第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

 当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用することとなるため、前連結会計年度までの「当期純利益」は、当連結会計年度以降は「親会社株主に帰属する当期純利益」が該当する利益となります。

(1)業績

 当連結会計年度の日本株式市場は、日本経済の自立回復に対する期待の高まりを背景に、年度初は海外投資家や個人投資家の強気見通しが優勢で株高となりましたが、夏場以降は中国のリスクが顕在化したこと等により非常に不安定な状態になりました。秋以降堅調に回復し、12月初めには一時的に日経平均株価は20,000円台を回復したものの、国際原油価格の下落や円高等の影響もあり、年明けから大きく低迷し、日経平均株価は前連結会計年度末に比べ12.7%下落した16,758.67円で取引を終えました。年度を通じて日経平均株価が下落したのは、平成22年度以来5期ぶりとなりました。韓国株式市場も、期初は海外資金の流入から堅調に推移いたしましたが、5月下旬以降は中東呼吸器症候群(MERS=マーズ)の感染者拡大、地政学的リスクの高まり及び中国市場の混乱等が影響し軟調に推移しました。日本株式市場と同様に秋以降持ち直しの動きがみられましたが、原油価格の下落による市場心理の悪化から海外投資家の売りが優勢となり、年初から大きく下落しました。その後3月末にかけて落ち着いたものの、韓国総合株価指数(KOSPI)は前連結会計年度末に比べ2.2%下落した1,995.85で取引を終えました。

 このような市場環境のもと、当社グループの当連結会計年度末運用資産残高は、韓国の大口顧客より一部解約を受けたものの、当社グループが運用する日本の投資信託に対して継続的に資金が流入したことから、9,599億円(前連結会計年度末は9,615億円)(注1、2)と前連結会計年度末に比して微減に留めることができました。運用資産残高は微減となったものの、比較的報酬料率の高い日本の投資信託に対する継続的な資金流入により収益性が高まり残高報酬が増加した結果、当社グループの業績は29億78百万円の営業利益となりました。当連結会計年度は、一定の利益を安定的に計上することができる基盤を整えることが出来た年度と総括しております。

 

 日本株式を投資対象とする運用戦略は、非常に不安定な市場環境下にありながら、当連結会計年度においても子会社であるスパークス・アセット・マネジメント株式会社が運用する複数のファンドが、国内外の運用評価会社から最高位の表彰を受けたのみならず、日本株式の運用会社として最も優れているとの評価も3年連続で受けました。この高い評価を背景に、受賞ファンドの販売会社に加わっていただいた野村證券様経由の資金が継続して流入した他、新たに設定した公募投信の残高も順調に残高を伸ばしました。私どもの投資哲学や運用スタイルへの関心も高く、講演等の依頼も多数寄せられていることもあり、日本の個人投資家の皆様にさらにSPARXブランドを幅広く認知頂くよう、広報及び宣伝活動を積極化してまいります。また、欧州・米国・韓国でも、各地の規制に則った公募投信を提供しておりますが、その残高も着実に拡大しており、グロ-バルに日本株の公募投信を提供する、数少ない日本の運用会社としての強みをさらにアピ-ルしてまいります。

 また、新たな取り組みとして、次世代の成長に資する投資を長期的な視点から実践し、投資会社として未来を創造する新たな領域を開拓するため、トヨタ自動車様及び三井住友銀行様と新ファンドを設立し、ベンチャー企業への投資を開始しております。ファンドの残高は当連結会計年度末で200億円を超えましたが、さらに来年度半ばまで追加出資を募り、最終的には総額500億円超のファンドを目指してまいります。

 再生可能エネルギー発電事業を投資対象とする運用戦略は、運用資産残高が着実に拡大し、当連結会計年度末時点で全国23ヶ所、設備容量272MWの発電施設への投資を実行しております。また投資対象も太陽光、風力から、地熱・バイオマスなどへと拡大しております。既にプレスリリースにてご報告のとおり、上場インフラファンド市場参入計画を見直すことといたしましたが、これまでの再生可能エネルギー発電設備の開発及び運営で得られた知見・ノウハウ・ネットワークを最大限に活用し、今後も引き続きインフラファンドのパイオニアとして皆様のご期待にお応えすべく、魅力的な投資商品の提供を行うため、自ら発電設備の開発とともに、外部からの発電設備の取得も積極的に行ってまいります。具体的には、当社グループが、これまで提供してきた発電事業等の開発段階から運転開始までのフェーズにおける投資(グリーン・フィールド投資)に加えて、運転開始後のフェーズにおける投資(ブラウン・フィールド投資)にフォーカスした、長期的に安定したキャッシュ・フローを源泉としたファンドを、機関投資家等向けにご提供する準備を始めてまいります。

 

 上記の結果、当連結会計年度における残高報酬(注3、5)は、前期比38.1%増(注5)の66億47百万円となりました。また、成功報酬(注4、5)は、前期比21.0%増(注5)の17億30百万円となり、営業収益は前期比31.4%増の87億43百万円となりました。

