第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社グループの企業理念は、「創造力が生み出す優れた作品やサービスを、広く社会に普及させ、より豊かなコミュニティーの形成・発展に貢献する」というものです。

 ブロードメディアとは、broadband mediaの略語であり、既存メディア領域をより広げるbroader mediaという意味を持っています。それが私たちの志です。いずれの日にか、ブロードメディアという社名が、broadband media、あるいはbroader mediaの代名詞として世界に通用するように、引き続き努力してまいります。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、技術プラットフォームを持つコンテンツ事業者として、独自性の高いサービスの提供を通じ成長を目指すことを経営戦略の基本としております。

 当社グループは「持続可能で、かつ倫理的なビジネスで成長する」ことを中期的な取り組みとして掲げ、連結営業利益率10%及びROE(自己資本利益率)30%を実現することを2024年度からの当面の目標としております。目標達成に向けては、現在当社グループの業績をけん引している「教育」「技術」を更に成長させることに加え、「独自の複合的な教育事業」を推進してまいります。

 

(3)経営環境及び優先的に対処すべき課題

 当社グループは、当社、連結子会社8社及び関連会社1社により構成されており、その事業領域は多岐に渡っております。

「教育」に関連する市場においては、政府のGIGAスクール構想や学校教育の情報化の推進により、ICT(情報通信技術)環境の整備・運用が進んでおります。また、小中高等学校を通じたプログラミング教育の充実や、デジタル人材育成の需要の高まり等により、教育とテクノロジーをかけあわせたEdTech(エドテック)市場は今後も拡大していくことが予想されています。さらに、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進、少子高齢化による人材不足、人生100年時代への対応といった社会的背景を受け、リスキリング・リカレント教育(学び直し)は需要の高まりを見せており、社会人教育市場は拡大傾向にあります。

 「技術」に関連する市場においては、次世代の移動通信システム(5G/6G)の普及や、VR(バーチャルリアリティ・仮想現実)・AI(人工知能)・IoTを用いた新たなソリューションの登場等により、市場の急成長が期待されます。また、このようなICTの活用とあわせて、情報セキュリティの重要性が一層高まっております。

 「スタジオ・プロダクション」や「放送」に関連する市場においては、デジタルシフトの影響により大きな転換期を迎えており、新たなサービスやビジネスモデルの創出が期待されます。

 

 このような状況の下、経営戦略に基づき業績向上を図ることが当社グループの大きな課題です。現在取り組んでいる具体的な課題は、下記のとおりです。

 

① 通信制高校事業の継続的成長の実現

 現在、当社グループの業績をけん引している通信制高校事業が今後も継続的に成長するためには、生徒定員数の拡大と多くの優秀な教員の確保が必要となります。そのため、適合物件の確保・認可行政機関への申請等の定員数拡大に必要な対応を適時適切に進めてまいります。また、優秀な教員を十分に確保するために、これまで以上に人材の採用に注力するとともに、高いモチベーションを持って働ける環境や仕組みの整備・運用も含めて、定着率の向上を実現してまいります。

 

② 次世代事業への投資と育成

 当社は、時代の変化に対応しながら事業規模・業績を向上させるために、次世代事業への投資と育成に取り組んでおります。既に複数の「独自の複合的な教育事業」を立ち上げ運営しておりますが、これらの既に開発・投資を行った事業については事業規模を拡大させるとともに業績を改善・向上させ、早期に当社グループ業績への貢献を実現するべく取り組んでまいります。また、今後も投資機会を逃さずに新たな事業への投資・育成に積極的に取り組んでまいります。

 

③ 経営効率の向上

 当社グループの会社数・事業規模は拡大を続ける状況にありますが引き続き、グループ内の人材配置の最適化や管理体制の一元化を進めることで、経営効率と生産性の更なる向上を実現してまいります。また、事業環境の変化等により業績が低迷する事業に関しては、新たな付加価値の創造による業績向上を図ることと並行して、戦略的な選択肢の検討を含めた抜本的な対策を講じて、当社グループ全体の業績と資本効率の改善を図ってまいります。

 

④ 人的資本への投資

 当社グループが継続的に企業価値を拡大していくためには、より独自性の高いサービスを構築できる専門的知識を有した人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しております。また、様々な人材の個性を活かして、多様な人材が活躍できる環境を整えることが重要と考えております。そのため、採用の強化に加え、国籍・性別などにとらわれない能力・成果に応じた人事評価など、従業員が高いモチベーションを持って働ける環境や仕組みの整備・運用を進めてまいります。

 

⑤ IR活動の充実

 当社は情報の適時開示を行い、利害関係者の皆様に対する正確な情報の提供に努めております。現在、当社ホームページのIR情報の充実や四半期毎の決算説明ストリーミング配信を実施していることに加え、機関投資家等との個別面談やIRスモールミーティング等を適時実施しております。今後も当社グループについての理解をさらに多くの方に深めていただくために、様々な機会をとらえて積極的にIR活動を実施してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

 当社グループは、「創造力が生み出す優れた作品やサービスを広く社会に普及させ、より豊かなコミュニティーの形成・発展に貢献する。」という企業理念のもと、事業を通して社会課題の解決に寄与するとともに、社会の持続的な発展に貢献することを目指しております。

 また、社会・環境問題をはじめとするサステナビリティを巡る課題への対応も重要事項と認識しており、その中でも、人的資本への投資を最重要課題の一つとして位置づけ、主に以下の対応を行っております。

 

(1)ガバナンス及びリスク管理

 当社グループは、サステナビリティ関連のリスク及び機会を監視し、管理するためのガバナンスに関しては、コーポレート・ガバナンス体制と同様となり、当社及び当社の連結子会社の取締役会及び経営会議にて報告、検討が行われています。

 また、サステナビリティ関連のリスク及び機会については、当社及び当社の連結子会社の取締役、執行役員及び部門長から構成されるリスク判定会議及び経営会議にて識別・評価・管理のうえ、必要に応じて取締役会へ報告を行っております。

 詳細は「4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要」をご参照ください。

 

(2)戦略

 当社グループは、企業価値の持続的な向上のために、より独自性の高いサービスを構築できる専門的知識を有した人材の確保及び育成が重要な課題であると認識しております。また、社内に異なる経験・技能・属性を反映した多様な視点や価値観が存在することは、会社の持続的な成長を確保する上での強みとなり得る、との認識に立ち、女性を含む様々な人材の個性を生かして、多様な人材が活躍できる環境を整えることが重要と考えております。

 当社グループは、優秀で熱意ある多様な人材を確保及び育成するため、採用の強化及び教育・研修制度の充実、国籍、性別等に囚われずその能力・成果に応じた人事評価等、従業員が高いモチベーションを持って働ける環境や仕組みの整備・運用を進めております。

