第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、各種経済政策を背景として、円安や原油価格下落の影響を受けて企業収益に改善が見られるなど、全体として緩やかな回復基調を維持しております。

当社に関連するエンタテインメント業界におきまして、家庭用ソフトでは、ニンテンドー3DS向けタイトルのうち1本がダブルミリオンを達成しております。家庭用ハードでは、平成26年2月に発売されたプレイステーション4が海外を中心に引き続き販売台数を伸ばし好調を維持しております。また、スマートフォン向けを中心としてソーシャルゲームやダウンロードコンテンツを含むオンラインゲーム市場は、成長ペースこそ以前より鈍化したものの今なお拡大を続けております。

このような状況のもと、当社グループのデジタルコンテンツ事業におけるゲームソフト分野におきまして、受託ソフトでは、当社の代表作であるアメリカの人気プロレス団体WWE(World Wrestling Entertainment)をモデルにしたシリーズ最新作「WWE 2K16」(Xbox One・プレイステーション4・Xbox 360・プレイステーション3用)が平成27年10月より海外にて発売され、好調に推移しております。

自社ソフトでは、ロボットファイティング/ボクシングゲーム「REAL STEEL」(ダウンロード版、XboxLIVE・PlayStation Network用)が引き続き堅調に推移しております。

モバイルコンテンツ分野におきましては、配信中の受託タイトルの売上が軟調に推移したものの、ロイヤリティ収入が引き続き売上に寄与しております。

パチンコ・パチスロ分野におきましては、5タイトルの画像開発プロジェクトが終了しております。また、サミー株式会社から受託の「パチスロ北斗の拳 強敵」は出荷台数が好調に推移しており、ロイヤリティ収入が発生しております。

この度、当社はゲーム業界の実力プロデューサーである内田明理氏を迎え、ウチダラボを立ち上げました。その企画第一弾として、映像やモーションキャプチャー技術を駆使したキャラクターコンテンツプロジェクト「AR PERFORMERS」を進めております。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は5,277,250千円(前年同期比24.4%増)、営業利益は1,256,501千円(前年同期比130.9%増)、経常利益は1,302,121千円(前年同期比129.1%増)、当期純利益は815,878千円(前年同期比152.5%増)となりました。

なお、当社グループはデジタルコンテンツ事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの業績の記載を省略しております。

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より746,712千円増加し、3,090,058千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、832,107千円(前年同期は527,984千円の獲得)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益1,301,959千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は14,824千円(前年同期は68,107千円の使用)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出6,130千円、無形固定資産の取得による支出8,365千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は86,031千円(前年同期は85,775千円の使用)となりました。

これは、配当金の支払額86,031千円によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループは、デジタルコンテンツ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年2月1日

至 平成28年1月31日)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業(千円)

3,078,282

110.0

合計(千円)

3,078,282

110.0

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当社グループは、デジタルコンテンツ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注状況は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年2月1日

至 平成28年1月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業(千円)

6,403,547

315.4

2,681,766

253.3

合計(千円)

6,403,547

315.4

2,681,766

253.3

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.上記受注高は、「業務委託契約」による開発受託金額のみを記載しております。

販売本数に応じて当社グループが受取るロイヤリティ収入は、受注時に未確定であるため、上記受注高には含めておりません。

 

(3)販売実績

当社グループは、デジタルコンテンツ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年2月1日

至 平成28年1月31日)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業(千円)

5,277,250

124.4

合計(千円)

5,277,250

124.4

(注)1.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

2K Sports,Inc.

2,003,722

47.2

2,846,040

53.9

㈱バンダイナムコエンターテインメント

887,108

20.9

934,190

17.7

サミー㈱

585,434

13.8

735,391

13.9

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 目まぐるしく変化してゆく市場環境を背景に、開発・制作費用の高騰が進む中、質の高いデジタルコンテンツを開発・制作し、事業規模および事業領域の拡大を遂げるためには、経営資源の効率的な活用が極めて重要です。各プロジェクト間においてシナジー効果を生み出し収益力の安定・強化を実現するために、経営の視点から選択と集中の最適化を推し進めてまいります。

 当社グループの収益の柱である受託開発に関しましては、開発効率のさらなる向上を目指して、新しい技術の導入および既存技術の応用を含む当社グループ独自の技術力の蓄積と、クライアントとの関係強化に積極的に取り組んでまいります。

 また、当社グループ独自の知的財産の活用については、ゲームソフト開発に留まらず、映像コンテンツ、キャラクター関連商品など消費者にとって魅力的な方法により幅広く事業展開することが必要です。コンテンツごとに適切な媒体を選ぶことを通じて、プロジェクト全体としての収益の最大化を図り、ユークスブランドの浸透・発展を目指してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

(1)2K Sports,Inc.への取引依存について

 当社グループは、代表作であるWWEゲームシリーズのゲームソフトの受託制作を2K Sports,Inc.から受けております。同社への売上高が全売上高に占める割合は、当連結会計年度におきましては53.9%となっております。最大のヒット商品が同社向けのタイトルであることから、当社グループの売上高は同社との取引関係に大きく影響を受けます。そのため、同シリーズの新タイトルが販売不振に陥ったり、同社との取引関係が解消された場合、当社の事業戦略や業績に多大な影響を与える可能性があります。

