文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、1990年の設立以来、住宅設備の工業化を掲げ、設備工事の生産性、品質向上に資するサービスを数多く提供してまいりました。住宅設備に関連するコンサルティングをはじめ、設備工法・部材の企画開発、ソフトウェア・システム開発から物件ごとの設備設計、家歴管理、アフターメンテナンスを24時間365日受付けるコールセンターまで、一気通貫でサービスを提供しております。
今後、当社グループではスマートエネルギーサービスを21世紀の成長分野と位置付けており、これまで培ってきた住宅設備のノウハウを活かし、太陽光発電、HEMS、蓄電池などに係わるシステム開発や設計、アプリケーションサービスなど、省エネルギーや節電、スマートハウスに係わる各種サービスを手掛けてまいります。
また、高度経済成長が続く中国では、建築工事の効率化や建設廃材の低減が喫緊の課題であり、弊社が日本で取り組んできた建築工事の工業化ノウハウを、中国の合弁会社を通じ提供することで、中国における住宅産業の近代化に寄与していく所存です。
当社グループは、目標とする経営指標としてROE(自己資本当期純利益率)を掲げております。今後、人々の住まいと暮らしを支える住宅・エネルギー分野のインフラ事業を目指すことで持続的な利益成長を実現しつつ、株主資本を有効活用(配当及び自社株買いによる株主還元を含む)することにより、継続的にROE15%以上を確保すべく努めてまいります。
当社グループにおける中長期的な経営戦略は以下のとおりです。
1.TEPCOホームテック株式会社との協業
2.AI設計の導入による抜本的なビジネスモデル改革
3.新たなプロジェクトへの挑戦による事業成長
4.中国市場に対する取り組み(広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司)
上記の中長期戦略に関する課題と対策につきましては、(4)会社の経営環境及び対処すべき課題をご参照下さい。
[当社グループを取り巻く外部環境]
2016年4月より電力小売りが全面自由化されて以降、一般家庭が自由化前の電力会社から新たに参入した新電力会社に切り替えた件数が2018年9月時点で約1,284万件に達し、切り替え率としては20.5%に到達しました。地域については大都市部を中心に切り替えが進んでおります。
一方で、2017年4月よりガスの小売りも全面自由化され、一般家庭が自由化前のガス会社から新たに参入した新ガス会社に切り替えた件数は、2018年12月末時点で約170万件に達しました。
自由化後の都市ガス販売の特徴は、主に大手の電力小売会社と都市ガス小売会社が、電気とガスのセット販売を行っており、セット販売による価格優位性で家庭向けのシェア獲得を競っております。
このような価格競争はしばらく継続されることが予想され、電力とガス会社の切り替えが更に加速していくものと考えられます。
そうした事業環境の中、電気やガスの料金プラン以外で他社との差異化を図るため、家庭との接点強化を図るサービスを打ち出す企業もあり、これまでの業種間の垣根を越えたサービス展開も見受けられます。
そして、当社グループがこれまで主力事業と位置付けてきた日本の住宅産業においては、2018年の新設住宅着工戸数が約94万戸となり、前年比マイナス2.3%になりました。その中でも持家住宅が前年比0.5%減の約28万戸で、貸家では5.6%減の約39万戸となりました。
2019年は消費増税による駆け込み需要も予測されますが、少子高齢化の影響もあり、中長期的には新設住宅着工の減少が続くものと思われます。
このように国内の新築住宅市場の鈍化が見込まれる中、住宅会社や製品メーカーはリフォーム市場の開拓に勢力を傾け始めており、リフォーム需要の獲得につながる新たなサービスの普及も進むものと考えられます。
一方、中国国内では、投資用不動産から居住用不動産への転換を図るため、保証型住宅(低価格)の普及促進や建築工事に係る環境対策面から工業化住宅の採用を後押しする政策が打ち出されました。2018年2月には工業化住宅に関するガイドラインや規格も発表され、工業化住宅の普及が加速し始めております。
当社グループではこれらの課題に対応すべく、これまでの住宅領域での強みを活かしながら、国内の電力会社や中国の合弁会社と連携して持続的な事業成長を目指してまいります。
[1.TEPCOホームテック株式会社との協業]
2017年8月に東京電力エナジーパートナー株式会社(以下、東京電力EPという。)と当社との合弁で設立したTEPCOホームテック株式会社(以下、TEPCOホームテックという。)は、現在、省エネ事業とメンテナンス事業を運営しております。
省エネ事業につきましては、2018年5月より電力グループ会社ならではの看板商品である「エネカリ」を市場投入し、全国で「エネカリ」の販売活動を強化しております。
この「エネカリ」は、省エネ機器(エコキュートや太陽光パネル、蓄電池、電気自動車の充電設備など)を初期費用ゼロ円で設置でき、電気料金とセットで「エネカリ」の利用料をお支払いただくモデルです。