 また、年次有給休暇の取得推進や適正な労働時間の管理に加え、男性従業員の育児休業取得推進やテレワーク・DX推進等働き方改革にも取り組んでおります。

 特に女性の活躍推進の取組における女性のキャリア形成につきましては、働く場において能力を十分に発揮し活躍できるようすべての部門において本人の意向や適性・専門性に応じて適材適所の配置を行っております。また、管理職への登用についても、人材育成の更なる強化を図り、積極的に登用してまいります。

 

(3)指標及び目標

 当社グループは、上記「(2)戦略」に基づき、人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境の整備に取り組んでおりますが、連結グループに属する会社の組織規模や事業規模、各種課題等に違いがあることから、現時点においては連結グループにおける統一的な指標や目標の設定が困難であります。このため、指標に関する目標及び実績は、当社(単体)のものを記載しております。

 

 当社は、2023年7月に「ブロードメディア株式会社行動計画」を策定し、女性管理職比率及び男性育児休業取得率の目標を定め、その目標達成に向けた取り組みを進めております。

ブロードメディア株式会社行動計画

1.計画期間:2023年7月1日~2026年6月30日まで

2.目標と取組内容・実施時期:

目標1:管理職に占める女性比率を20%とする

<取組内容>

2023年7月より、以下の項目について適宜または継続して実施する

・管理職や男女の労働者に対する職場風土等に関する意識調査

 (業務配分、権限付与、キャリア志向、職場における問題点等)

・管理職候補となる男女の労働者にキャリアアップへの意識啓発を目的とした研修の実施

・管理職に対して女性が活躍しやすい職場風土を形成するための研修の実施

 

目標2:男性の育児休業取得率を100%とする

<取組内容>

2023年7月より、以下の項目について適宜または継続して実施する

・男性の育児休業休暇制度の社内周知

・配偶者の妊娠、出産を連絡した男性従業員に対し、育児休業制度の説明をし、取得を促進する

・全社員に対して育児休業休暇に関する研修周知を行い、男性が育児休業休暇を取得しやすい職場風土を形成する

 

ⅰ)女性管理職比率

 当事業年度における女性管理職比率は21.6%(前事業年度は20.3%)であり、管理職をはじめとする意思決定を行う地位への登用において男女差があります。前事業年度、当事業年度ともに目標を達成することができたため、今後もこの水準を維持し、さらに引き上げられるよう、引き続き採用・教育・環境整備の施策を強化してまいります。

 

ⅱ)男性育児休業取得率

 当事業年度に対象となった女性従業員の育児休業取得率は100%(前事業年度は100%)、男性従業員は75.0%(前事業年度は85.7%)となりました。当社は性別に関係なく育児に参加することができるよう育児休業取得を強く推奨しております。

 

ⅲ)男女間の賃金差

 当事業年度における全従業員の男女間の賃金差は75.6%(前事業年度は73.5%)となりました。当社では、賃金制度、昇格・昇給等の運用において性別に関係なく同一の基準を適用しており、管理職を除いた従業員の男女間の賃金差は、当事業年度は97.0%(前事業年度は94.1%)でありましたが、女性管理職者数が少ないことから全従業員における男女間の賃金差が発生しております。当社は当該差異を縮小していくためにも女性の活躍推進の取組を進めるとともに、上記のとおり女性管理職比率の引き上げを実行してまいります。

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に需要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載してあります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。なお、「メディアコンテンツ」部門において、ビデオ・コミックサービスは2024年11月1日付で、エンタメ情報サービスは同年12月1日付で事業譲渡が完了し、「メディアコンテンツ」部門で行われている事業は終了しているため、同部門に係るリスクは記載しておりません。

 以下の記載は当社株式への投資に関連するリスク全てを網羅するものではありません。

また、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は提出日現在において判断したものであります。

 

(1)当社グループの事業に関するリスクについて

①「教育」部門

(ⅰ)通信制高校

 通信制高校事業では、イーラーニングシステムを利用した広域通信制高校「ルネサンス高等学校」、「ルネサンス豊田高等学校」、「ルネサンス大阪高等学校」を運営しております。少子化等による新規入学希望者数の鈍化、生徒募集の不振による新規入学者、転・編入学者の入学数の減少だけでなく、教職員・在校生及び関係者の不祥事等での信用失墜による在校生徒数の減少等、収益の基盤である生徒数の確保について問題が生じる可能性があります。また生徒数増加に応じた適正な学校設備や教員数の増強等ができず、収容定員増加の認可が適時に取得できない場合や新たな学校の設置認可が得られず、新設計画が想定通りに進まなかった場合、生徒募集が滞るなどの機会損失を生じる可能性があります。これら以外にも、行政による学習指導要領、就学支援金制度、構造改革特区制度等の変更や廃止、何らかの事情による法令変更や行政指導等により事業運営自体が影響を受ける場合やこのような制度変更に対して適切な対応ができなかった場合は、ビジネスチャンスの逸失、事業運営費用の増大、当社事業の信用低下などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また万が一、学校教育法等に違反があった場合、行政指導・処分を受け、対外的評判の低下による生徒数の確保に問題が生じる可能性があります。何らかの事由により学校設置認可の取り消しを受けた場合、事業継続が困難となり、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 2020年10月より主に中学生を対象としたeスポーツやプログラミングの指導を行う「ルネ中等部」を開設しました。そのため、従来の生徒に対する管理責任に加え、「ルネ中等部」の生徒に対する日常の生徒指導や授業における管理監督責任が生じ、その責任を果たせない場合には、信頼性や評判の低下により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅱ)日本語教育

 日本語教育事業では、「ルネサンス日本語学院」を運営し、(1)個人向けに「登録日本語教員養成・実践研修コース」及び「日本語教員国家試験対策コース」の提供サービス、(2)事業者向けに外国人の日本語研修受託サービスを運営しております。これらのサービスにおいて、特定技能制度等の外国人材受け入れ政策による日本語教育市場の成長が想定を下回る場合や、当社の「登録日本語教員養成・実践研修コース」が、万が一、何らかの事由により登録日本語教員養成機関・登録実践研修機関としての登録の取り消しを受けた場合、「国家資格である登録日本語教員を取得できる研修」として認められず信頼性や評判の低下により、期待通りに事業が成長せず当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 「登録日本語教員養成・実践研修コース」は、国よりリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業として採択及び教育訓練給付制度の対象講座として指定を受けております。今後も継続的に採択及び指定を受けるために申請してまいりますが、当該制度の終了や採択及び指定基準の変更等により採択及び指定の継続ができなかった場合には、競合環境における競争力の低下を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、生徒募集や営業活動の不振によって講座受講者を想定通り集められない場合や、企業からの日本語研修の受託が得られない場合には、期待通りの収益が得られず当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅲ)AI・プログラミング教育

