文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。
(1)経営方針
当社グループは、「世界で最も信頼、尊敬されるインベストメント・カンパニー」になることで「世界を豊かに、健康に、そして幸せにする」というミッションの実現を目指す、独立系の資産運用グループであります。また、資産運用サービスを中核事業とする企業グループとしては、日本で初の公開/上場会社であります。
私どもの経営の基本方針の第一は、投資家の皆様に真に役立つ投資インテリジェンスを運用商品として提供し、ご満足いただける運用成果をお届けすることであります。そのために、創業以来の「マクロはミクロの集積である。」との投資哲学に基づく徹底したボトムアップ・アプローチを基軸として、常に革新的な投資手法の開発に努めております。さらに、日本株のスペシャリストとしての経験と知識を株式以外の不動産や発電事業等のインフラ資産への投資スキームにも展開すると共に、韓国・香港の子会社が培った力を統合することで、アジアに関心を寄せる世界中の投資家の期待に応え得る投資インテリジェンスと優れた運用成果の提供に努めてまいります。
方針の第二は、お客様の期待に応えたビジネス拡大を通して、株主の皆様に満足いただける収益を産み出すと共に、企業としての存続と成長の礎となる適切なガバナンスとコンプライアンスの態勢を維持・強化することであります。更なる運用成績の向上への取り組みに加え、新たな投資商品の開発と提供によって収益の拡大を目指す際に、積極的な事業展開と効率性の追求が、コンプライアンスの弛緩に決して繋がることのないように、ガバナンスの実効性を絶えず検証してまいります。
方針の第三は、お客様と株主の皆様の期待に応える事業展開を支えるための有為な人材の保持、獲得と育成であります。高度な専門性と柔軟な創造力、そして強い自己規律の精神を持った人材がチームとして取組んでこそ、私共が目指す資産運用サービスの提供が可能になると考えております。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの収益の大半を占める投信・投資顧問料収入は、運用資産の残高と報酬料率に応じて生じる残高報酬と、運用成績の良否等によって変動する成功報酬に大別されます。後者の成功報酬は、当社グループの全ての運用資産から発生するものではありません。
従って、当社グループにとって最も重要な経営指標は、収益の源泉である運用資産の残高及び残高報酬料率であります。運用資産残高の推移は適時に把握するのみならず、その変動がお客様からの新規設定や解約によって生じたものか、市場の一般的動向によるものか、運用成績の良否によるものか等を分析し、当社グループの事業競争力の客観的な把握に努めております。また、より付加価値の高い投資戦略を開発・提供することによって、より高い残高報酬料率の実現に努めております。
次に重要な経営指標は、残高報酬の金額から経常的経費を差引いた金額として認識される基礎収益力の水準であります。基礎収益力は持続的かつ安定的な事業運営の基盤でありますから、それが赤字となる状況が生じた場合には、運用報酬の増加を目指すのは当然でありますが、経費削減も含めたあらゆる施策により早期に黒字を回復させる必要があります。一方、基礎収益力が十分な黒字を維持している場合には、成長に向けた投資余力があるとの判断も可能です。
さらに、成功報酬の金額及びROEも当然に重要な経営指標であります。当社の営業成績は、基礎収益力と成功報酬によって大半が決定し、その結果に基づき賞与等の支払も決定されますから、成功報酬の多寡が年度毎の営業利益の水準に大きく影響し、結果ROEにも大きく影響します。全運用資産の内で成功報酬が発生し得る資産の割合、成功報酬の発生状況等、業績への影響度合いを把握するだけでなく、より付加価値の高い投資戦略を開発・提供することによって、成功報酬が発生しうる運用資産残高の増加に努めることでROEの向上に努めております。
(3)経営戦略等
当社グループは、着実に利益成長を実現する強い体質の構築を目指しております。その達成のため、以下4つの投資戦略が柱であると考えております。
1本目の柱は、日本株式投資戦略です。
日本株式を投資対象とする運用戦略は、当連結会計年度後半で日本株式市場が不安定となりその影響を受け前連結会計年度末に比べ日本株式の運用資産残高は減少しました。しかし、日本株式ロング・ショート投資戦略や日本株式サステナブル投資戦略は資金流入を伴い運用資産残高を増加させております。サステナブル投資戦略についてスパークスが創業以来ESGの基本的な考え方を意識して運用してきた結果であり、世界の投資家から関心をもっていただいております。私どもの投資哲学や運用スタイルへの関心も引き続き高いことから、「日本株ならスパークス」とのSPARXブランドを幅広く認知いただくよう努めております。
2本目の柱は、OneAsia投資戦略(アジア株式を対象とする運用戦略)です。
アジア株式を投資対象とするOneAsia運用戦略は、東京・香港・韓国のファンドマネジャーがアジア企業への調査などを共同で行っており、投資アイディアを共有することを続けた結果、パフォーマンスも上がり運用資産残高の増加につながってきております。韓国子会社では運用資産残高が増加したことで、単独で黒字化を達成いたしました。スパークスはアジアに運用調査のチームを持つ、非常にユニークな投資会社であると考えております。アジア企業の調査を通じ、今まで日本株式運用で培った運用手法を伝承することで「アジア株もスパークス」とのSPARXブランドを構築してまいります。
3本目の柱は、実物資産投資戦略です。
再生可能エネルギー発電事業のインフラ資産や不動産を投資対象とする実物資産の運用戦略は、全国の発電施設への投資を32件実行しており、再生可能エネルギー投資戦略の運用資産残高は2,438億円の規模となっております。太陽光のみでなく、風力・バイオマス発電所も安定稼動させており、これら発電所への投資による長期的に安定したキャッシュ・フローを源泉としたファンドも運用しております。近年では、これまで大企業が主に自社のバランスシートで行ってきた再生可能エネルギー発電所への投資を見直し、再生可能エネルギー発電所を売却し流動化する動きが続いております。当社グループの運用するファンドではこの機をとらえ、外部からの発電設備の取得も行うことができることから投資家として適正な価格・リターンを評価しながら積極的に投資してまいります。今後も引き続き再生可能エネルギーファンドのパイオニアとして皆様のご期待にお応えするべく、魅力的な投資商品の提供を行ってまいります。
4本目の柱は、プライベートエクイティ投資戦略です。
プライベートエクイティ投資戦略は、次世代の企業の成長に資する投資を長期的な視点から実践し、投資会社として未来を創造する新たな領域を開拓するため設立した未来創生ファンドが、1号ファンドに続き2号ファンドも順調に投資が進み、当連結会計年度に3号ファンドを設立いたしました。規模・質ともに日本で最大級のベンチャー投資の運用機関なることができたと考えております。IPO等のイグジット案件も出ており、これまでの投資の成果が、具体的に投資家の皆様へのリターンとして実現してきております。これらのファンドについても質の高い投資を着実に実行し、投資実績を積み上げ、革新的な技術やビジネスモデルで世界をリードする企業を発掘・育成することで未来社会に貢献することを目指してまいります。
また、上記に加え、スパークスのこれまでのファンドビジネスを強化するため、新たな成長領域への投資を始動いたしました。AI(人工知能)の利用が前提となった新しい時代の成長領域は、エネルギー、医療・介護、金融などと考えており、これらが量子コンピュータなどのデジタル時代を牽引する新しい道具と結びつくことがカギとなると考えております。これらを次のスパークスのビジネスの柱にしようと一歩一歩確実に前進しております。量子コンピュータ分野への投資は、東北大学及び量子アニーリングコンピュータの世界的権威である大関真之教授からのご理解を得て、この分野に特化した新会社シグマアイに2019年4月設立し、資本参画しております。医療・介護についても、小さな一歩を踏み出しました。具体的には医療法人社団五葉会のご理解を得て、コンサルティング業務を提供させていただいております。また、介護分野への投資も実行しております。医療領域の効率的な成長は社会的な使命であり、私達投資会社として参画し貢献すべき領域であると考えております。単に目先の短期的な収益を追うのではなく、時代の要請をしっかり受け止めて、これまでのスパークスでやってきた良い投資を、金融投資家として、立派な医療機関とそれを支える優秀な医療の専門家の方々とともに、実践していきたいと思います。
スパークスでは、1989年創業以来、企業を一社一社徹底的に調べ、現場に赴いて実際に目で見て判断する“現地現物”による調査活動を徹底してまいりました。新型コロナウイルス発生以降は、5G(第5世代移動通信システム)、AIなどの技術を活用して、教育、医療、自動運転など世界はあらゆる分野で非接触型に移行していくものと思われます。この非接触型社会への移行の中で、当社グループが大切にしてきた“現地現物”やコミュニケーションの重要性といった価値観を、どのようにして維持・強化していくのか、この変化に立ち向かっていきたいと考えております。また、これからも創業時より続けている投資の勉強会「バフェットクラブ」などを通じて、高い知見・見識を備え、人格的にも優れた次世代を担う経営者を育成することが、私が経営者として負うべき最も大切な仕事だと思っています。企業文化や変わらない投資哲学を若い次の世代に継承しながら、新しい成長領域への投資に取り組み続けることのできる強い組織の創造に向けて努力精進してまいります。
