第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

わが国は、成熟した工業社会から急速に知識社会へシフトしつつあります。知識社会ではさまざまな分野ごとに知識専門家(プロフェッション)が要求され、活躍の場を広げています。プロフェッションprofessionとは英語のprofess=「神の前で宣言する」を語源とし、中世ヨーロッパ社会では神に誓いを立てて従事する職業として、神父・医師・会計士・法律家・教師等の知識専門家を指していました。彼らは職業を通して社会や人々に対して責任を負うと同時に、厳しい倫理観が要請されました。欧米ではプロフェッションの養成を大学が担当してきましたが、日本では大学がアカデミズムに偏重し、実務を担うプロフェッションの養成を手がけてきませんでした。当社は公認会計士を養成するビジネスを始めて以来、大学に代わって、現代に求められる多くのプロフェッションの養成を担当してまいりました。当社は、プロフェッションの養成を経営理念として、拠点とメディアを通して顧客(大学生・社会人・法人企業)の幅広い支持を受け、教育サービス市場での一強となることを目指してまいります。ステークホルダーとしての顧客の支持基盤を有してこそ、「株主価値の増大」という株式会社に求められる最も基本的な命題も達せられると考えております。

(2) 目標とする経営指標

当社グループの経営指標は、安定的な売上成長と現金ベース売上高営業利益率の極大化を目標としております。当連結会計年度においては、個人教育事業において大学生の良好な就職状況(企業における積極的な新卒採用)を背景とした公務員志向者の減少の影響が大きく表出したことで、グループ全体としての現金ベース売上高は減少いたしました。コスト面では、業務の効率化やコスト削減努力を継続的に実施しコストの増加の抑制に努めましたが、日本経済の良好な景気の影響を受けて当社の主要な費目である賃借料や教材・出版物に必要となる紙代など多くの費目において値上がり傾向にあり、コスト環境は厳しい状況が続きました。その結果、現金ベース営業利益率は前年同期比2.3ポイント低下いたしました。今後も引き続き、現金ベース売上高営業利益率の向上に努めてまいります。

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、「プロフェッションの養成」を経営理念として社会人、大学生を対象に資格教育、実務教育を核とした人材育成事業を展開しております。また、当社グループで学ぶ方々は、自己投資の結果として希望の業種・職種への就職・転職を望む方も少なくなく、当社グループの提供する人材派遣・紹介サービスも個人及び企業もへ浸透しつつあります。したがって、当社グループの中長期的な経営戦略は、教育ビジネスと人材ビジネスを強固に結びつけながら、双方のビジネスを拡大させていくことであります。これにより、毎期安定的な売上成長と売上高営業利益率の向上を実現し、株主価値を高める努力を継続してまいります。

(4) 経営環境及び対処すべき課題

(経営環境)

当社が行っている資格関連教育サービスは、日本経済の健全な発展を支えていくために必要不可欠なプロフェッショナル人材の育成であり毎年一定の需要が見込める比較的安定したものでありますが、当社の商品の顧客層は各特定の専門分野に絞られることに加え消費者ニーズも多様化しており、既存事業を展開していくだけでは売上を右肩上がりで成長させていくことが難しい状況にあります。

(対処すべき課題)

① 新規事業・講座の開発

(経営環境)に記載の通り、既存事業を展開していくだけでは売上を右肩上がりで成長させていくことが難しい状況にあります。そのような中で、当社グループが成長し更なる発展をしていくためには、新規事業・講座の開発に積極的に取り組むことで次世代の成長の芽を育てていく必要があると考えております。

② コスト構造の抜本的な改革

様々なモノのコストが上昇傾向にあり、特に当社グループにおける主要なコストの一つである賃借料の上昇は大きな影響を及ぼしております。そのような状況において、一定の利益を確保するという観点からはコストの適切なコントロールの重要性が益々高まっております。賃借料を含め、当社グループにおける主要なコストの多くは短期的にコントロールすることが難しい固定費で構成されていますが、直営校各校の床面積や営業時間の最適化、ITを利用した業務効率化、効果的な販促活動及び経費の見直し等を随時行いコスト管理をこれまで以上に徹底し、環境の変化にも柔軟に対応できるコスト構造を構築してまいります。

③ M&A・業務提携の推進

当社グループはこれまで、Wセミナーからの事業譲受、(株)増進会出版社(現 (株)増進会ホールディングス)との資本・業務提携、関西エリアにおける医療事務系人材サービスで実績のある(株)医療事務スタッフ関西及び(株)クボ医療の買収等を実施しております。今後もM&Aや業務提携を推進し、当社グループ全体の企業価値の向上を図ってまいります。

 

以上のような売上高増大のための施策及び徹底したコスト管理を継続して実施することにより、早期に結果を出していくことが当社に求められている課題であると認識しております。

 

2 【事業等のリスク】

当社グループに関する事業等のリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2019年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 教育訓練給付制度の動向

