(1) 会社の経営の基本方針
わが国は、成熟した工業社会から急速に知識社会へシフトしつつあります。知識社会ではさまざまな分野ごとに知識専門家(プロフェッション)が要求され、活躍の場を広げています。プロフェッションprofessionとは英語のprofess=「神の前で宣言する」を語源とし、中世ヨーロッパ社会では神に誓いを立てて従事する職業として、神父・医師・会計士・法律家・教師等の知識専門家を指していました。彼らは職業を通して社会や人々に対して責任を負うと同時に、厳しい倫理観が要請されました。欧米ではプロフェッションの養成を大学が担当してきましたが、日本では大学がアカデミズムに偏重し、実務を担うプロフェッションの養成を手がけてきませんでした。当社は公認会計士を養成するビジネスを始めて以来、大学に代わって、現代に求められる多くのプロフェッションの養成を担当してまいりました。当社は、プロフェッションの養成を経営理念として、拠点とメディアを通して顧客(大学生・社会人・法人企業)の幅広い支持を受け、教育サービス市場での一強となることを目指してまいります。ステークホルダーとしての顧客の支持基盤を有してこそ、「株主価値の増大」という株式会社に求められる最も基本的な命題も達せられると考えております。
(2) 目標とする経営指標
当社グループの経営指標は、安定的な売上成長と現金ベース売上高営業利益率の極大化を目標としております。当連結会計年度においては、法人研修事業、出版事業及び人材事業が好調に推移し、現金ベース売上高は3期連続で増加しました。法人研修事業では主に企業向けの研修や大学向けの学内セミナーが、出版事業では資格試験対策書籍の売上が、人材事業は会計系人材の紹介及び派遣に係る売上がそれぞれ好調でした。コスト面では、業務の効率化やコスト削減努力を継続的に実施しコストの増加の抑制に努めましたが、景気回復を受けて様々なものが値上がり傾向にあることや積極的な販促活動を行ったこと等で前年と比べてコスト増となり、現金ベース売上高営業利益率は前年同期比0.24ポイント低下いたしました。今後も引き続き、現金ベース売上高営業利益率の向上に努めてまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「プロフェッションの養成」を経営理念として社会人、大学生を対象に資格教育、実務教育を核とした人材育成事業を展開しております。また、当社グループで学ぶ方々は、自己投資の結果として希望の業種・職種への就職・転職を望む方も少なくなく、当社グループの提供する人材派遣・紹介サービスも個人及び企業もへ浸透しつつあります。したがって、当社グループの中長期的な経営戦略は、教育ビジネスと人材ビジネスを強固に結びつけながら、双方のビジネスを拡大させていくことであります。これにより、毎期安定的な売上成長と売上高営業利益率の向上を実現し、株主価値を高める努力を継続してまいります。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
(経営環境)
当社が行っている資格関連教育サービスは、日本経済の健全な発展を支えていくために必要不可欠なプロフェッショナル人材の育成であり毎年一定の需要が見込める比較的安定したものでありますが、当社の商品の顧客層は各特定の専門分野に絞られることに加え消費者ニーズも多様化しており、既存事業を展開していくだけでは売上を右肩上がりで成長させていくことが難しい状況にあります。
(対処すべき課題)
① 新規事業の開発及びコストコントロール
当社グループが成長し更なる発展をしていくためには、新規事業・新規講座の開発に積極的に取り組むことで次世代の成長の芽を育てていく必要があると考えております。一方、一定の利益を確保するという観点からはコストの適切なコントロールが不可欠であり、直営校各校の床面積や営業時間の最適化、効果的な販促活動及び経費の見直し等を通じてコスト管理を実施してまいります。
② M&A・業務提携の推進
当社はこれまで、Wセミナーからの事業譲受、(株)増進会出版社との資本・業務提携、関西エリアにおける医療事務系人材サービスで実績のある(株)医療事務スタッフ関西及び(株)クボ医療の買収等を実施しております。今後も成長が見込める案件についてはM&Aや業務提携を推進してまいります。
③ 競合他社に対する競争優位性の確立
当社グループが行っている資格関連教育サービスは、同様の事業を行っている競合他社とのサービスの差別化を図りにくいサービスでありますが、そのような中でも当社グループが更なる成長をしていくためには、多数の受講生のデータを収集・解析しその結果を教育サービスへ反映するなど、当社の強みを生かした他社には真似することが難しいサービスを提供していくことが必要であると考えています。あわせて、コーポレートブランドの価値の向上を継続して推進し、競合他社に対する競争優位性の確立を図ってまいります。
以上のような売上高増大のための施策を継続して実施することにより、早期に結果を出していくことが当社に求められている課題であると認識しております。
当社グループに関する事業等のリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成30年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
教育訓練給付制度は、労働者の主体的な能力開発の取組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とした雇用保険の給付制度であり、厚生労働省が主管しております。一定条件を満たす雇用保険の一般被保険者等がいったん全額受講料を支払い、講座修了後、出席率等一定条件を満たしている場合に、入会金・受講料の一定割合に相当する額が雇用保険からハローワーク(公共職業安定所)を通じて支給されるものであります。
給付基準は数年に一度変更されることがあり、現在は被保険者期間が3年以上(初回利用に限り1年以上)の方は一律20%、10万円が限度とされています。給付基準の変更により、講座申込みに駆け込み需要が生じることがあり、その後反動減が発生する等、短期的に業績が影響を受けますが、その影響額を想定することは非常に困難であります。
