第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニー」になることで「世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」というミッションの実現を目指す、独立系の資産運用グループであります。また、資産運用サービスを中核事業とする企業グループとしては、日本で初の公開/上場会社であります。

私どもの経営の基本方針の第一は、投資家の皆様に真に役立つ投資インテリジェンスを運用商品として提供し、ご満足いただける運用成果をお届けすることであります。そのために、創業以来の「マクロはミクロの集積である。」との投資哲学に基づく徹底したボトムアップ・アプローチを基軸として、常に革新的な投資手法の開発に努めております。さらに、日本株のスペシャリストとしての経験と知識を株式以外の不動産や発電事業等のインフラ資産への投資スキームにも展開すると共に、韓国・香港の子会社が培った力を統合することで、アジアに関心を寄せる世界中の投資家の期待に応え得る投資インテリジェンスと優れた運用成果の提供に努めてまいります。

方針の第二は、お客様の期待に応えたビジネス拡大を通して、株主の皆様に満足いただける収益を産み出すと共に、企業としての存続と成長の礎となる適切なガバナンスとコンプライアンスの態勢を維持・強化することであります。更なる運用成績の向上への取り組みに加え、新たな投資商品の開発と提供によって収益の拡大を目指す際に、積極的な事業展開と効率性の追求が、コンプライアンスの弛緩に決して繋がることのないように、ガバナンスの実効性を絶えず検証してまいります。

方針の第三は、お客様と株主の皆様の期待に応える事業展開を支えるための有為な人材の保持、獲得と育成であります。高度な専門性と柔軟な創造力、そして強い自己規律の精神を持った人材がチームとして取組んでこそ、私共が目指す資産運用サービスの提供が可能になると考えております。

 

(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループの収益の大半を占める投信・投資顧問料収入は、運用資産の残高と報酬料率に応じて生じる残高報酬と、運用成績の良否等によって変動する成功報酬に大別されます。後者の成功報酬は、当社グループの全ての運用資産から発生するものではありません。

従って、当社グループにとって最も重要な経営指標は、収益の源泉である運用資産の残高及び残高報酬料率であります。運用資産残高の推移は適時に把握するのみならず、その変動がお客様からの新規設定や解約によって生じたものか、市場の一般的動向によるものか、運用成績の良否によるものか等を分析し、当社グループの事業競争力の客観的な把握に努めております。また、より付加価値の高い投資戦略を開発・提供することによって、より高い残高報酬料率の実現に努めております。

次に重要な経営指標は、残高報酬の金額から経常的経費を差引いた金額として認識される基礎収益力の水準であります。基礎収益力は持続的かつ安定的な事業運営の基盤でありますから、それが赤字となる状況が生じた場合には、運用報酬の増加を目指すのは当然でありますが、経費削減も含めたあらゆる施策により早期に黒字を回復させる必要があります。一方、基礎収益力が十分な黒字を維持している場合には、成長に向けた投資余力があるとの判断も可能です。

さらに、成功報酬の金額及びROEも当然に重要な経営指標であります。当社の営業成績は、基礎収益力と成功報酬によって大半が決定し、その結果に基づき賞与等の支払も決定されますから、成功報酬の多寡が年度毎の営業利益の水準に大きく影響し、結果ROEにも大きく影響します。全運用資産の内で成功報酬が発生し得る資産の割合、成功報酬の発生状況等、業績への影響度合いを把握するだけでなく、より付加価値の高い投資戦略を開発・提供することによって、成功報酬が発生しうる運用資産残高の増加に努めることでROEの向上に努めております。

 

(3)経営戦略等

当社グループは、着実に利益成長を実現する強い体質の構築を目指しております。その達成のため、以下4つの投資戦略が柱であると考えております。

 

1本目の柱は、日本株式投資戦略です。

日本株式を投資対象とする運用戦略は、当連結会計年度を通じて日本株式市場が不安定となりその影響を受け前連結会計年度末に比べ日本株式の運用資産残高は減少しました。不安定な環境のなか、パフォーマンスの良好なファンドを解約する動きもあり、年度の後半に資金純流出の状況となりましたが、日本株式中小型投資戦略は資金流入を伴い運用資産残高を増加させており、良好なパフォーマンスを維持しております。私どもの投資哲学や運用スタイルへの関心も引き続き高いことから、「日本株ならスパークス」とのSPARXブランドを幅広く認知いただくよう努めております。

 

2本目の柱は、OneAsia投資戦略(アジア株式を対象とする運用戦略)です。

アジア株式を投資対象とするOneAsia運用戦略は、東京・香港・韓国のファンドマネジャーがアジア企業への調査などを共同で行うなど、投資アイディアを共有することを続けており、韓国子会社パフォーマンスも上がり運用資産残高の増加につながってきております。韓国子会社ではパフォーマンスが向上し、韓国国内機関投資家からの資金流入という結果につながり始めております。アジア企業の調査を通じ、今まで日本株式運用で培った運用手法を伝承することで「アジア株もスパークス」とのSPARXブランドを構築してまいります。

3本目の柱は、実物資産投資戦略です。

再生可能エネルギー発電事業のインフラ資産や不動産を投資対象とする実物資産の運用戦略は、全国の発電施設への投資を実行しており、当該投資戦略の運用資産残高は2,645億円の規模となっております。太陽光のみならず、風力・バイオマス発電所も安定稼動させており、これら発電所への投資による長期的に安定したキャッシュ・フローを源泉としたファンドも運用しております。ここ数年、これまで大企業が主に自社のバランスシートで行ってきた再生可能エネルギー発電所への投資を見直し、再生可能エネルギー発電所を売却し流動化する動きが続いております。当社グループの運用するファンドではこの機をとらえて外部から発電設備を取得しており、投資家として適正な価格・リターンを評価しながら積極的に投資してまいります。今後も引き続き再生可能エネルギーファンドのパイオニアとして皆様のご期待にお応えするべく、魅力的な投資商品の提供を行ってまいります。

4本目の柱は、プライベートエクイティ投資戦略です。

プライベートエクイティ投資戦略は、次世代の企業の成長に資する投資を長期的な視点から実践し、投資会社として未来を創造する新たな領域を開拓するため設立した未来創生ファンドが、1号ファンドに続き2号ファンドも順調に投資が進み、当連結会計年度に3号ファンドの募集が終了し、投資を進めております。当該戦略の運用資産残高は1,933億円まで成長しており、規模・質ともに日本で最大級のベンチャー投資の運用機関なることができたと考えております。IPO等のイグジット案件も出ており、これまでの投資の成果が、具体的に投資家の皆様へのリターンとして実現してきております。これらのファンドについても質の高い投資を着実に実行し、投資実績を積み上げ、革新的な技術やビジネスモデルで世界をリードする企業を発掘・育成することで未来社会に貢献することを目指してまいります。

また、上記の4本柱に加えて、デジタル・AI(人工知能)のプラットフォームが前提となった新しい時代の成長領域であるエネルギー、医療・介護、金融、量子コンピュータなどの新領域へ、保守的な財務運営方針のもと、自己資金やグループ内リソースを割り当ててまいりました。今後は再生可能エネルギーに対する知見を活かし、特にエネルギーの領域でグリーン水素の製造など具体的なビジネスを創造してまいります。

スパークスでは、1989年創業以来、企業を一社一社徹底的に調べ、現場に赴いて実際に目で見て判断する“現地現物”による調査活動を徹底してまいりました。新型コロナウイルス発生以降は、5G(第5世代移動通信システム)、AIなどの技術を活用して、教育、医療、自動運転など世界はあらゆる分野で非接触型に移行していくものと思われます。この非接触型社会への移行の中で、当社グループが大切にしてきた“現地現物”やコミュニケーションの重要性といった価値観を、どのようにして維持・強化していくのか、この変化に立ち向かっていきたいと考えております。また、これからも創業時より続けている投資の勉強会「バフェットクラブ」などを通じて、高い知見・見識を備え、人格的にも優れた次世代を担う経営者を育成することが、私が経営者として負うべき最も大切な仕事だと思っています。企業文化や変わらない投資哲学を若い次の世代に継承しながら、新しい成長領域への投資に取り組み続けることのできる強い組織の創造に向けて努力精進してまいります。

 

(4)経営環境

直近の経営環境については、第一部 企業情報、第2 事業の状況、4.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要に含めて記載しております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上課題

当年度のグループ運用資産残高(AUM)は前年度末比3.6%減少して、1兆5,012億円(注1)となりましたが、残高報酬料率の高い投資戦略のAUMが増加したことで残高報酬は前年度比1億57百万円増加し、127億35百万円となりました。残高報酬の増加により、スパークスを支える土台は着実に強くなっております。成功報酬が減少したため営業利益は減少しておりますが、適切にコストコントロールを続けた結果、安定的に稼ぐ力である基礎収益(注2)は過去最高の水準を引き続き維持しております。また、新しい投資戦略等へのシード投資の役割を終えた投資有価証券を精査し、一部解約・償還したことが最終利益の増益に貢献しております。

来年度についても、当社グループの厚い人財力、投資力によって運用パフォーマンスの質を維持・向上させ、増収増益を目指すとともに、当社グループのパーパスである「(投資を通じて)世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」を実現するため、持続可能な企業価値向上を実現すべく、主として以下の課題に取り組んでまいります。

 

課題の第一として、2026年3月期までに運用資産残高(AUM)3兆円を達成するため、成長実現のための4本柱(「日本株式」「OneAsia」「実物資産」「プライベートエクイティ」)をバランスよく強化・拡大していくことで高い収益性を維持し、短期的市場変動の影響を受けにくい安定性、成長性に優れた事業ポートフォリオの構築を目指します。

→当社グループマテリアリティ「広範な責任投資の実践」に関連(注3)

 

4本柱についての、当面の主な課題は以下の通りです。

日本株式投資戦略については、この4月にも、代表的な外部評価機関であるR&I社から、国内株式コア部門において10年のトラックレコードで優秀賞を、また国内中小型株式部門でも優秀賞をいただくなど、長期にわたる安定して高いパフォーマンスを実現しています。優れた投資力を背景に、ロング・ショート投資戦略など収益性の高いオルタナティブ投資戦略、中でも日本株式価値創造投資戦略のAUM拡大への取組みを強化しております。東京証券取引所の「市場区分の見直しに関するフォローアップ会議」をきっかけに、PBR1倍割れ企業に対して注目が集まっておりますが、同様の考え方は、創業以来運用調査活動において意識してきたことであり、投資先企業に対して具体的な対話を実行し、運用実績を積み重ねる投資は、本投資戦略の投資方針そのものであって、非常に時宜を得たものであると考えております。今後もただ闇雲に規模を追うのではなく、質の高い運用を継続しつつAUMを拡大・成長させてまいります。

OneAsia投資戦略については、引き続き当社グループが注力しなければならない最も重要な戦略の一つと考えております。日本・韓国・香港の3拠点が一丸となった運用力強化が成果に結びつつありますが、当社グループの新たな成長のため、まずはより一層高品質な運用体制の構築に全力で取り組んでまいります。

実物資産投資戦略については、安定稼働した太陽光発電所の取得を積極的に行い、当年度は約134億円AUMが増加しました。太陽光から、バイオマスや地熱など引き続き高い投資リターンが見込まれる発電所へ開発の重点を移すとともに、グリーン水素(注4)、蓄電池やコーポレートPPA(注5)など、固定価格買取制度後を見据えた投資戦略の開発を、引き続き積極的に進めてまいります。

プライベートエクイティ投資戦略については、未来創生3号ファンドの募集を完了し、1号、2号ファンドや同戦略の他のファンドを含め2023年3月末AUMは1,933億円となりました。今後、本投資戦略のファンドが投資した企業が、株式市場に上場すること等に伴う売却益の一部が、当社グループの成功報酬として計上されることから、この成功報酬を最大化するためにも引き続き売却活動に注力してまいります。日本で最大級のベンチャー投資会社として、今後も当社グループらしい新しい投資機会を発掘することで本投資戦略の拡大を進めてまいるとともに、質の高い投資を通じて、革新的な技術やビジネスモデルで世界をリードする企業を発掘・育成し、未来社会に貢献することを目指してまいります。

 