 当社連結子会社である(株)divでは、AI活用やプログラミングを学ぶスクールである「テックキャンプ」等を運営し、(1)個人向けのスクール、(2)事業者向けの研修受託サービスを運営しております。これらのサービスにおいて、期待通りに生徒が集まらなかった場合や、期待通りに研修受託が得られなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 「テックキャンプ」の一部は、国より教育訓練給付制度の対象講座として指定を受けております。今後も継続的に指定を受けるために申請してまいりますが、当該制度の終了や指定基準の変更等により指定の継続ができなかった場合には、競合環境における競争力の低下を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

個人向けサービスの一つである「テックキャンプ就労移行スクール」は、障害者総合支援法に基づくサービスを提供しており、就労移行支援事業者の指定を受けておりますが、障害者総合支援法の改正や制度変更があった場合や、万が一、就労移行支援事業者の指定取消や業務停止となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅳ)人材紹介事業

 当社及び当社連結子会社である(株)divキャリアでは、人材紹介サービス事業を行っております。同事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けておりますが、万が一、職業安定法等に違反があった場合や、許可取消しや業務停止となった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②「スタジオ・プロダクション」部門

スタジオ・プロダクション部門では海外の映画及びテレビ作品への日本語字幕・吹替、番組宣伝番組、聴覚障がい者向け字幕、視覚障がい者向け音声解説等の制作事業、及び映画劇場用DCP(デジタルシネマパッケージ)ファイルの複製事業を展開しております。

制作事業では、発注元の方針変更・番組改編等や、全米脚本家組合等による集団的なストライキ等により、発注元の発注量が縮小したり、発注単価が下落した場合、期待された収益を得られない可能性があります。また、予測困難な事象により、スタジオ設備等を確保できないことによる失注や受注量が減少した場合にも、期待された収益を得られず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

声優等の出演者や翻訳者等の報酬の値上げや制作機材価格の上昇により、制作原価が高騰した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、制作物の瑕疵による損害や国内及び海外での未発表作品の素材漏洩による賠償責任が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

映画劇場用DCPファイル複製事業では、発注元の上映方針変更や全米脚本家組合等による集団的なストライキ等の影響で撮影等に支障をきたし、発注元の配給本数の縮小、上映映画館数の減少、上映バージョンの減少等により、取引量が縮小したり、取引単価が下落した場合、期待された収益を得られない可能性があります。

 

③「放送」部門

 放送部門では、当社連結子会社である(株)釣りビジョンにおいて、放送事業「釣りビジョン」を営んでおります。(株)釣りビジョンは、売上高の多くを「スカパー!」による個人視聴収入と、全国のケーブルテレビ局への番組販売収入が占めております。「スカパー!」の個人視聴者数が減少する場合や、スカパー!プレミアムサービス、BS有料放送契約者の新規獲得が予定通りに進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、ケーブルテレビ局との新規契約が予定通り進まない場合や、何らかの理由により契約が解消される場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、(株)釣りビジョンでは、各スポンサーから広告収入並びにスポンサー収入を得ておりますが、スポンサーが予定通りに獲得できない場合や、何らかの理由によりスポンサーとの契約が解消される場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(株)釣りビジョンは放送法に基づく衛星基幹放送(BS)事業者として放送事業を営んでおりますが、万が一、放送法または関係法令に定められた事項に違反が生じ、認定取消しを含む行政処分がなされた場合には、同社における放送サービスの提供に重大な影響を及ぼし、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

また、BS番組を放送するために使用している放送衛星は、運用期間中に製造上の瑕疵、欠陥部品、太陽活動に伴う磁気嵐、デブリや隕石等との衝突、過度の燃料消費、衛星管制上または運用上の不具合その他の要因による衛星の機能不全または運用能力低下の可能性があります。このような事態が生じた場合、番組の放送が不可能となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 (株)釣りビジョンはVODや定期的プレゼント等を含めた会員サービス「釣りビジョン倶楽部」及び外部プラットフォームと連携して「釣りビジョンVOD」を運営しております。これらのサービスにおいて、今後期待通りの課金収入が得られなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、システムに過負荷等のトラブルが発生し、コンテンツの視聴等に大きな支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④「技術」部門

(ⅰ)アカマイサービス

 アカマイサービスでは、アカマイ・テクノロジーズ合同会社の(1)コンテンツ・デリバリー・ネットワーク(CDN)を利用したWebパフォーマンスサービス、(2)クラウドセキュリティサービス、また働き方改革や新型コロナ対策により需要が高まっているリモートワーク向けエンタープライズサービス、(3) CDN、セキュリティに続き第三の柱と位置付けるIaaS(インフラ・アズ・ア・サービス)であるアカマイ・クラウド・コンピューティング(ACC)のリセラー事業を展開しておりますが、同社との契約が何らかの理由により円滑に継続されなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅱ)クラウドソリューション

クラウドソリューションでは、事業者向けに、クラウドゲーム配信技術のライセンス提供、クラウド配信技術を活用したプラットフォームの提供を行っております。

技術ライセンスやプラットフォーム提供先のサービス展開が順調に推移しない場合や提供コスト増大等により期待された収益が得られない場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。クラウド配信技術としては当社及び当社の海外子会社が保有するGクラスタ技術を利用しておりますが、類似・競合技術の開発・実用化等によるライセンス契約終了やライセンスロイヤリティ下落により想定する収入が確保できず、またGクラスタ技術の維持改良や第三者からの知的財産権侵害主張への対策により想定外の費用が発生する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、プラットフォーム提供においてサービス提供システムへの過負荷等によるシステムトラブル等により、継続的提供に大きな支障が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅲ)デジタルシネマサービス

 デジタルシネマサービスでは、(1)映画配給会社に対するデジタルコンテンツの配信サービス(ブロードメディア®CDN for Theater)、(2)映画興行会社に対する映画館に設置するシステムのメンテナンスサービスを提供しております。配信サービスが期待どおりに普及しない場合や、何らかの事由により映画館に設置したシステムを遠隔監視し、集中管理によるメンテナンスサービスが継続的に提供できない場合には、本事業の収益性が確保できず、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、大容量コンテンツを安全に高速に配送するサービス(ブロードメディア®CDN  ストーク)を、制作会社、ポストプロダクション、放送局等向けに開始しております。本サービスにおいて、期待通りの収益が得られない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅳ)ホスピタリティ・ネットワークサービス

 ホスピタリティ・ネットワークサービスでは、ホテル向けインターネットサービスの提供、ユーザーサポート、保守サービス及びレンタルオフィスや企業向けのWi-Fiネットワークの保守サポートを行っております。

 本サービスでは、ホテルの客室、宴会場、パブリックスペース及び企業向けに展開しているインターネットサービスの通信機器やサーバの運用状況を常時監視し、障害が発生した場合に即時に対応できる体制を継続しておりますが、万が一、自然災害その他なんらかの理由により、技術的なトラブルが発生し、サービスが中断、停止した場合には、信用の低下を招く等の理由により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅴ)DX・システム開発

