第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

①中期的方針

 当社は、2018年7月より既存事業における不採算事業の見直し、徹底した経費削減等への取組みなど、一連の経営再建活動を行い業績の回復を進めた結果、当連結会計年度(2019年3月期)において、営業損失は269百万円と、前連結会計年度(2018年3月期)に比べて581百万円改善いたしました。

 当社は、引き続き、翌事業年度(2020年3月期)に向けて更なる営業力の強化、経費削減を推進いたします。更に既存事業に加え、業容の拡大を目的として、「資本・業務提携やM&Aの検討」、「新規事業創出の検討」を積極的に進めてまいります。

 これらの状況を踏まえ、当社は、今後の業容拡大の方向性の見直しを行い、2019年4月から2022年3月までの3か年の中期経営計画を策定いたしました。本中期経営計画の基本方針は以下のとおりであります。

1)既存事業の再構築と事業基盤の強化

2)財務基盤の充実と戦略的な投資計画の実行

3)資本・業務提携、M&Aによる業容の拡大

4)株主還元策の充実

 本中期経営計画では、2022年3月までの期間における事業拡大の方向性を示すこととし、2020年3月期から2021年3月期を「ビジネス改革期」、2022年3月期を「ビジネス拡大期」と位置づけ、企業価値の向上及び株主価値の向上を目指してまいります。

1)対象期間(2020年3月期~2021年3月期):2019年4月から2021年3月まで

ビジネス改革期と位置付け、既存事業を柱として安定的な黒字経営を定着させるとともに、2022年以降の急速な事業拡大のための準備期間として当社のコア技術であるボイスコンピューティングを中心とした事業やコミュニケーション・プラットフォーム事業、その周辺領域の事業による収益を柱として、事業規模及び収益の拡大を図ります。

2)対象期間(2022年3月期):2021年4月から2022年3月まで

ビジネス拡大期と位置付け、グループ企業経営の下、新たなビジネスモデルへとドラスティックな変革を模索します。財務基盤を充実し、資本・業務提携やM&A、新規事業の立ち上げ、戦略的な投資を行うとともに、株主の皆様への還元策の充実、従業員満足度の向上を図ってまいります。

②目標とする経営指標

 今後、グループ企業体制を形成していくことを見越して、次のとおり連結業績目標・指標を設定し、事業規模の拡大を推進します。

ビジネス改革期

ビジネス拡大期

2020年3月期

(2019年4月~2020年3月)

2021年3月期

(2020年4月~2021年3月)

2022年3月期

(2021年4月~2022年3月)

事業基盤確立

営業損益改善

事業拡大

営業利益計上(黒字化)

事業拡大

営業利益拡大

③中長期的な会社の経営戦略

中期経営計画の基本方針を実現していくための経営戦略は以下のとおりであります。

1)既存事業の再構築と事業基盤の強化

既存事業のうち、当社のコア事業であるボイスコンピューティング事業とコミュニケーション・プラットフォーム事業に経営資源を投下し、事業を拡大してまいります。

2)財務基盤の充実と戦略的な投資計画の実行

戦略的な投資を実行するための資金を適時調達するとともに、累積損失を解消し、財務体質の充実及び健全化を図ります。

3)資本・業務提携、M&Aによる業容の拡大

調達した資金を用いて人材の確保、事業の拡大のための投資を進めます。事業拡大のために積極的にM&Aによる業容の拡大を進めます。

4)株主還元策の充実

株主の皆様への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、株主の皆様との対話方法や関係性構築のありかたを含めて総合的な検討を行ったうえ、剰余金の配当(復配)や株主優待等の早期実現を含めた株主還元策の拡充を図ります。

 

(2)経営環境

 当社グループは、当連結会計年度において、8期連続の営業損失を計上しております。当該状況を解消して早期黒字化を図ることが優先課題であり、中期経営計画に基づき、当社グループにおける業績回復を進めてまいります。

