文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
① 企業理念
当社は、「社会課題に挑戦し新しい価値を創造する」を使命に定めるとともに、この使命を果たす原動力となる大切な価値観として「“なぜ誰も思いつかなかったのか”をカタチに」を掲げ、ユーザーや社会の新しい課題と真剣に向き合う社員の情熱を表現しております。
② 経営方針
上記の理念に基づき、次に掲げる経営方針をもとに事業展開を行います。
一、位置情報その他各種機器から収集・分析されるデータと関連づけた各種情報システムの分野において最先端
の技術と信頼性のある製品、サービスを提供します。
一、技術力・販売力を有する企業との提携、共同展開により新事業の開拓を積極的に進めます。
一、規模の拡大よりも経営資本を有効に活用した効率の高い経営を追求します。
一、法令を遵守し、公正かつ透明性の高い企業経営に努めます。
③ ビジョン
当社は、上記の使命の遂行を通じて目指す姿(ビジョン)として“エッセンシャル カンパニー”を宣言しております。未来の人々が安心して暮らせる社会の実現に向け、新世代のクラウドアプリケーションを多角的に提供することで、時代を変える新しい価値を創造し、“社会に必要不可欠な存在”となる決意を込めております。
(2) 目標とする経営指標
新たな成長軌道に繋げる創造的進化のスタートの3年間と位置づけた中期経営計画に基づき、以下の数値目標を掲げるとともに、新サービスまたはM&A等による更なる成長を目指します。
(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
当社の属する情報サービス産業界においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連の需要が拡大するとともに、テレワークといった働き方の変化に伴うオンラインのコミュニケーションツールの活用が浸透しております。また、当社の主な事業分野である官公庁向けシステムは、従来のオンプレミス環境からクラウド環境への移行が加速するなか、特に防災・防犯に係る行政の高度化の要請は高く、重点施策として予算が確保されております。
当社は、このようなシステムの利用構造や市場環境の変化を捉え、これまでの地理情報システム(GIS事業)で培った独自技術・ノウハウや知見を最大限に活用しつつ、中核となる領域を、地理情報に関連づけた各種クラウドサービス(SaaS)にシフトし、警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全の分野を中心に、サービス利用料や保守料等のストック型収入を増やすという事業構造改革に取り組んでまいりました。
その結果、収益の増大・季節変動の軽減や収益基盤の安定化が一定程度進んだことから、更なる企業価値の向上と持続的な成長の実現を目指し、2022年7月、新たに中期経営計画をスタートしました。新中期経営計画では、既存事業の安定的な拡大を図りつつ新たな成長軌道に繋げることを基本方針とし、事業を通じて持続的な社会の実現に貢献することを意識した施策を示しております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
新中期経営計画の実現に向けた主な重点施策は以下のとおりであります。
① Gov-tech市場の深耕
主力の「NET119緊急通報システム」は、株式会社両備システムズから引き継がれる顧客を中心に、全国普及に向けた残りの地域への導入に引き続き注力します。また、今後の緊急通報の在り方を変える映像ツールとして期待される「Live119」は、2025年5月期に200か所の消防本部を目標として導入を進めるとともに、映像通報の技術を応用した「Live-X」についても、公的な業務の遠隔対応において情報伝達の即時性に効果が期待されており、実証実験による用途拡大を図ります。
そのほか、災害対策本部での情報収集を支援する「DMaCS(災害情報共有サービス)」、警察・消防や自治体が防災・防犯情報を配信するスマートフォンアプリ等、各種システムの積極的な提案や案件開拓にも注力いたします。
② 社会課題解決サービスの創出
近年は通信環境やIoT技術の発展により、モノと情報が接続しながら分析や予知を行うことで社会の新たなニーズに対応することが可能となり、今後は、例えば映像機器やセンサーからの測定情報が防災等の危機管理に重要な役割を担うといわれております。当社の防災・防犯ソリューションについても、こういった次世代のテクノロジーと融合し進化していくため、産官学との連携を一層強化し、新たなサービスの研究・実証実験に取り組みます。
③ 人財基盤の強化
当社が今後も安心安全社会に向けた新しい課題に挑戦し続けるためには、人財の確保と人財の育成が不可欠であります。
IT技術者の採用については、官民のデジタル化推進事業に関する需要の高まりを受け、人数の確保が困難な状況でありますが、採用市場や求職者の動向を注視しつつ、当社における多様な働き方・働きがいを効果的に発信し、IT技術者目線を意識した企業ブランディング向上を図ります。
また、職種・階層に応じた育成カリキュラム・評価プログラムの充実を進め、個々の社員のスキル向上を継続的にフォローアップすることで、クリエイティブ人財の育成強化を図ります。
