第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。

(1)経営方針

当社グループは、「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニー」を目指す、独立系の資産運用グループであります。また、資産運用サービスを中核事業とする企業グループとしては、日本で初の公開/上場会社であります。

私どもの経営の基本方針の第一は、投資家の皆様に真に役立つ投資インテリジェンスを運用商品として提供し、ご満足いただける運用成果をお届けすることであります。そのために、創業以来の「マクロはミクロの集積である。」との投資哲学に基づく徹底したボトムアップ・アプローチを基軸として、常に革新的な投資手法の開発に努めております。さらに、日本株のスペシャリストとしての経験と知識を株式以外の不動産や発電事業等のインフラ資産への投資スキームにも展開すると共に、韓国・香港の子会社が培った力を統合することで、アジアに関心を寄せる世界中の投資家の期待に応え得る投資インテリジェンスと優れた運用成果の提供に努めてまいります。

方針の第二は、お客様の期待に応えたビジネス拡大を通して、株主の皆様に満足いただける収益を産み出すと共に、企業としての存続と成長の礎となる適切なガバナンスとコンプライアンスの態勢を維持・強化することであります。更なる運用成績の向上への取り組みに加え、新たな投資商品の開発と提供によって収益の拡大を目指す際に、積極的な事業展開と効率性の追求が、コンプライアンスの弛緩に決して繋がることのないように、ガバナンスの実効性を絶えず検証してまいります。

方針の第三は、お客様と株主の皆様の期待に応える事業展開を支えるための有為な人材の保持、獲得と育成であります。高度な専門性と柔軟な創造力、そして強い自己規律の精神を持った人材がチームとして取組んでこそ、私共が目指す資産運用サービスの提供が可能になると考えております。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの収益の大半を占める投信・投資顧問料収入は、運用資産の残高と報酬料率に応じて生じる残高報酬と、運用成績の良否等によって変動する成功報酬に大別されます。後者の成功報酬は、当社グループの全ての運用資産から発生するものではありません。

従って、当社グループにとって最も重要な経営指標は、収益の源泉である運用資産の残高及び残高報酬料率であります。運用資産残高の推移は適時に把握するのみならず、その変動がお客様からの新規設定や解約によって生じたものか、市場の一般的動向によるものか、運用成績の良否によるものか等を分析し、当社グループの事業競争力の客観的な把握に努めております。また、より付加価値の高い投資戦略を開発・提供することによって、より高い残高報酬料率の実現に努めております。

次に重要な経営指標は、残高報酬の金額から経常的経費を差引いた金額として認識される基礎収益力の水準であります。基礎収益力は持続的かつ安定的な事業運営の基盤でありますから、それが赤字となる状況が生じた場合には、運用報酬の増加を目指すのは当然でありますが、経費削減も含めたあらゆる施策により早期に黒字を回復させる必要があります。一方、基礎収益力が十分な黒字を維持している場合には、成長に向けた投資余力があるとの判断も可能です。

さらに、成功報酬の金額も当然に重要な経営指標の一つであります。当社の営業成績は、基礎収益力と成功報酬によって大半が決定し、その結果に基づき賞与等の支払も決定されますから、成功報酬の多寡が年度毎の営業利益の水準に大きく影響します。全運用資産の内で成功報酬が発生し得る資産の割合、成功報酬の発生状況等、業績への影響度合いを把握するだけでなく、より付加価値の高い投資戦略を開発・提供することによって、成功報酬が発生しうる運用資産残高の増加に努めております。

 

(3)経営戦略等

当社グループは、着実に利益成長を実現する強い体質の構築を目指しております。その達成のため、以下4つの投資戦略が柱であると考えております。

 

1本目の柱は、日本株式投資戦略です。

資産運用に目覚める国内の個人投資家=「ザ・コジン」の他、海外の国家ファンドや年金を始めとする機関投資家様のニーズにも応えられる商品をさらに充実させてまいります。

個人向け商品としては、平成30年5月に、大手証券会社様を販売会社とした公募投資信託の運用を開始いたします。また国連が支援するPRI(責任投資原則)の署名機関となり、当社グループが以前から実践してきたエンゲージメント活動などが、PRIが掲げるESG(環境・社会・ガバナンス)を考慮した投資の意思決定及び所有方針と同じ方向性を共有していることを明確にしました。

 

2本目の柱は、OneAsia投資戦略(アジア株式を対象とする運用戦略)です。

運用、マーケティング両部門で3拠点(東京、香港、韓国)を一体化した取り組みを、さらに積極化してまいりました。朝鮮半島情勢が大きな転換期を迎えた今、韓国をはじめとするアジアに大きな投資機会が訪れていると確信しており、新たな商品の組成も検討してまいります。

3本目の柱は、実物資産投資戦略です。

再生可能エネルギー発電施設への投資は、平成30年3月末時点で全国25ヶ所、総発電容量380メガワットの投資を実行し、当面の目標に掲げてきた原子力発電所1基分(1ギガワット)の発電容量まで半分近くの規模に成長しました。太陽光だけでなく、木質バイオマスを活用した発電も始まっているほか、風力による発電も運転開始が視野に入っています。平成24年に設定した官民連携ファンド1号が償還を迎えました。東京都様の資金が呼び水となり、全国12ヶ所に総事業規模355億円の太陽光発電所を建設し、結果的に投資元本を1.6倍に増やすことができました。自治体の財政資金でしっかりとリターンを実現し、同時に公共性の高いインフラ設備を一定規模充実させた意義は大きいと自負しております。

 

4本目の柱は、未来創生投資戦略です。

「(AI)などの知能化技術」、「ロボティクス」、「水素社会実現に資する技術」を将来の中核技術と位置づけ、それらの分野の革新技術を持つ企業、プロジェクトを対象に投資し、平成30年3月末までに、投資先は、日本、米国などの5か国、48件、投資総額は233億円となりました。魅力的な投資先候補は引き続き豊富であり、また未来創生ファンド1号の投資額が平成31年3月期度早々にも投資限度額に達する見通しであることから、同年度中に未来創生ファンド2号の設立に取り組んでまいります。

