文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、医療を中心としたヘルスケア全般をITで支援し、それに関わる「国民の安心・安全な生活」や「社会や事業者が抱える課題解決」に寄与することで、企業価値の向上を目指しております。
(2) 経営戦略等
医療システム事業においては、電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」のユーザー数を増やし、安定成長へつながるシェア拡大を目指しております。そのため、製品の品質・顧客満足度向上やパートナーを含めた営業力の強化等を図ってまいります。また、競合先との市場競争が激しくなっており、そのような中でも利益を確保するため、外部調達の見直しやシステム導入手法の改善等を進めます。加えて、地域医療連携、医療介護連携ソリューション等の医療のトータルサービスを展開してまいります。
また、医療・介護・福祉・保健に関わる情報システムや情報サービスを中心に、事業領域を積極的に拡大するため、業務提携やM&Aを行い、医療システム事業のさらなる成長に加え、第二・第三の事業の柱を早期に確立していきたいと考えております。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「MI・RA・Isシリーズ」ユーザー数、売上高営業利益率、株式時価総額を経営指標とし、3ヶ年の中期計画における目標を設定しております。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループが事業を展開しております医療業界においては、少子高齢化の進展が見込まれる中で、医療ニーズに応じたヒト、モノを的確に配置できるよう、地域医療構想[1]の実現、医師・医療従事者の働き方改革の推進、及び実効性のある医師偏在対策の着実な推進を三位一体で推進していくことが求められております。
一方、医療情報システムに関する国策として、「未来投資戦略2018」により次世代ヘルスケア・システムの構築に向けたICT[2]等の積極導入・活用が推進されており、個人の健康・診療情報等を医療機関等の間で共有できるネットワーク構築や、ビッグデータ利用推進のため、2020年までに400床以上の一般病院における電子カルテ普及率を90%とする具体的目標が引き続き維持される等、今後も医療の質向上や効率化に寄与する電子カルテシステムの普及が期待されております。
当社グループは、医療・介護・福祉・保健に関わる情報システムや情報サービスを中心に、グループ規模や事業領域を拡大するとともに、コンプライアンスや企業の社会的責任への取り組みを推進し、これにより企業価値の最大化を図ってまいりたいと考えております。そのため以下に示す対処が必要であると考えております。
① 品質・顧客満足度向上について
当社グループの主力製品は、医療機関向けの電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」であり、当社グループは、医療に関わるすべての人々のために、さらなる利便性や診療の効率化の追求、未来を見据えた柔軟性・発展性を念頭においた製品づくりを行い、院内から他施設、そして患者やその家族へつながる連携力のあるシステムをご提供しております。
医療システム事業は、電子カルテシステム新製品「MI・RA・Is/AZ」[3]を中心とした「MI・RA・Isシリーズ」の開発・販売に注力するとともに、「MI・RA・Isユーザーフォーラム」の活動等を通じてユーザーニーズの把握に努め、顧客満足度の向上並びに製品・サービスの品質確保を図ってまいりました。また、「MI・RA・Is/PX」及び「MI・RA・Is/AZ」は、一般社団法人ヘルスソフトウェア推進協議会より発行されている、医薬品医療機器等法上の医療機器に当たらないソフトウェアを対象とした開発ガイドラインのうちLevel-2の適合製品に登録しております。
今後も、医療機関が担う役割をICTの面から支援するため、「MI・RA・Isシリーズ」が導入された病院と、他の病院やかかりつけ医などの医療機関、介護や福祉などの施設、在宅にて治療を進める患者や家族など、ヘルスケア分野全領域(All Zone)との連携を進めることを目標に取り組んでまいります。
② 新規事業について
当社グループは、医療・介護・福祉・保健に関わる情報システムや情報サービスを中心に、積極的な事業領域の拡大を図っております。このため、経営企画や事業戦略機能の充実を図り、グループ内での事業の育成・立ち上げを推進する他、従来からの協業先をはじめとする医療情報システム分野でのプレーヤーやITセクター(特に「デジタルヘルス」関連)におけるベンチャー企業等との業務提携やM&Aを通じ、医療システム事業のさらなる成長に加え、第二・第三の事業の柱の確立に取り組んでまいります。
③ 内部管理体制の強化について
企業が社会的責任を誠実に果たすことは、安定した経営を継続するための必須条件です。
当社グループは、法令、定款、社会規範を順守するため、経営理念・経営方針に基づき、企業行動憲章、企業行動規範、コンプライアンス規程、リスク管理基本規程を制定し、グループ各社への周知を徹底するとともに、内部統制システムの構築・維持・向上に取り組んでおります。
また監査等委員会設置会社として、取締役会の議決権を持つ監査等委員である取締役の監査により、コーポレート・ガバナンスの充実、取締役会の監査・監督機能の強化、経営の公正性・効率性の向上を図っております。
その他、情報セキュリティの管理を徹底し、当社グループに関わる情報資産を様々な脅威から守るとともに、製品やサービスを中心とした事業全般の品質管理についても、適切な運用・管理・維持・改善に取り組んでまいりたいと考えております。