上記の4本柱に加えて、デジタル・AIのプラットフォームが前提となった新しい時代の成長領域であるエネルギー、医療・介護、金融、量子コンピュータなどの新領域へ、保守的・堅実な財務運営方針のもと、自己資金やグループ内リソースを割り当ててまいりました。今後は、再生可能エネルギーに対する知見を活かし、特にエネルギーの領域でグリーン水素の製造など具体的なビジネスを創造してまいります。これまで築いてきた投資力をベースに新しいビジネスを作りこむことで事業ポートフォリオを拡大し、ROEの向上に貢献する当社グループらしい投資をさらに進めてまいります。またこのような成長領域への投資を通じて、新しいビジネスをゼロから生み出す企業文化と起業家精神を活性化し、これまでのファンドビジネスをさらに強化するとともに、企業文化や変わらない投資哲学を次世代に継承しながら、新しい取り組みに挑戦し続けることのできる強い組織を創造してまいります。

 

課題の第二として、組織のフラット化によって次世代のマネジメントを育成、登用することで、マネジメント層の世代交代を進めてまいります。

→当社グループマテリアリティ「独立系の強みを生かしたガバナンス」に関連(注3)

 

更なる事業拡大と企業価値向上を実現するべく、組織のフラット化による業務執行のさらなる迅速化を通じて、当社グループを率いる後継者となる人材を選抜、育成し、新しい経営体制を確立してまいります。このため今般、第34回定時株主総会において、社内取締役を減員し、代表取締役は社長1名とすることで、マネジメント層の世代交代に着手致しました。中でも次世代のCEO選任は、当社グループにとって引き続き非常に大きな経営課題であることから、取締役会は十分な時間と資源をかけて、この課題に取り組んでまいります。

 

次世代を担うマネジメントに必要な素養・資質としては、単に高い専門性や豊富な経験を備えるだけではなく、人格・人間力にも優れていること、より具体的には当社グループの行動規範(バリュー)である「ARTSの精神(注6)」を体現できていることが極めて重要と考えております。これらの要件を充たした人材に対して、フラット化した組織で、より近くで直接CEOから学ぶ機会を作り、衆目が認める結果を残した人材を、次世代のCEOとして登用してまいります。

また、創業時から創業者が大切にしている価値観である、当社グループのパーパス、ビジョン、ミッション、バリューといった企業理念(注7)を、次世代のCEOが中心となって運営する組織にもしっかりと浸透、引き継いでいくための諸施策を合わせて講じてまいります。

 

課題の第三として、当社の競争力の源泉を強化し、中長期的な企業価値向上に資する人的資本を高度化するために必要な諸施策を実行してまいります。

→当社グループマテリアリティ「持続可能で高い収益性とそれらを支える人財」に関連(注3)

 

 日本企業の企業価値に占める無形資産の割合は、一般的に欧米企業に比べて格段に低いとされています。裏を返せば、無形資産の価値を高めることで、企業価値を飛躍的に高める余地が残っているともいえます。無形資産の中で、最も典型的な資産は人的資本であり、特に当社グループのように、有形資産をほとんど有しない企業にとっては、企業価値向上のため人的資本の重要性は非常に高いと考えます。よって、当社グループらしさを更に追求しつつ、外部環境の変化にも適応することで、従来にも増して「人的資本」の活用を高度化させてまいります。

具体的には、当社グループのパーパス、ビジョン(=思想)に共感し、集う優秀な人財が、様々な多様性を互いに尊重し、最高のプロフェッショナルとなるべく能力・技術の向上に主体的に取り組むだけでなく、思想・技を実現するための行動規範(=所作)を大切にすることで優れた人格の形成にも取り組み、互いに切磋琢磨する成長の機会を与えられ、全員が一丸となって「もっと良い投資(=技)」を実践・提供することで組織の成長に貢献するという働きがいを感じることのできる場を提供してまいります。

 

また、当社グループの競争力の源泉は、「①イノベーション力」×「②コミュニケーション力」、つまり「個々の高い専門性を掛け合わせて組織で戦う」ことにあると考えています。よって、①アカウンタブルで再現性の高い投資力やユニークな投資アイデア創出力を強化するため、②社内に望ましい行動様式を明確化・浸透させるとともに、全社一丸となって投資アイデアを具体的にパッケージング化する力を強化するため、また③それらのベースとなる働きやすい環境を整えるため、それぞれ必要と考える諸施策を講じてまいります。

 

(注1)当年度末(2023年3月末)運用資産残高は速報値です。

(注2)「基礎収益」とは事業の持続的かつ安定的な基盤となる収益力を示す経営指標であり、その算定方法は以下のとおりです。

      基礎収益=残高報酬(手数料控除後)-経常的経費

(注3)当社グループのマテリアリティ(重要課題)については、下記ウェブサイトをご参照ください。

    https://www.sparx.jp/sustainability/materiality.html

(注4)グリーン水素とは、水を電気分解し、水素と酸素に還元することで生産される水素のことです。この水素を利用し、酸素を大気中に放出することで、環境へ悪影響を与えずに水素を利用することができます。電気分解するためには電気が必要ですが、グリーン水素を作るためのプロセスは、再生可能エネルギーを利用することで二酸化炭素を排出させることなく、水素を製造することができます。

(注5)コーポレートPPA(Corporate Power Purchase Agreement)とは、企業や自治体などの法人(電力需要家)が発電事業者から再生可能エネルギーの電力を、直接、長期(通常10~25年)間、購入する契約のことを指します。一般的には、固定価格買取制度(FIT)やフィード・イン・プレミアム(FIP)のような国による再エネ買取制度との対比で用いられ、公的な再生可能エネルギー支援制度を使わず、民間企業と独自に再生可能エネルギー電力の長期買取契約を結ぶスキームを意味します。

(注6)ARTSの精神

    当社グループの行動規範であり、Arigato、Responsiveness、Thoroughness、Sympathyのそれぞれ頭文字をとったものです。

    A:共に働く仲間、関係するすべての人に敬愛と感謝の気持ちを持って行動します。

    R:変化への最大の対応として俊敏さを大切にし、常にスピーディな対応を徹底します。

    T:緻密で丁寧な活動が、革新的な知見を生み出すことを信じ、常に極め続けます。

    S:調和と貢献の姿勢でお客様と仲間に接します。謙虚さ、誠実さが、お互いの成長につながると信じ、品格をもって行動します。また、柔軟に多様性を受け入れる広い心を持ち、自由な議論の場を創出します。

(注7)当社グループの企業理念については、下記ウェブサイトをご参照ください。

    https://www.sparx.jp/philosophy/

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、1989年の創業以来、「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニー」を目指し、顧客を初めとするステークホルダーに経済的豊かさ、健やかさ、幸せをもたらしたいという価値観を最も大切にしています。

 金融というフィールドで価値を生み出し続けていくために当社グループが大切にしていること、それは「投資を通じて価値という果実を生み出し、顧客にお返しするということ。また、その活動に対して顧客を初めとするステークホルダーに喜んで頂かなければ良い投資も長く続くことはない」ということです。このことを念頭に、当社グループのパーパス(企業の目的)である「(投資を通じて)世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」の実現に邁進してまいります。

 このパーパスに照らし、当社グループにおける「サステナビリティ」とは、『資本市場の構成員たるインベストメント・カンパニーとして、当社グループらしい投資を通じて、豊かさという経済的価値、健やかさ、幸せという社会的価値を、持続的に生み出し続けることを可能にしていくこと、合わせて、当社グループ自身も中長期的な成長を持続可能なものとしていくこと』であると考えております。この実現は、東証プライム市場に上場する日本初の独立系投資会社としての、健全な資本市場および持続可能な社会の実現に向けた、当社グループの責務であると考えております。

 市場経済の発展に伴い、社会、経済、企業などに多くの仕組みが生まれ、人類が目まぐるしい発展を遂げている中で、この仕組みがさらに複雑化し、市場経済が正しく機能していない事例が散見されます。このような状況下において、当社グループのパーパス実現に向けて、ESG課題を含むサステナビリティに係る課題への対応を最優先事項の1つとして当社グループ全体で取り組んでまいる他、当社グループ自身の経営において最も重要な要素であるガバナンスの強化にも努めてまいります。またその基盤として、当社グループに属する社員一人ひとりがこれらの価値観を共有し、受け継ぎ、守り続けてまいります。

 

   ガバナンス

 

 当社グループは、ESG課題を含むサステナビリティに係る課題への対応は、経営上、最重要課題の1つと認識しています。サステナビリティに係る課題に関しては、取締役会において議論・決議を行い、具体的な業務の執行にあたっては、その中心的な意思決定機関である経営会議において、少なくとも年に1回、かつ、必要に応じ適時に、具体的な活動方針や推進施策等の議論・決定し、取締役会に報告の上、実施内容について取締役会が監督するというガバナンス体制を構築しています。

 取締役会は、その過半数が社外取締役から構成されており、具体的な活動方針や推進施策等に対し、進捗状況の検証や審議等を実施することにより、PDCAサイクルによって、適切にマネジメントを推進し、継続的に改善を図っています。また、経営会議には業務執行の中心メンバーである社内取締役及び執行役員が全員参加し、少なくとも毎月一度は開催され、その内容については適時に取締役会に報告されます。なお、経営会議におけるサステナビリティ経営に関する議論を具体的に進めるため、サステナビリティ企画室を設置しています。

 また、当社グループは、「(投資を通じて)世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」というパーパスを掲げ、この達成のため、顧客よりお預かりする全ての資産に関する顕在・潜在双方のリスクと機会を適切に把握、管理しております。具体的には、責任投資の監督責任、説明責任を果たすため、当社取締役会の諮問機関として、グループCIOを委員長とする責任投資委員会を設置しています。なお、責任投資委員会には、全ての社内取締役、グループ執行役員が委員として参加し、少なくとも四半期に一度は開催され、その内容について適時に取締役会に報告の上、実施内容について取締役会が監督するというガバナンス体制を構築しています。また、責任投資委員会における責任投資原則の実践に関する議論を具体的に進めるため、責任投資推進室を設置しております。

 当該委員会においては、グループ各社の投資政策委員会(もしくは同等の組織)が、責任投資の実施状況の報告を行う他、責任投資ポリシーなどの変更承認、責任投資の実施に関する年次報告書の承認などを行っています。なお、当該委員会には外部アドバイザーが陪席し、独立した立場から、報告や審議内容に対する助言がなされ、責任投資に関する最新の動向が共有されています。

 

   リスク管理

 

 当社グループは、リスク管理の基本的事項を定めることにより、想定し得る個々のリスクを予め把握し、適切に管理することで、当社グループの保有するリスクを全体的に管理し、もって当社グループの健全性・適正性の確保に資することを目的として、グループリスク管理基本規程を制定しています。

 また、当社取締役会は、当社及び当社グループのリスク管理に係る事項を検討、審議することを目的として、グループリスク管理委員会を設置しています。グループリスク管理委員会は、業務執行の中心メンバーである社内取締役及び執行役員が全員参加のもと、原則として四半期に1度開催されます。グループリスク管理委員会においては、グループリスク管理基本規程に定めるリスク管理プロセスに沿って、重要な顕在化事象に加え、想定し得る潜在的なリスクを把握し、リスクの把握・評価、リスク対応策の設定、リスク対応状況のモニタリングなどを実施しています。

 また、グループリスク管理委員会の内容は、適時に取締役会に報告されます。取締役会は、その過半数が社外取締役から構成されており、リスクの所在・種類、対応策及びその実施状況、並びにリスク管理の状況について監督することで、当社グループを取り巻く経営環境や当社グループの経営戦略に鑑みて、適切なリスク管理態勢を確立し、継続的に改善を図っています。

 なお現在、気候関連リスクは、グループリスク管理基本規程において設定、管理するリスク区分としてではなく、それらリスク区分に横断的に影響を及ぼすリスクと捉えて管理しています。今後も気候変動問題のリスク管理態勢について、継続的に改善・強化を検討・実行していきます。

 

   戦略

 

 当社グループは、パーパス実現に向け、様々なサステナビリティに係る課題の中でも、特に環境、社会、ガバナンスについて、下記の課題を認識しております。

 

サステナビリティに係る課題

 (環境)

 当社グループは、顧客資産を中長期にわたり運用していくために、持続可能性のある生態系全体を含めた地球環境の維持は必須と認識しております。特に、気候変動問題の解決のための重要課題であると捉えています。

 (社会)

 当社グループは、人間の活動が世界規模で複雑に絡んでおり、この結果、社会的課題の理解と解決の難易度は高まっていると認識しています。また、当社グループの事業を運営していく上で、従業員、顧客、取引先、地域社会等ステークホルダーとの良好な関係維持は重要であり、かつ課題であると認識しています。また、サプライチェーンが拡大する中で、直接的な課題である労働条件等の課題だけでなく、世界各国での児童労働、贈収賄、人権問題など社会課題がより重要になっているとの認識をしております。

