文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、事業の創出・育成を目的とした“The Business Producing Company”です。「社会を変える 事業を創る。」ことをミッションに、「挑戦者が一番会いたい人になる。」ことが当社のビジョンです。新しい事業を創るためには、「構想し、戦略を立て、仲間を集め、挑戦する」ことが必要であり、そのプロセス全体において常に「枠を超える。」ことが、最も大切なバリューだと考えております。
ミッションの実現と企業価値向上の両立のために、今後は、当社のコア・ケイパビリティであるビジネスプロデュース事業に経営資源を集中していく方針です。国内・海外の大企業、ベンチャー、政府、投資家等、様々なプレイヤーとの連携、インキュベーション事業で培った知見・スキルの活用等により、ビジネスプロデュース事業を継続成長基盤としてより一層の事業拡大を目指してまいります。
(2)経営戦略等
当社は当連結会計年度末まで、「ビジネスプロデュース事業の拡張による継続成長基盤化」「インキュベーション事業の適切な収穫」「企業価値向上への成長投資と株主還元のバランス」の3つを重点テーマに掲げた中期経営計画に基づき、構造改革と安定成長基盤づくりに取り組んでまいりました。この中でも特に「ビジネスプロデュース事業の拡張による継続成長基盤化」として、ビジネスプロデュース事業に経営資源を集中し、サービスライン・陣容・協業・機能の4つの拡張を進め、売上高は3年で約2倍(年平均成長率25%)を達成し、今後の成長力を確保することができました。
今後はこれらを受け、規模と収益性のバランスを重視した継続成長を意識し、売上高は5年で2倍(年平均成長率15%)営業利益率は5年後に15%以上を目指します。この目標達成に向けて①時代の潮流をとらえた提供価値の進化、②人材の育成・仕組みの強化に取り組んでまいります。
①時代の潮流をとらえた提供価値の進化
これまでの主戦場であった新規事業のみでなく、既存事業へもビジネスプロデュースの領域を拡大していきます。具体的には、新規事業で培ったノウハウを既存事業の変革にも活用し、顧客の包括的支援に重点的に取り組みます。また、戦略立案に加え、インキュベーションスキルやハンズオン支援の実績を活用し、伴走・実行・実現までを推進してまいります。さらに、産業レベルの構想・ビジネスエコサイクル創りを活用し、顧客の成長を加速させる仕組みでレバレッジをかけてまいります。
②人材の育成・仕組みの強化
提供価値の進化を実現するためには、優秀なビジネスプロデューサーの存在が不可欠です。そのため、人材育成の強化や仕組みの充実、売上成長のバランスを意識した継続的な採用活動などを並行して進めてまいります。
なお、翌連結会計年度のビジネスプロデュース事業は売上高62億円、セグメント営業利益3億円を計画しております。また、利益成長と同時に資本効率の向上も重視しており、中期経営計画の下で進めてきた株主還元強化の方針を継続し、5年後に15%以上と設定している目標ROEの達成に向けて取り組んでまいります。配当政策の詳細については、第4「提出会社の状況」3「配当政策」も併せてご参照下さい。
(3)経営環境
ビジネスプロデュース事業:
日本企業を取り巻く環境の変化は著しく、新規事業の立ち上げに加えて既存事業の改革による企業価値向上の必要性が増しております。ガバナンス改革・アクティビズムの台頭などを背景に、経営者は新規事業の具体化に加え、株主価値向上等への関心をますます高めており、既存事業の立て直しを含めた総合的な企業価値向上が強く求められる時代となっております。このニーズに対する当社の総合ビジネスプロデュース力のフィット感は極めて高いものです。新規事業の実現や既存事業の改革に本気で挑戦する経営者が直面する幅広い悩みに対し、各サービスラインで連携しながら、包括的に支援しております。
インキュベーション事業:
ベンチャー投資セグメントにおいては、新規投資を抑制し、既存のポートフォリオの回収を進める方針であります。ポートフォリオの回収は株式市況やIPO動向に伴い振幅することから、見通しを立てにくい状況が続くものと考えております。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、期間業績を表す指標であるセグメント別の売上高、セグメント利益及び、その総和である連結売上高、連結営業利益、及び親会社株主に帰属する当期純利益を重視しております。また、今後の成長の柱であるビジネスプロデュース事業においては、当該事業の売上高・セグメント営業利益・人員数の数値目標を開示しております。
当社は、当社のミッションである「社会を変える 事業を創る。」、ビジョンである「挑戦者が一番会いたい人になる。」、そして社是を基本的な考え方として、以下のサステナビリティ基本方針を定めております。
1.サステナブルな環境創造を、ビジネスの力で実現する。
・顧客の事業を支援し、自らも取り組む。
2.そのための挑戦者を応援する。
・挑戦者を応援しつつ、自らも挑戦者であり続ける。
3.プロとしての付加価値を提供する。
・プロフェッショナルな個人としての矜持と規律。
・上場会社としてのガバナンスと成長・分配。
「サステナビリティ方針」の実現のために、ESGの各観点において、顧客・社会、そして自社に対するコミットメントを明確化したフレームワークを設定しております。
(1)ガバナンス