 営業費用及び一般管理費に関しては、前期比10.2%増の57億64百万円となりました。これは、韓国子会社に係るのれんの償却が第2四半期連結累計期間において全て償却完了したことにより費用が減少したものの、運用資産残高の拡大に伴う支払手数料の増加、業容拡大に伴う人件費等の増加、業績に連動する賞与の増加などにより費用が増加したものです。

 この結果、営業利益は前期比109.4%増の29億78百万円、また、主に受取利息1億3百万円等の計上により経常利益は前期比73.5%増の30億4百万円となりました。

 さらに、当社が保有する投資有価証券の一部売却による投資有価証券売却益5億56百万円を特別利益に計上し、上場インフラファンド市場参入計画を見直すことになったことから当社連結子会社であるスパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社買収時に発生したのれんの未償却残高を、保守的に全て減損したことに伴い特別損失を1億84百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比79.1%増の26億85百万円となりました。

 

(注1)当連結会計年度末(平成28年3月末)の運用資産残高は速報値であります。

(注2)当連結会計年度より、日本再生可能エネルギー投資戦略の運用資産残高の算定方法を変更しております。これに伴い前連結会計年度末の当社グループ全体の運用資産残高を9,241億円から9,615億円へ変更しております。

(注3)残高報酬には、日本再生可能エネルギー投資戦略に関連する発電所等の管理報酬を含んでおります。

(注4)成功報酬には、日本不動産投資戦略に関連する不動産購入・売却の対価等として受ける一時的な報酬や、日本再生可能エネルギー投資戦略に関連する発電所等から、資金調達の対価等として受ける一時的な報酬(アクイジションフィー)を含んでおります。

(注5)当連結会計年度より、日本再生可能エネルギー投資戦略に関連する発電所等の管理報酬を「その他」から「残高報酬」に、日本再生可能エネルギー投資戦略から発生するアクイジションフィーを「その他」から「成功報酬」に、それぞれ変更しております。これに伴い前連結会計年度の各収益を以下のとおり変更しております。なお、この変更は連結損益計算書の勘定科目に関するものではありません。

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減率

残高報酬

(変更後)48億12百万円

(変更後)66億47百万円

(変更後)+38.1%

(変更前)47億84百万円

(変更前)65億50百万円

(変更前)+36.9%

成功報酬

(変更後)14億29百万円

(変更後)17億30百万円

(変更後)+21.0%

(変更前)11億57百万円

(変更前)10億53百万円

(変更前) △9.1%

その他

(変更後) 4億12百万円

(変更後) 3億65百万円

(変更後)11.3%

(変更前) 7億12百万円

(変更前)11億39百万円

(変更前)+60.0%

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、残高報酬及び成功報酬に係る収入によって、前連結会計年度末に比べ3億60百万円増加し、当連結会計年度末は130億70百万円(前期比2.8%増)となりました。

 

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主たる要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは24億66百万円の収入(前期は13億32百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が33億63百万円、のれん償却額が3億11百万円計上されたことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは9億65百万円の支出(前期は70百万円の収入)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出24億46百万円、有価証券の取得による支出10億87百万円、投資有価証券の売却による収入15億74百万円、有価証券の売却による収入11億9百万円があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは6億41百万円の支出(前期は10億4百万円の収入)となりました。これは主に配当金の支払い5億7百万円、自己株式の取得1億97百万円があったことによるものです。

 

2【営業の状況】

 (1)営業収益の状況

 当連結会計年度より、日本再生可能エネルギー投資戦略に関連する発電所等の管理報酬を「その他」から「残高報酬」に、日本再生可能エネルギー投資戦略から発生するアクイジションフィーを「その他」から「成功報酬」に、それぞれ変更しております。これに伴い前連結会計年度の各収益を変更しております。なお、この変更は連結損益計算書の勘定科目に関するものではありません。また、上記変更に伴い残高報酬料率につきましても変更しております。

 

当社グループの連結営業収益の項目別内訳は以下のとおりです。

項目

前連結会計年度(平成27年3月期)

当連結会計年度(平成28年3月期)

金額
(百万円)

構成比(%)

金額
(百万円)

構成比(%)

残高報酬

4,812

72.3%

6,647

76.0%

成功報酬

1,429

21.5%

1,730

19.8%

その他

412

6.2%

365

4.2%

営業収益合計

6,654

100.0%

8,743

100.0%


・残高報酬
 残高報酬料率(ネット・ベース)の推移は以下のとおりです。

区分

前連結会計年度
(平成27年3月期)

当連結会計年度
(平成28年3月期)

当社グループ残高報酬料率
(ネット・ベース)

0.51%

0.59%

(注) 残高報酬料率(ネット・ベース)=(残高報酬-残高報酬に係る支払手数料)÷ 期中平均運用資産残高

・成功報酬(株式運用ファンド関連)
 成功報酬は、単純なケースでは過去のファンド計算期間末日の「一口当たり純資産価額」=「Net Asset Value Per Share」(以下、「NAVPS」と言います。)の最高値を、今ファンド計算期間末日のNAVPSと比較して、今ファンド計算期間末日のNAVPSの方が高かった場合に、値上がり部分に一定料率をかけて計算します(これを「ハイ・ウォーター・マーク方式」といいます)。