 さらに、当社グループ自身の中長期的な成長を持続可能なものとしていくためにも、独立系の存在基盤を確固たるものとすべく、投資哲学を共有した「人財」の育成と、その「人財」を活かす仕組みを維持改善していくことが必須であると認識しています。

 

  (ガバナンス)

 当グループは、投資先に係るガバナンスを評価する際には、経営者の人間性や資質、経営判断基準や業務執行体制が合理的であるか否かが、最も重要な要素であり、かつ課題であると認識しています。また、当社グループ自身においても、より良いガバナンス体制の構築が必須であると認識しています。

 

 

サステナビリティに係る取組

 当社グループは、前述した環境・社会課題の解決に対し、投資活動を通じて寄与することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。具体的には、ESGの観点から、当該課題の解決に繋がる事業への投資活動や、既に投資を行っている投資先へのエンゲージメントを実施する他、株主として必要に応じて投資先企業のESG課題の改善の支援を行ってまいります。また、投資先企業の事業活動が環境・社会にもたらすインパクトに、より注目した投資活動も行ってまいります。

 

  (環境)

 当社グループは、企業活動や消費行動などの人類の活動が環境にもたらすマイナス面を減らし、プラス面を増やす活動に対して、投資を通じて積極的に関与してまいります。

 特に重要課題であるカーボンニュートラルの実現に向けて、ファンドスキームを活用した再生可能エネルギー発電施設の建設・運営すること等を通して貢献してまいりました。今後も投資運用サービスを通じた地球環境問題への対応を行ってまいります。

 

  (社会)

 当社グループは、創業当初より、企業の定性的評価を重視して投資を実行してまいりました。それは、「企業収益の質」「経営者の質」「市場成長性」という3つの評価軸での分析です。この分析を通じて常に当社グループは、企業の存続可能性として重要である、経営ビジョン、従業員のモチベーション、サプライヤーとの長期的関係などに注目しており、これらの要因はSDGs、ESGが掲げるものと多くのものが共通しています。このように創業当初から、当社グループは責任ある投資を実践してまいりました。この当社グループの伝統である責任投資に対する社会的な要請が高まる中、価値創出に資する責任投資の高度化・拡大・浸透は、健全な資本市場および持続可能な社会の実現に向けた、老舗投資会社としての当社グループの当然の責務であると考えております。この実現のため、やはり創業以来の一貫した基本姿勢である「ボトムアップ・アプローチ」を通じて、自分たちの目で現場を確認(現地現物)しながら、社会的課題の解決に取り組み、必要に応じて行政や地域コミュニティも交えて対話を行ってまいります。

 また、顧客を初めとするステークホルダーから選ばれ、結果的に高い収益力を維持すること、またこれらを支える「人財」を育成・擁することは、独立系の存在基盤を確固たるものとした上でパーパスを実現するために必須と考えております。具体的には、バフェット・クラブ等の社内勉強会における投資哲学の共有等から醸成される投資力、ユニークな投資アイデア創出力の他、フロント・バック部門一体となった顧客本位の業務運営や、社内に望ましい行動様式を明確化・浸透させるとともに、各部署・各階層一丸となって投資アイデアを具体的にパッケージング化すること等によって、継続的に他社比で高く、持続可能な収益性を実現するための仕組みが、様々な施策に落しこまれている経営体制を目指してまいります。

 さらに、上記を支える当社グループの基盤として、従業員等のダイバーシティ(多様性)、エクイティ(公平性)&インクルージョン(包括性)やウェルビーイング、当社グループが大切にする価値観をベースにした投資力の育成、継承などの人材開発にも注力してまいります。

 

  (ガバナンス)

 当社グループは、責任投資の一環として、環境や社会の課題のみならず、投資先のガバナンス課題にも着目しています。具体的には、2000 年代初頭から、ガバナンス投資により注目した投資の実践を行っております。

 また自ら、独立系の強みを生かした、効果的・効率的な、健全で透明性の高いガバナンス体制を構築してまいります。具体的には、高度のガバナンス態勢を構築・維持することで顧客からの支持を得るとともに、資本市場に対して範を示してまいります。特に、様々な投資戦略を展開する中でも、グループ会社間、投資戦略間、ファンド間の利益相反管理など、適切なリスク管理を行ってまいります。その他、適切な決算・開示や納税、日本の金融商品取引法を始めとする各国各種の法令や諸規則を遵守する透明性の高いプロセスを構築してまいります。

 

 当社グループは、ESGの重要性および環境・社会課題の解決に投資活動が貢献出来ることについて、当社グループのステークホルダーをはじめとする多くの関係者の理解を得ることも重要であると認識しています。今後も、こうした当社の考え方を発信するとともに、ステークホルダーとの対話を実施することにより、ESG課題を含むサステナビリティに関連する「リスク」を最小化し、「機会」を早期に発見することによって、本基本方針の目的を達成してまいります。具体的には、株主総会、IR説明会の他、当社グループのWebサイトやYouTubeチャンネル等を通じた情報発信を行っていく他、再生エネルギーに対する理解の促進に向けた「こどもエネルギーサミット」等を通じて、次世代への教育にも引き続き取り組んでまいります。

 

 当社グループは、「良き企業市民」としての社会的責任を果たすため、以下のイニシアティブを支持し、参画しています。今後も、サステナビリティに係る課題への対応を進めるに際し、真に有用なイニシアティブ等については、具体的に参画を検討し、必要に応じて参画してまいります。

 

・PRI(Principles for Responsible Investment:責任投資原則)

・TCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures:気候関連財務情報開示タスクフォース)

 

   指標及び目標

 

 以下の(1) 気候変動及び(2) 人的資本・多様性に関する方針及び取組において、記載しております。

 

 サステナビリティにおいて重要と考える(1) 気候変動及び(2) 人的資本・多様性に関する方針及び取組は以下のとおりです。なお、気候変動については、当社グループのビジネス上、上場会社としての気候変動への取り組みと、お客様からお預かりした資産を運用する投資会社としての投資先への取り組みの2つの側面をもっております。

 

  (1) 気候変動

  気候変動への取り組み (上場会社として)

 当社グループでは、私たちの投資を通じて地球環境と人間が共生できる社会の実現に積極的に関わることを目指し、2020年1月に「気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD : Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」が公表した提言に賛同の意を表明いたしました。

 

  ①ガバナンス

当社グループでは、「サステナビリティに関する基本方針」を策定し、気候変動を含むサステナビリティに係る課題への対応を経営上の最重要課題の1つと認識しています。よって、気候関連の課題に関する基本方針に関しては、取締役会において議論・決議を行い、具体的な業務の執行にあたっては、その中心的な意思決定機関である経営会議において、少なくとも年に1回、かつ、必要に応じ適時に、具体的な活動方針や推進施策等の議論・決定し、取締役会に報告することで実施内容を取締役会が監督するというガバナンス体制を構築しています。

取締役会は、その過半数が社外取締役から構成されており、具体的な活動方針や推進施策等に対し、進捗状況の検証や審議等を実施することにより、PDCAサイクルによって、適切にマネジメントを推進し、継続的に改善を図っています。また経営会議には、業務執行の中心メンバーである社内取締役及び執行役員が全員参加し、少なくとも毎月1度は開催され、その内容については適時に取締役会に報告されます。また、経営会議におけるサステナビリティ経営に関する議論を具体的に進めるため、サステナビリティ企画室を設置しています。

 

ガバナンス体制図(図1)

 

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  ②リスク管理

 気候変動に関するリスク管理については上記のサステナビリティのリスク管理に含めて管理しております。詳細については(1) サステナビリティ ②リスク管理を参照ください。

 

  ③戦略

当社グループは、顧客資産を中長期にわたり運用していくために、持続可能性のある生態系全体を含めた地球環境の維持は必須と認識しております。特に、気候変動問題は、この目的達成のための重要課題と捉えています。

気候変動は平均気温上昇による自然災害の激甚化や脱炭素社会の移行に伴う社会経済の変化をもたらすことから、これらに関連したリスクと機会が生じます。

リスクには、自然災害や異常気象の増加等によってもたらされる急性リスクや平均気温上昇に伴い発生する慢性リスクといった「物理的リスク」と、脱炭素化に向けた規制強化や脱炭素技術移行への対応といった「移行リスク」の2つがあります。

機会には、気候変動問題の解決のための技術革新や市場の変化等に伴う企業の収益機会があります。当社グループは、気候変動対策や脱炭素社会への移行を、新しい投資商品の提供を通じてサポート・実現することで当社ビジネス機会の拡大に繋げ、ひいては持続可能な環境・社会の実現に貢献していきます。

当社グループは、TCFDの提言を踏まえ、以下の通り、リスク(物理的リスク、移行リスク)及び機会について、短期・中期・長期の目線での把握に努めています。投資会社である当社グループへの直接的な影響としては、他の業種に比べて大きくないものと考えていますが、今後は、これらの想定を、複数のシナリオ分析等によって検証し、より具体的な財務的な影響等を把握するよう努めていきます。なお、大規模な自然災害といった物理的リスクについては、自社の事業の継続性を確保するための定期的なBCPの見直しや管理体制の強化を図っています。

 

<気候関連のリスク>

リスクの種類

リスクの内容

想定される主な影響

想定期間

移行リスク

政策・法規制

・GHG排出価格(炭素税)の上昇
・排出量の報告義務の強化 など

・制度変更や規制強化に伴うコスト増加による業績への悪影響

 

中期~長期

 

技術

・急速な技術革新による産業構造の変化への対応の遅れ など

・産業構造の変化をとらえた新たな投資商品を提供する機会を逸することによる結果的な業績への悪影響

中期~長期

 

市場

・投資家の嗜好変化 など

・投資家の嗜好が変化することに対して、適切な投資商品を提供する機会を逸することによる結果的な業績への悪影響

 

中期~長期

 

評判

・気候変動対策への取組み不足によるレピュテーショナルリスクの増加 など

・評判悪化によるビジネス機会の減少による業績への悪影響
・評判悪化による当社の資金調達コスト増

短期~中期

物理的リスク

急性/慢性

・豪雨・巨大台風などの災害増加
・平均気温の上昇、海水面の上昇等による災害の激甚化 など

・当社グループの拠点や社員の被災などによる事業活動の制約による業績への悪影響
・災害への対策や復旧・修繕対応など各種コストの増加による業績への悪影響

中期~長期

(想定期間)短期:0~3年、中期:3~10年、長期:10~30年

 

<気候関連の機会>

上記気候関連のリスクへの対応策を検討する際には、例えば「急速な技術革新による産業構造の変化への対応の遅れ」を「産業構造の変化を急速にもたらす技術を有する会社に投資機会を見出し、投資戦略に落とし込んでいく」など事業機会に捉え直すことで、投資戦略の立案に繋げています。

 

 

   ④指標及び目標

 当社グループは、2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、脱炭素に向けた取り組みを進めており、気候関連に関するリスクの軽減や機会の実現を目的に、指標を定め、目標を設定し、そのモニタリングに取り組んでいます。これらの指標の進捗状況については、少なくとも年に1回かつ必要に応じ、経営会議及び取締役会に報告されます。

 2022年度の当社グループの事業活動により、自らが排出する温室効果ガス(以下、「GHG」)排出量のうち、Scope1・Scope2の合計※1は、約109.67 tCO2eであり、2020年度基準比▲22.7%でした。2022年9月には、GHG排出量削減に向けた取り組みの一環として、グループ国内拠点6社が入居するビルで使用する電力に関し、非化石証書を用いた再生可能エネルギー由来の電力契約に変更しました。中間目標として掲げた2030年度までにGHG排出量を33%削減(2020年度比)の目標達成を前倒しできるよう、更なるGHG排出量削減に取り組んでいきます。

 指標として定めている GHG 排出量に関する実績推移は、以下の通りです。なお、GHG排出量削減目標(Scope1・Scope2)に向けた進捗管理に加え、「環境省グリーン・バリューチェーンプラットフォーム」等を活用して、サプライチェーンにおけるCO2排出量(Scope3)を算定し、モニタリングを開始しました。また、Scope3の開示強化に向けて、特にカテゴリ15の「投融資」の算定に関しては、金融機関として脱炭素社会の実現に向けた第一歩であると認識しております。今後、PCAF※2の手法に基づく投融資を通じたGHG排出量(Financed Emissions)の計測を進めていきます。

 