[1]地域医療構想 超高齢化社会に耐えうる医療提供体制を構築するため、将来人口推計をもとに2025年に必要となる病床数を4つの医療機能(高度急性期・急性期・回復期・慢性期)ごとに推計した上で、地域の医療関係者の協議を通じて病床の機能分化と連携を進め、効率的な医療提供体制を実現するための取組み。
[2]ICT Information and Communication Technology(情報通信技術)の略。
[3]MI・RA・Is/AZ 2017年8月より販売を開始した、電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」の最新バージョン。より使いやすくより診療に貢献できるシステムとなるよう、多くのユーザーとともに培った機能を拡充し、操作性の改善を行うとともに、クラウドユースを想定したシステム基盤の整備を図り、医療の安全性向上、業務効率向上、患者サービス向上等の実現に寄与する。2025年に向けて整備が進められている地域包括ケアシステムにおいて医療機関が担う役割をICTの面から支援するため、導入された病院と、他の病院やかかりつけ医等の医療機関、介護、福祉等の施設や、在宅にて治療を進める患者や家族等、ヘルスケア分野全領域(All Zone)との連携を進めることを目標としている。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 市場規模及び動向について
電子カルテシステムは、大規模病院では着実に普及が進んでいるものの、中小規模病院では依然としてその導入率は低いものとなっております。
今後の電子カルテシステム市場については、医療ICT化が医療の質の向上や医療の効率化に寄与することは多くの医療関係者が認めるところであることから、緩やかながらも着実に成長し、普及が進むものと予測されます。しかしながら、電子カルテシステムの普及が進まない場合、電子カルテシステム市場について今後新たな法規制がなされた場合、医療制度改革の進展等により相当数の病院経営が圧迫された場合等には、電子カルテシステム市場が順調に拡大しない可能性があります。その場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、電子カルテシステム市場が順調に成長したとしても、当社グループの開発・導入等の人員体制がこれに及ばない可能性もあります。
(2) 競合状況及び競争政策について
当社グループが販売する電子カルテシステムの市場は、従来、医事会計・検査・オーダリング等のシステムを大手ICT企業が主に大規模病院を中心に販売しておりましたが、厚生省(当時。以下厚生労働省)による1999年4月22日の通知「診療録等の電子媒体による保存について」(厚生労働省健政発第517号・医薬発第587号・保発第82号)が発出されて以降、医療情報システム事業を展開してきた企業等が参入し、中小規模病院及び診療所向けに開発・販売を始めたものであります。このような状況の中、当社グループは、厚生労働省の前記通知がなされる前の1997年10月に電子カルテシステムの開発に着手し、2000年4月にはユーザーにて稼働を開始しております。
当社グループの製品は、大手ICT企業や医療情報システム会社等と競合状況にあります。競合先との市場競争が激しくなっており、そのような中でも利益を確保するため、外部調達の見直しやシステム導入手法の改善等を進めますが、競争の結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 政府の政策とその影響について
当連結会計年度において、当社グループが事業を展開しております医療業界においては、少子高齢化の進展が見込まれる中で、医療ニーズに応じたヒト、モノを的確に配置できるよう、地域医療構想の実現、医師・医療従事者の働き方改革の推進、及び実効性のある医師偏在対策の着実な推進を三位一体で推進していくことが求められております。
一方、医療情報システムに関する国策として、「未来投資戦略2018」により次世代ヘルスケア・システムの構築に向けたICT等の積極導入・活用が推進されており、個人の健康・診療情報等を医療機関等の間で共有できるネットワーク構築や、ビッグデータ利用推進のため、2020年までに400床以上の一般病院における電子カルテ普及率を90%とする具体的目標が引き続き維持される等、今後も医療の質向上や効率化に寄与する電子カルテシステムの普及が期待されております。
医療分野における政府方針を実現するためには、医療の情報化、とりわけ電子カルテシステムや地域医療連携システムが必要不可欠なインフラになると考えられます。しかしながら、診療報酬改定による大幅な医療費の抑制、消費税増税による税金負担の増加、医療制度改革等により、相当数の病院において経営状況が悪化した場合、電子カルテシステム市場が順調に拡大しない可能性もあります。
このように政府の諸施策は、電子カルテシステム市場の規模伸縮に影響を及ぼす可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法規制について
電子カルテシステムについては、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第5版)」をはじめ、医療情報システムの導入及びそれに伴う情報の外部保存を行う場合の取扱い等に関する指針が示されているものの、現時点において、厚生労働省の前記通知にいう、ⅰ.真正性の確保、ⅱ.見読性の確保、ⅲ.保存性の確保という3基準以外に遵守すべき規格は定められておりません。しかしながら、当社グループは電子カルテシステムと合わせ、外部調達した医薬品医療機器等法の許可を必要とする医療機器に該当するハードウエアを販売することがありますので、医療機器販売業の許認可を取得するなど、その対応を行っております。