教育訓練給付制度は、労働者の主体的な能力開発の取組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とした雇用保険の給付制度であり、厚生労働省が主管しております。一定条件を満たす雇用保険の一般被保険者等がいったん全額受講料を支払い、講座修了後、出席率等一定条件を満たしている場合に、入会金・受講料の一定割合に相当する額が雇用保険からハローワーク(公共職業安定所)を通じて支給されるものであります。給付基準は数年に一度変更されることがあり、現在は被保険者期間が3年以上(初回利用に限り1年以上)の方は一律20%、10万円が限度とされています。給付基準の変更により、講座申込みに駆け込み需要が生じることがあり、その後反動減が発生する等、短期的に業績が影響を受けますが、その影響額を想定することは非常に困難であります。

(2) 前受金について

当社の行う資格取得支援事業は、受講申込者に全額受講料をお支払いいただき(現金ベースの売上)、当社はこれをいったん前受金として貸借対照表・負債の部に計上しておきます。その後、教育サービス提供期間に対応して、前受金を月ごとに売上に振り替えられます(発生ベースの売上)。一般的に、現金ベースの売上が拡大していく局面では前受金残高が増大していき、当該会計期間以降、前受金戻入が多額になることによって発生ベースの売上を押し上げる効果が強まりますが、現金ベースの売上が減少していく局面では前受金残高が減少していき、当該会計期間以降、前受金戻入が少なくなることによって発生ベースの売上を押し上げる効果が弱まる傾向があります。さらに、現金ベースの売上が減少局面から増加局面に変わる期においては、発生ベースの売上に対する減少効果が増幅される場合があり、発生ベースで計算される当社の業績に影響を与えることになります。

(3) 特定商取引法・消費者契約法と行政の動向

2007年中に特定商取引法の規制を受ける大手英会話スクールが破綻する事件があったほか、解約・返金に関する訴訟で最高裁の判決が出ております。当社の属する資格取得スクール業界は、パソコンスクール・TOEIC(R)L&R TESTなど一部の講座を除き、直接、特定商取引法で定められた特定継続的役務提供の規制を受けるわけではありません。

一方、消費者契約法については広い範囲の事業者が対象となっており、消費者庁主導のもと消費者保護政策が強化される傾向にあります。当社としても、業界他社と足並みを揃えつつ無理由での解約・返金等に応じております。今後の法令改正等、消費者行政の動向等によっては、当社のビジネス・モデルに大きな影響を与える可能性があります。

(4) 個人情報保護法への対応

2005年4月に「個人情報の保護に関する法律」が全面施行され、当社グループの個人顧客のみならず、法人顧客の関心も極めて高いため、当社グループとしてコンプライアンス体制の維持の観点から積極的に対応してまいりました。その結果、当社及び子会社の株式会社TACプロフェッションバンクともに、財団法人日本情報処理開発協会(JIPDEC)よりプライバシーマークを取得いたしました。2016年1月からはマイナンバー制度も運用がスタートし、社会の個人情報保護への関心はますます高まっております。当社は、今後も引き続き、個人情報管理責任者のもと、情報流出等を防止する厳重なセキュリティ対策を維持するとともに、従業員への教育を継続することによって、個人情報の保護に努めてまいります。万一、流出事故が発生した場合は、当社グループへの社会的信用を失うこととなり、業績へ深刻な影響を及ぼす可能性があります。

(5) タームローンの財務制限条項

当社は2014年9月30日付で、本社ビル取得用資金調達のため、株式会社三菱UFJ銀行ほか2行と30億円のタームローン契約を締結いたしました。本契約には財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、増担保物件に対して根抵当権を設定することがあります。

a 各連結会計年度に係る連結損益計算書上の経常損益の金額から有価証券評価損による営業外損失の金額を除いた金額が0円以上であること。

b aの要件が2期以上連続して不充足となっていないこと。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(経営成績等の状況の概要)

(1) 経営成績

①  全体的な経営成績

当連結会計年度は、個人教育事業が主力の公務員講座等において低調に推移したことで、現金ベース売上高は202億5千3百万円(前年同期比7億1千3百万円減、同3.4%減)と4期ぶりに減収となりました。前受金調整後の発生ベース売上高は、前受金調整額が2億2千1百万円の戻入(前年同期は1千5百万円の繰入)となったことで、同4億7千6百万円の減少(同2.3%減)となりました。

売上原価は123億7千6百万円(同4千2百万円増、同0.3%増)、販売費及び一般管理費は76億6千5百万円(同5千9百万円減、同0.8%減)となりました。これらの結果、営業利益は3億4千万円(同4億9千3百万円減、同59.1%減)となりました。

営業外収益に、受取利息1千8百万円、受取保険金7千万円、投資有価証券運用益1千1百万円、持分法による投資利益9百万円等、合計1億2千1百万円、営業外費用に、支払利息4千6百万円等、合計5千2百万円を計上した結果、経常利益は4億9百万円(同3億2千5百万円減、同44.3%減)となりました。

特別損失に、固定資産除売却損3百万円及び減損損失1百万円、合計5百万円を計上しました。なお、特別利益は当連結会計年度において計上すべきものはありません。これらの結果、当期純利益は3億1千1百万円(同1億3千2百万円減、同29.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億9百万円(同1億3千3百万円減、同30.0%減)となりました。