有価証券報告書に記載した事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても投資家の投資判断上、重要なものであると考えられる事項につきましては、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅するものではありません。
(1) 官公庁等に係る市場動向及びその依存度について
当社のクラウドサービス及びシステム開発の主要顧客は、地方自治体等の官公庁であり、民間は電力会社等のインフラ系事業者等に限られていることから、公共市場への依存度が高い状況となっております。
民間市場の開拓にも努めておりますが、当面は官公庁市場への高い依存度が継続するものと想定されます。そのため、地方自治体の財政状態が新型コロナウイルス感染症対策等により急激に悪化し予算が減額されたり、政府の重点施策の変更により予算配分が変更された場合等は、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定の製品やサービスへの依存度が高いことについて
地理情報システム構築用ソフトウエア(「GeoBase」及び「GeoBase.NET」)のライセンス販売が当事業年度の売上高に占める割合は6%程度まで低下しておりますが、利益面におけるライセンス販売への依存度は未だ高い状態にあります。したがって、当社ライセンスの主要顧客が競合製品に切り換えたり、設備投資の大幅な減額等により受注が急激に減少した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当事業年度において売上高の50.3%を占めるクラウド利用料のうち、当社の主力サービスである「NET119緊急通報システム」の利用料の割合が大きい状態にあります。当社は、警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全等の業務に係る各種クラウドサービスの開発を進めておりますが、当面は特定のサービスへの依存度が高い状態が続くものと思われます。したがって、他社の同様のシステムに切り換えられたり、緊急時における聴覚障害者支援において他の方式のシステムが採用されることとなった場合には、契約数が減少し当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 製品の不具合の発生による影響について
当社は、ISO9001に基づく品質管理基準に従って製品開発や受託開発を行っており、不具合等の発生防止に最大限の注意を払っております。
しかしながら、当社製品の不具合により顧客が損害を被った場合、損害賠償請求を受けたり、当社に対する信頼の低下により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) システム障害について
当社のクラウドサービスは、通信ネットワークを通じてサービスを提供しておりますが、災害や事故により通信ネットワークが切断された場合、サーバー機能が停止した場合、コンピュータウイルスによる被害にあった場合、ソフトウエアに不具合が生じた場合等によりサービスが提供できなくなる可能性があります。
当社は、サーバーを冗長化したり、地理的に複数箇所に分散して配置する等の対策を行っておりますが、これらの障害が発生した場合には、回復のためのコスト負担や当社に対する信頼の低下により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 受託開発業務に係る仕様拡大の影響について
当社の受託開発については、業務仕様に関し、事後的に発注元との認識の違い等が発生する可能性があります。当社は、受注までに発注元と入念に仕様等について打ち合わせを行い、認識の齟齬が発生しないように努めておりますが、万一、齟齬が発生した場合は、発注元との協議の結果、納入後に当社の責任において再開発や補修するための費用が発生し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 競合他社による影響について
当社のクラウドサービスは、防災・防犯関連にターゲットを絞り、先行者メリットを活かしつつ顧客ニーズに合ったサービスを開発することにより優位性を高めております。
また、特許の取得にも積極的に取り組んでいるものの、新規参入の障壁は必ずしも高いものとはいえず、類似したサービスが開発され、価格競争が激化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 小規模組織における管理体制について
当社は、当事業年度末現在、取締役(監査等委員を含む。)7名及び従業員60名と組織としての規模は小さく、内部管理体制もこのような組織の規模に応じたものとなっております。
また、小規模な組織であることから、業務遂行を特定の個人に依存している場合があります。今後、さらなる権限委譲や業務の定型化、代替人員の確保・育成等を進める予定でありますが、特定の役職員の社外流出等により、当社の財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8) 人材の確保について
デジタル化推進の流れを受け、現在、情報サービス業界においてはIT人材の確保が厳しい状況であります。当社は、採用市場や求職者の動向の変化に対応し、オンラインでのインターンシップや会社説明会、直接求職者にアプローチするダイレクトリクルーティング等の多様な募集方法を活用することにより、新卒及び中途採用の応募者の裾野を広げ、優秀な人材の獲得に努めております。