当社の行う資格取得支援事業は、受講申込者に全額受講料をお支払いいただき(現金ベースの売上)、当社はこれをいったん前受金として貸借対照表・負債の部に計上しておきます。その後、教育サービス提供期間に対応して、前受金を月ごとに売上に振り替えられます(発生ベースの売上)。一般的に、現金ベースの売上が拡大していく局面では前受金残高が増大していき、当該会計期間以降、前受金戻入が多額になることによって発生ベースの売上を押し上げる効果が強まりますが、現金ベースの売上が減少していく局面では前受金残高が減少していき、当該会計期間以降、前受金戻入が少なくなることによって発生ベースの売上を押し上げる効果が弱まる傾向があります。さらに、現金ベースの売上が減少局面から増加局面に変わる期においては、発生ベースの売上に対する減少効果が増幅される場合があり、発生ベースで計算される当社の業績に影響を与えることになります。
平成19年中に特定商取引法の規制を受ける大手英会話スクールが破綻する事件があったほか、解約・返金に関する訴訟で最高裁の判決が出ております。当社の属する資格取得スクール業界は、パソコンスクール・TOEIC(R)L&R TESTなど一部の講座を除き、直接、特定商取引法で定められた特定継続的役務提供の規制を受けるわけではありません。
一方、消費者契約法については広い範囲の事業者が対象となっており、消費者庁主導のもと消費者保護政策が強化される傾向にあります。当社としても、業界他社と足並みを揃えつつ無理由での解約・返金等に応じているほか、受講者に安心して受講いただけるよう平成20年に前受金保全信託制度を導入しております。本制度においては、毎月末に未経過の受講期間に対応する前受金残高の一定割合を翌月に信託するしくみとしており、当社に万が一事業を継続できなくなる事態が生じた場合には、信託財産が受益者代理人を通じて各受講者に返還されます。ただし、受講者にお支払いいただいた前受金の残額については、他の債権者との関係から受講者に返還できない場合があります。また、今後の法令改正等、消費者行政の動向等によっては、当社のビジネス・モデルに大きな影響を与える可能性があります。
平成17年4月に「個人情報の保護に関する法律」が全面施行され、当社グループの個人顧客のみならず、法人顧客の関心も極めて高いため、当社グループとしてコンプライアンス体制の維持の観点から積極的に対応してまいりました。その結果、当社及び子会社の株式会社TACプロフェッションバンクともに、財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)よりプライバシーマークを取得いたしました。平成28年1月からはマイナンバー制度も運用がスタートし、社会の個人情報保護への関心はますます高まっております。当社は、今後も引き続き、個人情報管理責任者のもと、情報流出等を防止する厳重なセキュリティ対策を維持するとともに、従業員への教育を継続することによって、個人情報の保護に努めてまいります。万一、流出事故が発生した場合は、当社グループへの社会的信用を失うこととなり、業績へ深刻な影響を及ぼす可能性があります。
当社は平成26年9月30日付で、本社ビル取得用資金調達のため、株式会社三菱東京UFJ銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)ほか2行と30億円のタームローン契約を締結いたしました。本契約には財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、増担保物件に対して根抵当権を設定することがあります。
a 各連結会計年度に係る連結損益計算書上の経常損益の金額から有価証券評価損による営業外損失の金額を除いた金額が0円以上であること。
b aの要件が2期以上連続して不充足となっていないこと。
当連結会計年度は、我が国の良好な景気を背景に当社グループの売上も堅調に推移し、現金ベース売上高は209億6千7百万円(前年同期比3億4千万円増、同1.6%増)と3期連続で増収となりました。前受金調整後の発生ベース売上高は、前受金調整額が1千5百万円の繰入(同1億7千1百万円減、同91.7%減)と現金ベース売上高を押し下げる金額が減少したことで、同5億1千1百万円の増加(同2.5%増)となりました。
売上原価は123億3千3百万円(同3千7百万円増、同0.3%増)、販売費及び一般管理費は77億2千4百万円(同2億7千8百万円増、同3.7%増)となりました。これは、売上の増加に伴う売上原価の増加や販促活動の拡充等による広告宣伝費や人件費の増加等によるものであります。これらの結果、営業利益は8億3千3百万円(同1億2千万円増、同16.9%増)となりました。
営業外収益に、受取利息2千3百万円、投資有価証券運用益1千3百万円、持分法による投資利益5百万円等、合計5千万円、営業外費用に、支払利息5千4百万円、支払手数料5千3百万円、貸倒損失2千万円等、合計1億4千8百万円を計上した結果、経常利益は7億3千5百万円(同4千3百万円増、同6.2%増)となりました。
特別損失に、減損損失1千2百万円、関係会社出資金評価損2千万円等、合計3千2百万円を計上しました。なお、特別利益は当連結会計年度において計上すべきものはありません(前連結会計年度の特別利益は1億3千4百万円)。これらの結果、当期純利益は4億4千4百万円(同4千7百万円減、同9.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は4億4千2百万円(同4千7百万円減、同9.7%減)となりました。
当連結会計年度における当社グループの各セグメントの業績(現金ベース売上高)及び概況は、次のとおりであります。なお、当社ではセグメント情報に関して「セグメント情報等の開示に関する会計基準」等の適用によりマネジメント・アプローチを採用し、下記の数表における売上高を、当社グループの経営意思決定に即した”現金ベース”(前受金調整前)売上高で表示しております。
現金ベース売上高は、連結損益計算書の売上高とは異なりますので、ご注意ください。詳細につきましては、注記事項「セグメント情報等」をご覧ください。
|
各セグメントの |
当連結会計年度 |
||
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
構成比(%) |
|
|
個人教育事業 |
12,536,097 |
100.4 |
59.8 |