 

創業30周年(平成31年7月)を目前に控えた平成31年3月期は、主として上記「4本柱」を中心とした事業展開によりグループ運用資産残高2兆円の達成に向けて努力を続けるだけでなく、その達成後の新しい目標を明確に共有し、準備を具体化する1年となります。

 

(4)経営環境

直近の経営環境については、第一部 企業情報、第2 事業の状況、3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要に含めて記載しております。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

当年度は、前年度比で大幅な増収増益を達成し、AUM(運用資産残高)、営業利益、1株当たり配当という3つの主要な経営指標で、過去の業績ピーク時の約7割まで回復致しました(よって今年度の決算を「7合目決算」と総括しています)。

来年度以降は、10合目にあたるグループ運用資産残高2兆円の達成に向けて努力を続けるだけでなく、10合目を超えた先の新しい頂上に向かう準備のため、また、企業価値を継続的に高め、「世界で最も信頼・尊敬される投資会社になる」ことで、「世界を豊かに、健康に、そして幸せにする」というミッションを実現するため、主として以下の課題に取り組んでまいります。

 

課題の第一として、市場に影響されない安定的な投資戦略と収益性の高い投資戦略によるハイブリッド型のビジネスモデルを、さらに強化・拡大してまいります。

成長実現のための4本柱(「日本株式」「ワンアジア株式」「実物資産」「未来創生」)という、従来からの高収益な上場株式の投資戦略と安定性のある実物資産/未来創生の投資戦略とのハイブリッドモデルを強化することで、経営体質の更なる充実を図るとともに、特徴のある魅力的な「感動投資」(『結果としての運用パフォーマンスにとどまらず、その結果に至る投資の全プロセスを投資家の皆様に感動していただけるような当社の特徴ある投資』を意味します)を実践しつづけることで、今後とも当社ならではの投資戦略を継続的に構築し、ビジネスモデルを更に多様化・安定化してまいります。

既存ビジネスの中では、特にワンアジア株式投資戦略について、これまでも進めてきた韓国・香港のリサーチチームと東京のリサーチチームとの協業による強化をさらに進め、日本株で採ってきた商品の差別化戦略を徹底することで、日本・韓国・香港の3拠点が1つとなってアジア株のAUM拡大に不退転の決意で臨み、具体的に目に見える形で成果を出してまいります。

 

課題の第二として、今後の積極的な事業拡大を支える、効率的で顧客本位の業務執行体制を維持・改善してまいります。

「感動投資」の実践によりユニークな投資戦略を提供しつづけるには、役職員一人一人が個人及び組織のレベルで創造的かつ柔軟であることが必要不可欠です。また、革新的な投資の実践には、必ずしもこれまでの経験が参考にならず、形式的にルールに従うだけでは顧客本位とは言えないケースもあることから、顧客本位の真の意味を常に組織全体が問い続けることで、「もっといい投資」の実践を通して成長し続ける企業文化の構築も必要となります。

これらの課題を、会社や組織の枠を超えて全ての役職員が共有し、組織全体として協働できる体制と企業文化の維持・強化に継続して取り組むことが、お客様に継続的に選択・支持され、質の高い長期投資を実現するファンドを長く安定して運用し続けるための、安定した組織体制に繋がるものと考えます。

独立系の上場資産運用会社であればこその柔軟性を活かし、今後も顧客本位の業務運営に努めてまいります。

課題の第三として、事業の拡大を支える優秀な人材の確保、育成及び次世代のマネジメントを育成、登用してまいります。

当社グループのビジネスは、「人が全て」と言っても過言ではありません。この点から優秀な人材の採用を社内における最優先課題の一つと位置付け、人事部門、採用希望部門の他、関係部門やマネジメントも一丸となって積極的に取り組んでまいります。

一方で、人件費は経費の中で最も金額の大きい固定費であり、その調整および採用については、多様性に配慮しつつも、当社グループの企業文化との親和性、周囲に良い影響を与えることのできる優れた人間性、変化への柔軟な対応力などをもとに慎重に見極めてまいります。

また、次世代のマネジメント育成方法としては、社内の人材に対してより高い課題を与えて自覚を促していく他、社外から優秀な人材を採用し、ある程度の時間を掛けて育成することで社内の優秀な人材と切磋琢磨させていくことが合理的であると考えます。

当社は、コーポレートガバナンス・コード導入前より複数の社外取締役を選任するなど、ガバナンスの強化にはこれまでも留意してまいりましたが、今後は、次世代マネジメントの育成、登用などの重要な課題に対しても、より積極的に取り組んでまいります。

 

課題の第四として、「日本/アジアへの投資ならスパークス」という圧倒的な支持をいただけるブランドを、じっくりと構築してまいります。

運用商品は、運用パフォーマンスや運用資産残高など以外に目に見えるものが少なく、一般的には理解しにくいものだと考えます。そこで、広報や宣伝活動等の様々な手法を通じて、それぞれの運用商品の背景に共通して存在している当社グループの投資哲学や、具体的に各運用商品に反映されている投資の考え方、インテリジェンスを、目に見える形でご紹介することで、他社とは異なる特徴ある「感動投資」の意味するところを具体的にご理解頂き、短期的な運用パフォーマンスではなく、中長期の運用パフォーマンスの裏づけとなる当社の独自性・優位性をご支持頂けるように努めてまいります。