電子カルテシステムは、現在医薬品医療機器等法における医療機器に該当しておりません。従いまして、当該法律による規制対象にはならないものの、医療の提供に使用されることから、優良なソフトウエアであることは必須です。そのため、医薬品医療機器等法上の医療機器に当たらないヘルスソフトウエアを対象とした開発ガイドラインが一般社団法人ヘルスソフトウエア推進協議会より発行されており、MI・RA・Is/PX及びMI・RA・Is/AZはそのうちLevel-2に適合製品として登録しております。
今後も、電子カルテシステムは、その普及に伴い、診療現場での役割が増大し、仕様・規格等、製品に対し何らかの法規制が行われる可能性があります。その場合には、新たな仕様・規格等に対応する社内体制の確立や認証の取得、再開発又は新規開発等が必要となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 医療情報システムについて
当社グループでは、自社製品の電子カルテシステム、他社の医事会計システム等、複数の部門システムを組み合わせ、医療のトータルソリューションを医療機関に提供しております。
そのため、自社製品、他社製品を問わず、当社グループが提供したシステムの品質の低下や機能強化の遅滞、技術者の流出、当該他社の存続も含めた状況の変化が、当社グループの信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 知的財産権について
当社グループの事業に関わる知的財産権は、法制度や裁判例が生成途上にあり、確立した実務というべきものが存在しない分野も多く存在します。当社グループの事業に関わるこれら知的財産権法制やその運用実務が現状から大きく変更されるという事態が生じた場合、当社グループの事業に支障を及ぼすおそれがあります。
当社グループは、自社製品又はその技術に関し、必要に応じて知的財産権の登録出願を行う等その保護を図る方針であり、すでに主要製品である電子カルテシステムに関わる知的財産権の保護策として、当社グループ独自開発に関わるプログラム等については、著作権や商標登録を取得しておりますが、特許権を取得するまでには至っておりません。
当社グループは、過去及び現在において、第三者から知的財産権に関わる侵害訴訟等を提起されたことはありません。しかし、将来、当社グループの事業に関連して、第三者が知的財産権の侵害を主張し、侵害訴訟等を提起する可能性があります。
当社グループの属する市場が拡大し、事業活動が多様化・広汎化するに伴い、競争が進み、その結果として知的財産権を巡る法的紛争が増加する可能性があります。仮に関わる紛争に当社グループが巻き込まれるような事態に至ったときは、当該第三者の主張に理由があると否とを問わず、その解決に時間及び多大な費用を要する可能性があり、場合によっては、当社グループの信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 製品に関するクレーム等について
当社グループが開発・販売するソフトウエアやシステムに関し、ユーザー等から訴訟を提起され、又は損害賠償請求を受けたことはありません。当社グループは、その開発・販売に関わるすべてのソフトウエア等につき、欠陥等の不具合を発生させないよう、また、不具合が生じたとしても早期に発見し、かつ是正しうるよう、管理体制を構築しております。しかし、ユーザー等に損害を与えかねないソフトウエア等の提供を完全に回避し得るという保証はなく、当社グループの製品がユーザー等に損害を与えた場合、当社グループの事業又は提供する製品もしくは役務に対する信用に重大な影響を及ぼす可能性があります。
特に、電子カルテシステムは医療機関において利用されるものであり、患者の生命身体に関する情報に直接関わるシステムであることから、当社グループは細心の注意をもって開発し、ユーザーである医療機関において不測の損害を与えることがないよう導入・カスタマイズ作業や保守作業等にも万全を期しています。しかしながら、予期し難い欠陥ないし不具合が発生した場合、当社グループは、医療機関等から損害賠償請求を受ける可能性があり、その主張に理由があると否とを問わず、解決のために多大な費用と時間を必要とする可能性があります。また、そのような損害賠償請求を受けた結果、当社グループの信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 情報セキュリティについて
当社グループは事業活動を通じた情報システム等の開発・提供にあたり、多くの機密情報・個人情報を入手し得る立場にあります。そのため、当社の子会社では、「ISO/IEC27001」の規格要求事項に準拠した情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)、「JIS Q 15001:2006」個人情報保護マネジメントシステムに適合したプライバシーマークを構築・推進することで、個人情報を含めた情報管理体制の整備強化を図っております。また、品質マネジメントシステムの国際規格である「ISO9001:2008」の認証を取得し、製品・サービスの品質確保及び顧客満足度の向上に努めております。しかしながら、コンピューターウイルスの侵入や役職員の過誤、自然災害、急激なネットワークアクセスの集中等により、重要データの漏洩、コンピュータープログラムの不正改ざん等の損害が発生する可能性があります。万一、そのような事故が発生した場合には、当社グループの信用や業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 人材の確保、育成について