|
法人研修事業 |
4,318,485 |
103.9 |
20.6 |
|
出版事業 |
3,416,455 |
102.4 |
16.3 |
|
人材事業 |
754,981 |
105.1 |
3.6 |
|
全社又は消去 |
△58,903 |
- |
△0.3 |
|
合計 |
20,967,115 |
101.6 |
100.0 |
(注) 1.上記金額には消費税等は含まれておりません。
2.各セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高を含めて記載しております。
個人教育事業は、第1四半期は好調に推移したものの、第2四半期~第4四半期において前年を下回り、結果としてほぼ前年並みとなりました。講座別では、公認会計士講座、宅地建物取引士講座、建築士講座が好調で前年を大きく上回りました。一方、全体的な受験者数の減少が続いている税理士講座や司法書士講座、民間企業への就職状況の影響を受けやすい公務員講座の他、司法試験講座、中小企業診断士講座等で前年の売上を下回りました。コスト面では、講師料、教材制作のための外注費、賃借料等の営業費用は、123億7千3百万円(前年同期比0.5%増)となりました。
これらの結果、個人教育事業の現金ベース売上高は125億3千6百万円(同0.4%増)、現金ベースの営業利益は1億6千2百万円(同5.8%減)となりました。
企業研修は、企業における人材不足や良好な企業景気のもと社員教育へのニーズが高く、当社の企業向け研修も1年を通じて堅調に推移しました。講座別では、マンション管理士が前年同期比14.1%増、FPが同8.8%増、CompTIAが同5.5%増等の他、建築士は前年の約4倍の売上となりました。
地方の個人が主な顧客となる提携校事業は同3.0%減、地方専門学校に対するコンテンツ提供は同0.6%増となりました。大学内セミナーは、主力の公務員講座で同5.7%増となったほか、TOEICを中心とした語学講座が同43.8%増、簿記検定講座が23.5%増等と好調で、全体として6.3%増となりました。自治体からの委託訓練は同7.4%減となりました。コスト面では、営業に係る人件費等を中心に営業費用全体で同4.5%増となりました。
これらの結果、法人研修事業の現金ベース売上高は43億1千8百万円(同3.9%増)、現金ベースの営業利益は11億3千5百万円(同2.2%増)となりました。
当社グループの出版事業は、当社が展開する「TAC出版」ブランド及び子会社の株式会社早稲田経営出版が展開する「Wセミナー」ブランド(以下、「W出版」という。)の2本立てで進めております。TAC出版では、旅行本「おとな旅プレミアム」を刊行したことによる売上があった前年同期と比較すると旅行本に係る売上は減少したものの、資格試験対策書籍の好調な売上や3月に刊行したロシアW杯本の売上等により、前年を上回る売上となりました。講座別では、簿記、宅地建物取引士、社会保険労務士、中小企業診断士が好調であった一方、公務員は売上が減少しました。W出版では、主力の司法書士が前年をやや上回りましたが司法試験が奮わず、全体としては前年同期比でマイナスとなりました。コスト面では、旅行本の制作代金や引当金(純)繰入額が減少した一方、翻訳本に係る版権仕入代金や翻訳コスト、人件費や販促費等の増加により、営業費用全体としては前年同期比4.7%増となりました。
これらの結果、売上高は34億1千6百万円(同2.4%増)と6期連続の増収を達成しました。営業利益は営業費用が増加したことで5億9千6百万円(同7.0%減)となりました。
子会社の(株)TACプロフェッションバンクが手掛ける人材事業は、会計業界の全体的な人材不足を背景に監査法人や税理士法人、民間企業における会計系人材の需要が大きく、人材紹介や人材派遣を中心に年間を通じて好調に推移しました。売上の増加に伴い営業費用も増加しましたが、(株)TACプロフェッションバンク単体での営業利益は過去最高となりました。一方、医療系人材サービスは(株)医療事務スタッフ関西の売上が前年を下回りました。また、求職者の確保に要する費用が収益に見合わない状況が続いていた(株)TAC医療は、平成30年3月31日をもって事業の全部を休止しております。
これらの結果、人材事業の売上高は7億5千4百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は1億4百万円(同13.3%増)となりました。
当社グループの事業分野別の経営成績及び概況は、次のとおりであります。
|
事業分野 |
主な講座等 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||
|
金額 |
前年同期比(%) |
構成比 |
||
|
①財務・会計分野 |
公認会計士講座、簿記検定講座、建設業経理士講座、ビジネス会計検定講座 |
3,747,395 |
105.2 |
17.9 |
|
②経営・税務分野 |
税理士講座、中小企業診断士講座、IPO実務検定講座、財務報告実務検定講座 |
3,672,827 |
97.6 |
17.5 |
|
③金融・不動産分野 |
建築士講座、不動産鑑定士講座、宅建士講座、賃貸不動産経営管理士講座、マンション管理士/管理業務主任者講座、FP(ファイナンシャル・プランナー)講座、証券アナリスト講座、DCプランナー講座、貸金業務主任者講座、ビジネススクール、相続アドバイザー講座、金融人材・企業経営アドバイザー講座 |
3,967,702 |
109.3 |
19.0 |
|
④法律分野 |
司法試験講座、司法書士講座、弁理士講座、行政書士講座、ビジネス実務法務検定講座、通関士講座、知的財産管理技能検定講座、法律関連講座 |
1,592,780 |
95.0 |
7.6 |
|
⑤公務員・労務分野 |
公務員講座(国家総合職・一般職、地方上級、外務専門職、警察官・消防官、理系技術職)、教員試験対策講座、マスコミ・就職対策講座、社会保険労務士講座 |
5,308,679 |
102.9 |
25.3 |
|
⑥情報・国際分野 |
情報処理講座(ITパスポート、情報セキュリティスマネジメント等)米国公認会計士講座、米国公認管理会計士・米国税理士講座、CompTIA講座、IT関連講座、CIA(公認内部監査人)講座、個人情報保護士講座、マイナンバー実務検定講座、BATIC(国際会計検定)講座、TOEIC(R)TEST講座 |
