第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や金融緩和等の各種経済対策の効果もあり、企業収益が堅調に推移するなど、緩やかな回復基調が継続しているものの、米国の金融政策正常化の影響や政策に関する不確実性による影響等、不安材料も多く、景気の先行き不透明感が拭い切れない状況が継続しております。

当社グループの主要な市場である広告業界におきましては、平成28年の国内総広告費は、6兆2,880億円、前年比101.9%(株式会社電通発表による)で、緩やかな景気拡大に伴って増加し、5年連続で前年実績を上回る状況となっております。

このような経済、市場環境のもと、当社グループの当連結会計年度の売上高は、第3四半期以降はイベントや展示会が多く開催される秋季期間だったことやコンサート・舞台案件を中心に受注が好調に推移したものの、競合案件の受注が不調に推移した等の理由で売上が芳しくなかった第2四半期までの状況を回復するまでには至らなかったこと等により11,314百万円(前年同期比1.2%減)となりました。また、売上高が減少したことや第2四半期連結会計期間に発生した大型プロジェクトの頓挫による赤字取引が発生したこと等により、販売費及び一般管理費等の経費抑制等の施策を実行しましたが、営業利益は363百万円(同22.4%減)、経常利益は353百万円(同23.8%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は217百万円(同38.9%減)となりました。

 

セグメント別の業績は、次のとおりであります。

(広告ソリューション事業)

SP(セールスプロモーション)・イベント部門、TVCM(テレビコマーシャル)部門は、受注環境が依然として厳しい状況であったこともあり、第2四半期まで競合案件の受注が不調に終わったことや今期実施、売上を見込んでいた案件が来期に実施が延びたこと等により売上高が減少し、売上高が減少したこと及び第2四半期連結会計期間に発生した大型プロジェクトの頓挫による赤字取引の影響もあり、業績は低調な結果となりました。

この結果、広告ソリューション事業の売上高は、5,470百万円(前年同期比7.3%減)、営業利益は86百万円(同69.5%減)となりました。

(テクニカルソリューション事業)

映像機器レンタル部門は、積極的に進めていた機材投資の効果等もあり、機材関連の経費は増加いたしましたが、コンサートや舞台等の大型案件等の受注が好調に推移し、利益率の改善も図られたこと等により業績を伸ばすことができました。ポストプロダクション部門におきましては、編集スタジオの稼動は堅調なものの受注・価格競争の影響を引き続き受けている状況に変わりなく、受注単価の改善が進まず、編集スタジオ設備の増設等を行いましたが、業績は低調な結果となりました。

この結果、テクニカルソリューション事業の売上高は、5,844百万円(同5.2%増)、営業利益は856百万円(同6.1%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ265百万円増加し、当連結会計年度末には1,186百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は1,215百万円(前年同期比49.2%増)となりました。

主な増加要因は、税金等調整前当期純利益の計上348百万円、減価償却費の計上657百万円、たな卸資産の減少231百万円、仕入債務の増加130百万円であり、主な減少要因は売上債権の増加86百万円、法人税等の支払額106百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は150百万円(同2.3%減)となりました。

主な増加要因は、出資金の回収による収入52百万円によるものであり、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出92百万円、出資金の払込による支出58百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は798百万円(同9.8%増)となりました。

主な要因は、長短借入金の返済額(純額)185百万円、リース債務の返済による支出536百万円、配当金の支払額76百万円によるものであります。

 

2 【制作、受注及び販売の状況】

(1) 制作実績

当連結会計年度における制作実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

制作高(千円)

前年同期比(%)

広告ソリューション事業

3,914,536

2.9

テクニカルソリューション事業

4,359,619

2.4

合計

8,274,155

2.6

 

(注)  1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 2  金額は、総製造費用によっております。

 3  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

広告ソリューション事業

5,495,725

△4.0

1,965,026

1.3

テクニカルソリューション事業

6,141,710

7.5

1,096,266

37.2

合計

11,637,436

1.7

3,061,292

11.8

 

(注)  1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

 2  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

広告ソリューション事業

5,470,274

△7.3%

テクニカルソリューション事業

5,844,355

5.2%

合計

11,314,629

△1.2%

 

(注) 1  セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年3月1日

至 平成28年2月29日)

