアや不正アクセス及び当社グループに対する標的型攻撃といったサイバー攻撃によって関連システムのセキュリティを脅かされた場合、当社グループの事業活動に影響が生じる可能性があります。
(11)新規事業について
当社グループは、より強固な収益基盤を構築すべく、積極的に新規事業に取り組んでおります。起こりうる様々なリスクを想定して事業を実施しておりますが、事業環境の急激な変化や、事業開始前には予測困難な問題等により事業が難航し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
〔当連結会計年度の経営成績〕
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
増減 |
増減率(%) |
|
営業収入 |
55,166 |
58,806 |
3,639 |
6.6 |
|
営業利益 |
4,479 |
5,155 |
675 |
15.1 |
|
経常利益 |
4,611 |
5,160 |
549 |
11.9 |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
4,442 |
3,010 |
△1,431 |
△32.2 |
〔経済状況〕
当連結会計年度のわが国経済は、政府の各種経済政策などにより、企業収益や雇用、所得環境の改善傾向が続き、緩やかな回復基調が継続しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化し、一転厳しい状況となりました。感染症が経済を下振れさせるリスクに十分注意する必要があり、より一層の金融資本市場の変動などによる影響を注視する必要があります。
〔当社グループの事業概況〕
当社グループの経営成績は営業収入588億6百万円(前年同期比6.6%増)、営業利益51億5千5百万円(前年同期比15.1%増)、経常利益51億6千万円(前年同期比11.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益30億1千万円(前年同期比32.2%減)となりました。大型コンサートツアーや関連グッズ収入の増加、コマーシャル収入の増加により増収、営業利益、経常利益は増益となりましたが、第4四半期途中において新型コロナウイルス感染症拡大に起因する政府及び自治体からの自粛要請等によるライブイベントや舞台公演等の中止及び延期等の対応を実施、それに伴いグッズ等の販売も減少したことにより、営業利益、経常利益は急減いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益に関しましては投資有価証券の評価損、公演等の中止による損失などにより減益となりました。
<営業収入>
・ イベント収入(大型コンサートツアー)が増加
・ 商品売上収入(コンサートグッズ、音楽パッケージ)が増加
・ コマーシャル収入が増加
・ 映像製作収入(イベント興行の中継及び上映)が増加
上記要因などにより増収となりました。
<営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益>
・ 増収に伴う増益に加え、販売費及び一般管理費の減少などにより営業利益、経常利益は増益となりましたが、特別損失計上による減益要因により、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(営業収入)
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
増減 |
増減率(%) |
|
アーティストマネージメント事業 |
48,838 |
51,026 |
2,187 |
4.5 |
|
メディアビジュアル事業 |
1,108 |
2,531 |
1,422 |
128.3 |
|
コンテンツ事業 |
2,992 |
2,960 |
△32 |
△1.1 |
|
プレイスマネージメント事業 |
2,226 |
2,288 |
62 |
2.8 |
|
合計 |
55,166 |
58,806 |
3,639 |
6.6 |
(セグメント利益又は損失(△))
(単位:百万円)
|
|
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
増減 |
増減率(%) |
|
アーティストマネージメント事業 |
4,440 |
5,718 |
1,277 |
28.8 |
|
メディアビジュアル事業 |
△23 |
△191 |
△168 |
- |
|
コンテンツ事業 |
1,086 |
1,094 |
7 |
0.7 |
|
プレイスマネージメント事業 |
△185 |
△301 |
△115 |
- |
|
調整額 |
△837 |
△1,163 |
△326 |
- |
|
合計 |
4,479 |
5,155 |
675 |
15.1 |
〔アーティストマネージメント事業〕
営業収入510億2千6百万円(前年同期比4.5%増)、セグメント利益57億1千8百万円(前年同期比28.8%増)となり、増収増益となりました。
[主な事業]
・ イベント収入:<コンサート>
サザンオールスターズ、SEKAI NO OWARI、flumpool、
ONE OK ROCK、高橋優、藤原さくら、Perfumeのコンサートツアー
福山雅治、ポルノグラフィティ、BABYMETALのコンサート
Amuse Fes in MAKUHARI 2019
<舞台・公演>
ブロードウェイミュージカル「キンキーブーツ」日本版
熱海五郎一座「翔べないスペースマンと危険なシナリオ」
茅ヶ崎サザン芸術花火2019
・ 商品売上収入:コンサートグッズ、BABYMETAL(アルバムCD、ライブBD)
・ 印税収入(新譜):Perfume(ライブBD)、ONE OK ROCK(アルバムCD)
・ 出演収入・CM収入:大泉洋、神木隆之介、佐藤健、三浦春馬、仲里依紗、吉高由里子、ホラン千秋など
<営業収入>
・ イベント収入(大型コンサート公演数、規模など)が増加
(前年同期は福山雅治、星野源、ONE OK ROCK、SEKAI NO OWARI、ポルノグラフィティ、Perfume、BABYMETAL、高橋優のコンサートツアーなど)
・ 商品売上収入(コンサートグッズ、音楽パッケージ)が増加
(前年同期よりイベント収入増加による関連グッズ増加、音楽パッケージ大型作品増加)
上記要因などにより増収となりました。
<セグメント利益>
増収要因により増益となりました。
〔メディアビジュアル事業〕