 また、契約によっては、ベンチマークを一定以上上回った部分に一定料率をかけて計算するものもあります。

絶対リターン追求型の運用に多いハイ・ウォーター・マーク(HWM)方式の成功報酬の仕組み

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(注)1.上記の図は成功報酬の仕組みを簡便に説明したもので、実際の成功報酬の体系及びファンドの基準価格の
     計算方法を厳密に説明しているものではありません。
(注)2.上記では、説明の都合上、成功報酬の料率を便宜的に20%として計算しております。

 

(2)運用資産残高の状況

 日本再生可能エネルギー投資戦略の運用資産残高は、前連結会計年度までファンドのエクイティ出資額を掲載してまいりましたが、当連結会計年度から、ファンドの投資対象となる発電所設備等資産の取得価額を掲載しております。これは、当社グループが受取る報酬は、当該エクイティ出資額をベースとする投資顧問料収入だけでなく、当該取得価額をベースとする発電所等管理報酬も、契約に応じて毎月定額を受取っているためです。なお、上記に伴い「平均運用資産残高」及び「成功報酬付運用資産残高及び比率」につきましても変更しております。

 

 以下の表は、当社グループの当期の運用資産残高の状況を示したものです。なお、日本円建て以外の運用資産残高を日本円に換算する際には、それぞれの時点における月末為替レートを用いております。
 当社グループは、以下の場合を除き、直接的、間接的に子会社の持分割合を100%保有しており、下記の数値は当社子会社に対する当社持分に拘らず運用資産残高の100%を記載しております。

 

会社名

平成27年3月

平成28年3月

 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.

 70.1%

 70.1%

 

 ① 投資対象別の四半期運用資産残高の推移                        (単位:億円)

投資対象

平成27年6月

平成27年9月

平成27年12月

平成28年3月

日本

6,087

6,287

7,378

7,388

韓国

3,978

2,231

2,171

1,979

アジア全域

301

291

268

231

合計

10,367

8,809

9,818

9,599

(注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

   2.平成28年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

   ② 平均運用資産残高                                  (単位:億円)

 

平成27年3月期

連結会計年度

平成28年3月期

連結会計年度

当社グループ合計

8,110

9,732

(注) 1.各期の月末運用資産残高の単純平均であります。

2.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

3.平成28年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

   ③ 成功報酬付運用資産残高及び比率

会社名

 

平成27年3月

平成28年3月

当社グループ合計

残高(億円)

4,578

3,846

比率(%)

47.6

40.1

(注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

   2. 平成28年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

 

  ④ 投資戦略別四半期末運用資産残高の推移
  投資対象が日本となる運用資産残高の内訳

(単位:億円)

投資戦略

平成27年6月

平成27年9月

平成27年12月

平成28年3月

日本株式ロング・ショート投資戦略

425

435

465

399

日本株式長期厳選投資戦略

1,825

2,173

2,679

2,623

日本株式中小型投資戦略

2,034

1,828

2,070

1,916

日本株式環境・クリーンテック投資戦略

997

877

956

852

日本不動産投資戦略

181

181

181

181

日本再生可能エネルギー投資戦略

553

724

819

1,134

未来創生投資戦略

135

216

その他

70

66

70

65

合計

6,087

6,287

7,378

7,388

(注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

   2.平成28年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

  ■投資対象が韓国となる運用資産残高の内訳

(単位:億円)

投資戦略

平成27年6月

平成27年9月

平成27年12月

平成28年3月

 韓国株式一般投資戦略

74

71

82

74

 韓国株式集中投資戦略

106

96

97

92

 韓国株式アクティブ投資戦略

3,797

1,860

1,733

1,566

 その他

202

257

245

合計

3,978

2,231

2,171

1,979

(注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

   2.平成28年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

  ■投資対象がアジア全域となる運用資産残高の内訳

(単位:億円)

投資戦略

平成27年6月

平成27年9月

平成27年12月

平成28年3月

 アジア株式投資戦略

301

291

268

231

合計

301

291

268

231

(注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

   2.平成28年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

3【対処すべき課題】

当連結会計年度は、直近の目標であったグループ運用資産残高1兆円の回復を達成し、一定の利益を計上することが出来る基盤を整えることが出来た年度になったと考えております。来年度は、2,000億円を超える運用資産の純流入を目標とし、役職員が一丸となって達成に邁進する他、リーマンショック以前の利益水準を安定的に達成することの出来る「完全復活」、さらにはその先の「新たな成長」という更なる飛躍に向けて、以下の課題に継続的に取り組んでまいります。

 

 課題の第一として、良好なファンド・パフォーマンスの維持・向上を継続的に目指してまいります。

 運用会社にとって最も大切なことは「もっと良い投資」を行い続けることです。幸いなことに本年も、リッパー・ファンド・アワード・ジャパン2016において、GDP上位5カ国で史上初となる3年連続の最優秀運用会社(株式部門)を受賞した他、当社グループが運用する複数のファンドが外部運用評価機関から表彰される等、当社グループ及びファンドに対して引き続き高い評価を頂いておりますが、これに慢心することなく、今後も「もっと良い投資」を行い続けることができる体制の維持・強化に努めてまいります。