当連結会計年度

(自 平成28年3月1日

至 平成29年2月28日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

株式会社電通ライブ

1,189,910

10.4

889,765

7.9

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、これまで先進的なデジタル技術と仕事のクオリティにおいて高い評価を得てきましたが、取り巻く広告宣伝業界ではメディアが多角化され大きくビジネスモデルが変化し始めており、お客様の多様なマーケティング課題に対し適切なソリューションを提供することがより強く求められております。こうした変化の中、業界にて確固たるポジションを維持し続ける様、一歩先を見据えた投資と更なる組織力の強化を実行し、変動に強い会社を目指します。

当社グループの強みは、企画立案から実制作・演出・運営に至る対応の幅広さと提供する品質の高さをもって、ワンパッケージサービスでお客様のご要望にお応えすることです。映像演出技術や映像編集加工などの映像制作の先端機材と、それを支える高度な技術スキル、豊富なノウハウを持つスタッフを数多く揃えていることにあります。これまで以上に競争力を備えたワンパッケージサービスの提供で、変化するお客様ニーズに積極的に取り組んでいくことが重要と考えております。

広告ソリューション事業においては、SP・イベント部門は競争激化に備えて、他にないユニークな存在、不可欠な事業体にすべく、社員の企画・提案のスキルを更に高めてまいります。TVCM部門は、テレビメディアの枠を超えて、SP映像、ネット映像やネットコンテンツの制作も担える人材開発を積極的に進めてまいります。

テクニカルソリューション事業の映像機器レンタル部門とポストプロダクション部門はそれぞれの特徴を緊密に融合することで、高いシナジー効果を発揮し、よりお客様の多様な課題に適切に対応できる体制にいたします。

景気の先行不透明感が拭えない環境下において重要な課題と捉えているコスト管理面では、各事業が、業務の省力化合理化等の指導・牽制機能をより一層強化し、現場での適正なコスト管理を図ってまいります。

当社グループは、上記課題に取り組み、企業価値向上に努めていくとともに、企業の社会的責任を十分認識し、内部統制システムの徹底と管理体制の強化を行い、信頼される企業集団となるべく努力してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 企業の広告宣伝費の支出状況が当社グループの経営成績に与える影響について

当社グループの営業対象が主に企業の広告宣伝活動であるために、景気の停滞による広告宣伝費削減の影響を受ける可能性があります。景気停滞期には、まず広告ソリューション事業の主要対象である販売促進及び展示会の規模縮小やテレビコマーシャル制作費の削減が行われることがあり、受注額が減少し、価格競争が激しくなります。そのため、当社グループはテクニカルソリューション事業の映像機器レンタル部門において各種学会、総会、コンサート、ホテル等に進出し、ポストプロダクション部門でも番組系や通販系に積極進出するなど広告宣伝費の支出状況の影響を受けにくいビジネス分野に積極的に取り組んでおります。

 

(2) 広告宣伝業界の取引慣行による当社グループの経営成績への影響について

広告宣伝業界では契約書の取り交わしや注文書の発行が、受注段階で行われないことが少なくありません。また、当業界における販促事業や展示会や催事におきましては、企画を立案後、制作の段階に入りましても主催者からの追加発注や仕様変更の要請があり、当初の基本計画の内容変更や予算金額の変動が生じることがあり、受注金額が納品時まで確定しないケースがあります。このため当社グループにおきましては各部門の制作受注管理システムで受注案件毎の管理を行い、受注が決まった段階でその時点の受注金額を登録し、その後の受注金額の変動も迅速に把握をするように努めております。しかしながら、受注金額が予定を大きく下回って確定する場合には、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 大型展示会案件等が当社グループの経営成績に与える影響について

広告ソリューション事業の主業務が、イベントや展示会におけるプレゼンテーション映像の企画制作や映像演出であるために、特定の時期に開催される大型展示会等の案件は、その時点での売上拡大に寄与する反面、以後の反動減を生み、当社グループの安定した経営成績に影響を与えます。当社グループでは、経営の安定を図るため、販売促進業務等の季節的変動が少ない案件の受注拡大にも力をいれております。

 

 

(4) 保有設備の陳腐化のリスクについて

当社グループは営業上の競争優位、制作生産性の向上、ノウハウの蓄積のため、最新鋭の映像演出機材及び映像編集設備への投資が欠かせません。当社グループでは機材・設備のライフサイクルを基に比較的短いリース期間を設定することにより予想外の早期陳腐化に備えております。また機材の稼動状況及び各期のリース料を考慮した上で設備投資を決定し過大な投資になるのを防いでおります。しかしながら、映像編集設備等の技術革新が著しく進んだ場合、当社グループの保有する設備が陳腐化し、営業の競争力や制作の生産性が低下する可能性があります。

