(1)業績
当連結会計年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)の当社グループ事業を取り巻く環境ですが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて通信インフラ充実の動きが本格化するとともに、携帯通信事業者の回線を利用したMVNO(Mobile Virtual Network Operator)の登場により、サービスがより廉価に提供されるトレンドになる等、通信サービス業界では、ユーザーに多様なコミュニケーション手段を提供する基盤が整備され、市場も堅調な推移が見受けられました。
この過渡期において、個人所有スマートフォンの業務利用「BYOD(Bring Your Own Device)」の浸透やスマホアプリ等を介した「リアルタイムコミュニケーション」のビジネスシーンでの多用により、リモートワーキング社会の到来が身近に感じられるようになりました。ビジネスでのコミュニケーションについて、多様な選択肢が求められる時流となり、ビジネスの潜在的なチャンスが広がっていく傾向にあります。
同じく、大手通信事業者の光回線の卸売りに伴う従来回線のIP化の加速等の背景を受け、IP電話やスマートフォンを介したコミュニケーションサービスの需要が拡張していくための環境が整ってきています。
このような環境の下、当社は『成長』をテーマに、平成25年4月から3カ年を対象に中期経営計画を推進して参りました。その最終年度である当連結会計年度には、以下の3つの施策を推進しました。
・既存事業、サービス事業、海外事業の3つの領域での活動による収益基盤の強化
・ベトナム現地法人を活用した生産性向上とそれに伴う収益の向上
・リアルタイムコミュニケーション技術の分野での強みの再構築
これらの施策を通じ、収益向上を目指しましたが、当社グループの売上の大部分を占める通信事業者向け「通信インフラ上の通信関連サービス」が、通信事業者のインフラ提供に専念するという戦略方向転換により市場が変化したこと、他のITサービス事業者も当該通信関連サービスを提供するようになったこと、当社の技術を活かした新製品・新サービスが、当社の営業力不足と他のITサービス事業者との競合激化により販売拡大ができなかったこと等から、十分な実績を残すことができませんでした。
当連結会計年度の業績は、売上高346,307千円(前年同期比12.9%減)、営業損失452,869千円(前年同期は389,890千円の営業損失)、経常損失468,101千円(前年同期は388,259千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失491,675千円(前年同期は412,183千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
当連結会計年度における各事業領域での取り組みは次のとおりであります。
1)既存事業領域
NTTグループ、電力系通信事業者及びメーカが主要な取引先でありますが、通信事業者がインフラ提供に専念するという戦略転換を行ったため、当連結会計年度では売上について十分な実績を残すことができませんでした。
当連結会計年度における主なトピックとしては、「飛躍的な高音質を実現するメディア通信技術」の研究に取り組み、新しいVoIP通信方式「REAFSVC」を開発いたしました。また、このREAFSVCを様々なアプリや機器へ搭載可能にする音声通信エンジン「SUPREE Embedded Audio Engine」の提供を平成27年12月より開始しました。
2)サービス事業領域
平成24年3月期より開始したデジタルポスト関連事業の強化・拡大を推進しました。電子郵便関連事業に対する社会的認知度が高まってきている中、日本での電子郵便関連事業を力強く牽引できるように、ビジネスモデルの精緻化を図り、事業展開の下地を形成しました。
また、女性の起業・これからの働きかたを支援するコロコニ・プロジェクトを推進し、平成28年1月には子会社株式会社コロコニを設立いたしました。女性の多様な働き方を支援する各種事業を、収益化していくための道筋を形成しました。
本事業領域では、今後の収益化に向けた道筋はつけたものの、当連結会計年度内に十分な収益に結び付けるまでには至っておらず、大きな結果を残すに至りませんでした。
一方、当社の保有する技術資産やノウハウを通じ、スタートアップ企業の事業成長をサポートする取り組みの継続によって、株式会社サムライインキュベート、KDDI株式会社等との業務提携から、新たな企業との出会い、ビジネスの拡大の萌芽を得ることができました。
3)海外事業領域
SOFTFRONT VIETNAM CO., LTD.において開発人材の採用を進め、開発拠点としての体制を強化することができました。当社が受注したソフトウエア開発案件の一部を同社に委託することで、お客様にとってリーズナブルな価格でのソフトウエア開発を実現できる体制を確立しました。並行して、高品質なIP電話やテレビ電話を可能にするソフトウエア製品をベトナム国内で展開する営業活動も進展させました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
1)ソフトウエア販売
SIP・NGN・デジタルポスト関連技術を主体とするソフトウエア販売・ライセンス提供・サポートの提供を行いました。
新規取引先からの受注はあったものの、未だ各施策の効果が現れるまでの過渡期にあり、売上高96,971千円(前年同期比49.1%減)、セグメント損失31,464千円(前年同期は57,424千円のセグメント利益)と低迷いたしました。
2)受託開発
SIP・NGN関連技術を主体とする受託開発・技術コンサルティング・ソリューション開発の請負を行いました。
新たな取引先からの受注もあり、昨年度より好調でしたが、十分な増収には至らず、売上高240,762千円(前年同期比19.1%増)、セグメント利益97,951千円(前年同期比72.4%増)となりました。
3)その他
SIP・NGN関連技術を主体とした物品等を販売しました。