 

(3)対処すべき課題

 当社グループは、8期連続の営業損失を計上しており、早期に黒字化を図ることが優先課題であると考えております。2019年5月17日に公表した新たな「中期経営計画」に基づき、以下に示す4つの施策を積極的に推進し、当社グループにおける業績回復を進めてまいります。

①既存事業の再構築と事業基盤の強化

 既存事業のうち、当社のコア事業であるボイスコンピューティング事業とコミュニケーション・プラットフォーム事業に経営資源を投下し、事業を拡大してまいります。

 具体的には、様々なシステム環境に電話の機能を安価にかつスピーディに組み込んでサービス提供することを可能とするクラウドサービス「telmee」の需要が自治体や各種事業者で顕在化しており、サービスの拡販に力を入れてまいります。また、2018年10月より、急成長分野として期待するボイスコンピューティング分野にて展開する自然会話AIプラットフォーム「commubo(コミュボ)」の提供を開始しており、コールセンター業務への対応、電話による営業アポイントメントの獲得、企業の代表電話の受付、テレビショッピングの注文受付など様々な利用シーンへの展開が期待され、同様にサービスの拡販に力を入れてまいります。

②財務基盤の充実と戦略的な投資計画の実行

 戦略的な投資を実行するための資金を適時調達するとともに、累積損失を解消し、財務体質の充実及び健全化を図ります。

 なお、2018年4月6日付「株式会社大洋システムテクノロジーとの資本業務提携、同社に対する第三者割当による新株式及び第10回新株予約権の発行、並びにマイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社に対する第三者割当による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第11回新株予約権の発行に関するお知らせ」で開示したとおり、手元資金の確保のため資金調達を行っておりますが、引き続き、さらなる資金調達を行ってまいります。

 また、当社は株式会社大洋システムテクノロジー(以下「大洋システムテクノロジー社」という。)と資本業務提携を行い、当社のコア技術を創出する強みと大洋システムテクノロジー社及びその属するグループ全体の潤沢な資金力と人的リソースの強みを組み合わせて協同でボイスコンピューティング事業を進めていくこととしておりますので、その具現化に注力してまいります。

③資本・業務提携、M&Aによる業容の拡大

 調達した資金を用いて人材の確保、事業の拡大のための投資を進めます。更に事業拡大のために積極的にM&Aによる業容の拡大を進めます。

④株主還元策の充実

 株主の皆様への利益還元を重要な経営課題と位置づけ、株主の皆様との対話方法や関係性構築のありかたを含めて総合的な検討を行ったうえ、剰余金の配当(復配)や株主優待等の早期実現を含めた株主還元策の拡充を図ります。

2【事業等のリスク】

 当社グループの事業展開上のリスク要因になる可能性があると考えられる主な事項を以下に記載しております。また、必ずしも事業上のリスクに該当しない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項につきましては、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ではありますが、本株式に関する投資判断は、以下の記載事項及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

 本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は有価証券報告書提出日(2019年6月28日)現在において判断したものであります。

 なお、以下の記載は本株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、ご留意願います

①新規事業について

 当社グループでは、様々な新規事業に積極的に取り組んでおり、その収益は不確実性を伴っております。当社グループとしては、不確実性を織り込んで計画を立てておりますが、中長期的にその想定を超えて事業が進捗しなかった場合、当社グループの業績が一定の影響を受ける可能性があります。

②M&A等について

 当社グループは、スピーディな事業展開のため、M&A等を積極的に活用することとしておりますが、事前のデューデリジェンスにおいて確認できなかった問題等が生じる可能性があります。また、M&A等において見込んだシナジー効果が想定どおりに発揮されない場合、当社グループの業績が一定の影響を受ける可能性があります。

③資金調達方法の限界について

 資本市場における当社の株式の流動性が低下する状況が継続した場合、新たなエクイティ・ファイナンスの実行が難しくなる可能性があります。今後、戦略的な資本・業務提携や大規模な研究・製品開発に向けた資金調達が必要になった場合、計画額の全額を調達できないおそれもあります。