 

 課題の第二として、足元の業績拡大に加え、今後の中期的な成長に向けた組織体制の充実・強化を図ってまいります。

 当社は、2019年7月に創業30周年を迎えますが、1989年に「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニー」を目指して創業しました。この実現のため、「お客様が何を考え、何を求めているのか」を正しく理解し、その奥に隠れたニーズに応えていくことが大切であると常に考えてまいりました。

 今後も、独立系の上場資産運用会社として、受託者責任に対する高い規範を維持しながら、当社グループの強みや特徴を生かした魅力ある商品の機動的な開発とお客様への高品質なサービス提供によって、お客様の期待を常に超えるため、会社や組織の枠を超えて全ての役職員が目的と課題を共有し、組織全体として協働することができる体制と企業文化の維持・強化に取り組んでまいります。

 

 課題の第三として、個人投資家の皆様から「日本/アジアへの投資ならSPARX」という圧倒的な支持をいただけるブランドを、じっくりと構築してまいります。

 日本では、NISA(ニーサ。少額投資非課税制度)の導入等を契機に、個人投資家の資産形成への関心が改めて高まっております。これまで私どもが運用する投資信託のご案内は、証券会社や銀行の方々が担われ、私どもとお客様との関係は間接的なものにとどまっておりましたが、今後は、スマートフォンやタブレット端末の普及等通信インフラの進歩により、それぞれの投資信託の背景にある投資哲学や投資のインテリジェンスを、運用者自らが個人投資家の皆様に直接ご説明し、個人投資家の皆様から直接にフィードバックを頂くという直接的な関係に変化していく可能性が、飛躍的に高まるものと考えております。

 このような認識をベースに、1,700兆円もの巨額の金融資産を有する日本の個人投資家に対して、具体的な投資のソリューションをご提供することを通じてSPARXを国民的ブランドとしてご認識いただく、という高い志をもって、この挑戦に引き続き取り組んでまいります。

4【事業等のリスク】

 当社グループは、事業の性質上様々なリスクにさらされており、これらのリスクは将来の当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。以下に、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しておりますが、当社グループの事業遂行上発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。

 なお、文中の将来に関する事項の記述は、当連結会計年度末日現在において入手可能な情報に基づき、当社が合理的であると判断したものであります。

 

① 事業内容の特性に係るリスク

  ・顧客に提供する商品及びサービスが特定の分野に集中していることに係るリスクについて

 当社グループの収益の大半は投信投資顧問業に係る委託者報酬及び投資顧問料収入によって構成されており、加えて当社グループが運用する資産の投資対象の大半を日本株式及び韓国株式を中心とするアジア株式が占めています。従って、当社グループの運用資産残高や運用実績等は、日本及びアジア地域の株式市場に影響を及ぼす事象や同地域の株式に対する顧客の資産配分方針に大きく影響を受けるほか、日本・アジア及び世界経済の動向にも大きな影響を受けます。その結果、当社グループの委託者報酬及び投資顧問料収入も大きく変動する可能性があります。

株式を運用対象とする事業において投資戦略の多様化に取組む一方、不動産や再生可能エネルギー発電事業等のインフラ資産を運用対象とする商品の開発・提供に注力すると共に、各種のアドバイザリー業務等にも取組んでおり、着実に拡大しておりますが、グループ業績を支える第2の柱へと成長する途上にあります。従いまして、今後も日本及び韓国を中心とするアジアの株式市場の動向により運用資産残高の低下に伴う運用報酬の減少、さらには運用実績の低迷に伴う成功報酬の減少など、当社の業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

 

  ・顧客基盤や販売チャネルの不安定性に係るリスクについて

 当社グループは国内外に幅広い顧客ネットワークを構築して参りましたが、その基盤は必ずしも十分なものではありません。また、それら顧客と当社グループとの契約は比較的短期の事前通知により、また契約によっては事前通知することなく、いつでも顧客が解約することが可能です。一部の投資顧問契約及び投資信託を除いては、顧客に契約の終了又は資金の引出しを禁じるロック・アップ期間はありません。よって一部の顧客が契約の全部又は一部解約などを行ったり、他の顧客がこれに追随するなどしてファンド規模が縮小することがあります。さらに解約などによりファンド規模が縮小した場合、既存又は新規の顧客から新たな資金を集めることが困難になることがあります。これらの結果、運用報酬額及び当社グループの業績にも悪影響を与えることとなります。

 さらに、当社グループは他の多くの資産運用会社と異なり、銀行、証券会社、保険会社といった大手金融機関を核とした金融機関の系列に属しておらず、独立系の資産運用会社として自力で顧客基盤と販売チャネルを構築してまいりました。これらの競合他社は、系列に属することで強力な販売チャネルの活用が可能となることに加え、比較的に解約リスクの低い資金を集めることが可能であり、当社は運用資産残高及び営業収益の安定性あるいは耐久力に関して、比較劣位にあります。従いまして、今後も顧客基盤や販売チャネルの不安定性に基づく当社グループの運用資産残高の低下に伴う残高報酬の減少など、当社の業績に影響が及ぶおそれがあります。