(4)経営環境
直近の経営環境については、第一部 企業情報、第2 事業の状況、3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要に含めて記載しております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上課題
有史に残るであろうパンデミックや地政学リスクが顕在化する中においても、引き続き安定した運用成績を維持した結果、当年度のグループ運用資産残高(AUM)は前年度末比1.3%増加し、1兆5,557億円(注1)となりました。
成功報酬が前期比61.8%減の12億8百万円と大幅に減少したことにより、営業収益は前期比1.8%減の140億43百万円にとどまりましたが、残高報酬は前期比15.2%増の125億77百万円となり、さらに費用面も引き続き適切にコントロールしたことで、事業の持続的かつ安定的な基盤となる収益力を示す指標である基礎収益(注2)は、前年度比38.5%増の61億57百万円(前年度は44億44百万円)と、2007年3月期を超えて過去最高となりました。
来年度についても当社グループの厚い人財力、投資力によって運用パフォーマンスの質を維持し、増収増益を目指すとともに、当社グループのミッションである「世界を豊かに、健康に、そして幸せにする」を実現するため、ESG(注3)への取り組みを通じて継続的な企業価値向上を実現すべく、主として以下の課題に取り組んでまいります。
課題の第一として、2026年3月期までに運用資産残高(AUM)3兆円を達成するため、市場に影響されない安定的な投資戦略と収益性の高い投資戦略によるハイブリッドのビジネスモデルを、引き続き強化・拡大してまいります。
成長実現のための4本柱(「日本株式」「ワンアジア株式」「実物資産」「プライベートエクイティ」)という、従来からの高収益な上場株式の投資戦略と安定性の高い実物資産/プライベートエクイティ投資戦略のAUMを、2026年3月末までに3兆円に増加させることを当面の目標としてそれぞれ引き続き強化することに加え、今後も当社グループならではの革新的な投資戦略を継続的に構築し、ビジネスモデルをさらに多様化・安定化することで、持続的な企業価値向上を実現してまいります。
また、日本株式サステナブル投資戦略や再生可能エネルギー投資戦略など、直接的にESGを投資対象とすることが明確な個別の投資戦略以外の投資戦略も含めたビジネスモデル全体と、当社グループのミッション、ビジョン、パーパスなどと合わせて、当社グループのマテリアリティ(重要課題)などサステナビリティについての取組みを明確にし、投資対象の多角化によるシナジー効果など、当社グループの強みについて株式市場と適切に対話することで、株式市場から適切にご評価いただけるようIR活動にも取り組んでまいります。
4本柱についての、当面の主な課題は以下の通りです。
日本株式投資戦略については、例えばこの4月にも、代表的な外部評価機関であるR&I社から、国内株式コア部門において、2年連続で10年のトラックレコードで最優秀賞をいただくなど、長期にわたる安定して高いパフォーマンスを背景に、当年度1,000億円のAUMを回復したロング・ショート戦略や、エンゲージメント戦略など収益性の高いオルタナティブ商品への取組みをさらに強化してまいります。
また、欧州などを中心にESG投資への需要がさらに加速する中、サステナブル投資戦略について、特に海外機関投資家から引き続き強いご関心を寄せて頂いております。ESG投資の基本的な考え方については、創業以来運用調査活動において意識してきたことであり、具体的なESG投資に関する調査・分析も非常に早い時期から積み重ねてまいりました。今後もただ闇雲に規模を追うのではなく、質の高い運用を継続しつつAUMを拡大させてまいります。
ワンアジア株式投資戦略については、日本・韓国・香港の3拠点が一丸となった運用力強化が成果に結びつつあり、韓国子会社は6年ぶりに黒字化しました。中長期的には、今後のアジアの成長を取り込む本投資戦略を日本株式投資戦略と同規模以上に成長させるべく、時間を掛けて重層的で高品質な運用体制を構築してまいります。
実物資産投資戦略については、太陽光から、バイオマスや地熱など引き続き高い投資リターンが見込まれる発電所へと、開発の重点を移すとともに、グリーン水素(注4)やコーポレートPPA(注5)など、固定価格買取制度後を見据えた投資戦略の開発を、引き続き積極的に進めてまいります。
プライベートエクイティ投資戦略については、「カーボン・ニュートラル」に資する会社も新たに投資対象に含めた未来創生3号ファンドの募集を開始し、2022年3月末AUMは515億円になりました。今後、未来創生1号、2号ファンドが投資した企業が、株式市場に上場する等エグジットすることに伴う売却益の一部が、当社グループの成功報酬として計上されてまいりますので、この成功報酬を最大化するためにも引き続き売却活動に注力してまいります。その他、宇宙フロンティアファンドや日本モノづくり未来ファンドについても、投資を着実に実行し、質の高い投資を通じて、革新的な技術やビジネスモデルで世界をリードする企業を発掘・育成し、未来社会に貢献することを目指してまいります。日本で最大級のベンチャー投資会社として、今後も当社グループらしい新しい投資機会を発掘することで、引き続き本投資戦略の拡大を進めてまいります。
さらに上記の4本柱に加えて、AIの利用が前提となった新しい時代の成長領域であるエネルギー、医療・介護、金融などと、量子コンピュータなどの新しい道具が結びつく領域へ、保守的な財務運営方針のもと、一定の自己資金やグループ内リソースを割り当て、これまで築いてきた投資力をベースに新しいビジネスを作りこむことで事業ポートフォリオを拡大し、ROEの向上に貢献する当社グループらしい投資をさらに進めてまいります。またこのような成長領域への投資を通じて、新しいビジネスをゼロから生み出す企業文化と起業家精神を活性化し、これまでのファンドビジネスをさらに強化するとともに、企業文化や変わらない投資哲学を次世代に継承しながら、新しい取り組みを自律的に続けることのできる強い組織を創造してまいります。
課題の第二として、今後の成長に向けて、ポスト・コロナ時代に適応した新しいビジネスの進め方、働き方を構築するため、改めて大切にすべき価値観を再定義し浸透を図ってまいります。
一昨年春の新型コロナウイルス感染症拡大以降、概ね全ての業務を、職員の自宅などからリモートで対応出来るよう社内DX化を加速させるとともに、当年度はそれらのセキュリティ面での強化も行いました。これらハード面での対応に加え、今後はソフト面への対応として、当社グループに合った時短勤務制度、在宅勤務制度を拡充するなど、育児・介護、共働き、ハンディキャップなど職員が置かれた様々な状況下でも、当社グループに貢献し続ける意思と能力を持った優秀な職員が働き続けることができる就労環境を、より充実させてまいります。
一方で、職員が様々な状況下で物理的・時間的に離れて働く場合、これを自然に放置しておくと遠心力が働きやすくなることが予想されます。これまで当社グループが大切にしてきた“現地現物”やコミュニケーションの重要性といった価値観の共有、経営者との直接対話などボトムアップ・アプローチによる調査活動、投資哲学など当社グループの特徴を丁寧に直接ご説明することを重視した営業活動など、これら当社グループを特徴づけるビジネスの根幹をなす様々な活動において、これまで以上に求心力を働かせる工夫が必要となります。そこでまず当年度は、海外子会社を含む全職員を10名程度の小グループに分け、創業者・グループCEOである阿部が、全グループとリモートで直接対話するセッションを設けました。その中で、阿部自身の言葉で全職員に話しかけることで、当社グループの歴史や価値、ユニークさについての議論を促し、理解を深め、改めてグループ全体でベクトル合わせを行いました。
今後は、これら一連のセッションを集約し、言葉にした当社グループの「憲法」とも呼ぶべきパーパス、ビジョン、ミッション、バリューを、株主や投資家などステークホルダーの皆様にも共有させて頂くと共に、グループ内で浸透させる取り組みを具体的に進めてまいります。
当社グループのビジネスは「人が全て」と言っても過言ではありません。全職員と共に再確認した当社グループの「憲法」のもと、ジェンダー、国籍、新卒者と中途採用者、シニア・ベテランと若手など、様々な多様性を互いに尊重し、優秀な人財同士が引き続き互いに切磋琢磨し、成長の機会が与えられて自らの成長を実感できる場を提供することで、従業員エンゲージメントを高めてまいります。
課題の第三として、次世代のマネジメントを育成、登用し、合わせてガバナンス体制を高度化してまいります。
当社グループにとって次世代のCEO選任は、引き続き非常に大きな経営課題であることから、取締役会は、客観性・適時性・透明性ある手続きを確立し、十分な時間と資源をかけて、CEOの後継者計画の策定・運用を具体化し、後継者候補を育成してまいります。
