第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

(1)財政状態及び経営成績の状況

当中間連結会計期間(2025年4月1日から2025年9月30日まで。以下、「当中間期」という。)におけるわが国経済は、春季賃上げの効果に段階的な浸透による個人消費の持ち直しや、堅調なインバウンド需要に支えられ、緩やかな回復基調を維持しました。一方で、依然として歴史的な円安水準が継続していることに加え、中東情勢の緊迫化など地政学リスクを背景とした原油・資源価格の変動が、輸入物価を通じて企業収益や家計の実質購買力を圧迫する懸念も高まりました。また、根強いインフレを背景とした米国をはじめとする主要国での金融政策の動向や、世界的なサプライチェーンの再編に向けた動きなど、先行きは依然として不透明な状況が続いています。

 

このような状況のもと、当社グループは、外部環境の変化に迅速に対応すべく、経営資源の再配置や生産性の向上に努めました。収益基盤の強化に向けては、安定的な収益が見込めるストック型ビジネスに引き続き注力しました。加えて、ソフトウェア開発ビジネスにおいては、生成AIの活用、企業のDX推進支援、高度なプロジェクト管理能力が求められるPMO案件など、付加価値の高い領域の拡大を積極的に推進しました。

人材育成については、コロナ禍で実施した新卒大量採用によって、経験の浅い人材が多くなり、裾野が異常に広いピラミッド型の人員構成となっていましたが、継続的なOJT(オンザジョブトレーニング)を通じた教育によって組織力が底上げされ、適材適所への配置最適化が進み、更に攻勢に転じる体制が整いました。採用方針については、この経験を踏まえ、経験者採用に軸足を移すことで教育・研修の効率化と採用ミスマッチの低減を図ってまいります。
 また、「開発・評価」主体で収益の柱であった(旧)ソリューションデザイン事業は、「プロジェクトマネジメント」主体のビジネスモデルへの構造改革に取り組んでまいりましたが、当中間期をもってほぼ完了しました。このビジネスモデルの進化を土台として、新たな成長エンジンとして位置づける「次世代モビリティ事業」および「プロジェクトマネジメントデザイン事業」は、今後、当社グループの成長を力強く牽引するものと見込んでおります。

以上の結果、当中間期の連結業績は、売上高46,967百万円(前年同期比17.1%増)、営業利益7,593百万円(同36.2%増)、経常利益7,927百万円(同46.5%増)、親会社株主に帰属する中間純利益5,502百万円(同47.7%増)となりました。

各セグメントの事業内容や主力分野の変化に伴い、当期において「報告セグメント」の組替と一部名称の変更を行いました。セグメント別の業績は、次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高にはセグメント間の内部売上高または振替高を含めています。

 

①次世代モビリティ事業

当事業は、国内の完成車メーカーおよびメガサプライヤーを主要顧客とし、車載ソフトウェアのエンジニアリング、プロジェクト支援、MaaS関連の自社サービスを展開しています。

当中間期は、既存の主要顧客に加え、新たな国内の主要完成車メーカーとの直接取引が始まりました。また、当社米国子会社による日本の完成車メーカーとの直接取引も開始し、北米市場における案件創出基盤の強化につながっています。

現在、自動車業界ではSDV(Software Defined Vehicle)を前提とした設計・開発への移行が進んでおり、コックピット領域(IVI/HUD/CDC)からバックエンド(HVAC/ADAS)に至るまで、ソフトウェア開発の需要が拡大しています。この潮流を捉え、当事業はモバイル領域で培ったUXデザインやアジャイル開発の強みを車載領域に応用・展開することで、受注と稼働の安定化を実現しました。

さらに、完成車メーカーによる新たなモビリティ開発に企画・要件定義といった最上流段階から参画するとともに、OEMの開発プロセスがSDV前提へ移行するのに合わせ、上流工程から統合工程まで一貫して支援できる体制を構築しました。引き続きモビリティソフトウェアのTier1相当の役割を見据え、体制・プロセスの強化と国内外の連携を並行して進め、当事業のサービス提供範囲の拡大を図ります。

これらの結果、当事業の売上高は3,606百万円(前年同期比47.3%増)、営業利益は1,511百万円(同69.1%増)となりました。

 

 

*1 IVI: In-Vehicle Infotainment (情報・娯楽の両要素の提供を実現する一体化された車載システム)

*2 HUD:Head-Up Display(人間の視野の中に周囲の光景に溶け込むよう重ね合せ情報を投影させる表示装置)

*3 CDC: Cockpit Domain Controller (コクピットの様々な機能を一つの電子制御ユニットに集約したもの)(車載)

*4 HVAC: Heating, Ventilation, and Air Conditioning(自動車の空調システム全体を指す言葉)