Scope1・2

tCO2e

 

2020年度

2021年度

2022年度

Scope1(直接排出)

6.05

6.13

6.13

Scope2(間接排出)※3

135.93

126.64

103.67

Scope1・Scope2合計

141.98

132.77

109.80

削減実績(2020年度比)

-

▲6.5%

▲22.7%

削減実績(前年度比)

-

▲6.5%

▲17.3%

 

Scope3

tCO2e

 

カテゴリ

2021年度

2022年度

Scope3

カテゴリ1(購入した製品・サービス)

3.09

2.81

Scope3

カテゴリ2(資本財)

9.81

249.23

Scope3

カテゴリ5(事業から出る廃棄物)

0.28

0.39

Scope3

カテゴリ6(出張)

136.52

576.47

Scope3

カテゴリ7(雇用者の通勤)

62.93

51.70

(算定期間)各年度:4月1日~翌年3月31日

(算定範囲)

Scope1・Scope2:東京拠点グループ6社※4、 SPARX Asset Management Korea Co., Ltd.※5、 SPARX Asia Investment Advisors Limited※5

Scope3:東京拠点グループ6社※4

[算定方法]

Scope3の算定方法、排出計数等は、環境省・経済産業省の「サプライチェーンを通じた温室効果ガス排出量算定に関する基本ガイドラインVer.2.5」「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース Ver.3.3」に基づき算出

カテゴリ1:東京拠点グループ6社のコピー用紙の購入金額に排出原単位を乗じて算出

カテゴリ2:該当年度内、東京拠点グループ6社の固定資産取得額に排出原単位を乗じて算出

カテゴリ5:東京拠点グループ6社の排出廃棄物を種類・処分方法ごとに排出原単位を乗じて算出

カテゴリ6:東京拠点グループ6社の国内外出張金額より算出(航空機、鉄道、バス、タクシーの利用金額ごとに排出原単位を乗じて算出)

カテゴリ7:当年度末の東京拠点グループ6社の社員の月額通勤費を年額に換算して算出(鉄道、バスの利用金額ごとに排出原単位を乗じて算出)

 

※1 GHG排出量算定基準は、GHGプロトコルに基づくScope1(直接排出)+Scope2(間接排出)

※2 Partnership for Carbon Accounting Financials

※3 Scope2は、マーケット基準にて算出

※4東京拠点グループ6社は、以下の通り

スパークス・グループ株式会社

スパークス・アセット・マネジメント株式会社

スパークス・グリーンエナジー&テクノロジー株式会社

スパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社

スパークス・AI&テクノロジーズ・インベストメント株式会社

スパークス・イノベーション・フォー・フューチャー株式会社

          ※5所在国の排出係数を使用して算出

 

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  責任投資に係る取り組み (投資会社として)

 

スパークス・グループ内のアセットマネジメント会社が、受託しているポートフォリオの運用を通じて、投資先の気候変動への対応状況を分析し、影響度を評価する取り組みについては、以下の通りです。

 

  ①ガバナンス

 当社グループは、「(投資を通じて)世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」というパーパスを掲げ、この達成のため、顧客よりお預かりする全ての資産に関する顕在・潜在双方のリスクと機会を適切に把握、管理しております。

具体的には、責任投資の監督責任、説明責任を果たすため、当社取締役会の諮問機関として、グループCIOを委員長とする責任投資委員会を設置しています。なお、責任投資委員会には、全ての社内取締役、グループ執行役員が委員として参加し、少なくとも四半期に一度は開催され、その内容について適時に取締役会に報告の上、実施内容について取締役会が監督するというガバナンス体制を構築しています。また、責任投資委員会における責任投資原則の実践に関する議論を具体的に進めるため、責任投資推進室を設置しております。

当該委員会においては、グループ各社の投資政策委員会(もしくは同等の組織)から責任投資の実施状況の報告が行われるほか、責任投資ポリシーなどの変更承認、責任投資の実施に関する年次報告書の承認などを行っています。

なお、当該委員会には外部アドバイザーが陪席し、独立した立場から、報告や審議内容に対する助言がなされ、責任投資に関する最新の動向が共有されています。

※体制図は、図1を参照

 

  ②リスク管理

 当社グループは、投資先企業の調査・分析及び投資判断において、ボトムアップリサーチによる企業の定性的評価を重視しています。ボトムアップリサーチにおいて、期待投資リターンの評価を行うとともに、ESGに関する機会とリスクも定性的に評価しております。

また、外部ベンダーの気候変動関連データをエンゲージメント先の選定や対話に活かしながら、投資先企業に気候変動に係る取り組みを促進するよう働きかけを行うことが可能な態勢整備を進めています。

なお、上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオに関して、外部ベンダーの気候変動関連データを参照し、各ポートフォリオとベンチマーク(もしくは参考インデックス)について、カーボンフットプリント(事業活動に伴って排出される温室効果ガスのCO2換算量)と加重平均カーボンインテンシティ(WACI : Weighted Average Carbon Intensity)を計測した数値と、エンゲージメント件数を投資政策委員会に月次で報告しています(*)。

*エンゲージメント件数の投資政策委員会への報告は、2023年1月より開始

 

  ③戦略

 気候変動問題の解決のためには、投資先企業が気候変動に関するリスクと機会を中長期的な目線で経営戦略に組み込み、対応を進めることが重要であると認識しています。アセットマネージャーとして、投資先企業の気候変動に関するリスクと機会が、顧客資産の運用ポートフォリオに及ぼす影響を把握するため、運用資産残高の大部分を占める、上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略の、2022年12月末時点のポートフォリオについて、S&PGlobalにシナリオ分析を委託し、実施しました。

なお、2022年12月末時点の、当社グループの投資戦略別運用資産残高は、表の通りです。

 

(単位:億円)

日本株式

9,334

OneAsia

834

実物資産

2,629

プライベート・エクイティ(未来創生他)

1,955

合計

14,754

 

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2℃未満目標との整合性:温室効果ガス移行経路評価

上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオとベンチマークについて(*)、移行経路アプローチに基づき温暖化対策のための国際目標との整合性を評価しました。S&P Globalの温室効果ガス移行経路評価を利用することで、ポートフォリオにおける2℃未満目標に対する整合性の程度を把握することができます。

*上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略は、表中の「日本株式」と「OneAsia」の合計です。

*上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のベンチマークは、TOPIX、KOSPI、MSCI Asia除く日本、を対応する市場の運用資産残高で加重平均し合成しています。

 

本評価では、過去の実績と将来(中期)の予想排出量の双方を評価対象とし、投資先の時間経過に伴う排出削減が温暖化防止目標に沿った適正な水準にあるかどうかを検証します。その結果、上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオでは、2℃以上3℃未満の水準、ベンチマークについては3℃以上の水準にあるとの評価になりました。今後、ポートフォリオを2℃未満に整合させることも視野に当社として何ができるかを社内で検討していきます。

 

移行リスク

TCFDは、気候関連のリスクを移行リスクと物理的リスクの2つに分類しています。移行リスクは脱炭素経済への移行に関連するリスク、物理的リスクは気候変動の物理的影響に関連したリスクです。

上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオにおける、気候関連リスクの財務的インパクト(将来のカーボン・プライスが及ぼす財務への影響)を評価しました。

上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオにおける将来負担すると推定される炭素コスト(Unpriced Cost of Carbon : UCC)割当分の多くは素材セクターであり、地域別には大半が韓国となっていることから、当該戦略のポートフォリオは、韓国国内でのカーボン・コストの上昇をもたらす気候関連の政策変更リスクに最も影響を受けるものと考えられます。投資先企業が将来負担するUCCに対して、現時点でどの程度支払う能力があるかを示すEBITDAアット・リスクは、高位シナリオに基づく2030年時点のポートフォリオ加重平均値で約19.85%、一方ベンチマークは約7.72%でした。

昨年の分析では、1.75℃未満の水準でしたが、データカバー率がポートフォリオについては約25%、ベンチマークについては56%と、すべての持ち分について評価できませんでした。一方、本年の分析では  、ポートフォリオについては約95%、ベンチマークについては100%と改善が見られ、ポートフォリオの全体像をより反映していると考えます。

 

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カバレッジ

2021年

2022年

ポートフォリオ

ベンチマーク

ポートフォリオ

ベンチマーク

カーボンパフォーマンス

97%

100%

98%

100%

パリ協定との整合性

25%

56%

95%

100%

シナリオ分析―カーボンプライシング

87%

99%

54%

35%

シナリオ分析―物理リスク

80%

97%

91%

100%

パリ協定に整合し、2100年までの気温上昇を2℃未満に抑えるというシナリオで、OECDとIEAの調査に基づいています。

 

セクター別UCCの内訳

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国別UCCの内訳

 

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物理的リスク

上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略のポートフォリオにおける物理的リスクを、2050年時点の中高位シナリオに基づき評価しました。8つのハザードタイプ(山火事、寒波、熱波、水ストレス、海岸洪水、河川洪水、熱帯サイクロン、干ばつ)のうち、エクスポージャースコアが高かったのは、寒波と河川洪水、財務インパクトが大きかったのは熱波でした。

 

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出所:S&P Globalデータよりスパークスにて作成

2100年までの気温上昇が2.8-4.6℃となるシナリオで、Shared Socioeconomic Pathway(SSP)の3, Representative Concentration Pathway (RCP)の7.0に該当します。エクスポージャースコアは1から100 のスケールで表現され、100が考えうる最大のリスク、1は最小のリスクを示します。財務インパクトは、気候変動に関連して発生する可能性のある性のある損失(設備投資、運用経費、事業中断など)を資産価値に対する割合(%)として表示します。

 

 ④指標及び目標

 当社グループは、パリ協定の長期目標に賛同し、世界的な平均気温の上昇を抑えるため、投資会社として、1企業

として、積極的に活動を行う所存です。そして、2050年までにすべての投資先企業、案件が温室効果ガスの排出量についてネットニュートラルを達成することを目標といたします。

上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略の2022年12月末時点のポートフォリオに関して、TCFDが開示を推奨しているカーボンフットプリント(事業活動に伴って排出される温室効果ガスのCO2換算量)、加重平均カーボンインテンシティ(WACI : Weighted Average Carbon Intensity)を、以下の通り算出しました。

 

 

2021年

2022年

カーボンフットプリント

1,201,434 tCO2e

830,940 tCO2e

WACI

167 tCO2e/百万米ドル

104 tCO2e/百万米ドル

 

上記、カーボンフットプリント、WACIのいずれの算出に関し、投資先の開示情報や、使用可能な開示情報がない場合はモデリングによる独自アプローチによりGHG排出量を算出するS&P Globalのデータを使用しています。なお、Scope1及びScope2を対象に算出しています。当社グループの運用資産において、GHG排出量や外部評価機関の評価などは、分析を補完するために積極的に活用する方針ですが、データの信頼性、評価方法の違いがあることから、数値を比較するのではなく、データを継続してモニターし、今後の利用方法を検討しています。

顧客資産の運用のうち、個別戦略の目標

(上場株式投資戦略及び上場株式オルタナティブ投資戦略)

当該投資戦略は、パリ協定の長期目標に賛同し、世界的な平均気温の上昇を抑えるため、投資会社として、積極的に活動を行う所存です。したがって、2050年までにはすべてのポートフォリオの保有銘柄が温室効果ガスの排出量についてネットニュートラルを達成することを目標といたします。

そのためには、投資先企業が、パリ協定に従い温室効果ガス削減計画を立案し、実行していくことが望ましいと考えます。

ただし、それまでのプロセスとして、すでに排出量が少ない企業、パリ協定に基づき削減施策を実行している企業にだけ投資するのではなく、今後削減施策を実行すると思われる企業を支援することが重要と考えます。

したがって、当面の目標としましては、2025年までには、日本株式投資戦略(*)の全てのファンドにおいて、ポートフォリオの50%以上がTCFDに賛同を表明し、排出削減計画を実行している企業とすることとし、なるべく多くの投資先企業が賛同することを働きかけてまいりたいと思います。

*上場株式投資戦略および上場株式オルタナティブ投信戦略のうち、日本株式に投資する戦略のこと。

今後の目標と実績につきましては以下のとおりです。

 

目標

実績

2022年

(中間目標)

日本株式投資戦略のすべてのファンドにおいて、TCFD賛同率30%以上

TCFD賛同率が30%以上のファンド比率(ファンド数ベース)が97%

2025年

 

日本株式投資戦略のすべてのファンドにおいて、TCFD賛同率50%以上

 