 

  ・運用実績の変動に係るリスクについて

 当社グループが顧客から受託している運用資産に係る運用実績が悪化した場合、既存顧客との契約の維持及び新規契約の獲得に困難が生じ、運用資産残高の減少を招き、当社グループの業績及び今後の事業展開に悪影響をもたらすおそれがあります。

 また、当社グループは営業収益の一部を、運用実績に基づく成功報酬により得ております。しかしながら、成功報酬の金額は、平成24年3月期:4億54百万円、平成25年3月期:40百万円、平成26年3月期:28億25百万円、平成27年3月期:14億29百万円、平成28年3月期:17億30百万円と、運用実績を反映して毎年大きく変動しております。良好な運用実績を安定的に達成するため、当社グループは運用能力の維持向上に努めておりますが、このような努力が成功する保証はありません。

 さらに、当社グループが運用する投資戦略は、成功報酬の付帯比率が高いオルタナティブ運用型の投資戦略と成功報酬の付帯比率が低い伝統的運用型の投資戦略の2つに大別され、この成功報酬の付帯比率を高位に保つことを経営方針の1つとしておりますが、日本及び韓国を中心とするアジアの株式市場の変動をはじめとする市場環境の動向や、それに基づく当社グループの運用実績、顧客の資産配分方針の変動などによって成功報酬の付帯比率が変動する可能性があります。

 

・運用資産の多様化に係るリスクについて

 当社グループは、不動産や再生可能エネルギー発電事業等のインフラ資産を運用対象とした商品の開発・提供にも注力しております。

 当該分野の事業発展には、従前とは異なった経験や知見を有する人材やリソースの確保が必要であり、事業展開に想定以上の時間を要したり、初期投資の負担が収益性を毀損するおそれがあります。その他、これらの事業領域では、個々の案件を推進した当社グループが第三者に生じた損害に対して賠償責任が生じ得る等の独自のリスクもあることから、かかるリスクは可能な限り保険或いは契約等により回避を図るものの、リスク回避の手法、法的規制に対する十分な理解や内部管理体制の構築、そのための人材の充実が求められます。また万一、顧客やマーケットの信頼を失いさらには監督当局から行政処分を受けるなどした場合は、当社グループの事業、経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
 さらに、新規分野においては必ずしも市場が十分に成熟していないことを背景として、法令や諸規則の改正又はその解釈や運用の変更が行われる可能性もあり、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

・当社グループが管理運営するファンドに係るリスクについて

 当社グループが無限責任組合員又はゼネラルパートナーとしてファンドに関与している場合において、その運用方針、運用制限に沿ってファンド運用を行っている限りは、ファンドの出資額を超える損失が発生し、またそれについて当社グループが責任を負わなければならない事態は、ファンドの運用方針、運用制限の内容からは想定されません。しかしながら、何らかの逸脱行為によって出資額を超える損失を負担する可能性を完全には否定できず、この場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

信用供与に関する偶発債務の顕在化のリスクについて

 当社グループが不動産や発電事業等の実物資産に係る投資スキームを構築する上で、子会社や投資スキーム等を通じて保証等の信用供与を行う必要が生じる場合が例外的に存在します。信用供与先が、信用力低下や破綻等によって取引当事者としての義務を果たせない場合は、当社グループが当該債務履行責任を負担することとなる等偶発債務の顕在化のリスクを負うこととなります。このような信用供与を例外的に行う場合には、保証実行のリスク等を慎重に検討した上で実行しておりますが、当該信用供与に関する偶発債務の顕在化のリスクを完全に回避できるものではありません。よって信用供与に関する偶発債務の顕在化のリスクが具体化した場合には、これにより、当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

 

・投資先企業への役員派遣に係るリスクについて

 当社グループは投資先企業の価値向上のため、役職員を投資先企業の役員として派遣することがあります。その役職員個人に対し、役員損害賠償請求等があった場合、当社グループがその個人に生じた経済的損失の全部又は一部を負担することとなる可能性があるほか、当社グループに使用者責任が発生する可能性があります。

 

② 経営の外部環境に係るリスク

  ・他社との競合に係るリスクについて

 資産運用業、特に投資助言業は、金融業界の他業種に比べると参入障壁が比較的低い業種であり、常に国内外からの新規参入者との競合を覚悟する必要があります。また、グローバルレベルでの資産運用ニーズの高まりは資産運用業界全体にとっての追い風ではありますが、これにより新規参入が将来にわたってさらに促進される可能性があると共に、国内外の大手金融機関が資産運用サービスを経営戦略上重要なビジネスと位置づけ、積極的に経営資源を投入してくるケースも想定されます。また、業界内での統廃合によって、当社グループの競合他社の規模や体力が増強されることがあります。さらに、競合他社が当社グループのファンドマネージャーやその他の従業員の移籍・採用を図る可能性もあります。

 この様に他社との競合は激化していくことが予想され、その場合には、顧客の獲得や維持に困難が生じるだけでなく、残高報酬料率や成功報酬料率の水準にも影響を及ぼし、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

 