 

②  各セグメントの経営成績

当連結会計年度における当社グループの各セグメントの業績(現金ベース売上高)及び概況は、次のとおりであります。なお、当社ではセグメント情報に関して「セグメント情報等の開示に関する会計基準」等の適用によりマネジメント・アプローチを採用し、下記の数表における売上高を、当社グループの経営意思決定に即した”現金ベース”(前受金調整前)売上高で表示しております。

現金ベース売上高は、連結損益計算書の売上高とは異なりますので、ご注意ください。詳細につきましては、注記事項「セグメント情報等」をご覧ください。

 

 

各セグメントの
現金ベース売上高

当連結会計年度
(自  2018年4月1日  至  2019年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

構成比(%)

個人教育事業

11,794,143

94.1

58.2

法人研修事業

4,256,276

98.6

21.0

出版事業

3,562,269

104.3

17.6

人材事業

705,001

93.4

3.5

全社又は消去

△64,551

△0.3

合計

20,253,139

96.6

100.0

 

(注) 1.上記金額には消費税等は含まれておりません。

2.各セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高を含めて記載しております。

 

(個人教育事業)

個人教育事業は、第1四半期から第4四半期までの年間を通じて全体的に低調に推移し、現金ベース売上高は減少いたしました。講座別では、建築士や不動産鑑定士、社会保険労務士、行政書士、教員等で前年を上回りましたが、主力の公務員において良好な民間への就職状況を背景に、また、税理士や司法書士は全体的な受験者数の減少が続いており、それぞれ前年を下回りました。コスト面では、講師料、教材制作のための外注費、賃借料等の営業費用は、123億3千9百万円(前年同期比0.3%減)となりました。

これらの結果、個人教育事業の現金ベース売上高は117億9千4百万円(同5.9%減)、現金ベースの営業損失は5億4千5百万円(前年同期は1億6千2百万円の営業利益)となりました。

(法人研修事業)

企業研修は、企業における社員教育へのニーズにやや減速感が表れ始めてきております。講座別では、FPが前年同期比1.8%増、ビジネススクールが同1.3%増、CompTIAが同12.5%増、宅地建物取引士が同5.5%減、証券アナリストが同4.0%減等となりました。大学内セミナーは、良好な就職状況のもと微増にとどまりました。地方の個人が主な顧客となる提携校事業は同8.9%減、地方専門学校に対するコンテンツ提供は同2.3%増、自治体からの委託訓練は同3.2%減となりました。コスト面では、営業に係る人件費等を中心に営業費用全体で32億6千7百万円(同2.7%増)となりました。

これらの結果、法人研修事業の現金ベース売上高は42億5千6百万円(同1.4%減)、現金ベースの営業利益は9億8千8百万円(同12.9%減)となりました。

(出版事業)

当社グループの出版事業は、当社が展開する「TAC出版」及び子会社(株)早稲田経営出版が展開する「Wセミナー」(以下、「W出版」)の2つのブランドで進めております。TAC出版では、宅地建物取引士、行政書士、FP、マンション管理士などの資格試験対策書籍売上が年間を通じて好調に推移したほか、新しく開講した電験3種関連書籍、発刊から2年が経ち内容をリニューアルした旅行本「おとな旅プレミアム'19-'20年版」も貢献し、売上高は前年を上回りました。W出版では、司法試験や司法書士などの法律関連の書籍に加え、新たに社会保険労務士の試験対策書籍を刊行したことで、前年を上回りました。コスト面では、人件費や旅行本のリニューアルに係る制作費用を中心とした外注費が増加しましたが、販促費用を抑制したこと等により営業費用全体としては28億7千5百万円(同2.0%増)となりました。

これらの結果、出版事業の売上高は35億6千2百万円(同4.3%増)と7期連続の増収、営業利益は営業費用の増加を抑えられたことで6億8千6百万円(同15.1%増)となりました。

(人材事業)

子会社の(株)TACプロフェッションバンクが手掛ける会計系人材事業は、監査法人や税理士法人、民間企業における需要が大きく人材紹介売上は前年を上回った一方で、人材確保における求人広告の効果が薄れ始めてきている状況等により広告売上は前年を下回りました。また、人材派遣売上は派遣法改正の影響で稼働が減少しました。医療系人材サービスは(株)医療事務スタッフ関西において大型案件を受注したことで売上は前年を上回りましたが、人件費を中心に全体的なコストは値上がり傾向にあり苦戦が続いております。なお、(株)TAC医療は、2018年3月31日をもって事業の全部を休止、2018年8月にTACプロフェッションバンクと合併しております。

これらの結果、人材事業の売上高は7億5百万円(前年同期比6.6%減)、営業利益は1億5百万円(同0.9%増)となりました。

 

③  事業分野別の経営成績

当社グループの事業分野別の経営成績及び概況は、次のとおりであります。

 