また、上記活動の結果、1,800兆円もの巨額の金融資産を有する日本の個人投資家に対して、当社を「世界の投資家の水先案内人(キャピタル・ナビゲーター)」として安心してご選択いただけるよう、また当社を、アジアを代表するブランドとしてご認識いただけるよう、高い志をもって、この挑戦に引き続き取り組んでまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループは、事業の性質上様々なリスクにさらされており、これらのリスクは将来の当社グループの財政状態及び業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。以下に、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しておりますが、当社グループの事業遂行上発生しうるすべてのリスクを網羅しているものではありません。

 なお、文中の将来に関する事項の記述は、当連結会計年度末日現在において入手可能な情報に基づき、当社が合理的であると判断したものであります。

 

① 事業内容の特性に係るリスク

  ・顧客に提供する商品及びサービスが特定の分野に集中していることに係るリスクについて

 当社グループの収益の大半は投信投資顧問業に係る委託者報酬及び投資顧問料収入によって構成されており、加えて当社グループが運用する資産の投資対象の大半を日本株式及び韓国株式を中心とするアジア株式が占めています。従って、当社グループの運用資産残高や運用実績等は、日本及びアジア地域の株式市場に影響を及ぼす事象や同地域の株式に対する顧客の資産配分方針に大きく影響を受けるほか、日本・アジア及び世界経済の動向にも大きな影響を受けます。その結果、当社グループの委託者報酬及び投資顧問料収入も大きく変動する可能性があります。

株式を運用対象とする事業において投資戦略の多様化に取組む一方、不動産や再生可能エネルギー発電事業等のインフラ資産を運用対象とする商品の開発・提供に注力すると共に、各種のアドバイザリー業務等にも取組んでおり、着実に拡大しておりますが、グループ業績を支える第2の柱へと成長する途上にあります。従いまして、今後も日本及び韓国を中心とするアジアの株式市場の動向により運用資産残高の低下に伴う運用報酬の減少、さらには運用実績の低迷に伴う成功報酬の減少など、当社の業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

 

  ・顧客基盤や販売チャネルの不安定性に係るリスクについて

 当社グループは国内外に幅広い顧客ネットワークを構築して参りましたが、その基盤は必ずしも十分なものではありません。また、それら顧客と当社グループとの契約は比較的短期の事前通知により、また契約によっては事前通知することなく、いつでも顧客が解約することが可能です。一部の投資顧問契約及び投資信託を除いては、顧客に契約の終了又は資金の引出しを禁じるロック・アップ期間はありません。よって一部の顧客が契約の全部又は一部解約などを行ったり、他の顧客がこれに追随するなどしてファンド規模が縮小することがあります。さらに解約などによりファンド規模が縮小した場合、既存又は新規の顧客から新たな資金を集めることが困難になることがあります。これらの結果、運用報酬額及び当社グループの業績にも悪影響を与えることとなります。

 さらに、当社グループは他の多くの資産運用会社と異なり、銀行、証券会社、保険会社といった大手金融機関を核とした金融機関の系列に属しておらず、独立系の資産運用会社として自力で顧客基盤と販売チャネルを構築してまいりました。これらの競合他社は、系列に属することで強力な販売チャネルの活用が可能となることに加え、比較的に解約リスクの低い資金を集めることが可能であり、当社は運用資産残高及び営業収益の安定性あるいは耐久力に関して、比較劣位にあります。従いまして、今後も顧客基盤や販売チャネルの不安定性に基づく当社グループの運用資産残高の低下に伴う残高報酬の減少など、当社の業績に影響が及ぶおそれがあります。

 

  ・運用実績の変動に係るリスクについて

 当社グループが顧客から受託している運用資産に係る運用実績が悪化した場合、既存顧客との契約の維持及び新規契約の獲得に困難が生じ、運用資産残高の減少を招き、当社グループの業績及び今後の事業展開に悪影響をもたらすおそれがあります。

 また、当社グループは営業収益の一部を、運用実績に基づく成功報酬により得ております。しかしながら、成功報酬の金額は、平成26年3月期:28億25百万円、平成27年3月期:14億29百万円、平成28年3月期:17億30百万円、平成29年3月期:13億22百万円、平成30年3月期:44億76百万円と、運用実績を反映して毎年大きく変動しております。良好な運用実績を安定的に達成するため、当社グループは運用能力の維持向上に努めておりますが、このような努力が成功する保証はありません。

 さらに、当社グループが運用する投資戦略は、成功報酬の付帯比率が高いオルタナティブ運用型の投資戦略と成功報酬の付帯比率が低い伝統的運用型の投資戦略の2つに大別され、この成功報酬の付帯比率を高位に保つことを経営方針の1つとしておりますが、日本及び韓国を中心とするアジアの株式市場の変動をはじめとする市場環境の動向や、それに基づく当社グループの運用実績、顧客の資産配分方針の変動などによって成功報酬の付帯比率が変動する可能性があります。

 

・運用対象の拡大に係るリスクについて

 当社グループは、不動産や再生可能エネルギー発電事業等のインフラ資産を運用対象とした商品の開発・提供にも注力しております。

 当該分野の事業発展には、従前とは異なった経験や知見を有する人材やリソースの確保が必要であり、事業展開に想定以上の時間を要したり、初期投資の負担が収益性を毀損するおそれがあります。その他、これらの事業領域では、個々の案件を推進した当社グループが第三者に生じた損害に対して賠償責任が生じ得る等の独自のリスクもあることから、かかるリスクは可能な限り保険或いは契約等により回避を図るものの、リスク回避の手法、法的規制に対する十分な理解や内部管理体制の構築、そのための人材の充実が求められます。また万一、顧客やマーケットの信頼を失いさらには監督当局から行政処分を受けるなどした場合は、当社グループの事業、経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
 さらに、新規分野においては必ずしも市場が十分に成熟していないことを背景として、法令や諸規則の改正又はその解釈や運用の変更が行われる可能性もあり、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