(2)為替相場の変動

 当社グループは、従来からグローバルな開発・販売活動を展開しており、海外に対する売上高が全売上高に占める割合は非常に高いものとなっております。そのうち外貨建取引については為替相場変動の影響を受けるため、今後の取引状況および為替相場の動向により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(3)人材確保・育成について

 ゲーム業界の急速な技術革新にすばやく対処し、質の高いゲームソフトを開発・制作するためには、優秀で経験豊富な技術者や柔軟な頭脳をもった新卒者の確保・育成が極めて重要であります。当社グループは、新規採用と中途採用を並行して行い、こういった人材の確保・育成に努めております。しかしながら、当社グループが求める人材の確保ができない場合や育成の効果が十分に引き出せない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(4)知的財産権について

 当社グループが開発・制作・販売および許諾する商品ならびに事業には、特許権、商標権、著作権、肖像権等多くの知的財産権が関係しております。そのため、当社グループがこれらの権利を使用できなくなった場合、または、第三者より保有する知的財産権を侵害したとして訴訟等を提起された場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(5)新技術および新型ゲーム機への対応等

 家庭用ゲーム機器はますます高性能化しており、ゲームソフトの開発・制作期間の長期化と開発・制作費用の高騰化が進んでおります。そのため、新型ゲーム機への当社の技術対応が遅れた場合や新型ゲーム機の市場浸透が思わしくない場合、発売時期が大幅に遅れることや制作費を回収できない可能性があります。それによって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(6)情報の流出

 当社グループは、取引先企業から委託を受けて企画・開発・制作するゲームソフトに関する技術情報や営業に関する情報を機密情報として慎重に扱っておりますが、万一、当社グループの過失によってこれらが流出した場合、当該企業から損害賠償請求や取引停止の措置を受ける可能性があり、その結果、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、取引先である2K Sports,Inc.(本社:米国ニューヨーク州)と「開発契約書(平成27年6月29日締結)」を締結しております。なお、2K Sports,Inc.は米国ナスダック市場に株式を上場しておりますTake-Two Interactive Software,Inc.の販売専門の完全子会社です。

 

 契約の当事者、内容および契約期間は以下のとおりであります。

  開発契約書(平成27年6月29日締結)

当 事 者

2K Sports,Inc.および当社

内    容

当社は、2K Sports,Inc.から、2タイトル(プラットフォーム別では合計10タイトル)のゲームソフトウェアの開発を受託する。

契約期間

平成27年6月29日から各タイトルの開発完了まで

 

6【研究開発活動】

当社のデジタルコンテンツ事業に関するゲーム業界では、スマートフォンに代表される様々な携帯型端末機の普及によるゲームを楽しむための利用形態の多様化に加え、ダウンロード販売やモバイルコンテンツを含むオンラインゲーム市場の増勢基調が続いております。

当社では、デジタルコンテンツ事業における価値観の多様性や情報技術の進歩に同期した開発を進めるため、積極的な研究活動を行ってまいります。

当連結会計年度における研究開発費の総額は、266,952千円であります。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針および見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載のとおりであります。なお、連結財務諸表には、将来に対する見積り等が含まれておりますが、これらは、有価証券報告書提出日現在における当社グループの判断によるものであります。このような将来に対する見積り等は、現在入手可能な前提にもとづく合理的な見積りを反映させておりますが、将来、これらの見積りと大きな差を生じる可能性があります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高)
 当連結会計年度の売上高は、5,277,250千円(前年同期比24.4% 1,036,554千円増加)となりました。主な要因は、ゲームソフト分野において受託ソフトが好調であったこと、および円安の影響によるものであります。

(営業利益)
 当連結会計年度の売上原価は、3,103,270千円(前年同期比9.0% 255,933千円増加)、販売費及び一般管理費は、917,477千円(前年同期比8.0% 68,203千円増加)となりました。以上の結果、営業利益は、1,256,501千円(前年同期比130.9% 712,417千円増加)となりました。

(経常利益)
 当連結会計年度における営業外収益は、主に為替差益の増加により、47,729千円(前年同期比76.4% 20,678千円増加)となりました。営業外費用は、2,109千円(前年同期比21.0% 560千円減少)となりました。以上の結果、経常利益は、1,302,121千円(前年同期比129.1% 733,657千円増加)となりました。

(当期純利益)
 以上の結果、当期純利益は、815,878千円(前年同期比152.5% 492,805千円増加)となりました。

(3)当連結会計年度の財政状態の分析

(総資産)
 当連結会計年度末の総資産は、4,969,187千円(前年同期比15.6% 669,063千円増加)となりました。主な要因は、現金及び預金の増加746,712千円、売掛金の増加187,680千円、仕掛品の減少317,872千円によるものであります。

(負債合計)
 当連結会計年度末の負債合計は、1,150,094千円(前年同期比5.3% 63,902千円減少)となりました。主な要因は、未払法人税等の増加231,355千円、前受金の減少53,807千円、預り金の減少258,369千円によるものであります。

(純資産合計)
 当連結会計年度末の純資産は、3,819,092千円(前年同期比23.8% 732,965千円増加)となりました。主な要因は、当期純利益815,878千円および剰余金の配当86,511千円によるものであります。

 (4)資本の財源および資金の流動性の分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。