SIP・NGN関連技術製品の物品販売などで、売上高8,573千円(前年同期比68.0%増)、セグメント利益3,356千円(前年同期比32.0%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動による資金の消費279,991千円、投資活動による資金の消費114,441千円、財務活動による資金の獲得997,219千円により、1,079,778千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果消費された資金は279,991千円(前年同期は274,657千円の消費)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失490,465千円の計上、減価償却費106,197千円の計上、貸倒引当金の増加62,606千円、売上債権の減少11,433千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果消費された資金は114,441千円(前年同期は106,877千円の消費)となりました。これは主に、ソフトウエアの取得による支出93,749千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は997,219千円(前年同期比191.3%増)となりました。これは主に、第9回新株予約権の行使に伴う株式の発行による収入992,524千円によるものであります。
(1)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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当連結会計年度 |
前年同期比(%) |
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セグメントの名称 |
(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
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金額(千円) |
構成比(%) |
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ソフトウエア販売 |
128,435 |
46.4 |
96.6 |
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受託開発 |
142,810 |
51.7 |
98.2 |
|
その他 |
5,216 |
1.9 |
203.7 |
|
合計 |
276,462 |
100.0 |
98.4 |
(注)1.セグメント間の取引はありません。
2.金額には、消費税等は含まれておりません。
3.ソフトウエア販売の金額は、ソフトウエア提供のための製造原価を記載しております。
(2)受注状況
当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
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セグメントの名称 |
||||
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受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
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ソフトウエア販売 |
94,750 |
50.1 |
9,106 |
80.4 |
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受託開発 |
246,618 |
132.5 |
32,258 |
122.2 |
|
その他 |
8,620 |
168.4 |
2,725 |
101.8 |
|
合計 |
349,988 |
92.0 |
44,090 |
109.1 |
(注)金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
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当連結会計年度 |
前年同期比(%) |
|
|
セグメントの名称 |
(自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
||
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|
金額(千円) |
構成比(%) |
|
|
ソフトウエア販売 |
96,971 |
28.0 |
50.9 |
|
受託開発 |
240,762 |
69.5 |
119.1 |
|
その他 |
8,573 |
2.5 |
168.0 |
|
合計 |
346,307 |
100.0 |
87.1 |
(注)1.セグメント間の取引はありません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
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株式会社デックジャパン |
51,132 |
12.9 |
66,000 |
19.1 |
|
株式会社ケイ・オプティコム |
111,787 |
28.1 |
53,071 |
15.3 |
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株式会社サクセス |
49,570 |
12.5 |
39,752 |
11.5 |
3.金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、平成25年5月10日付で発表した「中期経営計画」の3年目である当連結会計年度において、コスト削減並びに開発効率及び生産性の向上を目的として、①収益基盤の強化、②収益性と生産性の向上、③強みの再構築の3つの施策を実施しました。
①収益基盤の強化
既存事業、サービス事業、海外事業の3つの事業領域において、収益基盤の強化に尽力しました。
特に国内の事業においては、通信事業者及び複合機メーカを中心とする国内メーカとの取引拡大、自社ソフトウエア製品「Hello Meeting」及び「Livy Talk」を活用したソフトウエア製品提供や受託開発の取引案件の拡大を目指しましたが、通信事業者の戦略転換による市場の変化や、新たな顧客に対する営業活動が不十分であったこと、他のサービス業者との競争が激化したこと等から、当社製品・サービスの販売が低迷し、売上の実績を残すことができませんでした。
