第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に改善の遅れがみられるものの、引き続き緩やかな回復基調を維持しております。その一方で、世界経済全体としては、米国の新大統領就任、原油価格の下落、英国のEU離脱、中国経済の成長鈍化などにより景気が下押しされるリスクが存在しており、先行きの不透明な状況で推移しております。

当社グループに関連するエンタテインメント業界におきまして、家庭用ハードでは、新型ゲーム機「Nintendo Switch」が平成29年3月3日に発売されております。また、「プレイステーション4」の全世界における累計実売台数が5,000万台を突破しております。周辺機器では、平成28年が「VR(Virtual Reality=仮想現実)元年」と呼ばれるほどにVR対応の機器が複数発売され、今後の市場拡大に期待が集まっております。

このような環境のもと、当社グループの受託ソフトにおきましては、主力シリーズの最新作「WWE 2K17」(Xbox One・プレイステーション4・Xbox 360・プレイステーション3用)が平成28年10月に海外にて発売されております。

モバイルコンテンツ分野におきましては、配信中の受託タイトルのロイヤリティ収入が連結子会社において引き続き発生し、売上に貢献しております。

パチンコ・パチスロ分野におきましては、4タイトルの画像開発プロジェクトが終了しております。

自社コンテンツの「AR performers」では、AR(Augmented Reality=拡張現実)による最新技術を駆使した本格ライブ『AR performers「1st A'LIVE」』を平成29年1月14・15日に東京のディファ有明にて開催し、performersによる圧倒的な存在感をもって観客を魅了しました。また、3組4名のperformersがエイベックス・ミュージック・クリエイティヴ株式会社との間でアーティスト契約を結ぶこととなり、同年3月29日にメジャーデビューとしてファーストミニアルバムをリリースしました。

以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高は3,643,467千円(前年同期比31.0%減)、営業利益は31,337千円(前年同期比97.5%減)、経常利益は121,470千円(前年同期比90.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は54,808千円(前年同期比93.3%減)となりました。

なお、当社グループはデジタルコンテンツ事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの業績の記載を省略しております。

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より1,751,794千円増加し、4,841,853千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は、261,576千円(前年同期は832,107千円の獲得)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益121,470千円、売上債権の減少額293,289千円、たな卸資産の増加額164,251千円、法人税等の支払額461,540千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は30,477千円(前年同期は14,824千円の使用)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出14,330千円、無形固定資産の取得による支出13,493千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果獲得した資金は2,064,425千円(前年同期は86,031千円の使用)となりました。

これは、短期借入金の増加額2,150,000千円、配当金の支払額85,574千円によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループは、デジタルコンテンツ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年2月1日

至 平成29年1月31日)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業(千円)

2,498,795

81.2

合計(千円)

2,498,795

81.2

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当社グループは、デジタルコンテンツ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注状況は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年2月1日

至 平成29年1月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業(千円)

1,672,066

26.1

952,460

35.5

合計(千円)

1,672,066

26.1

952,460

35.5

 (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.上記受注高は、「業務委託契約」による開発受託金額のみを記載しております。

販売本数に応じて当社グループが受取るロイヤリティ収入は、受注時に未確定であるため、上記受注高には含めておりません。

 

(3)販売実績

当社グループは、デジタルコンテンツ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年2月1日

至 平成29年1月31日)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業(千円)

3,643,467

69.0

合計(千円)

3,643,467

69.0

(注)1.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

2K Sports,Inc.

2,846,040

53.9

2,283,806

62.7

サミー㈱

735,391

13.9

649,763

17.8

㈱バンダイナムコエンターテインメント

934,190

17.7

214,045

5.9

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 VR(仮想現実)やAR(拡張現実)をはじめ、絶えず新しい技術が生まれ変化を続けてゆく市場環境を背景に、ゲーム機の高性能化による開発・制作費用の高騰が進む中、ユーザーやクライアントのニーズに沿ったデジタルコンテンツを開発・制作し、事業規模および事業領域の拡大を遂げるためには、経営資源の効率的な活用が重要と認識しております。

 受託開発については、開発効率のさらなる向上を目指して、新しい技術の導入および既存技術の応用を含む当社グループ独自の技術力の蓄積と、クライアントとの関係強化に積極的に取り組んでまいります。

 当社グループ独自の知的財産の活用については、ますます多様化する消費者の嗜好に対応するため、ゲームソフト開発に留まらず、スマートフォンアプリ、ライブイベント、キャラクター関連商品、ファンクラブなどマルチユース展開することを通じて、シナジー効果の創出に努めます。また、ターゲット層に応じた媒体を選んで情報発信を行うことにより認知度を高め、当該知的財産の価値の最大化および収益基盤の強化を図り、ひいてはユークスブランドの浸透・発展を目指してまいります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

(1)2K Sports,Inc.への取引依存について

 当社グループは、代表作であるWWEゲームシリーズのゲームソフトの受託制作を2K Sports,Inc.から受けております。同社への売上高が全売上高に占める割合は、当連結会計年度におきましては62.7%となっております。最大のヒット商品が同社向けのタイトルであることから、当社グループの売上高は同社との取引関係に大きく影響を受けます。そのため、同シリーズの新タイトルが販売不振に陥ったり、同社との取引関係が解消されたりした場合、当社の事業戦略や業績に多大な影響を与える可能性があります。

(2)為替相場の変動

 当社グループは、従来からグローバルな開発・販売活動を展開しており、海外に対する売上高が全売上高に占める割合は非常に高いものとなっております。そのうち外貨建取引については為替相場変動の影響を受けるため、今後の取引状況および為替相場の動向により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(3)人材確保・育成について