しかしながら、当社が必要な人材の獲得ができなかった場合や優秀な従業員の退職が発生した場合には、製品・サービスの開発や受託開発に遅れが生じることによる売上の未達、人員の採用や教育等に伴う経費の増加等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 知的財産権について
当社は、当社製品の名称について商標登録を行っているほか、独自に開発したシステムについても特許の登録を行っております。
また、当社は、第三者の知的財産権を侵害しないよう留意し、調査を行っておりますが、万一、当社が第三者の知的財産権を侵害した場合には、当該第三者より使用差止及び損害賠償請求等を提起される可能性並びに当該特許使用にかかる対価等の支払い等が発生する可能性があります。このような場合には、当社の経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 個人情報等の取り扱いについて
当社が保有する利用者等の個人情報、特定個人情報及び顧客企業に関する情報の取り扱いについては、2006年12月にプライバシーマーク(Pマーク)を取得、2013年10月に情報セキュリティマネジメントシステム(ISO/IEC27001)を取得し、厳重に社内管理並びに委託先管理を行っております。
しかしながら、不正アクセス者等からの侵入や委託先管理不備により、個人情報等が外部に漏洩し、不正使用される可能性が完全に排除されているとはいえません。また、不正使用等に備え、当社は個人情報漏洩に対応する保険に加入しておりますが、全ての損失が完全に補てんされるとは限りません。
したがって、このような事態が起こった場合には、当社への損害賠償請求や信用の失墜により、当社の経営成績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 新型コロナウイルス感染症に関するリスクについて
当社は、新型コロナウイルスの感染再拡大等による経済活動への影響は、長期化することを懸念しております。
現時点において、当社の事業への影響は軽微であると判断しておりますが、企業活動への影響が継続することにより、主要顧客である地方自治体や電力会社において投資の縮小や取りやめが生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社は、感染拡大防止のために、適宜、テレワークや時差出勤の実施、出張を伴う遠方への営業活動の縮小等の対策を行っておりますが、当社の従業員に感染者が発生し企業活動の停止を余儀なくされることにより、新規受注の減少や顧客と合意した製品・サービスの提供が困難となった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
① 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、緊急事態宣言の解除やワクチン接種の進展、その他各種施策の効果により、経済活動の持ち直しの動きが見られたものの、その後、変異ウイルスによる感染再拡大の懸念やロシアのウクライナへの侵攻による経済への影響等により、景気の先行きは不透明な状況で推移いたしました。
当社の属する情報サービス産業界においては、デジタルトランスフォーメーション(DX)関連の需要が拡大するとともに、テレワークといった働き方の変化に伴うオンラインのコミュニケーションツールの活用が浸透しております。また、当社の主な事業分野である官公庁向けシステムは、従来のオンプレミス環境からクラウド環境への移行が加速するなか、特に防災・防犯に係る行政の高度化の要請は高く、重点施策として予算が確保されております。しかしその一方で、次世代のテクノロジーと融合したサービスの創出に携わるエンジニアの確保と育成が課題となっております。
このような環境において、当社は引き続き、警察・消防・自治体防災・社会インフラ保全の課題解決を実現するシステムの導入拡大に努めました。主力の「NET119緊急通報システム」は全国普及に向け、残りの地域の消防への導入を進めるとともに、今後の成長が期待できる「Live119(映像通報システム)」・「Live-X(映像通話システム)」の積極的な提案を行いました。また、このほか、災害対策本部での情報収集を支援する「DMaCS(災害情報共有サービス)」、自治体や警察が防災・防犯情報を配信するスマートフォンアプリ等、各種システムの積極的な提案にも注力いたしました。
以上の結果、当事業年度の売上高につきましては、ライセンス売上は減少いたしましたが、自治体向けクラウドサービスにおいて既存契約の継続に加え新規契約が積み上がったことから、利用料収入及び初期構築等に係る受託開発売上が増加したことにより、1,222,077千円(前事業年度比9.2%増)となりました。
利益面では、売上高の増加に加えて売上高総利益率が1.3ポイント向上したことにより、営業利益400,595千円(前事業年度比17.9%増)、経常利益404,074千円(前事業年度比17.8%増)、当期純利益283,501千円(前事業年度比19.3%増)となりました。
なお、当社は地理及び位置情報事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しておりますが、品目別の売上構成比は、クラウド利用料が50.3%(前事業年度は46.5%)、受託開発が42.4%(前事業年度は42.3%)、ライセンス販売が6.1%(前事業年度は9.3%)、商品売上が1.2%(前事業年度は1.9%)となっており、品目別の実績は次のとおりであります。
