当連結会計年度(平成28年1月1日から平成28年12月31日)におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善が続き、緩やかな回復基調で推移したものの、中国を始めとするアジア新興国等の景気減速懸念、英国のEU離脱による欧州経済の動揺、米国新政権の政策運営の動向などによって、先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが主に関連する住宅産業におきましては、依然として低水準の住宅ローン金利や都市部を中心とした貸家建築需要などを背景に、平成28年(暦年)の新設住宅着工戸数は約96万戸(前期比6.4%増)となりましたが、少子高齢化による将来的な住宅需要の減少や住宅の供給過剰が懸念されており、予断を許さない状況が続いております。
このような事業環境の中、当社グループは、既存事業において安定収益の確保を目的としたサービスラインの拡大及び業務効率化に取り組んでまいりました。一方、新規事業においては、今後の成長分野と位置付けているスマートエネルギー事業における先行投資が平成28年3月末をもって終了し、第2四半期以降は当該先行投資で得られたノウハウを活用した新プロジェクトの早期立ち上げに注力いたしました。
この結果、当連結会計年度の売上高は3,270百万円(前期比4.4%増)、営業利益92百万円(前期は営業損失132百万円)、経常利益401百万円(前期比476.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益308百万円(前期比208.4%増)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
当連結会計年度より、当社グループ内の事業管理区分の変更に伴い、従来「スマートエネルギー」に含まれていた事業の一部を、「設計コンサルティング」及び「カスタマーサポート」に移管しております。
なお、前連結会計年度のセグメント情報については変更後の区分により作成しており、以下の前年同期比較については、変更後のセグメント区分方法に組み替えた数値で比較しております。
設計コンサルティング事業
「住宅設備設計から建築設計への展開」をテーマに建築・エネルギー分野における設計業務の受託活動に注力した結果、売上高は2,233百万円(前期比2.8%増)となりました。また、中国東北部の吉林市に第二の設計拠点を設立したことによる先行投資が発生したものの、増収効果及び円高の進行による中国設計コストの低減により、営業利益は696百万円(前期比9.5%増)となりました。
カスタマーサポート事業
既存得意先における受電件数が堅調に推移するとともに、アウトバウンドサービスの拡充に努めた結果、売上高は843百万円(前期比5.1%増)となりました。また、従業員の習熟度・稼働率向上による業務効率化に努めた結果、営業利益は248百万円(前期比5.2%増)となりました。
スマートエネルギー事業
平成28年4月より家庭向け電力小売りの自由化が開始される中、当社グループがこれまで培ってきた住宅・家庭分野でのノウハウを活かした電力サービス事業の立ち上げ準備を推進した結果、売上高は194百万円(前期比23.5%増)となりました。一方、経済産業省が実施する補助事業に係る先行投資費用が発生したこと等により、営業損失は618百万円(前期は営業損失759百万円)となりました。
なお、当社グループは経済産業省が所管する3件(大規模HEMS情報基盤整備事業、地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業及び那覇市地産地消型スマートコミュニティ構築事業可能性調査)の補助事業に採択されており、当連結会計年度の営業損失のうち370百万円は上記事業に係る費用が発生したことによるものであります。それに伴い、当該補助事業に関連する補助金収入313百万円を営業外収益に計上しております。
また、当該補助事業はいずれも平成28年3月をもって終了したため、第2四半期以降における補助事業に関する費用及び補助金収入は発生しておりません。
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ518百万円増加し、当連結会計年度末残高は1,711百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は802百万円(前連結会計年度は173百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益469百万円及び減価償却費118百万円を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は3百万円(前連結会計年度は136百万円の使用)となりました。これは主として、関係会社株式の売却による収入67百万円及び有形固定資産の取得による支出39百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は259百万円(前連結会計年度は245百万円の使用)となりました。これは主として配当金の支払による支出245百万円及び自己株式の取得による支出13百万円によるものであります。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
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金額(千円) |
前年同期比(%) |
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設計コンサルティング事業 |
給排水設備設計 |
1,616,517 |
102.7 |
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電気設備設計 |
212,102 |
115.0 |
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その他 |
404,784 |
97.8 |
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小計 |
2,233,403 |
102.8 |
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カスタマーサポート事業 |
カスタマーサポートサービス |
843,073 |
105.1 |
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スマートエネルギー事業 |
システム開発受託業務 |
194,000 |
123.5 |
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合計 |
3,270,477 |
104.4 |