営業収入25億3千1百万円(前年同期比128.3%増)、セグメント損失1億9千1百万円(前年同期は2千3百万円のセグメント損失)となり、増収減益となりました。
[主な事業]
・ 映像作品販売収入:映画「ギャングース」、神木隆之介主演映画「フォルトゥナの瞳」、
吉高由里子主演ドラマ「わたし、定時で帰ります。」などのDVD販売収入
・ 映像製作収入:神木隆之介主演映画「フォルトゥナの瞳」劇場配給分配収入、
佐藤健が主演声優を務めた3DCGアニメーション映画「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」劇場配給分配収入、イベント興行の中継及び上映収入
・ 番組制作収入:単発番組の制作受託など
<営業収入>
・ 株式会社ライブ・ビューイング・ジャパンの株式を追加取得し、第3四半期連結会計期間末において同社を連結の範囲に含め、イベント興行の中継及び上映収入が増加したことにより増収となりました。
<セグメント利益>
・ 映像作品販売収入及び劇場配給分配収入の減少により減益となりました。
〔コンテンツ事業〕
営業収入29億6千万円(前年同期比1.1%減)、セグメント利益10億9千4百万円(前年同期比0.7%増)となり、減収増益となりました。
[主な事業]
・ サザンオールスターズ、福山雅治、BEGIN、ポルノグラフィティ、Perfume、ONE OK ROCK、BABYMETALなどによる旧譜楽曲の販売及び旧譜楽曲の二次使用
<営業収入>
・ 若干の減収となりましたが、前期とほぼ同水準で推移いたしました。
<セグメント利益>
・ 若干の増益となりましたが、前期とほぼ同水準で推移いたしました。
〔プレイスマネージメント事業〕
営業収入22億8千8百万円(前年同期比2.8%増)、セグメント損失3億1百万円(前年同期は1億8千5百万円のセグメント損失)となりました。
[主な事業]
・ 東京ワンピースタワーの入場料収入、グッズ販売収入
・ ベルギービール等の飲食店収入
・ LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)の施設管理・運営
<営業収入>
・ 2019年10月より開設したLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)の利用料収入により増収となりました。
<セグメント利益>
・ 東京ワンピースタワーの運営費が増加したこととLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)の初期費用により減益となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ43億9千5百万円増加し、当連結会計年度末には293億5千1百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は下記のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は32億1千4百万円(前年同期は55億5百万円の獲得)となりました。
これは、主に法人税等の支払による資金減少要因はありましたが、営業債務の増加及び税金等調整前当期純利益計上に伴う資金増加要因が上回ったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果獲得した資金は21億1千2百万円(前年同期は6億6千4百万円の獲得)となりました。
これは、主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による資金増加要因によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は9億8百万円(前年同期は5億6千1百万円の使用)となりました。
これは、主に配当金の支払による資金減少要因によるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
1) 生産実績及び受注状況
該当事項はありません。
2) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
アーティストマネージメント事業 (百万円) |
51,026 |
4.5 |
|
メディアビジュアル事業(百万円) |
2,531 |
128.3 |
|
コンテンツ事業(百万円) |
2,960 |
△1.1 |
|
プレイスマネージメント事業(百万円) |
2,288 |
2.8 |
|
合計(百万円) |
58,806 |
6.6 |
(注)1.金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
3.数量の表示は、取扱い品目が多岐にわたり記載が困難であるため省略しております。
4.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
㈱ローソンエンタテインメント |
6,172 |
11.2 |
5,035 |
8.6 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループは、貸倒債権、たな卸資産、投資、法人税等、退職給付債務、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。当社は、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収入費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。また、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する繰延税金資産の回収可能性の判断等の会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載されているとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 経営成績の分析
当連結会計年度の当社グループの経営成績は営業収入588億6百万円(前年同期比6.6%増)、営業利益51億5千5百万円(前年同期比15.1%増)、経常利益51億6千万円(前年同期比11.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益30億1千万円(前年同期比32.2%減)となりました。大型コンサートツアーや関連グッズ収入の増加、コマーシャル収入の増加により増収、営業利益、経常利益は増益となりましたが、第4四半期途中において新型コロナウイルス感染症拡大に起因する政府及び自治体からの自粛要請等によるライブイベントや舞台公演等の中止及び延期等の対応を実施、それに伴いグッズ等の販売も減少したことにより、営業利益、経常利益は急減いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益に関しましては投資有価証券の評価損、公演等の中止による損失などにより減益となりました。