次世代を担うマネジメントの必要条件としては、当社グループにおいては1989年の創業来、投資先候補企業を一社一社徹底的に調べ、現場に赴いて実際に目で見て判断する“現地現物”による調査活動、いわゆるボトムアップ・アプローチを徹底しておりますが、こうした日々の地道な活動の積み重ねなど、当社グループ役職員が自然と共有している価値観をしっかりと共有・実践できていることの他、単に高い専門性や経験を備えるだけではなく、人格的にも優れていることが極めて重要です。このような要件を充たした人材に対して、より高い課題を与えて自覚を促していく他、異業種を含め、社外から採用した優秀な人材をある程度の時間を掛けて育成し、これらを競わせ、衆目が認める結果を残した人材を、次世代のCEOとして登用してまいります。
当社は、第31回定時株主総会において、監査等委員会設置会社へガバナンス体制を移行することで、経営の監督と執行の分離を明確にして取締役会の監督機能を強化するとともに、取締役会から業務執行権限を大幅に委譲することによって業務執行の迅速化を実践する過程で、優れたマネジメント人材を育成することを目指しております。また、課題の第一でも触れた「新しい時代の成長領域への投資」など、CEO自らがリードするプロジェクトに参加すること等によって、ビジネスの創り方について直接CEOから学ぶ機会を作ってまいります。さらに、これまで社内勉強会「バフェット・クラブ」やOJTなどを通じて、投資の型・技を伝承し、投資家を育成してきたプロセスを、起業家の育成プロセスにも応用することで、次世代のCEO育成にも役立ててまいります。その他、課題の第二でも触れた、当社グループの新しい「憲法」とも呼ぶべき企業理念等を浸透させていくことで、創業時から大切にしている創業者の想いを、次世代のCEOが中心となって運営する組織にもしっかりと引き継いでまいります。
当社は本年4月4日より、東京証券取引所の新市場区分「プライム市場」に移行しております。プライム市場の上場企業には、より高いガバナンス水準を備え、グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据え、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上にコミットすることが求められております。当社グループには、日本初の独立系上場投資会社として、スチュワードシップ・コードとコーポレート・ガバナンス・コードの両方を高いレベルで実践する責務があります。この責務を全うするためにも、当社グループらしい、時代の要請に沿ったガバナンス体制の高度化を常に模索、実践してまいります。
(注1)当連結会計年度末(2022年3月末)運用資産残高は速報値です。
(注2)「基礎収益」とは事業の持続的かつ安定的な基盤となる収益力を示す経営指標であり、その算定方法は以下のとおりです。
基礎収益=残高報酬(手数料控除後)-経常的経費
(注3)ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取ったものであり、企業が中長期的な成長を目指すために、これら3つの視点が重要であるとされています。
(注4)グリーン水素とは、水を電気分解し、水素と酸素に還元することで生産される水素のことです。この水素を利用し、酸素を大気中に放出することで、環境へ悪影響を与えずに水素を利用することができます。電気分解するためには電気が必要ですが、グリーン水素を作るためのプロセスは、再生可能エネルギーを利用することで二酸化炭素を排出させることなく、水素を製造することができます。
(注5)コーポレートPPA(Corporate Power Purchase Agreement)とは、企業や自治体などの法人(電力需要家)が発電事業者から再生可能エネルギーの電力を、直接、長期(通常10~25年)間、購入する契約のことを指します。一般的には、固定価格買取制度(FIT)やフィード・イン・プレミアム(FIP)のような国による再エネ買取制度との対比で用いられ、公的な再生可能エネルギー支援制度を使わず、民間企業と独自に再生可能エネルギー電力の長期買取契約を結ぶスキームを意味します。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、当該将来に関する事項については、その達成を保証するものではありません。
① 事業内容の特性に係るリスク
・顧客に提供する商品及びサービスに係るリスクについて
当社グループの収益の大半は投信投資顧問業に係る委託者報酬及び投資顧問料収入によって構成されており、加えて当社グループが運用する資産の投資対象の大半を日本及びアジア地域の上場株式が占めています。従って、当社グループの運用資産残高や運用実績等は、世界経済の動向や、気候変動により起こる異常気象や自然災害、パンデミック、紛争、戦争など日本及びアジア地域の上場株式市場に影響を及ぼす事象の他、同地域の上場株式に対する顧客の資産配分方針に大きく影響を受けます。
また、気候変動問題をはじめとする、ESG(環境・社会・ガバナンス)課題の顕在化に伴い当社グループのステークホルダーからは、責任ある投資家として、ESGに配慮した責任ある投資を行うよう期待されております。当社グループの責任投資に関する取り組みや開示が期待から大きく乖離した場合には、運用資産残高の減少に伴う運用報酬の減少など、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、上場株式を運用対象とする事業において投資戦略の多様化に取組む一方、不動産、再生可能エネルギー発電事業や未公開株式等を運用対象とする商品の開発・提供にも注力し、これを着実に拡大しております。日本及びアジア地域の上場株式市場の低調な状況がたとえ長期化したとしても、グループ全体の業績に対する影響は過去に比べて相対的に小さくなっており、安定的に基礎収益を計上できる基盤が、より強化されてきていると考えております。
また、ESGに配慮した責任ある投資を適切に行うため、グループCIOを委員長とした責任投資委員会を設置し、当社グループの全ての投資戦略において、責任投資が適切に実践されているか等を協議し、推進しております。
・顧客基盤や販売チャネルの不安定性に係るリスクについて
当社グループは国内外に幅広い顧客ネットワークを構築して参りましたが、その基盤は必ずしも十分なものではありません。また、それら顧客と当社グループとの契約は比較的短期の事前通知により、また契約によっては事前通知することなく、いつでも顧客が解約することが可能です。一部の投資顧問契約及び投資信託を除いては、顧客に契約の終了又は資金の引出しを禁じるロック・アップ期間はありません。よって一部の顧客が契約の全部又は一部解約などを行ったり、他の顧客がこれに追随したりするなどしてファンド規模が縮小することがあります。さらに解約などによりファンド規模が縮小した場合、既存又は新規の顧客から新たな資金を集めることが困難になることがあります。これらの結果、運用報酬の減少など、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。
また、当社グループは他の多くの資産運用会社と異なり、銀行、証券会社、保険会社といった大手金融機関を核とした金融機関の系列に属しておらず、独立系の資産運用会社として自力で顧客基盤と販売チャネルを構築してまいりました。これらの競合他社は、系列に属することで強力な販売チャネルの活用が可能となることに加え、比較的に解約リスクの低い資金を集めることが可能であり、当社は運用資産残高及び営業収益の安定性あるいは耐久力に関して、比較劣位にあります。従いまして、今後も顧客基盤や販売チャネルの不安定性に基づく当社グループの運用資産残高の低下に伴う残高報酬の減少など、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、一つの機関投資家から大きな資金をお預かりすることだけでなく、個人投資家からの資金も含め、小口の運用資金を積み上げていくことで、特定の投資家への集中度を低下させ、たとえ解約が起きたとしても解約金額が限定的になるように努めております。
・運用実績の変動に係るリスクについて
当社グループが顧客から受託している運用資産に係る運用実績が悪化した場合、既存顧客との契約の維持及び新規契約の獲得に困難が生じ、運用資産残高の低下を招き、当社グループの業績及び今後の事業展開に悪影響を及ぼすおそれがあります。また、当社グループは営業収益の一部を、運用実績に基づく成功報酬により得ておりますが、成功報酬の金額は運用実績を反映して毎年大きく変動しております。
このようなリスクに対して当社グループは、良好な運用実績を安定的に達成するため、創業時より続く社内の勉強会などを通じて、投資哲学の共有や運用能力の維持向上に努めております。
さらに、当社グループが運用する投資戦略は、成功報酬の付帯比率が高いオルタナティブ運用型の投資戦略と成功報酬の付帯比率が低い伝統的運用型の投資戦略の2つに大別され、この成功報酬の付帯比率を高位に保つことを経営方針の1つとしておりますが、日本及びアジアの株式市場の変動をはじめとする市場環境の動向や、それに基づく当社グループの運用実績、顧客の資産配分方針の変動などによって成功報酬の付帯比率が変動する可能性があります。
