第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、唯一無二の価値を創造し、驚きと感動のエンタテインメントで世界中を笑顔にすることを目標としております。

 上記実現のために、

① 既存技術の向上と新技術の研究開発に重点をおき、つねに表現力の向上とあたらしい遊びの提供をすることを目指しております。

② 海外における販売や開発に強みを持つ会社と連携することにより、日本人の趣味嗜好にとらわれず、世界中のより多くの人に楽しんでいただける商品を提供する環境を作っております。

(2)目標とする経営指標

当社は事業展開に際し、高収益体質を目指すために経常利益を増加させることを目標とし、一方で収益性と資本効率を計る尺度としてROE(株主資本利益率)を重視しております。

(3)中長期的な会社の経営戦略および会社の対処すべき課題

 当社グループは、知りたいという衝動から新しい世界を拡げる好奇心、変化や失敗を恐れず挑み可能性を切り拓く挑戦心、自ら考え行動し夢をつかむ主体性、コンプライアンスを遵守し社会の信頼を築く誠実さ、価値観を認め合い幸せの形を進化させる多様性といった感性を磨き抜きます。

 その上で当社が認識する対処すべき課題は、以下のとおりです。

 ①パブリッシング事業においては、世界中の方に感動と笑顔をお届けできるよう、新規コンテンツホルダーの開拓と、既存コンテンツホルダーとの関係強化に取り組んでまいります。

 ②ゲーム・遊技機の受託開発事業においては、長年培ってきた技術力を強みに、より安定した収益を確保できるよう、新規クライアントの開拓と、既存クライアントとの関係強化に取り組んでまいります。また、新卒・キャリア採用の強化ならびに外部協力会社の拡充を行い、開発力強化を図ってまいります。

 ③XR事業においては、当社が開発したARライブシステム「ALiS ZERO(アリスゼロ)」は双方向型の次世代ライブ用の基幹システムで、すでに多くのバーチャルキャラクターイベントやライブでご利用いただいておりますが、顧客のニーズに柔軟に合わせてカスタマイズしたサービスを拡充し、さらに「ALiS ZERO」を応用した各種サービスの顧客獲得に努めてまいります。また、外部協力会社を含めた体制の整備ならびに市場における「ALiS ZERO」の優位性を保つべく研究開発に人員を投下してまいります。

 

 このような状況のもと、当社グループでは従業員の安全を最優先とし、具体的には安全衛生委員会を設置し、従業員の健康管理の徹底に努めております。また、柔軟な働き方に対応するため、テレワークの推奨を実施しております。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当社グループが有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を十分認識しており、発生の回避に努めるとともに、万が一、発生した場合の対応には万全を期する方針であります。

(1)為替相場の変動

 当社グループは、従来からグローバルな開発・販売活動を展開しております。そのうち外貨建取引については為替相場変動の影響を受けるため、今後の取引状況および為替相場の動向により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。

(2)人材確保・育成について

 ゲーム業界およびそれを取り巻くエンタテインメント業界の急速な技術革新に迅速に対処し、質の高いコンテンツを開発・制作するためには、優秀で経験豊富な技術者の確保や柔軟な頭脳をもった新卒者の育成が極めて重要であります。当社グループは、新規採用と中途採用を並行して行い、こういった人材の確保・育成に努めております。しかしながら、当社グループが求める人材の確保ができない場合や育成の効果が十分に引き出せない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(3)知的財産権について

 当社グループが開発・制作・販売・提供および許諾する商品ならびにサービスには、特許権、商標権、著作権、肖像権等多くの知的財産権が関係しております。他者の知的財産権を当社グループの商品ならびにサービスに使用するにあたって行う権利処理、調査および確認には万全を期しておりますが、当社グループがこれらの権利を使用できなくなった場合、または、第三者より保有する知的財産権を侵害したとして訴訟等を提起された場合、許諾料その他の予期せぬ追加費用が発生したり、当該商品への知的財産の使用やサービスの提供ができなくなったりするなど、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(4)新技術および新型ゲーム機への対応等

 家庭用ゲーム機器は高性能化の一途を辿っており、ゲームソフトの開発・制作にかかる期間の長期化とそれに伴う外注費を含めた開発・制作費用の高騰が世界的に進んでおります。そのため、新型ゲーム機への当社の技術対応が遅れた場合や新型ゲーム機の市場浸透が思わしくない場合、ゲームソフト発売時期の大幅な遅れや制作費の回収不能につながる可能性があります。それによって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(5)情報の流出

 当社グループは、当社が販売する商品や提供するサービスの利用者についての個人情報の他、取引先企業から委託を受けて企画・開発・制作するゲームソフトに関する技術情報や営業に関する情報を機密情報として慎重に扱っております。万一、当社グループの過失や第三者による不正アクセス、コンピュータウィルスによってこれらが流出した場合、利用者から法的責任の追及、または当該企業から損害賠償請求や取引停止の措置を受ける可能性があります。それによって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(6)製造物責任