・当社グループが管理運営するファンドに係るリスクについて

 当社グループが無限責任組合員又はゼネラルパートナーとしてファンドに関与している場合において、その運用方針、運用制限に沿ってファンド運用を行っている限りは、ファンドの出資額を超える損失が発生し、またそれについて当社グループが責任を負わなければならない事態は、ファンドの運用方針、運用制限の内容からは想定されません。しかしながら、何らかの逸脱行為によって出資額を超える損失を負担する可能性を完全には否定できず、この場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

信用供与に関する偶発債務の顕在化に係るリスクについて

 当社グループが不動産や発電事業等の実物資産に係る投資スキームを構築する上で、子会社や投資スキーム等を通じて保証等の信用供与を行う必要が生じる場合が例外的に存在します。信用供与先が、信用力低下や破綻等によって取引当事者としての義務を果たせない場合は、当社グループが当該債務履行責任を負担することとなる等偶発債務の顕在化のリスクを負うこととなります。このような信用供与を例外的に行う場合には、保証実行のリスク等を慎重に検討した上で実行しておりますが、当該信用供与に関する偶発債務の顕在化のリスクを完全に回避できるものではありません。よって信用供与に関する偶発債務の顕在化のリスクが具体化した場合には、これにより、当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

 

・投資先企業への役員派遣に係るリスクについて

 当社グループは投資先企業の価値向上のため、役職員を投資先企業の役員として派遣することがあります。その役職員個人に対し、役員損害賠償請求等があった場合、当社グループがその個人に生じた経済的損失の全部又は一部を負担することとなる可能性があるほか、当社グループに使用者責任が発生する可能性があります。

 

② 経営の外部環境に係るリスク

  ・他社との競合に係るリスクについて

 資産運用業、特に投資助言業は、金融業界の他業種に比べると参入障壁が比較的低い業種であり、常に国内外からの新規参入者との競合を覚悟する必要があります。また、グローバルレベルでの資産運用ニーズの高まりは資産運用業界全体にとっての追い風ではありますが、これにより新規参入が将来にわたってさらに促進される可能性があると共に、国内外の大手金融機関が資産運用サービスを経営戦略上重要なビジネスと位置づけ、積極的に経営資源を投入してくるケースも想定されます。また、業界内での統廃合によって、当社グループの競合他社の規模や体力が増強されることがあります。さらに、競合他社が当社グループのファンドマネージャーやその他の従業員の移籍・採用を図る可能性もあります。

 この様に他社との競合は激化していくことが予想され、その場合には、顧客の獲得や維持に困難が生じるだけでなく、残高報酬料率や成功報酬料率の水準にも影響を及ぼし、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

 

  ・為替相場の変動に係るリスクについて

 当社グループの財務諸表は円建てで表示されているため、外国為替レートの変動は、外貨建て資産及び負債の円換算額に影響を及ぼします。また、当社が海外子会社を連結する際には、当該子会社における外貨建ての資産や負債あるいは収益及び費用の円換算額も変動し、連結貸借対照表・連結包括利益計算書上の「為替換算調整勘定」を変動させます。

 日本国内の主要子会社であるスパークス・アセット・マネジメント株式会社の営業収益の大部分は円建てですが、一部の外貨建て取引においては外国為替レートの変動により、これらを円換算する際に、為替差損が生じるおそれがあります。日本以外の顧客との契約の増加などを理由として外貨建て取引が増加した場合、為替変動リスクが増大する可能性があります。

 当社グループでは、為替変動リスクの業績への影響を最小限にするため、為替予約を行うなど為替変動リスクをヘッジする方策を講じておりますが、その方策が十分でない場合には当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

③ 内部管理に係るリスク

  ・アジア地域で実行したM&Aに係るリスクについて

 当社グループは、国内外の投資家に対してアジア地域の成長機会を提供すべく、アジア地域の運用会社のネットワーク化に取り組んでおります。

 平成17年2月には、韓国に拠点をもつSPARX Asset Management Korea Co.,Ltd.(以下、「SPARX Korea社」)の発行済株式の過半数を取得し、また、平成20年12月には、韓国ロッテグループとSPARX Korea社の更なる成長を目的とした資本提携の合意に達し、当社グループが保有するSPARX Korea社株式の一部を韓国ロッテグループに譲渡いたしました。また、平成18年6月には、香港を主な拠点とするSPARX Asia Capital Management Limited(旧 PMA Capital Management Limited)の全株式を取得いたしました。さらに、平成26年4月には、総合不動産投資顧問業(いわゆる不動産投資一任業及び不動産投資顧問業)等を営むスパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社(旧 ジャパンアセットトラスト株式会社)の株式を取得し、完全子会社といたしました。

 しかしながら、M&A戦略に基づく事業展開が計画通りに進捗しなかったり、あるいは予期しない環境変化などにより買収会社の業績が著しく悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

  ・自己勘定からの投資に係るリスクについて

 当社グループは、自己勘定から当社グループが運用するファンド等への投資を行っております。平成30年3月末の有価証券・投資有価証券の残高は58億68百万円であり、総資産の18.6%を占めています。この投資額は過去から増減しており、余裕資金の残高、市場環境及び当社グループの運用実績に基づき、今後も大きく変動する可能性があります。この投資による取得原価と時価との差異は、税効果を考慮した後、貸借対照表における「その他有価証券評価差額金」に計上されておりますが、実際に解約・償還等が行われた場合や時価が著しく下落したこと等により減損処理を行った場合には損益計算書に反映され、当社グループの業績が悪影響を受けるおそれがあります。

 

  ・税に係るリスクについて

 当社グループは国内外で事業を展開し、それぞれが各国の税法に準拠して適正な納税を行っております。しかし、国や地域間での税務上の取り決め及び各国や各地域における税制上の制度運用や解釈などに変更が生じた際の対応が不十分な場合には、今後の事業展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