当社は、取締役副社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しております。本委員会には、ビジネスプロデュースを推進する各本部長、コーポレート部門の執行役員が出席し、サステナビリティに関する方針の策定、重点施策の検討、モニタリング等を行います。また、同委員会の下には、ESGの各テーマ単位での分科会を設置し、サステナビリティ方針・フレームワークの下での、具体的な業務を推進致します。
サステナビリティに関する取り組み状況は、定期的に取締役会及び経営会議に報告の上、協議致します。
(2)リスク管理
当社は、サステナビリティに関連するリスクに迅速かつ的確に対処するため、サステナビリティ委員会において、リスクの評価、管理、対策立案を行います。また、サステナビリティ委員会の内容については、取締役会および経営会議とも情報共有を行い、全社としての的確な対応を行います。
当社は、事業の特性として、気候変動による直接的な影響は限定的である一方、人的資本が経営上の最も重要な資本です。社員が高い志を持ち、常に挑戦者であり続けられる最高の環境を提供することで、社員がプロとして、顧客に対して高い付加価値を提供することを追求し続けます。このような人材の在り方に対してリスクとなるような事象が発生した場合には、速やかに対応を致します。
(3)人材育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針
「社会を変える 事業を創る。」をミッションに、社会変革に向けた新たな事業創造に取り組む当社において、その担い手である「人材」こそが最大のアセットです。
多様な人材が集い、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる組織・環境づくりを推進することで、個人と企業が共に成長し、持続的な企業価値向上を目指します。
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人材育成方針 |
当社はミッション・ビジョン・バリューを体現できるプロフェッショナル人材の育成に取り組んでいます。
高い志を持ち、自己変革に挑戦する社員を尊重し、顧客に対し高い付加価値を提供しつつ、自らも常に挑戦し続けられるように、OJT・OFF-JT・研修を組み合わせ、個々の適性やキャリア志向をふまえた成長機会を提供します。 性別や年齢、国籍等にかかわらず多様な人材が活躍し、相互尊敬をもって共創する組織において、“挑戦者が一番会いたい”と思える「真のビジネスプロデューサー」へと育成します。 |
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社内環境整備方針 |
当社が持続的な成長を図るために、人材育成とDiversity, Equity & Inclusionを重要な経営施策の一つとして位置づけています。
多様なバックグラウンドや価値観を持つ優秀な人材に幅広く活躍の機会を提供するとともに、連携・共創により生み出される価値を最大化するための文化醸成、育成体制整備やプログラム開発、評価制度の見直し、個人の価値観やライフプランに応じた働き方の多様化等を推進し、プロフェッショナルにとって働きがいのある環境づくりに積極的に取り組んでいます。 |
(4)測定可能な指標および目標
当社が持続的成長を図るためには、人材の多様性の確保は最重要課題と認識しており、多様なバックグラウンドや価値観を持つ優秀な人材を、性別・国籍等の属性に依ることなく積極的に採用しています。
全社員に平等な機会を設けるものとし、女性・外国人・中途採用者等を問わず、能力や・経験等を総合的に判断して管理職への登用を行っております。
全ての人材が互いの多様性を尊重し、連携により生み出される価値を最大化するための環境の整備や、育成体制・プログラムの見直し、個人の価値観やライフプランに応じた働き方・キャリアの多様化を検討、推進しています。
2025年3月末時点の多様性確保の状況及び目標は以下の通りです。
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主要項目 |
指標 |
実績 (2025年3月期) |
目標 ( |
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DE&Iの推進 |
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エンゲージメント |
エンゲージメントスコア(注)2 |
70.6 |
73.6 |
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環境 (働き方・健康・安全) |
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(注)1 当社単体(東京本社)における外国人比率は現状2.0%ですが、グローバルSXチームに属し、本社メンバーと共にグローバルプロジェクトに携わっている外国人スタッフは、ベトナム拠点に15名、インド拠点に5名おります。
2 2025年3月期より、スコア算出ツールを変更しております。なお、2025年4月時点の他社を含むツール活用会社の平均スコアは68.2となります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社及び当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)景気変動リスク