事業分野

主な講座等

当連結会計年度

(自  2018年4月1日

至  2019年3月31日)

金額
(千円)

前年同期比(%)

構成比
(%)

①財務・会計分野

公認会計士講座、簿記検定講座、建設業経理士講座、ビジネス会計検定講座

3,764,595

100.5

18.4

②経営・税務分野

税理士講座、中小企業診断士講座、IPO実務検定講座、財務報告実務検定講座

3,472,187

94.5

17.0

③金融・不動産分野

建築士講座、不動産鑑定士講座、宅建士講座、賃貸不動産経営管理士講座、マンション管理士/管理業務主任者講座、FP(ファイナンシャル・プランナー)講座、証券アナリスト講座、DCプランナー講座、貸金業務主任者講座、ビジネススクール、相続検定講座、企業経営アドバイザー講座

4,141,670

104.4

20.2

④法律分野

司法試験講座、司法書士講座、弁理士講座、行政書士講座、ビジネス実務法務検定講座、通関士講座、知的財産管理技能検定講座、法律関連講座

1,492,280

93.7

7.3

⑤公務員・労務分野

公務員講座(国家総合職・一般職、地方上級、外務専門職、警察官・消防官、理系技術職)、教員試験対策講座、マスコミ・就職対策講座、社会保険労務士講座

4,927,220

92.8

24.1

⑥情報・国際分野

情報処理講座(ITパスポート、情報処理安全確保支援士等)米国公認会計士講座、米国公認管理会計士・米国税理士講座、CompTIA講座、IT関連講座、CIA(公認内部監査人)講座、個人情報保護士講座、マイナンバー実務検定講座、BATIC(国際会計検定)講座、TOEIC(R)TEST講座

1,440,207

100.6

7.0

⑦医療・福祉分野

医療事務(医科・歯科)講座、医療系人材の紹介及び派遣事業等

299,543

101.4

1.4

⑧その他

電験三種、会計系人材の紹介及び派遣事業等、受付雑収入他

937,261

100.3

4.6

合計

20,474,965

97.7

100.0

 

(注) 1.上記金額には消費税等は含まれておりません。

2.主要な相手先別の販売実績等については、当該割合が10%以下のため記載を省略しております。

 

(主な概況)

当連結会計年度においては、金融・不動産分野及び医療・福祉分野において前年同期を上回った一方、経営・税務分野、法律分野、公務員・労務分野で前年同期を下回りました。

金融・不動産分野は、建築士、宅地建物取引士、不動産鑑定士、マンション管理士、FPなどにおいて好調に推移したことにより、医療・福祉分野は子会社の(株)医療事務スタッフ関西において大型案件を受注したことにより、それぞれ前年同期を上回りました。

一方、経営・税務分野は、税理士において全体的な受験者数の減少率よりも低く抑えられてはいるものの当社講座への申し込みも低調に推移したほか、中小企業診断士も奮わず前年同期を下回りました。また、法律分野は全体的な受験者数の減少が続いている司法書士が低調で売上が減少、公務員・労務分野は民間への良好な就職状況の影響により売上が減少しました。財務・会計分野、情報・国際分野及びその他分野は前年同期並みとなりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期比2億2千2百万円増加し、51億6千5百万円となりました。なお、当連結会計年度におけるフリー・キャッシュ・フローは1億3千7百万円(同1億1千万円増加)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(注)  フリー・キャッシュ・フローは、以下の計算式を使っております。

フリー・キャッシュ・フロー=親会社株主に帰属する当期純利益+減価償却費(のれん償却費含む)-設備投資額-運転資本増加額-配当金の支払額

なお、運転資本は、売掛金+受取手形+たな卸資産-買掛金-支払手形で算出しております。

 

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動におけるキャッシュ・フローは同4億4千万円減少し、9千3百万円の収入となりました。増加要因の主なものは、売上債権の増加額の減少、受講料保全信託受益権の減少、返品調整引当金の増加、法人税等の支払額の減少等であります。減少要因の主なものは、前受金の減少、税金等調整前当期純利益の減少、賞与引当金の増減額の減少等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動におけるキャッシュ・フローは同13億3千3百万円増加し、3億7千2百万円の収入となりました。増加要因の主なものは、有価証券の売却及び償還による収入の増加、有価証券の取得による支出の減少等であります。減少要因の主なものは、定期預金の解約による収入の減少、投資有価証券の売却及び償還による収入の減少、保険積立金の積立による支出の増加等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動におけるキャッシュ・フローは同9億6千6百万円増加し、2億4千2百万円の支出となりました。増加要因の主なものは、短期借入金の純増減額の増加、長期借入金の返済による支出の減少等であります。減少要因の主なものは、長期借入れによる収入の減少、配当金の支払額の増加等であります。

 

(3) 財政状態

当連結会計年度末の財政状態は、純資産が54億9千8百万円(前連結会計年度末比2億6百万円増)、総資産が214億8千6百万円(同1億3千2百万円減)となりました。連結上、増加した主なものは、現金及び預金が2億2千2百万円、投資有価証券が1億5千1百万円、短期借入金が6億円、返品調整引当金が9千2百万円等であります。また、減少した主なものは、有価証券が6億円、保険積立金が1億7千2百万円、前受金が2億4千万円、未払法人税等が1億1千1百万円、長期借入金(1年内返済予定長期借入金を含む)が6億8千9百万円等であります。