(プライベート・エクイティ投資戦略(未来創生ファンド)

当該投資戦略は、パリ協定の長期目標に賛同し、世界的な平均気温の上昇を抑えるため、投資会社として積極的に活動を行う所存です。2050年までには、すべての投資先企業が温室効果ガスの排出量についてネットニュートラルを達成することを目標とします。それまでのプロセスとして、当該投資戦略の投資担当者が、投資先企業のTCFD賛同に向けてのガイド役となることを目指します。ガイド役として、投資先企業が未上場の段階から気候変動に関する財務情報開示に向けて最大限取り組めるよう、気候関連リスクと機会の評価、そしてその財務上の影響についての議論に参加します。

 

今後も、気候変動問題解決に向けた取り組みを一層進め、情報開示を行ってまいります。

 

 (2) 人的資本・多様性に関する方針及び取組

 当社グループのパーパス、ビジョン(=思想)に共感し、集う優秀な人財が、様々な多様性を互いに尊重し、最高のプロフェッショナルとなるべく能力・技術の向上に主体的に取り組むだけでなく、思想・技を実現するための行動規範(=所作)を大切にすることで優れた人格の形成にも取り組み、互いに切磋琢磨する成長の機会を与えられ、全員が一丸となって「もっと良い投資(=技)」を実践・提供することで組織の成長に貢献するという働きがいを感じることのできる場を提供してまいります。

 また、当社グループの競争力の源泉は、「①イノベーション力」×「②コミュニケーション力」、つまり「個々の高い専門性を掛け合わせて組織で戦う」ことにあると考えています。よって、①アカウンタブルで再現性の高い投資力やユニークな投資アイデア創出力を強化するため、②社内に望ましい行動様式を明確化・浸透させるとともに、全社一丸となって投資アイデアを具体的にパッケージング化する力を強化するため、また③それらのベースとなる働きやすい環境を整えるため、それぞれ必要と考える諸施策を講じてまいります。

 

 ① 人材の育成方針について

 プロフェショナルファームとして役職員は高い専門性を有しておりますが、VUCAの環境下において新たな投資分野への参入などにより業務が拡大していく中、必要とされる知識やスキルは多様化しており、また常にアップデートしていかなければならず、役職員が専門領域において主体的に学び実践することが重要であると考えております。そのために専門領域に関する自己研鑽費用への補助や資格取得時等の報奨金の拡充、社員同士が教え合うOJTの強化などに取り組んでまいります。加えて、専門領域以外においても、プロフェッショナルとしてのインテリジェンスをより高めるために、幅広く知的好奇心を満たす学習機会の提供にも取り組んでまいります。また個々人の主体的な学びを重視しつつ、各部門において必要な知識・スキルを身に付けた役職員を計画的に育成していくために、部門別教育の強化にも取り組んでまいります。

 

 ② 人材の多様性の確保に向けた社内環境整備方針について

 当社グループとしては、異なる経験や知見、属性等を尊重し、それらを反映した多様な視点と価値観を有することは、新たな価値を創造し、持続的な成長と企業価値の向上、ひいては当社グループのパーパスである「世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」の実現に欠かせないものと考えております。このため、従来から性別や国籍等の属性に関係なく、経験や能力、当社グループのパーパスやビジョン、大切にしている価値観に対して理解と共感が出来る人材を人物本位で採用や登用を行っております。当社グループの人員は、主に中途採用者で構成されており、品格を備え、意欲と能力がある優秀な人材であれば、性別や国籍等の属性に関わらず、たとえ未経験者であっても積極的に採用しております。中途採用者は、それぞれが異なるキャリアを有していることから、当社グループ固有の価値のみに縛られず、非常に多様性に富んだ組織構成になっております。更に、金融業界以外で活躍されている人材を対象に採用活動を行うこともあり、異業種出身者の採用や異業種から出向者を受け入れる等、金融業界以外の価値観や知見を有する人材を取り込むことで、更なる多様性ある組織の構築を目指しております。

 当社グループは「プロフェショナルファーム」であるという認識のもと、上記方針に従い、性別や国籍等の属性を問わず、経験や能力等人物本位で採用した中途採用者をベースに創業来事業拡大を行っており、これまで社員を管理職へ登用する上で、性別や国籍、採用時期や年齢等といった属性が要因となって昇進・昇格に差が出ているとは考えておりません。よって、「女性」「外国人」「中途採用者」に特化した管理職への登用に関する特別な基準や、それぞれの属性ごとに、定量的な管理職比率等の目標を形式的に定めることは、現時点においては致しません。

 一方で、政府目標である「指導的地位に占める女性の割合が2020年代の可能な限り早期に30%程度となるよう目指して取組を進める」を念頭に置きつつも、当該比率を形式的に達成することを目標にするのではなく、女性があたり前に活躍できる環境づくりを更に進めてまいります。

 具体的には、下記[参考]にあるようなライフステージに合わせた柔軟な支援や人事制度の改定、また管理職に期待する役割の更なる明確化を図り、その責任を認識させることで、主体的にリーダーとして役割を果たしたいと望む者を増やしてまいる他、管理職候補者層を構築するため、必要な経験の蓄積やキャリア意識の醸成等に意識的に取り組むことによって、結果的に経営の意思決定に関わる女性社員を実質的に増やしてまいります。

また、現時点では当社グループのビジネス基盤が日本中心であることから、外国人比率及び外国人管理職比率の割合は下記[参考]の通りでありますが、今後、日本以外でのビジネスの拡大に伴い、当該比率は必然的に上昇すると考えております。

[参考]

ライフステージに沿った主な支援制度

*就業時間の複線化  従業員が就業時間帯を一定の範囲内で選択できる。

*短時間正社員    育児(子の年齢制限無)や介護(期間制限無)等の理由で短時間勤務ができる。

*不妊治療休暇    有給で年10日限度に取得可能。

*看護/介護休暇    有給で対象者一人当たり年5日を限度に取得可能。

*バックアップ休暇   未取得の年次有給休暇を最大30日積み立てることが可能。

*出産/育児支援金   産前産後休暇を取得する従業員、育児休業を取得する男性に支援金を支給。

(制度利用には会社の承認が必要な場合があります。)

 

2023年3月末時点(当社グループ職員 173名:使用人兼務役員を含む)

・女性比率         71名(当社グループ職員に占める割合:41.0%)

・女性管理職比率      9名(当社グループ管理職員に占める割合:23.7%)

・外国人比率        44名(当社グループ職員に占める割合:25.4%)

・外国人管理職比率     8名(当社グループ管理職員に占める割合:21.1%)

・中途採用者比率      163名(当社グループ職員に占める割合:94.2%)

・中途採用者管理職比率   35名(当社グループ管理職員に占める割合:92.1%)

・育児休業取得者数(国内グループ会社計):2021年3月期~2023年3月期:13名(女性11名、男性2名)

 

 当社グループの多様性の確保に向けた社内環境整備の実施状況は以下のとおりです。

*今後も、性別や国籍等の属性や出身業界にとらわれず、多様性に富む中途採用者を軸とした人物本位での採用活動を継続しております。

*出産・育児・介護等、社員のライフステージに応じた支援を行い、また、男性が育児休業を取得しやすい風土の醸成と仕組みの導入にも取り組むことで、性別を問わずに仕事と就業との両立に資する施策を充実させるほか、就業時間帯の複線化や在宅勤務、短時間勤務等、多様な働き方を模索しております。

*定年後再雇用の延長等を検討することで、シニア、ベテラン社員の経験を、これまで以上に組織に生かす仕組みを模索しつつ、合わせて、その知識・経験・スキルを次世代の人材に伝承し、若手社員の成長の機会を確保しております。

*ハラスメント研修やアンコンシャスバイアス研修等を通して、組織として多様な人材の受容度を向上させ、風通しの良い、心理的安定性が確保されている組織風土を構築しております。

*管理職手前の女性対象者に対する研修や情報提供、メンター制の導入などを通じて、管理職への昇格に対する意欲の向上に努めております。

*既に導入済みの社内公募制を活用し、誰もが自身の能力を発揮することが出来る場の提供に努めると同時に、管理職になるための経験を積む場としても活用しております。

*従業員の健康維持・増進に寄与する施策を充実させ、いわゆる健康経営を実践することで、多様な社員が、健康で活き活きと働き続けることが出来る環境を構築しております。

*上記の人材育成、社内環境整備方針に加え、多様な社員を束ねるためにも当社グループのパーパス、ビジョン、ミッション等の更なる浸透を図り、共感を得ることで従業員エンゲージメントを高めております。

 

3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 また、当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。

 

① 事業内容の特性に係るリスク

  ・顧客に提供する商品及びサービスに係るリスクについて

 当社グループの収益の大半は投信投資顧問業に係る委託者報酬及び投資顧問料収入によって構成されており、加えて当社グループが運用する資産の投資対象の大半を日本及びアジア地域の上場株式が占めています。従って、当社グループの運用資産残高や運用実績等は、世界経済の動向や、気候変動により起こる異常気象や自然災害、パンデミック、紛争、戦争など日本及びアジア地域の上場株式市場に影響を及ぼす事象の他、同地域の上場株式に対する顧客の資産配分方針に大きく影響を受けます。

 また、気候変動問題をはじめとする、ESG(環境・社会・ガバナンス)課題の顕在化に伴い当社グループのステークホルダーからは、責任ある投資家として、ESGに配慮した責任ある投資を行うよう期待されております。当社グループの責任投資に関する取り組みや開示が期待から大きく乖離した場合には、運用資産残高の減少に伴う運用報酬の減少など、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

このようなリスクに対して当社グループは、上場株式を運用対象とする事業において投資戦略の多様化に取組む一方、不動産、再生可能エネルギー発電事業や未公開株式等を運用対象とする商品の開発・提供にも注力し、これを着実に拡大しております。日本及びアジア地域の上場株式市場の低調な状況がたとえ長期化したとしても、グループ全体の業績に対する影響は過去に比べて相対的に小さくなっており、安定的に基礎収益を計上できる基盤が、より強化されてきていると考えております。

また、ESGに配慮した責任ある投資を適切に行うため、グループCIOを委員長とした責任投資委員会を設置し、当社グループの全ての投資戦略において、責任投資が適切に実践されているか等を協議し、推進しております。

 

  ・顧客基盤や販売チャネルの不安定性に係るリスクについて

 当社グループは国内外に幅広い顧客ネットワークを構築して参りましたが、その基盤は必ずしも十分なものではありません。また、それら顧客と当社グループとの契約は比較的短期の事前通知により、また契約によっては事前通知することなく、いつでも顧客が解約することが可能です。一部の投資顧問契約及び投資信託を除いては、顧客に契約の終了又は資金の引出しを禁じるロック・アップ期間はありません。よって一部の顧客が契約の全部又は一部解約などを行ったり、他の顧客がこれに追随したりするなどしてファンド規模が縮小することがあります。さらに解約などによりファンド規模が縮小した場合、既存又は新規の顧客から新たな資金を集めることが困難になることがあります。これらの結果、運用報酬の減少など、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

 また、当社グループは他の多くの資産運用会社と異なり、銀行、証券会社、保険会社といった大手金融機関を核とした金融機関の系列に属しておらず、独立系の資産運用会社として自力で顧客基盤と販売チャネルを構築してまいりました。これらの競合他社は、系列に属することで強力な販売チャネルの活用が可能となることに加え、比較的に解約リスクの低い資金を集めることが可能であり、当社は運用資産残高及び営業収益の安定性あるいは耐久力に関して、比較劣位にあります。従いまして、今後も顧客基盤や販売チャネルの不安定性に基づく当社グループの運用資産残高の低下に伴う残高報酬の減少など、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

 このようなリスクに対して当社グループは、一つの機関投資家から大きな資金をお預かりすることだけでなく、個人投資家からの資金も含め、小口の運用資金を積み上げていくことで、特定の投資家への集中度を低下させ、たとえ解約が起きたとしても解約金額が限定的になるように努めております。

 

  ・運用実績の変動に係るリスクについて

 当社グループが顧客から受託している運用資産に係る運用実績が悪化した場合、既存顧客との契約の維持及び新規契約の獲得に困難が生じ、運用資産残高の低下を招き、当社グループの業績及び今後の事業展開に悪影響を及ぼすおそれがあります。また、当社グループは営業収益の一部を、運用実績に基づく成功報酬により得ておりますが、成功報酬の金額は運用実績を反映して毎年大きく変動しております。