④累積損失を計上していることについて

 当社グループは、2019年3月29日を効力発生日として、資本金及び資本準備金の額の減少並びに剰余金の処分を行い、繰越利益剰余金が増加したものの、依然、累積損失を計上しております。当該累積損失を期中に獲得した利益をもって解消することとした場合、相応の期間を要するものと考えております。

⑤研究開発について

 当社グループは、他社との技術上の競合関係において、より有利な地位を占めるための努力を継続していく必要があり、そのための研究開発投資については、今後も継続が必要な重要な投資分野であると認識しております。当社グループの製品については、今後とも性能、品質の向上及び技術の強化に努め、かつ中長期的な観点から当社グループが現時点で重要と考えている技術上の研究課題についても研究開発を継続していく所存であります。ただし、当社グループの想定する技術動向と現実の技術動向との間に齟齬が生じた場合や他社との技術開発競争が激しくなった場合には、当社グループは予想しない支出を迫られる、又は当社グループの製品の普及に失敗する可能性があります。

⑥当社グループによる第三者の知的財産権の侵害について

 当社グループは、現時点において第三者より知的財産権に関する侵害訴訟の提起や侵害の主張を受けてはおりません。しかし、当社グループが扱う技術は比較的新しいものであるため、現時点でクレーム等を受けていないとしても、将来、市場が拡大し、当社グループの事業活動が広がりを見せた段階において、第三者が知的財産権を侵害しているとのクレーム(ロイヤルティ支払いの要求、使用差止め請求、損害賠償請求等)を行い、当社グループの事業及び業績が影響を受ける可能性があります。

⑦第三者による機密情報(ソース・コード)の不正開示について

 悪意のある第三者が当社グループから開示されたソース・コードを盗用し契約外の製品を開発する、誤って又は故意にソース・コードを公の場に公開する等の可能性があります。これらの行為に対しては契約上において法的なプロテクトを掛けておりますが、万が一被害にあった場合、当社グループのビジネスに大きな影響を与える可能性があります。また特に海外においてこれらの行為が行われた場合には、当該事項の発見が遅れ、対策が後手に回る危険性があり、結果として被害が拡大する可能性があります。

⑧製品の不具合(バグ)の発生について

 当社グループが提供する製品の不具合、あるいは受託開発事業においての当社グループの開発物の不具合により顧客が損害を被った場合、損害賠償請求を受ける、又は当社グループの製品に対する信用が市場で損なわれる等、当社グループのビジネスに大きな影響を与える可能性があります。

⑨ストック・オプションの付与について

 当社グループは、有能な人材を獲得し、事業を成功に導く過程において、新たにストック・オプションを付与する可能性があり、その場合には、株式価値の希薄化や費用の増加を招く可能性があります

⑩大株主の変動について

 2018年4月6日開催の当社取締役会の決議により、大洋システムテクノロジー社に対して第三者割当による新株式(以下「本新株式」という。)及び第10回新株予約権の発行並びにマイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社(以下「マイルストーン・キャピタル・マネジメント社」という。)に対し第三者割当による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債(以下「本新株予約権付社債」という。)及び第11回新株予約権の発行が完了しております。なお、2018年12月5日付で、大洋システムテクノロジー社は保有する全ての第10回新株予約権を同社と同一の株主を有する兄弟会社である株式会社オセアグループ(以下「オセアグループ社」という。)に対して譲渡しております。

 オセアグループ社が第10回新株予約権の全てを行使した場合には、大洋システムテクノロジー社の本新株式に係る議決権数とオセアグループ社が行使により得る議決数の合計が総議決権数に占める割合は最大約19.54%となると見込まれます。両社との間で両社の保有方針に関する特段の取り決めはありませんが、両社からは、本新株式及び第10回新株予約権の行使により交付を受けることとなる当社株式を長期保有する方針である旨、意向を表明していただいております。大洋システムテクノロジー社との間では、ボイスコンピューティング事業分野で業務提携を進めており、これらの資本業務提携が当社の企業価値向上につながると期待しております。