また、ベトナム現地法人(ソフトフロントベトナム)についても、営業に係る活動量は前年に比して増加したものの、当社グループ製品の販売については十分な実績を出せるまでには至りませんでした。
②収益性と生産性の向上
廉価で質の良い開発が可能なベトナム現地法人を活用することで、生産性の向上に努めました。しかしながら、国内での案件受注が停滞したこと、ベトナム現地での案件獲得が伸びなかったことなどから、収益性が向上せず、生産性の向上を十分には活かせませんでした。
③強みの再構築
当社グループの強みであるリアルタイムコミュニケーション技術の分野において、研究開発を推進しました。特に「飛躍的な高音質を実現するメディア通信技術」の研究に取り組み、新しいVoIP通信方式「REAFSVC」を開発するという成果をあげましたが、収益に反映するまでは至りませんでした。今後は、本技術を製品化し、収益に結びつけるためのスピーディなアクションが求められます。
上記施策を進める過程において、特に当連結会計年度においては、収益向上を目指しましたが、当社グループの売上の大部分を占める通信事業者向け「通信インフラ上の通信関連サービス」が、通信事業者のインフラ提供に専念するという戦略方向転換により市場が変化したこと、他のITサービス事業者も当該通信関連サービスを提供するようになったこと、当社の技術を活かした新製品・新サービスが、当社の営業力不足と他のITサービス事業者との競合激化により販売拡大ができなかったこと等から、十分な実績を残すことができませんでした。これにより、前連結会計年度に引き続き、当連結会計年度においても、営業損失の計上及び営業キャッシュ・フローのマイナスを計上し、また、重要な営業損失、経常損失及び親会社株主に帰属する当期純損失が発生していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
一方で、当連結会計年度において資金調達が進んだこと及び事業基盤拡大を意図した「株式会社筆まめ」の株式取得(子会社化)が平成28年4月に完了したことは収益改善に向けた契機になる大きな実績と考えております。
これらを踏まえ、当社グループでは業績を向上させるための新たな中期経営計画を策定しました。本計画において、当社グループは持株会社によるグループ経営体制に移行するとともに、以下に示す3つのテーマを推進いたします。これらを的確に遂行することで、当該状況を解消し、業績回復と財務状況の改善を進めて参ります。
■業績回復に向けた3つのテーマ
①新たな市場への挑戦
当社グループのこれまでの主要な顧客は大手通信事業者やITベンダー等の限られた顧客でしたが、今後は、『コミュニケーションプラットフォーム事業』及び『ネットとリアルの融合事業』の領域において、新たなサービスの展開を行い、様々な『ネットサービス事業者』やネットの活用・展開が未だ不十分な『リアルな事業者』までも対象顧客として取り込み、新たな挑戦を行います。
翌連結会計年度は、特に、子会社化した株式会社筆まめと関連会社であるデジタルポスト株式会社を連携し、『クラウドを活用した年賀状作成・印刷・郵便一体化サービス』を目指して、新しい市場に挑戦いたします。
②スピーディなニーズ対応
刻一刻と変化する顧客のニーズに対応するため、M&A(Merger and Acquisition/企業合併・買収)等により強化したグループ内外のリソースや市場を柔軟に組み合わせることで、迅速にサービスを創出・提供いたします。
翌連結会計年度は、特に各事業会社の既に対象としている市場を共有することで、新たな顧客のニーズを発掘し、併せて、グループ内の既存リソースを融合することで、素早く価値を提供する活動に注力します。
例)株式会社コロコニの営業活動から得た「時間や空間に縛られず、フレキシブルに働く環境を整えたい」という顧客ニーズに対し、株式会社筆まめのデザイン力や当社ソフトウェア製品「Smart Office」をトータルで融合した、新しいコミュニケーションスキームを素早く提案する等
③環境適応力の強化
早期に収益を確保するため、M&Aを基軸に、事業基盤の強化に取り組みます。また、スピーディな事業展開ができるようにグループ経営体制に移行いたします。グループ経営体制移行後は、持株会社が内外の環境変化を見据えながら的確に『戦略立案』し、ポートフォリオを意識した全体的な視点からグループ横断的に『資源配分』を担います。持株会社の全体的な視点と個々の強みに特化した各事業会社の事業展開とが融合することにより、柔軟に環境に適応できる経営体制を目指します。
以上の施策を実施することにより、収益基盤を確保し経営の安定化を図り、当該状況が解消されると判断しておりますが、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
当社グループの事業展開上のリスク要因になる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(平成28年6月27日)現在において判断したものであります。
なお、以下の記載は本株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、ご留意願います。
①SIP・NGN関連市場について
NTTグループが進める次世代ネットワークNGNは、平成20年3月の商用サービス開始以来、順調に拡大しております。当社グループは、平成21年2月にNTTグループと資本・業務提携し、NGNの普及に向けて協力してきておりますが、この普及が当社グループの想定している規模まで拡大しなかった場合、当社グループの経営方針及び事業展開等は変更を余儀なくされ、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
また、NGNが相応に拡大した場合であっても、当社グループの製品開発、機能強化、改良等が不十分で継続的な顧客満足を得られない場合、結果として、当社グループからのライセンス提供が思うように増加しない可能性があります。
②新規事業について
平成23年9月に資本参加し共同で設立したデジタルポスト株式会社におけるデジタルポスト事業をはじめとして、主に一般消費者向けの新しいサービスの収益は不確実性を伴っております。当社グループとしては、その不確実性を織り込んで計画を立てておりますが、中長期的にその想定を超えて事業が進捗しなかった場合、当社グループの業績が一定の影響を受ける可能性があります。