 

 

(生産、受注及び販売の実績)

(1) 拠点数と収容能力

当社グループの個人教育事業及び法人研修事業に関する通学講座の開講地区は、下記のとおり2019年3月末現在、22拠点で展開しております。また、教室数及び座席数はそれぞれ下表に記載の通りとなっております。

 

 

当連結会計年度末
(2019年3月31日)

教室数

収容座席数

 

前年同期比(%)

札幌校

9

526

100.0

仙台校

8

454

100.0

水道橋校

16

1,189

100.0

渋谷校

35

3,050

100.0

新宿校

26

2,317

100.0

池袋校

22

2,249

100.0

八重洲校

20

1,952

100.0

早稲田校

7

548

109.4

町田校

9

690

100.0

横浜校

22

2,024

97.6

立川校

10

781

100.9

中大駅前校

3

209

100.0

日吉校

6

295

97.0

大宮校

13

754

100.0

津田沼校

12

766

99.9

名古屋校

22

1,820

100.0

京都校

16

1,027

100.0

梅田校

25

2,087

100.0

なんば校

18

1,198

100.0

神戸校

15

968

100.0

広島校

10

340

100.0

福岡校

13

536

100.0

合計

337

25,780

100.0

 

 

また受講者数については次のとおりであります。
当連結会計年度における受講者数は215,569名(前連結会計年度比1.8%減)、そのうち個人受講者数は131,119名(同3.8%減、5,205名減)、法人受講者数は84,450名(同1.4%増、1,196名増)となりました。
個人・法人を合わせた講座別では簿記検定講座が前年同期比2.0%増、建築士講座が同25.5%増、FP講座が同11.7%増、CompTIA講座が同14.5%増等となりました。一方、受講者数が減少した講座は、税理士講座が同6.9%減、中小企業診断士講座が同6.2%減、司法書士講座が同15.4%減、公務員(地方上級・国家一般職)講座が同6.1%減等となりました。法人受講者は、通信型研修が前年並み、大学内セミナーが同5.6%増、提携校が同12.6%減、委託訓練が同9.5%増となりました。

 

 

 

当連結会計年度末
(2019年3月31日)

人数(名)

前年同期比増減(名)

前年同期比(%)

個人受講者数

131,119

△5,205

96.2

法人受講者数

84,450

+1,196

101.4

合計

215,569

△4,009

98.2

 

 

(2) 受注実績

該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

販売実績については、「第2  事業の状況  3  経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析  (経営成績等の状況の概要)」に記載のとおりであります。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

(1) 重要な会計方針及び見積り

① 講座に関する売上計上基準

当社の提供する資格試験講座においては、原則として受講者の申込時点で講座受講料を全額前納していただいており、受取った受講料をいったん全額負債としての前受金に計上し、受講期間に応じて受講者にサービスを提供していく都度、月割りで前受金を取崩し売上計上しております。当社の主力である公認会計士・税理士等の難関国家資格講座は、受講期間が1年を超えるものも多く、したがって前受金は1年以上にわたり各月の売上に振り替えられていくことになります。

② フリーレントの会計処理

当社は、資格取得スクールを展開するため多くのビルを賃借しております。貸主からフリーレントを受ける場合、フリーレント期間が長期化し金額的な重要性が増しているため、賃借料の要支払額を賃借期間で按分して会計上の費用として計上しております。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

①  全体的な経営成績の増減収要因

当連結会計年度の講座への申込みの動向は、前年を上回る申込み状況であった講座もありましたが、主力の公務員講座において上半期・下半期ともに低調に推移したことが大きく影響し、全体としての申込み状況は前年を下回る結果となりました。分野別では、財務・会計分野における公認会計士講座は、公認会計士試験合格者の良好な就職状況が続いており当社講座への申し込みも堅調に推移しました。金融分野及び不動産分野に属する資格は好景気に支えられ多くの講座で好調な状況となりましたが、一部、減速感が表れ始めてきている講座もあります。経営・税務分野に属する税理士講座及び法律分野に属する司法書士講座は、依然として全体的な受験者数の減少に歯止めがかからず厳しい状況が続いております。

TAC出版及び早稲田経営出版のブランドで行う出版事業は、宅建士、行政書士、FP、マンション管理士、社会保険労務士などの各種試験対策書籍の好調な売れ行きに加え、新たに開講した電験三種に係る試験対策書籍及び内容をリニューアルした旅行本「おとな旅プレミアム'19-'20年版」も売上に貢献し、7年連続で増収となりました。法人研修事業及び人材事業の業績については、③及び④に記載の通りです。