 当社、当社連結子会社であるシステムデザイン開発(株)及び(株)divxでは、顧客の要求事項に基づき受託ソフトウェアの設計、開発、保守運用サポート等のシステム開発やAI技術を活用したソフトウェア開発及びソリューションの提供を行っております。DX・システム開発事業においては、顧客企業における景気悪化に伴う設備投資抑制や投資戦略の変更、競合他社との競争の激化等により、期待通りの開発案件の受託や開発業務(SES・準委任)の受注ができない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、開発案件の作業工程に基づき工数やコストを算出し見積を行っておりますが、開発段階において、想定外の開発範囲の拡大および、作業工数の増加等の理由により受注損失の計上や納期遅延等によるコストの増大が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす場合があります。加えて、開発したシステムの納入、運用サポートにおいて、品質向上のため開発段階から十分なテスト、検査等を行っておりますが、品質上のトラブルが発生する可能性があり、トラブル対応によるコストの増加や損害賠償請求により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅵ)CMオンラインサービス

 CMオンラインサービスでは、広告会社、制作会社、ポストプロダクションが制作したCM素材を、放送局各社に対して、当社が提供するシステムを活用し、オンラインで搬入する「CMオンラインサービス」を提供しております。また、オンラインでの搬入に対応していない放送局等に対しては、物理メディアにCM素材をプリントして配送をする「XDCAMプリント配送サービス」を提供しております。

 当社が提供するCMオンラインサービスに何らかの不具合が生じた場合、もしくは、広告会社が他社の類似サービスを利用する場合、CMオンラインサービスやXDCAMプリント配送サービスの市場が予想通りに成長しない場合、当社の本事業の収益性が確保できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅶ)その他ソリューションサービス

当部門では、Aryaka Networks, Inc.のSD-WANサービス、(株)カテノイドの動画配信サービス及び(株)ブロードバンドセキュリティのMSS(マネージド・セキュリティ・サービス)、Mad Street Den Inc.のVue.ai(小売業向けAIサービス)のリセラー事業を展開しております。これらのサービスにおいて、期待通りの収益が得られない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、万が一、自然災害その他なんらかの理由により、技術的なトラブルが発生し、ネットワークが中断、停止した場合には、信用の低下を招く等の理由により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社連結子会社であるシステムデザイン開発(株)では、クラウドを利用したサービスとして、企業向けのストレスチェックサービスや、農業関連のクラウドサービスを提供しております。これらのサービスでは、企業に属する従業員情報や生産者情報を取得し、サービスを提供しております。これらの情報が流出した場合、損害賠償請求や、信用低下の可能性があり、また、他業者のシェア拡大や安価なサービスの台頭による価格競争が激化し、サービス提供の単価・収益性の低下や当該サービスの解約が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤「その他」部門

(ⅰ)プロeスポーツ推進事業

当社連結子会社であるブロードメディアeスポーツ(株)では、プロeスポーツチームである「CAG OSAKA」の運営及び動画コンテンツの企画・制作・配信等を行っており、チームや選手に対するスポンサー企業からの協賛金並びに、チームや選手が獲得する賞金、配信料、出演料を得ております。

選手との専属契約が更新に至らなかった場合や、有力選手が他チームから引き抜かれ離脱した場合、チームや選手が極度の成績不振に陥った場合、選手のけがや不祥事等による引退・活動休止等が発生した場合、チームや選手のブランドや知名度が低下した場合等には、期待通りの活動収益を得ることができず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

取引先との契約違反等によるトラブルが発生した場合、スポンサー企業の広告宣伝予算が削減された場合、配信プラットフォームがサービスの縮小や撤退を行った場合等、事業の拡大を阻害する要因が発生した場合には、スポンサーからの協賛金や大会賞金、配信料、出演料等が計画通りに得られず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

大会やイベントは広く国内外を問わず開催されていますが、海外において地域紛争等の問題が発生した場合には、大会・イベントの中止や、渡航規制による出場機会の逸失等により、大会賞金や出演料等が計画通りに得られず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

所属する選手が競技において、所謂チート行為などの不正を行った場合には、競技シーンから追放され、またチーム全体の評判も毀損されることになり、当社グループの業績及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 また、所属する選手は、ファンとの交流やコミュニケーション等の一環として、公私にわたってSNSを利活用しております。当社では所属する選手に対して外部有識者による研修を行う等、徹底してコンプライアンスに関わる指導及び教育に努めておりますが、所属選手が公序良俗違反や著作権侵害等の法令違反、信用失墜行為、取引先との契約違反となるようなトラブルを起こした場合や、発信した情報が真意にかかわらずネガティブな情報として拡散した場合には、当社グループの業績及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、eスポーツに関するイベント等を企画・実施する業務を行っております。当該業務の評価が期待に沿う結果とならなかった場合には、信用低下や評判毀損が生じ、当社グループの業績及び社会的信用に影響を及ぼす可能性があります。

 

(ⅱ)ゲームパブリッシング事業

(1)ゲームソフトの企画・開発・販売

 当社連結子会社である(株)ポケットでは、家庭用ゲーム機向けにオリジナルゲームの企画・開発・販売を行うとともに、ゲームソフトの企画・開発の受託を行っております。

 企画・開発・販売事業では、自社のオリジナルゲームの販売数が想定を下回った場合、期待通りの販売収益を得ることができず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 企画・開発受託事業では、必要工数やコストを予測し、見積りを行っておりますが、作業工数の増大等により実績が見積りを超えた場合、低採算または採算割れとなり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、顧客企業へ納品する成果物について、高い品質を保つため、不具合検査等を実施しておりますが、契約不適合等が発生し、成果物の修繕及び損害賠償請求を受ける等の事象が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 これらゲームソフトの開発について、開発の一部を外注している協業パートナーの業務に遅延等が発生した場合、ゲームソフトを計画通りに開発・発売することができず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)ゲームソフトのライセンス販売

 (株)ポケットでは、国内外のゲームソフトパブリッシャーや開発会社、インディーゲーム開発者とのコネクションを通じ、良質なゲームソフトのライセンス販売を行っております。良質なゲームソフトの発掘や、ライセンス交渉が不調に終わった場合、期待通りの販売収益を得ることができず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)そのほか事業全般に関するリスクについて

① 事業内容の多角化と新規事業への取組みに伴うリスクの増大について

 当社グループは、事業基盤をより強固にするため、今後も事業内容の多角化や新規事業への取組みを進めていく可能性があり、これらを実現するために、事業開始前から、システム開発やマーケティング等の投資を行う可能性がありますが、当該事業が予定通りに開始できなかった場合や想定よりも成長しなかった場合には、投資の回収が不可能になることがあります。