③M&A等について
当社グループは、スピーディな事業展開のため、M&A等を積極的に活用することとしておりますが、事前のデューデリジェンスにおいて確認できなかった問題等が生じる可能性があります。また、M&A等において見込んだシナジー効果が想定どおりに発揮されない場合、当社グループの業績が一定の影響を受ける可能性があります。
④研究開発について
当社グループは、他社との技術上の競合関係において、より有利な地位を占めるための努力を継続していく必要があり、そのための研究開発投資については、今後も継続が必要な重要な投資分野であると認識しております。当社グループの製品については、今後とも性能、品質の向上及び技術の強化に努め、かつ中長期的な観点から当社グループが現時点で重要と考えている技術上の研究課題についても研究開発を継続していく所存であります。ただし、当社グループの想定する技術動向と現実の技術動向との間に齟齬が生じた場合や他社との技術開発競争が激しくなった場合には、当社グループは予想しない支出を迫られる、又は当社グループの製品の普及に失敗する可能性があります。
⑤SIP・NGN関連技術分野での競合について
当社グループと全面的に競合する事業者は、国内においては少数でありますが、グローバル展開を進めている海外の事業者では有力なものがあり、今後、これらの事業者との競合により、当社グループの業績が予想以上に大きな影響を受ける可能性があります。当社グループが持つSIP・NGN関連技術に関する高度な技術的ノウハウという優位性は、数多くの経験に裏打ちされたノウハウであり、容易に凌駕される性質のものではありませんが、IETF(※1)よりSIPに関連し公表されるRFC(※2)はオープンな規格であり、SIPの将来性に着目した新たな企業が参入してくる可能性があります。大規模な研究開発投資を行うなどされた場合、当社グループの優位性が必ずしも保持できないことも考えられ、当社グループの事業に影響を与える可能性があります。
(※1)IETF(Internet Engineering Task Force):インターネット技術の国際的な標準化組織
(※2)RFC(Request For Comments):IETFが制定するインターネット技術の標準文書
⑥当社グループによる第三者の知的財産権の侵害について
当社グループは、現時点において第三者より知的財産権に関する侵害訴訟の提起や侵害の主張を受けてはおりません。しかし、当社グループが扱う技術は比較的新しいものであるため、現時点でクレーム等を受けていないとしても、将来、市場が拡大し、当社グループの事業活動が広がりを見せた段階において、第三者が知的財産権を侵害しているとのクレーム(ロイヤルティ支払いの要求、使用差止め請求、損害賠償請求等)を行い、当社グループの事業及び業績が影響を受ける可能性があります。
⑦第三者による機密情報(ソース・コード)の不正開示について
悪意のある第三者が当社グループから開示されたソース・コードを盗用し契約外の製品を開発する、誤って又は故意にソース・コードを公の場に公開する等の可能性があります。これらの行為に対しては契約上において法的なプロテクトを掛けておりますが、万が一被害にあった場合、当社グループのビジネスに大きな影響を与える可能性があります。また特に海外においてこれらの行為が行われた場合には、当該事項の発見が遅れ、対策が後手に回る危険性があり、結果として被害が拡大する可能性があります。
⑧製品の不具合(バグ)の発生について
当社グループが提供する製品の不具合、あるいは受託開発事業においての当社グループの開発物の不具合により顧客が損害を被った場合、損害賠償請求を受ける、又は当社グループの製品に対する信用が市場で損なわれる等、当社グループのビジネスに大きな影響を与える可能性があります。
⑨海外事業について
ベトナム国ホーチミン市に当社100%子会社のベトナム国法人SOFTFRONT VIETNAM CO., LTD.を平成25年8月に設立しておりますが、主にアジアマーケットに向けた新たな展開であるため、その収益は思うように増加しない可能性があります。当該地域での政治的混乱、法律の一方的な改正、経済状況の変化、宗教問題等、予期せぬ事態が発生した場合には、当社グループの業績が一定の影響を受ける可能性があります。
⑩累積損失を計上していることについて
主にSIP関連分野の市場が未成熟な新しい分野であったことなどにより、当社グループの業績が長期間にわたり低迷したこと、研究開発や製品開発に多額の費用を投資してきたことなどから、当社グループは多額の累積損失を計上しております。当該累積損失を期中に獲得した利益をもって解消することとした場合、相応の期間を要するものと考えております。
⑪資金調達方法の限界について
資本市場における当社の株式の流動性が低下する状況が継続した場合、新たなエクイティ・ファイナンスの実行が難しくなる可能性があります。また、当社グループはソフトウエア開発を主たる業務とする会社であるため、銀行借入のための担保になり得るような土地等の資産は有しておりません。今後、戦略的な資本・業務提携や大規模な研究・製品開発に向けた資金調達が必要になった場合、計画額の全額を調達できないおそれもあります。
⑫ストック・オプションの付与について
当社グループは、有能な人材を獲得し、事業を成功に導く過程において、新たにストック・オプションを付与する可能性があり、その場合には、株式価値の希薄化や費用の増加を招く可能性があります。
⑬大株主の変動による経営への影響について
平成28年2月12日開催の当社取締役会の決議により、Oakキャピタル株式会社を割当先とする第三者割当による第9回新株予約権の発行が完了しております。同社が第9回新株予約権の全てを行使した場合には、平成28年3月31日現在の株主名簿に記載されている同社の議決権数と行使により得る議決数の合計が総議決権数に占める割合は最大約27.91%となると見込まれます。しかしながら、同社より、新株予約権の行使により取得する当社株式を、当社の業務を支援し企業価値を向上させ、株式価値を向上させることを十分に考慮し、かかる目的の達成状況を踏まえながら、株式を売却することにより利益を得る純投資の方針に基づき保有する旨、及び当社の経営に介入する意思や支配株主となる意思はなく、また、当社株式を売却する場合には可能な限り市場動向に配慮しながら行う旨、口頭で表明を得ております。