  ・人材の確保に係るリスクについて

 当社グループは、事業の維持及び成長を実現するためには、全ての部門で適切な人材を適切な時期に確保することが重要と考え、継続的に優秀な人材を採用し、教育を行ってまいります。しかし、優秀な人材が社外に流出した場合や人材の採用・教育が予定通り進まなかった場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、これにより当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

 

  ・外部事業者に係るリスクについて

 当社グループは、業務遂行の過程で多くの外部事業者を活用しています。これらには投資信託財産や顧客資産の保管・管理を行うために指定される受託銀行(投資信託委託契約及び国内顧客との投資一任契約の場合)及び保管銀行(外国籍の顧客との投資一任契約の場合)、取引を執行する証券会社などが含まれます。当社グループでは、特定の外部事業者に依存した業務遂行は行っておりませんが、当社グループが利用している外部事業者において、安定的なサービス提供に困難が生じるような事態が発生した場合、当社グループの業務遂行上に支障が発生するおそれがあります。また、当社グループの信用が間接的に損なわれるおそれもあります。

 

  ・システム障害に係るリスクについて

 当社グループのコンピューター・システムに障害が生じた場合、当社グループの業務に悪影響を及ぼすおそれがあります。セカンド・オフィスの維持運営を含む業務継続のための計画を策定し、事故・災害等発生時の業務への支障を軽減するための対策を講じておりますが、テロ、地震・風水害等の自然災害や外部からのサイバー攻撃その他の不正アクセスにより、想定以上のシステム障害が発生した場合には、業務に悪影響を及ぼすおそれがあります。また業務系の基幹システムの一部にはシステムの開発から長期間経過しているものがあり、個別に改良を加えているものの、システムの陳腐化が発生しているおそれがあります。

 

  ・役職員による過誤及び不祥事並びに情報漏えいに係るリスクについて

 当社グループは、社内業務手続の確立を通して役職員による過誤の未然防止策を講じております。また、社内規程やコンプライアンス研修の実施により役職員が徹底して法令を遵守するよう指導に努めております。しかしながら、人為的なミスを完全に排除することはできません。また、役職員個人が詐欺、機密情報の濫用、その他の不祥事に関与し、法令に違反する可能性を否定することはできません。内部者又は不正なアクセスにより外部者が、顧客又は当社グループの機密情報を漏洩したり悪用したりするリスクも完全に排除することはできません。

 このような役職員等による過誤や不祥事等、あるいは情報の漏洩や悪用が発生した場合、当社グループが第三者に生じた損害を賠償する責任を負うだけでなく、顧客やマーケットの信頼を失い、さらには監督当局から行政処分を受けるなど、当社グループの事業、経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

④ その他のリスク

  ・法的規制に係るリスクについて

 当社グループは、日本においては、金融商品取引法に定める投資運用業、投資助言業、第一種金融商品取引業

及び第二種金融商品取引業に加え、それらに関連あるいは付随する業務を営んでおりますので、金融商品取引法

を始めとする各種の法令や諸規則を遵守する必要があります。当社グループでは、現時点において、主たる業務において以下の許認可及び登録(以下、「許認可等」という。)を受けております。現時点におきましては、上記免許又は認可が取消しとなるような事由は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により許認可等の取消等があった場合には、当社グループの事業推進に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

取得・登録者名

スパークス・アセット・マネジメント株式会社

スパークス・アセット・トラスト

&マネジメント株式会社

取得年月

平成19年9月30日

平成19年9月30日

許認可等の名称

金融商品取引業者(登録)

金融商品取引業者(登録)

所管官庁等

金融庁

金融庁

許認可等の内容

投資運用業

投資助言・代理業

第一種金融商品取引業

第二種金融商品取引業

登録番号 関東財務局長(金商)第346号

投資運用業

投資助言・代理業

第二種金融商品取引業

 

登録番号 関東財務局長(金商)第783号

有効期限

有効期間の定めはありません。

有効期間の定めはありません。

法令違反の要件

及び主な許認可取消事由

不正の手段により登録を受けた場合、役員等が欠格事由に該当する場合、純資産額が必要かつ適当な水準に満たない場合など、金融商品取引法第52条に抵触する場合は登録の取消

不正の手段により登録を受けた場合、役員等が欠格事由に該当する場合、純資産額が必要かつ適当な水準に満たない場合など、金融商品取引法第52条に抵触する場合は登録の取消

 

取得・登録者名

スパークス・アセット・トラスト

&マネジメント株式会社

スパークス・アセット・マネジメント株式会社

スパークス・アセット・トラスト

&マネジメント株式会社

取得年月

平成29年4月28日

平成27年6月5日

平成28年7月15日

許認可等の名称

不動産投資顧問業者(登録)

宅地建物取引業者(免許)

宅地建物取引業者(免許)

所管官庁等

国土交通省

東京都

東京都

許認可等の内容

総合不動産投資顧問業

登録番号 国土交通大臣 第149号

免許証番号 東京都知事(2)第91803号

免許証番号 東京都知事(3)第86144号

有効期限

平成29年4月28日から

平成34年4月27日まで

(5年間)

以後5年ごとに更新

平成27年6月5日から

平成32年6月4日まで

(5年間)

以後5年ごとに更新

平成28年7月15日から

平成33年7月14日まで

(5年間)