 また、人材の採用やハードウェア及びソフトウェアの取得、販売促進費の増大や研究開発活動等により追加的な支出や、仕入・販売を伴う事業については、見込発注等による過剰な在庫が発生する可能性があります。

 さらに、新規事業が安定して収益を生み出すまでには一定の時間がかかることが予想されるため、当社グループ全体の利益率が一時的に低下する可能性があります。

 同様に、これらの事業が、将来の事業環境等の変化により、当社グループの目論見どおりに推移せず、追加的な支出分に対して十分な回収を行うことができなかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 戦略的選択肢の検討について

 当社グループは「持続可能で、かつ倫理的なビジネスで成長する」ことを中期的な取り組みとして掲げ、連結営業利益率 10%及び ROE(自己資本利益率)30%を実現することを2024年度からの当面の目標としております。この目標達成に向けて、現在当社グループの業績をけん引している「教育」「技術」を更に成長させることに加え、一部の既存事業に関しては、戦略的な選択肢の検討を含めた抜本的な対策を講じて、当社グループ全体の業績と資本効率の改善を図ることを目指しております。

 戦略的な選択の結果、事業の譲渡等を行う場合において、想定通りの対価を得られない場合や、その実行に想定以上の時間がかかる場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 設備投資について

 当社グループは、映像機器・システム・設備等の導入を行っております。技術革新が当社グループの予想を超えて進行し、保有する機器・設備等が陳腐化して新たな設備投資が必要となる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、今後の業績計画との乖離や経済情勢及び市況の変化等の影響から、期待されるキャッシュ・フローが生み出せない場合、または保有資産の価値が著しく低下した場合は、減損会計の適用によりそれらの固定資産の減損損失を計上することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ コンテンツ調達について

 当社グループは、コンテンツに関する権利を獲得しておりますが、調達価格の高騰等により権利の獲得に何らかの支障をきたす場合、権利保有期間中に価値の低下がある場合、取得したコンテンツの調達元が何らかの理由により不測の事態に陥りコンテンツの継続的供給に支障をきたす場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 業務のアウトソーシングについて

 当社グループは、主要業務の一部をアウトソーシングしております。当社グループがアウトソーシングする業務は、他の事業者によっても代替可能なものでありますが、何らかの理由により、当該業務の運営に支障が生じた場合や、代替先への引継ぎが遅延した等の場合には、当社グループの業務遂行に支障をきたす可能性があります。

 

⑥ 情報セキュリティについて

 当社グループでは、主要なサービスをコンピュータシステムやネットワークを通じて提供しており、安定的なサービス提供と十分な情報セキュリティ維持のために、サーバ設備やネットワーク、システムセキュリティ強化等必要な安全体制構築に努めております。また、当社グループの情報システム委員会において、情報セキュリティについて情報資産のリスク評価を行い、重要な資産には外部の専門機関を起用した監査・診断を定期的に行い、結果の評価及び対策を実施しております。さらに、社内ネットワークセキュリティ監視ソリューションやWebセキュリティソリューション(WAF)を導入し、情報セキュリティ維持の強化を図っております。しかしながら、第三者からの不正アクセス等に起因するシステムトラブル、コンピュータプログラムやシステムのバグ、地震、火災等の自然災害に起因するシステム障害や情報漏洩事故等が発生した場合には、サービス継続に支障をきたすと共に、当社グループの社会的信用低下等により、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 機密性の高い素材の取扱いについて

 当社グループは、複数の事業部門において、国内及び海外のコンテンツ素材や、CM素材をはじめとした、機密性の高い素材を取り扱っております。当該素材の取扱いについては、役職員や業務委託先を含め、各関係者がその責任において、かかる機密性を保持するように努めております。しかしながら、当社グループのセキュリティレベルが、契約に定められた水準または権利元により変更された水準を満たさないと権利元に判断され、契約の解除または素材等の使用差止めが生じた場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 個人情報保護について

 当社グループでは、事業上の重要データ、会員情報や契約者情報をはじめとした個人情報の保護に関する総合的な対策を講じており、当社と連結子会社である(株)釣りビジョン、システムデザイン開発(株)、(株)div及び(株)divxでは、プライバシーマークを取得しております。しかしながら、役職員、パートナー事業者や業務委託先による不正行為や過失等により個人情報の漏洩や消失等が生じた場合には、社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)の導入に伴い、より厳格な情報管理体制が求められていることもあり、個人情報保護法や契約に基づく法的責任を問われることや、訴訟を提起されること及び信用の低下等により、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨ 譲渡制限付株式の交付等について

 当社では、当社取締役(社外取締役を除く)、当社従業員及び当社子会社従業員向けに譲渡制限付株式報酬制度を採用しており、今後、当該制度に基づき新たな株式の発行が行われた場合には、当社株式の価値の希薄化や需給への影響をもたらし、株価形成へ大きく影響する可能性があります。

 また、当社では、役職員等の企業価値向上に対する意欲を高めることを目的として、過去にストックオプション(新株予約権)を発行しております。また、今後も役職員等に適宜ストックオプション等を付与する可能性があります。これら付与された権利が将来行使されることにより発行される新株が、当社株式の価値の希薄化や需給への影響をもたらし、株価形成へ大きく影響する可能性があります。

 

⑩ 知的財産権について

 当社グループが行う事業は、特許権、著作権等のさまざまな知的財産権が関係しております。当社グループの知的財産権の保護が不十分な場合や、第三者が有する知的財産権の適切な利用許諾を得られない場合には、技術開発やサービスの提供が困難となる可能性があります。また、当社グループの事業活動に関連して第三者から知的財産権の侵害を主張され、更に訴訟を提起される可能性があります。

 また、何らかの理由により、知的財産権、特に著作権等に係る追加的な費用が発生した場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑪ 自然災害等について

 当社グループの事業拠点や業務遂行機能は、大規模災害が予想される首都圏を含む地域に存在しております。当該地域において、地震、洪水、火災等の大規模災害や停電、破壊工作等の予測できない事象が発生した場合、当社グループにおいて、人的被害、オフィスや設備の破損、通信網切断やデータ消失等の損害が発生する可能性があります。これにより、業務遂行機能を喪失して事業継続が困難な状態に陥ったり、サービス提供や事業活動の停滞が生じて期待した収益が得られない、あるいはサービスや設備の復旧改修に相当な費用を要する等の事態が生じた場合、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑫ 為替リスクについて

 当社グループは、複数の事業部門において海外との取引を行っております。提携先を含む海外取引の大半が外貨建て決済となっているため、為替相場の変動により、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑬ 海外取引に関するリスクについて

 当社グループでは、提携先を含む海外の事業者との取引を行うにあたっては、取引相手方の経営・財務状況のみならず当該相手方の国情や主として知的財産権に関する法制度等の把握に努めております。しかしながら、政治・経済情勢、対日感情、法規制の変更等の要因により海外取引が期待どおりに進められない場合、また海外取引先について情報不足や商慣習の相違などから債権回収や知的財産権等に関する問題が生じた場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑭ 特定の幹部の継続勤務について