これまで省エネ機器を設置する際には、お客さまが省エネ機器を購入しておりましたが、「エネカリ」は省エネ機器を購入せず、利用料の支払いで省エネ機器を使える点が特徴です。このため、お客さまは金銭的負担感が和らぎ、省エネ機器交換への障壁を取り除くことが可能になります。この「エネカリ」に参画する省エネ機器の製品メーカーや販売代理店も増加傾向にあり、2019年は各製品メーカーの販売網を活用して、全国で「エネカリ」の販売を行ってまいります。
一方、メンテナンス事業につきましては、水回りや電気周りの修理を24時間365日で受付け、修理サービスを行うTEPCOメンテナンスセンターを2018年5月に開設いたしました。
2018年12月末時点では、1か月に1,500件以上の修理に関する問合せが入るようになり、順調な立ち上がりと感じております。
TEPCOメンテナンスセンターの事業目的は、1つはお客さまとの接点強化にあります。
これまで東京電力EPとお客さまとの関係は電力小売契約のみであり、お客さまとの接点が希薄なことから、お客さまの暮らしをサポートできるサービスが提供できていなかった点が挙げられます。
TEPCOメンテナンスセンターが提供する水回りや電気周りの修理サービスを提供することで、お客さまとの接点強化を図り、修理サービスに加え、電力やガス販売でもお役立ちできる企業を目指したいという思いが込められております。
2つ目は、修理サービスを通じた省エネ機器への交換にあります。
TEPCOメンテナンスセンターへの修理依頼の中で特に多いのは、給湯器や床暖房、エアコンなどの省エネ機器に係る修理です。
このような省エネ機器は10年から15年程度使用すると修理頻度が上昇し、機器交換の時期を迎えます。TEPCOメンテナンスセンターでは、このような省エネ機器の修理の際に、最新の省エネ機器を初期費用ゼロ円で交換できる「エネカリ」を提案し、お客さまへ光熱費削減のサポートを行っております。
[2.AI設計の導入による抜本的なビジネスモデル改革]
当社グループのコア事業である設計コンサルティング事業は、少子高齢化の影響で新築住宅着工戸数が先細り、今後は厳しい経営環境が予想されております。
2018年の具体的な取り組みとしては、AI設計システムの開発に着手いたしました。
当社グループでは、過去に設備設計を行った設計のビッグデータが100万戸を超えており、この経営資源である設計ビッグデータとAIを組み合わせることで、類似設計図面の抽出による設計業務の短縮や自動設計・自動検図など、コスト削減につながる抜本的な業務効率化に取り組んでおります。
一方で、AI設計システムを実務レベルに落とし込み、実用化するには一定の期間が必要なことから、コスト競争力の強化と人財の安定化を目的に、中国の深圳CADセンターでの設計業務を吉林CADセンターへ移管するプロジェクトも開始しております。
更にAI設計のレベル1段階では、間取りが近似しており戸数も多い、賃貸住宅向けの設備設計や同じく賃貸住宅向けの構造設計を対象とすることで、業務の効率化メリットが大きい分野に集中して取り組んでまいります。既に2018年下期から着手しており、2019年には吉林CADセンターへの設計業務の移管を完了させる予定でおります。
これにより中国の人件費上昇による設計コストの抑制を図りながら、AI設計システムによる抜本的なビジネスモデルの改革につなげてまいります。
[3.新たなプロジェクトへの挑戦による事業成長]
1.商業店舗プロジェクトへの挑戦
これまでエプコグループでは低層住宅分野(戸建住宅やアパート)を中心に事業展開を行ってきましたが、同じ建築分野でも手掛けてこなかった商業店舗分野の設計サービスに挑戦してまいります。
当社の強みの1つとして、設計に携わる社員が日本と中国を合わせて約450名在籍している点が挙げられます。当該強みを活かして商業店舗の設計実績を蓄積することで、全国展開する大手小売企業の店舗プレファブ化に貢献していきたいと考えております。
2.BIM設計プロジェクトへの挑戦
アメリカや中国で採用が進んでいる最先端の設計ソフトウェアであるBIM(Building Information Modeling)を活用した、中高層住宅分野の設計サービスに挑戦してまいります。これまでエプコグループでは設備を主軸に設計サービスを展開してきましたが、BIM設計では建築・設備全体の設計サービスを提供してまいります。
このBIM設計の特徴は、建築工程全体の情報を作りだし、営業から設計、部品生産、施工、維持管理まで、建築工程に係る全職種が一気通貫で建築情報を共有できることにあります。これにより建築工期の短縮、工事品質の向上、コスト低減などが図れることから、今後、基幹的な設計手法となると考えます。
そして中国の深圳CADセンターをBIMセンターへ転換して、日本及び中国において中高層住宅分野のBIM設計を受託する体制を構築してまいります。
[4.中国市場に対する取り組み(広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司)]
中国では、中央政府が国家標準であるプレファブ式建築評価標準を公表し、2018年2月から施行されました。
この中央政府の法制化を受けて、中国全土で工業化住宅による建築が加速しております。地方政府も不動産開発会社への指導を強化しており、具体的には不動産開発を行う際に、工業化住宅の採用割合を一定数以上にするよう義務付けを始めております。
