当中間会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。
また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間会計期間(2024年11月1日~2025年4月30日)における国内人材ビジネスの市場環境は、構造的な人手不足により、特に若手の人材需要が高止まりする中で、新卒採用における早期接触、早期選考が尚一層強まりました。その結果、新卒採用だけではなく、戦略的にキャリア採用・第二新卒採用を取り入れる企業が増加しました。若手求職者においても、終身雇用が当たり前ではなくなり、働き手自身が主体的にキャリアを形成していく機運が高まる中、雇用の流動性が高まり、転職市場はさらに拡大していくと予想されます。特に若い世代は転職を通じたキャリア形成への関心が高く、20代のうちに転職を経験する働き手が増加し、若手転職市場が拡大していくと予想しています。
このような市場環境の中、当社におきましては、20代向け転職サイト「Re就活」が、「20代が選ぶ20代向け転職サイト」6年連続No.1を獲得し、累計登録会員数が2025年1月に260万人を超えるなど、20代からの支持を得ると同時に、前述のとおり戦略的なキャリア採用・第二新卒採用により、新卒入社と同様4月入社へ向けてのニーズを取り込み、2025年4月末段階での売上高は前年同期比125.9%となりました。一方で、新卒採用早期化の影響により、「Re就活キャンパス」の売上高は前年同期比109.6%に、「イベント」の売上高は前年同期比105.2%となりました。その結果、当中間会計期間の全社売上高は43億63百万円(前年同期比108.4%)となりました。
前会計年度より戦略的成長投資を強化しており、当中間会計期間では求職者向けプロモーション強化により売上原価が前年同期比10.4%増加し、生産性向上を目的とした教育研修強化による採用教育費や、システム管理費、販売促進プロモーション費の増加により、販売費及び一般管理費は17.6%増加しました。その結果、当中間会計期間の営業利益は4億65百万円(前年同期比75.7%)となりました。
なお、主たる事業である「就職情報事業」につきましては、次のとおりであります。
当中間会計期間(2024年11月1日~2025年4月30日)におけるキャリア採用(経験者採用)市場では、幅広い業界で若手人材採用ニーズが高止まりしています。また、新卒採用の早期化・難化に伴う戦略的なキャリア採用・第二新卒採用ニーズを取り込みました。若手求職者からも支持を得ており、2025年4月の新規登録会員数は過去最高を記録しました。「Re就活」を介した応募数は当中間会計期間では前年同期比120.9%となり好調に推移しました。その結果、「Re就活」の売上高は11億61百万円(前年同期比125.9%)となりました。
また、基幹Webメディア「Re就活」の登録者数・応募者数の増加は、合同企業セミナー「転職博」や、エージェントサービス「Re就活エージェント」、30代向け転職サービス「Re就活30」に波及していくと見込んでいます。「Re就活エージェント」の当中間会計期間に関しては、紹介単価の上昇により、売上高は3億73百万円(前年同期比116.8%)となりました。
新卒採用市場では、2026年卒業予定者の内々定率は、2025年4月末時点で74.9%(※当社調べ)に達しており、前年の70.1%から早期化が進んでいます。また、早期化に伴い企業は採用方法の見直しや再構築が必要となり難易度が高まっています。企業のインターンシップ、オープン・カンパニー広報活動の山場は大学3年時の夏休み前の活動となっています。そのような中、当社では2025年3月1日に、「あさがくナビインターンシップ&キャリア」を「Re就活キャンパス」にブランドリニューアルしました。今回のリニューアルではブランド戦略と同時に、全学年を対象にした通年採用型のサービスへのリニューアルも行っており、「学年」ではなく「就職活動準備の進捗度」に応じた情報を届け、新卒採用の早期化・難化による影響に対応していきます。当中間会計期間の「Re就活キャンパス(旧あさがくナビ)」の売上高は7億5百万円(前年同期比109.6%)となりました。
「イベント(転職博・就職博など)」に関しましては、上記のとおり新卒採用広報のニーズ早期化に対応する準備を行ってきた結果、2025年4月には新3年生向けの合同企業セミナー「Career Design Forum」を全国主要5都市で開催し、12,805人の来場がありました。特に東京会場では前年比144.9%の来場となるなど、企業と求職者双方にとって価値あるマッチングを生み出すことにより売上増加となり、当中間会計期間の売上高は13億51百万円(前年同期比105.2%)となりました。
以上の結果、当中間会計期間における就職情報事業全体の売上高は42億79百万円(前年同期比109.9%)となりました。
当社では、2024年10月30日に、30代に特化した転職・採用サービス「Re就活30」をローンチしました。また、2025年3月1日に、「あさがくナビ」を「Re就活キャンパス」にブランドリニューアルし、さらに2025年5月には高卒・第二新卒の転職をサポートする「Re就活ユース」をローンチしました。10代~30代の「挑戦したい」という希望を、「実現できる」という自信を、若い世代が仕事を通して掴めるように、これからを担う世代の「キャリアの起点」を支援していきます。「すべての就活に、Respectを。」のスローガンを掲げる「Re就活シリーズ」のサービスを展開することで、「自分らしいキャリアの実現」を応援するとともに、さらなる業績拡大を実現してまいります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べて13億42百万円減少し、25億86百万円(前事業年度比65.8%)となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における営業活動の結果、増加した資金は3億98百万円(前年同期比73.8%)となりました。これは主に、税引前中間純利益が生じたことによる資金の増加6億42百万円、売上債権の減少額3億50百万円による増加、法人税等の支払4億88百万円による減少、賞与引当金の減少額2億12百万円による減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における投資活動の結果、減少した資金は6億72百万円(前年同期は1億2百万円の増加)となりました。これは主に、投資有価証券の売却による収入11億36百万円、投資有価証券の取得による支出9億50百万円、定期預金の預入による支出5億円、無形固定資産の取得による支出3億36百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間会計期間における財務活動の結果、減少した資金は10億68百万円(前年同期比161.3%)となりました。これは、自己株式の取得による支出5億35百万円、配当金の支払による支出5億33百万円によるものです。
(3)財政状態の状況
当中間会計期間末の総資産の残高は、前事業年度末と比べ13億8百万円減少し、154億31百万円となりました。
(流動資産)
当中間会計期間末における流動資産の残高は、前事業年度末と比べ10億74百万円減少し、74億59百万円となりました。これは主に、現金及び預金の減少8億42百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の減少3億50百万円があったことによるものです。
(固定資産)
当中間会計期間末における固定資産の残高は、前事業年度末と比べ2億34百万円減少し、79億71百万円となりました。これは主に、投資有価証券の減少3億15百万円、ソフトウエアの増加2億73百万円、ソフトウエア仮勘定の減少1億25百万円があったことによるものです。
(流動負債)
当中間会計期間末における流動負債の残高は、前事業年度末と比べ6億68百万円減少し、13億61百万円となりました。これは主に、未払法人税等の減少4億12百万円、契約負債の増加3億26百万円、賞与引当金の減少2億12百万円があったことによるものです。
(固定負債)
当中間会計期間末における固定負債の残高は、前事業年度末と比べ41百万円増加し、2億73百万円となりました。これは主に、長期未払費用の増加41百万円があったことによるものです。
(純資産)
当中間会計期間末における純資産の残高は、前事業年度末と比べ6億81百万円減少し、137億96百万円となりました。これは主に、自己株式の増加(純資産は減少)5億18百万円、その他有価証券評価差額金の減少1億2百万円があったことによるものです。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間会計期間において、当社の優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当中間会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。