 当社グループは、特定の幹部の継続的な勤務に依存している部分が大きいと考えられます。それら幹部が何らかの理由により当社グループの業務を遂行することが不可能または困難となり、適切な人材が適時にそれを代替できない場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑮ 人材確保に関するリスクについて

 当社グループにおける各事業には、全般的に高い創造性、交渉力ノウハウ及び高度な技術を持った専門的な人材が要求され、その人材が当社グループの業務遂行や成長を支える重要な要素となります。そのために当社グループでは、優秀な人材の確保及び育成を継続的に行っておりますが、必要な人材の確保ができない場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、複数の事業を展開しており、今後の事業拡大のための人員増強や体制強化も必要となります。このような事業の拡大に対して適切かつ十分な人的・組織的な対応ができない場合には、当社グループの競争力の低下や業務効率の低下等が生じる可能性があります。

 人員の増強については採算性等を勘案し注意深く行っておりますが、これに伴い固定費が増加し、利益率の低下を招く可能性があります。

 さらに、当社グループは、職場環境の充実や改善、適正な労働時間の管理や時間外労働の抑制等に継続的に取り組んでおりますが、万一、過重労働や不適切な労務管理による法令違反や働き方改革関連法令等の新たな法令の制定・改正等で対応が遅れて事業活動に制約を受けた場合、監督官庁から警告・指導や罰則等を受ける可能性があるほか、当社グループの信頼性や企業イメージが低下し、必要な人材を確保できなくなる可能性があります。その結果、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑯ 債権回収等のリスクについて

 当社グループにおいては、業務提携先を含めた様々な取引先に対して、社内規程等に基づいた与信管理を行い、債権の保全に努めております。しかしながら、それら取引先の予期せぬ経営破綻等により債権回収が困難になる場合や、売上高の減少が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、不特定多数の個人顧客との取引を行っている為、管理体制の強化やシステムの導入、また業務の効率化等の施策を講じております。しかしながら、これらの施策にもかかわらず、未回収債権が増加する可能性があります。またこれに伴い、債権回収コストが増加する場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑰ 子会社及び関連会社の管理について

 当社は、国内外の子会社及び関連会社に対し、業容の拡大に応じて適宜必要な人員の確保や組織体制の強化を図っていく方針です。当社は、当社グループ全体としての目標が達成できるように、子会社に対して経営管理面でのサポートを横断的に行ってまいります。また、関連会社に対しても、出資比率等に応じて適宜サポートを行ってまいります。しかしながら、何らかの理由で子会社及び関連会社における管理機能が十分働かない場合や、体制整備が遅延した場合、海外子会社及び関連会社の進出国における市場動向、競合会社の存在、政治、経済、法律、文化、宗教、習慣や為替、その他様々なカントリーリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑱ コンプライアンス及び内部統制システムについて

 当社グループは、コンプライアンスを徹底し、現時点の各種法令及び規制等に従って業務を遂行しておりますが、将来においてそれら法令及び規制等が変更された場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 また、当社グループは、現在コンプライアンスのみならずリスク管理の充実等を目的として、管理体制の強化を図っており、特に、財務報告に係る内部統制を含め、内部統制システムの充実強化に注力しております。しかしながら、当社グループが構築した内部統制システムが十分でなかった場合や、内部統制システムの限界により、ディスクロージャーの信頼性等を確保できない事態が生じ、当社グループの財政状態や業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 さらに、役員・従業員等による不正や、ハラスメント、外部の者による詐欺等の不正、法令違反等を原因とする監督官庁の行政処分等の事業運営に関する問題が発生した場合には、当社グループの信用が低下し、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑲ 投融資について

 当社グループは、事業提携を目的として、また、将来的な提携やキャピタルゲインを視野に入れて国内外において投資を実行しておりますが、これらの投資による出資金等の回収が困難になる可能性があります。また、投資を行う資金が予定どおりに調達できない場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 今後も当社グループは、相乗効果の追求や業容の拡大を目的として、国内外の企業への資本参加や新会社設立等の新規投資を行う可能性があります。また、子会社及び関連会社の資金ニーズに適切に対応するための当社による融資を実行する可能性があります。投融資の実行にあたっては、十分な事前審査と社内手続きを行いますが、これらの新規の投融資により当初計画していた利益を得ることができなかった場合や、その回収が滞る場合には、当社グループの財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

⑳ 特定の取引先への依存について

 当社グループの事業において、特定の取引先への依存度が高いものが生じる可能性があります。そのような商材、サービスについて、商材の種類、数量、価格、支払条件等の不利な変更や特定の取引先に予期せぬ経営破綻等が生じた場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

㉑ 会計処理上のリスク

(ⅰ)会計上の見積り

 当社グループは、財務諸表の作成にあたり会計上の見積りが必要な事項については、将来に関する一定の前提に基づき見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、金額の見直しや実際の結果と異なる場合があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(1)棚卸資産

 当社グループは、保有する棚卸資産について、主として原価法によって算定しております。今後、事業環境の悪化等により、将来の販売可能性が低下し、簿価切り下げ処理が必要になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)貸倒引当金

 当社グループは、売掛金や貸付金等の債権に対して、与信付与先の財務状況や入金状況等に基づいて必要と判断した貸倒引当金を計上しております。今後、信用状況の変化、その他予期せざる理由により、貸倒引当金の追加計上が必要になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)有形固定資産・無形固定資産

 当社グループは、保有する有形固定資産や無形固定資産について、減損会計の基準に基づき必要に応じて減損処理を行っております。今後、各事業の収益性が悪化すること等により、減損処理が必要になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)投資有価証券・出資金

 当社グループは、将来的な提携やキャピタルゲインを視野に入れて投資を行い投資有価証券や出資金を保有しております。今後、これら投資先の業績が悪化すること等により、評価損の計上が必要になった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)繰延税金資産

 当社グループは、課税所得の将来の見積額や一時差異のスケジューリング等に基づき繰延税金資産を計上しております。今後、経営環境の悪化により課税所得の見積りの減額がなされた場合等には、繰延税金資産を取り崩す必要が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(ⅱ)内部統制システム

 当社グループは、財務報告に係る有効な内部統制システムを整備し、その適正な運用に努めております。しかし、基幹システムやITシステムに異常が発生した場合、コンプライアンス違反により内部統制行為を無効化するような手続きがなされた場合等、ディスクロージャーの信頼性を確保できない事態が生じた場合には、適切な会計処理がなされず、当社グループの業績へ影響を及ぼす可能性があります。内部統制行為が無効化される潜在的なリスクが存在する具体的な例として、無形の資産の販売があります。無形の資産の販売では、納品物が物理的に存在しないため、納品物が実在していることの確認は一般的に容易ではありません。そのため、納品物が実在しないにも関わらず納品物が実在するという内部統制を無効化する手続きにより、納品物が実在しない収益を認識するという潜在的なリスクが存在します。