ビジネスプロデュース事業では通常、クライアント企業よりプロジェクトを受注し、サービスフィーを受領することで収益を認識します。当社の主要クライアントは、グローバルに展開する各業界のリーディングカンパニーのため、国内のみならず、世界の先進国、新興国の景気変動がクライアント企業の経営状態に与える影響を通じて、当社が支援するプロジェクトの内容や受注頻度に影響を与えます。クライアント企業との関係を深化し、受注プロジェクトの長期化を図ること、サービスメニューを拡充し、クライアント企業の複線化を図ること等の対応によりリスク低減に努めております。
(2)人材の確保に関するリスク
ビジネスプロデュース事業は、今後の継続成長のため、各分野での豊富な経験や高度な知識・専門性を持つ優秀な人材の採用・確保及び育成が重要であると考えております。しかしながら、コンサルティング業界における人材の争奪により、人材の採用・確保及び育成が計画通りに進まない場合や、転職等により人材が流出することで十分な人材を確保できなかった場合には、ビジネスプロデュース事業拡張の制約となる可能性があります。
(3)市場リスク
インキュベーション事業は、株式の引受を伴うため、株式市場の市況変動や、それに伴う未上場株式相場の変動が、当社の株式取得や売却における価格に対して影響を与えます。また、外貨建てで行う海外投資については、保有資産の価値に対して為替変動の影響を受けます。
(4)カントリーリスク
海外企業と取引や出資を行う場合、当該会社が所在している国の政治・経済情勢の変化によって、事業遂行や資金回収が困難となるリスクを有します。当社グループでは現在、インキュベーション事業においてインド企業への投資が大きな比率を占めております。
(5)訴訟リスク
当社グループが損害賠償の請求や訴訟を提起された場合、当社グループの財政に直接的な影響や、風評を通じた間接的な影響を受ける可能性があります。
(6)情報管理リスク
ビジネスプロデュース事業においては、クライアント企業の機密情報を取得することが前提となりますので、秘密保持契約等によってクライアントやその可能性のある企業に対して守秘義務を負っております。
厳重な情報管理の徹底及び従業員への守秘義務の徹底をしておりますが、何らかの理由でこれらの機密情報が外部に漏洩した場合、当社グループの信用失墜等によって、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)コンプライアンスリスク
当社は、国内外にグループ会社を展開しておりますので、当社の従業員のみならず、グループ会社の従業員に対しても、コンプライアンス意識の徹底を行っております。
しかしながら、万が一当社グループ役職員がコンプライアンス違反をした場合には、当社グループの信用失墜等によって、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の状況
a 財政状態
当社グループの当連結会計年度における財政状態は、資産残高は15,857百万円(前連結会計年度末は17,454百万円)となり、前連結会計年度末と比較して1,596百万円減少しております。負債残高は2,699百万円(前連結会計年度末は2,246百万円)となり、前連結会計年度末と比較して453百万円増加しております。純資産残高は13,158百万円(前連結会計年度末は15,208百万円)となり、前連結会計年度末と比較して2,050百万円減少しております。
b 経営成績
当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高は6,183百万円と前連結会計年度に比べ805百万円(+15.0%)の増収、経常利益は297百万円と前連結会計年度に比べ2,289百万円(前連結会計年度は経常損失1,992百万円)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は170百万円と前連結会計年度に比べ2,017百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,847百万円)の増益となっております。
当連結会計年度における報告セグメントごとの業績は、以下のとおりです。
(ビジネスプロデュースセグメント)
ビジネスプロデュースセグメントでは、主に大企業向けの事業創造支援や成長戦略立案支援に関する戦略コンサルティング、M&Aファイナンシャル・アドバイザリーの提供、及び社会課題を解決するための新たな官民連携の仕組みであるソーシャルインパクトボンド(SIB)を活用したファンド運営をしております。また、新プラクティスであるテクノロジー&アンプリファイによるクライアントへの提供価値の更なる向上を進めております。
クライアントの事業創造ニーズの高まりに加え、積極的なマーケティング活動に取り組んだ結果、顧客の裾野拡大は順調に進んでおります。これらを下期以降の受注拡大につなげることができ、売上高の伸長は業容拡大に伴う費用増加を上回る結果となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は5,455百万円(前連結会計年度は5,034百万円)で、セグメント利益は1,054百万円(前連結会計年度は955百万円)となっております。
(ベンチャー投資セグメント)
ベンチャー投資セグメントにおいては、スタートアップ企業等への投資育成を行っております。