優秀な人材は、競合他社と差別化し得るための必須条件です。人材は、より良い製品を開発し、提供していくための原動力であり、急速なICT技術の進歩に対応しながら、システム開発及びユーザーサポートノウハウを蓄積し、教育の充実とともに社員のモチベーションを高める必要があります。当社グループでは積極的に優秀な人材を採用し、高度な開発技術と開発業務に関連した知識の習得のための教育や魅力的な職場環境の提供に努めておりますが、ICT技術の進歩への対応に遅れが生じる場合や人材の確保及び戦力化が計画通りに進まない場合には、当社グループの業績や成長性に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 売上債権の貸倒れの影響について
当社グループでは、国内の医療機関を中心とする多くの取引先に製品・サービスの提供を行っており、十分な与信管理の実行とともに、売上債権等に対して一定の貸倒引当金を計上する等、信用リスクの管理に努めております。しかしながら、与信先の信用不安等により、貸倒損失の発生や貸倒引当金を追加で計上する場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 業績の変動について
製品ユーザーである医療機関の事業年度の関係等により、第2四半期及び第4四半期に売上高が集中するため、四半期毎の業績格差が大きい傾向があります。また、検収基準で売上計上するプロジェクトについては、稼働時期の遅延等により、売上高が予定されていた連結会計年度内に計上されない可能性があり、その場合は当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 新規事業について
当社グループは、業務提携やM&Aを通じて、積極的な事業拡大を図り、グループ全体の企業価値向上を目指しております。新たに加わる子会社や、既存子会社における新事業、新製品の開発販売に関し、医療システム事業と同様に注力してまいりますが、これらの事業が計画通りに進まない場合、予測不能な事態が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13) 関係会社株式について
当社は、株式会社駅探の株式を取得し、持分法適用関連会社としております。また、医療・介護・福祉・保健に関わる情報システムや情報サービスを中心に、積極的な事業拡大を図るため、ベンチャー企業との業務提携あるいはM&Aを積極的に行っていきます。これら当社グループに加わった投資先において、事業の収益性が著しく低下した場合や、株式の評価が著しく低下した場合には、のれんの減損損失や株式の評価損が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当社グループが事業を展開しております医療業界においては、少子高齢化の進展が見込まれる中で、医療ニーズに応じたヒト、モノを的確に配置できるよう、地域医療構想の実現、医師・医療従事者の働き方改革の推進、及び実効性のある医師偏在対策の着実な推進を三位一体で推進していくことが求められております。
一方、医療情報システムに関する国策として、「未来投資戦略2018」により次世代ヘルスケア・システムの構築に向けたICT等の積極導入・活用が推進されており、個人の健康・診療情報等を医療機関等の間で共有できるネットワーク構築や、ビッグデータ利用推進のため、2020年までに400床以上の一般病院における電子カルテ普及率を90%とする具体的目標が引き続き維持される等、今後も医療の質向上や効率化に寄与する電子カルテシステムの普及が期待されております。
このような状況の中、売上高につきましては、2017年8月より販売を開始した当社グループの主力製品である電子カルテシステム「MI・RA・Is/AZ(ミライズ・エーズィー)」を含む医療システムの販売が前期に続き好調で、複数の大型案件の導入・更新や、2019年10月に実施された消費税率引上げに向けた医療機関のシステム投資の増加もあったことから、前期比で大幅な増加となりました。利益面におきましても、売上増に伴う売上総利益の増加等により、営業利益及び経常利益並びに親会社株主に帰属する当期純利益もそれぞれ前期比で大幅に増加しました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ793百万円増加し、7,812百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ275百万円増加し、2,924百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ518百万円増加し、4,887百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高11,651百万円(前期比28.8%増)、営業利益961百万円(前期比82.7%増)、経常利益984百万円(前期比66.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は531百万円(前期比82.8%増)となりました。
なお、セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
医療システム事業は、売上高11,578百万円(前期比29.0%増)、セグメント利益1,011百万円(前期比80.7%増)となりました。