(ⅲ)会計基準の変更

当社グループは、一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて決算を行っており、会計基準の変更へも適時対応しております。しかしながら、将来において、新たな会計基準の適用や会計基準に大きな変更があった場合には、当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業業績等を背景とした雇用・所得環境の改善が進み緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、不安定な国際情勢や円安の影響による継続的な物価上昇に加え、金融資本市場の変動等により、景気の先行きは依然として不透明な状況にあります。

 売上高は、前連結会計年度と比べ1,354,430千円(9.6%)増加し、15,533,925千円(前連結会計年度は14,179,495千円)となりました。「スタジオ・プロダクション」「放送」が減収となったことに加え、「メディアコンテンツ」が第3四半期に事業譲渡を行ったこと等から減収となりました。一方、「教育」「技術」「その他」が増収となったことにより、売上高は増加いたしました。前期第4四半期に子会社化した(株)div及び(株)divxはそれぞれ「教育」及び「技術」の増収に寄与いたしました。

 営業利益は、707,020千円(前連結会計年度は869,711千円)となりました。「放送」が増益となり、「メディアコンテンツ」「その他」の損失が縮小したものの、「教育」「技術」が減益となったことや、「スタジオ・プロダクション」が損失を計上したことから、営業利益は減益となりました。

 経常利益は、719,576千円(前連結会計年度は910,922千円)となりました。営業利益が減少したこと等により、経常利益も減益となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益は、335,267千円(前連結会計年度は680,119千円)となりました。経常利益が減少したことに加え、特別損失として第2四半期に「メディアコンテンツ」にて事業譲渡に係る棚卸資産評価損等112,835千円を計上したことや、第4四半期に「スタジオ・プロダクション」にて固定資産に係る減損損失201,872千円を計上したこと等により、大幅な減益となりました。

 

 当連結会計年度における各セグメントの売上高及び営業損益の概況は、以下のとおりです。

 

①教育

 「教育」セグメントは、「ルネサンス高等学校」「ルネサンス豊田高等学校」「ルネサンス大阪高等学校」の広域通信制高校(ルネサンス高等学校グループ)の運営、日本語教師(登録日本語教員)養成講座・外国人向け日本語研修を提供する「ルネサンス日本語学院」の運営、及びプログラミングスクール「テックキャンプ」「テックキャンプ高等学院」等の運営を行うAI・プログラミング教育事業を行っております。

 売上高は、前連結会計年度と比べ934,451千円(21.0%)増加し、5,383,529千円(前連結会計年度は4,449,077千円)、営業利益は907,843千円(前連結会計年度は1,218,952千円)となりました。

 通信制高校事業は、ルネサンス高等学校グループの在籍生徒数が増加したことや、eスポーツコースを含む通学コースの生徒数が順調に増加したこと等により増収となった一方で、人件費やスクーリングコストが大幅に増加したこと等により、増収減益となりました。

 前期第4四半期より連結子会社となった(株)divは、当期は第1四半期より取り込んでいることから売上の増加に寄与いたしましたが、損失を計上したことに加え、のれんの償却を計上したことにより、「教育」セグメントの利益を押し下げる要因となりました。その結果、「教育」セグメントは増収減益となりました。

 

②メディアコンテンツ

 「メディアコンテンツ」セグメントは、ビデオ・コミックサービス「クランクイン!ビデオ」「クランクイン!コミック」やエンタメ情報サービス「クランクイン!」「クランクイン!トレンド」の企画・運営等を行っております。なお、ビデオ・コミックサービスは2024年11月1日付で、エンタメ情報サービスは12月1日付で事業譲渡を行っております。本事業譲渡により「メディアコンテンツ」セグメントで行われている事業は第3四半期にて終了しております。

 売上高は、前連結会計年度と比べ287,914千円(45.4%)減少し、345,729千円(前連結会計年度は633,643千円)、営業損益は71,032千円の損失(前連結会計年度は195,113千円の損失)となりました。

 第3四半期においてビデオ・コミックサービス及びエンタメ情報サービスを事業譲渡したことから、減収となりましたが、上期までのコスト抑制の効果等により営業損失は縮小いたしました。

 

 

③スタジオ・プロダクション

 「スタジオ・プロダクション」セグメントは、海外の映画及びテレビ作品の日本語字幕・吹替制作、聴覚障がい者向け字幕制作、視覚障がい者向け音声解説制作、番組宣伝等の制作を行っております。

 売上高は、前連結会計年度と比べ177,614千円(10.2%)減少し、1,556,782千円(前連結会計年度は1,734,396千円)、営業損益は9,920千円の損失(前連結会計年度は38,041千円の利益)となりました。

 日本語字幕・吹替制作において、下期は受注が回復し利益を計上したものの、上期が前期に発生した米国ハリウッドの全米脚本家組合(WGA)や全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)のストライキの影響により、映画やドラマ作品の公開延期や作品数の減少が続き減収減益だったため、通期では減収となり損失を計上いたしました。

 

④放送

 「放送」セグメントは、釣り専門番組「釣りビジョン」の制作、BS・CS放送及びケーブルテレビ局等あての番組供給事業、マルチデバイス向け動画配信サービス「釣りビジョンVOD」の視聴が可能な「釣りビジョン倶楽部」の提供等を行っております。

 売上高は、前連結会計年度と比べ33,507千円(1.4%)減少し、2,325,220千円(前連結会計年度は2,358,728千円)、営業利益は140,327千円(前連結会計年度は95,762千円)となりました。

 「釣りビジョン」のスポンサー収入や広告料収入が増加したことに加え、「釣りビジョン倶楽部」の売上は増加したものの、「釣りビジョン」の視聴料収入の減少傾向が続いていること等から減収となりました。一方で、営業利益は、番組制作に係るコストの抑制効果等により増益となりました。

 

⑤技術

 「技術」セグメントは、アカマイサービス(CDNサービス、セキュリティサービス)、クラウドソリューション、デジタルシネマサービス、ホテルの客室・会議室へのインターネットサービス、DX・システム開発、及びその他ソリューションサービスの提供を行っております。

 売上高は、前連結会計年度と比べ796,507千円(16.8%)増加し、5,542,365千円(前連結会計年度4,745,858千円)、営業利益は505,261千円(前連結会計年度は542,451千円)となりました。

 主力のアカマイサービスは既存顧客へのサービス提供が拡大したこと等により増収増益となりました。クラウドソリューションは自社運営のクラウドゲームサービス「Gクラスタ」が2025年2月にサービスを終了するにあたり、上期に新規販売を終了したこと等により減収となり、赤字幅が拡大いたしました。デジタルシネマサービスは配信本数が増加したこと等により増収増益となりました。また、システムデザイン開発(株)は原価率の高い機材販売が伸びたこと等により増収減益となりました。