この結果、構造躯体についてはプレキャストコンクリート工法や鋼製型枠工法の採用が増加しており、今後はユニットバスやシステムキッチンなどの住宅設備も工業化製品の使用頻度が高まってくるものと予想されます。
当社グループでは、香港市場に上場している中国最大の住設管材メーカーであるCHINA LESSO GROUPと共同で、合弁会社である広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司を2011年に設立しております。CHINA LESSO GROUPの強みは、システムキッチンなどの住設機器の製造や販売ネットワークを中国全土に持っており、中国での工業化住宅の普及は自社製品の販売増加にもつながることから、千載一遇の好機と捉えております。
一方で、中央政府からはBIM設計の導入目標も発表されており、工業化住宅とBIM設計をセットで普及させる方針が示されております。
エプコグループとしては、深圳BIMセンターを早期に立ち上げ、中国の中高層住宅向けBIM設計を受託できる体制を構築してまいります。
当社グループの事業その他に関するリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであり、潜在的リスクや不確定要因はこれらに限られるものではありませんのでご留意下さい。
(1)住宅市場の動向に関するリスク
当社グループの事業は主たる得意先が住宅会社であることから、住宅市場の動向が当社グループの受託状況に影響を及ぼします。住宅市場は、景気、金利、地価等の動向、雇用環境、税制及び補助金等、様々な変動による影響を受けます。特に、大幅な金利上昇、雇用環境の変化等により、施主様の住宅購買意欲が減退し、当社の得意先である住宅会社の受注が大幅に減少した場合、当社グループの業績にも影響を及ぼす可能性があります。
(2)法的規制に関するリスク
当社グループの得意先・取引先は、主に住宅・建設業界の事業者が中心であり、建築基準法、建築士法、電気事業法、特定商取引法など関連する各種法令により規制を受けております。これらの法規制は当社の業務を直接的に規制するものではありませんが、当社が取引を行うに当たり当該法規制を把握することが必要であります。
そのため、将来においてこれらの法的規制の強化や新たな規制の制定が行われた場合には、当社グループの事業活動が制限される可能性や、これらの規制を遵守するための費用増加につながる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(3)知的財産権に関するリスク
当社グループは、現時点において、当社グループの事業活動に影響を及ぼすような特許権、商標権その他知的財産権が第三者によって取得されているという事実は確認しておりません。しかしながら、将来の当社の事業活動に関連して、第三者が知的財産権の侵害を主張し、当社の事業が差し止められたり、損害賠償など金銭的な負担を余儀なくされた場合、または第三者の知的財産権につき実施許諾が必要となりロイヤリティの支払いが発生したり、あるいは実施許諾が得られない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(4)海外における事業リスク
当社グループにおける中国の子会社である艾博科建築設備設計 (深圳)有限公司、艾博科建築設備設計 (吉林)有限公司は、日本の得意先向けに設計図面を作図する生産拠点(CADセンター)として重要な位置を占めております。また、中国及びその他海外市場での事業拡大を図るべく、様々な取り組みを進める方針です。
海外事業の展開にあたっては、①当社グループにとって悪影響を及ぼす法律の改正、規制の強化、②テロ・戦争の勃発、伝染病の流行等による社会的・経済的混乱、③物価水準の上昇による現地人件費等の増加、等のリスクが内在しており、これらのリスクが顕在化した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)外国為替相場の変動に関するリスク
当社グループにおいては、外貨建(人民元及び香港ドル)取引による収入及び支出が発生しており、またそれに伴う外貨建て資産及び負債を有しております。外国為替相場の変動による影響を極力低減するため、必要な範囲で為替予約取引を利用したリスクヘッジを実施しておりますが、外国為替相場が急激に変動した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)人材の確保に関するリスク
当社グループにおける主力事業である設計コンサルティング事業及びカスタマーサポート事業は日本(東京・沖縄)及び中国(深セン・吉林)にて多数のオペレーターを抱える労働集約的な事業であることから、人材の確保・育成が重要な課題であると認識しております。そのため、当社グループでは、新卒・中途採用共に多様な採用活動を実施し、人材の確保に努めると共に、入社後は各階層及び各職種に応じた教育研修の整備に努めておりますが、必要な人材を確保・育成できない場合には、当社グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