*5 ADAS: Advanced Driver-Assistance Systems(自動車に搭載されたセンサーやカメラなどを活用し、運転中の事故のリスクを低

減したり、運転の負担を軽減したりする機能)

②プロジェクトマネジメントデザイン事業

当事業は、プロジェクトの計画策定・管理のみならず、進捗・品質・課題対応まで一貫して担う「実行型」のプロジェクト推進を強みとしています。社内の開発・検証機能を現場で活用し、課題解決を直接支援します。

当中間期は、注力分野である次世代通信およびAI領域において、プロジェクト支援体制を拡大し、あわせてプロジェクトの実行体制の強化に向けたリソースの再配置を実施しました。

通信分野では、新規サービス開発支援に加え、システムインフラ基盤の刷新における要件定義、進行管理、技術調査から移行支援まで一貫して実施しました。

AI分野では、生成AIを活用したプラットフォーム再構築や新サービス立ち上げにおけるマネジメント支援案件が増加したほか、AIの適用検討やPoC(概念実証)といった上流工程への関与も拡大しました。

その結果、当事業の売上高は7,834百万円(前年同期比1.0%増)、営業利益は1,698百万円(同44.2%増)となりました。

 

③デジタルインテグレーション事業

当事業では、金融、公共、法人の各顧客に対して、多岐にわたるインテグレーションサービスを提供しています。業務アプリケーション開発を主軸に、基幹システム開発からクラウド・DXソリューションの導入支援、さらに先進技術に関するテクニカルコンサルティングまでを幅広く手掛けています。

金融分野では、生命保険や損害保険の契約管理システム、銀行の勘定系システムといったミッションクリティカルな基幹システム開発に長年携わり、確かなノウハウと実績を培ってまいりました。

近年は、クラウド移行やシステムマイグレーションといったDXニーズの拡大に応じ、関連案件が着実に増加しています。当連結会計年度は特に保険とネットバンク領域での受注拡大が続いており、当事業の売上拡大を牽引しています。

公共分野では、マイナンバー制度を背景とした中央省庁関連案件が引き続き堅調に推移しており、システム更改、インフラ構築、運用保守といった広範な領域で事業を拡大しています。地方自治体におけるDX推進の動きも活発化しており、公共分野は当事業の主要な柱の一つとなっています。

法人分野では、ローコード開発ツールを活用した迅速な技術支援サービスと、顧客のDX推進を加速するシステム開発案件の獲得に注力しています。システム企画から開発後の運用保守まで一貫したサポートは、顧客から高い評価を得ており、競争力強化に繋がっています。

さらに、生成AIの活用においては、業務効率化だけでなく、開発生産性の向上を目指したAI駆動開発のニーズも高まっています。当事業では、人材育成への積極的な投資を含め、技術力の強化を一層推進しています。

これらの結果、当事業の売上高は4,938百万円(前年同期比17.5%増)、営業利益は1,205百万円(同37.7%増)となりました。

 

④IT&DXサービス事業

ITプロジェクト推進・PMO、DX推進支援、システム構築から運用サポートまでを手掛ける当事業は、各企業のデジタルビジネス化に向けたIT投資意欲の高まりを背景に、幅広い業界でシステム更改や導入の引き合いが続いているほか、近年は「業務プロセスの最適化(標準化・自動化)」や「各種ツール導入後の利活用・運用推進」といった需要が特に高まっています。

このような市況において、当事業は顧客のIT投資計画を把握した上で、ツール導入支援、導入後の利活用推進、業務プロセス再構築といった「伴走型PMOサービス」の更なる拡大に注力いたしました。

DX検証サービス事業においては、ネットビジネス/ゲーム領域での知見を活かし、エンタープライズ領域顧客へのシフトを進めています。人材配置の適正化と即戦力人材の調達を強化し、既存顧客の深掘りと新規顧客の開拓を推進しました。

また、特例子会社である東京都ビジネスサービス株式会社では、障がい者一人ひとりの能力やキャリア形成を支援する制度構築を進めました。これにより適材適所化が実現し、BPO業務を中心に幅広いサービス案件の受注に繋がりました。

これらの結果、当事業の売上高は10,917百万円(前年同期比8.4%増)、営業利益は1,510百万円(同15.9%増)となりました。

 

⑤ビジネスソリューション事業

IT関連商品の法人向け販売および外資・中堅企業向けを中心としたシステムインテグレーションを主な業務とする当事業は、円安、原材料や物価の高騰など先行き不透明感はあるものの、DXやAIによるデジタル化や生産性の向上、コスト削減、競争力強化に向けた案件が活性化しています。

具体的には、クラウドへのリフト&シフト案件をはじめ、クラウドの利活用案件の増大、更にはマネージドサービスの拡大と、クラウド関連のシステムインテグレーションビジネスを数多く受注しました。