(クラウド利用料)
クラウド利用料につきましては、「NET119緊急通報システム」、「Live119(映像通報システム)」や「DMaCS(災害情報共有サービス)」、自治体や警察が防災・防犯情報を配信するスマートフォンアプリ等の顧客獲得が順調に進み、既存契約の継続に加えて、新規顧客の獲得により契約数が積み上がったため、614,888千円(前事業年度比18.2%増)となりました。
(受託開発)
受託開発につきましては、地理情報システムの受託開発の売上及びクラウドサービスの初期構築や機能追加に係る売上がともに増加したため、売上高は518,047千円(前事業年度比9.3%増)となりました。
(ライセンス販売)
ライセンス販売につきましては、既存顧客から継続して防災関連等のシステム向けの受注がありましたが、前期に大型の受注があった影響により、売上高は75,098千円(前事業年度比28.1%減)となりました。
(商品売上)
商品売上につきましては、受託開発に伴うデジタル地図等の納品を行いましたが、小型の案件が多かったため、14,042千円(前事業年度比32.9%減)となりました。
(資産)
当事業年度末の総資産は2,368,010千円となり、前事業年度末と比較して266,263千円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が246,033千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債は229,265千円となり、前事業年度末と比較して8,926千円増加いたしました。これは主に、未払金が11,659千円、長期前受金が10,520千円増加した一方で、長期未払金が8,375千円、長期前受収益が6,760千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産は2,138,745千円となり、前事業年度末と比較して257,337千円増加いたしました。これは主に、当期純利益の計上等により利益剰余金が245,106千円増加したことによるものであります。
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、投資活動によるキャッシュ・フローが102,668千円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが38,370千円の支出となったものの、営業活動によるキャッシュ・フローが257,071千円の獲得となったため、前事業年度に比べ116,033千円増加し、当事業年度末には730,645千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果獲得した資金は、257,071千円(前事業年度比28,532千円増)となりました。これは主に、法人税等の支払額が124,017千円あったものの、税引前当期純利益が404,074千円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果支出した資金は、102,668千円(前事業年度比8,109千円減)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入が700,000千円、有価証券の償還による収入が30,000千円あった一方で、定期預金の預入による支出が830,000千円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果支出した資金は、38,370千円(前事業年度比6,512千円増)となりました。これは、主に配当金の支払によるものであります。
当社は、地理及び位置情報事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を行っておりません。
当事業年度の生産実績は次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当事業年度の受注状況は次のとおりであります。
(注) 金額は、販売価格によっております。
当事業年度の販売実績を品目別に示すと次のとおりであります。
(注) 前事業年度及び当事業年度の主な相手先別販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとお
りであります。
※ 1 上記の金額は、販売実績の合計額であります。
2 当事業年度の警視庁については、当該割合が100分の10未満のため、記載を省略しております。
経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。当社経営陣は、財務諸表の作成に際して、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積り及び仮定設定を行う必要があります。経営陣は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響に係る仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績の分析
(売上高)
当事業年度の売上高につきましては、防災・防犯等の自治体向けのクラウドサービスにおいて既存契約の継続に加え新規契約が積み上がったことから、1,222,077千円(前事業年度比9.2%増)となりました。