 また、マイルストーン・キャピタル・マネジメント社との間で同社の保有方針に関する特段の取り決めはありませんが、同社からは当社の企業価値向上を期待した純投資である旨、意向を表明していただいており、同社が大株主として長期保有しないことを担保するため、同取締役会決議日時点における当社発行済株式総数(22,284,620株)の10%(2,228,462株)を超えることとなる場合の、当該10%を超える部分に係る本新株予約権付社債の転換及び第11回新株予約権の行使はできない旨の行使条件が付されております。なお、同社からは、転換・行使により交付を受けることとなる当社株式については、市場動向を勘案しながら売却する方針と伺っております。

⑪継続企業の前提に関する重要事象等について

 当社グループは、当連結会計年度において、営業損失269,705千円、経常損失302,180千円、親会社株主に帰属する当期純損失272,563千円を計上した結果、8期連続の営業損失を計上しており、このような損失計上が継続すれば今後の手元流動性の確保に支障が生じる可能性もあることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 当社グループは、当該状況を解消して早期黒字化を図ることが優先課題であり、3つの施策(1 既存事業の再構築と事業基盤の強化、2 構造改革の推進、3 資本業務提携の具現化)を積極的に推進し、当社グループにおける業績回復を進めてまいります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)の当社グループ事業に関係するICT関連分野を取りまく環境につきましては、前期に引き続き、IoTやAI市場が世界各国において活性化する中、国内においても技術革新や市場拡大、国による様々な政策が実施されるなど堅調に推移いたしました。

 このような環境の下、当社グループは創業以来の当社固有のコミュニケーション関連の技術・事業の伸展・深耕による事業拡大へと原点回帰し、大洋システムテクノロジー社との資本業務提携により、開発リソース、事業展開力の支援を受け、ボイスコンピューティングを中心としたコミュニケーション領域での事業拡大に向け、事業基盤確立と営業損失縮小を進めております。当連結会計年度においては、コミュニケーションソフトウェア関連事業の中の柱である連結子会社株式会社ソフトフロントジャパンが増収増益となり、コミュニケーションインフラ関連事業における連結子会社株式会社ソフトフロントマーケティングの売上が拡大しております。また、2018年10月より、急成長分野として期待するボイスコンピューティング分野にて展開する自然会話AIプラットフォーム「commubo(コミュボ)」の提供を開始しており、コールセンター業務を営む大手企業を中心に引き合いも多く寄せられ、電話による営業アポイントメントの獲得、企業の代表電話の受付、テレビショッピングの注文受付など様々な利用シーンへの展開が期待されております。

 これらに加え、当社グループは次のとおり、不採算事業の見直し、徹底した経費削減等への取組みなど、一連の経営再建活動を行い、業績の回復を進めた結果、前連結会計年度末に債務超過であった状況から脱却し、当連結会計年度末に債務超過を解消することができました。

1)2018年10月、2019年2月:経営体制の変更

2)2018年9月:子会社であった株式会社ソフトフロントDevelopment Serviceの当社保有株式の全てを譲渡(その子会社であるSOFTFRONT VIETNAM CO., LTD.も同時に当社の子会社でなくなっております。)

3)2018年11月:子会社であった株式会社エコノミカルの当社保有株式の全てを譲渡

4)2018年10月~12月:希望退職者の募集による組織のスリム化

5)2019年3月:減資(資本金及び資本準備金の額の減少)に伴う課税額の変更等によるコスト削減

 これらの状況により、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高471,455千円(前年同期比61.8%減)、営業損失269,705千円(前年同期は851,034千円の営業損失)、経常損失302,180千円(前年同期は797,731千円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純損失272,563千円(前年同期は1,589,559千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。