 このようなリスクに対して当社グループは、良好な運用実績を安定的に達成するため、創業時より続く社内の勉強会などを通じて、投資哲学の共有や運用能力の維持向上に努めております。

 さらに、当社グループが運用する投資戦略は、成功報酬の付帯比率が高いオルタナティブ運用型の投資戦略と成功報酬の付帯比率が低い伝統的運用型の投資戦略の2つに大別され、この成功報酬の付帯比率を高位に保つことを経営方針の1つとしておりますが、日本及びアジアの株式市場の変動をはじめとする市場環境の動向や、それに基づく当社グループの運用実績、顧客の資産配分方針の変動などによって成功報酬の付帯比率が変動する可能性があります。

 このようなリスクに対して当社グループは、既存の戦略においては成功報酬付きファンドの運用資産残高を積み上げるべくマーケティング活動に注力している他、新規戦略において成功報酬を計上できるようなスキームづくりに努めております。

 

・運用対象の拡大に係るリスクについて

 当社グループは、日本及びアジア地域の上場株式を運用対象とする事業の他、不動産や再生可能エネルギー発電事業等のインフラ資産を運用対象とした商品の開発・提供にも注力しております。

 当該分野の事業発展には、従前とは異なった経験や知見を有する人材やリソースの確保が必要であり、事業展開に想定以上の時間を要したり、初期投資の負担が一時的に収益性を毀損するおそれがあります。またこれらの事業領域では、個々の案件を推進した当社グループが第三者に生じた損害に対して賠償責任が生じ得る等の独自のリスクもあります。さらに、万一、顧客やマーケットの信頼を失い、監督当局から行政処分を受けるなどした場合は、当社グループの事業、経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。その他、新規分野においては必ずしも市場が十分に成熟していないことを背景として、法令や諸規則の改正又はその解釈や運用の変更が行われる可能性もあり、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 このようなリスクに対して当社グループは、個々の案件において可能な限り保険或いは契約等によりリスクの回避を図る他、法的規制に対する十分な理解や内部管理体制の構築、そのための人材の充実に努めるほか、その領域に精通した外部専門家に十分なアドバイスを求めるなどの対策を講じております。また、撤退の基準を明確にするなど判断の遅れによる損失の拡大を防ぐよう努めております。

 

・当社グループが管理運営するファンドに係るリスクについて

 当社グループが無限責任組合員又はゼネラルパートナーとしてファンドに関与している場合において、その運用方針、運用制限に沿ってファンド運用を行っている限りは、ファンドの出資額を超える損失が発生し、またそれについて当社グループが責任を負わなければならない事態は、ファンドの運用方針、運用制限の内容からは想定されません。しかしながら、何らかの逸脱行為によって出資額を超える損失を負担する可能性を完全には否定できず、この場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

 このようなリスクに対して当社グループは、ファンドとの契約内容が適切なものとなっているか、運用制限に沿ってファンド運用を適切に行っているか等、確認できる体制を構築しております。

 

・信用供与に関する偶発債務の顕在化に係るリスクについて

 当社グループが不動産や発電事業等の実物資産に係る投資スキームを構築する上で、子会社や投資スキーム等を通じて保証等の信用供与を行う必要が生じる場合が例外的に存在します。信用供与先が、信用力低下や破綻等によって取引当事者としての義務を果たせない場合は、信用供与に関する偶発債務の顕在化のリスクが具体化し、これにより当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

 このようなリスクに対して当社グループは、事前に外部専門家に十分なアドバイスを求めるなどの対策を講じる他、保証実行のリスク等を慎重に検討し、顕在化するリスクが極めて低いと判断したもののみ限定的に信用供与を行うことに努めております。

 

・投資先企業への役員派遣に係るリスクについて

 当社グループは投資先企業の価値向上のため、役職員を投資先企業の役員として派遣することがあります。その役職員個人に対して、役員損害賠償請求等があった場合、当社グループがその個人に生じた経済的損失の全部又は一部を負担することとなる可能性があるほか、当社グループに使用者責任が発生する可能性があります。

 このようなリスクに対して当社グループは、投資先企業において会社役員賠償保険(D&O保険)の付保や責任限定契約の締結を求めるとともに、投資先企業の所在地や業態などを確認し、派遣している役職員が、当社が加入するD&O保険の補償対象範囲に含まれるように努めております。

 

② 経営の外部環境に係るリスク

  ・他社との競合に係るリスクについて

 資産運用業、特に投資助言業は、金融業界の他業種に比べると参入障壁が比較的低い業種であり、常に国内外からの新規参入者との競合を覚悟する必要があります。また、グローバルレベルでの資産運用ニーズの高まりは資産運用業界全体にとっての追い風ではありますが、これにより新規参入が将来にわたってさらに促進される可能性があると共に、国内外の大手金融機関が資産運用サービスを経営戦略上重要なビジネスと位置づけ、積極的に経営資源を投入してくるケースも想定されます。また、業界内での統廃合によって、当社グループの競合他社の規模や体力が増強されることがあります。さらに、競合他社が当社グループのファンドマネージャーやその他の従業員の移籍・採用を図る可能性もあります。

 この様に他社との競合は今後も激化していくことが予想され、その場合には、顧客の獲得や維持に困難が生じるだけでなく、残高報酬料率や成功報酬料率の水準にも影響を及ぼし、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

このようなリスクに対して当社グループは、日本及びアジア地域の上場株式を運用対象とする事業において投資戦略の多様化に取組む一方、不動産、再生可能エネルギー発電事業や未公開株式等を運用対象とする商品の開発・提供にも注力し、これを着実に拡大することで、結果的に競合する他社とは異なるユニークな事業展開によって差別化を図っております。

また、当社グループの投資哲学を深く理解し、共有・実践することのできる運用体制の構築を、時間をかけて愚直に行うこと、そして当該運用体制によって長く優れた運用実績を積み重ねることが資産運用業にとって最も大切であり、競合する他社には簡単に作り上げられない価値と考え、今後も維持・強化していくとともに、この価値を当社グループのブランド構築の柱に据えて取り組んでまいります。

その他、採用した優秀な人材が互いに切磋琢磨し、成長の機会が提供されて自らの成長を実感できるよう、裁量を与えられて仕事に取り組むことができる社風を維持することに努めている他、適切なインセンティブ制度の提供という金銭的なモチベーションだけでなく、非金銭的なモチベーションも強く感じることのできるよう、”Professional Nurturing Ground(プロを育む肥沃な土壌)”の提供に取り組んでおります。

 

  ・為替相場の変動に係るリスクについて

 当社グループの財務諸表は円建てで表示されているため、外国為替レートの変動は、外貨建て資産及び負債の円換算額に影響を及ぼします。また、当社が海外子会社を連結する際には、当該子会社における外貨建ての資産や負債あるいは収益及び費用の円換算額も変動し、連結貸借対照表・連結包括利益計算書上の「為替換算調整勘定」を変動させます。

その他、日本国内子会社の営業収益の大部分は円建てですが、一部の外貨建て取引においては外国為替レートの変動により、これらを円換算する際に、為替差損が生じるおそれがあります。日本以外の顧客との契約の増加などを理由として外貨建て取引が増加した場合、為替変動リスクが増大する可能性があります。

このようなリスクに対して当社グループは、為替変動リスクの業績への影響を最小限にするため、為替予約を行うなど為替変動リスクをヘッジする方策を講じております。

 

③ 内部管理に係るリスク

  ・アジア地域で実行したM&Aに係るリスクについて

 当社グループは、国内外の投資家に対してアジア地域の成長機会を提供すべく、アジア地域の運用会社のネットワーク化に取り組んでおります。

 2005年2月には、韓国に拠点をもつSPARX Asset Management Korea Co.,Ltd.(以下、「SPARX Korea社」)の発行済株式の過半数を取得し、また2006年6月には、香港を主な拠点とするSPARX Asia Capital Management Limited(旧 PMA Capital Management Limited)の全株式を取得いたしました。さらに、2014年4月には、総合不動産投資顧問業(いわゆる不動産投資一任業及び不動産投資顧問業)等を営むスパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社(旧 ジャパンアセットトラスト株式会社)の株式を取得し、完全子会社といたしました。

 しかしながら、M&A戦略に基づく事業展開が計画通りに進捗しなかったり、あるいは予期しない環境変化などにより買収会社の業績が著しく悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

 このようなリスクに対して当社グループは、日本・韓国・香港の運用拠点が、スパークスの投資哲学の共有を徹底させることで、各拠点における運用力の向上を図ると同時に、各拠点が協働することで業績の向上に努めております。また、当社取締役会による業績の定期的なモニタリングなど、グループ内に適切な内部管理体制を構築し、各社の事業計画の進展を確認しております。

 

  ・自己勘定からの投資に係るリスクについて

 当社グループは、自己勘定から当社グループが運用するファンドや量子コンピュータ、医療・介護などの成長領域等への投資を行っております。2023年3月末の有価証券・投資有価証券の残高は104億37百万円であり、総資産の26.5%を占めています。この投資額は過去から増減しており、余裕資金の残高、市場環境及び当社グループの運用実績等に基づき、今後も大きく変動する可能性があります。この投資のうち市場価格がある有価証券・投資有価証券については、取得原価と時価との差異は、税効果を考慮した後、貸借対照表における「その他有価証券評価差額金」に計上されておりますが、取得価額を時価が下回った状態で実際に解約・償還等が行われた場合や時価が著しく下落したこと等により減損処理を行った場合には、売却損や評価損として損益計算書に反映され、当社グループの業績が悪影響を受けるおそれがあります。また、市場価格がない有価証券・投資有価証券については、貸借対照表において取得原価で計上されており、投資先の業績不振等により有価証券等の資産価値が下落し減損処理を行った場合には評価損として損益計算書に反映され、当社グループの業績が悪影響を受けるおそれがあります。

このようなリスクに対して当社グループは、投資総額が連結純資産額の一定の範囲に収まるように管理する他、市場価格のある有価証券・投資有価証券については月次でモニタリングを実施して時価及び損益の把握に努め、また、市場価格のない有価証券・投資有価証券については、四半期ごとに事業進捗、財務状況等の把握に努めることで、それぞれ投資先の状況を定期的に確認しております。

 

  ・税に係るリスクについて

 当社グループは、国内外で事業を展開し、各国の税法に準拠して適正な納税を行っております。しかし、国や地域間での税務上の取り決め及び各国や各地域における税制上の制度運用や解釈などに変更が生じた際の対応が不十分な場合には、今後の事業展開や当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

このようなリスクに対して当社グループは、適切な納税を行うため、各拠点においてそれぞれ又はグループ全体で税務顧問のアドバイスを受け、適切な税務判断を行うよう努めております。

 

  ・人材の育成・維持・確保に係るリスクについて

 当社グループは、事業の維持及び成長を実現するためには、全ての部門で適切な人材を適切な時期に確保することが重要と考え、継続的に優秀な人材を採用し、教育を行ってまいります。しかし、優秀な人材が社外に流出した場合や人材の採用・教育が予定通り進まなかった場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。

 このようなリスクに対して当社グループは、「世界で最も信頼・尊敬される投資会社になる」ことで「世界を豊かに、健やかに、そして幸せにする」という経営理念をグループ全体へ浸透させるため、ビジョンステートメントを作成し、それに沿った採用のルールを設けるなどの取組みを行っております。その他、採用した優秀な人材が、互いに切磋琢磨し、成長の機会が提供されて自らの成長を実感できるよう、また金銭的なモチベーションだけでなく、非金銭的なモチベーションを強く感じることのできるよう、”Professional Nurturing Ground(プロを育む肥沃な土壌)”の提供に取り組んでおります。

 

  ・外部事業者に係るリスクについて

 当社グループは、業務遂行の過程で多くの外部事業者を活用しています。これらには投資信託財産や顧客資産の保管・管理を行うために指定される受託銀行(投資信託委託契約及び国内顧客との投資一任契約の場合)及び保管銀行(外国籍の顧客との投資一任契約の場合)、取引を執行する証券会社などが含まれます。当社グループが利用している外部事業者において、安定的なサービス提供に困難が生じるような事態が発生した場合、当社グループの業務遂行上に支障が発生するおそれがあります。また、当社グループの信用が間接的に損なわれるおそれもあります。

このようなリスクに対して当社グループは、特定の外部事業者に依存した業務遂行を行わないように努める他、定期的に外部委託先の往査を行うなど継続的なモニタリングを通じて、安定的なサービス提供が受けられることの確認に努めております。