このようなリスクに対して当社グループは、既存の戦略においては成功報酬付きファンドの運用資産残高を積み上げるべくマーケティング活動に注力している他、新規戦略において成功報酬を計上できるようなスキームづくりに努めております。
・運用対象の拡大に係るリスクについて
当社グループは、日本及びアジア地域の上場株式を運用対象とする事業の他、不動産や再生可能エネルギー発電事業等のインフラ資産を運用対象とした商品の開発・提供にも注力しております。
当該分野の事業発展には、従前とは異なった経験や知見を有する人材やリソースの確保が必要であり、事業展開に想定以上の時間を要したり、初期投資の負担が一時的に収益性を毀損するおそれがあります。またこれらの事業領域では、個々の案件を推進した当社グループが第三者に生じた損害に対して賠償責任が生じ得る等の独自のリスクもあります。さらに、万一、顧客やマーケットの信頼を失い、監督当局から行政処分を受けるなどした場合は、当社グループの事業、経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。その他、新規分野においては必ずしも市場が十分に成熟していないことを背景として、法令や諸規則の改正又はその解釈や運用の変更が行われる可能性もあり、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、個々の案件において可能な限り保険或いは契約等によりリスクの回避を図る他、法的規制に対する十分な理解や内部管理体制の構築、そのための人材の充実に努めるほか、その領域に精通した外部専門家に十分なアドバイスを求めるなどの対策を講じております。また、撤退の基準を明確にするなど判断の遅れによる損失の拡大を防ぐよう努めております。
・当社グループが管理運営するファンドに係るリスクについて
当社グループが無限責任組合員又はゼネラルパートナーとしてファンドに関与している場合において、その運用方針、運用制限に沿ってファンド運用を行っている限りは、ファンドの出資額を超える損失が発生し、またそれについて当社グループが責任を負わなければならない事態は、ファンドの運用方針、運用制限の内容からは想定されません。しかしながら、何らかの逸脱行為によって出資額を超える損失を負担する可能性を完全には否定できず、この場合、当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、ファンドとの契約内容が適切なものとなっているか、運用制限に沿ってファンド運用を適切に行っているか等、確認できる体制を構築しております。
・信用供与に関する偶発債務の顕在化に係るリスクについて
当社グループが不動産や発電事業等の実物資産に係る投資スキームを構築する上で、子会社や投資スキーム等を通じて保証等の信用供与を行う必要が生じる場合が例外的に存在します。信用供与先が、信用力低下や破綻等によって取引当事者としての義務を果たせない場合は、信用供与に関する偶発債務の顕在化のリスクが具体化し、これにより当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、事前に外部専門家に十分なアドバイスを求めるなどの対策を講じる他、保証実行のリスク等を慎重に検討し、顕在化するリスクが極めて低いと判断したもののみ限定的に信用供与を行うことに努めております。
・投資先企業への役員派遣に係るリスクについて
当社グループは投資先企業の価値向上のため、役職員を投資先企業の役員として派遣することがあります。その役職員個人に対して、役員損害賠償請求等があった場合、当社グループがその個人に生じた経済的損失の全部又は一部を負担することとなる可能性があるほか、当社グループに使用者責任が発生する可能性があります。
このようなリスクに対して当社グループは、投資先企業において会社役員賠償保険(D&O保険)の付保や責任限定契約の締結を求めるとともに、投資先企業の所在地や業態などを確認し、派遣している役職員が、当社が加入するD&O保険の補償対象範囲に含まれるように努めております。
② 経営の外部環境に係るリスク
・他社との競合に係るリスクについて
資産運用業、特に投資助言業は、金融業界の他業種に比べると参入障壁が比較的低い業種であり、常に国内外からの新規参入者との競合を覚悟する必要があります。また、グローバルレベルでの資産運用ニーズの高まりは資産運用業界全体にとっての追い風ではありますが、これにより新規参入が将来にわたってさらに促進される可能性があると共に、国内外の大手金融機関が資産運用サービスを経営戦略上重要なビジネスと位置づけ、積極的に経営資源を投入してくるケースも想定されます。また、業界内での統廃合によって、当社グループの競合他社の規模や体力が増強されることがあります。さらに、競合他社が当社グループのファンドマネージャーやその他の従業員の移籍・採用を図る可能性もあります。
この様に他社との競合は今後も激化していくことが予想され、その場合には、顧客の獲得や維持に困難が生じるだけでなく、残高報酬料率や成功報酬料率の水準にも影響を及ぼし、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、日本及びアジア地域の上場株式を運用対象とする事業において投資戦略の多様化に取組む一方、不動産、再生可能エネルギー発電事業や未公開株式等を運用対象とする商品の開発・提供にも注力し、これを着実に拡大することで、結果的に競合する他社とは異なるユニークな事業展開によって差別化を図っております。
また、当社グループの投資哲学を深く理解し、共有・実践することのできる運用体制の構築を、時間をかけて愚直に行うこと、そして当該運用体制によって長く優れた運用実績を積み重ねることが資産運用業にとって最も大切であり、競合する他社には簡単に作り上げられない価値と考え、今後も維持・強化していくとともに、この価値を当社グループのブランド構築の柱に据えて取り組んでまいります。
その他、採用した優秀な人材が互いに切磋琢磨し、成長の機会が提供されて自らの成長を実感できるよう、裁量を与えられて仕事に取り組むことができる社風を維持することに努めている他、適切なインセンティブ制度の提供という金銭的なモチベーションだけでなく、非金銭的なモチベーションも強く感じることのできるよう、”Professional Nurturing Ground(プロを育む肥沃な土壌)”の提供に取り組んでおります。
・為替相場の変動に係るリスクについて
当社グループの財務諸表は円建てで表示されているため、外国為替レートの変動は、外貨建て資産及び負債の円換算額に影響を及ぼします。また、当社が海外子会社を連結する際には、当該子会社における外貨建ての資産や負債あるいは収益及び費用の円換算額も変動し、連結貸借対照表・連結包括利益計算書上の「為替換算調整勘定」を変動させます。
その他、日本国内子会社の営業収益の大部分は円建てですが、一部の外貨建て取引においては外国為替レートの変動により、これらを円換算する際に、為替差損が生じるおそれがあります。日本以外の顧客との契約の増加などを理由として外貨建て取引が増加した場合、為替変動リスクが増大する可能性があります。
このようなリスクに対して当社グループは、為替変動リスクの業績への影響を最小限にするため、為替予約を行うなど為替変動リスクをヘッジする方策を講じております。
③ 内部管理に係るリスク
・アジア地域で実行したM&Aに係るリスクについて
当社グループは、国内外の投資家に対してアジア地域の成長機会を提供すべく、アジア地域の運用会社のネットワーク化に取り組んでおります。
2005年2月には、韓国に拠点をもつSPARX Asset Management Korea Co.,Ltd.(以下、「SPARX Korea社」)の発行済株式の過半数を取得し、また2006年6月には、香港を主な拠点とするSPARX Asia Capital Management Limited(旧 PMA Capital Management Limited)の全株式を取得いたしました。さらに、2014年4月には、総合不動産投資顧問業(いわゆる不動産投資一任業及び不動産投資顧問業)等を営むスパークス・アセット・トラスト&マネジメント株式会社(旧 ジャパンアセットトラスト株式会社)の株式を取得し、完全子会社といたしました。
しかしながら、M&A戦略に基づく事業展開が計画通りに進捗しなかったり、あるいは予期しない環境変化などにより買収会社の業績が著しく悪化した場合には、当社グループの経営成績及び財務状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
このようなリスクに対して当社グループは、日本・韓国・香港の運用拠点が、スパークスの投資哲学の共有を徹底させることで、各拠点における運用力の向上を図ると同時に、各拠点が協働することで業績の向上に努めております。また、当社取締役会による業績の定期的なモニタリングなど、グループ内に適切な内部管理体制を構築し、各社の事業計画の進展を確認しております。
・自己勘定からの投資に係るリスクについて