その他は、売上高73百万円(前期比5.9%増)、セグメント損失31百万円(前期セグメント損失34百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ547百万円減少し、1,390百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は324百万円(前期は1,278百万円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益984百万円、売上債権の増加額1,263百万円、たな卸資産の減少額237百万円、仕入債務の増加額353百万円などによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は493百万円(前期は269百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出131百万円、無形固定資産の取得による支出336百万円などによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は378百万円(前期は258百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出271百万円、配当金の支払額93百万円などによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年10月1日 至 2019年9月30日) |
前期比(%) |
|
|
医療システム事業(千円) |
9,271,457 |
122.8 |
|
|
その他(千円) |
26,246 |
76.1 |
|
|
合計(千円) |
9,297,704 |
122.6 |
|
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 生産実績は総製造費用で表示しております。
3 セグメント間の取引については相殺消去しております。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年10月1日 至 2019年9月30日) |
|||||
|
受注高(千円) |
前期比(%) |
受注残高(千円) |
前期末比(%) |
|||
|
医療システム事業 |
9,674,980 |
104.3 |
2,291,494 |
70.7 |
||
|
その他 |
55,338 |
101.6 |
5,999 |
47.9 |
||
|
合計 |
9,730,319 |
104.3 |
2,297,493 |
70.6 |
||
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2018年10月1日 至 2019年9月30日) |
前期比(%) |
|
|
医療システム事業(千円) |
11,578,525 |
129.0 |
|
|
その他(千円) |
73,127 |
105.9 |
|
|
合計(千円) |
11,651,652 |
128.8 |
|
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、最近2連結会計年度において、総販売実績の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、会計方針の選択・適用、資産・負債や収益・費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りにつきましては、過去の実績や状況に基づく合理的な判断を基礎として行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の総資産は7,812百万円となり、前連結会計年度末に比べ793百万円増加いたしました。
流動資産は4,778百万円となり、前連結会計年度末に比べ503百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金の減少547百万円、受取手形及び売掛金の増加1,263百万円、仕掛品の減少235百万円などによるものです。
固定資産は3,033百万円となり、前連結会計年度末に比べ290百万円増加いたしました。これは主に、ソフトウエアの増加199百万円、土地の増加38百万円、建設仮勘定の増加55百万円などによるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は2,924百万円となり、前連結会計年度末に比べ275百万円増加いたしました。これは主に、買掛金の増加353百万円、未払法人税等の増加99百万円、長期借入金の減少244百万円などによるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は4,887百万円となり、前連結会計年度末に比べ518百万円増加いたしました。これは主に、利益剰余金の増加436百万円、非支配株主持分の増加79百万円などによるものです。なお、利益剰余金の増加の内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益531百万円の計上及び剰余金の配当による減少94百万円などによるものです。