また、日本(東京・沖縄)及び中国(深セン・吉林)において人件費が上昇した場合、当社グループの業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、当社グループでは業務の生産性向上を目的として業務プロセスの見直し及び作業の自動化や効率化を実現する情報システムの開発を継続的に実施しております。しかしながら、当社グループの対応よりも急激に人件費が上昇した場合、当社の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)新規事業への参入に関するリスク
当社グループは、今後も持続的な成長と収益源の多様化を進めるために、日本国内及び海外において新規事業の創出と育成を積極的に推進する方針です。しかしながら、新規事業を開始した際には、その事業固有のリスク要因が加わると共に、新規事業を遂行していく過程では、急激な事業環境の変化をはじめとして様々な予測困難なリスクが発生する可能性があります。その結果、当初の事業計画を達成できない場合は、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。
(8)持分法投資損益による業績変動に関するリスク
当社グループでは、戦略的業務提携の一環として大手企業との間で合弁事業を行っており、現在の持分法適用会社としては、TEPCOホームテック株式会社、広東聯塑艾博科住宅設備設計服務有限公司、深圳艾科築業工程技術有限公司の3社があります。各社は各々の事業に関する方針のもとで経営を行っており、これらの持分法適用会社の業績・財政状態の悪化により、当社グループの業績・財政状態が悪影響を受ける可能性があります。
(9)情報システムに関するリスク
当社グループのサービスは、インターネット接続環境及び社内外のコンピューターネットワーク等のインフラが良好に稼動することに依存しております。事業の安定的な運用のために、システムの重要度に応じて、コンピュータ機器・通信回線の二重化やバックアップ取得等の安全対策を実施し、またネットワーク機器の導入やウィルス対応などの各種セキュリティ対策を行っております。特に、多数の施主様の情報をお預かりしているカスタマーサポート事業では、当社の情報資産を安全に管理するため、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)を整備しており、国際規格であるJIS Q 27001:2014(ISO/IEC 27001:2013)の認証を取得しております。
しかしながら、機器やソフトウェアの不具合、人為的ミス、回線障害、コンピュータウィルス、クラッカー等による悪意の妨害行為、あるいは、停電、自然災害によるシステム障害など、その障害等の程度によっては当社の対策が有効に機能しない可能性があり、その場合には、当社グループの業務運営、財政状態及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)個人情報管理に関するリスク
当社グループでは、事業の性質上、得意先から多数の施主様の個人情報をお預かりし、その情報を得意先と共有し、有効活用することで事業運営を行っております。個人情報の漏洩や不正使用を防止するため、安全対策に関するルールを定め、適正な情報管理を行うための体制を整え、全社員を対象とした教育・研修を継続的に実施することにより、厳格な情報管理を徹底しております。
その結果、当社の個人情報マネジメントシステムはプライバシーマーク(JIS Q 15001)の認証を取得しており、個人情報の取扱いには留意しておりますが、万が一これらの情報の漏洩や不正使用などの事態が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11)自然災害等に関するリスク
地震、大雨、洪水などの自然災害・異常気象や、インフルエンザ等の感染症、大規模事故、テロ・暴動、その他予期せぬ事態が発生した場合、当社グループの社員・事業所・設備やシステムなどに対する被害が発生し、当社グループの業務運営に支障が生じる可能性があります。
そのため、当社では、災害対策マニュアルの策定、基幹業務に対する事業継続計画の策定、建物・設備・システム等の耐震対策(データ等のバックアップを含む)、防災訓練、必要物資の備蓄、国内外の拠点や関係会社との連携・情報共有などの対策を講じて、各種災害に備えています。ただし、全ての被害や影響を回避できるとは限らず、このような事象の発生時には当社の業務運営、財政状況及び業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2018年1月1日から2018年12月31日)におけるわが国経済は、政府の諸政策を背景に企業収益や雇用・所得環境が改善し緩やかな回復基調で推移したものの、米国の通商政策に伴う海外経済の不確実性や国際金融資本市場の変動など、先行き不透明な状況にあります。
当社グループが主に関連する住宅業界におきましては、低金利水準の住宅ローンや政府による住宅支援策が継続されているものの、2018年(暦年)における新設住宅着工戸数が約94万戸(前年比2.3%減)、持家住宅の着工戸数が約28万戸(前年比0.5%減)と昨年に続いて減少傾向にあり、今後についても予断を許さない状況にあると認識しております。