 

(5) 今後の人材確保が成長のボトルネックになる可能性について

当社グループが属する映像の企画演出及び映像編集の業種は、もともと職人気質やある種の才能が要求され、人材の流動性が激しい業界であります。また最先端の映像コンテンツ制作技術においては熟達した人材の供給が不足しており、その育成にも時間がかかります。従って、人材確保の不足が成長のボトルネックになる可能性があります。そのため当社グループでは、制作については技術チーフのもとに指導、育成を行い、チーム体制のもとに常時最新機材運営のノウハウを習得させております。また企画営業面では、営業、企画、制作に対して横連携を密とする総合的な取り組みを行い、組織的にビジネスノウハウを蓄積しております。人事制度につきましては、個人の業績貢献に報いる体系と安定して仕事に打ち込める継続的雇用の体系をとっており、役員及び従業員に対するインセンティブ手段としてストック・オプション制度や報奨金制度、また従業員には確定拠出年金制度の導入など、従業員の定着率の改善に努めております。

 

(6) 災害による当社グループの経営成績への影響について

地震等の天災やそれに伴う火災等の影響による不可避的な要因により、予定していた販促イベント、展示会、コンサート等をクライアントが中止或いは延期とする可能性があります。規模の大小によりますが、その影響により経営成績に多大な影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は13百万円であります。

テクニカルソリューション事業において、ステージ演出機材の研究開発を行っております。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 当連結会計年度末における財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて38百万円増加し、8,479百万円となりました。

流動資産は前連結会計年度に比べて118百万円増加し5,035百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加265百万円、受取手形の減少212百万円、売掛金の増加300百万円、たな卸資産の減少233百万円によるものであります。

固定資産は前連結会計年度に比べて80百万円減少して3,443百万円となりました。主な要因は、有形固定資産の減少130百万円によるものであります。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べて124百万円減少し、4,751百万円となりました。

流動負債は前連結会計年度に比べて22百万円減少して3,707百万円となりました。主な要因は、買掛金の増加130百万円、短期借入金の減少50百万円、リース債務の減少55百万円によるものであります。

固定負債は前連結会計年度に比べて101百万円減少して1,044百万円となりました。主な要因は、長期借入金の減少110百万円、リース債務の減少95百万円、資産除去債務の増加70百万円によるものであります。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べて162百万円増加し、3,728百万円となりました。主な要因は、利益剰余金の増加137百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は43.9%となりました。

 

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

売上高

当連結会計年度における売上高は11,314百万円(前年同期比1.2%減)となりました。

売上高が減少した主な要因は、コンサートや舞台案件を中心に受注が好調に推移したものの、第2四半期まで競合案件の受注が不調に推移したこと等によるものであります。

 

売上総利益

当連結会計年度の売上総利益は3,040百万円(同6.4%減)となりました。これは第2四半期連結会計期間に発生した大型プロジェクトの頓挫による赤字取引の影響によるものであります。売上総利益率は前連結会計年度の28.4%から当連結会計年度は26.9%に下降しております。

 

販売費及び一般管理費

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、2,676百万円(同3.7%減)となりました。これは主に経費コントロールの徹底によるコスト削減等によるものであります。

 

営業利益

当連結会計年度における営業利益は363百万円(同22.4%減)となりました。前述の売上総利益率の下降によるものであります。

 

経常利益

当連結会計年度における経常利益は353百万円(同23.8%減)となりました。営業外収益として38百万円を計上しております。これは主に補助金収入19百万円等によるものであります。営業外費用として47百万円計上しております。これは主に持分法による投資損失22百万円等によるものであります。

 

特別損益

当連結会計年度において特別利益として0百万円計上しております。これは主に投資有価証券売却益0百万円等によるものであります。特別損失として5百万円計上しております。これは主に減損損失4百万円等によるものであります。

 

親会社株主に帰属する当期純利益

税金等調整前当期純利益は348百万円(同26.3%減)となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は130百万円(同12.3%増)となりました。その結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は217百万円(同38.9%減)となりました。

 

(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

資本の財源及び資金の流動性についての分析については「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。