 ゲーム業界およびそれを取り巻くエンタテインメント業界の急速な技術革新に迅速に対処し、質の高いゲームソフトを開発・制作するためには、優秀で経験豊富な技術者の確保や柔軟な頭脳をもった新卒者の育成が極めて重要であります。当社グループは、新規採用と中途採用を並行して行い、こういった人材の確保・育成に努めております。しかしながら、当社グループが求める人材の確保ができない場合や育成の効果が十分に引き出せない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(4)知的財産権について

 当社グループが開発・制作・販売・提供および許諾する商品ならびにサービスには、特許権、商標権、著作権、肖像権等多くの知的財産権が関係しております。知的財産権を商品ならびにサービスに使用するにあたって行う権利処理、調査および確認には万全を期しておりますが、当社グループがこれらの権利を使用できなくなった場合、または、第三者より保有する知的財産権を侵害したとして訴訟等を提起された場合、許諾料その他の予期せぬ追加費用が発生したり、当該商品への知的財産の使用やサービスの提供ができなくなったりするなど、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(5)新技術および新型ゲーム機への対応等

 家庭用ゲーム機器は高性能化の一途を辿っており、ゲームソフトの開発・制作にかかる期間の長期化とそれに伴う外注費を含めた開発・制作費用の高騰が世界的に進んでおります。そのため、新型ゲーム機への当社の技術対応が遅れた場合や新型ゲーム機の市場浸透が思わしくない場合、ゲームソフト発売時期の大幅な遅れや制作費の回収不能につながる可能性があります。それによって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(6)情報の流出

 当社グループは、当社製品やサービスの利用者についての個人情報の他、取引先企業から委託を受けて企画・開発・制作するゲームソフトに関する技術情報や営業に関する情報を機密情報として慎重に扱っております。万一、当社グループの過失や第三者による不正アクセス、コンピュータウィルスによってこれらが流出した場合、利用者から法的責任の追及、または当該企業から損害賠償請求や取引停止の措置を受ける可能性があります。それによって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(7)製造物責任

 当社グループが販売している製品の発売後に重大な瑕疵が見つかった場合、購入者からの返品要求や損害賠償請求、自主回収が発生した場合、予期せぬ追加費用や当社グループの信用低下につながる可能性があります。それによって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、取引先である2K Sports,Inc.(本社:米国ニューヨーク州)と「開発契約書(平成29年3月28日締結)」を締結しております。なお、2K Sports,Inc.は米国ナスダック市場に株式を上場しておりますTake-Two Interactive Software,Inc.の販売専門の完全子会社です。

 

 契約の当事者、内容および契約期間は以下のとおりであります。

 

  開発契約書(平成29年3月28日締結)

当 事 者

2K Sports,Inc.および当社

内    容

当社は、2K Sports,Inc.から、1タイトル(プラットフォーム別では合計4タイトル)のゲームソフトウェアの開発を受託する。

契約期間

平成29年3月28日から各タイトルの開発完了まで

 

6【研究開発活動】

当社グループでは、従来行ってきたゲームソフト開発についての研究開発活動に加え、AR(拡張現実)を中心とした最先端技術についての研究開発活動に日々積極的に取り組んでおります。

その成果として、当社の新規事業「AR performers」におきまして、コンピュータにより作り出されたデジタル情報と声や動きといった情報とをAR技術で重ね合わせることによって、仮想のキャラクターの存在を機器を介さずに体感することができるライブイベントを開催しております。

当連結会計年度における研究開発費の総額は、435,020千円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針および見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している重要な会計方針は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項に記載のとおりであります。なお、連結財務諸表には、将来に対する見積り等が含まれておりますが、これらは、有価証券報告書提出日現在における当社グループの判断によるものであります。このような将来に対する見積り等は、現在入手可能な前提にもとづく合理的な見積りを反映させておりますが、将来、これらの見積りと大きな差を生じる可能性があります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高)
 当連結会計年度の売上高は、3,643,467千円(前年同期比31.0% 1,633,783千円減少)となりました。主な要因は、円高による外貨建売上高の減少、パチンコ・パチスロ分野において完成タイトルが減少したことによるものであります。

(営業利益)
 当連結会計年度の売上原価は、2,541,890千円(前年同期比18.1% 561,379千円減少)、研究開発費の増加等により販売費及び一般管理費は、1,070,238千円(前年同期比16.7% 152,760千円増加)となりました。以上の結果、営業利益は、31,337千円(前年同期比97.5% 1,225,164千円減少)となりました。

(経常利益)
 当連結会計年度における営業外収益は、主に受取利息の増加、債務取崩益により、91,716千円(前年同期比92.2% 43,987千円増加)となりました。営業外費用は、1,584千円(前年同期比24.9% 525千円減少)となりました。以上の結果、経常利益は、121,470千円(前年同期比90.7% 1,180,651千円減少)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)
 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、54,808千円(前年同期比93.3% 761,069千円減少)となりました。

(3)当連結会計年度の財政状態の分析

(総資産)
 当連結会計年度末の総資産は、6,697,322千円(前年同期比34.8% 1,728,135千円増加)となりました。主な要因は、現金及び預金の増加1,751,794千円によるものであります。

(負債合計)
 当連結会計年度末の負債合計は、2,906,107千円(前年同期比152.7% 1,756,013千円増加)となりました。主な要因は、短期借入金の増加2,150,000千円、未払法人税等の減少379,711千円によるものであります。

(純資産合計)
 当連結会計年度末の純資産は、3,791,214千円(前年同期比0.7% 27,878千円減少)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益54,808千円および剰余金の配当86,511千円によるものであります。

 (4)資本の財源および資金の流動性の分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。