⑭継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、当連結会計年度において、営業損失452,869千円、経常損失468,101千円、親会社株主に帰属する当期純損失491,675千円を計上し、5期連続の営業損失の計上、また、3期連続の営業キャッシュ・フローのマイナスの計上となっており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループは、当該状況を解消して早期黒字化を図ることが優先課題であり、新しく策定した中期経営計画に基づき、以下に示す3つのテーマに係る施策を積極的に推進し、当社グループにおける業績回復を進めて参ります。
1)新たな市場への挑戦
新たに『コミュニケーションプラットフォーム事業』及び『ネットとリアルの融合事業』を展開し、新しい市場に挑戦します。新サービスの提供により、大手通信事業者などの既存顧客のみならず、『ネットサービス事業者』やネットの活用・展開が未だ不十分な『リアルな事業者』等を取り込み、顧客層を拡張することでビジネスのチャンスを広げます。
2)スピーディなニーズ対応
M&A等により強化したグループ内外のリソースや市場を柔軟に組み合わせることで、迅速にサービスを創出・提供いたします。
翌連結会計年度は、特に各事業会社の既に対象としている市場を共有することで、新たな顧客のニーズを発掘し、併せて、グループ内の既存リソースを融合することで、素早く価値を提供する活動に注力します。
3)環境適応力の強化
早期に収益を確保するため、M&Aを基軸に、事業基盤の強化に取り組みます。また、スピーディな事業展開ができるようにグループ経営体制に移行いたします。各子会社は個々の強みに特化した事業展開に専念するとともに、持株会社が『戦略策定』・『資源配分』等、全体的な視点から、グループをコントロールすることで、柔軟に環境に適応できる経営を目指します。
当社グループは、Oakキャピタル株式会社を割当先とする第三者割当により発行される新株式の発行並びに第9回新株予約権の発行及び行使によって当連結会計年度末までに調達した1,014,209千円の資金により、平成28年4月26日に株式会社筆まめを子会社化しており、上記M&Aによる事業展開に着手しております。当連結会計年度末時点で第9回新株予約権の504,000千円の未行使額がありましたが、その後、同新株予約権の一部行使がありました。これらの資金調達により、さらなるM&A等を活用し、上記施策を推進して参ります。
以上の施策を実施することにより、収益基盤を確保し経営の安定化を図り、当該状況が解消されると判断しておりますが、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
1.株式会社筆まめの株式取得
当社は、平成28年4月22日開催の取締役会において、株式会社筆まめの株式を取得し、子会社化することについて決議し、平成28年4月26日に株式を取得しております。
(1)企業結合の概要
①被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称:株式会社筆まめ
事業の内容 :はがき・住所録ソフト「筆まめ」をはじめとしたソフトウエア製品の企画・開発・販売
②企業結合を行った主な理由
株式会社筆まめは、郵便のデジタル化という大きな流れの中で、「ネットとリアルの融合」という当社が今後の中核事業の一つとする領域において、個人が手紙を書いて郵送する、又は企業が紙媒体を顧客先へ配達することがネットの世界と融合された際の一連のバリューチェーンの重要な一部をリアルな世界で担っております。
同社は使い勝手の良さで定評があり、圧倒的なブランド力を持つはがき・住所録ソフト「筆まめ」を中心とする一般コンシューマ向けソフトウェア製品を提供しており、同分野で長年に渡り蓄積したノウハウ及び実績を有しております。一方、当社は電子郵便関連サービスにおけるソフトウェア開発を4年以上手掛けており、郵便の印刷・郵送事業のクラウド・サービス化のノウハウを活用して、同社との事業シナジーにより当社の事業価値拡大に資するものと考えております。
また、当社は、高品質が要求される通信事業者やメーカー等に対するIP電話やテレビ会議関連のソフトウェア製品の提供や受託開発の提供を通して、ビジネス向けソフトウェア開発を長年手掛けてきており、同社が手掛けるクラウド・サービス事業においては、当社が展開予定としている「コミュニケーション・プラットフォームの提供」事業を利用することで当社と同社の双方にメリットがあります。
③企業結合日
平成28年4月26日
④企業結合の法的形式
株式取得
⑤結合後企業の名称
変更はありません。
⑥取得した議決権比率
100%
⑦取得企業を決定するに至った主な根拠
当社が現金を対価として株式を取得したことによるものです。
(2)被取得企業の取得原価及び対価の種類ごとの内訳
|
取得の対価 |
現金 |
680,000千円 |
|
取得原価 |
|
680,000千円 |
(3)主要な取得関連費用の内容及び金額
アドバイザリーに対する報酬・手数料等 37,200千円
(4)発生したのれんの金額、発生原因、償却方法及び償却期間
現時点では確定しておりません。
(5)企業結合日に受け入れた資産及び引き受けた負債の額並びにその主な内訳
現時点では確定しておりません。
2.会社分割による持株会社体制への移行
(1)移行の背景及び目的
当社は、これまで主にSIP/VoIP技術を中心に事業を進めて参りました。
しかしながら、現在の当社グループを取り巻く事業環境については、大手通信事業者の事業の方向転換を契機に、構造そのものが急速に変化しております。これを受け、当社グループには従来の延長線上にない新たな事業領域の開拓が求められているものと現状を認識しております。
当社グループがこのような事業環境の変化に適応し、将来にわたって永続的に成長・発展するためには、M&Aや戦略的な事業提携を視野に入れた大局的な視点からの意思決定と戦略と一貫した経営資源の配分が求められます。これらを受け、グループ全体の企業価値を向上し、かつ最大化するため、新しい経営体制の構築が不可欠であるとの結論に至りました。
このような背景から、当社グループは持株会社体制に移行し、当社の事業を、新設する「株式会社ソフトフロントジャパン」及び「株式会社ソフトフロントR&D」に承継させる新設分割を行います。
当社グループが今後の成長のために持株会社制に移行する目的は以下のとおりです。