1,432,166 |
99.2 |
6.8 |
|
⑦医療・福祉分野 |
医療事務(医科・歯科)講座、医療系人材の紹介及び派遣事業等 |
295,268 |
100.2 |
1.4 |
|
⑧その他 |
会計系人材の紹介及び派遣事業等、受付雑収入他 |
934,645 |
102.8 |
4.5 |
|
合計 |
20,951,466 |
102.5 |
100.0 |
|
(注) 1.上記金額には消費税等は含まれておりません。
2.主要な相手先別の販売実績等については、当該割合が10%以下のため記載を省略しております。
当連結会計年度においては、財務・会計分野、金融・不動産分野、公務員・労務分野及びその他分野において前年同期を上回った一方、経営・税務分野、法律分野が前年同期を下回りました。情報国際及び医療・福祉分野は前年並みとなりました。
財務会計分野は、公認会計士講座において、民間企業への良好な就職状況を背景に途中で受験を諦める方も少なくありませんが、会計士業界における会計士試験合格者の採用状況も監査法人を中心に良好で、講座全体では前年同期比プラスとなりました。簿記講座は、平成29年度の日商簿記検定試験の申込者数(1~3級)が平成28年度の申込者数から7%強減少する中でも健闘し、TAC出版が刊行している「すっきり分かる日商簿記」「みんなが欲しかった簿記の教科書」などの受験対策書籍とあわせ前年同期比プラスとなりました。金融・不動産分野は、不動産鑑定士講座、宅建士講座、建築士講座、証券アナリスト講座等の多くの講座が好調に推移しました。公務員・労務分野は、公務員講座(地方上級・国家一般)が学内セミナーで売上を伸ばした他、社会保険労務士講座、教員講座等も売上が増加しました。その他分野は子会社の(株)TACプロフェッションバンクが手掛ける人材事業が好調に推移したこと等により前年を上回りました。
一方、経営・税務分野は、税理士試験の受験申込者数の減少が続いており、当社の税理士講座もその影響等により売上が減少し、法律分野は司法試験講座や司法書士講座が低調に推移いたしました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期比16億4千万円減少し、49億4千3百万円となりました。なお、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは2千7百万円(同1千3百万円減少)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(注) フリー・キャッシュ・フローは、以下の計算式を使っております。
フリー・キャッシュ・フロー=親会社株主に帰属する当期純利益+減価償却費(のれん償却費含む)-設備投資額-運転資本増加額-配当金の支払額
なお、運転資本は、売掛金+受取手形+たな卸資産-買掛金-支払手形で算出しております。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動におけるキャッシュ・フローは同2億2百万円増加し、5億3千4百万円の収入となりました。増加要因の主なものは、賞与引当金の増加、返品調整引当金の増加、売上債権増加額の減少、法人税等の支払額の減少等であります。減少要因の主なものは、返品廃棄損失引当金の減少、受講料保全信託受益権の増加、前受金増加額の減少、等であります。
投資活動におけるキャッシュ・フローは同4億3百万円減少し、9億6千万円の支出となりました。増加要因の主なものは、投資有価証券の売却および償還による収入の増加、定期預金の解約による収入の増加等であります。減少要因の主なものは、有価証券の取得による支出の増加、有価証券の売却および償還による収入の減少、無形固定資産取得による支出の増加等であります。
財務活動におけるキャッシュ・フローは同11億7千8百万円減少し、12億9百万円の支出となりました。減少要因の主なものは、長期借入金の借入れによる収入の減少、長期借入金の返済による支出の増加等であります。
当連結会計年度末の財政状態は、純資産が52億9千1百万円(前連結会計年度末比3億3千2百万円増)、総資産が216億1千8百万円(同4億5千1百万円減)となりました。連結上、増加した主なものは、売掛金が3億3千3百万円、有価証券が6億3千4百万円、投資有価証券が1億2千1百万円、未払金が1億3百万円等であります。また、減少した主なものは、現金及び預金が15億6千9百万円、長短借入金(1年内返済予定長期借入金を含む)が10億6千2百万円、その他流動資産が2億6百万円等であります。
当社グループの個人教育事業及び法人研修事業に関する通学講座の開講地区は、下記のとおり平成30年3月末現在、22拠点で展開しております。また、教室数及び座席数はそれぞれ下表に記載の通りとなっております。
|
|
当連結会計年度末 |
||
|
教室数 |
収容座席数 |
||
|
|
前年同期比(%) |
||
|
札幌校 |
9 |
526 |
100.0 |
|
仙台校 |
8 |
454 |
100.0 |
|
水道橋校 |
16 |
1,189 |
104.2 |
|
渋谷校 |
35 |
3,050 |
100.0 |
|
新宿校 |
26 |
2,317 |
100.0 |
|
池袋校 |
22 |
2,249 |
104.2 |
|
八重洲校 |
20 |
1,952 |
100.8 |
|
早稲田校 |
7 |
501 |
100.0 |
|
町田校 |
9 |
690 |
98.7 |
|
横浜校 |
22 |
2,074 |
98.7 |
|
立川校 |
10 |
774 |
98.1 |
|
中大駅前校 |
3 |
209 |
88.6 |
|
日吉校 |
6 |
304 |
97.7 |
|
大宮校 |
13 |
754 |
99.6 |
|
津田沼校 |
12 |
767 |
99.5 |
|
名古屋校 |
22 |
1,820 |
100.0 |
|
京都校 |
16 |
1,027 |
63.7 |
|
梅田校 |
25 |
2,087 |
98.4 |
|
なんば校 |
18 |
1,198 |
100.0 |
|
神戸校 |
15 |
968 |
100.0 |
|
広島校 |
10 |
340 |
100.0 |