 当社グループはかつてキャラクターグッズ等の商品を販売しておりました。このような商品に全く欠陥が発生しない保証はありません。当該製品の発売後に重大な欠陥が見つかり、購入者からの返品要求や損害賠償請求、自主回収が発生した場合、予期せぬ費用負担や当社グループの信用低下につながる可能性があります。それによって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(7)感染症および世界情勢の影響について

 再び新型コロナウイルス感染症のような感染症が蔓延したり、世界情勢の影響により、開発プロジェクトが遅延・中断したり、ARライブや各種イベントが中止・延期される可能性があります。それによって、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における我が国経済は、ウィズコロナの下で、各種政策の効果もあって、景気が持ち直していくことが期待されています。ただし、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇、供給面での制約、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある状況です。

当社グループに関連するエンタテインメント業界におきましては、ロシアによるウクライナ侵攻の結果、ロシアへの制裁によるゲーム会社の損失についての報道がございました。しかし、大型ゲームタイトルにおける好調ぶりも伝えられています。また、2022年9月には3年ぶりに東京ゲームショウが幕張メッセで開催されるなど、徐々にコロナ前の状況に戻りつつあります。

そのような環境のもと、当社グループの受託ソフトにおきましては、新進気鋭の米国プロレス団体である「All Elite Wrestling」(略称「AEW」)から開発受託した、同団体をモデルとしたプロレスゲーム“AEW: Fight Forever”のTHQ Nordicからの発売が決定し、2023年のリリースが予定されています。

XR事業分野においては、自社オリジナル技術であるARライブシステム「ALiS ZERO」は、引き続き複数のライブ開催に寄与しております。2022年5月、6月には「あんさんぶるスターズ!!DREAM LIVE -6th Tour“Synchronic Spheres”–」、2022年11月、12月には「あんさんぶるスターズ!!DREAM LIVE -7th Tour“Allied Worlds”-」(主催:Happy Elements K.K/スタライプロジェクト)において、当社独自の技術により担当楽曲およびMCのCG制作業務を担当いたしました。2022年7月にはFull Throttle4 1stアルバム発売記念バーチャルライブイベント「Full Throttle4 LIVE 2022 “RECEPTION PARTY”」(主催:株式会社インクストゥエンター HoneyWorks)のCG映像を制作いたしました。2022年9月に行われたイベント「プロジェクトセカイ 2nd Anniversary 感謝祭」(主催:株式会社セガ/株式会社Colorful Palette)において初音ミクのリアルタイムCGを提供いたしました。2022年11月、12月には「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 3DCG LIVE “HYPED-UP 02”」(主催・企画:Dazed CO.,LTD.)においてモーションキャプチャー収録、CGモデル・アニメーション制作を担当いたしました。2023年1月、2月には「プロジェクトセカイ COLORFUL LIVE 2nd – Will -」(主催:株式会社セガ/株式会社Colorful Palette/クリプトン・フューチャー・メディア株式会社)においてリアルタイムCG制作を担当いたしました。2023年1月には「Hoshimachi Suisei 2nd Solo Live “Shout in Crisis”」(主催:カバー株式会社/hololive production/hololive)のCGライブ制作に参加いたしました。2023年1月に発表されました株式会社バンダイナムコアミューズメントの「ポラポリポスポ」において楽器演奏シーンを含むリアルタイムモーションキャプチャーによるライブ制作を担当いたしました。また、2022年9月30日を以て活動休止を発表した、当社コンテンツの「AR performers」においては、最後のライブ「Be A’LIVE」を、2022年9月25日に池袋HUMAXシネマズにて開催いたしました。

パチンコ・パチスロ分野においては、引き続き複数タイトルの画像開発プロジェクトを受託しており開発が順調に進行しております。

パブリッシング事業分野におきましては、DCコミックスのキャラクターをテーマにしたオンライン・トレーディングカードゲーム「DCデュアルフォース」を制作中であり、2023年夏リリース予定です。

その他、モバイルコンテンツ分野も複数のプロジェクト開発が進んでおります。

以上の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は4,299,846千円(前年同期比18.4%増)となりました。

利益面につきましては、営業利益は948,336千円(前年同期比36.3%増)、為替相場の変動による為替差益の発生等により経常利益は1,092,338千円(前年同期比12.7%増)、法人税等の増加等により親会社株主に帰属する当期純利益は883,448千円(前年同期比4.1%減)となりました。

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して626,826千円増加し、4,759,778千円となりました。主な要因としては、現金及び預金の減少83,622千円、仕掛品の減少199,874千円、無形固定資産の増加484,891千円によるものであります。

負債は、前連結会計年度末と比較して51,587千円増加し、713,078千円となりました。主な要因としては、未払金の増加25,637千円、未払法人税等の増加24,309千円によるものであります。

純資産は、前連結会計年度末と比較して575,238千円増加し、4,046,699千円となりました。主な要因としては、親会社株主に帰属する当期純利益883,448千円および剰余金の配当86,510千円によるものであります。

なお、当社グループはデジタルコンテンツ事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの経営成績の記載を省略しております。

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末より83,622千円減少し、1,888,164千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、634,823千円(前年同期は168,902千円の獲得)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益1,089,430千円、売上債権の増加額178,555千円、為替差益107,470千円、未払金の増加額25,637千円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は511,427千円(前年同期は429,836千円の使用)となりました。