これらの結果、当社グループの当連結会計年度における現金ベース売上高は202億5千3百万円(前連結会計年度比3.4%減)となりました。前受金調整後の発生ベース売上高は、前受金調整額が2億2千1百万円の戻入(前連結会計年度は1千5百万円の繰入)となったことで、204億7千4百万円(同2.3%減)となりました。

②  コスト要因

コストについては、売上原価で同4千2百万円増(同0.3%増)、販売費及び一般管理費で同5千9百万円減(同0.8%減)となりました。当社における主要な費用項目の賃借料や教材制作に係る費用、講座運営に係る費用は短期的な削減が難しい固定費的な要素のものであることや売上原価及び販売費及び一般管理費を構成する多くの費目が値上がり傾向にあること等の理由により、売上原価及び販売費及び一般管理費ともにほぼ前年同期並みの水準となりました。これらの結果、営業利益は3億4千万円(同59.1%減)となりました。

 

③  法人研修事業の経営成績の推移

法人研修事業に係る受講者数、売上高及び営業利益の推移は以下のとおりであります。なお、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」等の適用によりマネジメント・アプローチを採用しており、下表では現金ベース(前受金調整前)の売上高及び営業利益で表示しております。

 

 

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期(当期)

受講者数

(名)

73,584

83,254

84,450

売上高

(千円)

4,156,113

4,318,485

4,256,276

営業利益

(千円)

1,110,636

1,135,488

988,826

 

法人研修事業は、良好な企業景気及び企業における人材不足を背景に企業向けの研修は堅調に推移しましたが、社員教育が概ね一巡したこと等の理由によりやや減速感も出始めてきております。学内セミナーは新卒採用の良好な状況の中で微増にとどまりました。地方の個人が主な顧客となる提携校事業は個人教育事業における申込み状況同様に年間を通じて低調に推移しました。コスト面では、営業にかかる人件費等を中心に営業費用が増加しました。

これらの結果、現金ベース売上高が42億5千6百万円(同1.4%減)、現金ベースの営業利益は9億8千8百万円(同12.9%減)となりました。

④  人材ビジネスの経営成績の推移

当社100%子会社の株式会社TACプロフェッションバンクが営む会計系人材事業は、会計業界における全体的な人材不足の状況が続いており、人材紹介は好調に推移しました。一方、求人広告に係る売上は、採用側における求人広告にかけるコストの上限に達しつつあることや求人広告の人材採用における効果が薄れ始めてきている状況等もあり奮いませんでした。人材派遣は、派遣法の改正に伴う派遣人員稼働数の減少により売上は前年を下回りました。医療系人材事業は、関西において事業を展開する株式会社医療事務スタッフ関西が兵庫県内において国民健康保険に係る業務を新規に受注したことや、関東において事業を展開していた株式会社TAC医療が2018年3月31日をもって事業を休止(同年8月に(株)TACプロフェッションバンクに吸収合併)したことで、営業利益は前年を上回りました。しかしながら、人材事業は競争が激しいことに加え最低時給単価の上昇等人件費を中心にコストは値上がり傾向にあり、人材事業全体として厳しい状況が続いております。

これらの結果、人材事業の売上高は7億5百万円(前年同期比6.6%減)、営業利益は1億5百万円(同0.9%増)となりました。

 

 

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期(当期)

売上高

(千円)

718,300

754,981

705,001

営業利益

(千円)

92,238

104,502

105,469

 

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

①  受験者数の推移

当社の取扱う資格試験の受験者数は、2010年には310万人にまで増加しましたが、翌年以降急激に減少し、2014年には253万人と5年間で50万人以上受験者数が減少しました。これは簿記検定試験が73万人から53万人にまで減少したほか、情報処理関連の受験者数が約15万人減少したこと等が主な要因です。2015年以降の受験者数は比較的安定的に推移しております。

一般的には、不景気時に資格試験受験者は増加する傾向がありますが、2011年3月に発生した東日本大震災や消費税増税、公認会計士試験合格者の未就職者問題など、当社の取扱う各資格試験の受験者数は社会情勢や個々の資格ごとの状況などを反映しながらそれぞれ固有の動きをしており、当社の各講座の売上高及び営業利益も各資格試験の受験者の動向に影響を受けてまいります。

 

②  試験制度の改正等の受験環境

2006年の公認会計士試験制度の改正の前後で、新試験制度に向けた申込み控えや新試験2年目から始まった大量合格傾向、さらには監査法人の採用数減少による未就職者問題などで受験者数が大きく減少し、当社主力の公認会計士講座の売上高は大きく影響を受けました。また、2016年度より段階的に行われている日商簿記検定試験の出題試験区分の改定により、当社の簿記検定講座も教材やカリキュラムの見直しを行い、売上及び費用に影響が生じております。その他の資格においても、合格者数がこれまでと大きく増減するなど試験制度面における大きな状況変化が起こると、当社講座への申し込み状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。このように当社の取り扱う資格試験制度の改正内容、新試験の合格率や難易度等の結果によって、当社の経営成績は大きな影響を受けることがあります。

 