 売上高につきましては、前年同期を下回っておりますが、これは主に前連結会計年度の売上高には連結から外れた子会社4社(株式会社筆まめ、株式会社グッドスタイルカンパニー、株式会社ソフトフロントDevelopment Service及びSOFTFRONT VIETNAM CO., LTD.)の売上高が含まれているためであります。営業損失・経常損失・親会社株主に帰属する当期純損失が大幅に改善しておりますが、これは主に前記の一連の経営再建活動によるものであります。

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

 なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

1)コミュニケーションソフトウェア関連事業

 売上高は255,642千円(前年同期比9.9%減)、セグメント損失33,363千円(前期はセグメント損失227,370千円)となりました。売上高の減少の主な理由は、当連結会計年度において連結子会社であった株式会社ソフトフロントDevelopment Service及びSOFTFRONT VIETNAM CO., LTD.が連結の範囲から除外されたためであります。その一方で当社が事業推進の柱として期待する連結子会社株式会社ソフトフロントジャパンの売上高は、様々なシステム環境に電話の機能を安価にかつスピーディに組み込んでサービス提供することを可能とするクラウドサービス「telmee」の需要が自治体や各種事業者で顕在化する等順調に増収増益となっております。また、セグメント損失が大幅に減少し、改善した主な理由は、株式会社ソフトフロントジャパンの増収増益及び不採算子会社の売却によるものであります。

2)コミュニケーションインフラ関連事業

 売上高は200,517千円(前年同期比84.6%増)、セグメント損失6,643千円(前期はセグメント損失43,128千円)となりました。これは主に連結子会社株式会社ソフトフロントマーケティングの各種商材の販売が順調であり増収となっており、損失も大きく改善したためであります。

3)AWESOME JAPAN関連事業

 売上高は17,797千円(前年同期比25.1%増)、セグメント損失18,589千円(前期はセグメント損失56,730千円)となりました。セグメント損失の改善は、主に業務委託に係る支払手数料が減少したためであります。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動による資金の消費368,415千円、投資活動による資金の獲得117,147千円、財務活動による資金の獲得354,051千円により、204,998千円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果消費された資金は368,415千円となりました。これは主に、関係会社整理損37,688千円があった一方で、税金等調整前当期純損失278,494千円、投資有価証券売却益43,672千円、貸倒引当金の減少額38,513千円、売上債権の増加額31,667千円、関係会社株式売却益29,928千円があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果獲得した資金は117,147千円となりました。これは主に、貸付けによる支出25,320千円、ソフトウェアの取得による支出22,457千円があった一方で、投資有価証券の売却による収入57,334千円、貸付金の回収による収入52,256千円、敷金及び保証金の回収による収入34,095千円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入21,917千円があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果獲得した資金は354,051千円となりました。これは主に、短期貸付金の純減額200,000千円があった一方で、株式の発行による収入374,170千円、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入196,346千円があったことによるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

コミュニケーションソフトウェア関連事業

142,067

66.6

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.金額には、消費税等は含まれておりません。

3.金額は、製造原価によって算出しております。

(2)受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

セグメントの名称

 

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

コミュニケーションソフトウェア関連事業

119,783

95.4

30,162

131.0

(注)1.ソフトウェアの受託開発に係る受注実績を記載しており、コミュニケーションソフトウェア関連事業セグメントの全ての受注実績を記載しておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

 

当連結会計年度

前年同期比(%)

セグメントの名称

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

 

金額(千円)

構成比(%)

コミュニケーションソフトウェア関連事業

255,642

54.2

90.3

コミュニケーションインフラ関連事業

200,515

42.5

184.8

AWESOME JAPAN関連事業

15,297

3.2

108.4

報告セグメント計

471,455

100.0

38.6

合計

471,455

100.0

38.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度において、販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10を超える販売先がないため、主要な販売先の記載を省略しております。