以後5年ごとに更新

法令違反の要件

及び主な許認可取消事由

不正の手段により登録を受けた場合、役員等が欠格事由に該当する場合など、不動産投資顧問業登録規程第30条に抵触する場合は登録の取消

不正の手段による免許の取得、役員等が欠格事由に該当する場合など、宅地建物取引業法第66条に該当する場合、免許の取消

不正の手段による免許の取得、役員等が欠格事由に該当する場合など、宅地建物取引業法第66条に該当する場合、免許の取消

 また、韓国、香港、バミューダ及びケイマン等におきましても資産運用業等を営んでおりますので、それぞれの国や地域における法令や諸規則を遵守する必要があります。これら国内外の法令や諸規則の遵守を徹底するため、グループ各社が社内規則及びモニタリング体制の整備、さらには役職員等に対する研修に努める一方、当社に設置されたコンプライアンス委員会がモニタリングと指導の役割を担っております。これらの措置によりコンプライアンス態勢は適切な水準を維持しているものと考えておりますが、広範な権限を有する監督当局等から行政上の指導あるいは処分を受けるというような事態が生じた場合には、その内容によっては通常の業務活動が制限されたり、行政処分などを理由として顧客が資産を引き揚げたりするおそれがあります。また、法令や諸規則の改正又はその解釈や運用の変更が行われる場合、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

  ・訴訟等の可能性に係るリスクについて

 当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟等は現在存在しません。また当社グループの事業に重大な影響を及ぼすような訴訟に発展するおそれのある紛争も現在ありません。しかしながら、当社グループの事業の性格上、当社及び当社の国内外子会社が関連法規や各種契約などに違反し、顧客に損失が発生した場合等には訴訟を提起される可能性があります。このような訴訟が提訴された場合、訴訟の内容及び金額によっては当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

  ・阿部修平への依存の高さに係るリスクについて

 当社の創業者であり、現 代表取締役社長、また大株主でもある阿部修平は、当社グループの事業経営及び投資戦略の方向性の決定において重要な役割を果たしています。当社グループは、より組織的な運営形態の構築及びマネジメントを担い得る人材の育成により、阿部個人への依存度を引き下げる努力を行っておりますが、阿部が何らかの事情で通常の職務を遂行できなくなる場合には、当社グループの業績に少なからぬ悪影響を及ぼすリスクがあります。

 さらに、平成30年3月末現在、阿部は、その親族及びそれらの出資する会社(以下「阿部グループ」といいます)を通じて、当社株式の過半を保有する大株主であります。このため、阿部グループは、当社取締役及び監査役の選任等会社の基本的な事項を決定することができます。この点においても、阿部が何らかの事情で適切に議決権を行使できず、企業価値を害されるような議決権行使がされてしまう場合には、当社グループの利益ひいては他の株主の利益に少なからぬ悪影響を及ぼすリスクがあります。

 

  ・連結の範囲決定に係るリスクについて

当社グループは、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 実務対応報告第20号 最終改正平成23年3月25日)を適用しており、各ファンド及びSPCごとに、アセットマネジメント契約や匿名組合契約等を考慮し、個別に支配力及び影響力の有無を検討した上で、子会社及び関連会社を判定し、連結の範囲を決定しております。

今後、新たな会計基準の設定や実務指針等の公表により、各ファンド及び各SPCに関する連結範囲決定方針について、当社グループが採用している方針と大きく異なる会計慣行が確立された場合には、当社グループの連結範囲決定方針に大きな変更が生じ、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

  ・負債による資金調達に係るリスクについて

 当社グループでは、これまでアジア地域での事業展開を主たる目的に、自己資金の活用に加え、増資、銀行借入れ、社債による資金調達を行ってまいりました。事業環境の変化と財務状況等を踏まえ、外部負債の水準の適切なコントロールに務めた結果、平成30年3月末時点で外部有利子負債額は50億円となっております。今後もバランスシートの健全性、キャッシュ・フローの安定性に留意した資金計画と財務活動により、事業の発展に応じた資金調達に取り組みますが、株式会社格付投資情報センターより平成30年3月末時点で取得している発行体格付けは「BBB(安定的)」であり、金融市場での信用収縮や金利上昇が生じた場合には、追加的な資金調達に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 

  ・SNSなどを通じた情報発信に伴うリスクについて

 当社グループ又は当社グループが行っている事業全般に対する否定的な風評が、マスコミ報道やインターネット上の掲示板、SNSへの書き込み等により発生・流布した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社グループ又は当社グループが行っている事業、あるいは当社グループが提供する商品やサービスのイメージ・社会的信用が毀損し、ひいては当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

 当連結会計年度の日本株式市場は、期初には北朝鮮情勢など地政学リスクに対する懸念や米国の経済政策に対する期待感の後退などを受けて軟調に推移する場面もありましたが、米国経済指標の好調さと日本企業の収益の上昇を背景に堅調に推移しました。期中は北朝鮮リスクが再度断続的に意識され一時軟調となった局面もありましたが、ミサイル発射が秋以降一時的に行われなかったこと、加えて日本の10月の総選挙で与党の優勢が伝わり与党の勝利に終ったことで政治の安定を好感し、また日本企業の好業績とあわせて、日経平均株価は史上最長となる16日連騰を記録し、21年ぶりの高値水準へと回復するなど、非常に力強い株価の推移が続きました。年を明けた1月後半から米国の長期金利上昇とそれを受けた米国株式の下落をきっかけに、世界的に株式市場が大きく調整しました。加えて日本株式市場は為替が円高ドル安となったこともマイナスに作用して大幅に調整が入り下落しました。さらに財務省の文書改ざん問題をきっかけに安倍政権の支持率が急落したことが投資家心理を冷やす要因となるなど年度末まで不安定な推移となったものの、日経平均株価は前連結会計年度末に比べ13.5%上昇し21,454.30円で取引を終えました。

 当連結会計年度の韓国株式市場も、期初は地政学的リスクが浮き彫りになり軟調となりましたが、大統領選挙前後の政治的な不確実性が解消されたこと、好調な企業業績などを背景に堅調な動きとなり、秋以降、米国株式市場の良好さや北朝鮮の追加挑発がなく緊張が和らぐ場面もあったことから、韓国株式市場はさらに上昇しました。日本株式市場と同様に米国の長期金利の上昇がきっかけとなる世界株式市場の調整により2月は下落し、さらに米国と中国の貿易摩擦激化への懸念から不安定な動きとなったものの、結果的には、韓国総合株価指数(KOSPI)は前連結会計年度末に比べ13.2%上昇して2,445.85で取引を終えました。