当社グループは、自己勘定から当社グループが運用するファンドや量子コンピュータ、医療・介護などの成長領域等への投資を行っております。2022年3月末の有価証券・投資有価証券の残高は121億55百万円であり、総資産の32.7%を占めています。この投資額は過去から増減しており、余裕資金の残高、市場環境及び当社グループの運用実績等に基づき、今後も大きく変動する可能性があります。この投資のうち市場価格がある有価証券・投資有価証券については、取得原価と時価との差異は、税効果を考慮した後、貸借対照表における「その他有価証券評価差額金」に計上されておりますが、取得価額を時価が下回った状態で実際に解約・償還等が行われた場合や時価が著しく下落したこと等により減損処理を行った場合には、売却損や評価損として損益計算書に反映され、当社グループの業績が悪影響を受けるおそれがあります。また、市場価格がない有価証券・投資有価証券については、貸借対照表において取得原価で計上されており、投資先の業績不振等により有価証券等の資産価値が下落し減損処理を行った場合には評価損として損益計算書に反映され、当社グループの業績が悪影響を受けるおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、投資総額が連結純資産額の一定の範囲に収まるように管理する他、市場価格のある有価証券・投資有価証券については月次でモニタリングを実施して時価及び損益の把握に努め、また、市場価格のない有価証券・投資有価証券については、四半期ごとに事業進捗、財務状況等の把握に努めることで、それぞれ投資先の状況を定期的に確認しております。
・税に係るリスクについて
当社グループは、国内外で事業を展開し、各国の税法に準拠して適正な納税を行っております。しかし、国や地域間での税務上の取り決め及び各国や各地域における税制上の制度運用や解釈などに変更が生じた際の対応が不十分な場合には、今後の事業展開や当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、適切な納税を行うため、各拠点においてそれぞれ又はグループ全体で税務顧問のアドバイスを受け、適切な税務判断を行うよう努めております。
・人材の確保に係るリスクについて
当社グループは、事業の維持及び成長を実現するためには、全ての部門で適切な人材を適切な時期に確保することが重要と考え、継続的に優秀な人材を採用し、教育を行ってまいります。しかし、優秀な人材が社外に流出した場合や人材の採用・教育が予定通り進まなかった場合、当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に悪影響が及ぶおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、「世界で最も信頼・尊敬される投資会社になる」ことで「世界を豊かに、健康に、そして幸せにする」というミッションをグループ全体へ浸透させるため、ビジョンステートメントを作成し、それに沿った採用のルールを設けるなどの取組を行っております。その他、採用した優秀な人材が、互いに切磋琢磨し、成長の機会が提供されて自らの成長を実感できるよう、また金銭的なモチベーションだけでなく、非金銭的なモチベーションを強く感じることのできるよう、”Professional Nurturing Ground(プロを育む肥沃な土壌)”の提供に取り組んでおります。
・外部事業者に係るリスクについて
当社グループは、業務遂行の過程で多くの外部事業者を活用しています。これらには投資信託財産や顧客資産の保管・管理を行うために指定される受託銀行(投資信託委託契約及び国内顧客との投資一任契約の場合)及び保管銀行(外国籍の顧客との投資一任契約の場合)、取引を執行する証券会社などが含まれます。当社グループが利用している外部事業者において、安定的なサービス提供に困難が生じるような事態が発生した場合、当社グループの業務遂行上に支障が発生するおそれがあります。また、当社グループの信用が間接的に損なわれるおそれもあります。
このようなリスクに対して当社グループは、特定の外部事業者に依存した業務遂行を行わないように努める他、定期的に外部委託先の往査を行うなど継続的なモニタリングを通じて、安定的なサービス提供が受けられることの確認に努めております。
また、マネーロンダリング/テロ資金供与対策(以下、「AML/CFT」という。)に対する規制が今般強化されており、ファンドの販売会社に対してもAML/CFTへの対応状況をモニタリングしております。
・システム障害に係るリスクについて
当社グループが業務を行う上でコンピューター・システムは必要不可欠なものであり、障害が生じた場合、当社グループの業務に悪影響を及ぼすおそれがあります。また、テロ、気候変動により起こる異常気象から生じる風水害や地震等の自然災害、さらには高度化する外部からのサイバー攻撃その他の不正アクセスにより、当社グループの重要な情報の改ざん、消失を引き起こし、想定以上のシステム障害が発生した場合には、業務に悪影響を及ぼすおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、情報セキュリティ規程類を整備し、システムの改善、サーバーの増強、信頼性の高いデータセンターを利用するなど、システムの安定的な稼動及び保守運営と保持する情報資産の機密性・完全性・可用性の確保に努めております。加えて、サイバー攻撃の高度化を踏まえ、サイバーセキュリティ規程類を整備し、多層防御(入口対策、内部対策、出口対策)によるシステム脆弱性の適切な対応、定期的な訓練を実施するなど、サイバーセキュリティ対策の強化に努めるとともに、業務継続のための計画を策定し、事故・災害等発生時の業務への支障を軽減するための対策を講じております。
・役職員による過誤及び不祥事並びに情報漏えいに係るリスクについて
当社グループの役職員等による業務上の過誤や不祥事等、あるいは情報の漏洩や悪用が発生した場合、当社グループが第三者に生じた損害を賠償する責任を負うだけでなく、顧客やマーケットの信頼を失い、さらには監督当局から行政処分を受けるなど、当社グループの事業、経営成績及び財務状態に悪影響を及ぼすおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、社内業務手続の確立を通して役職員による過誤の未然防止策を講じている他、情報の重要性に応じたセキュリティ体制を構築し、情報漏えいを未然に防止する体制を構築しております。また、業務上のヒヤリハット(重大な災害や事故には至らないものの、直結してもおかしくない一歩手前の事例の認知)を「インシデントレポート」として取りまとめ、社内委員会にて共有し、継続的な業務改善に努めております。特にコロナ禍においてテレワークが進み業務上の過誤の発生可能性が高まっているため、社内業務手続きの確立を通して役職員による過誤の未然防止策を講じております。その他、コンプライアンス関連、情報セキュリティ関連の研修などを通じて、役職員の意識を継続的に高めるよう努めております。
④ その他のリスク
・法的規制に係るリスクについて
当社グループは、日本においては、金融商品取引法に定める投資運用業、投資助言業、第一種金融商品取引業及び第二種金融商品取引業に加え、それらに関連あるいは付随する業務を営んでおりますので、金融商品取引法を始めとする各種の法令や諸規則を遵守する必要があります。
当社グループでは、現時点において、主たる業務において以下の許認可及び登録(以下、「許認可等」という。)を受けております。現時点におきましては、上記免許又は認可が取消しとなるような事由は発生しておりませんが、将来、何らかの理由により許認可等の取消等があった場合には、当社グループの事業推進に悪影響を及ぼす可能性があります。
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取得・登録者名 |
スパークス・アセット・マネジメント株式会社 |
スパークス・アセット・トラスト &マネジメント株式会社 |
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取得年月 |
2007年9月30日 |
2007年9月30日 |
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許認可等の名称 |
金融商品取引業者(登録) |
金融商品取引業者(登録) |
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所管官庁等 |
金融庁 |
金融庁 |
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許認可等の内容 |
投資運用業 投資助言・代理業 第一種金融商品取引業 第二種金融商品取引業 登録番号 関東財務局長(金商)第346号 |
投資運用業 投資助言・代理業 第二種金融商品取引業
登録番号 関東財務局長(金商)第783号 |
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有効期限 |
有効期間の定めはありません。 |
有効期間の定めはありません。 |
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法令違反の要件 及び主な許認可取消事由 |
不正の手段により登録を受けた場合、役員等が欠格事由に該当する場合、純資産額が必要かつ適当な水準に満たない場合など、金融商品取引法第52条に抵触する場合は登録の取消 |