3.金額には、消費税等は含まれておりません。

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2019年6月28日)現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。当社グループの経営陣は、連結財務諸表の作成に際して、会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積り及び仮定設定を行う必要があります。経営陣は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載しておりますが、特に以下の会計方針に関する事項が、当社グループの連結財務諸表作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすものと考えております。

 

①収益の認識

 当社グループの売上高は、通常、契約書又は発注書に基づく製品や開発物を顧客に提供し、顧客が検収を完了した時点、又はサービスを提供した時点に計上されております。なお、受託開発案件につきましては、売上計上基準として原則として工事進行基準を採用しております。

②販売目的のソフトウエアの減価償却

 販売目的のソフトウエアについては、見込販売期間(2年以内)における見込販売収益に基づく償却額と販売可能な残存販売期間に基づく均等配分額を比較し、いずれか大きい額を計上する方法によっております。当初予見することができなかった原因により、見込販売収益の著しい減少が見込まれる場合には、当該減少要因の発生連結会計年度以後の費用が増加すると推測されます。

 

(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループは創業以来の当社固有のコミュニケーション関連の技術・事業の伸展・深耕による事業拡大へと原点回帰し、大洋システムテクノロジー社との資本業務提携により、開発リソース、事業展開力の支援を受け、ボイスコンピューティングを中心としたコミュニケーション領域での事業拡大に向け、事業基盤確立と営業損失縮小を進めております。当連結会計年度においては、コミュニケーションソフトウェア関連事業の中の柱である連結子会社株式会社ソフトフロントジャパンが増収増益となり、コミュニケーションインフラ関連事業における連結子会社株式会社ソフトフロントマーケティングの売上が拡大しております。また、2018年10月より、急成長分野として期待するボイスコンピューティング分野にて展開する自然会話AIプラットフォーム「commubo(コミュボ)」の提供を開始しており、コールセンター業務を営む大手企業を中心に引き合いも多く寄せられ、電話による営業アポイントメントの獲得、企業の代表電話の受付、テレビショッピングの注文受付など様々な利用シーンへの展開が期待されております。

 これらに加え、当社グループは不採算事業の見直し、徹底した経費削減等への取組みなど、一連の経営再建活動を行い、業績の回復を進めた結果、前連結会計年度末に債務超過であった状況から脱却し、当連結会計年度末に債務超過を解消することができました。

 売上高につきましては、前連結会計年度を下回っておりますが、これは主に前連結会計年度の売上高には連結から外れた子会社4社(株式会社筆まめ、株式会社グッドスタイルカンパニー、株式会社ソフトフロントDevelopment Service及びSOFTFRONT VIETNAM CO., LTD.)の売上高が含まれているためであります。営業損失・経常損失・親会社株主に帰属する当期純損失が大幅に改善しておりますが、これは主に前記の一連の経営再建活動によるものであります。

 

① 経営成績

(売上高)

 売上高につきましては、471,455千円となりました。

 

(売上原価)

 売上原価につきましては、317,105千円となりました。

 

(販売費及び一般管理費)

 販売費及び一般管理費につきましては、424,055千円となりました。

 

(営業損益)

 営業損益につきましては、売上総利益が154,349千円となり、販売費及び一般管理費を424,055千円計上したため、269,705千円の営業損失を計上いたしました。

 

(営業外損益)

 営業外損益につきましては、営業外収益3,665千円を計上し、営業外費用36,140千円を計上いたしました。

 

(経常損益)

 経常損益につきましては、営業外収益3,665千円及び営業外費用36,140千円を計上したため、302,180千円の経常損失を計上いたしました。

 

(特別損益)

 特別損益につきましては、投資有価証券売却益43,672千円、関係会社売却益29,928千円等を計上したことにより、特別利益81,335千円を計上いたしました。特別損失につきましては、関係会社整理損37,688千円、構造改革費用13,979千円等を計上したことにより、特別損失57,648千円を計上いたしました。