①「戦略の立案」と「戦略の実行」を分離し、経営効率を強化
持株会社がグループ横断的な戦略の立案とそれを実現するための経営資源の管理・配分に専従し、各事業会社は、グループ経営戦略の方向性に基づき、各事業にスピード感を持って専念することで、役割を明確に分離し、グループとしての経営効率を向上させます。
②ポートフォリオ型の事業経営により、環境適応力を強化
今後の当社グループ事業の中核となる「コミュニケーションプラットフォーム事業」及び「ネットとリアルの融合事業」の領域において、新事業を多角的に展開しつつ、新旧の事業を複合的に運営することで、環境の変化に柔軟に適応できる足腰の強い経営を実現します。
③グループシナジーの実現
中期経営計画を核に、グループ内の各事業会社が持つ市場・人材・技術・ノウハウ等を横断的に共有・融合・活用することで、新たなビジネスのチャンスを獲得し、収益をスピーディに拡大します。
(2)会社分割の要旨
①分割の日程
平成28年5月16日 分割計画書承認取締役会
平成28年6月24日 定款変更承認定時株主総会
平成28年8月1日(予定) 分割予定日(効力発生日)
②分割方式
当社を分割会社とし、新設会社を承継会社とする新設分割です。
③割当株式数
本新設分割に際し、新設会社が発行する普通株式は次のとおりで、全てを分割会社である当社に割当て交付いたします。
株式会社ソフトフロントジャパン 1,800株
株式会社ソフトフロントR&D 600株
④分割交付金
分割交付金はありません。
⑤分割により増減する資本金等
本新設分割に伴う当社の資本金等の増減はありません。
⑥分割会社の新株予約権及び新株予約権付社債に関する取扱い
新株予約権を発行しておりますが、その扱いに変更はありません。
⑦新設会社が承継する権利義務
新設分割設立会社が当社から承継する権利義務は平成28年5月16日付新設分割計画書に定めるところにより、分割効力発生日現在の当社分割対象事業に属する資産、負債、雇用契約及びその他の権利義務としました。なお、承継する当該資産及び負債の評価については、平成28年3月31日現在の当社の貸借対照表その他同日現在の計算を基礎として、これに分割効力発生日の前日までの増減を加除した上で決定いたします。
また、新設会社が当社から承継する債務については、重畳的債務引受の方法によっています。
⑧債務履行の見込み
当社及び新設会社は、分割効力発生日以降履行する債務について、本新設分割後もその履行を担保するに足る資産を有しており、債務の履行効力発生の確実性に問題はないものと判断しています。
(3)分割する事業部門の概要
ソフトウェア販売事業、受託開発事業、物品販売事業及びこれらに付帯する事業に関して有する権利義務を「株式会社ソフトフロントジャパン」
研究開発関連事業及びソフトフロントベトナム関連事業に関して有する権利義務を「株式会社ソフトフロントR&D」
(4)新設会社の状況 (平成28年8月1日設立時)
商号 株式会社ソフトフロントジャパン
代表者 代表取締役社長 髙須 英司
住所 東京都港区赤坂四丁目2番19号
資本金 90,000千円
事業内容 ソフトウエアの販売
決算期 3月31日
商号 株式会社ソフトフロントR&D
代表者 代表取締役社長 佐藤 和紀
住所 東京都港区赤坂四丁目2番19号
資本金 30,000千円
事業内容 ソフトウエアの販売
決算期 3月31日
(5)会社分割後の当社の状況
商号 株式会社ソフトフロントホールディングス
代表者 代表取締役社長 阪口 克彦
住所 東京都港区赤坂四丁目2番19号
資本金 3,700,923千円
事業内容 子会社の管理・運営
決算期 3月31日
当社グループは、スマートフォンやタブレットなどのモバイル機器をはじめとする、さまざまなコンピュータ環境上でのリアルタイム通信をコア技術としており、インターネットや携帯電話ネットワーク上の高度なクラウド通信システム技術と、高品質な音声/映像通信技術により、通信事業者、サービス事業者、SIer、通信機器メーカや家電メーカに対して、事業を展開しております。
研究開発活動においては、市場動向に対応した競争優位性を強化すべく、モバイル、クラウド、セキュリティ、ソフトウェア品質のテーマを中心に展開してまいりました。
当連結会計年度における主な成果は、以下のとおりであります。
(1)超高品質音声・映像通信ミドルウェアの開発
コミュニケーションサービスが、それまでのIP電話機やPCアプリから、スマートフォンやタブレットなどのモバイルアプリへと移り変わる中、その通信環境の中心は、安定した品質の有線ネットワークから、品質が動的に大きく変化する無線ネットワークへと移っております。
従来の音声・映像通信技術は、通信品質が連続的に変化するネットワーク環境へ十分に対応できず、一般に、スマートフォンのIP電話アプリなどは、通話品質が悪いとされています。これに対し、これまでの研究開発成果であるSIPとVoIP技術をもとに、通話品質を飛躍的に向上させる新たな通信方式「REAFSVC」(リアルタイム環境分析・追従型同期式音声通話方式)の研究を行いました。これにより、当社SIP、VoIP技術の適用範囲を広げ、機能性能を強化しています。
(2)企業コミュニケーションシステムの構築・保守・運用技術の開発
IP電話を含むコミュニケーションシステムを、実際の企業ネットワークへ導入するにあたっては、コスト要件や情報セキュリティ要件への対応の他、基幹ネットワーク設備との連携など、BYOD(Bring Your Own Device:従業員が個人保有の情報機器を業務利用する形態)の活用ニーズを踏まえた、周辺技術の確立がポイントとなっています。
当連結会計年度においては、当社グループの社内ネットワークシステムの一部を実証実験環境と位置付けて、コミュニケーションシステム導入の課題抽出と、ネットワーク運用技術の蓄積を行っております。
(3)ソフトウェア開発方式の研究
スマートフォン向けの小規模アプリケーションの増加や、クラウドシステムの普及などによって、ソフトウェアの開発は、これまで以上に短期間で、仕様自体を変更しながら進めることが求められるようになりました。
このような環境の中、要求を柔軟に汲み取りながら、ソフトウェアの品質・生産性を実現し、顧客満足度を高めることが、より大きな課題となっています。
当連結会計年度では、ソフトウェア開発の状況および成果をソフトウェア工学として定量的に分析し、課題抽出と未来予測する研究を行いました。