不正の手段により登録を受けた場合、役員等が欠格事由に該当する場合、純資産額が必要かつ適当な水準に満たない場合など、金融商品取引法第52条に抵触する場合は登録の取消 |
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取得・登録者名 |
スパークス・アセット・トラスト &マネジメント株式会社 |
スパークス・アセット・トラスト &マネジメント株式会社 |
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取得年月 |
2022年4月28日 |
2021年7月15日 |
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許認可等の名称 |
不動産投資顧問業者(登録) |
宅地建物取引業者(免許) |
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所管官庁等 |
国土交通省 |
東京都 |
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許認可等の内容 |
総合不動産投資顧問業 登録番号 国土交通大臣 第149号 |
免許証番号 東京都知事(3)第86144号 |
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有効期限 |
2022年4月28日から 2027年4月27日まで (5年間) 以後5年ごとに更新 |
2021年7月15日から 2026年7月14日まで (5年間) 以後5年ごとに更新 |
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法令違反の要件 及び主な許認可取消事由 |
不正の手段により登録を受けた場合、役員等が欠格事由に該当する場合など、不動産投資顧問業登録規程第30条に抵触する場合は登録の取消 |
不正の手段による免許の取得、役員等が欠格事由に該当する場合など、宅地建物取引業法第66条に該当する場合、免許の取消 |
また、韓国、香港、バミューダ及びケイマン等におきましても資産運用業等を営んでおりますので、それぞれの国や地域における法令や諸規則を遵守する必要があります。広範な権限を有する監督当局等から行政上の指導あるいは処分を受けるというような事態が生じた場合には、その内容によっては通常の業務活動が制限されたり、行政処分などを理由として顧客が資産を引き揚げたりするおそれがあります。また、法令や諸規則の改正又はその解釈や運用の変更が行われる場合、その内容によっては今後の業務展開や業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
加えて当社グループは気候変動に対する政策及び法規制、市場の要求を踏まえ、再生可能エネルギー事業に取り組んでおりますが、これらの規制が予測を超えて厳しくなった場合は、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を与えるおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、国内外の法令や諸規則の遵守を徹底するため、グループ各社が社内規則及びモニタリング体制の整備、さらには役職員等に対する研修に努める一方、当社に設置されたコンプライアンス委員会がグループ内の利益相反取引などのモニタリングと指導を行い、適切なコンプライアンス態勢を維持・強化に努めております。また当社グループの事業に関連する政策や法規制の改正等の動向に注視し、事業への影響の低減を図っております。
・訴訟等の可能性に係るリスクについて
当社グループの事業に重大な影響を及ぼす訴訟等は現在存在しません。また当社グループの事業に重大な影響を及ぼすような訴訟に発展するおそれのある紛争も現在ありません。しかしながら、当社グループの事業の性格上、当社及び当社の国内外子会社が関連法規や各種契約などに違反し、顧客に損失が発生した場合等には訴訟を提起される可能性があります。このような訴訟が提訴された場合、訴訟の内容及び金額によっては当社グループの業績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、グループ各社に適切な内部管理体制を構築し、各社にコンプライアンス委員会を設置して関連法規や各種契約などに違反していないかどうかモニタリングと指導を行い、当社のコンプライアンス委員会がそれらを取りまとめ、グループ全体のコンプライアンス態勢が適切な水準を維持していることを、常に確認しております。
また、グループ役職員に求められる行動規範の1つとして「悪い情報ほど早く報告する」を定め、これに従って大小にかかわらず顧客からの不満、クレームに関する情報が、適時に経営陣に報告される体制を構築しております。さらにその内容によっては、外部専門家に十分なアドバイスを求めるなどの追加的な対策を講じます。
・阿部修平への依存の高さに係るリスクについて
当社の創業者であり、現 代表取締役社長である阿部修平は、当社グループの事業経営及び投資戦略の方向性の決定において重要な役割を果たしています。このため、阿部が何らかの事情で通常の職務を遂行できなくなる場合には、当社グループの業績に少なからぬ悪影響を及ぼすリスクがあります。
また2022年3月末現在、阿部は、本人及び本人の出資する会社(以下「阿部グループ」といいます)を通じて、当社株式の過半を保有する大株主であります。阿部グループは、当社取締役の選任等会社の基本的な事項を決定することができるため、この点においても、阿部が何らかの事情で適切に議決権を行使できず、企業価値を害されるような議決権行使がされてしまう場合には、当社グループの利益ひいては他の株主の利益に少なからぬ悪影響を及ぼすリスクがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、より組織的な運営形態の構築及びマネジメントを担い得る人材の育成により、阿部個人への依存度を引き下げる努力を継続的に行ってまいります。
・連結の範囲決定に係るリスクについて
当社グループは、「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会 実務対応報告第20号 最終改正平成23年3月25日)を適用しており、各ファンド及びSPCごとに、アセットマネジメント契約や匿名組合契約等を考慮し、個別に支配力及び影響力の有無を検討した上で、子会社及び関連会社を判定し、連結の範囲を決定しております。
今後、新たな会計基準の設定や実務指針等の公表により、各ファンド及び各SPCに関する連結範囲決定方針について、当社グループが採用している方針と大きく異なる会計慣行が確立された場合には、当社グループの連結範囲に大きな変更が生じ、当社グループの財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して当社グループは、新たな会計基準の設定や実務指針等の決定前からその動向を注視して影響を最小限にするように努めるほか、新たなファンドやSPCとの契約を締結する際に、個別に支配力及び影響力の有無を確認してまいります。
・負債による資金調達に係るリスクについて
当社グループでは、これまでアジア地域での事業展開を主たる目的に、自己資金の活用に加え、増資、銀行借入れ、社債による資金調達を行ってまいりました。2022年3月末時点の外部有利子負債額は90億円であり、株式会社格付投資情報センターより2022年3月末時点で取得している発行体格付けは「BBB+(安定的)」ですが、金融市場での信用収縮や金利上昇が生じた場合には、追加的な資金調達に悪影響を及ぼすおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、今後も保守的な財務方針を堅持し、バランスシートの健全性、キャッシュ・フローの安定性に留意した資金計画と財務活動によって、事業の発展に資する資金調達に努めてまいります。
・気候変動に係るリスクについて
当社グループは、気候変動が環境・社会、人々の生活・企業活動にとっての脅威であり、金融市場の安定にも影響を及ぼしうる最も重要なグローバル課題の一つであると認識しておりますが、気候変動に係るリスク及び収益機会が自社の事業活動や収益等に与える影響について、上場会社としての情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合には、当社グループの企業価値の毀損に繋がるおそれがあり、当社グループの事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
このようなリスクに対して当社グループは、金融安定理事会(Financial Stability Board)によって設立された気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures。以下「TCFD」)が策定した気候変動関連財務情報開示に関する提言への支持を表明するとともに、必要なデータの収集と分析を行い、TCFDに沿ったリスクの把握・評価や情報開示の拡充に取り組んでまいります。
・SNSなどを通じた情報発信に伴うリスクについて