当連結会計年度においては、中期経営計画に基づいた適切なトレードセール3件によるキャピタルゲインを実現いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は728百万円(前連結会計年度は344百万円)、セグメント利益は293百万円(前連結会計年度はセグメント損失1,929百万円)となっております。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、期首と比較して705百万円減少し、5,539百万円となっております。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、1,230百万円の収入(前連結会計年度は7,458百万円の支出)となっております。これは主に、ベンチャー投資セグメントにおけるトレードセール及びファンドの分配が生じたことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、346百万円の収入(前連結会計年度は8,161百万円の収入)となっております。これは主に、有価証券(合同運用指定金銭信託)の償還によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、2,270百万円の支出(前連結会計年度は4,751百万円の支出)となっております。これは主に、配当金の支払によるものです。
なお、当社(当社グループ)のキャッシュ・フロー指標のトレンドは以下のとおりであります。
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2021年3月期 |
2022年3月期 |
2023年3月期 |
2024年3月期 |
2025年3月期 |
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自己資本比率 |
31.3% |
29.1% |
68.5% |
86.2% |
82.1% |
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時価ベースの自己資本比率 |
41.1% |
78.4% |
92.1% |
160.8% |
164.7% |
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キャッシュ・フロー |
-% |
40.7% |
1.4% |
-% |
-% |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ |
-倍 |
585.3倍 |
484.6倍 |
-倍 |
-倍 |
(注)1 各指標は以下の方法により算定しております。
・自己資本比率 :自己資本/総資産
・時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
(株式時価総額は、期末株価終値に期末発行済株式数を乗じて算定しております)
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
・インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
2 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
3 2021年3月期及び2024年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため、記載しておりません。
4 2025年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率につきましては、有利子負債がないため、記載しておりません。
5 2025年3月期のインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、利払いがないため、記載しておりません。
6 「法人税、住民税及び事業税に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日)等を2025年3月期の期首から適用しており、2024年3月期に係る各指標については、当該会計基準等を遡って適用した後の指標等となっております。
③生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社及び当社グループは生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b 受注実績
当連結会計年度における受注実績は次のとおりです。
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区分 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
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ビジネスプロデュース |
5,587 |
8.9 |
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合計 |
5,587 |
8.9 |
(注) ベンチャー投資には受注という概念がないため、ベンチャー投資セグメントの受注実績は記載しておりません。
c 販売実績
当連結会計年度における販売実績は次のとおりです。
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区分 |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
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金額(百万円) |
前連結会計年度比(%) |
|
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ビジネスプロデュース |