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(注) 1 上記の金額に、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引はありません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、次表の金額に、消費税等は含まれておりません。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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パナホーム株式会社 |
436,611 |
13.9 |
469,929 |
14.4 |
平成28年4月より電力小売が全面自由化され、約8兆円の市場が開放されました。既存の電力会社に加えて家庭と接点のあるガス会社、通信会社、鉄道会社などが新規参入し、お得な料金プランや電気とのセット割引で新市場でのシェア獲得を目指しております。平成28年12月末時点で電力会社を切り替えた件数は257万件で、一般家庭向けの電力総契約数の内、約4%の数値となり、いまだ割合では少ない数字となっているものの一定の伸び率を維持しており、今後も新電力への切り替えが進んでゆくものと考えられます。
また、電気料金以外で他社との差異化を図るため、生活関連サービスを打ち出す企業もあり、これまでの業種間の垣根を越えたサービス展開が予想されます。
当社グループがこれまで主力事業と位置付けてきた日本の住宅産業においては、平成28年の新設住宅着工戸数が96万戸となり、2年連続のプラスになりました。その中でも賃貸住宅が前年比1割増の42万戸で全体の伸びをけん引し、平成20年以来の高い水準となりました。一方で持ち家及び分譲住宅は54万戸台に留まり、新設住宅に占める賃貸住宅の割合が4割を超え、その結果、地域によってはアパートの空室率が急上昇し供給過剰感が高まっております。
一方、中国国内では、経済成長の鈍化が鮮明になり、分譲マンションの販売不振、新規開発物件の凍結が実体経済にも影響を及ぼす状況になってまいりました。また、円の先安感と人件費の高騰により、中国国内での生産コストの上昇も経営を圧迫する要因の1つになっております。
当社グループではこれらの課題を解決すべく、これまでの既存事業の強みを新規の電力サービス事業と融合させることで、相互補完しながら持続的な事業成長を目指してまいります。
1.既存事業に対する取り組み(設備設計サービスとカスタマーサポートサービス)
我が国も地球温暖化防止の世界的な枠組みであるパリ協定に批准し、2030年に向けて家庭分野でもCO2削減に取り組むことになりました。これにより、まずは2020年までに新築住宅に占めるZEH(ゼロエネルギーハウス)の比率を50%超にする政府方針が発表されております。
当社グループのプラットホームカンパニーが担当する設計サービスでは、給排水設備や電気設備設計の他に、住宅用太陽光パネルや蓄電池の設計、省エネ計算やHEMS計画など、ZEH向けの設計サービスを住宅会社に提供しておりますので、今後はZEH分野の設備設計サービスを強化し、地球温暖化という社会問題の解決に貢献してまいります。
また、プラットホームカンパニーが提供するカスタマーサポートサービスでは、ゼロエネルギーハウスの普及に伴い、太陽光パネルや蓄電池、HEMSといった高機能設備機器の設置が増加し、住宅の高度化が進むことが予想されます。それに合わせ、アフターメンテナンスの難易度も高まるため、住まいのメンテナンス全般をサポートするカスタマーサポートサービス体制を充実させ、お客様の暮らしを支えるサービスが提供できるよう努めてまいります。
2.新規事業に対する取り組み(電力サービス)
平成28年4月の電力自由化に加え、今年の4月からは都市ガスの小売りも自由化されることになり、これにより電力とガスの一体販売が可能になることから大手の電力会社と都市ガス会社の間で販売競争の激化が予想されます。
電力とガスの小売が自由化されますと、電力・ガス販売に合わせて様々なサービスが提供されるようになります。当社グループでは、これまで培ってきた住宅・家庭分野でのノウハウや経営基盤を最大限活用し、当社グループ独自の省エネサービスを住宅会社や電力・ガス会社に提供してまいります。
電力やガス、水といったエネルギーは、国民生活の基盤を形成するうえで欠くことのできないインフラであり、暮らしの中では無くてはならない大切な社会基盤です。当社グループでは多くの企業と連携して、国民生活に直結する電力サービスを提供してまいります。
3.中国市場に対する取り組み(広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司)
平成23年に香港市場に上場している中国最大の住設管材メーカーであるCHINA LIANSU GROUPと共同で、広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司を設立しております。当社グループでは、中国のストックマンションに対して日本で培ったアフターメンテナンスサービスを展開することで水回りや家電のメンテナンス事業を普及させるべく、CHINA LIANSU GROUPのネットワークを通じて積極的に事業展開を行っております。
4.中国拠点への対応
近年中国の都市部では、人件費の先高観が強まっており当社グループの中国設計拠点(広東省シンセン市)の経営にも影響を及ぼしております。これらを踏まえ、コスト競争力の強化を図るため、中国東北部の吉林市に第二の設計拠点を設け、人件費の上昇が緩やかな地方での設計オペレーションを増加させてまいります。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。
なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意下さい。
現在のところ、当社グループの事業と直接競合する他社の存在は認識しておりません。しかし、将来において競合他社が発生する可能性は否定できず、競合した際には単価の下落や受注率の低下により収益は圧迫される可能性があります。
当社グループとしては、これらを考慮して次の課題に対処する必要があると考えておりますが、以下の課題に対して十分な対処ができない場合には、当社グループの収益に影響を及ぼす可能性があります。
1.海外子会社(艾博科建築設備設計(深圳)有限公司)への設計委託によるコスト競争力の強化
2.CAD・積算システム等のソフトウェア強化による作業効率の向上
3.アライアンス先の住設機器・部材メーカー等との連携強化によるコンサルティング力の強化及びサービスラインの拡大
4.当社ブランド価値の向上による低層住宅設備市場での確固たるポジションの確保
当社グループの販売実績に対し、10%を超える販売先は次のとおりであります。下記販売先の経営戦略や業績等が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成27年1月1日 至 平成27年12月31日) |