|
福岡校 |
13 |
536 |
98.3 |
|
合計 |
337 |
25,786 |
97.8 |
また受講者数については次のとおりであります。
当連結会計年度における受講者数は219,578名(前連結会計年度比3.7%増)、そのうち個人受講者数は136,324名(同1.4%減、1,906名減)、法人受講者数は83,254名(同13.1%増、9,670名増)となりました。個人・法人を合わせた講座別では公認会計士講座が前年同期比5.5%増、宅地建物取引士講座が同6.1%増、建築士講座が同44.4%増、FP講座が同8.5%増、CompTIA講座が16.6%増等となりました。一方、受講者数が減少した講座は、簿記検定講座が同5.8%減、税理士講座が同3.7%減、中小企業診断士講座が同4.8%減、司法書士講座が同7.8%減、公務員(地方上級・国家一般職)講座が同5.0%減等となりました。法人受講者は、企業からの大型の申し込みがあった通信型研修が同19.5%増、大学内セミナーが同12.2%増、提携校が同10.9%減、委託訓練が同10.8%減となりました。
|
|
当連結会計年度末 |
||
|
人数(名) |
前年同期比増減(名) |
前年同期比(%) |
|
|
個人受講者数 |
136,324 |
△1,906 |
98.6 |
|
法人受講者数 |
83,254 |
+9,670 |
113.1 |
|
合計 |
219,578 |
+7,764 |
103.7 |
該当事項はありません。
販売実績については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要)」に記載のとおりであります。
当社の提供する資格試験講座においては、原則として受講者の申込時点で講座受講料を全額前納していただいており、受取った受講料をいったん全額負債としての前受金に計上し、受講期間に応じて受講者にサービスを提供していく都度、月割りで前受金を取崩し売上計上しております。当社の主力である公認会計士・税理士等の難関国家資格講座は、受講期間が1年を超えるものも多く、したがって前受金は1年以上にわたり各月の売上に振り替えられていくことになります。
当社は、資格取得スクールを展開するため多くのビルを賃借しております。貸主からフリーレントを受ける場合、フリーレント期間が長期化し金額的な重要性が増しているため、賃借料の要支払額を賃借期間で按分して会計上の費用として計上しております。
当連結会計年度の講座への申込みの動向は、上半期は前連結会計年度から引き続き堅調に推移いたしましたが下半期以降は鈍化傾向が顕著になり、通期ではほぼ前年並みとなりました。分野別では、財務・会計分野における公認会計士講座は、公認会計士試験合格者の良好な就職状況が続いており当社講座への申し込みも好調に推移しましたが、簿記検定講座では日商簿記試験の出題試験区分の改定が行われ受験者数が前年度から7.3%減少したことで当社講座への申し込みにも影響が生じ始めております。金融分野及び不動産分野に属する資格は好景気に支えられ多くの講座で好調な状況となりました。税務・経営分野に属する税理士講座及び法律分野に属する司法書士講座は、依然として全体的な受験者数の減少に歯止めがかからず厳しい状況が続いております。また、当社の主力講座の一つである労務・公務員分野に属する公務員講座は、民間企業への就職・転職が極めて良好な状況の影響を受けて当社公務員講座への申し込みは前年度と比べやや減少しました。TAC出版及び早稲田経営出版のブランドで行う出版事業は、簿記、宅建士、社労士、中小企業診断士、司法書士などの各種試験対策書籍の好調な売れ行きに支えられ6年連続で増収となりました。法人研修事業及び人材事業の業績については③及び④に記載の通りです。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度における現金ベース売上高は209億6千7百万円(前連結会計年度比1.6%増)となりました。前受金調整後の発生ベース売上高は、前受金調整額が1千5百万円の繰入(前連結会計年度は1億8千7百万円の繰入)と現金ベース売上高を押し下げる金額が減少したことで、209億5千1百万円(同2.5%増)となりました。
コストについては、売上原価で同3千7百万円増(同0.3%増)、販売費及び一般管理費で同2億7千8百万円増(同3.7%増)となりました。販売費及び一般管理費の増加は、主に販促活動の拡大等によるに広告宣伝費や人件費の増加等によるものであります。これらの結果、営業利益は8億3千3百万円(同1億2千万円増、同16.9%増)となりました。
法人研修事業に係る受講者数、売上高及び営業利益の推移は以下のとおりであります。なお、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」等の適用によりマネジメント・アプローチを採用しており、下表では現金ベース(前受金調整前)の売上高及び営業利益で表示しております。
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平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期(当期) |
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受講者数 |
(名) |
69,471 |
73,584 |
83,254 |
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売上高 |
(千円) |
4,440,802 |
4,156,113 |
4,318,485 |
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営業利益 |
(千円) |
1,208,263 |
1,110,636 |
1,135,488 |
法人研修事業は、良好な企業景気及び若年層~中堅層を中心とした企業における人材不足を背景に企業向けの研修が好調に推移したほか、学内セミナーも主力の公務員講座やTOEIC講座、簿記講座などが好調でした。一方、地方の個人が主な顧客となる提携校事業及び自治体からの委託訓練は奮いませんでした。コスト面では、営業にかかる人件費等を中心に営業費用が増加しました。これらの結果、現金ベース売上高が43億1千8百万円(同3.9%増)、現金ベースの営業利益は11億3千5百万円(同2.2%増)と、増収増益となりました。