2)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、2017年8月より販売を開始した当社グループの主力製品である電子カルテシステム「MI・RA・Is/AZ(ミライズ・エーズィー)」を含む医療システムの販売が前期に続き好調で、複数の大型案件の導入・更新や、2019年10月に実施された消費税率引上げに向けた医療機関のシステム投資の増加もあったことから、前連結会計年度に比べて2,605百万円増加し、11,651百万円(前期比28.8%増)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、売上増に伴う売上総利益の増加などにより、前連結会計年度に比べて435百万円増加し、961百万円(前期比82.7%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて240百万円増加し、531百万円(前期比82.8%増)となりました。
b. 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
c. 資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金需要は主に運転資金需要と設備資金需要とがあり、運転資金需要のうち主なものは外部調達費、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費であります。
また、設備資金需要としては主にシステム開発のための無形固定資産投資によるものであり、必要な運転資金及び設備資金は銀行借入により調達しております。当社グループの当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
当社グループの当連結会計年度における中期計画では、2021年9月期までに「MI・RA・Isシリーズ」1,000ユーザー、売上高営業利益率10%、株式時価総額100億円を達成することを目標としており、当連結会計年度では、「MI・RA・Isシリーズ」816ユーザー(進捗率81.6%)、売上高営業利益率8.2%(目標対比マイナス1.8ポイント)、株式時価総額(自己株式を含む)6,692百万円(進捗率66.9%)となりました。
前連結会計年度における中期計画の目標としていた連結売上高100億円については、当連結会計年度において達成いたしましたが、以下の3つの目標については、その達成時期を2022年9月期まで1年繰り延べました。
「MI・RA・Isシリーズ」ユーザー数については、競合との競争が厳しいことが進捗に影響を与える要因のひとつと考えておりますが、提携先を含めた販売力の強化及び魅力ある製品・サービスの投入を行うことにより目標達成を目指してまいります。
売上高営業利益率については、改善傾向にありますが、引き続き外部調達の見直しやシステム導入手法の改善等による向上を進めてまいります。
株式時価総額については、グループ各社の経営成績を着実に向上させることに加え、業務提携やM&Aを含めた事業領域の拡大により、100億円達成を実現するよう取り組んでまいります。
e.セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
〔医療システム事業〕
電子カルテシステム新製品「MI・RA・Is/AZ」を含む医療システムの販売に注力するとともに、「MI・RA・Isユーザーフォーラム」[1]の活動などを通じてユーザーニーズの把握に努め、顧客満足度の向上並びに製品・サービスの品質確保を図っております。
また、NECグループ等からの受託により、主に地域中核病院向けのシステム開発やシステム導入支援を行った他、病院内の情報システムの運用・管理を行ってまいりました。
当社グループの大半を占める医療システム事業の経営成績につきましては、前記の状況により、受注高9,674百万円(前期比4.3%増)、受注残高2,291百万円(前期末比29.3%減)、売上高11,578百万円(前期比29.0%増)、セグメント利益1,011百万円(前期比80.7%増)となりました。
〔その他〕
「Mocosuku」においては、ヘルスケア関連情報サイトの運営改善にとどまらず、新たなサービスの立ち上げに取り組んでおります。その他、クラウドデジタルサイネージ[2]システムについては、公共及び商業施設向けの販売に努めてまいりました。
その他の経営成績につきましては、受注高55百万円(前期比1.6%増)、受注残高5百万円(前期末比52.1%減)、売上高73百万円(前期比5.9%増)、セグメント損失31百万円(前期セグメント損失34百万円)となりました。
[1]MI・RA・Isユーザーフォーラム 電子カルテシステム「MI・RA・Isシリーズ」のユーザー病院が主体となって運営している情報交換の場であり、より使いやすく、充実したシステムへと発展することを目指し、見学会や情報交換会等の活動を定期的に行っている。
[2]デジタルサイネージ 液晶やLEDディスプレイを用いた電子看板。紙にくらべて様々なコンテンツを届けられることから、近年その普及が急速に進んでいる。当社グループでは、医療機関向け「MI・RA・Is/Signage」と公共及び商業施設向け「DJ-Signage」を取り扱っている。
該当事項はありません。
当社グループは医療に関わる様々なニーズに応えるべく、医療システム事業において、主力である電子カルテシステムの製品価値向上に向けた最新技術の導入や新規システムの開発に取り組んでおります。
現在の研究開発体制は、主として、システム開発部門が中心となり、グループ内で横断的なプロジェクトチームを編成しております。
医療システム事業における当連結会計年度の主な研究開発活動は、主力製品である電子カルテシステムの標準化や今後の事業領域拡大を見据えた活動を行ってまいりました。
当連結会計年度の研究開発費の総額は