当社グループ又は当社グループが行っている事業全般に対する否定的な風評が、マスコミ報道やインターネット上の掲示板、SNSへの書き込み等により発生・流布した場合、それが正確な事実に基づいたものであるか否かにかかわらず、当社グループ又は当社グループが行っている事業、あるいは当社グループが提供する商品やサービスのイメージ・社会的信用が毀損し、ひいては当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
このようなリスクに対して当社グループは、SNSやインターネット上の掲示板への悪質な書き込みに対して毎日モニタリングを行っており、必要に応じてSNSや掲示板の運営者に対し削除依頼等の対応を行ってまいります。
業績等の概要
(1)業績
当連結会計年度の日本株式市場は、米国の雇用統計の改善とバイデン大統領による500億ドル規模の半導体生産支援策などによる米国市場の上昇を受け、小幅な上昇で始まった後、米国の長期金利や米国株市場の先行きに警戒感が高まり下落基調となりました。その後世界的な景気回復期待や国内企業の好調な決算、国内での新型コロナワクチン接種の進展期待に伴い上昇する場面もあったものの上値が限定的となっていましたが、9月に菅自民党総裁の次期自民党総裁選不出馬の表明を受け、閉塞感の強かった政局の変化が好感され9月中旬には日経平均株価は3万円台を回復いたしました。しかしながら、中国の大手不動産開発企業の信用不安から株式市場の警戒感が高まり下落し、その後は衆議院議員選挙で与党が大方の予想よりも議席を多く獲得したことなどで上昇しましたが、感染力の強い新型コロナウイルスの変異種(オミクロン株)が確認されたことで経済活動再開への期待が後退したことなどにより日経平均株価は急落するなど一進一退を繰り返しました。2022年に入りウクライナでの地政学リスクの高まりにより日本株式市場は下落し、ロシア軍によるウクライナの首都や原子力発電所への攻撃を受けて市場の警戒感の高まりや、日銀が金融緩和政策を維持するなか円安が進行したことなどにより、日経平均株価は前期末に比べ4.7%下落し27,821.43円で取引を終えました。
このような市場環境のもと、当社グループの当連結会計年度末運用資産残高は、1兆5,557億円(注1)と前期末に比して1.3%増加しました。
上記の結果、当連結会計年度における残高報酬(注2)は前期比15.2%増の125億77百万円となりました。さらに、成功報酬(注3)は、前期比61.8%減の12億8百万円となり、営業収益は前期比1.8%減の140億43百万円となりました。
営業費用及び一般管理費は、前期比4.6%減の75億78百万円となりました。これは主にオフィス関連費用及びESOP関連費用が減少したこと等により費用が減少したものです。
これらの結果、営業利益は前期比1.8%増の64億64百万円、経常利益は前期比0.8%増の62億41百万円となりました。また、当社が保有する投資有価証券の一部売却による投資有価証券売却益6億63百万円を特別利益に、投資有価証券評価損5億60百万円を特別損失に計上し、税金等を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比17.4%増の40億70百万円となりました。
なお、事業の持続的かつ安定的な基盤となる収益力を示す指標である基礎収益(注4)は残高報酬の増加等により前期比38.5%増の61億57百万円(前期は44億44百万円)となっており、実質的な収益体質は着実に強化されております。
(注1)当連結会計年度末(2022年3月末)運用資産残高は速報値であります。
(注2)残高報酬には、日本再生可能エネルギー投資戦略に関連する発電所等の管理報酬を含んでおります。
(注3)成功報酬には、株式運用実績から発生する報酬の他に、日本不動産投資戦略に関連する不動産購入・売却に対して当社グループがファンドから受ける一時的な報酬や、日本再生可能エネルギー投資戦略に関連する発電所スキームの組成の対価等として受ける一時的な報酬(アクイジションフィー)及び再生可能エネルギーファンドが、投資対象である発電所を売却して譲渡益が発生する場合に受領する報酬を含んでおります。
(注4)基礎収益とは、経常的に発生する残高報酬(手数料控除後)の金額から経常的経費を差し引いた金額であり、当社グループの最も重要な経営指標のひとつであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7億35百万円減少し、当連結会計年度末は191億99百万円(前期比3.7%減)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主たる要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは26億61百万円の収入(前期は61億18百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益63億45百万円、法人税等の支払額36億27百万円の計上等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは11億80百万円の支出(前期は29億円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出40億74百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入25億71百万円の計上等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは24億80百万円の支出(前期は18億44百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払い22億28百万円、自己株式の取得による支出2億52百万円の計上があったことによるものです。
営業の実績
(1)営業収益の実績
当社グループの連結営業収益の項目別内訳は以下のとおりです。
|
項目 |
前連結会計年度(2021年3月期) |
当連結会計年度(2022年3月期) |
||
|
金額 |
構成比(%) |
金額 |
構成比(%) |
|
|
残高報酬 |
10,922 |
76.4% |
12,577 |
89.6% |
|
成功報酬(注) |
3,166 |
22.1% |
1,208 |
8.6% |
|
その他 |
206 |
1.5% |
258 |
1.8% |
|
営業収益合計 |
14,295 |
100.0% |
14,043 |
100.0% |
(注)成功報酬には、上場株式投資戦略605百万円(前期は1,621百万円)、再生可能エネルギー投資戦略からのアクイジションフィー356百万円(前期は1,064百万円)、再生可能エネルギーファンドが、投資対象である発電所を売却して譲渡益が発生する場合に受領する報酬246百万円(前期は470百万円)が含まれております。
・残高報酬
残高報酬料率(ネット・ベース)の推移は以下のとおりです。
|
区分 |
前連結会計年度 (2021年3月期) |
当連結会計年度 (2022年3月期) |
|
当社グループ残高報酬料率 |
0.69% |
0.69% |
(注) 残高報酬料率(ネット・ベース)=(残高報酬-残高報酬に係る支払手数料)÷ 期中平均運用資産残高
・成功報酬
(株式運用ファンド関連)
成功報酬は、単純なケースでは過去のファンド計算期間末日の「一口当たり純資産価額」=「Net Asset Value Per Share」(以下、「NAVPS」と言います。)の最高値を、今ファンド計算期間末日のNAVPSと比較して、今ファンド計算期間末日のNAVPSの方が高かった場合に、値上がり部分に一定料率をかけて計算します(これを「ハイ・ウォーター・マーク方式」といいます)。
また、契約によっては、ベンチマークを一定以上上回った部分に一定料率をかけて計算するものもあります。
(再生可能エネルギーファンド関連)
事業計画を策定、工事業者の選定・管理、固定価格買取制度の認定手続き、資金調達など、一連の発電所開発プロセスが成就した場合に、プロジェクトコストに一定料率を乗じた成功報酬(アクイジションフィー)を受領する場合があります。
また、当社子会社が運用する再生可能エネルギーファンド(グリーン・フィールド投資ファンド(*))が投資対象である発電所を売却して譲渡益が発生する場合には、その売却益に一定料率を乗じた成功報酬を受領する場合があります。
なお、この売却に際しては、上記とは別の当社子会社が運営する再生可能エネルギーファンド(ブラウン・フィールド投資ファンド(*))も売却先候補となりますが、その場合であっても、双方のファンドを運用する両子会社は、それぞれ適切な利益相反管理のもとで独立した意思決定を行っており、双方のファンドの投資家にとって、それぞれが最良の条件で譲渡取引を執行しております。譲渡価格の決定に際して外部評価機関の評価を利用しております。
(*)グリーン・フィールド投資ファンドとは、発電所の開発段階から運転開始までのフェーズに投資するファンドであります。また、ブラウン・フィールド投資ファンドとは、発電所の運転開始後のフェーズに投資するファンドであります。
絶対リターン追求型の運用に多いハイ・ウォーター・マーク(HWM)方式の成功報酬の仕組み
(注)1.上記の図は成功報酬の仕組みを簡便に説明したもので、実際の成功報酬の体系及びファンドの基準価格の
計算方法を厳密に説明しているものではありません。