  ・為替相場の変動に係るリスクについて

 当社グループの財務諸表は円建てで表示されているため、外国為替レートの変動は、外貨建て資産及び負債の円換算額に影響を及ぼします。また、当社が海外子会社を連結する際には、当該子会社における外貨建ての資産や負債あるいは収益及び費用の円換算額も変動し、連結貸借対照表・連結包括利益計算書上の「為替換算調整勘定」を変動させます。

 日本国内の主要子会社であるスパークス・アセット・マネジメント株式会社の営業収益の大部分は円建てですが、一部の外貨建て取引においては外国為替レートの変動により、これらを円換算する際に、為替差損が生じるおそれがあります。日本以外の顧客との契約の増加などを理由として外貨建て取引が増加した場合、為替変動リスクが増大する可能性があります。

 当社グループでは、為替変動リスクの業績への影響を最小限にするため、為替予約を行うなど為替変動リスクをヘッジする方策を講じておりますが、その方策が十分でない場合には当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

③ 内部管理に係るリスク

  ・アジア地域で実行したM&Aに係るリスクについて

 当社グループは、国内外の投資家に対してアジア地域の成長機会を提供すべく、アジア地域の運用会社のネットワーク化に取り組んでおります。

 平成17年2月には、韓国に拠点をもつSPARX Asset Management Korea Co.,Ltd.(以下、「SPARX Korea社」)の発行済株式の過半数を取得し、また、平成20年12月には、韓国ロッテグループとSPARX Korea社の更なる成長を目的とした資本提携の合意に達し、当社グループが保有するSPARX Korea社株式の一部を韓国ロッテグループに譲渡いたしました。また、平成18年6月には、香港を主な拠点とするSPARX Asia Capital Management Limited(旧 PMA Capital Management Limited)の全株式を取得いたしました。さらに、平成26年4月には、総合不動産投資顧問業(いわゆる不動産投資一任業及び不動産投資顧問業)等を営むスパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社(旧 ジャパンアセットトラスト株式会社)の株式を取得し、完全子会社といたしました。

 しかしながら、M&A戦略に基づく事業展開が計画通りに進捗しなかったり、あるいは予期しない環境変化などにより買収会社の業績が著しく悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

  ・自己勘定からの投資に係るリスクについて

 当社グループは、自己勘定から当社グループが運用するファンド等への投資を行っております。平成28年3月末の有価証券・投資有価証券の残高は38億29百万円であり、総資産の18.5%を占めています。この投資額は過去から増減しており、余裕資金の残高、市場環境及び当社グループの運用実績に基づき、今後も大きく変動する可能性があります。この投資による取得原価と時価との差異は、税効果を考慮した後、貸借対照表における「その他有価証券評価差額金」に計上されておりますが、実際に解約・償還等が行われた場合や時価が著しく下落したこと等により減損処理を行った場合には損益計算書に反映され、当社グループの業績が悪影響を受けるおそれがあります。

 

  ・税に係るリスクについて

 当社グループは国内外で事業を展開し、それぞれが各国の税法に準拠して適正な納税を行っております。しかし、国や地域間での税務上の取り決め及び各国や各地域における税制上の制度運用や解釈などに変更が生じた際の対応が不十分な場合には、今後の事業展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

  ・人材の確保に係るリスクについて

 当社グループは、事業の維持及び成長を実現するためには、全ての部門で適切な人材を適切な時期に確保することが重要と考え、継続的に優秀な人材を採用し、教育を行ってまいります。しかし、優秀な人材が社外に流出した場合や人材の採用・教育が予定通り進まなかった場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、これにより当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

 

  ・外部事業者に係るリスクについて

 当社グループは、業務遂行の過程で多くの外部事業者を活用しています。これらには投資信託財産や顧客資産の保管・管理を行うために指定される受託銀行(投資信託委託契約及び国内顧客との投資一任契約の場合)及び保管銀行(外国籍の顧客との投資一任契約の場合)、取引を執行する証券会社などが含まれます。当社グループでは、特定の外部事業者に依存した業務遂行は行っておりませんが、当社グループが利用している外部事業者において、安定的なサービス提供に困難が生じるような事態が発生した場合、当社グループの業務遂行上に支障が発生するおそれがあります。また、当社グループの信用が間接的に損なわれるおそれもあります。

 

  ・システム障害に係るリスクについて

 当社グループのコンピューター・システムに障害が生じた場合、当社グループの業務に悪影響を及ぼすおそれがあります。セカンド・オフィスの維持運営を含む業務継続のための計画を策定し、事故・災害等発生時の業務への支障を軽減するための対策を講じておりますが、テロ、地震・風水害等の自然災害や外部からのサイバー攻撃その他の不正アクセスにより、想定以上のシステム障害が発生した場合には、業務に悪影響を及ぼすおそれがあります。また業務系の基幹システムの一部にはシステムの開発から長期間経過しているものがあり、個別に改良を加えているものの、システムの陳腐化が発生しているおそれがあります。

 