当社100%子会社の株式会社TACプロフェッションバンクが営む会計系人材事業は、会計業界における全体的な人材不足の状況に後押しされ、人材派遣・人材紹介ともに年間を通じて好調に推移しました。一方、求人広告に係る売上はやや減少しました。医療系人材事業は、関西において株式会社医療事務スタッフ関西及び株式会社クボ医療が、関東において株式会社TAC医療がそれぞれ展開しておりますが、依然として厳しい状況が続いており、特に株式会社TAC医療においては収支のバランスを改善することが極めて難しいことから、平成30年3月末日をもって全ての事業を休止しました。これらの結果、人材事業の現金ベース売上高は7億5千4百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は1億4百万円(同13.3%増)と、増収増益となりました。
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平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期(当期) |
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売上高 |
(千円) |
623,933 |
718,300 |
754,981 |
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営業利益 |
(千円) |
21,286 |
92,238 |
104,502 |
当社の取扱う資格試験の受験者数は、平成22年には308万人にまで増加しましたが、翌年以降急激に減少し、平成26年には251万人と5年間で50万人以上受験者数が減少しました。これは簿記検定試験が73万人から53万人にまで減少したほか、情報処理関連の受験者数が約15万人減少したこと等が主な要因です。平成27年以降の受験者数は比較的安定的に推移しております。
一般的には、不景気時に資格試験受験者は増加する傾向がありますが、平成23年3月に発生した東日本大震災や消費税増税、公認会計士試験合格者の未就職者問題など、当社の取扱う各資格試験の受験者数は社会情勢や個々の資格ごとの状況などを反映しながらそれぞれ固有の動きをしており、当社の各講座の売上高及び営業利益も各資格試験の受験者の動向に影響を受けてまいります。
平成18年の公認会計士試験制度の改正の前後で、新試験制度に向けた申込み控えや新試験2年目から始まった大量合格傾向、さらには監査法人の採用数減少による未就職者問題などで受験者数が大きく減少し、当社主力の公認会計士講座の売上高は大きく影響を受けました。また、平成28年度より段階的に行われている日商簿記検定試験の出題試験区分の改定により、当社の簿記検定講座も教材やカリキュラムの見直しを行い、売上及び費用に影響が生じております。その他の資格においても、合格者数がこれまでと大きく増減するなど試験制度面における大きな状況変化が起こると、当社講座への申し込み状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。このように当社の取り扱う資格試験制度の改正内容、新試験の合格率や難易度等の結果によって、当社の経営成績は大きな影響を受けることがあります。
① 全体的な財政状態
当連結会計年度末における全体的な財政状態の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要) (3) 財政状態」をご参照ください。なお、セグメントごとの財政状態については、資産を事業セグメントに配分していないため記載を省略いたします。
② 前受金について
当社の行う資格取得支援事業は、受講申込者に全額受講料をお支払いいただき(現金ベースの売上)、当社はこれをいったん、前受金として貸借対照表・負債の部に計上しておきます。その後、教育サービス提供期間に対応して、前受金を月ごとに売上に振り替えます(発生ベースの売上)。一般的に、現金ベースの売上が拡大していく局面では前受金残高が増大していき、当該会計期間以降、前受金戻入が多額になることによって発生ベースの売上を押し上げる効果が強まりますが、現金ベースの売上が減少していく局面では前受金残高が減少していき、当該会計期間以降、前受金戻入が少なくなることによって発生ベースの売上を押し上げる効果が弱まる傾向があります。さらに、現金ベースの売上が減少局面から増加局面に変わる期においては、発生ベースの売上に対する減少効果が増幅される場合があり、発生ベースで計算される当社の業績に影響を与えることになります。前受金及びその他の財政状態の指標の推移は以下のとおりであります。
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平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期(当期) |
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総資産(A) |
(千円) |
21,632,475 |
22,069,442 |
21,618,367 |
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前受金(B) |
(千円) |
6,056,417 |
6,262,681 |
6,284,424 |
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前受金比率(B/A) |
(%) |
28.0 |
28.4 |
29.1 |
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自己資本(C)(注) |
(千円) |
4,536,677 |
4,954,650 |
5,286,562 |
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自己資本比率(C/A) |
(%) |
21.0 |
22.5 |
24.5 |