これは主に、無形固定の取得による支出493,772千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は316,714千円(前年同期は4,236,851千円の使用)となりました。

これは主に、自己株式の取得による支出260,078千円、配当金の支払額85,799千円によるものであります。

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは、デジタルコンテンツ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年2月1日

至 2023年1月31日)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業(千円)

2,752,408

113.9

合計(千円)

2,752,408

113.9

 

b.受注実績

 当社グループは、デジタルコンテンツ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の受注実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年2月1日

至 2023年1月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業(千円)

3,461,537

67.3

1,256,598

65.1

合計(千円)

3,461,537

67.3

1,256,598

65.1

(注)上記受注高は、「業務委託契約」による開発受託金額のみを記載しております。

販売本数に応じて当社グループが受取るロイヤリティ収入は、受注時に未確定であるため、上記受注高には含めておりません。

 

c.販売実績

当社グループは、デジタルコンテンツ事業の単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年2月1日

至 2023年1月31日)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業(千円)

4,299,846

118.4

合計(千円)

4,299,846

118.4

(注)主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

All Elite Wrestling, LLC

1,305,643

35.9

1,159,042

27.0

クリプトン・フューチャー・メディア㈱

273,839

7.5

481,227

11.2

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

①当連結会計年度の経営成績の分析

(売上高)
 当連結会計年度の売上高は、4,299,846千円(前年同期比18.4% 667,360千円増加)となりました。主な要因は、会計基準の変更および受託案件が好調に推移したことによるものであります。

(営業利益)
 当連結会計年度の売上原価は、会計基準の変更等により、2,752,876千円(前年同期比13.3% 322,693千円増加)、販売費及び一般管理費は、598,633千円(前年同期比18.2% 92,088千円増加)となりました。以上の結果、営業利益は、948,336千円(前年同期比36.3% 252,577千円増加)となりました。

(経常利益)
 当連結会計年度における営業外収益は、主に為替差益の発生により、152,580千円(前年同期比△45.6% 127,689千円減少)となりました。営業外費用は、8,578千円(前年同期比22.3% 1,562千円増加)となりました。以上の結果、経常利益は、1,092,338千円(前年同期比12.7% 123,326千円増加)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)
 親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等の増加により、883,448千円(前年同期比△4.1% 37,567千円減少)となりました。

(資本の財源および資金の流動性)

当社グループの資金需要の主なものは、運転資金、法人税の支払等であります。

当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保することを基本方針とし、原則として自己資金で賄うこととしております。なお、必要に応じて金融機関からの借入等による資金調達にて対応していくこととしております。

②当連結会計年度の財政状態の分析

(総資産)
 当連結会計年度末の総資産は、4,759,778千円(前年同期比15.2% 626,826千円増加)となりました。主な要因は、現金及び預金の減少83,622千円、仕掛品の減少199,874千円、無形固定資産の増加484,891千円によるものであります。

(負債合計)
 当連結会計年度末の負債合計は、713,078千円(前年同期比7.8% 51,587千円増加)となりました。主な要因は、未払金の増加25,637千円、未払法人税等の増加24,309千円によるものであります。

(純資産合計)
 当連結会計年度末の純資産は、4,046,699千円(前年同期比16.6% 575,238千円増加)となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益883,448千円および剰余金の配当86,510千円によるものであります。

③経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等について

  当社グループは、企業価値を向上し継続的な成長を遂げるため、収益力を測る指標としてROE(株主資本利益率)を重視しております。具体的な目標数値は設定しておりませんが、当連結会計年度においてはROEは23.7%となりました。当社としましては、収益構造の改善施策を継続し、これにより企業体質の強化を推進してまいります。

④重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

  連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

  また、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 当社は、取引先である2K Sports,Inc.(本社:米国ニューヨーク州)と「ソースコードライセンス契約書(2018年9月7日締結)」を締結しております。なお、2K Sports,Inc.は米国ナスダック市場に株式を上場しておりますTake-Two Interactive Software,Inc.の販売専門の完全子会社です。

 

 契約の当事者、内容および契約期間は以下のとおりであります。

 

ソースコードライセンス契約書(2018年9月7日締結)

当 事 者

2K Sports,Inc.および当社

内    容

当社は、2K Sports,Inc.に対して、当社保有の対象ソフトウェア(ゲームおよびツールのソースコード)について、全世界を対象にしたライセンスを許諾する。

契約期間

2018年9月7日から複数年

 

 

5【研究開発活動】

当社グループでは、従来行ってきたゲームソフト開発についての研究開発活動に加え、AR(拡張現実)を中心とした最先端技術についての研究開発活動に日々積極的に取り組んでおります。

その成果として、コンピュータにより作り出されたCG(コンピュータグラフィックス)のようなデジタル情報と、声や動きといったアナログ情報とをAR技術で重ね合わせることによって、機器を介さずに仮想のキャラクターの存在を体感することができる独自のARライブシステム「ALiS ZERO(アリスゼロ)」を他社へ提供しております。

当連結会計年度における研究開発費の総額は、18,966千円であります。