  ・役職員による過誤及び不祥事並びに情報漏えいに係るリスクについて

 当社グループは、社内業務手続の確立を通して役職員による過誤の未然防止策を講じております。また、社内規程やコンプライアンス研修の実施により役職員が徹底して法令を遵守するよう指導に努めております。しかしながら、人為的なミスを完全に排除することはできません。また、役職員個人が詐欺、機密情報の濫用、その他の不祥事に関与し、法令に違反する可能性を否定することはできません。内部者又は不正なアクセスにより外部者が、顧客又は当社グループの機密情報を漏洩したり悪用したりするリスクも完全に排除することはできません。

 このような役職員等による過誤や不祥事等、あるいは情報の漏洩や悪用が発生した場合、当社グループが第三者に生じた損害を賠償する責任を負うだけでなく、顧客やマーケットの信頼を失い、さらには監督当局から行政処分を受けるなど、当社グループの事業、経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

④ その他のリスク

  ・法的規制に係るリスクについて

 当社グループは、日本においては、金融商品取引法に定める投資運用業、投資助言業、第一種金融商品取引業及び第二種金融商品取引業に加え、それらに関連あるいは付随する業務を営んでおりますので、金融商品取引法を始めとする各種の法令や諸規則を遵守する必要があります。また、韓国、香港、バミューダ及びケイマン等におきましても資産運用業等を営んでおりますので、それぞれの国や地域における法令や諸規則を遵守する必要があります。これら国内外の法令や諸規則の遵守を徹底するため、グループ各社が社内規則及びモニタリング体制の整備、さらには役職員等に対する研修に努める一方、当社に設置されたコンプライアンス委員会がモニタリングと指導の役割を担っております。これらの措置によりコンプライアンス態勢は適切な水準を維持しているものと考えておりますが、広範な権限を有する監督当局等から行政上の指導あるいは処分を受けるというような事態が生じた場合には、その内容によっては通常の業務活動が制限されたり、行政処分などを理由として顧客が資産を引き揚げたりするおそれがあります。また、法令や諸規則の改正又はその解釈や運用の変更が行われる場合、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

  ・訴訟等の可能性に係るリスクについて

 当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟等は現在存在しません。また当社グループの事業に重大な影響を及ぼすような訴訟に発展するおそれのある紛争も現在ありません。しかしながら、当社グループの事業の性格上、当社及び当社の国内外子会社が関連法規や各種契約などに違反し、顧客に損失が発生した場合等には訴訟を提起される可能性があります。このような訴訟が提訴された場合、訴訟の内容及び金額によっては当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

  ・阿部修平への依存の高さに係るリスクについて

 当社の創業者であり、現 代表取締役社長、また大株主でもある阿部修平は、当社グループの事業経営及び投資戦略の方向性の決定において重要な役割を果たしています。当社グループは、より組織的な運営形態の構築及びマネジメントを担い得る人材の育成により、阿部個人への依存度を引き下げる努力を行っておりますが、阿部が何らかの事情で通常の職務を遂行できなくなる場合には、当社グループの業績に少なからぬ悪影響を及ぼすリスクがあります。

 さらに、平成28年3月末現在、阿部は、その親族及びそれらの出資する会社(以下「阿部グループ」といいます)を通じて、当社株式の過半を保有する大株主であります。このため、阿部グループは、当社取締役及び監査役の選任等会社の基本的な事項を決定することができます。この点においても、阿部が何らかの事情で通常の職務を遂行できなくなる場合には、当社グループの利益ひいては他の株主の利益に少なからぬ悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

  ・連結の範囲決定に係るリスクについて

当社グループは、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 実務対応報告第20号 最終改正平成23年3月25日)を適用しており、各ファンド及びSPCごとに、アセットマネジメント契約や匿名組合契約等を考慮し、個別に支配力及び影響力の有無を検討した上で、子会社及び関連会社を判定し、連結の範囲を決定しております。

今後、新たな会計基準の設定や実務指針等の公表により、各ファンド及び各SPCに関する連結範囲決定方針について、当社グループが採用している方針と大きく異なる会計慣行が確立された場合には、当社グループの連結範囲決定方針に大きな変更が生じ、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ・ストック・オプション制度に係るリスクについて

 当社グループはストック・オプション制度を採用しており、同制度に基づいてグループの多数の役職員にストック・オプションを付与しております。付与されたストック・オプションの目的となる株式の数は、平成28年3月末現在、68,900株であり、全て行使可能です。ストック・オプションを付与された者がこれを行使し、当社が新株を発行した場合、その範囲で、株主持分及び一株当たり利益が希薄化されることになります。

 また、ストック・オプション等の付与に伴い株式報酬費用が発生しましたが、ストック・オプションが役職員のインセンティブの高揚に十分寄与せず、業績の向上が達成されない場合には、当該費用は当社の経営成績に対して負の影響を及ぼすこととなります。

 