 前期第4四半期より連結子会社となった(株)divxは、当期は第1四半期より取り込んでいることから売上の増加に寄与いたしましたが、第4四半期は利益を計上したものの通期では損失を計上したことに加え、のれんの償却を計上したことにより、「技術」セグメントの利益を押し下げる要因となりました。これらの結果、「技術」セグメントは増収減益となりました。なお、(株)divx単体では、グループ内のDX・セキュリティ対策の受注等により、通期で営業利益を計上いたしました。

 

⑥その他

 「その他」セグメントは、プロeスポーツチーム「CAG OSAKA」の運営やeスポーツ関連イベントの企画・運営、Nintendo Switch向けのゲームソフトやVR専用ソフト等の企画・開発・販売が含まれております。

 売上高は、前連結会計年度と比べ122,507千円(47.5%)増加し、380,298千円(前連結会計年度は257,790千円)、営業損益は8,947千円の損失(前連結会計年度は20,307千円の損失)となりました。

 プロeスポーツ推進事業は、獲得賞金は増加したものの、ライセンス収入やスポンサー収入が減少したこと等により減収となりましたが、コストの抑制効果により、営業損失は前期と同水準となりました。ゲームパブリッシング事業は、第1四半期の大型開発案件の受託や新規タイトルのリリースに加え、既存タイトルの販売が好調に推移したこと等により大幅な増収となり、利益を計上いたしました。その結果、「その他」セグメントは増収となり、損失が縮小いたしました。

 

生産、受注及び販売の実績

① 生産実績

当社及び連結子会社は、生産実績に重要性が乏しいため、記載を省略しております。

② 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額 (千円)

前年同期比 (%)

教育

21,730

0.7

メディアコンテンツ

20,176

△79.4

スタジオ・プロダクション

1,152

△7.9

放送

11,545

83.4

技術

102,409

42.4

その他

6,377

△21.6

合      計

163,392

△21.2

 

③ 受注実績

当社及び連結子会社は、受注生産に重要性が乏しいため、記載を省略しております。

④ 販売実績

当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額 (千円)

前年同期比 (%)

教育

5,383,529

21.0

メディアコンテンツ

345,729

△45.4

スタジオ・プロダクション

1,556,782

△10.2

放送

2,325,220

△1.4

技術

5,542,365

16.8

その他

380,298

47.5

合      計

15,533,925

9.6

 

(2)財政状態

(イ)資産

 流動資産は、売掛金が増加した一方、番組勘定や現金及び預金が減少したこと等により、前期末に比べ214,821千円減少し、7,603,869千円となりました。固定資産は、通信制高校事業の拠点拡大に伴う資産の取得があった一方、「スタジオ・プロダクション」での減損損失の計上による固定資産の減少やのれんの減少等により、前期末に比べ375,315千円減少し、3,696,173千円となりました。これらの結果、総資産は、前期末に比べ590,136千円減少し、11,300,042千円となりました。

 

(ロ)負債

 流動負債は、預り金が増加した一方、前受金や短期借入金が減少したこと等により、前期末に比べ225,675千円減少し、4,877,248千円となりました。固定負債は、長期借入金が減少したこと等により、前期末に比べ236,420千円減少し、641,800千円となりました。これらの結果、負債合計は、前期末に比べ462,095千円減少し、5,519,048千円となりました。

 

(ハ)純資産

 親会社株主に帰属する当期純利益335,267千円を計上した一方、配当金の支払いや自己株式の取得等により、純資産合計は前期末に比べ128,041千円減少し、5,780,993千円となりました。これにより、自己資本比率は41.0%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前期末に比べ205,199千円減少し、5,621,071千円となりました。

 

(イ)営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動によるキャッシュ・フローは、プラス710,588千円(前連結会計年度はプラス1,176,648千円)となりました。前受金が減少したことや売上債権が増加した一方で、税金等調整前当期純利益430,181千円を計上したことに加え、棚卸資産が減少したことや預り金が増加したこと等により、営業活動によるキャッシュ・フローはプラスとなりました。

 

(ロ)投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動によるキャッシュ・フローは、通信制高校事業の拠点拡大に伴う固定資産の取得があったこと等から、マイナス30,803千円(前連結会計年度はマイナス915,922千円)となりました。

 

(ハ)財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動によるキャッシュ・フローは、金融機関からの借入れによる収入があった一方、配当金の支払いに加え、金融機関等への借入金の返済による支出があったこと等から、マイナス882,391千円(前連結会計年度はマイナス320,836千円)となりました。

 

(当社グループの資本の財源及び資金の流動性)

当社は、投融資資金、運転資金等の資金需要に対しては、自己資金または金融機関からの借入等によって調達することを基本方針としております。また、当社及び主要な連結子会社は極度貸付契約を締結しており、各社における余剰資金の一元管理を行うことで資金の流動性を確保し、資金効率の向上に努めております。

 

(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。

なお、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

 

5【重要な契約等】

(1)業務提携契約

契約会社名

相手方名称

主な契約内容

契約期間

ブロードメディア㈱

(当社)

アカマイ・テクノロジーズ(同)

相手方のCDNサービスやセキュリティサービスを日本国内で非独占的に再販売する権利の許諾を受ける契約です。

2003年1月1日から

2007年12月31日まで

(以後、5年毎の自動延長)

㈱釣りビジョン

(連結子会社)

スカパーJSAT㈱

BS放送事業における顧客加入・解約処理業務、課金・契約等の有料放送維持業務などを相手方に委託する契約です。

2012年3月1日から

2014年3月31日まで

(以後、1年毎の自動延長)

㈱釣りビジョン

(連結子会社)

㈱放送衛星システム

BS放送事業における放送衛星運用・管理、アップリンク業務などを相手方に委託する契約です。

2023年12月1日から

2027年3月31日まで

 

(2)事業譲渡に関する契約

①エンタメ情報サービス事業

 当社は、2024年9月26日開催の取締役会において、2024年12月1日をもって株式会社ローソンエンタテインメントに対して、メディアコンテンツセグメントで行っているエンタメ情報サービス事業を譲渡することを決議し、2024年10月1日付で事業譲渡契約の締結いたしました。本契約に基づき、2024年12月1日付で当該事業の譲渡を完了しております。

 

②ビデオ・コミックサービス事業

 当社は、2024年9月26日開催の取締役会において、2024年11月1日をもって株式会社ZITTOに対して、メディアコンテンツセグメントで行っているビデオ・コミックサービス事業を譲渡することを決議し、2024年10月28日付で事業譲渡契約の締結いたしました。本契約に基づき、2024年11月1日付で当該事業の譲渡を完了しております。

 

6【研究開発活動】

 特記すべき事項はありません。