(注)2.上記では、説明の都合上、成功報酬の料率を便宜的に20%として計算しております。
(2)運用資産残高の実績
以下の表は、当社グループの当期の運用資産残高の実績を示したものです。なお、日本円建て以外の運用資産残高を日本円に換算する際には、それぞれの時点における月末為替レートを用いております。
当社グループは、市場に影響されない安定的な投資戦略と収益性の高い投資戦略によるハイブリッドのビジネスモデルを強化・拡大して成長することを目指しており、現在「日本株式」、「OneAsia」、「実物資産」及び「プライベート・エクイティ」の投資戦略を4本の柱としております。
① 投資戦略別の四半期運用資産残高の推移 (単位:億円)
|
投資戦略 |
2021年6月 |
2021年9月 |
2021年12月 |
2022年3月 |
|
日本株式 |
10,460 |
11,307 |
11,326 |
10,210 |
|
OneAsia |
1,366 |
1,171 |
1,180 |
1,050 |
|
実物資産 |
2,538 |
2,538 |
2,543 |
2,564 |
|
プライベート・エクイティ |
1,162 |
1,174 |
1,457 |
1,731 |
|
合計 |
15,528 |
16,191 |
16,507 |
15,557 |
(注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。
2.2022年3月末運用資産残高は速報値となっております。
② 平均運用資産残高 (単位:億円)
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2021年3月期 連結会計年度 |
2022年3月期 連結会計年度 |
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当社グループ合計 |
13,438 |
15,719 |
(注) 1.各期の月末運用資産残高の単純平均であります。
2.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。
3.2022年3月末運用資産残高は速報値となっております。
③ 成功報酬付運用資産残高及び比率
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会社名 |
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2021年3月 |
2022年3月 |
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当社グループ合計 |
残高(億円) |
4,987 |
5,710 |
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比率(%) |
32.5 |
36.7 |
(注) 1.金額は、時価純資産額であり、表示単位未満を切り捨てて表示しております。
2. 2022年3月末運用資産残高は速報値となっております。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、後述の「第5経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」をご参照ください。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループは、有史に残るであろうパンデミックや地政学リスクが顕在化する中においても、引き続き安定した運用実績を維持し、コストコントロールも続けた結果、安定的に稼ぐ力である基礎収益を過去最高にまで増加させています。
当連結会計年度は、営業収益は主に成功報酬の減少により1.8%減少し140億43百万円となりましたが、運用資産残高(AUM)の平均は前期に比べ2,281億円高い水準となっており、残高報酬は15.2%増加して125億77百万円となっております。コスト面において主にオフィス関連費用が減少したことで経常的経費は47億62百万円となり、結果として基礎収益は61億57百万円と2007年3月期以来過去最高を更新しており、収益力が着実に強くなっていると考えています。なお、営業利益は1.8%増加し64億64百万円、特別利益の計上もあり親会社株主に帰属する当期純利益は17.4%増加し40億70百万円となりました。
当連結会計年度末(2022年3月末)のAUMは、前期末(2021年3月末)に比べて1.3%増加し1兆5,557億円となりました。AUMを2026年3月末までに2倍の3兆円に増加させることを当面の目標としております。私たちの厚い人財力、投資力によって運用パフォーマンスの質を維持しながら、AUM3兆円の実現を目指していきます。
現在AUM1兆5,557億円のうち1兆210億円は日本株式の投資戦略です。これは創業から32年間、こつこつと積み上げてきたスパークスの投資力と運用実績の賜物です。ハイブリッド型収益モデルにおいて成功報酬を計上できる戦略のひとつがロング・ショート戦略となり、前期目標としていたAUM1,000億円を達成しています。このような成功報酬が付帯する運用戦略のAUMを維持・増加することは、スパークスの強みであり、他社の追随を許さないスパークスのユニークさの土台をなすものです。ESGの投資についても、早い時期からESGに関する分析・勉強を積み重ねてきています。現在、世界の投資家から日本のESG投資について興味をもってアプローチしていいただいており、今後スパークスがESG投資の先鞭を切って世界に発信していく土台ができたと考えております。
アジアの上場株式に投資するOneAsia投資戦略も、アジア人としてアジアのために投資する会社でありたいという思いから、立ち上げております。ここから3年、5年を見据えて、スパークスのアジア株投資を日本株投資と肩を並べる、もしくはそれ以上のAUMを運用するファンドに成長させることが私の目標であります。
再生可能エネルギー発電所への投資については、スパークスがすでに投資・管理している日本全国30カ所以上の再生可能エネルギー発電所をネットワーク化して新たな価値を生んでいくことも含めて、再生可能エネルギー、気候変動といった時代の大きなテーマに投資会社として取り組んでいくことが、この戦略の大きなステップであり大きな可能性があると考えております。
プライベートエクイティの戦略については、未来創生2号ファンドも順調に投資が進み、前期は3号ファンドを設立し、3号ファンドのAUMは前期末で515億円となりました。規模・質ともに日本で最大級のベンチャー投資の運用機関になることができたと思います。
「世界で最も信頼・尊敬されるインベストメント・カンパニーになる」というビジョンを持ち続けながら、投資家の皆様に支持される会社であり続けるよう努力精進してまいります。
なお、経営成績の分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析(1)業績」に含めて記載しております。
(次期の見通し)
当社グループの主たる事業である投信投資顧問業は、業績が経済情勢や相場環境によって大きな影響を受けるため将来の業績予想は難しいと認識しており、次期の見通しについての具体的な公表は差し控えさせていただきます。
(3)当連結会計年度の財政状態の分析
<資産の部>
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ8億45百万円減少し、371億41百万円となりました。主な増減内訳は、現金及び預金が7億35百万円の減少、投資有価証券が2億7百万円の増加、長期貸付金が1億の減少となっております。
<負債の部・純資産の部>
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ18億93百万円減少し、128億16百万円となりました。主な増減内訳は、未払法人税等が14億66百万円の減少となっております。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ10億48百万円増加し、243億24百万円となりました。主な増減内訳は、利益剰余金が16億71百万円の増加、その他有価証券評価差額金が6億26百万円の減少となっております。
(4)資本の財源及び資金の流動性
① キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
② 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの投資を目的とした主な資金需要につきましては、シードマネー投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金を基本としており、シードマネー投資等につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金等の有利子負債の残高は91億36百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は191億99百万円となっております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。