顧客要求に対して、品質、コスト、期間を満足させるソフトウェア開発生産性を強化しています。
これらの研究開発活動の結果、当連結会計年度において50,826千円の研究開発費を計上しております。
なお、セグメントごとの研究開発活動の状況及び研究開発費の金額につきましては、当社グループの研究開発活動が複数のセグメントに横断的に関係するものであり、経営資源の配分の決定及び業績を評価するための対象とはしていないため、記載しておりません。
文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成28年6月27日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。当社グループの経営陣は、連結財務諸表の作成に際して、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積り及び仮定設定を行う必要があります。経営陣は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しておりますが、特に以下の会計方針に関する事項が、当社グループの連結財務諸表作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。
①収益の認識
当社グループの売上高は、通常、契約書又は発注書に基づく製品や開発物を顧客に提供し、顧客が検収を完了した時点、又はサービスを提供した時点に計上されております。なお、受託開発案件につきましては、売上計上基準として原則として工事進行基準を採用しております。
②貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒損失に備えて、回収不能となる見積額を貸倒引当金として計上しております。顧客等の財務状況が悪化し、支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
③製品保証引当金の計上基準
当社グループは、ソフトウエア等の保証対応により発生する費用の支出に備えるため、実績率により将来の見込額を計上しております。ソフトウエア等の保証対応が予想以上に発生した場合には、引当金の追加計上又は追加費用が発生する可能性があります。
④販売目的のソフトウエアの減価償却
販売目的のソフトウエアについては、見込販売期間(2年以内)における見込販売収益に基づく償却額と販売可能な残存販売期間に基づく均等配分額を比較し、いずれか大きい額を計上する方法によっております。当初予見することができなかった原因により、見込販売収益の著しい減少が見込まれる場合には、当該減少要因の発生連結会計年度以後の費用が増加すると推測されます。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループは、『成長』をテーマに、平成25年4月から3カ年を対象に中期経営計画を推進して参りました。その最終年度である当連結会計年度(平成27年4月1日~平成28年3月31日)には、以下の3つの施策を推進しました。
・既存事業、サービス事業、海外事業の3つの領域での活動による収益基盤の強化
・ベトナム現地法人を活用した生産性向上とそれに伴う収益の向上
・リアルタイムコミュニケーション技術の分野での強みの再構築
これらの施策を通じ、収益向上を目指しましたが、当社グループの売上の大部分を占める通信事業者向け「通信インフラ上の通信関連サービス」が、通信事業者のインフラ提供に専念するという戦略方向転換により市場が変化したことと、他のITサービス事業者も当該通信関連サービスを提供するようになったこと、当社の技術を活かした新製品・新サービスが、当社の営業力不足と他のITサービス事業者との競合激化により販売拡大ができなかったこと等から、十分な実績を残すことができませんでした。
①売上高
売上高につきましては、346,307千円となりました。
売上高の内訳につきましては、ソフトウエア販売は96,971千円、受託開発は240,762千円、その他は8,573千円となっております。
②売上原価
売上原価につきましては、276,462千円となりました。
③販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費につきましては、522,713千円となりました。
④営業損益
営業損益につきましては、売上総利益が69,844千円となり、販売費及び一般管理費を522,713千円計上したことにより、452,869千円の営業損失を計上しております。
⑤営業外損益
営業外損益につきましては、営業外収益397千円を計上し、営業外費用15,629千円を計上いたしました。
⑥経常損益
経常損益につきましては、営業外収益397千円及び営業外費用15,629千円を計上したため、468,101千円の経常損失を計上いたしました。
⑦特別損益
特別損益につきましては、特別利益の計上はなく、投資有価証券評価損14,600千円、減損損失7,764千円を計上したことにより、特別損失22,364千円を計上いたしました。
⑧税金等調整前当期純損益
税金等調整前当期純損益につきましては、特別利益の計上はなく、特別損失22,364千円を計上したため、490,465千円の税金等調整前当期純損失を計上いたしました。
⑨親会社株主に帰属する当期純損益
親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、法人税、住民税及び事業税を1,210千円計上したこと、非支配株主に帰属する当期純損失がないことにより、491,675千円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上いたしました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、当面はM&A等により事業基盤を強化した上で、コミュニケーションプラットフォームの提供及びネットとリアルの融合を通じて新たな事業を展開し、業績の回復に努めます。このため、経営成績に重要な影響を与える要因は、「新事業の展開に必要な経営資源を持つ企業とのM&A等を成功させること」及び「新たな顧客ニーズに対応したサービスを迅速に展開すること」であると考えております。
(4)経営戦略の現状と見通し