5,455 |
8.4 |
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ベンチャー投資 |
728 |
111.6 |
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セグメント間の内部売上高又は振替高 |
- |
- |
|
合計 |
6,183 |
15.0 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社及び当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産残高は15,857百万円(前連結会計年度末は17,454百万円)となり、前連結会計年度末と比較して1,596百万円減少しております。これは主に、ファンドへの出資において分配が発生し営業投資有価証券が減少したことと、配当金の支出により現金及び預金が減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債残高は2,699百万円(前連結会計年度末は2,246百万円)となり、前連結会計年度末と比較して453百万円増加しております。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産残高は13,158百万円(前連結会計年度末は15,208百万円)となり、前連結会計年度末と比較して2,050百万円減少しております。これは主に、配当金の支出による利益剰余金の減少によるものです。
b 経営成績の分析
(売上高、売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上高は6,183百万円(前連結会計年度は5,378百万円)となり、前連結会計年度と比較して805百万円増収となっております。また、売上原価は3,253百万円(前連結会計年度は4,925百万円)となり、前連結会計年度と比較して比べて1,672百万円減少しております。主な要因は、ビジネスプロデュースセグメントにおける受注拡大とベンチャー投資セグメントにおけるトレードセールにより売上高が増加したこと、前連結会計年度はベンチャー投資セグメントにおいて有価証券の減損を多額に計上したことなどであります。
この結果、売上総利益は2,930百万円(前連結会計年度は452百万円)となり、前連結会計年度と比較して2,477百万円増益となっております。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は2,672百万円(前連結会計年度は2,418百万円)となり、前連結会計年度と比較して254百万円増加しております。主な増加要因は、前連結会計年度に比べ人員が増加したことに伴い人件費が増加したこと、増益に伴い税金費用が増加したことなどであります。
この結果、営業利益は257百万円(前連結会計年度は営業損失1,966百万円)となり、前連結会計年度と比較して2,223百万円増益となっております。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は40百万円(前連結会計年度は27百万円)となり、前連結会計年度と比較して12百万円増加しております。
また、営業外費用は0百万円(前連結会計年度は53百万円)となり、前連結会計年度と比較して53百万円減少しております。
この結果、経常利益は297百万円(前連結会計年度は経常損失1,992百万円)となり、前連結会計年度と比較して2,289百万円増益となっております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の法人税等合計は60百万円(前連結会計年度は232百万円)となり、前連結会計年度に比べて171百万円減少しております。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は170百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失1,847百万円)となり、前連結会計年度に比べて2,017百万円増益となっております。
なお、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。
当社グループの資本の財源は、有利子負債はなく主として内部留保によっております。当連結会計年度においては、配当金の支払2,209百万円等により現金及び預金が減少したものの、当連結会計年度末における現金及び預金残高は5,659百万円であり、当面十分な流動性を確保しております。なお、当社グループの主な資金需要として、ビジネスプロデュース事業に係る運転資金があります。また、株主還元については「第4 提出会社の状況 3配当政策」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、セグメント別の売上高、セグメント利益及びその総和である連結売上高、連結営業利益を重視する経営指標としております。なお、セグメント別の売上高、セグメント利益については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に、連結売上高及び連結営業利益は「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 b 経営成績の分析」に記載しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。