また、RPAやデータ連携ツールを活用した企業のデジタル化に向けたシステム開発、保守運用案件、またセキュリティサービスやサポートサービスについても多くの引き合いがあり、受注が増加しました。

さらにはクライアントビジネスに関しても、Windows10のサポート終了(2025年10月)に伴うリプレース案件が大幅に増加しました。

これらの結果、当事業の売上高は18,066百万円(前年同期比30.2%増)、営業利益は1,566百万円(同43.4%増)となりました。

 

⑥DX&ストック型ビジネス事業

当事業では、ノーコードDXプラットフォーム『Canbus.』を主軸としたサブスクリプションビジネスを推進しております。特定業種向けパッケージや、AIを活用したDX伴走支援サービスを組み合わせることで、お客様の事業成長を強力にサポートしています。

当中間期におきましては、特に大手企業からの『Canbus.』導入に関する引き合いが好調に推移しており、この需要に対応すべく、今後は『Canbus.』の機能強化、並びに開発・サポート体制の強化を一層加速させてまいります。

また、新たな取り組みとして医療業界向けパッケージの受注を開始し、『Canbus.』シリーズのソリューション提供範囲を拡大いたしました。

引き続き、モビリティ業界をはじめとする他分野への展開やアライアンスを含む事業連携を深め、ストック型ビジネスの基盤強化に注力してまいります。

これらの結果、当事業の売上高は1,609百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益は134百万円(同40.2%減)となりました。

 

⑦その他事業

米国子会社では、次世代モビリティ事業と連携して営業活動を拡大させており、車載インフォティメント関連の開発業務を中心に着実に受注が増加しました。完成車メーカーやサプライヤー向けに、米国現地でシステム開発やブリッジSE業務を行い、業務の開発領域を拡大しました。

株式会社GaYaは、PC・スマホ向けゲーム『競馬伝説』シリーズの運営やスマホ・タブレット向けアプリの設計・開発を行なっています。

当中間期はスマホゲーム『競馬伝説PRIDE』においてリリース3周年を記念したキャンペーンとして新たな強化要素「併せ特訓」を実装し、ゲーム内の動向がより活性化するよう推進しました。受託/SES開発では主にゲーム系開発のPMO支援、全体の工数管理、運用保守開発を行なっています。今後はこれまでのゲーム系開発で培ったノウハウをゲーミフィケーション領域等へ展開する取組を推進してまいります。

これらの結果、当事業の売上高は328百万円(前年同期比23.4%減)、営業損失は32百万円(前年同期は営業利益6百万円)となりました。

 

(2)当中間期の財政状態の状況

(資産)

当中間連結会計期間末における総資産は54,157百万円(前期末は51,762百万円)となり、前期末と比較して2,394百万円の増加となりました。流動資産は45,935百万円(前期末は44,184百万円)となり、前期末と比較して1,751百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金2,796百万円の増加、商品821百万円の減少によるものであります。固定資産は8,221百万円(前期末は7,578百万円)となり、前期末と比較して643百万円の増加となりました。有形固定資産は1,417百万円(前期末は1,321百万円)となり、前期末と比較して96百万円の増加となりました。無形固定資産は152百万円(前期末は169百万円)となり、前期末と比較して16百万円の減少となりました。投資その他の資産は6,651百万円(前期末は6,087百万円)となり、前期末と比較して563百万円の増加となりました。

(負債)

負債の合計は17,928百万円(前期末は18,812百万円)となり、前期末と比較して883百万円の減少となりました。これは主に買掛金1,013百万円の減少によるものであります。

 

(純資産)

純資産は36,228百万円(前期末は32,950百万円)となり、前期末と比較して3,278百万円の増加となりました。これは主に親会社株主に帰属する中間純利益5,502百万円、剰余金の配当2,154百万円によるものであります。自己資本比率につきましては、前期末と比較して3.3ポイント上昇し66.0%となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前期末に比べ3,478百万円増加し、24,942百万円となりました。

当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は5,922百万円(前年同期は3,457百万円の獲得)となりました。

この主な増加要因は、税金等調整前中間純利益7,927百万円、棚卸資産の減少額821百万円によるものであり、主な減少要因は、仕入債務の減少額1,013百万円、法人税等の支払額2,009百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は287百万円(前年同期は305百万円の使用)となりました。

この主な減少要因は、有価証券の取得による支出5,446百万円によるものであり、主な増加要因は、有価証券の売却による収入6,152百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は2,157百万円(前年同期は11,541百万円の使用)となりました。

この主な減少要因は、配当金の支払額2,157百万円によるものであります。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額はありません。

なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【重要な契約等】

該当事項はありません。