平成28年5月16日付で新たな3年間の「中期経営計画」を策定いたしました。本計画において、当社グループは持株会社によるグループ経営体制に移行するとともに、以下に示す3つのテーマを推進いたします。これらを的確に遂行することで、業績回復と財務状況の改善を進めて参ります。
①新たな市場への挑戦:顧客層、特に潜在的な成長が見込める領域の顧客層を拡大
当社グループのこれまでの主要な顧客は大手通信事業者やITベンダー等の限られた顧客でしたが、今後は、『コミュニケーションプラットフォーム事業』及び『ネットとリアルの融合事業』の領域において、新たなサービスの展開を行い、様々な『ネットサービス事業者』やネットの活用・展開が未だ不十分な『リアルな事業者』までも対象顧客として取り込み、新たな挑戦を行います。
翌連結会計年度は、特に、子会社化した株式会社筆まめと関連会社であるデジタルポスト株式会社を連携し、『クラウドを活用した年賀状作成・印刷・郵便一体化サービス』を目指して、新しい市場に挑戦いたします。
②スピーディなニーズ対応:変化する顧客ニーズに対応して、新サービスを素早く展開
刻一刻と変化する顧客のニーズに対応するため、M&A等により強化したグループ内外のリソースや市場を柔軟に組み合わせることで、迅速にサービスを創出・提供いたします。
翌連結会計年度は、特に各事業会社の既に対象としている市場を共有することで、新たな顧客のニーズを発掘し、併せて、グループ内の既存リソースを融合することで、素早く価値を提供する活動に注力します。
例)株式会社コロコニの営業活動から得た「時間や空間に縛られず、フレキシブルに働く環境を整えたい」という顧客ニーズに対し、株式会社筆まめのデザイン力や当社ソフトウェア製品「Smart Office」をトータルで融合した、新しいコミュニケーションスキームを素早く提案する等
③環境適応力の強化:変化に柔軟に対応するため、機動的な経営体制を構築
早期に収益を確保するため、M&Aを基軸に、事業基盤の強化に取り組みます。また、スピーディな事業展開ができるようにグループ経営体制に移行いたします。グループ経営体制移行後は、持株会社が内外の環境変化を見据えながら的確に『戦略立案』し、ポートフォリオを意識した全体的な視点からグループ横断的に『資源配分』を担います。持株会社の全体的な視点と個々の強みに特化した各事業会社の事業展開とが融合することにより、柔軟に環境に適応できる経営体制を目指します。
当該中期経営計画は、次のURLからご覧いただくことができます。
(当社ホームページ)
http://www.softfront.co.jp/pdf/Policy-20160516.pdf
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動による資金の消費279,991千円、投資活動による資金の消費114,441千円、財務活動による資金の獲得997,219千円により、1,079,778千円となりました。
②資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、人件費であります。
当社グループの主たる事業は、ソフトウエア販売、受託開発などであることから、事業活動における資金需要の中心は、開発要員などに対する人件費となります。
なお、当社グループでは、技術的優位性の維持、拡大のための研究開発活動を経営の重要な要素であると考えており、今後、新規の市場開拓に伴う営業費用と共に、研究開発のためにも継続的な資金需要の発生が見込まれることから、更なる新株の発行や長期資金の借入を実行する可能性もあります。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針については、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載しております。
(7)重要事象等について
当社グループは、当連結会計年度において、営業損失452,869千円、経常損失468,101千円、親会社株主に帰属する当期純損失491,675千円を計上し、5期連続の営業損失の計上、また、3期連続の営業キャッシュ・フローのマイナスの計上となっており、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループは、当該状況を解消して早期黒字化を図ることが優先課題であり、新しく策定した中期経営計画に基づき、以下に示す3つのテーマに係る施策を積極的に推進し、当社グループにおける業績回復を進めて参ります。
①新たな市場への挑戦
新たに『コミュニケーションプラットフォーム事業』及び『ネットとリアルの融合事業』を展開し、新しい市場に挑戦します。新サービスの提供により、大手通信事業者などの既存顧客のみならず、『ネットサービス事業者』やネットの活用・展開が未だ不十分な『リアルな事業者』等を取り込み、顧客層を拡張することでビジネスのチャンスを広げます。
②スピーディなニーズ対応
M&A等により強化したグループ内外のリソースや市場を柔軟に組み合わせることで、迅速にサービスを創出・提供いたします。
翌連結会計年度は、特に各事業会社の既に対象としている市場を共有することで、新たな顧客のニーズを発掘し、併せて、グループ内の既存リソースを融合することで、素早く価値を提供する活動に注力します。
③環境適応力の強化
早期に収益を確保するため、M&Aを基軸に、事業基盤の強化に取り組みます。また、スピーディな事業展開ができるようにグループ経営体制に移行いたします。各子会社は個々の強みに特化した事業展開に専念するとともに、持株会社が『戦略策定』・『資源配分』等、全体的な視点から、グループをコントロールすることで、柔軟に環境に適応できる経営を目指します。
当社グループは、Oakキャピタル株式会社を割当先とする第三者割当により発行される新株式の発行並びに第9回新株予約権の発行及び行使によって当連結会計年度末までに調達した1,014,209千円の資金により、平成28年4月26日に株式会社筆まめを子会社化しており、上記M&Aによる事業展開に着手しております。当連結会計年度末時点で第9回新株予約権の504,000千円の未行使額がありましたが、その後、同新株予約権の一部行使がありました。これらの資金調達により、さらなるM&A等を活用し、上記施策を推進して参ります。
以上の施策を実施することにより、収益基盤を確保し経営の安定化を図り、当該状況が解消されると判断しておりますが、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。