このような事業環境の中、当社グループは、新設住宅着工の増減に左右されることなく安定的な成長を果たすため、新築時の設計から引き渡し後のメンテナンス、リフォームまで住宅のライフサイクル全体に対してサービス提供を行う事業モデルの確立に注力しております。既存事業においては、サービスラインの拡大及び業務の効率化を通じてさらなる利益増加に努め、新規事業においては、2017年8月に東京電力エナジーパートナー株式会社と共同出資した合弁会社であるTEPCOホームテック株式会社を通じてリフォーム分野に新規参入することで、当社グループにおける成長機会の拡大に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は3,899百万円(前期比13.4%増)、営業利益578百万円(前期比4.2%増)、経常利益468百万円(前期比8.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益289百万円(前期比17.7%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
設計コンサルティング事業
建築・エネルギー分野における設計業務の受託活動に注力し、設計受託のサービスラインの拡充を図った結果、売上高は2,457百万円(前期比5.8%増)となりました。一方、中国設計拠点(深セン・吉林)における設計コストの増加(業務移管に伴う人員の増員及び人件費水準の上昇)及び日本の設計拠点(東京・沖縄)での将来の受託増加を見据えた人員の増員による人件費増加により、営業利益は730百万円(前期比1.6%増)となりました。
カスタマーサポート事業
既存得意先における預かり顧客数の増加により受電件数が堅調に推移し、また、省エネリフォーム事業に付随するアウトバウンド業務等が増加した結果、売上高は1,114百万円(前期比25.8%増)となりました。一方、前期において将来の受託増加を見据えた人員の増員等による人件費の増加及び執務スペースの拡張に伴う地代家賃等の増加により、営業利益は264百万円(前期比7.3%増)となりました。
スマートエネルギー事業
継続収入である電力需給・顧客管理システム利用サービスの提供による収益が増加傾向にあり、それに伴うシステム受託開発売上も連動して増加した結果、売上高は327百万円(前期比42.8%増)となりました。当該受託増加に対して、システム開発及び保守費用の増加抑制に努めた結果、営業損失は66百万円(前期は営業損失119百万円)となり、前期と比較して52百万円の利益改善となりました。
② 資産、負債及び純資産の状況
流動資産は前連結会計年度末に比べて7.3%減少し、2,513百万円となりました。これは主として、受取手形及び売掛金が55百万円増加した一方で、現金及び預金が312百万円減少したことによるものです。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて49.0%増加し、1,222百万円となりました。これは主として沖縄オフィス移転に伴い有形固定資産が207百万円増加し、またTEPCOホームテック株式会社への追加出資により関係会社株式が97百万円増加したことによるものです。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて40.1%増加し、720百万円となりました。これは主として沖縄オフィス移転に伴い未払金が221百万円増加したことによるものです。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて34.1%減少し、14百万円となりました。これは主として繰延税金負債が4百万円減少したことによるものです。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて0.2%増加し、3,001百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益(289百万円)を計上した一方で、配当金による取崩し(245百万円)の計上に伴い利益剰余金が44百万円増加したこと等によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ233百万円減少し、当連結会計年度末残高は1,398百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は423百万円(前連結会計年度は521百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益457百万円、減価償却費140百万円及び持分法による投資損失109百万円を計上する一方で、法人税等の支払額が234百万円発生したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は395百万円(前連結会計年度は362百万円の支出)となりました。