なお、当事業年度における新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であります。
各品目の実績は次のとおりであります。
a.クラウド利用料
クラウド利用料につきましては、「NET119緊急通報システム」、「Live119(映像通報システム)」や「DMaCS(災害情報共有サービス)」、自治体や警察が防災・防犯情報を配信するスマートフォンアプリ等の顧客獲得が順調に進み、既存契約の継続に加えて、新規顧客の獲得により契約数が積み上がったため、614,888千円(前事業年度比18.2%増)となりました。
b.受託開発
受託開発につきましては、地理情報システムの受託開発の売上及びクラウドサービスの初期構築や機能追加に係る売上がともに増加したため、売上高は518,047千円(前事業年度比9.3%増)となりました。
c.ライセンス販売
ライセンス販売につきましては、既存顧客から継続して防災関連等のシステム用のライセンスの受注がありましたが、前期に大型の受注があった影響により、売上高は75,098千円(前事業年度比28.1%減)となりました。
d.商品売上
商品売上につきましては、受託開発に伴うデジタル地図等の納品を行いましたが、小型の案件が多かったため、14,042千円(前事業年度比32.9%減)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、地図等の仕入や外注費等の増加により、403,274千円(前事業年度比19,090千円増)となりました。
売上総利益は、売上高の増加により売上高総利益率が1.3ポイント向上したため、818,803千円(前事業年度比83,714千円増)となりました。
販売費及び一般管理費は、主に人件費の増加により、418,207千円(前事業年度比22,962千円増)となりました。
(営業利益)
販売費及び一般管理費が増加したものの売上総利益が増加したことにより、営業利益400,595千円(前事業年度比60,752千円増)となりました。
(営業外収益)
営業外収益は、受取利息、有価証券利息及び助成金収入等により3,478千円(前事業年度比220千円増)となりました。
(経常利益)
経常利益は404,074千円(前事業年度比60,973千円増)となりました。
(当期純利益)
当期純利益は、283,501千円(前事業年度比45,780千円増)となりました。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおり、市場動向による影響等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しており、これらのリスクの発生を抑え、影響を最小限に抑えるよう適切に対応する所存であります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(流動性と資金の源泉)
当社の所要資金は、主にソフトウエアの製造・販売を行うための投資及び経常の運転資金であり、これらについてはすべて自己資金により対応しております。
当社の当事業年度末の自己資本比率は90.3%であり、充分な流動性を確保しております。次事業年度においては、特記すべき設備投資計画は無く、経常の運転資金については自己資金で賄う予定であります。
(財政状態の分析)
当事業年度における財政状態の状況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」をご参照ください。
(キャッシュ・フローの分析)
資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としております。
なお、当事業年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、上記「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑤ 経営者の経営状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営陣は、現在の事業環境及び入手可能な情報に基づき最善の経営方針を立案するように努めております。
当社が属する情報サービス産業においては、デジタル庁創設が後押しとなり、デジタルトランスフォーメーション(DX)に取り組む自治体や企業が増加し、需要が拡大するものと思われます。また、技術面では、AI、5G等の技術革新により既存の事業環境が激変する可能性があり、ビジネスチャンスが生じる一方で、収益構造の変化や顧客要望の多様化・高度化への対応が求められております。また、デジタル化推進の高まりを受け、IT技術者は慢性的に不足しており、人材の確保と育成が課題となっております。
このような環境下において、当社は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載した各課題への対応を実施することにより、さらなる売上の増大と収益力の向上を目指します。
なお、新型コロナウイルス感染症が当社の経営環境に与える影響は、現時点において軽微なものではありますが、先行きは不透明な部分もあり、継続して注視して参ります。
該当事項はありません。
当事業年度は、地方自治体の業務に対応したクラウドサービスのシステムの開発を行いました。
当事業年度における研究開発費は、