(注) 自己資本は、純資産の額から非支配株主持分の額を控除して算出しております。
当連結会計年度においては、総資産が前連結会計年度から減少した一方、前受金は前連結会計年度とやや増加したことから、前受金比率は前連結会計年度比0.7ポイントの上昇となっております。前受金に見合う資金は、徐々に取り崩されて営業活動に使用されます。そのため、事業活動に必要な自己資本は相対的に低い水準で済み、自己資本比率は相対的に過小である傾向があります。当連結会計年度は、4億4千2百万円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上し、自己資本比率は2.0ポイント上昇いたしました。
消費者保護の考え方の高まりに対応して、当社は平成20年8月末を基準に前受金保全信託制度を新たに導入しました。本制度においては、受講期間が1年を超える受講者を対象に、未経過受講期間が1年を超える期間分の受講料を全額保全し、当社財産と分別管理するしくみとしており、当社に万が一事業を継続できなくなる事態が生じた場合には、信託財産が受益者代理人を通じて、各受講者に返還されます。ただし、受講者にお支払いいただいた前受金のうち未経過受講期間が1年以内に対応する受講料については、他の債権者との関係から受講者に返却できない場合があります。
当連結会計年度末における前受金保全信託受益権は、資産の部・流動資産の区分に5億6千万円計上されており、前連結会計年度から19.2%増加いたしました。これは、主に受講期間の長い公認会計士講座の初学者コースが好調に推移していること等によるためであります。
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平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期(当期) |
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前受金(A) |
(千円) |
6,056,417 |
6,262,681 |
6,284,424 |
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前受金保全信託受益権(B) |
(千円) |
442,777 |
470,399 |
560,647 |
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前受金保全比率(B/A) |
(%) |
7.3 |
7.5 |
8.9 |
当社グループの事業所は原則として賃借によっております。したがって、当社は、教育サービスを提供する教室確保のための直営校各拠点を賃借するために、資産の部・固定資産の「投資その他の資産」の区分に差入保証金を多額に計上しております。
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平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期(当期) |
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差入保証金(A) |
(千円) |
2,915,989 |
2,925,967 |
2,919,939 |
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前受金(B) |
(千円) |
6,056,417 |
6,262,681 |
6,284,424 |
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保証金比率(A/B) |
(%) |
48.1 |
46.7 |
46.5 |
賃借契約は原則として2年であり、受講者数の増加に伴い教室スペースの確保のため各拠点の増床や新規拠点の開設を行うと、差入保証金は増加することになります。当連結会計年度においては、小幅な拠点面積の削減等がありましたが、差入保証金はほぼ横ばいであります。
当社グループの事業所は賃借ビルが多いため、「資産除去債務に関する会計基準」に基づいて、各賃借ビルの原状回復義務等を資産除去債務として負債の部に多額に計上しております。また、同時に資産の部に計上された資産除去債務相当額からは、その関連する有形固定資産の減価償却方法に準じて減価償却費が発生し、毎期計上されます。これにより、将来、原状回復義務を履行した場合の費用または損失が一時に計上されずに、使用する各期間に費用配分されることになりますが、結果として、各期の減価償却費が押し上げられ、固定費負担が重くなっております。
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平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期(当期) |
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総資産(A) |
(千円) |
21,632,475 |
22,069,442 |
21,618,367 |
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資産除去債務(B) |
(千円) |
627,190 |
636,217 |
632,280 |
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資産除去債務比率(B/A) |
(%) |
2.9 |
2.9 |
2.9 |
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減価償却費のうち資産除去債務関連 |
(千円) |
56,360 |
36,566 |
24,775 |
前受金が増加していくことは、受講者からの預り資金が増加することを意味します。そのうちの一部は、教室スペース確保のための差入保証金に充当されております。残額は、順次サービスを提供していくため、講師料、賃借料等のほか、教材の印刷費・DVDのダビング費・広告費等に消費されます。そうした消費のタイミングまでは、前受金の一部の資金は現金及び預金または有価証券等の金融商品で保有されます。当社の有価証券投資の方針は運用規程に定められており、元本確保型の安全性を重視した金融商品であって、かつ、利回りを追求した金融商品を中心に運用しております。