 このような市場環境のもと、当社グループの当連結会計年度末運用資産残高は、1兆1,240億円(注1)と前期末に比して16.8%増加しました。比較的報酬料率の高い日本地域の運用資産残高が伸びたため残高報酬が増加し、加えて良好なパフォーマンスにより成功報酬も増加したことから、当社グループの業績は前期比107.3%増の65億69百万円の営業利益となりました。

 事業の持続的かつ安定的な基盤となる収益力を示す指標である基礎収益(注2)も前期比28.3%増の31億69百万円(前期は24億69百万円)となり、実質的な収益体質は一層強化されております。

 

 日本株式を投資対象とする運用戦略は、ほぼ年間を通じて安定した市場環境下であったこともファンドのパフォーマンスの追い風となり、子会社であるスパークス・アセット・マネジメント株式会社が運用するファンドは、運用評価機関から継続して高い評価を受けております。また、私どもの投資哲学や運用スタイルへの関心も引き続き高いことから、日本の個人投資家の皆様に「日本株ならスパークス」とのSPARXブランドをさらに幅広く認知いただくよう、当社ウェブサイトを通じた動画配信やメディアへのアプローチなど広報及び宣伝活動を積極化しております。

アジア株式を投資対象とする運用戦略は、東京・香港・韓国のファンドマネジャーがアジア企業への調査などを共同で行っており、昨年5月に公募投資信託の設定をいたしました。アジア企業の調査を通じ、今まで日本株式運用で培った運用手法を伝承することで「アジア株もスパークス」とのSPARXブランドを構築してまいります。

 再生可能エネルギー発電事業のインフラ資産や不動産を投資対象とする実物資産の運用戦略は、全国の発電施設への投資を25件実行しており、投資対象も太陽光、風力から、バイオマスなどへと拡大しており、当期はバイオマス発電所も運転開始にまで至りました。また、これまで提供してきた発電事業等の開発段階から運転開始までのフェーズにおける投資(グリーン・フィールド投資)に加えて、運転開始後のフェーズにおける投資(ブラウン・フィールド投資)にフォーカスした、長期的に安定したキャッシュ・フローを源泉としたファンドを設立し、機関投資家等向けにご提供を開始しております。これにより自ら開発した発電設備のみならず外部からの発電設備の取得も行うことができます。今後も引き続きインフラファンドのパイオニアとして皆様のご期待にお応えすべく、魅力的な投資商品の提供を行ってまいります。

 次世代の成長に資する投資を長期的な視点から実践し、投資会社として未来を創造する新たな領域を開拓するため設立した未来創生ファンドは、平成30年3月末で367億円の規模となっております。当該ファンドは、既に国内外のベンチャー企業等への投資を着実に実行しており、来年度早々にも投資額が投資限度額に達する見通しであります。2号ファンドの設立準備を進め、運用資産残高の更なる積み上げを目指してまいります。

 

 上記の結果、当連結会計年度における残高報酬は前期比14.6%増の85億68百万円となりました。一方、成功報酬(注3)は、良好なパフォーマンス等により前期比238.4%増の44億76百万円となり、営業収益は前期比48.5%増の132億27百万円となりました。

 営業費用及び一般管理費は、前期比16.0%増の66億58百万円となりました。これは、主に営業収益の増加に伴う支払手数料及び好調な業績に伴って賞与手当が増加したことによるものです。

 これらの結果、営業利益は前期比107.3%増の65億69百万円、経常利益は前期比109.7%増の66億68百万円となりました。また、税金等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比99.5%増の46億81百万円となりました。

 

(注1)当連結会計年度末(平成30年3月末)運用資産残高は速報値であります。

(注2)基礎収益とは、経常的に発生する残高報酬(手数料控除後)の金額から経常的経費を差し引いた金額であり、当社グループの最も重要な経営指標のひとつであります。

(注3)成功報酬には、株式運用から発生する報酬の他、日本不動産投資戦略に関連する不動産購入・売却に対して当社グループがファンドから受ける一時的な報酬や、日本再生可能エネルギー投資戦略に関連する発電所スキームの組成の対価等として受ける一時的な報酬(アクイジションフィー)を含んでおります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、残高報酬及び成功報酬に係る収入によって、前連結会計年度末に比べ41億90百万円増加し、当連結会計年度末は186億49百万円(前期比29.0%増)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主たる要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは71億44百万円の収入(前期は19億72百万円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払額3億60百万円があった一方で、税金等調整前当期純利益62億97百万円の計上及び未払金・未払費用の増加額4億61百万円があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは20億50百万円の支出(前期は16億58百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入7億91百万円があった一方で、投資有価証券の取得による支出24億23百万円及び無形固定資産の取得による支出3億76百万円があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは7億63百万円の支出(前期は9億14百万円の収入)となりました。これは主に自己株式処分による収入6億42百万円及び非支配株主からの払込みによる収入4億円があった一方で、自己株式取得による支出9億72百万円及び配当金の支払い8億11百万円があったことによるものです。

 

営業の実績

 (1)営業収益の実績

当社グループの連結営業収益の項目別内訳は以下のとおりです。

項目

前連結会計年度(平成29年3月期)

当連結会計年度(平成30年3月期)

金額
(百万円)

構成比(%)

金額
(百万円)

構成比(%)

残高報酬

7,476

83.9%

8,568

64.8%

成功報酬

1,322

14.9%

4,476

33.8%

その他

107

1.2%

182

1.4%

営業収益合計

8,907

100.0%

13,227

100.0%


・残高報酬
 残高報酬料率(ネット・ベース)の推移は以下のとおりです。

区分

前連結会計年度

(平成29年3月期)