(4)財政状態に関する分析

① 全体的な財政状態

当連結会計年度末における全体的な財政状態の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要) (3) 財政状態」をご参照ください。なお、セグメントごとの財政状態については、資産を事業セグメントに配分していないため記載を省略いたします。

②  前受金について

当社の行う資格取得支援事業は、受講申込者に全額受講料をお支払いいただき(現金ベースの売上)、当社はこれをいったん、前受金として貸借対照表・負債の部に計上しておきます。その後、教育サービス提供期間に対応して、前受金を月ごとに売上に振り替えます(発生ベースの売上)。一般的に、現金ベースの売上が拡大していく局面では前受金残高が増大していき、当該会計期間以降、前受金戻入が多額になることによって発生ベースの売上を押し上げる効果が強まりますが、現金ベースの売上が減少していく局面では前受金残高が減少していき、当該会計期間以降、前受金戻入が少なくなることによって発生ベースの売上を押し上げる効果が弱まる傾向があります。さらに、現金ベースの売上が減少局面から増加局面に変わる期においては、発生ベースの売上に対する減少効果が増幅される場合があり、発生ベースで計算される当社の業績に影響を与えることになります。前受金及びその他の財政状態の指標の推移は以下のとおりであります。

 

 

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期(当期)

総資産(A)

(千円)

22,069,442

21,618,367

21,486,158

前受金(B)

(千円)

6,262,681

6,284,424

6,044,370

前受金比率(B/A)

(%)

28.4

29.1

28.1

自己資本(C)(注)

(千円)

4,954,650

5,286,562

5,492,470

自己資本比率(C/A)

(%)

22.5

24.5

25.6

 

(注)  自己資本は、純資産の額から非支配株主持分の額を控除して算出しております。

当連結会計年度においては、個人教育事業の低調な申込み状況を受けて前受金が減少し、前受金比率は前連結会計年度比1.0ポイント低下いたしました。自己資本比率は、前受金に見合う資金が徐々に取り崩されて使用され事業活動に必要な自己資本は相対的に低い水準で済むため、相対的に過小である傾向があります。当連結会計年度は3億9百万円の親会社株主に帰属する当期純利益を計上し、自己資本比率は1.1ポイント上昇いたしました。

 

③  前受金保全信託受益権について

消費者保護の考え方の高まりに対応して、当社は2008年8月末を基準に前受金保全信託制度を新たに導入しました。本制度においては、受講期間が1年を超える受講者を対象に、未経過受講期間が1年を超える期間分の受講料を全額保全し、当社財産と分別管理するしくみとしており、当社に万が一事業を継続できなくなる事態が生じた場合には、信託財産が受益者代理人を通じて、各受講者に返還されます。ただし、受講者にお支払いいただいた前受金のうち未経過受講期間が1年以内に対応する受講料については、他の債権者との関係から受講者に返却できない場合があります。

当連結会計年度末における前受金保全信託受益権は、資産の部・流動資産の区分に5億3千7百万円計上されており、前連結会計年度から4.1%減少いたしました。なお、学習期間の短期化や受講料の分割払い利用者の増加等により、本制度の役割が制度開始時に比べて大きく低下している状況を受けて、2019年8月末をもって本制度を終了する予定です。

 

 

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期(当期)

前受金(A)

(千円)

6,262,681

6,284,424

6,044,370

前受金保全信託受益権(B)

(千円)

470,399

560,647

537,709

前受金保全比率(B/A)

(%)

7.5

8.9

8.9

 

 

④  差入保証金について

当社グループの事業所は原則として賃借によっております。したがって、当社は、教育サービスを提供する教室確保のための直営校各拠点を賃借するために、資産の部・固定資産の「投資その他の資産」の区分に差入保証金を多額に計上しております。

 

 

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期(当期)

差入保証金(A)

(千円)

2,925,967

2,919,939

2,933,307

前受金(B)

(千円)

6,262,681

6,284,424

6,044,370

保証金比率(A/B)

(%)

46.7

46.5

48.5

 

賃借契約は原則として2年であり、受講者数の増加に伴い教室スペースの確保のため各拠点の増床や新規拠点の開設を行うと、差入保証金は増加することになります。当連結会計年度においては、小幅な拠点面積の削減等がありましたが、差入保証金はほぼ横ばいであります。

⑤  資産除去債務について

当社グループの事業所は賃借ビルが多いため、「資産除去債務に関する会計基準」に基づいて、各賃借ビルの原状回復義務等を資産除去債務として負債の部に多額に計上しております。また、同時に資産の部に計上された資産除去債務相当額からは、その関連する有形固定資産の減価償却方法に準じて減価償却費が発生し、毎期計上されます。これにより、将来、原状回復義務を履行した場合の費用または損失が一時に計上されずに、使用する各期間に費用配分されることになりますが、結果として、各期の減価償却費が押し上げられ、固定費負担が重くなっております。

 

 

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期(当期)

総資産(A)

(千円)

22,069,442

21,618,367

21,486,158

資産除去債務(B)

(千円)

636,217

632,280

637,607

資産除去債務比率(B/A)

(%)

2.9

2.9

3.0

減価償却費のうち資産除去債務関連

(千円)