 

(税金等調整前当期純損益)

 税金等調整前当期純損益につきましては、特別利益81,335千円及び特別損失57,648千円を計上したため、278,494千円の税金等調整前当期純損失を計上いたしました。

 

(親会社株主に帰属する当期純損益)

 親会社株主に帰属する当期純損益につきましては、法人税、住民税及び事業税を1,091千円計上したこと、非支配株主に帰属する当期純損失を7,022千円計上したことにより、272,563千円の親会社株主に帰属する当期純損失を計上いたしました。

 

② 財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は326,064千円となり、前連結会計年度末に比べ72,940千円増加いたしました。これは主に、未収消費税等が21,225千円減少した一方で、現金及び預金が103,029千円増加したことによるものであります。固定資産は111,044千円となり、前連結会計年度末に比べ69,641千円減少いたしました。これは主に、貸倒引当金が38,975千円減少し、長期貸付金が20,324千円増加した一方で、長期未収入金が57,910千円、敷金及び保証金が35,533千円、投資有価証券が23,760千円、のれんが21,651千円減少したことによるものであります。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は67,997千円となり、前連結会計年度末に比べ291,653千円減少いたしました。これは主に、短期借入金が200,000千円、未払金が37,573千円、未払法人税等が20,730千円減少したことによるものであります。固定負債は207,641千円となり、前連結会計年度末に比べ44,356千円増加いたしました。これは主に、転換社債型新株予約権付社債が50,000千円増加したことによるものであります

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は161,469千円となり、前連結会計年度末に比べ250,596千円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純損失272,563千円を計上した一方で、第三者割当増資による払込み及び新株予約権の行使により株主資本が528,146千円増加したことによるものであります。

 この結果、自己資本比率は35.2%(前連結会計年度末は△22.2%)となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える要因は、既存事業の再構築と事業基盤の強化の進捗となります。

 当社は、既存事業のうち、当社のコア事業であるボイスコンピューティング事業とコミュニケーション・プラットフォーム事業に経営資源を投下し、事業を拡大してまいります。具体的には、様々なシステム環境に電話の機能を安価にかつスピーディに組み込んでサービス提供することを可能とするクラウドサービス「telmee」の需要が自治体や各種事業者で顕在化しており、サービスの拡販に力を入れてまいります。また、2018年10月より、急成長分野として期待するボイスコンピューティング分野にて展開する自然会話AIプラットフォーム「commubo(コミュボ)」の提供を開始しており、コールセンター業務への対応、電話による営業アポイントメントの獲得、企業の代表電話の受付、テレビショッピングの注文受付など様々な利用シーンへの展開が期待され、同様にサービスの拡販に力を入れてまいります。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析

①キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、営業活動による資金の消費368,415千円、投資活動による資金の獲得117,147千円、財務活動による資金の獲得354,051千円により、204,998千円となりました。

②資金需要

 当社グループは、新製品・サービスの提供に向けて開発を行っており、また、その開発を迅速に進めるためにM&A等を含めた投資を行うことも視野に入れており、資金需要の発生が見込まれます。

 これらの資金需要により、新株の発行や長期資金の借入を実行する可能性があります。

 

(5)重要事象等について

 当社グループは、当連結会計年度において、営業損失269,705千円、経常損失302,180千円、親会社株主に帰属する当期純損失272,563千円を計上した結果、8期連続の営業損失を計上しており、このような損失計上が継続すれば今後の手元流動性の確保に支障が生じる可能性もあることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。