当連結会計年度

(平成30年3月期)

当社グループ残高報酬料率
(ネット・ベース)

0.69%

0.68%

(注) 残高報酬料率(ネット・ベース)=(残高報酬-残高報酬に係る支払手数料)÷ 期中平均運用資産残高

・成功報酬(株式運用ファンド関連)
 成功報酬は、単純なケースでは過去のファンド計算期間末日の「一口当たり純資産価額」=「Net Asset Value Per Share」(以下、「NAVPS」と言います。)の最高値を、今ファンド計算期間末日のNAVPSと比較して、今ファンド計算期間末日のNAVPSの方が高かった場合に、値上がり部分に一定料率をかけて計算します(これを「ハイ・ウォーター・マーク方式」といいます)。

 また、契約によっては、ベンチマークを一定以上上回った部分に一定料率をかけて計算するものもあります。

絶対リターン追求型の運用に多いハイ・ウォーター・マーク(HWM)方式の成功報酬の仕組み

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(注)1.上記の図は成功報酬の仕組みを簡便に説明したもので、実際の成功報酬の体系及びファンドの基準価格の
     計算方法を厳密に説明しているものではありません。
(注)2.上記では、説明の都合上、成功報酬の料率を便宜的に20%として計算しております。

 

(2)運用資産残高の実績

 以下の表は、当社グループの当期の運用資産残高の実績を示したものです。なお、日本円建て以外の運用資産残高を日本円に換算する際には、それぞれの時点における月末為替レートを用いております。
 当社グループは、以下の場合を除き、直接的、間接的に子会社の持分割合を100%保有しており、下記の数値は当社子会社に対する当社持分に拘らず運用資産残高の100%を記載しております。

 

会社名

平成29年3月

平成30年3月

 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.

70.1%

70.1%

 

 ① 投資対象別の四半期運用資産残高の推移                        (単位:億円)

投資対象

平成29年6月

平成29年9月

平成29年12月

平成30年3月

日本

8,751

9,399

10,776

10,945

韓国

1,381

1,318

1,261

196

アジア全域

90

96

102

99

合計

10,224

10,814

12,140

11,240

(注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

   2.平成30年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

   ② 平均運用資産残高                                  (単位:億円)

 

平成29年3月期

連結会計年度

平成30年3月期

連結会計年度

当社グループ合計

9,459

10,937

(注) 1.各期の月末運用資産残高の単純平均であります。

2.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

3.平成30年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

   ③ 成功報酬付運用資産残高及び比率

会社名

 

平成29年3月

平成30年3月

当社グループ合計

残高(億円)

3,502

2,853

比率(%)

36.4

25.4

(注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

   2. 平成30年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

  ④ 投資戦略別四半期末運用資産残高の推移
  投資対象が日本となる運用資産残高の内訳

(単位:億円)

投資戦略

平成29年6月

平成29年9月

平成29年12月

平成30年3月

日本株式ロング・ショート投資戦略

165

173

232

367

日本株式長期厳選投資戦略

3,226

3,436

4,175

4,414

日本株式中小型投資戦略

2,088

2,289

2,743

2,725

日本株式環境・クリーンテック投資戦略

1,115

1,202

1,182

1,022

日本株式価値創造・対話型投資戦略

58

67

117

135

日本不動産投資戦略

331

331

331

331

日本再生可能エネルギー投資戦略

1,373

1,478

1,568

1,575

未来創生投資戦略

367

367

367

367

その他

23

52

57

5

合計

8,751

9,399

10,776

10,945

(注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

   2.平成30年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

  ■投資対象が韓国となる運用資産残高の内訳

(単位:億円)

投資戦略

平成29年6月

平成29年9月

平成29年12月

平成30年3月

 韓国株式アクティブ投資戦略

1,192

1,141

1,082

48

 韓国株式アブソリュート・リターン投資戦略

96

90

93

68

 その他

93

85

85

78

合計

1,381

1,318

1,261

196

(注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

   2.平成30年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

  ■投資対象がアジア全域となる運用資産残高の内訳

(単位:億円)

投資戦略

平成29年6月

平成29年9月

平成29年12月

平成30年3月

 アジア株式投資戦略

90

96

102

99

合計

90

96

102

99

(注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

   2.平成30年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、後述の「第5経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

 経営成績の分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)業績」に含めて記載しております。

 

   (次期の見通し)

 当社グループの主たる事業である投信投資顧問業は、業績が経済情勢や相場環境によって大きな影響を受けるため将来の業績予想は難しいと認識しており、次期の見通しについての具体的な公表は差し控えさせていただきます。

 

(3)当連結会計年度の財政状態の分析

<資産の部>

 当連結会計年度末の資産合計は、前期末に比べ79億40百万円増加し、314億82百万円となりました。主な増減内訳は、現金及び預金が41億90百万円の増加、投資有価証券が14億52百万円の増加、無形固定資産が17億71百万円の増加となっております。

 

<負債の部・純資産の部>

 当連結会計年度末の負債合計は、前期末に比べ37億32百万円増加し、100億91百万円となりました。主な増減内訳は、未払金が17億83百万円増加、未払法人税等が11億65百万円の増加となっております。

 

 当連結会計年度末の純資産合計は、前期末に比べ42億8百万円増加し、213億91百万円となりました。主な増減内訳は、資本剰余金が8億25百万円の減少、利益剰余金が38億70百万円、その他有価証券評価差額金3億59百万円及び自己株式が4億97百万円の減少となっております。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

① キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。

 

② 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの投資を目的とした主な資金需要につきましては、シードマネー投資等によるものであります。

短期運転資金は自己資金を基本としており、シードマネー投資等につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金等の有利子負債の残高は50億18百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は186億49百万円となっております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。