これは主として、関係会社株式(TEPCOホームテック㈱)の取得による支出220百万円、有形固定資産の取得による支出71百万円及び無形固定資産の取得による支出85百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は244百万円(前連結会計年度は244百万円の支出)となりました。これは配当金の支払による支出244百万円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、受注生産形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額に、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引はありません。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、次表の金額に、消費税等は含まれておりません。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。この連結財務諸表作成に当たりまして、当社グループの経営陣は連結決算日における資産・負債の数値及び偶発債務の開示並びに連結会計年度における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行っております。また、経営陣は過去の実績や状況に応じ、合理的妥当性を有する要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数値についての判断の基礎としております。見積りには特有の不確実性が存在するため、実際の結果とは異なる場合があります。
当連結会計年度の売上高は3,899百万円(前期比13.4%増)となりました。
設計コンサルティング事業の売上高は、建築・エネルギー分野における設計業務の受託活動に注力し、設計受託のサービスラインの拡充を図った結果、2,457百万円(前期比5.8%増)となりました。
カスタマーサポート事業の売上高は、既存得意先における預かり顧客数の増加により受電件数が堅調に推移し、また、省エネリフォーム事業に付随するアウトバウンド業務等が増加した結果、1,114百万円(前期比25.8%増)となりました。
スマートエネルギー事業の売上高は、継続収入である電力需給・顧客管理システム利用サービスの提供による収益が増加傾向にあり、それに伴うシステム受託開発売上も連動して増加した結果、327百万円(前期比42.8%増)となりました。
当連結会計年度の営業費用は3,320百万円(前期比15.2%増)となりました。
設計コンサルティング事業の営業費用は1,727百万円(前期比7.7%増)となりました。サービスラインの拡大に対応するべく人員の拡充を行い、また、中国・吉林市に設立した第二の設計拠点への業務移管を進める中で、中国設計スタッフを一時的に増員した結果、営業費用が増加しております。
カスタマーサポート事業の営業費用は849百万円(前期比33.0%増)となりました。前期における将来の受託増加を見据えた人員の増員等による人件費の増加及び執務スペースの拡張に伴う地代家賃等の増加により、営業費用が増加しております。
スマートエネルギー事業の営業費用は、受注開発案件の増加に対応するため外注費が増加したことにより、393百万円(前期比12.9%増)となりました。
各報告セグメントに配分していない全社費用は349百万円となりました。
当連結会計年度の営業利益は578百万円(前期比4.2%増)となりました。
設計コンサルティング事業の営業利益は730百万円(前期比1.6%増)となりました。
カスタマーサポート事業の営業利益は264百万円(前期比7.3%増)となりました。
スマートエネルギー事業の営業損失は66百万円(前期は119百万円の営業損失)となりました。
当連結会計年度の営業外収益は6百万円となりました。
一方、当連結会計年度の営業外費用は117百万円となりました。持分法による投資損失109百万円が発生しております。
当連結会計年度の経常利益は468百万円(前期比8.4%減)となりました。
当連結会計年度の特別損失は10百万円となりました。固定資産除却損10百万円が発生しております。
(税金等調整前当期純利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は457百万円(前期比11.1%減)となりました。
(法人税等)
当連結会計年度の法人税等は168百万円となり、法人税等の負担率は36.8%となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益289百万円(前期比17.7%減)となりました。
当社グループは、事業活動のための適切な流動性の確保と健全な財政状態の維持のため、営業キャッシュ・フローの創出に努めております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。これらの資金需要につきましては、基本的に営業キャッシュ・フロー及び自己資本を主な源泉と考えております。ただし、当社グループの成長のための資金需要が生じた場合に備え、金融機関との間で当座借越契約を締結しております。
該当事項はありません。
該当事項はありません。