過去3期間の運用有価証券の推移は、以下のとおりであります。
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平成28年3月期 |
平成29年3月期 |
平成30年3月期(当期) |
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有価証券 |
(千円) |
185,834 |
65,750 |
700,100 |
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投資有価証券 |
(千円) |
651,793 |
1,046,667 |
1,168,401 |
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合計 |
837,628 |
1,112,418 |
1,868,502 |
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「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」において説明しておりますとおり、売上高の増加が喫緊の課題であります。そのため、①新規事業の開発及びコスト・コントロール、②M&A・業務提携の推進、③競合他社に対する競争優位性の確立の3点を柱として、売上高増大のための施策を実行してまいります。
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要) (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループの資本の源泉及び資金の流動性については、事業運営上必要となる資金は、手許資金及び金融機関からの借入により調達することを基本としております。有価証券報告書提出日現在において支出が予定されている重要な資本的支出はありません。
なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末において入手可能な情報に基づき当社グループが合理的であると判断したものであります。したがって、将来や想定に関する事項には不確実性を内在しており、将来における実際の業績は様々な要因により大きく異なる結果となる可能性があります。
提携校契約とは、提携先が「TAC」の商号及び当社の教材を使用して講座運営ができる契約であります。前連結会計年度末までに提携校契約を行っている13校(群馬校、松本校、金沢校、富山校、岡山校、福山校、高松校、徳島校、大分校、熊本校、宮崎校、鹿児島校、沖縄校)については、契約更新期限が到来したものから順次、当連結会計年度において契約を更新しております。
当社では、法令及び取引所の求める規則に基づき財務状況を公表し透明性を高めるとともに、受講者に安心して受講していただける環境の整備に努めております。最近でも大手英会話スクールが経営破綻したことにより、多くの受講者が前払いした受講料が返還されない事態が発生しておりました。
当社の属する資格取得スクール業界においても、かつて米国公認会計士講座を提供する事業者が破綻したことがあり、受講者の保護のため、仮に事業者の継続的なサービス提供が困難になった場合であっても、受講者に未経過分の受講料を返還することができる体制を整えることが必要であると当社は考え、「前受金保全信託制度」を導入しております。
① 契約締結日:平成20年9月9日
② 契約締結当事者の名称:
委託者 TAC株式会社
受託者 株式会社三井住友銀行
③ 主たる契約の内容:
・受講期間が1年を超える受講者を対象に、未経過受講期間が1年を超える期間分の受講料を当社の保有財産から切り離して、株式会社三井住友銀行を受託者とする信託勘定で分別管理しております。具体的には、毎月末に未経過受講期間が1年を超える期間分の受講料を信託するとともに、未経過受講期間が1年以内となった受講料については信託財産から償還されます。
・経営破綻など、当社に万が一の事態が生じた場合には、信託契約が終了し、受益者代理人(社外弁護士)に信託財産が償還されます。受益者代理人は、その時点で初めて各受講者に連絡を発し、未経過受講料の金額・振込先の銀行口座等を確認し、未経過受講料を返還いたします。
当社は、平成26年9月9日開催の取締役会において、固定資産(本社ビルの土地・建物)の取得を決議し、平成26年9月30日付で当該資金調達のためのタームローン契約書を締結いたしました。
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① 借入先の名称 |
株式会社三菱東京UFJ銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行) |
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② アレンジャー兼エージェント |
株式会社三菱東京UFJ銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行) |
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③ 借入額 |
3,000,000千円 |
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④ 契約締結日 |
平成26年9月30日 |
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⑤ 借入実行日 |
平成26年12月17日 |
なお、本契約には以下の財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、増担保物件に対して根抵当権を設定することがあります。
a 各連結会計年度に係る連結損益計算書上の経常損益の金額から有価証券評価損による営業外損失の金額を除いた金額が0円以上であること。
b aの要件が2期以上連続して不充足となっていないこと。
当連結会計年度において、研究開発活動は行われておりません。