また、マネーロンダリング/テロ資金供与対策(以下、「AML/CFT」という。)に対する規制が今般強化されており、ファンドの販売会社に対してもAML/CFTへの対応状況をモニタリングしております。

 

  ・システム障害に係るリスクについて

 当社グループが業務を行う上でコンピューター・システムは必要不可欠なものであり、障害が生じた場合、当社グループの業務に悪影響を及ぼすおそれがあります。また、テロ、気候変動により起こる異常気象から生じる風水害や地震等の自然災害、さらには高度化する外部からのサイバー攻撃その他の不正アクセスにより、当社グループの重要な情報の改ざん、消失を引き起こし、想定以上のシステム障害が発生した場合には、業務に悪影響を及ぼすおそれがあります。

このようなリスクに対して当社グループは、情報セキュリティ規程類を整備し、システムの改善、サーバーの増強、信頼性の高いデータセンターを利用するなど、システムの安定的な稼動及び保守運営と保持する情報資産の機密性・完全性・可用性の確保に努めております。加えて、サイバー攻撃の高度化を踏まえ、サイバーセキュリティ規程類を整備し、多層防御(入口対策、内部対策、出口対策)によるシステム脆弱性の適切な対応、定期的な訓練を実施するなど、サイバーセキュリティ対策の強化に努めるとともに、業務継続のための計画を策定し、事故・災害等発生時の業務への支障を軽減するための対策を講じております。

 

  ・役職員による過誤及び不祥事並びに情報漏えいに係るリスクについて

当社グループの役職員等による業務上の過誤や不祥事等、あるいは情報の漏洩や悪用が発生した場合、当社グループが第三者に生じた損害を賠償する責任を負うだけでなく、顧客やマーケットの信頼を失い、さらには監督当局から行政処分を受けるなど、当社グループの事業、経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。

このようなリスクに対して当社グループは、社内業務手続の確立を通して役職員による過誤の未然防止策を講じている他、情報の重要性に応じたセキュリティ体制を構築し、情報漏えいを未然に防止する体制を構築しております。また、業務上のヒヤリハット(重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の認知)を「インシデントレポート」として取りまとめ、社内委員会にて共有し、継続的な業務改善に努めております。テレワークからオフィス主体に移行し、社内業務手続きの確立や過去の過誤の際に策定した再発防止策が実装された結果、コロナ禍においてテレワークが進み、一時的に増加した過誤の件数は減少傾向にあり、引き続き役職員による過誤の未然防止策を講じております。その他、コンプライアンス関連、情報セキュリティ関連の研修などを通じて、役職員の意識を継続的に高めるよう努めております。

 

④ その他のリスク

  ・法的規制に係るリスクについて

 当社グループは、日本においては、金融商品取引法に定める投資運用業、投資助言業、第一種金融商品取引業及び第二種金融商品取引業に加え、それらに関連あるいは付随する業務を営んでおりますので、金融商品取引法を始めとする各種の法令や諸規則を遵守する必要があります。

当社グループでは、現時点において、主たる業務において以下の許認可及び登録(以下、「許認可等」という。)を受けております。現時点におきましては、上記免許又は認可が取消しとなるような事由は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により許認可等の取消等があった場合には、当社グループの事業推進に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

取得・登録者名

スパークス・アセット・マネジメント株式会社

スパークス・アセット・トラスト

&マネジメント株式会社

取得年月

2007年9月30日

2007年9月30日

許認可等の名称

金融商品取引業者(登録)

金融商品取引業者(登録)

所管官庁等

金融庁

金融庁

許認可等の内容

投資運用業

投資助言・代理業

第一種金融商品取引業

第二種金融商品取引業

登録番号 関東財務局長(金商)第346号

投資運用業

投資助言・代理業

第二種金融商品取引業

 

登録番号 関東財務局長(金商)第783号

有効期限

有効期間の定めはありません。

有効期間の定めはありません。

法令違反の要件

及び主な許認可取消事由

不正の手段により登録を受けた場合、役員等が欠格事由に該当する場合、純資産額が必要かつ適当な水準に満たない場合など、金融商品取引法第52条に抵触する場合は登録の取消

不正の手段により登録を受けた場合、役員等が欠格事由に該当する場合、純資産額が必要かつ適当な水準に満たない場合など、金融商品取引法第52条に抵触する場合は登録の取消

 

取得・登録者名

スパークス・アセット・トラスト

&マネジメント株式会社

スパークス・アセット・トラスト

&マネジメント株式会社

取得年月

2022年4月28日

2021年7月15日

許認可等の名称

不動産投資顧問業者(登録)

宅地建物取引業者(免許)

所管官庁等

国土交通省

東京都

許認可等の内容

総合不動産投資顧問業

登録番号 国土交通大臣 第149号

免許証番号 東京都知事(3)第86144号

有効期限

2022年4月28日から

2027年4月27日まで

(5年間)

以後5年ごとに更新

2021年7月15日から

2026年7月14日まで

(5年間)

以後5年ごとに更新

法令違反の要件

及び主な許認可取消事由

不正の手段により登録を受けた場合、役員等が欠格事由に該当する場合など、不動産投資顧問業登録規程第30条に抵触する場合は登録の取消

不正の手段による免許の取得、役員等が欠格事由に該当する場合など、宅地建物取引業法第66条に該当する場合、免許の取消

 また、韓国、香港、バミューダ及びケイマン等におきましても資産運用業等を営んでおりますので、それぞれの国や地域における法令や諸規則を遵守する必要があります。広範な権限を有する監督当局等から行政上の指導あるいは処分を受けるというような事態が生じた場合には、その内容によっては通常の業務活動が制限されたり、行政処分などを理由として顧客が資産を引き揚げたりするおそれがあります。また、法令や諸規則の改正又はその解釈や運用の変更が行われる場合、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

加えて当社グループは気候変動に対する政策及び法規制、市場の要求を踏まえ、再生可能エネルギー事業に取り組んでおりますが、これらの規制が予測を超えて厳しくなった場合は、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を与えるおそれがあります。

このようなリスクに対して当社グループは、国内外の法令や諸規則の遵守を徹底するため、グループ各社が社内規則及びモニタリング体制の整備、さらには役職員等に対する研修に努める一方、当社に設置されたコンプライアンス委員会がグループ内の利益相反取引などのモニタリングと指導を行い、適切なコンプライアンス態勢を維持・強化に努めております。また当社グループの事業に関連する政策や法規制の改正等の動向に注視し、事業への影響の低減を図っております。

 

  ・訴訟等の可能性に係るリスクについて

当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟等は現在存在しません。また当社グループの事業に重大な影響を及ぼすような訴訟に発展するおそれのある紛争も現在ありません。しかしながら、当社グループの事業の性格上、当社及び当社の国内外子会社が関連法規や各種契約などに違反し、顧客に損失が発生した場合等には訴訟を提起される可能性があります。このような訴訟が提訴された場合、訴訟の内容及び金額によっては当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

このようなリスクに対して当社グループは、グループ各社に適切な内部管理体制を構築し、各社にコンプライアンス委員会を設置して関連法規や各種契約などに違反していないかどうかモニタリングと指導を行い、当社のコンプライアンス委員会がそれらを取りまとめ、グループ全体のコンプライアンス態勢が適切な水準を維持していることを、常に確認しております。

また、グループ役職員に求められる行動規範の1つとして「悪い情報ほど早く報告する」を定め、これに従って大小にかかわらず顧客からの不満、クレームに関する情報が、適時に経営陣に報告される体制を構築しております。さらにその内容によっては、外部専門家に十分なアドバイスを求めるなどの追加的な対策を講じます。

 

  ・阿部修平への依存の高さに係るリスクについて

当社の創業者であり、現 代表取締役社長である阿部修平は、当社グループの事業経営及び投資戦略の方向性の決定において重要な役割を果たしています。このため、阿部が何らかの事情で通常の職務を遂行できなくなる場合には、当社グループの業績に少なからぬ悪影響を及ぼすリスクがあります。

 また2023年3月末現在、阿部は、本人及び本人の出資する会社(以下「阿部グループ」といいます)を通じて、当社株式の過半を保有する大株主であります。阿部グループは、当社取締役の選任等会社の基本的な事項を決定することができるため、この点においても、阿部が何らかの事情で適切に議決権を行使できず、企業価値を害されるような議決権行使がされてしまう場合には、当社グループの利益ひいては他の株主の利益に少なからぬ悪影響を及ぼすリスクがあります。

このようなリスクに対して当社グループは、より組織的な運営形態の構築及びマネジメントを担い得る人材の育成により、阿部個人への依存度を引き下げる努力を継続的に行ってまいります。なお、組織のフラット化による業務執行の迅速化を通じて、当社グループを率いる後継者となる人材を選抜、育成し、新しい経営体制を確立することを目指し、第34回定時株主総会において、社内取締役を減員し代表取締役を1名とすることで、マネジメント層の世代交代に着手しております。

 

  ・連結の範囲決定に係るリスクについて

当社グループは、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 実務対応報告第20号 最終改正平成23年3月25日)を適用しており、各ファンド及びSPCごとに、アセットマネジメント契約や匿名組合契約等を考慮し、個別に支配力及び影響力の有無を検討した上で、子会社及び関連会社を判定し、連結の範囲を決定しております。

今後、新たな会計基準の設定や実務指針等の公表により、各ファンド及び各SPCに関する連結範囲決定方針について、当社グループが採用している方針と大きく異なる会計慣行が確立された場合には、当社グループの連結範囲に大きな変更が生じ、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに対して当社グループは、新たな会計基準の設定や実務指針等の決定前からその動向を注視して影響を最小限にするように努めるほか、新たなファンドやSPCとの契約を締結する際に、個別に支配力及び影響力の有無を確認してまいります。

 

  ・負債による資金調達に係るリスクについて

 当社グループでは、これまでアジア地域での事業展開を主たる目的に、自己資金の活用に加え、増資、銀行借入れ、社債による資金調達を行ってまいりました。2023年3月末時点の外部有利子負債額は93億円であり、株式会社格付投資情報センターより2023年3月末時点で取得している発行体格付けは「BBB+(安定的)」ですが、金融市場での信用収縮や金利上昇が生じた場合には、追加的な資金調達に悪影響を及ぼすおそれがあります。

このようなリスクに対して当社グループは、今後も保守的な財務方針を堅持し、バランスシートの健全性、キャッシュ・フローの安定性に留意した資金計画と財務活動によって、事業の発展に資する資金調達に努めてまいります。

 

  ・気候変動に係るリスクについて

当社グループは、気候変動が環境・社会、人々の生活・企業活動にとっての脅威であり、金融市場の安定にも影響を及ぼしうる最も重要なグローバル課題の一つであると認識しておりますが、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、上場会社としての情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合には、当社グループの企業価値の毀損に繋がるおそれがあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。

このようなリスクに対して当社グループは、金融安定理事会(Financial Stability Board)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures。以下「TCFD」)が策定した気候変動関連財務情報開示に関する提言への支持を表明するとともに、必要なデータの収集と分析を行い、TCFDに沿ったリスクの把握・評価や情報開示の拡充に取り組んでまいります。

 

  ・SNSなどを通じた情報発信に伴うリスクについて

 当社グループ又は当社グループが行っている事業全般に対する否定的な風評が、マスコミ報道やインターネット上の掲示板、SNSへの書き込み等により発生・流布した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社グループ又は当社グループが行っている事業、あるいは当社グループが提供する商品やサービスのイメージ・社会的信用が毀損し、ひいては当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

このようなリスクに対して当社グループは、SNSやインターネット上の掲示板への悪質な書き込みに対して毎日モニタリングを行っており、必要に応じてSNSや掲示板の運営者に対し削除依頼等の対応を行ってまいります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1)業績

 当連結会計年度の日本株式市場は、堅調な米雇用統計などを背景に上昇して始まりました。しかし、国内では新型コロナウイルスに対する水際対策の緩和、海外では中国上海市の都市封鎖の解除に伴う部品供給や物流の改善期待などから上昇する場面もあったものの、米国の消費者物価指数の予想以上の上昇により継続的なFRB(米国連邦準備制度理事会)の金融引き締めが続くとの見方から、世界的な金融引き締めによる景気減速の懸念が高まり、株式市場は一進一退の上値の重い相場展開となりました。12月の金融政策決定会合で日本銀行が長期金利の許容変動幅を修正したことなどを受け、金融政策の転換懸念や米国景気悪化懸念の高まりから下落の後、低調なまま年末を迎えました。さらに、米シリコンバレー銀行の破綻に端を発した欧米金融不安の急拡大を受け、リスク回避姿勢が強まったことから大幅な下落に転じました。しかし年度末にかけて、米国の金融当局による預金保護やスイスのクレディ・スイス・グループの信用不安に対する金融大手UBSによる買収やスイスの金融規制当局の救済策によって、金融システムへの不安が和らぎ日経平均株価は前期末に比べ0.8%上昇し28,041.48円で取引を終えました。

