当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
① 全体的な業績
当社の行う資格取得支援事業は、受講申込者に全額受講料をお支払いいただき(現金ベースの売上)、当社はこれを一旦、前受金として貸借対照表・負債の部に計上しておきます。その後、教育サービス提供期間に対応して、前受金が月ごとに売上に振り替えられます(発生ベースの売上)。損益計算書に計上される売上高は発生ベースの売上高ですが、当社は経営管理上、現金ベースの売上高の増加を重視しております。
当社グループの当中間連結会計期間の業績は、現金ベース売上高が101億3千7百万円(前年同期比1億4千7百万円増、同1.5%増)、前受金調整後の発生ベース売上高は、101億3千5百万円(同9百万円増、同0.1%増)となりました。
売上原価は、58億3千8百万円(同2億9千2百万円減、同4.8%減)、販売費及び一般管理費は34億7千3百万円(同2億6千8百万円減、同7.2%減)となりました。これらの結果、営業利益は8億2千3百万円(同5億7千万円増、同225.5%増)となりました。
営業外収益に受取利息3百万円、受取保険金3千7百万円等、合計4千9百万円、営業外費用に支払利息1千9百万円、持分法による投資損失7百万円等、合計2千9百万円を計上した結果、経常利益は8億4千4百万円(同6億1千7百万円増、同272.2%増)となりました。
特別損益には特別損失に固定資産除売却損0百万円を計上いたしました。これらの結果、中間純利益は5億7千8百万円(同4億3百万円増、同231.2%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は5億7千7百万円(同4億3百万円増、同232.1%増)となりました。
② 各セグメントの業績推移
当中間連結会計期間における当社グループの各セグメントの業績(現金ベース売上高)及び概況は、次のとおりであります。なお、当社ではセグメント情報に関して「セグメント情報等の開示に関する会計基準」等の適用によりマネジメント・アプローチを採用し、下記の数表における売上高を、当社グループの経営意思決定に即した“現金ベース”(前受金調整前)売上高で表示しております。現金ベース売上高は、中間連結損益計算書の売上高とは異なりますので、ご注意ください。
(注) 全社又は消去欄にはセグメント間取引を含めて記載しております。
(個人教育事業)
当第2四半期(7月~9月)も社会人を主な受講生層とする講座を中心に回復傾向が顕著で、これにより前連結会計年度の下半期からの好調な申し込み状況が1年間継続しております。講座別では、学生を主な受講生層とする公務員講座、公認会計士講座等のほか、USCPA講座、マンション管理士/管理業務主任者講座等において低調に推移いたしましたが、税理士講座、社会保険労務士講座、不動産鑑定士講座、建築士講座等が前年同期の現金ベース売上高を上回ったほか、国家総合職・外務専門職講座、司法書士講座、行政書士講座、弁理士講座等も好調に推移したことで、当中間連結会計期間における個人教育事業全体としての現金ベース売上高は前年同期比プラスに転じました。コスト面では、講座運営体制の見直しによる効果もあり、講師料、教材制作のための外注費、賃借料等を合わせた営業費用の合計は51億2千9百万円(前年同期比8.9%減)となり、現金ベースの営業損益は前年同期に比べ5億9千2百万円改善いたしました。これらの結果、個人教育事業の現金ベース売上高は54億9千3百万円(同1.7%増)、現金ベースの営業利益は3億6千3百万円(前年同期は2億2千9百万円の営業損失)となりました。
(法人研修事業)
当社の法人研修事業のうち、企業向けの研修は引き続き堅調に推移しておりますが、大学内セミナーや提携校事業等が低調に推移し、当中間連結会計期間における売上高は前年同期を下回りました。
企業研修は主力の金融・不動産分野が好調に推移した他、情報・国際分野や労務分野も好調に推移し、前年を上回りました。一方、公務員志願者の減少が続く影響もあり大学内セミナーは前年同期を下回りました。地方の個人を主な顧客とする提携校事業は前年同期比13.0%減、地方専門学校に対するコンテンツ提供は同12.2%減、委託訓練は自治体からの受注数の減少等もあり同41.5%減となりました。コスト面では、外注費や広告宣伝費の削減等の見直しを行った結果、営業費用全体として17億2千6百万円(同3.9%減)となり、現金ベースの営業利益は前年を上回りました。これらの結果、法人研修事業の現金ベース売上高は23億5千4百万円(同2.6%減)、現金ベースの営業利益は6億2千7百万円(同1.1%増)となりました。
(出版事業)
当社グループの出版事業は、当社が展開する「TAC出版」及び子会社の㈱早稲田経営出版が展開する「Wセミナー」(以下、「W出版」)の2つのブランドで進めております。