36,566

24,775

22,296

 

 

 

⑥  運用有価証券について

前受金が増加していくことは、受講者からの預り資金が増加することを意味します。そのうちの一部は、教室スペース確保のための差入保証金に充当されております。残額は、順次サービスを提供していくため、講師料、賃借料等のほか、教材の印刷費・DVDのダビング費・広告費等に消費されます。そうした消費のタイミングまでは、前受金の一部の資金は現金及び預金または有価証券等の金融商品で保有されます。当社の有価証券投資の方針は運用規程に定められており、元本確保型の安全性を重視した金融商品であって、かつ、利回りを追求した金融商品を中心に運用しております。

過去3期間の運用有価証券の推移は、以下のとおりであります。

 

 

2017年3月期

2018年3月期

2019年3月期(当期)

有価証券

(千円)

65,750

700,100

100,099

投資有価証券

(千円)

1,046,667

1,168,401

1,319,903

合計

1,112,418

1,868,502

1,420,002

 

 

(5) 戦略的現状と見通し

「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」において説明しておりますとおり、売上高の増加が喫緊の課題であります。そのため、①新規事業・講座の開発、②コスト構造の抜本的な改革、③M&A・業務提携の推進の3点を柱とした施策に取り組んでまいります。

 

(6) キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (経営成績等の状況の概要) (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 

(7) 資本の財源及び資金の流動性に関する情報

当社グループの資本の源泉及び資金の流動性については、事業運営上必要となる資金は、手許資金及び金融機関からの借入により調達することを基本としております。有価証券報告書提出日現在において支出が予定されている重要な資本的支出はありません。
 

なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末において入手可能な情報に基づき当社グループが合理的であると判断したものであります。したがって、将来や想定に関する事項には不確実性を内在しており、将来における実際の業績は様々な要因により大きく異なる結果となる可能性があります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

(1) 提携校契約

提携校契約とは、提携先が「TAC」の商号及び当社の教材を使用して講座運営ができる契約であります。前連結会計年度末までに提携校契約を行っている13校(群馬校、松本校、金沢校、富山校、岡山校、福山校、高松校、徳島校、大分校、熊本校、宮崎校、鹿児島校、沖縄校)については、契約更新期限が到来したものから順次、当連結会計年度において契約を更新しております。

 

 

(2) 前受金保全信託契約

当社では、法令及び取引所の求める規則に基づき財務状況を公表し透明性を高めるとともに、受講者に安心して受講していただける環境の整備に努めております。最近でも大手英会話スクールが経営破綻したことにより、多くの受講者が前払いした受講料が返還されない事態が発生しておりました。

当社の属する資格取得スクール業界においても、かつて米国公認会計士講座を提供する事業者が破綻したことがあり、受講者の保護のため、仮に事業者の継続的なサービス提供が困難になった場合であっても、受講者に未経過分の受講料を返還することができる体制を整えることが必要であると当社は考え、「前受金保全信託制度」を導入しております。

①  契約締結日:2008年9月9日

②  契約締結当事者の名称:

委託者  TAC株式会社

受託者  株式会社三井住友銀行

③  主たる契約の内容:

・受講期間が1年を超える受講者を対象に、未経過受講期間が1年を超える期間分の受講料を当社の保有財産から切り離して、株式会社三井住友銀行を受託者とする信託勘定で分別管理しております。具体的には、毎月末に未経過受講期間が1年を超える期間分の受講料を信託するとともに、未経過受講期間が1年以内となった受講料については信託財産から償還されます。

・経営破綻など、当社に万が一の事態が生じた場合には、信託契約が終了し、受益者代理人(社外弁護士)に信託財産が償還されます。受益者代理人は、その時点で初めて各受講者に連絡を発し、未経過受講料の金額・振込先の銀行口座等を確認し、未経過受講料を返還いたします。

なお、2019年4月16日開催の取締役会において前受金保全信託契約を2019年8月末日をもって終了することを決議しております。

 

(3) タームローン契約

当社は、2014年9月9日開催の取締役会において、固定資産(本社ビルの土地・建物)の取得を決議し、2014年9月30日付で当該資金調達のためのタームローン契約書を締結いたしました。

 

① 借入先の名称

株式会社三菱東京UFJ銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)
株式会社東京都民銀行(現 株式会社きらぼし銀行)
株式会社千葉銀行

② アレンジャー兼エージェント

株式会社三菱東京UFJ銀行(現 株式会社三菱UFJ銀行)

③ 借入額

3,000,000千円

④ 契約締結日

2014年9月30日

⑤ 借入実行日

2014年12月17日

 

なお、本契約には以下の財務制限条項が付されており、これに抵触した場合、増担保物件に対して根抵当権を設定することがあります。

a 各連結会計年度に係る連結損益計算書上の経常損益の金額から有価証券評価損による営業外損失の金額を除いた金額が0円以上であること。

b aの要件が2期以上連続して不充足となっていないこと。

 

5 【研究開発活動】

当連結会計年度において、研究開発活動は行われておりません。