 このような市場環境のもと、当社グループの当連結会計年度末運用資産残高は、1兆5,012億円(注1)と前期末に比して3.6%減少しましたが、未来創生3号ファンドの追加設定等により、当連結会計年度における残高報酬(注2)は前期比1.3%増の127億35百万円となりました。さらに、成功報酬(注3)は、前期比69.8%減の3億64百万円となり、営業収益は前期比4.9%減の133億60百万円となりました。

 営業費用及び一般管理費は、前期比1.0%増の76億56百万円となりました。これは主にボーナス及びESOP関連費用が減少した一方で、専門家報酬及び旅費交通費が増加したことにより、結果として前期と同水準となりました。これらの結果、営業利益は前期比11.8%減の57億4百万円、経常利益は投資事業組合運用益の計上等により、前期比0.8%増の62億89百万円となりました。また、当社が保有する投資有価証券の一部売却による投資有価証券売却益が前期に比べて減少したことに加え、投資有価証券評価損についても前期に比べて減少したこと及び税金等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比11.1%増の45億21百万円となりました。

 なお、事業の持続的かつ安定的な基盤となる収益力を示す指標である基礎収益(注4)は経常的経費の増加等により前期比2.5%減の60億5百万円(前期は61億57百万円)となりましたが、前期の過去最高値は超えられていないものの、収益体質は良好な水準が維持されております。

 

(注1)当連結会計年度末(2023年3月末)運用資産残高は速報値であります。

(注2)残高報酬には、日本再生可能エネルギー投資戦略に関連する発電所等の管理報酬を含んでおります。

(注3)成功報酬には、株式運用実績から発生する報酬の他に、日本再生可能エネルギー投資戦略に関連する発電所スキームの組成の対価等として受ける一時的な報酬(アクイジションフィー)を含んでおります。

(注4)基礎収益とは、経常的に発生する残高報酬(手数料控除後)の金額から経常的経費を差し引いた金額であり、当社グループの最も重要な経営指標のひとつであります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ28億28百万円増加し、当連結会計年度末は220億28百万円(前期比14.7%増)となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主たる要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは31億5百万円の収入(前期は26億61百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益66億27百万円、法人税等の支払額24億95百万円の計上等があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは20億1百万円の収入(前期は11億80百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出11億83百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入22億54百万円、投資事業組合等の分配による収入11億84百万円の計上等があったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは24億8百万円の支出(前期は24億80百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払い24億19百万円、自己株式の取得による支出11億58百万円、自己株式の処分による収入8億45百万円の計上等があったことによるものです。

 

 

営業の実績

 (1)営業収益の実績

当社グループの連結営業収益の項目別内訳は以下のとおりです。

項目

前連結会計年度(2022年3月期)

当連結会計年度(2023年3月期)

金額
(百万円)

構成比(%)

金額
(百万円)

構成比(%)

残高報酬

12,577

89.6%

12,735

95.3%

成功報酬(注)

1,208

8.6%

364

2.7%

その他

258

1.8%

260

2.0%

営業収益合計

14,043

100.0%

13,360

100.0%

(注)成功報酬には、上場株式投資戦略211百万円(前期は605百万円)、再生可能エネルギー投資戦略からのアクイジションフィー114百万円(前期は356百万円)、再生可能エネルギーファンドが、投資対象である発電所を売却して譲渡益が発生する場合に受領する報酬(前期は246百万円)、その他にかかる報酬38百万円が含まれております。


・残高報酬
 残高報酬料率(ネット・ベース)の推移は以下のとおりです。

区分

前連結会計年度

(2022年3月期)

当連結会計年度

(2023年3月期)

当社グループ残高報酬料率
(ネット・ベース)

0.69%

0.73%

(注) 残高報酬料率(ネット・ベース)=(残高報酬-残高報酬に係る支払手数料)÷ 期中平均運用資産残高
 
・成功報酬
(株式運用ファンド関連)

 成功報酬は、単純なケースでは過去のファンド計算期間末日の「一口当たり純資産価額」=「Net Asset Value Per Share」(以下、「NAVPS」と言います。)の最高値を、今ファンド計算期間末日のNAVPSと比較して、今ファンド計算期間末日のNAVPSの方が高かった場合に、値上がり部分に一定料率をかけて計算します(これを「ハイ・ウォーター・マーク方式」といいます)。

 また、契約によっては、ベンチマークを一定以上上回った部分に一定料率をかけて計算するものもあります。

(再生可能エネルギーファンド関連)

 事業計画を策定、工事業者の選定・管理、固定価格買取制度の認定手続き、資金調達など、一連の発電所開発プロセスが成就した場合に、プロジェクトコストに一定料率を乗じた成功報酬(アクイジションフィー)を受領する場合があります。

 また、当社子会社が運用する再生可能エネルギーファンド(グリーン・フィールド投資ファンド(*))が投資対象である発電所を売却して譲渡益が発生する場合には、その売却益に一定料率を乗じた成功報酬を受領する場合があります。

 なお、この売却に際しては、上記とは別の当社子会社が運営する再生可能エネルギーファンド(ブラウン・フィールド投資ファンド(*))も売却先候補となりますが、その場合であっても、双方のファンドを運用する両子会社は、それぞれ適切な利益相反管理のもとで独立した意思決定を行っており、双方のファンドの投資家にとって、それぞれが最良の条件で譲渡取引を執行しております。譲渡価格の決定に際して外部評価機関の評価を利用しております。

(*)グリーン・フィールド投資ファンドとは、発電所の開発段階から運転開始までのフェーズに投資するファンドであります。また、ブラウン・フィールド投資ファンドとは、発電所の運転開始後のフェーズに投資するファンドであります。

絶対リターン追求型の運用に多いハイ・ウォーター・マーク(HWM)方式の成功報酬の仕組み

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(注)1.上記の図は成功報酬の仕組みを簡便に説明したもので、実際の成功報酬の体系及びファンドの基準価格の
     計算方法を厳密に説明しているものではありません。
(注)2.上記では、説明の都合上、成功報酬の料率を便宜的に20%として計算しております。

 

(2)運用資産残高の実績

 以下の表は、当社グループの当期の運用資産残高の実績を示したものです。なお、日本円建て以外の運用資産残高を日本円に換算する際には、それぞれの時点における月末為替レートを用いております。

 当社グループは、市場に影響されない安定的な投資戦略と収益性の高い投資戦略によるハイブリッドのビジネスモデルを強化・拡大して成長することを目指しており、現在「日本株式」、「OneAsia」、「実物資産」及び「プライベート・エクイティ」の投資戦略を4本の柱としております。


 ① 投資戦略別の四半期運用資産残高の推移                        (単位:億円)

投資戦略

2022年6月

2022年9月

2022年12月

2023年3月

日本株式

9,416

9,542

9,334

9,532

OneAsia

895

781

834

900

実物資産

2,511

2,629

2,627

2,645

プライベート・エクイティ

1,937

1,946

1,955

1,933

合計

14,759

14,900

14,752

15,012

(注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

   2.2023年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

   ② 平均運用資産残高                                  (単位:億円)

 

2022年3月期

連結会計年度

2023年3月期

連結会計年度

当社グループ合計

15,719

15,126

(注) 1.各期の月末運用資産残高の単純平均であります。

2.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

3.2023年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

   ③ 成功報酬付運用資産残高及び比率

会社名

 

2022年3月

2023年3月

当社グループ合計

残高(億円)

5,710

5,691

比率(%)

36.7

37.9

(注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。

   2. 2023年3月末運用資産残高は速報値となっております。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、後述の「第5経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。

 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当年度のグループ運用資産残高(AUM)は前年度末比3.6%減少して、1兆5,012億円(注1)となりましたが、残高報酬料率の高い投資戦略のAUMが増加したことで残高報酬は前年度比1億57百万円増加し、127億35百万円となりました。残高報酬の増加により、スパークスを支える土台は着実に強くなっております。成功報酬が減少したため営業利益は減少しておりますが、適切にコストコントロールを続けた結果、安定的に稼ぐ力である基礎収益(注2)は過去最高の水準を引き続き維持しております。また、新しい投資戦略等へのシード投資の役割を終えた投資有価証券を精査し、一部解約・償還したことが最終利益の増益に貢献しております。

 

 日本株式を投資対象とする運用戦略及びアジア株式を投資対象とするOneAsia運用戦略は、当連結会計年度を通じて株式市場が不安定となりその影響を受け前連結会計年度末に比べ両運用戦略の運用資産残高は減少しました。不安定な環境のなか、パフォーマンスの良好なファンドを解約する動きもあり、年度の後半に資金純流出の状況となりましたが、日本株式中小型投資戦略は資金流入を伴い運用資産残高を増加させており、良好なパフォーマンスを維持しております。また、東京・香港・韓国のファンドマネジャーがアジア企業への調査などを共同で行うなど、投資アイディアを共有することを続けており、韓国子会社ではパフォーマンスが向上し、韓国国内機関投資家からの資金流入という結果につながり始めております。私どもの投資哲学や運用スタイルへの関心も引き続き高いことから、「日本株ならスパークス」、「アジア株もスパークス」とのSPARXブランドを幅広く認知いただくよう努めております。

 再生可能エネルギー発電事業のインフラ資産や不動産を投資対象とする実物資産の運用戦略は、全国の発電施設への投資を実行しており、再生可能エネルギー投資戦略の運用資産残高は2,645億円の規模となっております。太陽光のみならず、風力・バイオマス発電所も安定稼動させており、これら発電所への投資による長期的に安定したキャッシュ・フローを源泉としたファンドも運用しております。ここ数年、これまで大企業等が主に自社のバランスシートで行ってきた再生可能エネルギー発電所への投資を見直し、再生可能エネルギー発電所を売却し流動化する動きが続いております。当社グループの運用するファンドではこの機をとらえて外部から発電設備を取得しており、投資家として適正な価格・リターンを評価しながら引き続き積極的に投資してまいります。今後も引き続き再生可能エネルギーファンドのパイオニアとして皆様のご期待にお応えするべく、魅力的な投資商品の提供を行ってまいります。

 プライベート・エクイティ投資戦略は、次世代の企業の成長に資する投資を長期的な視点から実践し、投資会社として未来を創造する新たな領域を開拓するため設立した未来創生ファンドが、1号ファンドに続き2号ファンドも順調に投資が進み、当連結会計年度に3号ファンドの募集が終了し、投資を進めております。当該運用戦略の運用資産残高は1,933億円まで成長しており、規模・質ともに日本で最大級のベンチャー投資の運用機関なることができたと考えております。IPO等のイグジット案件も出ており、これまでの投資の成果が、具体的に投資家の皆様へのリターンとして実現してきております。これらのファンドについても質の高い投資を着実に実行し、投資実績を積み上げ、革新的な技術やビジネスモデルで世界をリードする企業を発掘・育成することで未来社会に貢献することを目指してまいります。

 

 なお、経営成績の分析については、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)業績」に含めて記載しております。

 

   (次期の見通し)

 当社グループの主たる事業である投信投資顧問業は、業績が経済情勢や相場環境によって大きな影響を受けるため将来の業績予想は難しいと認識しており、次期の見通しについての具体的な公表は差し控えさせていただきます。

 

(3)当連結会計年度の財政状態の分析

<資産の部>

 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ22億41百万円増加し、393億82百万円となりました。主な増減内訳は、現金及び預金が28億28百万円の増加、投資有価証券が17億18百万円の減少となっております。

 

<負債の部・純資産の部>

 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ5億19百万円増加し、133億35百万円となりました。主な増減内訳は、未払法人税等が5億17百万円の増加となっております。

 

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億22百万円増加し、260億47百万円となりました。主な増減内訳は、利益剰余金が20億98百万円の増加、資本剰余金が3億2百万円の減少、その他有価証券評価差額金が1億81百万円の減少となっております。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

① キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。

 

② 資本の財源及び資金の流動性

当社グループの投資を目的とした主な資金需要につきましては、シードマネー投資等によるものであります。

短期運転資金は自己資金を基本としており、シードマネー投資等につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金等の有利子負債の残高は94億40百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は220億28百万円となっております。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。