当社の出版事業は、出版不況の影響等もあり、出版業界全体の業況の改善が期待されるなかで、業績回復のための取り組みに努めております。資格試験対策書籍ではTAC出版の簿記検定、税理士、中小企業診断士、情報処理、建築士、W出版の行政書士等は前年を上回った一方、宅地建物取引士、マンション管理士、電気主任技術者等は前年を下回りました。資格試験対策書籍以外では、旅行ガイドに関して、コロナ禍明けの旅行需要増に対応した売上があった前年と比較し大きく減少しております。コスト面では、営業費用全体として15億9千6百万円(前年同期比2.6%増)となりました。これらの結果、出版事業の売上高は「収益認識に関する会計基準」等に基づき、前期末に計上された返金負債の戻入による影響等もあり19億8千8百万円(同6.5%増)、営業利益は3億9千2百万円(同26.1%増)となりました。
(人材事業)
子会社の㈱TACプロフェッションバンクが手掛ける会計系人材事業は、監査法人や税理士法人、一般企業等の人材需要が引き続き高い水準を維持しており、人材紹介売上が好調に推移したことから、売上高はほぼ前年同期並みとなりました。なお当第2四半期より、税理士法人・事務所などの会計系人材の広告に加え、新たに法律系人材(司法書士)の広告について取り扱いを開始いたしました。㈱医療事務スタッフ関西が手掛ける医療系人材事業も、概ね前年同期と同水準の売上を獲得できており、堅調に推移しております。これらの結果、人材事業の売上高は3億1千5百万円(前年同期比1.2%減)、営業利益は8千4百万円(同0.1%増)となりました。
③ 受講者数の推移
当中間連結会計期間における受講者数は126,209名(前中間連結会計期間比2.1%減)、そのうち個人受講者は73,733名(同0.6%減、同425名減)、法人受講者は52,476名(同4.1%減、同2,261名減)となりました。個人・法人を合わせた講座別では、税理士講座が同2.2%増、不動産鑑定士講座が同16.0%増、FP講座が同13.5%増、建築士講座が同42.5%増、行政書士講座が同13.4%増、CompTIA講座が同12.0%増等となった一方、簿記検定講座が同3.2%減、公認会計士講座が同15.6%減、証券アナリスト講座が同13.5%減、公務員(国家総合職・外務専門職)講座が同14.9%減、公務員(国家一般職・地方上級)講座が同9.7%減等となりました。法人受講者は、通信型研修が同3.7%減、大学内セミナーは同6.8%減、提携校が同11.0%減、委託訓練は同28.2%減となりました。
(補足情報:最近における事業分野別の売上高)
当社グループの各事業分野の業績及び概況は、次のとおりであります。なお、当社は「収益認識に関する会計基準」等の適用に際し、出版事業における返品の可能性のある取引については予想される返品相当額を売上高から直接控除しております。当該返品相当額は過去の売上高に対する返品実績等に基づいた全体的な見積計算を行っており分野ごとの控除額は把握しておりません。そのため、下表の売上高の合計額は中間連結損益計算書における売上高とは一致しませんのでご注意ください。
当中間連結会計期間末の財政状態は、総資産が212億2千9百万円(前中間連結会計期間末比1億4千3百万円減)、純資産が63億8千8百万円(同7千6百万円増)となりました。連結上、増加した主なものは、現金及び預金が同2億7千9百万円増、ソフトウェアが同6千7百万円増、繰延税金資産が同9千万円増、未払法人税等が同1億1千3百万円増、前受金が同9千5百万円増等であります。減少した主なものは、受取手形及び売掛金が同3億5千2百万円減、有形固定資産が同1億7千万円減、長短借入金(1年以内返済予定の長期借入金を含む)が同5千万円減、返品廃棄損失引当金が同5千2百万円減、資産除去債務(流動固定合計額)が同6千8百万円減等であります。
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期比2億2千万円減少し、60億8千8百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは同13億1千1百万円増加し、8億9百万円の収入となりました。増加要因の主なものは、売上債権の増減額の増加、前受金の増減額の増加等であります。減少要因の主なものは、仕入債務の増減額の減少、返品廃棄損失引当金の増減額の減少等であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは同7億6千4百万円減少し、6億4千万円の支出となりました。増加要因の主なものは、保険積立金の払戻による収入の増加、無形固定資産の取得による支出の減少等であります。減少要因の主なものは、定期預金の増減額の減少、有価証券の売却及び償還による収入の減少、保険積立金の積立による支出の増加等であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは同4億5百万円減少し、1億7千5百万円の収入となりました。増加要因の主なものは、短期借入金の純増減額の増加等であります。減少要因の主なものは、長期借入による収入の減少、長期借入金の返済による支出の増加等であります。
該当事項はありません。