当連結会計年度 (自 平成28年1月1日 至 平成28年12月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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パナホーム株式会社 |
436,611 |
13.9 |
469,929 |
14.4 |
当社グループは中国において生産(設計)活動を行っており、今後は販売活動も実施することを検討しております。中国は発展著しい国である一方で、次のリスクが潜在しております。
1.為替政策による為替レートの大幅な変動
2.人件費・物価等の大幅な上昇
3.ストライキ等による生産活動への支障
4.その他の経済的、社会的及び政治的リスク
これらは、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業推進者は、代表取締役グループCEOの岩崎辰之であります。同氏は、創業以来当社グループの代表を務めており、当連結会計年度末現在、発行済株式総数の27.19%を所有する大株主であります。同氏は、経営方針や戦略の決定をはじめ、営業・技術の各方面の事業推進において重要な役割を果たしております。
このため、当社グループでは幹部候補者の採用活動や育成活動等により、過度に同氏に依存しない経営体制の構築を推し進めておりますが、現時点で同氏が業務の継続を行えないような事態となった場合、当社グループの業績その他に重要な影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表作成に当たりまして、当社グループの経営陣は連結決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数値についての判断の基礎としております。見積りには特有の不確実性が存在するため、実際の結果とは異なる場合があります。
流動資産は前連結会計年度末に比べて5.2%増加し、2,752百万円となりました。これは主として現金及び預金が503百万円増加したこと及び前払費用が201百万円減少したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて10.7%減少し、632百万円となりました。これは主として無形固定資産が34百万円減少したこと及び関係会社株式が18百万円減少したことによるものです。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて23.9%増加し、436百万円となりました。これは主として未払法人税等が84百万円増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて25.0%減少し、33百万円となりました。これは主として繰延税金負債が7百万円減少したことによるものです。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて0.5%減少し、2,915百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益(308百万円)の計上による増加及び配当金による取崩し(245百万円)に伴い利益剰余金が62百万円増加したこと、及び為替換算調整勘定が58百万円減少したこと等によるものです。
「第2 事業の状況 1.業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当連結会計年度の売上高は3,270百万円(前期比4.4%増)となりました。
設計コンサルティング事業の売上高は2,233百万円(前期比2.8%増)となりました。「住宅設備設計から建築設計への展開」をテーマに建築・エネルギー分野における設計業務の受託活動に注力した結果、受託件数が増加したことによります。
カスタマーサポート事業の売上高は843百万円(前期比5.1%増)となりました。これは、既存得意先における受電件数の増加及びアウトバウンドサービスの拡大により、受託が堅調に推移したことが主たる要因であります。
スマートエネルギー事業の売上高は194百万円(前期比23.5%増)となりました。
当連結会計年度の営業費用は3,178百万円(前期比2.6%減)となりました。
設計コンサルティング事業の営業費用は1,536百万円(前期比0.0%増)となりました。物価上昇及び人件費高騰の影響により中国(シンセン)における設計コストが増加した一方で、中国第2の設計拠点(吉林)を立上げることにより設計コストを抑制した影響により営業費用は前期と同水準となりました。
カスタマーサポート事業の営業費用は594百万円(前期比5.1%増)となりました。業務品質の向上及び今後の受託拡大を見据えて人員を増強したことにより、営業費用が増加しております。
スマートエネルギー事業の営業費用は、経済産業省が実施する補助事業に係る先行投資費用が発生したこと等により、812百万円(前期比11.4%減)となりました。当社グループは経済産業省が所管する3件(大規模HEMS情報基盤整備事業、地産地消型再生可能エネルギー面的利用等推進事業及び那覇市地産地消型スマートコミュニティ構築事業可能性調査)の補助事業に採択されており、当連結会計年度の営業損失のうち370百万円は上記事業に係る費用が発生したことによるものであります。なお、当該補助事業はいずれも平成28年3月をもって終了したため、第2四半期以降における補助事業に関する費用及び補助金収入は発生しておりません。
各報告セグメントに配分していない全社費用は234百万円となりました。
当連結会計年度の営業利益は92百万円(前期は132百万円の営業損失)となりました。
設計コンサルティング事業の営業利益は696百万円(前期比9.5%増)となりました。
カスタマーサポート事業の営業利益は248百万円(前期比5.2%増)となりました。
スマートエネルギー事業の営業損失は618百万円(前期は759百万円の営業損失)となりました。
当連結会計年度の営業外収益は324百万円となりました。補助金収入313百万円が発生しております。
一方、当連結会計年度の営業外費用は15百万円となりました。為替差損8百万円及び持分法による投資損失6百万円が発生しております。
当連結会計年度の経常利益は401百万円(前期比476.0%増)となりました。
当連結会計年度の特別利益は68百万円となりました。関係会社株式売却益38百万円及び持分変動利益30百万円が発生しております。
一方、当連結会計年度の特別損失は0百万円となりました。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は469百万円(前期比365.2%増)となりました。
(法人税等)
当連結会計年度の法人税等は161百万円となり、法人税等の負担率は34.4%となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益308百万円(前期比208.4%増)となりました。