  ・負債による資金調達に係るリスクについて

 当社グループでは、これまでアジア地域での事業展開を主たる目的に、自己資金の活用に加え、増資、銀行借入れ、社債による資金調達を行ってまいりました。事業環境の変化と財務状況等を踏まえ、外部負債の水準の適切なコントロールに務めた結果、平成28年3月末時点で外部有利子負債額は30億円となっております。今後もバランスシートの健全性、キャッシュ・フローの安定性に留意した資金計画と財務活動により、事業の発展に応じた資金調達に取り組みますが、株式会社格付投資情報センターより平成28年3月末時点で取得している発行体格付けは「BBB-(ポジティブ)」であり、金融市場での信用収縮や金利上昇が生じた場合には、追加的な資金調達に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、後述の「第5経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 経営成績の分析については、「第2事業の状況 1業績等の概要(1)業績」に含めて記載しております。

 

   (次期の見通し)

 当社グループの主たる事業である投信投資顧問業は、業績が経済情勢や相場環境によって大きな影響を受けるため将来の業績予想は難しいと認識しており、次期の見通しについての具体的な公表は差し控えさせていただきます。

 

(3)当連結会計年度の財政状態の分析

<資産の部>

当連結会計年度末の資産合計は、前期末に比べ12億29百万円増加し、206億80百万円となりました。主な増減内

訳は、現金及び預金が3億60百万円の増加、有価証券が4億94百万円の増加、未収入金が4億54百万円の増加、繰延

税金資産が3億26百万円の増加、のれんが5億6百万円の減少となっております。

 

<負債の部・純資産の部>

当連結会計年度末の負債合計は、前期末に比べ2億84百万円増加し、49億46百万円となりました。主な増減内訳

は、未払金が3億61百万円の増加、未払法人税等が2億11百万円の増加、繰延税金負債が2億10百万円の減少となっ

ております。

 

当連結会計年度末の純資産合計は、前期末に比べ9億45百万円増加し、157億33百万円となりました。主な増減

内訳は、利益剰余金が21億75百万円の増加、自己株式が1億97百万円の増加、その他有価証券評価差額金が5億63

百万円の減少、為替換算調整勘定が4億24百万円の減少となっております。

 

(4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析について

 キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2事業の状況 1業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。

 

(5)中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、三つのInnovation(革新)に取組むことで新たな発展を図り、資産運用サービス業界において確固たる地位を確立した上で、欧米の一級の資産運用会社と伍して戦う水準までの成長を目指しています。

Innovation(革新)の第一は、日本/韓国/アジア株式を投資対象とする事業分野です。

中小型株式やロング・ショート等の運用戦略は、スパークスが日本の株式運用の世界にInnovationをもたらしたものです。「マクロはミクロの集積である。」との投資哲学に基づき、今後も既存の投資戦略の更なる高度化に取組む一方で、集中投資戦略や経営者との積極的な対話を通じた投資先企業の価値向上を図る投資戦略など、新たな投資の機軸を提唱・実践することで、日本の株式に対する価値評価や価格形成の新たな座標軸を提供し、国内外の投資家からの大きな支持を受けられるものと期待しております。また、こうした日本株式の運用に係るInnovationを、韓国及びアジア全体の株式運用にも結び付ける事が可能なグループ体制を有しておりますから、アジアにおいて最も先駆的な株式運用サービスの提供会社を目指してまいります。

Innovation(革新)の第二は、不動産や発電事業等のインフラ資産を投資対象とする事業分野です。

当社グループは既にメガソーラー発電事業を投資対象としたファンドを組成し、投資家からの出資を頂く一方で、投資先の発電事業には金融機関の厳格な審査を受けた上で、開発段階からノンリコースの借入が実行されるという投資スキームを実現しております。いくつもの発電事業所が既に完成して発電及び電力会社への売電を開始しており、当初の計画を上回るキャッシュ・フローを産み出しております。このように、株式運用の世界で培ってきた、既存のプレーヤーの発想とは異なった視点から投資を組み立てる知性と精神は、これらの新しい事業分野においても成長の糧となっております。不動産やインフラ資産への投資ニーズが、日本のみならず今後アジアでも大きく成長する可能性が高いと考え、この分野においては、SPARXの投資手法が市場の標準となるべく、常に先頭に立って挑戦を続けてまいります。

第三のInnovation(革新)は、家計あるいは個人金融資産へのアクセスの分野であります。

 これまで私どもが運用する投資信託のご案内は、証券会社や銀行の方々が担われ、私どもとお客様との関係は間接的なものにとどまっておりましたが、今後は、スマートフォンやタブレット端末の普及等通信インフラの進歩により、それぞれの投資信託の背景にある投資哲学や投資のインテリジェンスを、運用者自らが個人投資家の皆様に直接ご説明し、個人投資家の皆様から直接にフィードバックを頂くという直接的な関係に変化していく可能性が、飛躍的に高まるものと考えております。

 また日本では日本銀行の追加緩和策であるマイナス金利の導入により、個人投資家の資産形成方法について、改めて考える機会を提供することになると考えております。1,700兆円もの巨額の金融資産を有する日本の個人投資家に、SPARXを国民的ブランドとしてご認識いただく、という高い志をもって、この挑戦に取組んでまいります

さらに、アジア全域で急激に拡大する中間層と、アジア・ファンド・パスポート構想などに見られる規制のボーダーレス化を踏まえれば、アジアにおける投信ビジネスへの取組みは、私どもを異次元の成長ステージへ導く可能性があると考えております。