 当社グループは、当該状況を解消して早期黒字化を図ることが優先課題であり、以下に示す3つの施策を積極的に推進し、当社グループにおける業績回復を進めてまいります。

①既存事業の再構築と事業基盤の強化

 既存事業のうち、当社のコア事業であるボイスコンピューティング事業とコミュニケーション・プラットフォーム事業に経営資源を投下し、事業を拡大してまいります。

 具体的には、様々なシステム環境に電話の機能を安価にかつスピーディに組み込んでサービス提供することを可能とするクラウドサービス「telmee」の需要が自治体や各種事業者で顕在化しており、サービスの拡販に力を入れてまいります。また、2018年10月より、急成長分野として期待するボイスコンピューティング分野にて展開する自然会話AIプラットフォーム「commubo(コミュボ)」の提供を開始しており、コールセンター業務への対応、電話による営業アポイントメントの獲得、企業の代表電話の受付、テレビショッピングの注文受付など様々な利用シーンへの展開が期待され、同様にサービスの拡販に力を入れてまいります。

②構造改革の推進

 不採算事業の見直し、徹底した経費削減等への取組みなど、一連の経営再建活動を行い、業績の回復を進めておりますが、引き続き、構造改革を推進し、グループ全体の効率化や合理化を図ってまいります。

③資本業務提携の具現化

 2018年4月6日付「株式会社大洋システムテクノロジーとの資本業務提携、同社に対する第三者割当による新株式及び第10回新株予約権の発行、並びにマイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社に対する第三者割当による第1回無担保転換社債型新株予約権付社債及び第11回新株予約権の発行に関するお知らせ」で開示したとおり、手元資金の確保のため資金調達を行っておりますが、引き続き、さらなる資金調達を行ってまいります。また、当社は大洋システムテクノロジー社と資本業務提携を行い、当社のコア技術を創出する強みと大洋システムテクノロジー社及びその属するグループ全体の潤沢な資金力と人的リソースの強みを組み合わせて協同でボイスコンピューティング事業を進めていくこととしておりますので、その具現化に注力してまいります。

 上記の施策により、収益基盤を確保し経営の安定化を図り、当該状況が解消されると判断しておりますが、業績回復は経済環境等の影響を受け、計画通りに進捗しない可能性があること、また、予定している資金調達においては新株予約権の行使も含まれ、新株予約権の行使の有無は新株予約権者の判断に依存し、当社グループが予定している資金調達ができない可能性があることから、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

 なお、連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。

 

4【経営上の重要な契約等】

(株式会社ソフトフロントDevelopment Serviceの株式譲渡)

 当社は、FPTジャパンホールディングス株式会社に、当社の完全子会社である株式会社ソフトフロントDevelopment Serviceの全ての株式を譲渡する契約を2018年9月5日に締結し、2018年9月13日付で譲渡が完了しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

(株式会社エコノミカルの株式譲渡)

 当社は、株式会社フォーカスに、当社の子会社である株式会社エコノミカルの当社が保有する全ての株式を譲渡する契約を2018年11月7日に締結し、2018年11月21日付で譲渡が完了しております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

5【研究開発活動】

 当社グループは、映像信号や音声信号に対するソフトウェア信号処理とリアルタイム通信をコア技術とし、会話ロボットのAI技術の開発と、その応用となる「ボイスコンピューティング」をテーマに活動しております。

 当連結会計年度における主な成果は以下のとおりであります。

 

 ・人との自然会話を実現するロボットシステムの開発

 スマートフォンや自動車の音声アシスタントや、スマートスピーカーが注目される中、その形態は一問一答形式の「音声コマンド」による操作に留まり、企業の日常業務への活用は限られています。当連結会計年度では昨年度に続いて、音声処理技術を基に、会話処理を行うAI技術の開発に取り組み、人間と継続的な会話を実現するロボットシステムの研究を行いました。

 リアルタイムで人間と会話するための高速なAI処理技術や、さまざまな企業システムに接続可能とするクラウドシステムの研究開発を行っております。

 

 これらの研究開発活動の結果、当連結会計年度において20,441千円の研究開発費を計上しております。

 なお、研究開発費は全額がコミュニケーションソフトウェア関連事業に係るものであります。