なお、セグメントの概況は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載されているとおりであります。
2) 財政状態の分析
(総資産)
当連結会計年度末の総資産は520億7千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ64億7千5百万円増加いたしました。主な増加要因としましては、流動資産「現金及び預金」及び「受取手形及び営業未収入金」の増加によるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債は180億1千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ28億6千3百万円増加いたしました。主な増加要因としましては、流動負債「営業未払金」の増加によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は340億5千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億1千1百万円増加いたしました。主な増加要因としましては、「親会社株主に帰属する当期純利益」の計上によるものであります。この結果、自己資本比率は60.6%となりました。
3) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、以下のものがあげられます。
会社の戦略上の判断、アーティスト本人の要因もあわせ主要アーティストの人気・活動・契約状況、中長期的には新人アーティストの発掘・育成状況、それらアーティストから生み出される作品・商品のヒット状況等が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。大規模なコンサート・舞台制作は短期的に営業収入を急増させますが、開催が不定期であることが多く、またその性質上、自然災害・天候・感染症等の要因に影響されることもあります。同様に、音楽及び映像のパッケージ・配信等の各種作品の発売・興行時期も業績変動の要因となります。特に舞台・映像などの出資作品は投資した資金の回収期間が長期にわたることもあり、その間の制作状況・外部環境の変化も含め、リスクが増大することがあります。当社グループが保有している資産について、市場価格の著しい下落、事業収益性悪化の場合、減損会計の適用により減損損失が発生し、業績及び財務状況に影響を与える可能性があります。
当社グループは、総合エンターテインメント企業として、積極的に新規事業に取り組んでおりますが、エンターテインメントビジネスは、そもそもがヒットビジネスであり、新たな試みは、既存の市場にチャレンジするものも多く、その性質上リスクの発生は否めず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
日本国内の人口減少の長期的な影響から国内市場の成長性は不透明な状況です。そのため海外への事業展開を積極的に進めておりますが、政治的・経済的要因、法律・制度及び各種規制、テロ・戦争等予期し得ない事由が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
4) 資本の財源及び資金の流動性
・当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載されているとおりであります。
・当連結会計年度における借入実績及び期末残高はありません。
・当社グループの財務政策は、運転資金及び将来の事業拡大を目的にした投資資金の財源につきまして、内部資金を財源とし安定的な供給を行うことを基本方針としておりますが、財務状況により機動的な運転資金の調達先として銀行借入を選択する場合もあります。
5) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループの事業の特徴は、アーティストをマネージメントし、そこから創造されるコンテンツを事業化することに始まり、非常に多岐にわたっております。そのため、各事業を小単位に分け、事業毎の営業利益管理を行っております。年度毎の業績の変動が比較的大きく、事業により利益率の差はありますが、全体としての営業利益・営業利益率・株主資本利益率などの向上を目標としております。
しかしながら、当社グループを取り巻く事業環境は、新型コロナウイルスの影響により、先行き不透明感が増しております。
アーティストによるコンサート・演劇などは新型コロナウイルスの日本国内での感染拡大、そして全国に緊急事態宣言が発令されたことを受け、実施が困難な状況が続いております。
それに伴いコンサート会場などで販売するアーティストグッズ等の販売収入にも大きく影響が出ています。
この感染症の収束時期によって、業績に与える影響が大きく変動するため、当社グループの次期の業績見通しは未定とさせて頂き、予想の開示が可能となった段階で速やかに開示いたします。
6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは様々な権利、コンテンツ、作品を多数保有しビジネスを行うのみならず、そこで作り上げたノウハウ・サービスを応用して展開する総合エンターテインメント企業として、あらゆる人々に夢と感動を届けることを基本方針としております。
当社グループを取り巻く事業環境は、日本の人口減少、エンターテインメント各種市場の変化、技術の進展等により目まぐるしく変化しており、このような事業環境に対して、より迅速かつ明確な経営判断が益々求められております。
そのような認識のもと、アーティストポートフォリオの拡大、アーティスト等から派生するプロダクツの多様化・拡充、バリューチェーンの内製化、国内外の新規市場の開拓など既存事業の拡大を図りながら、様々な新規事業・新規プロジェクトを展開してまいります。
また、そのような事業を展開するに当たり、クリエイティブな環境づくりと、透明性が高くガバナンスの効いた会社経営に努め、企業価値の増大を図っていく所存であります。
特記すべき事項はありません。
特記すべき事項はありません。